JP2010246076A - トランスコンダクタンス回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】実使用回路と補正回路のバイアス条件を、より広範囲な動作条件で同一にすることが可能で、設計も容易なトランスコンダクタンス回路を提供する。
【解決手段】トランスコンダクタンス回路10は、差動回路11の負側入力端子、差動回路12の負側入力端子、および増幅器13の正側入力端子が信号入力端子Tinに接続され、差動回路11の出力ノードND11が増幅器14の負側入力端子に接続され、増幅器13の出力端子が増幅器13の負側入力端子に接続され、増幅器14の正側入力端子が基準電位源15に接続され、抵抗素子R10が差動回路11の出力ノードND11と増幅器13の出力端子間に接続され、差動回路11の正側入力端子および差動回路12の正側入力端子が、増幅器14の出力端子に接続され、差動回路12の出力ノードND12により回路出力部が形成されている。
【選択図】図13
【解決手段】トランスコンダクタンス回路10は、差動回路11の負側入力端子、差動回路12の負側入力端子、および増幅器13の正側入力端子が信号入力端子Tinに接続され、差動回路11の出力ノードND11が増幅器14の負側入力端子に接続され、増幅器13の出力端子が増幅器13の負側入力端子に接続され、増幅器14の正側入力端子が基準電位源15に接続され、抵抗素子R10が差動回路11の出力ノードND11と増幅器13の出力端子間に接続され、差動回路11の正側入力端子および差動回路12の正側入力端子が、増幅器14の出力端子に接続され、差動回路12の出力ノードND12により回路出力部が形成されている。
【選択図】図13
Description
本発明は、フィルタ、サンプリング回路、PLLなどに適用可能なトランスコンダクタンス回路に関するものである。
トランスコンダクタンス回路等には、絶縁ゲート型電界効果トランジスタであるMOSトランジスタが用いられる。
図1は、NMOSトランジスタの入力電位と電流との関係を説明するための図である。
図2(A)および(B)は、NMOSトランジスタの飽和領域、三極管領域の小信号等価回路図である。
図2(A)および(B)は、NMOSトランジスタの飽和領域、三極管領域の小信号等価回路図である。
MOSトランジスタT1は、ゲート電位Vg、ドレイン電位Vd、ソース電位Vsのレベルによっては飽和領域と三極管領域で動作する。そのときのトランジスタは、図2(A)および(B)に示すような小信号等価回路に書き換えることができる。
図2において、gmはゲートソース電位の変化量に対する電流Idsの変化量、Rdsはドレインソース間の電位変動に対して生じるドレインソース間電流の変化量の関係(ΔVds/ΔIds)を示す。飽和領域のときRdsは無視できるほど十分に大きいので、図2(A)のように開放であるとし、三極管領域では、図2(B)のように無視できない値になる。
図2において、gmはゲートソース電位の変化量に対する電流Idsの変化量、Rdsはドレインソース間の電位変動に対して生じるドレインソース間電流の変化量の関係(ΔVds/ΔIds)を示す。飽和領域のときRdsは無視できるほど十分に大きいので、図2(A)のように開放であるとし、三極管領域では、図2(B)のように無視できない値になる。
上記のように、MOSトランジスタT1の動作領域が三極管領域か飽和領域かでRdsを考慮するべきか否かが決まり、このRdsが回路中でどのようにトランスコンダクタンス値に影響するか、既存の回路に関連付けて説明する。
図3は、高精度なトランスコンダクタンス値を実現するトランスコンダクタンス回路の一例を示す図である(非特許文献1参照)。
トランスコンダクタンス回路1は、NMOSトランジスタM0〜M3、カレントミラー回路を形成するPMOSトランジスタM4,M5、アンプAMP0,AMP1、および電源V0を有する。
図3の回路内で、Vinは入力電位、Vrefは基準電位である。V0,V1は、アンプとトランジスタM0,M1のゲインが十分大きければ、それぞれ式1のように表される。
V0とV1の差電圧と抵抗Rで決まる電流量を電流IRとし、V1からV0への向きを正とする(式2)。
この電流IRはトランジスタM5でトランジスタM4にミラーされるので、出力電流Ioutは理想な動作条件ならば式3に示すように2IRとなり、図3の回路は抵抗Rで決まるトランスコンダクタンス値をつくることができる。
この電流IRはトランジスタM5でトランジスタM4にミラーされるので、出力電流Ioutは理想な動作条件ならば式3に示すように2IRとなり、図3の回路は抵抗Rで決まるトランスコンダクタンス値をつくることができる。
図4は、高精度なトランスコンダクタンス値を実現するトランスコンダクタンス回路の他例を示す図である。
図4の回路は、トランスコンダクタンス回路1Aおよび補正回路2Aを有する。
トランスコンダクタンス回路1Aは、差動系を形成するNMOSトランジスタM0A〜M3A,M6A,M7A、カレントミラー回路を形成するPMOSトランジスタM4A,M5A、電源V0Aを有する。
補正回路2Aは、トランスコンダクタンス回路1Aと同様のトランスコンダクタンス回路を含む。理解を容易にするための同じ符号をもって示すと、補正回路2Aは、差動系を形成するNMOSトランジスタM0A〜M3A,M6,M7、カレントミラー回路を形成するPMOSトランジスタM4A,M5A、電源V0Aを有する。さらに補正回路2Aは、抵抗R1、電源V1,V2、およびアンプAMP1Aを有する。
