JP2010246940A - 薬品秤量装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】秤量結果を薬品の形態に応じた適切なものとする。
【解決手段】調剤対象薬品を秤量するための秤量部材2、少なくとも秤量部材2で秤量された秤量値を表示する表示部材3、調剤対象薬品が錠剤である場合に錠数を入力するための入力部材3、及び、少なくとも表示部材3を制御する制御部材5を一体的に設けてなる装置本体1と、調剤対象薬品に関する薬品データが格納される薬品マスタを記憶する、装置本体1に着脱可能な記憶部材とを備える。制御部材5は、調剤対象薬品が錠剤である場合、入力部材3により錠数が入力されることにより、記憶部材の薬品マスタに、秤量値を個数で除算して得られた薬品1個当たりの重量を記憶させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、病院や調剤薬局等で、散薬や水剤等の薬品を調剤する際、この薬品を秤量して監査を行うための薬品秤量装置に関するものである。
従来、散薬等を調剤する際、処方箋に従って該当する薬品を秤量するだけでなく、秤量した値が常用量として適切なものであるか否かの監査を行うようにした装置が公知である(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2004−208846号公報 特開2002−282341号公報
しかしながら、前記従来の装置では、秤量の対象となる薬品の形態には、錠剤、水剤等の種々のものがあるにも拘わらず、秤量結果として重量を表示できるだけである。
そこで、本発明は、秤量結果を薬品の形態に応じた適切なものとすることのできる薬品秤量装置を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
薬品秤量装置を、
調剤対象薬品を秤量するための秤量部材、少なくとも前記秤量部材で秤量された秤量値を表示する表示部材、前記調剤対象薬品が錠剤である場合に錠数を入力するための入力部材、及び、少なくとも前記表示部材を制御する制御部材を一体的に設けてなる装置本体と、
前記調剤対象薬品に関する薬品データが格納される薬品マスタを記憶する、前記装置本体に着脱可能な記憶部材と、
を備えた構成とし、
前記制御部材は、前記調剤対象薬品が錠剤である場合、前記入力部材により錠数が入力されることにより、前記記憶部材の薬品マスタに、秤量値を個数で除算して得られた薬品1個当たりの重量を記憶させるようにしたものである。
前記制御部材は、前記秤量部材により錠剤が秤量される場合、前記記憶部材の薬品マスタに記憶させた薬品1個当たりの重量に基づいて、前記錠剤の錠数を算出し、前記表示部材に、算出された錠数を表示させるのが好ましい。
また、本発明は、前記課題を解決するための手段として、
薬品秤量装置を、
調剤対象薬品を秤量するための秤量部材、少なくとも前記秤量部材で秤量された秤量値を表示する表示部材、及び、少なくとも前記表示部材を制御する制御部材を一体的に設けてなる装置本体と、
前記調剤対象薬品に関する薬品データが格納される薬品マスタを記憶する、前記装置本体に着脱可能な記憶部材と、
を備えた構成とし、
前記記憶部材は、薬品マスタに記憶する薬品データに比重を含み、
前記制御部材は、前記調剤対象薬品が水剤である場合、前記表示部材に、前記秤量部材による秤量結果を前記記憶部材の薬品データに記憶した比重に基づいて容量に換算して表示させるようにしたものである。
本発明によれば、調剤対象薬品が錠剤の場合、錠数と秤量値に基づいて算出した薬品1個当たりの重量に基づいて、秤量する錠剤の錠数を算出することができるので、正確な錠数を得ることができる。また、調剤対象薬品が水剤の場合、容量を表示することができるので、便利である。
(a)は本実施形態に係る薬品秤量装置の斜視図、(b)は風防ケースの一部(軸受け部分)を示す部分拡大図である。 本実施形態に係る薬品秤量装置のブロック図である。 本実施形態に係る監査業務を示すフローチャート図である。 図3の常用量チェック処理を示すフローチャート図である。 図1の表示部に表示される調剤者入力画面を示す図である。 図1の表示部に表示される監査業務画面を示す図である。 図1の表示部に表示されるパスワード入力画面を示す図である。 図1の表示部に表示される秤量画面を示す図である。 図1の表示部に表示される日数選択画面を示す図である。 図1の表示部に表示される秤量確認画面を示す図である。 図1の表示部に表示される常用量登録画面を示す図である。 図1の表示部に表示された監査業務画面に、薬品が合致しない場合の警告メッセージを表示した状態を示す図である。 図1の表示部に表示される監査業務画面に、秤量値が目標値よりも少ない場合の警告メッセージを表示した状態を示す図である。 図1の表示部に表示される監査業務画面に、秤量結果が目標値を超えている場合の警告メッセージを表示した状態を示す図である。 図1の表示部に表示される賦形方法登録画面を示す図である。 図1の表示部に表示される賦形画面を示す図である。 図1の表示部に表示される薬品マスタ登録画面を示す図である。 図17から切り替えた詳細登録画面を示す図である。 図1の表示部に表示される薬瓶登録画面を示す図である。 図6の監査業務画面で、メニューボタンを操作することによりサブメニューをプルダウン表示させた状態を示す図である。 図1の表示部に表示される充填業務画面を示す図である。 図1の表示部に表示される秤量画面の他の例を示す図である。 図22で充填ボタンを操作することにより切り替えられた充填業務画面を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。
<構成>
図1は、本実施形態に係る薬品秤量装置を示す。この薬品秤量装置は、大略、装置本体1に、秤量部2、表示部3、記憶部4、及び、制御部5を設け、プリンタ6及びバーコードリーダー7を接続した構成である。
装置本体1は、箱状の筐体で構成され、後半部上面には風防ケース8を載置可能となっている。
