JP2010247170A - 半連続鋳造用フロート - Google Patents

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宏樹 江崎
Hajime Okazaki
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Abstract

【課題】湯面上に生成される酸化物の溶湯中への混入量を十分に低減させ得る半連続鋳造用フロートを提供する。
【解決手段】半連続鋳造装置の鋳型内に溶湯26を供給する注湯ノズル18が遊挿可能な挿通孔16を備えて、鋳型内の溶湯26上に浮かべられる浮子板部12を含んで構成すると共に、かかる浮子板部12に対して、その下面の外周部に周壁部20を設け、更に、浮子板部12における挿通孔16と周壁部20との間の部位に、空気が流通可能な貫通孔22を形成して、構成した。
【選択図】図4

Description

本発明は、半連続鋳造用フロートに係り、特に、軽合金を半連続鋳造する半連続鋳造装置の鋳型内に注湯される溶湯の湯面レベル調整用として好適に用いられる半連続鋳造用フロートの改良された構造に関する。
従来から、アルミニウムやマグネシウム等の軽合金のスラブやビレット等は、それらの大部分が、静止鋳型を有する竪型半連続鋳造装置を用いた半連続鋳造(DC鋳造)によって製造されている。また、この半連続鋳造では、一般に、鋳型内の溶湯の湯面レベルを一定に保持するための、所謂半連続鋳造用フロートが使用される。かかる半連続鋳造用フロートは、よく知られているように、注湯ノズルを通じて鋳型内に注湯された溶湯上に浮かべられ、湯面レベルの上下動に伴って、注湯ノズルの下端面と、その下方に位置するフロート部分との間の隙間の大きさを変化させることにより、鋳型内への注湯量を制御して、鋳型内の湯面レベルを一定に保持するものである。
ところで、従来の半連続鋳造では、湯面レベルの下降により溶湯が注湯される際に乱流が生じ、そのような乱流により、鋳型内の溶湯中に空気が巻き込まれて、湯面上に酸化物(酸化被膜)が生成され、かかる酸化物が溶湯中に混入してしまうといった問題があった。このような酸化物の溶湯への混入は、製造されるスラブやビレット等の割れや鋳肌不良を招くだけでなく、酸化物が混入するスラブやビレット等を用いて製造された圧延板や押出品、更にはそれらを材料として得られる機械加工品等において表面欠陥を発生させるといった数々の不具合を惹起する。
そこで、下記特許文献1には、特別な構造を有する半連続鋳造用フロートを用いて、溶湯中への酸化物の混入量の低減化を図るようにした技術が提案されている。かかる提案技術で用いられる半連続鋳造用フロートは、全体として、注湯ノズルの下端部が挿通される上側開口部を備えた有底の筒状を呈しており、その上側開口部の内周面に、内フランジ状の内側凸条が周設されて、上側開口部の水平断面積(開口面積)が、溶湯の流出口が設けられた底部側部分の水平断面積よりも小さくされている。そして、このような半連続鋳造用フロートの底部と筒壁部とが、上側開口部を挿通せしめられた注湯ノズルの下端部と共に、溶湯中に浸漬された状態で、溶湯上に浮かべられるようになっている。これにより、注湯ノズルからフロート内に供給される溶湯の大気との接触面積が小さくされて、その湯面上に生成される酸化物の量が少なくされ、その結果、注湯時の溶湯の流動に起因した、溶湯中への酸化物の混入量の低減化が図られているのである。
ところが、かかる従来の半連続鋳造用フロートを用いた場合、半連続鋳造の開始により鋳型内に溶湯が満たされた時点で、フロートの内側凸条の下面側に、逃げ場をなくした空気が溜まって、気泡が不可避的に発生する。この気泡は、溶湯の酸化を促進させるだけでなく、フロート内で著しい乱流を起こすため、フロート内の湯面上に生成された酸化物の溶湯中への混入を招く。従って、単に、注湯ノズルの下端部が挿通される上側開口部側の水平断面積を小さくするだけの、従来の半連続鋳造用フロートが有する構造では、溶湯中への酸化物の混入量を十分に低減することは極めて困難であったのである。
特開平10−328789号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、湯面上に生成される酸化物の溶湯中への混入量を、より十分に低減させ得る半連続鋳造用フロートを提供することにある。