トランスコンダクタンス回路1Aは、差動系を形成するNMOSトランジスタM0A〜M3A,M6A,M7A、カレントミラー回路を形成するPMOSトランジスタM4A,M5A、電源V0Aを有する。
補正回路2Aは、トランスコンダクタンス回路1Aと同様のトランスコンダクタンス回路を含む。理解を容易にするための同じ符号をもって示すと、補正回路2Aは、差動系を形成するNMOSトランジスタM0A〜M3A,M6,M7、カレントミラー回路を形成するPMOSトランジスタM4A,M5A、電源V0Aを有する。さらに補正回路2Aは、抵抗R1、電源V1,V2、およびアンプAMP1Aを有する。
このように、図4の回路は、トランスコンダクタンス回路を2個用いている。トランジスタコンダクタンス回路については、たとえば特許文献1や非特許文献2に開示されている。
ここで、MOSトランジスタのゲート幅をW、ゲート長をLとし、移動度をμn、ゲートの酸化膜を容量Coxとし、M0AとM1A、M6とM7のトランジスタサイズをそれぞれ等しく設計したとすると図4のトランスコンダクタンス値は下記の式4のようになる。そして、トランジスタM2AとM3Aに流れる電流Ibにルート比例することが広く知られている。
ここで、トランスコンダクタンス回路のトランスコンダクタンス値は、式4に見られるように、トランジスタの設計値やトランジスタの性能に大きく依存したものである。
そのため、トランスコンダクタンス値は温度変化や製造ばらつきによる性能の変化に影響を受けやすい。
しかし、図4の回路においては、式4を満たしたトランスコンダクタンス回路を2個用い、それを用いた回路1Aを実使用回路、回路2Aを補正回路としている。この補正回路2Aの出力電流そのものをモニタして、Ibの電流量を調整することで補正回路2Aのトランスコンダクタンス値を調整する。図4の回路は、補正回路2Aのコピーにあたる実使用回路1Aの出力電流のズレ、すなわちトランスコンダクタンス値を補正して、温度変化や製造ばらつきの影響を排除することを可能にした回路である。
この補正の動作を以下で詳しく説明する。
そのため、トランスコンダクタンス値は温度変化や製造ばらつきによる性能の変化に影響を受けやすい。
しかし、図4の回路においては、式4を満たしたトランスコンダクタンス回路を2個用い、それを用いた回路1Aを実使用回路、回路2Aを補正回路としている。この補正回路2Aの出力電流そのものをモニタして、Ibの電流量を調整することで補正回路2Aのトランスコンダクタンス値を調整する。図4の回路は、補正回路2Aのコピーにあたる実使用回路1Aの出力電流のズレ、すなわちトランスコンダクタンス値を補正して、温度変化や製造ばらつきの影響を排除することを可能にした回路である。
この補正の動作を以下で詳しく説明する。
動作の具体的な例として、Vin = VB + Vref > Vrefのときを考察する。
ここで、VB+Vrefは必要な入力電位の動作範囲内のある一点の電位である。
また、実使用回路1Aの出力電圧をVout 、補正回路2Aの出力電圧をVout'とし、実使用回路1Aの出力電流をIout、補正回路の出力電流をIout'とする。補正回路2Aの出力電流Iout'と、所望のGm値の逆数の値を持った抵抗R1とで電源Vref1で発生した電圧Vout'をモニタする。
もし、補正回路2AのGmが所望のトランスコンダクタンス値であるならVout'は、Iout'と抵抗R1で発生した電圧とVref電位で、VB+Vrefと等しくなるはずである。もし、Vout'の値がVB+Vrefの電圧値とずれた場合は、補正回路2AのアンプAMP1Aの出力のVcontが変動することにより、電流Ibが変化しトランスコンダクタンス値を増減させることで出力電流を補正する。
アンプAMP1AとトランジスタM2AおよびM3AによるI(電流)/V(電圧)ゲインが十分に大きく、実使用回路1Aと補正回路2Aの同位置のトランジスタM0A〜M5Aが十分に飽和領域で動作するような同バイアス条件下ならば、以下の式5の関係を満たす。すなわち、トランスコンダクタンス値は下記の式5の関係を成り立たせるような回路になる。
ここで、VB+Vrefは必要な入力電位の動作範囲内のある一点の電位である。
また、実使用回路1Aの出力電圧をVout 、補正回路2Aの出力電圧をVout'とし、実使用回路1Aの出力電流をIout、補正回路の出力電流をIout'とする。補正回路2Aの出力電流Iout'と、所望のGm値の逆数の値を持った抵抗R1とで電源Vref1で発生した電圧Vout'をモニタする。
もし、補正回路2AのGmが所望のトランスコンダクタンス値であるならVout'は、Iout'と抵抗R1で発生した電圧とVref電位で、VB+Vrefと等しくなるはずである。もし、Vout'の値がVB+Vrefの電圧値とずれた場合は、補正回路2AのアンプAMP1Aの出力のVcontが変動することにより、電流Ibが変化しトランスコンダクタンス値を増減させることで出力電流を補正する。
アンプAMP1AとトランジスタM2AおよびM3AによるI(電流)/V(電圧)ゲインが十分に大きく、実使用回路1Aと補正回路2Aの同位置のトランジスタM0A〜M5Aが十分に飽和領域で動作するような同バイアス条件下ならば、以下の式5の関係を満たす。すなわち、トランスコンダクタンス値は下記の式5の関係を成り立たせるような回路になる。
上記のように、図4の回路では、補正回路2Aが出力電流をモニタして、電流Ib電流を補正するので、n倍のトランスコンダクタンス値を実現するには、√Ibを調整すればよく、精度を保ったまま実現可能である。
[書籍] Analog Integrated Circuit Design , p588 , Fig15.13 , [著者] David A Johns , Ken Martin , [出版社] WILEY