風防ケース8は、天秤台2aに載置された薬品への周囲の空気流れの影響を排除するためのものである。風防ケース8は、図1(a)に示すように、四角形の枠体9と、その上方開口部を開閉するための蓋体10とで構成されている。枠体9は前方部が下端部を除いて除去され、前方からの薬品あるいは薬品を載せたトレイの出し入れが容易となっている。枠体9の側面は、前方側が低く形成され、側方からの薬品等の出し入れをも可能としている。また、側面下端中央部に形成した延設部9aには下方に向かって突起9bが設けられ、装置本体1の上面に形成した穴(図示せず)に係合することにより、装置本体1に対して風防ケース8を位置決めすることができるようになっている。枠体9の背面上端部には、図1(b)に示すように、軸受け90が設けられている。軸受け90は、蓋体10の支軸10aを回動可能に支持する第1支持部90aと、前記支軸10aを斜めに支持することにより、枠体9に対して蓋体10を開放した状態に維持する第2支持部90bとを備える。支軸10aは両端部に斜めに突出する板状部10bを形成され、軸受け90の第1支持部90aに回動可能に支持され、板状部10bが軸受け90の第2支持部90bに係合することにより蓋体10が傾斜状態に維持される。そして、板状部10bを軸受け90の第2支持部90bに支持させることにより、蓋体10を枠体9に対して傾斜した半開きの状態に維持することができるので、この半開きの状態で周囲の空気流れの影響を排除しつつ秤量を行うことが可能である。また、半開きの状態でも空気流れの影響を排除できない場合には閉鎖した状態で秤量すればよい。
装置本体1の後部上面には、着脱可能なカバー1aが設けられ、このカバー1aを取り除くと、そこは本発明に係る記憶部材を構成する記憶媒体11を着脱可能な装着室となっている。記憶媒体11には、USBメモリ、メモリカード、ディスク等、種々のものが使用可能である。ここでは、USBメモリが使用されており、前記装着室に露出するUSBポートに着脱される。また、装置本体1の背面には、着脱可能なカバー(図示せず)が設けられ、このカバーを取り除くと、そこはバッテリー電池を着脱可能な空間となっている。このバッテリー電池は、秤量時刻記録の基礎となる内部時計の電源をオフした際に利用する電源供給用のものである。このように、装置本体1を分解することなく(計量法上問題なく)、記録媒体11及びバッテリー電池の交換が可能となっている。なお、前記バッテリー電池からの電力供給は、装置本体1の側面に設けたスイッチ(図示せず)をオン状態とすることによりAC電源に切り替わり消耗が抑えられるようになっている。また、バッテリー電池の残量を表示し、残量が少なくなれば、ブザー等により報知するようにすれば、電池切れにより内部時計の時刻が誤表示され、記録データに支障が出るといった不具合の発生を防止することが可能となる。
記憶媒体11には、後述する記憶部4に記憶した情報以外の種々の情報が記憶されている。ここでは、監査機能に関するプログラムや薬品データ等が記憶されている。
薬品データとしては、例えば、サーバに格納した薬品マスタ(マザーマスタ)から薬品秤量装置を使用する調剤薬局で取り扱う薬品(採用薬品)に関するデータのみを抽出したものが挙げられる。ここでは、薬品コード、薬品名、JANコード、薬瓶(ロット番号、有効期限、在庫等の管理)、区分(剤形:散薬、水剤、外用薬)、比重、薬品種(普通薬、毒薬、麻薬、劇薬、抗精神薬、治験薬)、配合変化、賦形薬品、注意事項等の各データが該当する。JANコードとは、製薬メーカから供給される薬箱に付した薬品を識別するためのコード(バーコード)である。これらのデータは、前記マザーマスタから自動取り込みすることができるほか、後述する表示部3からも登録することが可能となっている。
なお、前記記憶媒体11に記憶させる薬品データは、マザーマスタから必要なデータを抽出するほか、予め前記薬品秤量装置で取り扱う薬品について薬品マスタ(サブマスタ)を作成しておくようにしてもよい。そして、マザーマスタあるいはサブマスタへのデータの登録は次のようにして行うことが可能である。
すなわち、前記表示部3に図17に示す薬品マスタ登録画面を表示させる。その画面で、薬品マスタから薬品コード及び薬品名を呼び出す(マニュアル入力してもよい。)。そして、これらに関連付けるJANコードや薬瓶コードを入力する。薬瓶コードとは、前記薬箱に収容した薬品を小分けする場合に収容する薬瓶に付したコード(バーコード)である。この場合、薬品コードと薬品名に対応させて、1又は2以上のJANコードと薬瓶コードの登録が可能である。但し、異なる薬品間でJANコードと薬瓶コードの重複登録は行えないようになっている。
ところで、前記項目「薬品名」をクリック操作すれば、項目「薬品音」に切り替わり、音声ファイルを参照して警告音等の音声を関連付けることができる。これにより、調剤時に薬品を決定する際、後述するスピーカー12により、薬品名を読み上げさせたり、注意薬品に対して警告音を出力させたりすることが可能である。
また、詳細ボタンをクリック操作すれば、図18に示す薬品マスタの詳細登録画面に切り替わる。詳細登録画面では、区分、比重、薬品種、配合変化、賦形薬品(単位、秤量)を入力可能である。区分欄には剤形(散薬、水剤、外用)を入力する。比重欄には薬品の比重を入力する。薬品種欄には、普通薬、毒薬、麻薬、劇薬、向精神薬、治験薬から選択して入力する。配合変化欄には、中性、酸性、アルカリ性、単独から選択して入力する。賦形薬品には、通常使用する賦形薬を入力する。
また、項目「薬瓶」をクリック操作すれば、図19に示す薬瓶登録画面に切り替わる。薬瓶登録画面では、容器重量、在庫量、薬品のロット番号、有効期限の登録が可能である。
前記区分データでは、散薬の場合、1回量(例えば、食後等の1回に服用する散薬の重量)でのチェックを行うか否かの設定が可能である。また、散薬のみの調剤、あるいは、水剤及び外用薬のみの調剤を許可する設定や、散薬、水剤及び外用薬の同時調剤を許可、あるいは、不許可する設定をすることも可能である。許可しない条件で調剤された場合、警告するように設定することも可能である。
前記賦形薬品のデータ(賦形データ)では、1日当たり、あるいは、1包当たりの処方量が基準量に満たさない場合に賦形処理を実行できるようにしている。また、賦形方法としては、「年齢別」、「基準量」、「固定量」の3パターンが設定されている。「年齢別」賦形方法では、予め年齢に応じた賦形量を決めている。「基準量」賦形方法では、処方量が基準量となるように賦形量を算出する。「固定量」賦形方法では、薬品毎に混合する賦形剤の量を一定値としている。これにより、賦形剤を一定量だけ秤量すればよくなり、「基準量」賦形方法に比べて対応が容易となる。また、賦形データには、賦形処理を自動で行うか否かの設定も可能となっている。なお、賦形とは、薬品の量を増し、ある形を与え、使いやすくするために、ラクトース、澱粉、グルコース等の賦形剤を混合することをいう。