本発明は、上記した課題、又は本明細書全体の記載や図面から把握される課題を解決するために、以下に列挙する各種の態様において、好適に実施され得るものである。また、以下に記載の各態様は、任意の組み合わせにおいても、採用可能である。そして、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載並びに図面に開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
(1)半連続鋳造装置の鋳型内に注湯ノズルを通じて注湯された溶湯上に浮かべられ、湯面レベルの上下動に伴って、該注湯ノズルから該鋳型内への注湯量を制御して、該湯面レベルを一定に保持する半連続鋳造用フロートであって、前記注湯ノズルの下端部が遊挿される挿通孔を備えた浮子板部を有すると共に、該浮子板部の下面の外周部に、その全周に連続して延びる周壁部が設けられ、更に、該浮子板部における該挿通孔と該周壁部との間の部位に、空気が流通可能な貫通孔が形成されていることを特徴とする半連続鋳造用フロート。
(2)1.0以下の比重を有する材料を用いて形成されている上記態様(1)に記載の半連続鋳造用フロート。
(3)前記浮子板部の下面を、前記鋳型内に注湯された前記溶湯に浸漬した状態において、該溶湯上に浮かべられ得るようになっている上記態様(1)又は(2)に記載の半連続鋳造用フロート。
すなわち、本発明に従う半連続鋳造用フロートにあっては、溶湯上に浮かべられる浮子板部の挿通孔の内周面と注湯ノズルの外周面との間の隙間から侵入する空気により、浮子板部の下面と接触する湯面上に酸化物が生成されても、注湯による溶湯の流動時に、かかる酸化物は、浮子板部の下面外周部に周設された周壁部にて堰き止められる。それ故、湯面上に生成される酸化物が、注湯時の溶湯の流動によりフロートの外部に流出して、溶湯中に混入することが、効果的に防止され得る。
そして、特に、本発明に係る半連続鋳造用フロートにおいては、浮子板部の挿通孔と周壁部との間の部位に、空気が流通可能な貫通孔が形成されているところから、半連続鋳造の開始により鋳型内に溶湯が満たされた時点で、浮子板部の下面と湯面との間の空気が、溶湯に押し出されるようにして、浮子板部の貫通孔から外部に排出される。それ故、鋳造の実施に際して、逃げ場をなくした空気が浮子板部の下面側に溜まって、気泡が形成されることが、有利に回避され得る。以て、浮子板部の下面側に形成された気泡によって、溶湯の酸化が促進せしめられたり、フロート内で著しい乱流が発生したりすることが、効果的に解消され得る。
従って、かくの如き本発明に従う半連続鋳造用フロートを用いれば、湯面上に生成される酸化物の溶湯中への混入量を、より十分に且つ極めて効果的に低減させることが出来る。そして、その結果として、半連続鋳造により、割れや鋳肌不良等のない、品質が良好なスラブやビレット等を有利に製造することが出来、また、そのようなスラブやビレット等を用いて製造された圧延板や押出品、更にはそれらを材料として得られる機械加工品等の品質向上が有利に実現可能となる。
本発明に従う半連続鋳造用フロートの一実施形態の上面説明図である。 図1におけるII−II断面説明図である。 図1におけるIII−III断面説明図である。 図1に示された半連続鋳造用フロートの使用状態を説明するための図であって、注湯時におけるフロート内部の状態を示している。 従来の半連続鋳造用フロートの使用状態を説明するための図4に対応する図である。 本発明に従う半連続鋳造用フロートの別の実施形態を示す図1に対応する図である。 図6におけるVII−VII断面説明図である。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1乃至図3には、本発明に従う構造を有する半連続鋳造用フロートの一実施形態として、長手の柱形状を呈する中実のアルミニウム合金ビレットを半連続鋳造する際に用いられるフロートが、その上面形態と互いに断面の異なる2種類の縦断面形態とにおいて、それぞれ示されている。それらの図から明らかなように、本実施形態のフロート10は、浮子板部12と調整板部14とを有して、構成されている。
より具体的には、浮子板部12は、全体として、円板形状を呈し、例えば、珪酸カルシウム等を主原料とする耐火材料を用いて形成されている。この浮子板部12を形成する耐火材料としては、アルミニウム合金の溶湯よりも小さな比重、一般的には1.0以下の比重を有する材料が使用される。