(A 4-MHz CMOS Continuous-time filter with on-Chip automatic tuning Krummenacher、 F。; Joehl、 N。;Solid-State Circuits、 IEEE Journal of Volume 23、 Issue 3、 June 1988 Page(s):750 - 758)
上述したように、図3の回路は、受動素子である抵抗素子を用いることで、トランジスタの設計値にあまり影響されない、線形性の高いトランスコンダクタンス値を実現することが出来る。しかし、図3の回路には、以下にあげる2つ問題点がある。
1つ目は、製造ばらつきまで考慮した精度の高いトランスコンダクタンスを要求された場合、一般的に製造ばらつきの大きいチップ内抵抗を用いることはできず、高精度な外部抵抗を用いることになる。
しかし、図3の回路で精度を保ったままで異なる値のトランスコンダクタンス値を実現するには、構造的に抵抗値を切り替えるしか方法がないことから、抵抗値を複数用意することになる。
このため、図3の回路は、実装面積とコストの面で負担が生じるという問題がある。
しかし、図3の回路で精度を保ったままで異なる値のトランスコンダクタンス値を実現するには、構造的に抵抗値を切り替えるしか方法がないことから、抵抗値を複数用意することになる。
このため、図3の回路は、実装面積とコストの面で負担が生じるという問題がある。
2つ目は、図3の回路では抵抗素子に流れる電流値は理想に近い電流値であり、この電流値がそのまま出力されれば、理想のトランスコンダクタンス値を実現できる。
しかし、図3の回路は、トランジスタのRdsの影響を受けてしまい、理想の値とのずれが生じてしまうという問題がある。この点については以下で例を用いて説明する。
しかし、図3の回路は、トランジスタのRdsの影響を受けてしまい、理想の値とのずれが生じてしまうという問題がある。この点については以下で例を用いて説明する。
抵抗Rに流れる電流をIRとし、図3の回路動作を小信号等価回路で考えると図5に示すようになる。図5において、破線のRdsは飽和領域で動作しているトランジスタのRdsで開放をイメージしている。回路図中の電流は矢印の向きを正方向として示している。値が負である場合、矢印とは逆向きに電流が流れていることを意味する。
ここで、Rdsの影響によりどのように回路のトランスコンダクタンス値が変化するかを説明する。
まず、Vin>Vrefのとき、トランジスタM4だけが図6に示すように三極管領域で動作しているとする。このとき、電流IRはRds4が無視できない値に見えていることからRds4に分流され(分流した電流をIds4とする)、その結果IoutはIds4の分だけ理想より変化する。
まず、Vin>Vrefのとき、トランジスタM4だけが図6に示すように三極管領域で動作しているとする。このとき、電流IRはRds4が無視できない値に見えていることからRds4に分流され(分流した電流をIds4とする)、その結果IoutはIds4の分だけ理想より変化する。
次に、Vin>Vrefのとき、トランジスタM2だけが三極管領域で動作している場合を考えると、図6のときと同様に、図7に示すように、トランジスタM2にIRがIds2分流され出力電流がIds2だけ変化する。次に、Vin<Vrefのとき、トランジスタM3だけが三極管領域で動作しているとすると、電流IRはRds3が無視できない値に見えていることからRds3に分流され、トランジスタM5に流れる電流はIds3分、変化する。
そのため、変化した電流量がトランジスタM4にミラーされ、その結果、図8に示すように、IoutはIds3の分だけ理想より変化する。
また、トランジスタM5に関しても同様に考えられ、M5のみが三極管領域で動作をし、トランジスタM4が飽和領域で動作していると、トランジスタM4への電流のミラーが正しくできないことになり出力電流が理想値とは異なってしまう。
そのため、変化した電流量がトランジスタM4にミラーされ、その結果、図8に示すように、IoutはIds3の分だけ理想より変化する。
また、トランジスタM5に関しても同様に考えられ、M5のみが三極管領域で動作をし、トランジスタM4が飽和領域で動作していると、トランジスタM4への電流のミラーが正しくできないことになり出力電流が理想値とは異なってしまう。
以上の例のように、トランジスタM2,M3,M4,M5全てが飽和領域で動作することが図3の回路の理想トランスコンダクタンス値をつくる条件である。したがって、いずれか一つでも三極管領域で動作していると、図3の回路ではRdsの影響でトランスコンダクタンス値が変化してしまうことが分かる。
図9は入力電圧Vinと出力電流Ioutの関係をグラフ化したもので、トランスコンダクタンス値は図9の線Aの傾きを指し、トランスコンダクタンス値が一定とは傾きが一定であることを指す。
この傾きに注目して傾きの値と入力電位との関係をグラフ化したものが図10である。 図10は、図9の傾きであるトランスコンダクタンス値(Y軸)と、基準電圧から見た入力電位との差電圧(X軸)の関係をグラフ化したものである。図10において、Type:ss,tt,ffとはトランジスタの性能のばらつきモデルを示すものであり、それぞれトランジスタの能力がターゲット値よりもより低い、等しい、高いことを意味している。また、図10において、Tempはトランジスタのジャンクション温度を意味している。