装置本体1の前方部にはスピーカー12が設けられている。スピーカー12は、必要に応じて警告音等を出力するために使用される。
秤量部2は、本発明に係る秤量部材を構成するもので、図2に示すように、天秤ユニット13を備える。天秤ユニット13は、平行回路14、フォースコイル15、電流/電圧変換回路16、A/D変換回路17を備え、天秤台2aに載置された薬品の重量をデジタル信号に変換し、メイン基板18にシリアル通信で出力する。
表示部3はタッチパネルで構成され、本発明に係る表示部材と入力部材の両方の機能を兼ね備える。表示部3には、起動後の初期画面として図5に示す調剤者入力画面が表示される。調剤者入力画面は、登録された調剤者の一覧表が表示され、その中から選択できるように構成されている。調剤者は図示しない登録画面を開いて新たに登録することもでき、一覧表として表示させる際の順序も登録順又は調剤者名の昇順に設定することも可能である。そして、調剤者入力画面で調剤者が入力されると、図6に示す監査業務画面に切り替わるようになっている。
但し、起動後の初期画面として、図7に示すパスワード入力画面を表示し、適切なパスワードが入力された場合にのみ監査業務画面に切り替えるようにするのが好ましい。これにより、正当な権限のない第三者の使用を制限し、監査業務を行う調剤者が誰であるのかを特定することが可能となる。
監査業務画面は、上部に秤量条件を入力するための各種ボタン、すなわち「調剤者」、「処方番号」、「日数」、「分数」、「年齢」、「体重」の各ボタンと、「メニュー」ボタンが表示される。画面中央部には、監査業務の対象となる薬品(調剤対象薬品)について、薬品名及び実測量(重量)からなる一覧表が表示される。画面下部には、「登録」、「印刷」、「取消」の各ボタンが表示される。但し、「入力」ボタンは非表示で、後述するように、バーコードリーダー7が故障の場合に表示状態に切り替わる。
前記調剤者入力画面は、少なくとも調剤者が入力され、バーコードリーダー7で薬瓶に貼着したバーコードが読み取られると、図8に示す秤量画面に切り替わるようになっている。但し、バーコードリーダー7が故障していれば、秤量画面に切り替わることなく、図6に示す監査業務画面で、「入力」ボタンが表示され、薬品のコード番号を手入力可能となる。
秤量画面は、上部に、前記各ボタン操作により入力した秤量情報及び監査情報が表示される。秤量情報は、薬品名(1:図面では丸付き文字)、チェック方法(2:図面では丸付き文字)、年齢(3:図面では丸付き文字)、常用量単位(4:図面では丸付き文字)、常用量の表示形態(5:図面では丸付き文字)、常用量(6:図面では丸付き文字)、注意事項(7:図面では丸付き文字)の各項目で構成されている。また、これら項目の下方側には、「安定」、「CAL」、「RANGE」の各ボタンが表示され、その下方側には秤量結果を表示する秤量枠(12:図面では丸付き文字)が表示される。秤量枠の上方には、目標値が表示され、最終的に何g秤量すればよいのかが示される。また、秤量枠の下方には、秤量状態を示す秤量バーが表示される。秤量バーは、左端が0点であり(載置するトレイの重量を加味して0点補正が行われている。)、天秤台2a上に秤量する薬品を載せて行くと、左端から右端に向かって秤量値に応じた位置まで実測バーが秤量バーとは異なる色彩で表示される。したがって、調剤者は秤量する薬品の追加量を感覚的にとらえながら作業を進めることができる。秤量枠の左側には、上方からレンジ(8:図面では丸付き文字)、トラッキングのオン・オフ(9:図面では丸付き文字)、安定マーク(10:図面では丸付き文字)、零点表示(11:図面では丸付き文字)が表示される。秤量枠の右隣は秤量単位(13:図面では丸付き文字)である。さらに、秤量枠の下方には、「風袋」、「拡張」、「中止」(14:図面では丸付き文字)、「決定」(15:図面では丸付き文字)の各ボタンが表示される。
記憶部4は、秤量関連の変更できないデータ及びプログラムが記憶されている。ここでは、記憶部4には、CF(Compact Flash)カードが使用されている。
制御部5は、本発明に係る制御部材を構成するもので、図2に示すように、メイン基板18からなる。メイン基板18には、CPU19、メモリ回路20、通信制御回路21、音声回路22、表示回路23が実装され、前記記憶媒体11が着脱可能となっている。制御部5では、後述するように、記憶部4及び記憶媒体11からプログラムをそれぞれ呼び出して実行するほか、表示部3の表示制御等を行う。
プリンタ6は、監査結果等を印刷するためのものである。
バーコードリーダー7は、薬瓶に貼着された薬品の種類を示すバーコードを読み取るために使用される。読み取られたバーコードに基づいて、前記記憶媒体11に記憶した薬品データが参照され、その中から必要なデータが読み出されるようになっている。
<動作>
次に、前記構成を備えた薬品秤量装置の動作について、図3のフローチャートに従って説明する。
起動により調剤者入力画面を表示し(ステップS1)、予め調剤者マスタに登録された調剤者の一覧表から、これから調剤を行う調剤者が選択されると(ステップS2)、監査業務画面に切り替える(ステップS3)。
但し、前記ステップS1で、起動によりパスワード入力画面を表示し、ステップS2で、適正なパスワードが入力された場合に、ステップS3で、監査業務画面に切り替えるようにするのが好ましい。
監査業務画面では、上部に種々のボタンを表示し、各ボタンがタッチ操作されることにより、対応する画面に切り替えて該当する項目を入力することを可能とする。ここでは、調剤者入力、処方番号入力、日付入力、日数入力、分数入力、年齢入力、体重入力、メンテナンスの各処理を行うことが可能となっている。また、秤量の対象薬品について、その薬品名と目標値(又は実測値)の一覧表(薬品一覧表)として表示される。さらに、秤単体ボタンを操作することにより、任意の薬品の秤量を行わせることが可能である。
調剤者ボタンがタッチ操作されると、調剤者一覧表を表示させて調剤者入力(調剤者の変更を含む)を行うことが可能となっている。但し、前述のように、パスワード入力画面でパスワードを入力することにより監査業務画面に切り替わった場合には、調剤者の氏名が自動的に表示される。