かかる浮子板部12の中心部には、それを貫通する円形の挿通孔16が、形成されている。この挿通孔16は、半連続鋳造装置(図示せず)の注湯ノズル18(図1乃至図3に二点鎖線で示す)の外径よりも所定寸法大きな内径を有している。これにより、注湯ノズル18が、挿通孔16に対して、その内周面との間に所定の隙間を形成した状態で挿通(遊挿)され得るようになっており、また、そのような注湯ノズル18の挿通孔16内への挿通状態下において、浮子板部12が、注湯ノズル18に対して、その軸方向に相対移動可能とされている。
浮子板部12の外周部には、浮子板部12の厚さよりも所定寸法だけ高い高さで突出し且つ全周に亘って周方向に連続して延びる周壁部20が、一体形成されている。換言すれば、浮子板部12の下面には、下方に向かって開口する円形の凹所21が形成されて、かかる凹所21の底部の中心部に、挿通孔16が形成されており、そして、そのような凹所21の側壁部にて、比較的に高さの低い円筒状の周壁部20が形成されているのである。
また、浮子板部12においては、挿通孔16が形成される中心部と周壁部20が形成される外周部との間の中間部分、つまり、凹所21の底部に、空気排出孔22が、かかる底部を貫通して、4個形成されている。それら各空気排出孔22は、何れも、空気が流通可能な程度において十分に小さな径を有する円形状を呈している。そして、凹所21の底部の外周部位において、互いに周方向に等間隔を隔てて位置せしめられている。即ち、4個の空気排出孔22は、浮子板部12の凹所21における底部の外周側において、互いに直交する二つの径方向のそれぞれの両側に位置するように設けられているのである。
なお、浮子板部12における空気排出孔22は、凹所21の底部、つまり挿通孔16が形成される中心部と周壁部20が形成される外周部との間の中間部分に形成されておれば、その形成位置が、特に限定されるものではない。また、空気排出孔22の大きさや形状、個数等も、浮子板部12の形状や大きさ等に応じて、適宜に変更され得るところである。しかしながら、空気排出孔22が余りに小さいと、空気排出孔22内に入り込んだ溶湯26が、湯面レベルが下降したときに、空気排出孔22内から抜けきれずに、そこで凝固して、空気排出孔22を閉塞してしまい、それによって、空気排出孔22が、後述する如き空気抜き孔としての機能を失ってしまう事態が生ずる恐れがある。それ故、そのような事態の発生を未然に防止する上から、空気排出孔22は、その直径が4mm以上とされていることが望ましい。また、かかる小さな空気排出孔22を通じての空気の排出量(流通量)を安定的に且つ確実に確保するために、空気排出孔22が、浮子板部12に対して2個以上設けられていることが好ましい。
一方、調整板部14も、全体として、円板形状を呈し、浮子板部12の形成材料と同一の材料を用いて形成されている。これにより、ここでは、フロート10全体の比重が1.0以下とされている。また、調整板部14は、その径が、浮子板部12の径方向の両側に位置する2個の空気排出孔22,22の間の距離よりも小さく、且つ浮子板部12の挿通孔16の内径よりも大きな寸法に設定されている。更に、調整板部14の上面の外周部における径方向両側に位置する2箇所には、矩形の接合突起24が、それぞれ1個ずつ一体形成されている。
そして、このような調整板部14が、浮子板部12の下方において、上側部分を凹所21内に入り込ませて、同軸的に配置された状態で、2個の接合突起24の先端面にて、浮子板部12の下面に接合されている。かくして、上下方向において互いに所定距離を隔てて同軸的に対向配置されて、相互に接合されてなる浮子板部12と調整板部14との接合品にて、本実施形態のフロート10が構成されているのである。
かくの如き構造とされた本実施形態のフロート10は、中実のアルミニウム合金ビレットを半連続鋳造する際において、従来と同様に、半連続鋳造装置の鋳型(図示せず)内に注湯されたアルミニウム合金の溶湯の湯面上に浮かべられて、湯面レベルを一定に保持させるための湯面レベル調整装置として、使用される。
すなわち、図4から明らかな如く、半連続鋳造装置の鋳型内が、注湯ノズル18を通じて注湯されたアルミニウム合金の溶湯26で満たされて、湯面レベルが所定の高さとなっているときには、図4に二点差線で示されるように、フロート10の浮子板部12の挿通孔16内に挿通された注湯ノズル18の下端部が浮子板部12の凹所21内に進入せしめられて、かかる注湯ノズル18の下端開口部が調整板部14にて閉塞される位置か、或いは注湯ノズル18の下端面と調整板部14との間の隙間を十分に小さくする位置において、フロート10が、溶湯26の湯面28上に浮かべられる。これにより、注湯ノズル18を通じての鋳型内への溶湯26の供給が停止されるか、又は鋳型内への溶湯26の供給量が十分に少なくされるようになっている。