この傾きに注目して傾きの値と入力電位との関係をグラフ化したものが図10である。 図10は、図9の傾きであるトランスコンダクタンス値(Y軸)と、基準電圧から見た入力電位との差電圧(X軸)の関係をグラフ化したものである。図10において、Type:ss,tt,ffとはトランジスタの性能のばらつきモデルを示すものであり、それぞれトランジスタの能力がターゲット値よりもより低い、等しい、高いことを意味している。また、図10において、Tempはトランジスタのジャンクション温度を意味している。
図10を見ると、上記で説明したような各トランジスタが飽和領域で動作し、Rdsの影響がないときはトランスコンダクタンス値の線形性は高く保たれている。しかし、グラフの両端の場所のようにトランジスタが飽和領域で動作しにくくなりRdsの影響が見え始めると、途端に線形性が失われていることが分かる。
一方、図4の回路において、補正回路2Aでは固定の入力電位VB+Vref、Vref および固定の出力電位VB+Vref のバイアス条件でのみ補正しているので、実使用回路1Aの入出力電位がそこから外れると補正ができなくなりトランスコンダクタンス値に誤差が生じる。
以下で、図11および図12に関連付けて詳しく説明する。
図11は、図4の回路のトランジスタM4Aが三極管領域で動作しているときの補正状態を示す図である。図12は、図4の回路のトンラスコンダクタンス値を示す図である。
以下で、図11および図12に関連付けて詳しく説明する。
図11は、図4の回路のトランジスタM4Aが三極管領域で動作しているときの補正状態を示す図である。図12は、図4の回路のトンラスコンダクタンス値を示す図である。
補正回路2Aの入力電位は、実使用回路1Aで必要な入力電位Vinの動作範囲内のある一点の電位であるVB+Vrefの固定値である。これは入力電位Vin= VB+Vrefであり、Vout'= Voutである場合に、図4の回路のトランスコンダクタンス値が式1と等しくなるよう補正していた。
しかし、実際には図11に示すように、実使用回路1Aの入力電位VinがVB+Vref以外の入力電位になることがある。その場合、入力電位が実使用回路1Aと補正回路2Aで異なることに加え、補正回路2Aの出力電位はフィードバックループによりVB+Vrefとなっているので、Vout'≠Voutになることもある。
このため、実使用回路1Aと補正回路2Aの入力出力電位のバイアス条件が異なり、図11の例では実使用回路1Aと補正回路2AのトランジスタM4AのRdsが同じ値にならず、完全な補正ができない。
つまり、図3においては、実使用回路1A側のバイアス条件が補正回路2Aの固定バイアスから外れた部分でのトランスコンダクタンス値の線形性は、アナログ設計に依存することになる。すなわち、そのバイアス点で実使用回路1Aが式4を満たすようにトランジスタが飽和領域で動作をするようなアナログ設計に依存することになり、この点が図4の回路の設計の難易度を上げている。
しかし、実際には図11に示すように、実使用回路1Aの入力電位VinがVB+Vref以外の入力電位になることがある。その場合、入力電位が実使用回路1Aと補正回路2Aで異なることに加え、補正回路2Aの出力電位はフィードバックループによりVB+Vrefとなっているので、Vout'≠Voutになることもある。
このため、実使用回路1Aと補正回路2Aの入力出力電位のバイアス条件が異なり、図11の例では実使用回路1Aと補正回路2AのトランジスタM4AのRdsが同じ値にならず、完全な補正ができない。
つまり、図3においては、実使用回路1A側のバイアス条件が補正回路2Aの固定バイアスから外れた部分でのトランスコンダクタンス値の線形性は、アナログ設計に依存することになる。すなわち、そのバイアス点で実使用回路1Aが式4を満たすようにトランジスタが飽和領域で動作をするようなアナログ設計に依存することになり、この点が図4の回路の設計の難易度を上げている。
上述したように、図12は、図4の回路のトンラスコンダクタンス値を示している。
図12から、図4の回路の製造ばらつきやジャンクションの温度変化に対して補正が効いているが、線形性の領域が狭く入力電位が変化し、回路内のトランジスタが飽和領域で動作できなくなるようなバイアス条件になると線形性が全く保てなくなる様子が分かる。
図12から、図4の回路の製造ばらつきやジャンクションの温度変化に対して補正が効いているが、線形性の領域が狭く入力電位が変化し、回路内のトランジスタが飽和領域で動作できなくなるようなバイアス条件になると線形性が全く保てなくなる様子が分かる。
本発明は、トランスコンダクタンス値の切り替えの容易性を保ちつつ、実使用回路と補正回路のバイアス条件を、より広範囲な動作条件で同一にすることが可能で、設計も容易なトランスコンダクタンス回路を提供することにある。
本発明の観点のトランスコンダクタンス回路は、基本的に、第1の入力端子を含む第1の差動素子、第2の入力端子を含む第2の差動素子、および上記第2の差動素子に接続された第1の出力ノードを有する第1の差動回路と、第3の入力端子を含む第3の差動素子、第4の入力端子を含む第4の差動素子、および上記第4の差動素子に接続された第2の出力ノードを有する第2の差動回路と、第5の入力端子および第6の入力端子を有する第1の増幅器と、第7の入力端子および第8の入力端子を有する第2の増幅器と、信号入力端子と、抵抗素子と、を有し、上記第1の差動回路の上記第2の入力端子、上記第2の差動回路の上記第4の入力端子、および上記第1の増幅器の第5の入力端子が、上記信号入力端子に接続され、上記第1の差動回路の上記第1の出力ノードが、上記第2の増幅器の第8の入力端子に接続され、上記第1の増幅器の出力端子が、当該第1の増幅器の上記第6の入力端子に接続され、上記第2の増幅器の第7の入力端子が、基準電位源に接続され、上記抵抗素子が、上記第1の差動回路の上記第1の出力ノードと上記第1の増幅器の出力端子間に接続され、上記第1の差動回路の上記第1の入力端子および上記第2の差動回路の上記第3の入力端子が、上記第2の増幅器の出力端子に接続され、上記第2の差動回路の上記第2の出力ノードにより回路出力部が形成されている。