処方番号ボタンがタッチ操作されると、処理データ選択画面が表示される。ここで、「順次」ボタンがタッチ操作されると、処方データの入力があったもののうち、最も古いものが抽出される。また、「患者ID」ボタンをタッチ操作すると、患者毎に付与された識別番号(ID番号)の昇順(又は降順)で処方データを抽出することができる。「引換券番号」ボタンをタッチ操作すると、各患者に手渡された薬品引換券に付与された番号(引換券番号)に基づいて処方データを抽出することができる。「処方箋番号」ボタンをタッチ操作すると、処方箋に対して自動的に振られた番号に基づいて処方データを抽出することができる。「未処理一覧」ボタンをタッチ操作すると、監査の終了していない処方の一覧表が表示される。なお、処方番号は、処方番号ボタンを使用しなくても、直接(画面に表示される)テンキーを操作して入力することも可能である。
日付ボタンがタッチ操作されると、日付入力(ここでは、日付の変更)することが可能となっている。日付ボタンを操作して日付を変更しない限り、監査業務画面の日付ボタンには、本日の日付及び時刻が表示される。
日数ボタンがタッチ操作されると、処方日数すなわち薬品を何日分処方するのかを入力することが可能となっている。
分数ボタンがタッチ操作されると、1日の服用回数を入力することが可能となっている。
年齢ボタンがタッチ操作されると、患者の年齢を入力することが可能となっている。入力方法としては、直接年齢を入力したり、生年月日を、西暦あるいは和暦で入力し、現在の日付とから年齢を算出したりすることが可能である。
体重ボタンがタッチ操作されると、患者の体重を入力することが可能となっている。
メニューボタンがタッチ操作されると、図20に示すように、プルダウンメニューが表示される。プルダウンメニューには、マスターメンテナンス、充填、帳票、更新、設定、メンテナンス、システム連動、OFFが含まれる。
充填がクリック操作されると、図21に示す充填業務画面が表示される。充填業務画面には、調剤者、薬品、薬瓶、元瓶、ロット番号、有効期限、充填量、在庫量の各欄が設けられている。薬品欄には、薬箱に付されたJANコードか薬瓶に付された薬瓶コードをバーコードリーダー7で読み取ると、薬品マスタから読み込まれた薬品名が表示される。ロット番号、有効期限、充填量の各欄は在庫管理を行う際に利用する。この場合、充填量には秤量値から自動取込するほかに、マニュアルで数値入力することも可能である。
設定がクリック操作されると、さらに、調剤設定、印字設定、サウンド設定、用量入力あり、からなるプルダウンメニューが表示される。
調剤設定がクリック操作されると、調剤設定画面に切り替わり、種々の設定を行うことができるようになっている。ここでは、設定1〜4の4つのボタンを設けることにより、狭い画面で多数の設定が行えるようになっている。例えば、設定1を操作すれば、賦形処理を行うか否か、水剤に対応可能とするか否か等を設定することが可能となっている。また、設定2を操作すれば、日数ボタンを操作した際の表示形態等を設定することが可能となっている。これにより、日数ボタンをクリック操作すると、図9に示す日数選択画面を表示させて日数の選択が容易に行うことができるようになっている。ここでの設定により、後述する監査業務画面で日数ボタンを操作することにより選択容易な表示を行わせることが可能となる。また、設定3を操作すれば、属性クリア、目標値表示色等の設定を行うことができるようになっている。
サウンド設定では、各画面を開く場合や各ボタン等をクリック操作した場合に出力される音を自由に設定することが可能である。重要な内容、例えば、エラー情報については、音声により具体的にその内容を報知するようにすれば、監査ミスの発生を効果的に防止することが可能となる。また、マスタファイルに格納した各薬品に音声ファイルを関連付けし、秤量時に該当する薬品名を読み上げるようにしてもよい。
「用量入力あり」をクリック操作すると、その表示が「用量入力なし」に変更され、クリック操作する毎に表示が入れ替わる。「用量入力あり」が選択されている場合、1日量及び処方日数が入力されていれば、入力された1日量が薬品マスタに登録されている1日の常用量の上限値及び下限値によって規定される1日量適正範囲内に入っているか否かを判断する。さらに、分数(1日の服用回数)が入力されている場合、1回の常用量の上限値及び下限値によって規定される1回量適正範囲内に入っているか否かを判断する。適正範囲内であれば秤量確認画面に切り替え、適正範囲内でなければエラー報知する。前記薬品秤量装置がネットワーク接続されているのであれば、1日量及び処方日数はサーバと交信して処方データを読み込むことにより行ってもよい。
また、監査業務画面には、処方番号ボタンの操作により選択された処方データ(処方番.号)に基づいて、調剤すべき薬品の名称と、その用量とを一覧表示する。用量は、処方箋に記載された薬品の処方量である。例えば、1処方当たり2gのA薬品を一週間分処方する場合、用量欄には14gが表示される。項目「目標値」をクリックすると、表示内容が「実測値」に変更され、1処方当たりの重量(前記例では2g)が表示される。用量が表示される場合、背景色を変更する。ここでは、背景色を緑色としている。これにより、調剤者は、表示させている重量が何に関するものであるのかを一目で容易に認識することができる。したがって、限られた狭いスペースであるにも拘わらず、見やすくて、しかも見間違えることのない表示を行うことができる。
監査業務画面でのメニューボタンをクリック操作してマスターメンテナンスを選択することにより、薬品の比重を登録することが可能となっている。すなわち、画面を比重入力画面に切り替え、天秤台2aに薬品を載置する。
例えば、載置する薬品が錠剤である場合、錠数を入力することにより比重すなわち1錠当たりの重量が自動的に算出されて登録される。また、ヒートシール錠でも同様にブリスター台紙を含めた重量で、1包装当たりの重量(切り離し可能な最小単位)が算出されて登録される。また、載置する薬品が外用薬である場合、例えば湿布であれば、1枚当たりの重量を、前記錠剤の場合と同様にして比重として登録しておけばよい。これにより、散薬以外の薬品であっても、天秤台2aに載置すれば、その数量を正確に推測することが可能となる。