そして、図4に実線で示されるように、半連続鋳造の進行により、凝固した鋳塊(ビレット)が鋳型の下部から引き出されて、溶湯26の湯面28のレベルが下降すると、フロート10は、挿通孔16内に挿通された注湯ノズル18の下端部に対して、浮子板部12を相対移動させつつ、湯面28と共に下降する。このとき、フロート10の調整板部14が、注湯ノズル18の下端面から下方に離間せしめられ、それより、溶湯26が、調整板部14と注湯ノズル18の下端面との間の隙間の大きさに応じた量において、注湯ノズル18から鋳型内に注湯されるようになる。
一方、かかる注湯により、湯面28のレベルが所定の高さにまで上昇すると、それに伴って、フロート10も、注湯ノズル18に対して相対移動せしめられつつ、上昇する。このとき、注湯ノズル18の下端面とフロート10の調整板部14との間の隙間が再び小さくされて、注湯ノズル18から鋳型内への溶湯26の注湯量が減少せしめられるようになる。
このように、フロート10は、湯面28のレベルの上下動に伴って、注湯ノズル18の下端面と調整板部14との間の隙間の大きさを変化させるように上下動せしめられるようになっており、それによって、注湯ノズル18を通じての鋳型内への注湯量を制御して、湯面28のレベルを一定に保持する働きをするように構成されている。
そして、そのような本実施形態のフロート10にあっては、全体の比重や重量が適当な大きさに設定されること等により、湯面28のレベルが如何なる高さとなっていても、常に、浮子板部12の下面が溶湯26中に浸漬されるようになっている。
ところで、アルミニウム合金ビレットの半連続鋳造を行うに際して、図5に示されるように、本実施形態のフロート10とは異なって、空気排出孔22を何等有しない浮子板部30と調整板部32との単なる接合品からなるフロート34を用いる場合には、最初に、鋳型内を溶湯26で満たしたときに、浮子板部30の下面と湯面28との間に、逃げ場をなくした空気が溜まって、気泡36が不可避的に形成されるようになる。この気泡36は、注湯ノズル18の外周面と浮子板部30の挿通孔16の内周面との間の隙間を通じてフロート34内(浮子板部30と調整板部32との間の部分)に入り込んだ空気により、湯面28上に不可避的に生成される酸化被膜38の生成を促進させて、かかる酸化被膜38の厚さを増大させる。そして、注湯ノズル18を通じて溶湯26が鋳型内に供給される際には、図5に矢印:アにて示されるように、厚さの大きな酸化被膜38が溶湯26の流れを阻害すること等により、浮子板部30と調整板部32との間で著しい乱流が生ずる。そのため、空気排出孔22を有しないフロート34を使用して、半連続鋳造を行う際には、湯面28上で生成された酸化被膜38の一部等からなる酸化物40が、より多く生成して、溶湯26に、より多く混入するといった事態が惹起される。
これに対して、浮子板部30に空気排出孔22が設けられてなる、本実施形態のフロート10を用いて、アルミニウム合金ビレットの半連続鋳造を実施する際には、最初に、鋳型内を溶湯26で満たしたときに、浮子板部12の下面と湯面28との間に存在する空気が、図4に破線の矢印:イで示されるように、溶湯26にて押し出されつつ、浮子板部12に設けられた4個の空気排出孔22を通じて、フロート10の外部に逃がされて、大気に放出される。そのため、浮子板部12と湯面28との間に、逃げ場をなくした空気が溜まって、気泡が形成されるようなことがない。
それ故、本実施形態のフロート10を用いる場合には、湯面28上に不可避的に生成される酸化被膜38の厚さが、浮子板部12の下面側の気泡の存在により無用に厚くなってしまうことがなく、従って、注湯ノズル18を通じて鋳型内に供給される溶湯26が、乱流を発生させることなしに、図4に実線の矢印:ウで示されるように、スムーズに流動する。
このように、本実施形態のフロート10を用いれば、湯面28上に生成される酸化被膜38の一部等からなる酸化物40の生成を、より効果的に且つ十分に少ない量に抑えることが出来る。そして、その結果として、割れや鋳肌不良等のない、良好な品質のアルミニウム合金ビレットを、半連続鋳造により有利に製造することが出来、また、そのようなアルミニウム合金ビレットを用いて製造された押出品、更にはそれを用いて得られる機械加工品等の品質向上が、有利に実現可能となる。