本発明によれば、トランスコンダクタンス値の切り替えの容易性を保ちつつ、実使用回路と補正回路のバイアス条件を、より広範囲な動作条件で同一にすることが可能で、設計も容易となる利点がある。
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施形態
2.第2の実施形態
なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施形態
2.第2の実施形態
<第1の実施形態>
図13は、本発明の第1の実施形態に係るトランスコンダクタンス回路の構成例を示す回路図である。
図13は、本発明の第1の実施形態に係るトランスコンダクタンス回路の構成例を示す回路図である。
本トランスコンダクタンス回路10は、図13に示すように、第1の差動回路11、第2の差動回路12、第1の増幅器(以下、アンプ(Amp)という)13、第2のアンプ14、基準電位源15、信号入力端子Tin、および抵抗素子R10を有する。
なお、本実施形態においては、第1および第2の差動回路11,12は、絶縁ゲート型電界効果トランジスタを含んで形成される。そして、本実施形態においては、電界効果トランジスタの第1導電型を、たとえばnチャネル、第2導電型をpチャネルとして説明する。
[回路構成]
第1の差動回路11は、第1の差動素子としての第1導電型であるnチャネルの第1の電界効果トランジスタであるNMOSトランジスタM10と、第2の差動素子としての第1導電型の第2の電界効果トランジスタとしてのNMOSトランジスタM11を有する。
NMOSトランジスタM10およびNMOSトランジスタM11のソース同士が接続され、その接続点が第1の電流源IS11としてのNMOSトランジスタM12のドレインに接続されている。
NMOSトランジスタM12のソースは基準電位VSS(たとえば接地電位GND)に接続され、ゲートはバイアス電圧Vbの供給ラインに接続されている。
第1の差動回路11は、ソースが所定電位源、図13では電源電圧源VDDに接続され、カレントミラー回路CMR11を形成する第2導電型であるpチャネルの第3および第4の電界効果トランジスタとしてPMOSトランジスタM13,M14を有する。
NMOSトランジスタM10のドレインが、PMOSトランジスタM13のドレインおよびゲート、並びに、PMOSトランジスタM14のゲートに接続されている。
NMOSトランジスタM11のドレインが、PMOSトランジスタM14のドレインに接続され、その接続点により第1の出力ノードND11が形成されている。
そして、第1の差動回路11において、第1の電界効果トランジスタとしてのNMOSトランジスタM10のゲートにより、第1の入力端子としての正側入力端子が形成されている。
また、第1の差動回路11において、第2の電界効果トランジスタとしてのNMOSトランジスタM11のゲートにより、第2の入力端子としての負側入力端子が形成されている。
第1の差動回路11は、第1の差動素子としての第1導電型であるnチャネルの第1の電界効果トランジスタであるNMOSトランジスタM10と、第2の差動素子としての第1導電型の第2の電界効果トランジスタとしてのNMOSトランジスタM11を有する。
NMOSトランジスタM10およびNMOSトランジスタM11のソース同士が接続され、その接続点が第1の電流源IS11としてのNMOSトランジスタM12のドレインに接続されている。
NMOSトランジスタM12のソースは基準電位VSS(たとえば接地電位GND)に接続され、ゲートはバイアス電圧Vbの供給ラインに接続されている。
第1の差動回路11は、ソースが所定電位源、図13では電源電圧源VDDに接続され、カレントミラー回路CMR11を形成する第2導電型であるpチャネルの第3および第4の電界効果トランジスタとしてPMOSトランジスタM13,M14を有する。
NMOSトランジスタM10のドレインが、PMOSトランジスタM13のドレインおよびゲート、並びに、PMOSトランジスタM14のゲートに接続されている。
NMOSトランジスタM11のドレインが、PMOSトランジスタM14のドレインに接続され、その接続点により第1の出力ノードND11が形成されている。
そして、第1の差動回路11において、第1の電界効果トランジスタとしてのNMOSトランジスタM10のゲートにより、第1の入力端子としての正側入力端子が形成されている。
また、第1の差動回路11において、第2の電界効果トランジスタとしてのNMOSトランジスタM11のゲートにより、第2の入力端子としての負側入力端子が形成されている。
第2の差動回路12は、第3の差動素子としての第1導電型であるnチャネルの第5の電界効果トランジスタであるNMOSトランジスタM20と、第4の差動素子としての第1導電型の第6の電界効果トランジスタとしてのNMOSトランジスタM21を有する。
NMOSトランジスタM20およびNMOSトランジスタM21のソース同士が接続され、その接続点が第2の電流源IS12としてのNMOSトランジスタM22のドレインに接続されている。
NMOSトランジスタM22のソースは基準電位VSS(たとえば接地電位GND)に接続され、ゲートはバイアス電圧Vbの供給ラインに接続されている。