続いて、薬品一覧表にこれから秤量しようとする薬品名及び用量(目標値)を入力する。薬品名及び用量は、画面に疑似キーボードを表示させて入力すればよい。但し、前記処方箋番号の入力によりサーバから処方データを読み込み、自動的に薬品一覧表に表示させるようにしてもよい。
この場合、記憶媒体11(又はサーバ)の薬品マスタに格納した常用量、詳しくは、常用量の上限値及び下限値によって規定される1日量適正範囲に基づいて、前記用量が1日量適正範囲内であるか否かを判断する。用量が1日量適正範囲内であれば、後述するように、画面を切り替えて常用量チェック処理を実行する。また、用量が1日量適正範囲外であれば、エラー表示して調剤者に警告する。
ところで、前記監査業務画面での入力は、入力可能な項目のみでよい。日数、分数、年齢、(体重)については、入力された項目のデータがボタンに表示される。これにより、各項目のデータの有無、及び、その値を容易に確認することができる。そして、以下の処理では、入力されていない項目があったとしても、後述するように、入力された項目のみに基づいて常用量チェック処理を実行する。
監査業務画面での入力が終了すれば、調剤者によって処方箋の記載内容に基づいて調剤する薬品が収容された薬瓶が選択され、バーコードリーダー7により薬瓶に貼着したバーコードが読み込まれると(ステップS4)、入力された薬品名とバーコードリーダー7によって読み取った薬品名とが合致しているか否かを判断する。合致していなければ、秤量しようとする薬品が誤っているので、図12に示すように、画面に警告メッセージを表示し、調剤者にその旨を報知する。この場合、エラー画面は赤色とすることにより強調表示すれば、調剤者は一目で薬品を取り違えたことを認識することができる。合致していれば、表示部3の表示を監査業務画面から図8に示す秤量画面に切り替える(ステップS5)。
但し、前記監査業務画面のメニューで設定を操作して1日量設定ありを選択している場合、秤量画面に切り替える前に、一旦、図10に示す秤量確認画面を表示する。秤量確認画面には、薬品名、常用量等の薬品関連情報や、処方日数、用法、年齢、体重のほか、1日量と目標総量とを表示する。但し、設定により目標総量は表示しないようにすることができる。これにより、目標総量を調剤者に計算させて頭を働かせることによりうっかりミスの防止に役立てる。
秤量画面では、項目「薬品名(1:図面では丸付き文字)」に、読み込んだバーコードに基づいて、データベースを検索し、該当する薬品名を抽出して表示する。この場合、薬品の種別区分に応じて表示形態を異ならせる。例えば、普通薬であれば表示色を黒色とし、それ以外は赤色とする。また、薬品名の先頭に種別区分を表示する。さらに、毒性を有する薬品であれば、薬品名の前に(毒)の文字を表示し、表示させた薬品名の色彩を赤等で表示する。これにより、調剤者に対し、調剤する薬品の取扱いに際して注意を促すことが可能となる。
項目「チェック方法(2:図面では丸付き文字)」には、秤量条件の入力状態すなわち入力が不十分なままでチェックした場合に所定の表示を行わせる。ここでは、属性を示す「日数」、「分数」、「年齢」、「体重」のいずれにも入力されていない場合、(参)を表示する。また、年齢が15歳未満の患者に対して常用量が登録されていない場合、成人総量から(数1)のAugusberger方式で算出される値を常用量として使用し、(A)を表示する。さらに、患者が1歳未満の乳児で、常用量が登録されていない場合、成人総量から(数2)のFried方式で算出される値を常用量として使用し、(F)を表示する。
項目「年齢(3:図面では丸付き文字)」には、患者の年齢を表示するが、参照表示で成人量データを表示する場合には成人と表示する。
項目「常用量単位(4:図面では丸付き文字)」には、常用量をどのような単位で表示するのかが分かるように表示する。例えば、内服薬では1日、頓服、外用薬では1回と表示する。
項目「常用量の表示形態(5:図面では丸付き文字)」には、表示された常用量が何を基準として決定されたものであるのかを示す記号を表示する。(総)が総量、(体)が体重別に割り出した総量、(平)が成人の平均体重から割り出した総量をそれぞれ意味する。
項目「常用量(6:図面では丸付き文字)」には、その薬が最も普通に使われた時に、治療効果の期待できる量を表示する。常用量には、常用量登録画面で、入力した薬品名に対して入力した、年齢の下限/上限、区、禁、1回下限/上限、1日下限・上限のデータを使用する。「年齢の下限/上限」列には、年齢により服用してよい下限量/上限量がそれぞれ入力される。「区」列には、体重1kg当たりの量であることを示す「kg」、又は、全体重に対する量であることを示す「全」が入力される。「禁」列には、使用禁忌の区分が入力される。「1回下限/上限」列には1回、「1日下限・上限」列には1日の服用での下限量/上限量がそれぞれ入力される。
なお、前記項目「チェック方法(2:図面では丸付き文字)」〜項目「常用量(6:図面では丸付き文字)」のいずれかの領域が選択されると、例えば、図11に示す常用量登録画面のように、選択した薬品について各項目に対応した常用量の一覧を表示されて参照することが可能となっている。
項目「注意事項(7:図面では丸付き文字)」には、薬品マスタの備考欄に記載された薬品を取り扱う際の注意事項を表示する。
項目「レンジ(8:図面では丸付き文字)」は、「RANGE」ボタンで設定された表示桁数で表示可能な最小単位を表示する。図8では、100mgと表示され、秤量枠にはg単位で表示されているので、小数点1桁まで表示されることになる。
項目「トラッキング(9:図面では丸付き文字)」には、「安定」ボタンの操作によりトラッキングがオン状態となっている場合に「TRACKING ON]と表示する。
項目「安定マーク(10:図面では丸付き文字)」には、秤量状態が安定することにより、「→」を表示する。このとき、音声案内やブザー音等により報知するようにしてもよい。
項目「零点表示(11:図面では丸付き文字)」には、零点付近すなわち秤量値がほぼ0kgであれば「0」を表示する。