また、かかるフロート10にあっては、湯面28のレベルが如何なる高さとなっていても、浮子板部12の下面が、常に、溶湯26中に浸漬されるようになっている。それ故、例えば、鋳型内に溶湯26が満たされて、湯面28のレベルが所定の高さとなっている状態から、湯面28のレベルが低下したときに、空気が、注湯ノズル18の外周面と浮子板部12の挿通孔16の内周面との間の間隙を通じて、湯面28と浮子板部12の下面との間に入り込んでしまうようなことが、効果的に回避され得る。そして、それによって、フロート10内における湯面28上での酸化被膜38の生成量を可及的に小さく抑えることが出来る。これによっても、酸化被膜38の一部等からなる酸化物40の溶湯26中への混入量を、更に効果的に低減させることが可能となる。
次に、図6及び図7には、本発明に従う構造を有する半連続鋳造用フロートの別の実施形態として、長手の筒形状を呈する中空のアルミニウム合金ビレットを半連続鋳造する際に用いられるフロートが、その上面形態と縦断面形態とにおいて、それぞれ示されている。それらの図から明らかなように、本実施形態のフロート42も、浮子板部44と調整板部46とを有して、構成されている。これら浮子板部44と調整板部46は、前記実施形態のフロート10が有する浮子板部12と調整板部14と同一の耐火材料を用いて形成されている。
そして、本実施形態のフロート42が有する浮子板部44は、略長手の矩形平板形態を有している。また、かかる浮子板部44の長手方向に延びる二つの側面が、円筒状のアルミニウム合金ビレットを鋳造するのに、鋳型に形成される円筒状のキャビティの内側キャビティ面と外側キャビティ面のそれぞれの一部に対応した円弧形状を呈している。このような浮子板部44の中心部には、図7において二点鎖線で示す注湯ノズル18が遊挿可能な、略長円形状を呈する挿通孔16が形成されている。浮子板部44の下面の外周部には、周壁部20が一体的に周設されている。つまり、浮子板部44の下面には、周壁部20を側壁部とする凹所21が形成されている。また、かかる浮子板部44における挿通孔16と周壁部20との間の中間部分、即ち凹所21の底部には、空気排出孔22が、挿通孔16を間に挟んだ長さ方向両側の位置に、それぞれ1個ずつ形成されている。この空気排出孔22は、前記実施形態のフロート10の浮子板部12に設けられた空気排出孔22と同様な構造を有している。
調整板部46は、浮子板部44に設けられた2個の空気排出孔22,22間の距離よりも短く、且つ浮子板部44の長さ方向に対応した挿通孔16の長さ寸法よりも長い長さと、浮子板部44の幅と略同一の幅とを有する略長手の矩形平板形態を呈しており、長手方向に延びる二つの側面が、浮子板部44の円弧形状を呈する二つの側面と、それぞれ同一径の円弧形状を有している。また、この調整板部46の上面の幅方向両側の端部には、全長に亘って連続して延びる接合突条48が、一体的に突設されている。
そして、このような調整板部46が、浮子板部44に対して、それの下方において対向配置されて、接合突条48の先端面にて、浮子板部44の周壁部20の先端面に接合されている。かくして、上下方向において互いに所定距離を隔てて同軸的に対向配置されて、相互に接合されてなる浮子板部44と調整板部46との接合品にて、本実施形態のフロート42が構成されているのである。
かくの如き構造とされた本実施形態のフロート42は、中空の筒状アルミニウム合金ビレットを半連続鋳造する際において、従来と同様に、半連続鋳造装置の鋳型(図示せず)内に注湯されたアルミニウム合金の溶湯の湯面上に浮かべられて、湯面レベルを一定に保持させるための湯面レベル調整装置として、使用される。
そして、このフロート42にあっては、浮子板部44に対して、2個の空気排出孔22が形成されていると共に、かかる浮子板部44の下面の外周部に、周壁部20が一体的に周設されているところから、前記実施形態と同様に、湯面28上に生成される酸化被膜38の一部等からなる酸化物40の溶湯26中への混入量を、十分に少ない量となるように効果的に抑制することが出来る。そして、それによって、鋳造されるアルミニウム合金ビレットの品質の向上と、かかるビレットを用いて製造される押出品、更にはそれを使用して得られる機械加工品等の高品質化とが、極めて有利に実現可能となる。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、フロート10,42の浮子板部12,44や調整板部14,46の全体形状等は、フロート10,42が浮かべられる溶湯26が供給される鋳型の大きさや形状等に応じて、適宜に変更され得るものである。