第2の差動回路12は、ソースが所定電位源、図13では電源電圧源VDDに接続され、カレントミラー回路CMR12を形成する第2導電型であるpチャネルの第7および第8の電界効果トランジスタとしてPMOSトランジスタM23,M24を有する。
NMOSトランジスタM20のドレインが、PMOSトランジスタM23のドレインおよびゲート、並びに、PMOSトランジスタM24のゲートに接続されている。
NMOSトランジスタM21のドレインが、PMOSトランジスタM24のドレインに接続され、その接続点により第2の出力ノードND12が形成されている。
そして、第2の差動回路12において、第5の電界効果トランジスタとしてのNMOSトランジスタM20のゲートにより、第3の入力端子としての正側入力端子が形成されている。
また、第2の差動回路12において、第6の電界効果トランジスタとしてのNMOSトランジスタM21のゲートにより、第4の入力端子としての負側入力端子が形成されている。
NMOSトランジスタM20およびNMOSトランジスタM21のソース同士が接続され、その接続点が第2の電流源IS12としてのNMOSトランジスタM22のドレインに接続されている。
NMOSトランジスタM22のソースは基準電位VSS(たとえば接地電位GND)に接続され、ゲートはバイアス電圧Vbの供給ラインに接続されている。
第2の差動回路12は、ソースが所定電位源、図13では電源電圧源VDDに接続され、カレントミラー回路CMR12を形成する第2導電型であるpチャネルの第7および第8の電界効果トランジスタとしてPMOSトランジスタM23,M24を有する。
NMOSトランジスタM20のドレインが、PMOSトランジスタM23のドレインおよびゲート、並びに、PMOSトランジスタM24のゲートに接続されている。
NMOSトランジスタM21のドレインが、PMOSトランジスタM24のドレインに接続され、その接続点により第2の出力ノードND12が形成されている。
そして、第2の差動回路12において、第5の電界効果トランジスタとしてのNMOSトランジスタM20のゲートにより、第3の入力端子としての正側入力端子が形成されている。
また、第2の差動回路12において、第6の電界効果トランジスタとしてのNMOSトランジスタM21のゲートにより、第4の入力端子としての負側入力端子が形成されている。
第1のアンプ13は、第5の入力端子としての正側入力端子(+)および第6の入力端子である負側入力端子(−)を有する。
第2のアンプ14は、第7の入力端子としての正側入力端子(+)および第8の入力端子としての負側入力端子(−)有する。
第2のアンプ14は、第7の入力端子としての正側入力端子(+)および第8の入力端子としての負側入力端子(−)有する。
第1の差動回路11の負側入力端子(第2の入力端子)であるNMOSトランジスタM11のゲート、第2の差動回路12の負側入力端子(第4の入力端子)であるNMOSトランジスタM21のゲートが、信号Vinの信号入力端子Tinに接続されている。
さらに、第1のアンプ13の正側入力端子(第5の入力端子)が、信号入力端子Tinに接続されている。
第1の差動回路11の第1の出力ノードND11が、第2のアンプ14の負側入力端子(第8の入力端子)に接続されている。
第1のアンプ13の出力端子が、第1のアンプ13自身の負側入力端子(第6の入力端子)に接続されている。
第2のアンプ14の正側入力端子(第7の入力端子)が、基準電圧Vrefの基準電位源15に接続されている。
抵抗素子R10が、第1の差動回路11の第1の出力ノードND11と第1のアンプ13の出力端子間に接続されている。
第1の差動回路11の正側入力端子(第1の入力端子)および第2の差動回路12の正側入力端子(第3の入力端子)が、第2のアンプ14の出力端子に接続されている。
そして、第2の差動回路12の第2の出力ノードND12により、信号Voutを出力するトランスコンダクタンス回路10の回路出力部OUTが形成されている。
さらに、第1のアンプ13の正側入力端子(第5の入力端子)が、信号入力端子Tinに接続されている。
第1の差動回路11の第1の出力ノードND11が、第2のアンプ14の負側入力端子(第8の入力端子)に接続されている。
第1のアンプ13の出力端子が、第1のアンプ13自身の負側入力端子(第6の入力端子)に接続されている。
第2のアンプ14の正側入力端子(第7の入力端子)が、基準電圧Vrefの基準電位源15に接続されている。
抵抗素子R10が、第1の差動回路11の第1の出力ノードND11と第1のアンプ13の出力端子間に接続されている。
第1の差動回路11の正側入力端子(第1の入力端子)および第2の差動回路12の正側入力端子(第3の入力端子)が、第2のアンプ14の出力端子に接続されている。
そして、第2の差動回路12の第2の出力ノードND12により、信号Voutを出力するトランスコンダクタンス回路10の回路出力部OUTが形成されている。
本第1の実施形態のトランスコンダクタンス回路10は、同じ特性を持ったトランスコンダクタンス回路として第1の差動回路11および第2の差動回路12を2つ用いる。
そして、トランスコンダクタンス回路10においては、第1の差動回路11、第1のアンプ13、第2のアンプ14、基準電位源15、および抵抗素子R10により補正回路20が形成されている。
また、第2の差動回路12が実使用回路として機能する。
トランスコンダクタンス回路10は、補正回路20で出力電流をモニタすることで補正回路20の第1の差動回路11と実使用回路である第2の差動回路12の出力電流を補正する。