項目「秤量単位(13:図面では丸付き文字)」には、秤量する薬品に適した単位を表示する。例えば、散薬では、「g」あるいは「mg」を表示し、水剤では「ml」を表示する。水剤の場合、登録した比重に基づいて、秤量された重量を容量に換算した結果を秤量枠に表示する。なお、錠剤の場合、すなわち薬品マスタの薬種が「錠剤(個)」の場合、秤量した結果が重量や容量ではなく個数として表示される。この場合、薬品マスタには、複数個の錠剤の重量を測定し、その個数で除算して錠剤1個の重量としてデータが格納される。これにより、錠剤1個を個別に測定する場合に比べて誤差が抑制される。薬品マスタへのデータの登録では、例えば、「錠剤10」、「錠剤20」等のような登録ボタンを表示し、指定錠剤数(ここでは、10個又は20個)を天秤台2aに載せて測定すればよい。これにより、その錠剤についての1個当たりの重量として薬品マスタへの登録が完了する。
「安定」ボタンがタッチ操作されると、安定係数の設定、温度による構成の有無、トラッキングのオン/オフを設定することが可能となる。「CAL」ボタンがタッチ操作されると、天秤のキャリブレーション(校正)を行うことが可能となる。「RANGE」ボタンがタッチ操作されると、秤量可能なレンジすなわち小数点以下の表示させる桁数を変更することが可能となる。「風袋」ボタンがタッチ操作されると、天秤台2aにトレイが載置されているか否かで零点設定を変更できるようになっている。「拡張」ボタンがタッチ操作されると、秤量枠に表示した秤量値を所定時間(ここでは、10秒間)だけさらに1桁小さい値まで表示可能となる。「中止」ボタンがタッチ操作されると、秤量が中止される。「決定」ボタンがタッチ操作されると、秤量を終了し、秤量値を最終安定値として取得する。
なお、前記秤量画面では、図22に示すように、充填ボタンを備え、目標値を表示できるように構成することも可能である。充填ボタンがクリック操作されれば、図23に示す充填業務画面に切り替える。この充填業務画面は、前記図21に示すものとほぼ同様な構成で、調剤者、薬品、薬瓶、元瓶、ロット番号、有効期限の各欄が表示される。秤量中の充填(薬品の補充)であるので、薬品欄には、現在秤量中の薬品名(図22の秤量画面で表示されていたアキネトン細粒)が表示される。そして、充填する薬品が収容されている薬瓶又は充填した薬品が収容されていた元瓶のバーコードを、バーコードリーダーで読み取り、薬品欄に表示されている薬品名と一致しているか否かを判断する。一致していれば、一致メッセージを表示させた後、前記図22の秤量画面に復帰する。また、一致していなければ、エラーメッセージを表示し、バーコードの再読込に備えて待機する。なお、前記図23は秤量作業中に表示される画面であり、秤量中に薬品がないことが前提であるので、前記図21のような充填量及び在庫量の各欄は表示されない。
秤量画面が表示された状態で、処方箋に記載された処方量に従って、天秤台2aに(トレイに収容した)薬品を載置し、秤量を開始する。この場合、必要に応じて周囲を風防カバーで覆って空気流れの影響を排除する。天秤台2aに順次薬品を載置して行くと、秤量枠内に秤量中の重量が表示されると共に、秤量バーに秤量中の重量に応じた実測バーが異なる色で表示される。調剤者は実測バーの長さの変化に基づいて感覚的にどの程度の薬品を追加すればよいのかを認識しながら秤量を行うことができる。実測バーは、秤量値が秤量誤差範囲に入れば(秤量バーの途中に設けた目標値を示す目標値ライン近傍に到達すれば)、色が変化して調剤者に薬品の秤量が適正に行えたことを報知する。この場合、音によっても報知するのが好ましい。
そして、秤量状態が安定すれば(ステップS6)、秤量枠の左側に秤量安定マーク「→」を表示する(ステップS7)。また、秤量枠の背景の色彩を変更する。この表示は、安定して秤量されている限り維持する。秤量値が秤量誤差範囲外であるにも拘わらず、秤量状態が安定した場合(あるいは、安定してから所定時間経過した場合、決定ボタンが操作された場合、あるいは、秤量天秤台2aから薬品を収容したトレイが取り除かれて所定時間が経過した場合)、次のような警告メッセージを表示する。すなわち、秤量誤差範囲以下であれば、図13に示す警告メッセージを表示し、秤量誤差範囲以上であれば、図14に示す警告メッセージを表示する。前者の警告メッセージが表示された場合、「はい」ボタンを操作して薬品の追加処理を行うか、「いいえ」ボタンを操作して秤量を中止するか、「キャンセル」ボタンを操作して秤量画面に戻って表示内容を確認する。後者の警告メッセージが表示された場合、「はい」ボタンを操作して秤量を中止するか、「いいえ」ボタンを操作して秤量を続行する。これは、前記薬品秤量装置によって秤量可能な重量の最大値を超えて薬品を秤量しなければならない場合に使用する。例えば、秤量可能な最大値が15gである場合、薬品を17g秤量する必要があれば、まず、最大量である15gを秤量して前記図14の警告メッセージを表示させ、「いいえ」ボタンを操作することにより残る2gを秤量すればよい。
その後、決定ボタンが操作されるか、あるいは、天秤台2aから薬品を収容したトレイが取り除かれて所定時間が経過すれば(ステップS8)、秤量枠に表示した値を最終安定値すなわち秤量値として取り込み(ステップS9)、次に説明する常用量チェック処理を実行する(ステップS10)。
常用量チェック処理では、前記ステップS4で、バーコードを読み込んでデータベース(薬品データ)を検索した際に読み込んだ常用量に関するデータを使用する。
そして、図4のフローチャートに示すように、まず、「日数」、「分数」、「年齢」、「体重」の各ボタン操作後の入力により得られたデータが、薬品マスタにあるか否かを判断する(ステップS21)。いずれのデータもなければ、常用量には、前記薬品名によって特定される成人総量を参考値として表示する(ステップS22)。ここに、成人総量とは、成人であれば1日に服用してよいとされる薬品の総量を意味する。この場合、項目「チェック方法(2:図面では丸付き文字)」には(参)と表示し、常用量のチェックは行わない。つまり、秤量のみが実行されることになる。
日数データすなわち処方日数のみが入力されていれば、秤量値を日数で除算し(ステップS23)、1日当たりの処方量を算出する。そして、この処方量と、前記ステップS4で読み込んだ1日当たりの成人の常用量(下限値〜上限値)とを比較する(ステップS24)。処方量がこの常用量の範囲になければエラー画面に切り替える(ステップS25)。この場合、スピーカーで報知するようにしてもよい。これにより、確実に医師に相談する等の処置を講ずる必要性があることを報知することが可能となる。