また、浮子板部12,44と調整板部14,46との接合構造も、適宜に変更可能であり、それら浮子板部12,44と調整板部14,46とを一体成形しても、何等差し支えない。
さらに、浮子板部12,44に設けられる周壁部20の高さや形状、或いは形成位置も、前記実施形態に示されるものに、何等限定されるものでないことは、言うまでもないところである。
加えて、前記実施形態では、本発明を、アルミニウム合金ビレットの半連続鋳造に用いられるフロートに適用したものの具体例を示したが、本発明は、アルミニウム合金以外の、主に軽合金のビレットやスラブの半連続鋳造に用いられるフロートの何れに対しても、有利に適用されるものであることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
以下に、本発明に実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにするが、本発明が、そのような実施形態の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。
先ず、珪酸カルシウムを用いて、図6及び図7に示される如き構造を有するフロートを作製して、準備した。これを本発明例とした。この本発明例のフロートの浮子板部に形成される2個の空気排出孔の内径は、何れも5mmとした。また、本発明例のフロートの比重は0.8であった。
一方、比較のために、珪酸カルシウムを用いて、空気排出孔が何等形成されていない以外、本発明例と同様な構造及び形状、大きさを有するフロートを作製して、準備した。これを比較例とした。この比較例のフロートの比重も0.8であった。
そして、公知の竪型半連続鋳造装置と本発明例のフロートとを用いて、外径:600mm、内径:260mmの円筒状のアルミニウム合金ビレットを鋳造した。また、それとは別に、かかる公知の竪型半連続鋳造装置と比較例のフロートを用いて、本発明例のフロートを用いて実施した半連続鋳造と同一の条件で、外径:600mmで、内径:260mmの円筒状のアルミニウム合金ビレットを鋳造した。
その後、かくして得られた2種類のアルミニウム合金ビレットを用いて、それら各アルミニウム合金ビレット内部における酸化物の分布状態を公知の手法により調べた。その結果、比較例のフロートを用いて鋳造されたアルミニウム合金ビレットでは、鋳肌から2mm以上の深さにまで達する酸化物が多く認められた。これに対して、本発明例のフロートを用いて鋳造されたアルミニウム合金ビレットには、そのような酸化物が、何等認められなかった。これは、本発明に従う構造を有する半連続鋳造用フロートを用いることによって、鋳肌不良等のない、良好な品質のアルミニウム合金ビレットが有利に得られることを、如実に示している。
10,42 フロート 12,44 浮子板部
14,46 調整板部 16 挿通孔
18 注湯ノズル 20 周壁部
22 空気排出孔 26 溶湯
28 湯面 38 酸化被膜
40 酸化物

Claims (3)

  1. 半連続鋳造装置の鋳型内に注湯ノズルを通じて注湯された溶湯上に浮かべられ、湯面レベルの上下動に伴って、該注湯ノズルから該鋳型内への注湯量を制御して、該湯面レベルを一定に保持する半連続鋳造用フロートであって、
    前記注湯ノズルの下端部が遊挿される挿通孔を備えた浮子板部を有すると共に、該浮子板部の下面の外周部に、その全周に連続して延びる周壁部が設けられ、更に、該浮子板部における該挿通孔と該周壁部との間の部位に、空気が流通可能な貫通孔が形成されていることを特徴とする半連続鋳造用フロート。
  2. 1.0以下の比重を有する材料を用いて形成されている請求項1に記載の半連続鋳造用フロート。
  3. 前記浮子板部の下面を、前記鋳型内に注湯された前記溶湯に浸漬した状態において、該溶湯上に浮かべられ得るようになっている請求項1又は請求項2に記載の半連続鋳造用フロート。
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