そして、トランスコンダクタンス回路10においては、第1の差動回路11、第1のアンプ13、第2のアンプ14、基準電位源15、および抵抗素子R10により補正回路20が形成されている。
また、第2の差動回路12が実使用回路として機能する。
トランスコンダクタンス回路10は、補正回路20で出力電流をモニタすることで補正回路20の第1の差動回路11と実使用回路である第2の差動回路12の出力電流を補正する。
本第1の実施形態のトランスコンダクタンス回路10は、トランスコンダクタンス値はトランジスタの設計値で作るのではなく、補正回路20にある抵抗素子R10で生成する。
これにより、図13の回路は、トランジスタの設計によることなく抵抗素子によって簡単に所望のトランスコンダクタンス値を実現できる。
さらに図13の回路は、以下で詳しく述べるような回路のバイアス条件によるトランスコンダクタンス値のずれを、補正回路20を用いることによって、より良い補正を可能にした回路である。
これにより、図13の回路は、トランジスタの設計によることなく抵抗素子によって簡単に所望のトランスコンダクタンス値を実現できる。
さらに図13の回路は、以下で詳しく述べるような回路のバイアス条件によるトランスコンダクタンス値のずれを、補正回路20を用いることによって、より良い補正を可能にした回路である。
この補正回路20を有することにより、実使用回路である第2の差動回路12の出力数を内部スイッチで増減して、実使用回路の出力電流量を増減、つまりトランスコンダクタンス値を増減することも可能となる。
また、従来のトランスコンダクタンス回路と異なる点は、負極性のトランスコンダクタンス回路を持つことにある。
補正回路20において、抵抗素子R10の一端の電位は第1のアンプ13により入力電位Vinと同じ電位になり、他端の電位Vout'は第2のアンプ14により基準電位VrefになるようにVcont電位を制御するようなフィードバックループをもつことにある。
また、従来のトランスコンダクタンス回路と異なる点は、負極性のトランスコンダクタンス回路を持つことにある。
補正回路20において、抵抗素子R10の一端の電位は第1のアンプ13により入力電位Vinと同じ電位になり、他端の電位Vout'は第2のアンプ14により基準電位VrefになるようにVcont電位を制御するようなフィードバックループをもつことにある。
今、トランスコンダクタンス回路は負極性なので、出力電流Ioutは図13に示されるように、従来の回路とは逆の向きの極性となる。
これにより、抵抗素子R10に流れる電流、すなわちIout'は−(VinVref)/Rとなっており、補正回路20のトランスコンダクタンス値は1/Rを実現できる。
さらに、同じVinとVcontが入力されている実使用回路である第2の差動回路12においても補正回路20と等しいトランスコンダクタンス値が期待できる。
この結果、本トランスコンダクタンス回路10は、既存のトランスコンダクタンス回路と異なり入力電圧に追従した補正をすることを実現している。
これにより、抵抗素子R10に流れる電流、すなわちIout'は−(VinVref)/Rとなっており、補正回路20のトランスコンダクタンス値は1/Rを実現できる。
さらに、同じVinとVcontが入力されている実使用回路である第2の差動回路12においても補正回路20と等しいトランスコンダクタンス値が期待できる。
この結果、本トランスコンダクタンス回路10は、既存のトランスコンダクタンス回路と異なり入力電圧に追従した補正をすることを実現している。
図14は、図13の第1および第2の差動回路のトランジスタM14、M24が三極管領域で動作しているときの補正例を説明するための図である。
本回路の補正の例として、図14に示すように、Vin>Vref でVout=Vout'のとき実使用回路である第2の差動回路12のPMOSトランジスタM22と補正回路の第1の差動回路11のPMOSトランジスタM14が三極管領域で動作しているとする。
出力電流はRds14の影響でIRds14だけ変化してしまうが、Vcontが変動することにより電流Irealと電流Irepがそれぞれ、1/2IRds14分の補正がかかるようにフィードバックがかかる。
トランスコンダクタンス回路10の補正回路20の入力電位は、実使用回路である第2の差動回路12の入力電圧と常に同じ値になる。
したがって、本トランスコンダクタンス回路10は、既存の回路に比べ、補正回路20の入力が入力電位追従の分、入力電位の変動による補正漏れを起こすことがない。
この補正回路20のトランスコンダクタンス値を式にしたものを以下に示す。
トランスコンダクタンス回路10の補正回路20の入力電位は、実使用回路である第2の差動回路12の入力電圧と常に同じ値になる。
したがって、本トランスコンダクタンス回路10は、既存の回路に比べ、補正回路20の入力が入力電位追従の分、入力電位の変動による補正漏れを起こすことがない。
この補正回路20のトランスコンダクタンス値を式にしたものを以下に示す。
補正回路20は、所望のGm値の逆数の値を持った抵抗R10を用い、トランスコンダクタンス回路単体のトランスコンダクタンス値を負極性なので−Gm'とし、アンプのゲインが十分大きいならば図13の回路10のトランスコンダクタンス値は次式6で表せる。
式6から、図13の回路10のトランスコンダクタンス値は、トランスコンダクタンス回路単体の値Gmm'がどんな値であるかどうかにかかわらず、補正回路20によって理想のトランスコンダクタンス値をつくることができることを示す。