日数データに加えて分数データすなわち1日の服用回数が入力されていれば(ステップS26)、ステップS23で算出した処方量をさらに分数で除算し、1回当たりの服用量を算出する(ステップS27)。この場合、薬品を包装する包装紙(薬包)の重量を考慮しておく。そして、この服用量と、前記ステップS4で読み込んだ1回当たりの成人の常用量(下限値〜上限値)とを比較する(ステップS28)。その結果、服用量が常用量の範囲になければ、前記同様エラー画面に切り替える(ステップS25)。但し、薬品データに1回当たりの成人の常用量が登録されていなければ、この処理は行わない。
年齢データが入力されていれば、ステップS4で読み込んだ各データのうち、該当する年齢帯に入る常用量と比較する(ステップS29)。この場合、日数データのみが入力されているのか、あるいは、さらに分数データが入力されているのかで、比較する対象データが相違する。但し、年齢に応じた常用量が登録されていない場合、15歳未満であれば、前記(数1)に従って算出して得た値を常用量とし、1歳未満であれば、前記(数2)に従って算出して得た値を常用量とする。そして、服用量が常用量の範囲になければ、前記同様エラー画面に切り替える(ステップS25)。
体重データが入力されていれば、ステップS4で読み込んだデータのうち、「区」列に「kg」と表示されているデータを参照する。そして、登録された常用量に入力された体重を乗算し、体重に応じた常用量を求める(ステップS30)。体重別の常用量が得られれば、この常用量の範囲内に秤量値があるか否かを判断し(ステップS31)、範囲内になければ、前記同様エラーを報知する(ステップS25)。
このようにして、入力された秤量条件に従って常用量チェックを行った結果、秤量値が常用量の範囲内にある場合、「決定」ボタン(15:図面では丸付き文字)がタッチ操作されることにより(ステップS32)、秤量を中止し、最終安定値を取得する(ステップS33)。そして、監査業務画面に切り替え、一覧表に秤量した薬品名と実測値とを表示させる(ステップS34)。この場合、決定した薬品名を読み上げ、再度調剤者が聴覚によっても確認できるようにするのが好ましい。
なお、年齢データと体重データの両方が入力されている場合、体重データによる常用量チェックを行う。
以上のようにして一連の秤量が終了すれば、同じ患者について次に秤量する薬品がある場合、前記調剤設定画面で、属性クリアが「なし」に設定されていれば、秤量値が確定されると秤量値等はクリアされるが、秤量画面に患者データが表示されたままとなる。したがって、調剤者は患者データの入力を必要とすることなく続けて秤量を行うことができる。
<賦形処理>
ところで、前記常用量チェック処理では、自動賦形処理が設定されている場合、賦形データとして記憶させた基準量と、処方量に従って秤量した値とを比較し、処方量が基準量未満であれば、賦形処理を実行する。
具体的に、図6に示す監査業務画面で、複数種の薬品について、実測値及びその合計値が表示されている場合、合計値を日数で割った値が基準量に満たなければ、賦形処理の対象となる。
自動賦形処理は、「登録時に自動賦形処理をするか否か」の設定項目で、「はい」が選択することにより設定され、登録ボタンが選択されることにより開始される。そして、「いいえ」が選択されている場合、賦形は行われず、そのままデータ登録されると共に、賦形対象外である旨のメッセージが表示される。
賦形データでは、図15に示す賦形方法登録画面で、「年齢」及び「区」の違いにより「基準量」及び「固定賦形量」を設定可能となっている。「年齢」には、賦形薬品とすることが必要とされる対象年齢が入力されている。「区」とは、賦形方法を規定するもので、後述するように、「基」が「基準量」賦形方法を意味し、「固」が「固定量」賦形方法を意味する。「基準量」賦形方法及び「固定賦形量」賦形方法には「分1」と「分2以上」とで異なる基準値すなわち賦形処理を行うか否かの臨界値が設定されている。「分1」とは「1日1包」を意味し、「分2以上」とは、1日の服用量を、2回以上に分けて服用(包装)することを意味する。例えば、「分2の3日分」の場合、合計6包となるので、賦形の対象か否かの判定は薬品秤量値を6で割った値と「分2以上の基準値」を比較して行われる。ここで、「分1」と「分2以上」で異なる基準値を設定したのは、「分2以上」でも同様な基準値で賦形処理を行っていたのでは、1日全体での賦形剤の摂取量が多くなり過ぎることを防止するためである。
賦形処理では、賦形剤が複数種設定されている場合、賦形薬選択画面で一覧表を表示させ、その中から選択させる。賦形剤が特定されれば、薬品の認証処理を行った後、賦形画面に切り替え、秤量を開始する。賦形剤が1種類のみ設定されている場合、前記選択処理はスキップし、次の薬品の認証処理へと移行する。
薬品の認証処理では、バーコードリーダーで薬瓶のバーコードを読み込むことにより、図15に示す賦形データを参照し、該当する賦形剤であるか否かを判断する。該当する賦形剤でなければ、「その薬品ではありません」と表示する。該当する賦形剤であれば、図16に示す賦形画面に切り替える。
「年齢別」賦形方法の場合、入力された年齢に基づいて基準値が決定され、この基準値に基づいて賦形するか否かが判断される。また、「基準量」賦形方法であるか、あるいは、「固定量」賦形方法であるかによっても基準値が決定される。図15の例では、15歳未満であれば、「基準量」賦形方法によって基準値が決定される。「分1」で1.00g、「分2以上」で0.8gが基準値となり、処方する薬品の重量がこの値よりも低ければ賦形処理を行う。
賦形画面は、図16に示すように、上部に賦形剤の名称が表示され、秤量枠の上方に賦形剤の目標値(ここでは、2.7g)が表示される。また、秤量枠の下方に基準量を示す棒状のメーター部が表示される。メーター部では、右側に薬品の秤量値を示す領域が確保され、左側から秤量中の賦形剤の領域が表示される。このメーター部の表示を見ながら賦形剤を加えて行けばよいので、薬品に賦形剤を加えて基準量とする目安とすることができ、作業性がよい。「固定量」賦形方法の場合、固定量が表示されるので、その固定量となるように賦形剤を加えて行けばよい。この場合、秤量結果が目標値に近付けば、ブザー音等により報知するのが好ましい。
なお、監査業務画面で、合計ボタンをタッチ操作すると、秤量値の合計が基準量に満たない場合、自動賦形処理の設定を行っているか否かに拘わらず、賦形処理を開始することが可能となっている。
複数種の薬品を混合して調剤する場合、前記監査業務画面で、「登録」ボタンが操作されるまで、順次、秤量することができる。秤量が完了する毎に(前記ステップS32で「決定」ボタンがタッチ操作される毎に)、監査業務画面の一覧表に薬品名と実測量(秤量値)が追加されて表示される。散薬と水剤を混合する場合、薬品データとして登録した配合変化を考慮するのが好ましい。
また、監査業務画面で、常用量チェックの結果が得られれば、印刷ボタンがタッチ操作されることにより、プリンタ6によりその結果を印刷することができる。なお、印刷ボタンをタッチ操作する回数に応じて印刷枚数を変更するようにしてもよい。ここでは、印刷無、印刷有、印刷2(2枚印刷)の3モードを選択できるようになっている。また、印刷するデータの有無を自動判別し、データが無い場合には印刷しないようにすることも可能である。
また、この内容は、実際に印刷されたか否かに拘わらず記憶媒体11に記録し、誰によってどのような調剤が行われたのかを後に確認可能となっている。
さらに、一度秤量した薬品について、再度、この薬品が収容された薬瓶のバーコードが読み取られると、追加・再秤量画面(図示せず)を表示し、追加、再秤量又はキャンセルのいずれか一方を選択して各処理を実行することが可能である。追加の場合には、既に登録されている秤量値に加算して秤量値を表示し直す。再秤量の場合、秤量値をクリアし、新たに秤量値を表示し直す。キャンセル、すなわち誤って再度薬瓶のバーコードが読み取られた場合、前記監査業務画面に復帰する。
<他の実施形態>
なお、前記実施形態では、取り扱う薬品データのみを薬品マスタから抽出し、採用薬品として記憶媒体11に記憶させるようにしたが、バーコードリーダーでバーコードを読み取った際、該当する薬品データが記憶されていない未採用薬品の場合、ネットワークを介してサーバに記憶した薬品マスタを参照して前記常用量チェック処理を行うようにしてもよい。この場合、秤量画面で、特定箇所(例えば、薬品名)をフラッシュ表示させることにより、サーバとの交信を行っている旨を報知するのが好ましい。また、薬品マスタにも登録されていない薬品の場合、未登録薬品として仮登録し、調剤監査すなわち常用量のチェック処理を行わせるようにしてもよい。
<上位システムとの連動>
また、前記実施形態では、薬品マスタに、薬品毎に比重を登録できるようにしているが、薬品秤量装置側で登録したデータのうち、いずれのデータを利用するのかを選択できるようにするのが好ましい。例えば、散薬、水剤、外用薬、ヒート錠等のモードを作成し、選択されたモードに従って薬品の比重の計算方法を変更すればよい。
また、前記実施形態では、記憶媒体11を装着することにより監査チェックをも行える点について説明したが、記憶媒体11が非装着の場合には、通常の天秤として薬品の秤量のみを行うことが可能となっている。すなわち、図2中、破線で囲った部材で、通常の天秤としての機能を果たし、この部分のみで計量法を満足する構成とすればよい。そして、記憶媒体11に記憶させるプログラムを修正するだけで、監査システムのバージョンアップを図ることが可能である。つまり、天秤として機能する部分について再度計量法を満足しているか否かの検定を受ける必要がない。 また、前記実施形態では、記憶媒体11としてUSBメモリを接続しているが、これとは別に記憶媒体としてフラッシュメモリ(例えば、USBメモリ)を接続し、記憶媒体11に記憶したデータをバックアップするようにしてもよい。バックアップは、薬品秤量装置を起動する際に自動的に行うようにすればよい。
また、前記実施形態では、天秤台2aに載置したトレイに薬品を収容して秤量する場合についてのみ説明したが、トレイにバーコードやICチップ等の被読取部を形成するようにしてもよい。すなわち、バーコードであれば収容する薬品に対応するものとし、ICチップであれば収容する薬品の情報を書き込むようにする。そして、例えば、散薬分包機で、トレイに収容した薬品(散薬)を1包分ずつ分包する場合、前記トレイに設けた被読取部を読み取ることにより薬品情報を取得し、散薬分包機での分包作業を自動化するのが好ましい。
1…装置本体
2…秤量部(秤量部材)
3…表示部(表示部材)
4…記憶部
5…制御部(制御部材)
6…プリンタ
7…バーコードリーダー
8…風防ケース
9…枠体
10…蓋体
11…記憶媒体(記憶部材)
12…スピーカー
13…天秤ユニット
14…平行回路
15…フォースコイル
16…電流/電圧変換回路
17…A/D変換回路
18…メイン基板
19…CPU
20…メモリ回路
21…通信制御回路
22…音声回路
23…表示回路

Claims (3)

  1. 調剤対象薬品を秤量するための秤量部材、少なくとも前記秤量部材で秤量された秤量値を表示する表示部材、前記調剤対象薬品が錠剤である場合に錠数を入力するための入力部材、及び、少なくとも前記表示部材を制御する制御部材を一体的に設けてなる装置本体と、
    前記調剤対象薬品に関する薬品データが格納される薬品マスタを記憶する、前記装置本体に着脱可能な記憶部材と、
    を備え、
    前記制御部材は、前記調剤対象薬品が錠剤である場合、前記入力部材により錠数が入力されることにより、前記記憶部材の薬品マスタに、秤量値を個数で除算して得られた薬品1個当たりの重量を記憶させることを特徴とする薬品秤量装置。
  2. 前記制御部材は、前記秤量部材により錠剤が秤量される場合、前記記憶部材の薬品マスタに記憶させた薬品1個当たりの重量に基づいて、前記錠剤の錠数を算出し、前記表示部材に、算出された錠数を表示させることを特徴とする請求項1に記載の薬品秤量装置。
  3. 調剤対象薬品を秤量するための秤量部材、少なくとも前記秤量部材で秤量された秤量値を表示する表示部材、及び、少なくとも前記表示部材を制御する制御部材を一体的に設けてなる装置本体と、
    前記調剤対象薬品に関する薬品データが格納される薬品マスタを記憶する、前記装置本体に着脱可能な記憶部材と、
    を備え、
    前記記憶部材は、薬品マスタに記憶する薬品データに比重を含み、
    前記制御部材は、前記調剤対象薬品が水剤である場合、前記表示部材に、前記秤量部材による秤量結果を前記記憶部材の薬品データに記憶した比重に基づいて容量に換算して表示させることを特徴とする薬品秤量装置。
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