ところで、本トランスコンダクタンス回路10は、Vout ≠ Vout'のとき実使用回路である第2の差動回路12と補正回路20とでトランジスタのバイアス状態が異なってしまい、その結果、補正漏れが起きてしまうおそれがある。
図15は、図13の第2の差動回路のトランジスタM24のみが三極管領域で動作しているときの補正漏れ動作の例を説明するための図である。
ここで、図15に示すように、実使用回路である第2の差動回路12のPMOSトランジスタM24のみが三極管領域で動作しているとする。
実使用回路である第2の差動回路12のPMOSトランジスタM24が三極管領域で動作してしまい、補正回路20の第1の差動回路11のPMOSトランジスタM14は飽和領域で動作してしまっている。
その結果、実使用回路である第2の差動回路12と補正回路20の第1の差動回路11のバイアス状態が異なっている結果、IRds4電流分、実使用回路である第2の差動回路12の出力電流Ioutは変化してしまう。
しかし、補正回路20では出力電流は所望の値になっているので、Vcontが変動することはなく、出力電流Iout'は補正されない。
その結果、実使用回路である第2の差動回路12と補正回路20の第1の差動回路11のバイアス状態が異なっている結果、IRds4電流分、実使用回路である第2の差動回路12の出力電流Ioutは変化してしまう。
しかし、補正回路20では出力電流は所望の値になっているので、Vcontが変動することはなく、出力電流Iout'は補正されない。
本第1の実施形態のトランスコンダクタンス回路10は、第1の入力端子を含む第1の差動素子M10、第2の入力端子を含む第2の差動素子M11、および第2の差動素子に接続された第1の出力ノードを有する第1の差動回路11を有する。
トランスコンダクタンス回路10は、第3の入力端子を含む第3の差動素子M20、第4の入力端子を含む第4の差動素子M21、および第4の差動素子に接続された第2の出力ノードを有する第2の差動回路12を有する。
トランスコンダクタンス回路10は、第5の入力端子および第6の入力端子を有する第1の増幅器13と、第7の入力端子および第8の入力端子を有する第2の増幅器14と、信号入力端子Tinと、抵抗素子R10と、を有する。
そして、第1の差動回路11の第2の入力端子、第2の差動回路12の第4の入力端子、および第1の増幅器13の第5の入力端子が、信号入力端子Tinに接続されている。
第1の差動回路11の第1の出力ノードが、第2の増幅器14の第8の入力端子に接続され、第1の増幅器13の出力端子が、第1の増幅器の第6の入力端子に接続され、第2の増幅器14の第7の入力端子が、基準電位源15に接続されている。
抵抗素子R10が、第1の差動回路11の第1の出力ノードと第1の増幅器13の出力端子間に接続され、第1の差動回路11の第1の入力端子および第2の差動回路12の第3の入力端子が、第2の増幅器14の出力端子に接続されている。
そして、第2の差動回路12の第2の出力ノードにより回路出力部が形成されている。
トランスコンダクタンス回路10は、第3の入力端子を含む第3の差動素子M20、第4の入力端子を含む第4の差動素子M21、および第4の差動素子に接続された第2の出力ノードを有する第2の差動回路12を有する。
トランスコンダクタンス回路10は、第5の入力端子および第6の入力端子を有する第1の増幅器13と、第7の入力端子および第8の入力端子を有する第2の増幅器14と、信号入力端子Tinと、抵抗素子R10と、を有する。
そして、第1の差動回路11の第2の入力端子、第2の差動回路12の第4の入力端子、および第1の増幅器13の第5の入力端子が、信号入力端子Tinに接続されている。
第1の差動回路11の第1の出力ノードが、第2の増幅器14の第8の入力端子に接続され、第1の増幅器13の出力端子が、第1の増幅器の第6の入力端子に接続され、第2の増幅器14の第7の入力端子が、基準電位源15に接続されている。
抵抗素子R10が、第1の差動回路11の第1の出力ノードと第1の増幅器13の出力端子間に接続され、第1の差動回路11の第1の入力端子および第2の差動回路12の第3の入力端子が、第2の増幅器14の出力端子に接続されている。
そして、第2の差動回路12の第2の出力ノードにより回路出力部が形成されている。
したがって、本第1の実施形態のトランスコンダクタンス回路10によれば、補正回路20が実使用回路である第2の差動回路12の入力電位の変化に追従して動作するので、入力電位変動によるトランスコンダクタンス値への影響を排除することができる。
<第2の実施形態>
図16は、本発明の第2の実施形態に係るトランスコンダクタンス回路の構成例を示す回路図である。
図16は、本発明の第2の実施形態に係るトランスコンダクタンス回路の構成例を示す回路図である。
本第2の実施形態のトランスコンダクタンス回路10Aが第1の実施形態のトランスコンダクタンス回路10と異なる点は、以下のとおりである。
本第2のトランスコンダクタンス回路10Aは、図13のトランスコンダクタンス回路10の回路構成に、基準電位源15に代えて、第3のアンプ16、および容量素子Cpが設けられている。
トランスコンダクタンス回路10Aにおいては、第2の差動回路12の出力ノードND12が、第3のアンプ16の正側入力端子(第9の入力端子)と第2アンプ14の正側入力端子(第7の入力端子)に基準電位源の代わりに接続されている。
第3のアンプ16の出力端子が、第3のアンプ16自身の負側入力端子(第10の入力端子)に接続されている。
そして、信号入力端子Tinと第3のアンプ16の出力端子間に容量素子Cpが接続されている。
本第2のトランスコンダクタンス回路10Aは、図13のトランスコンダクタンス回路10の回路構成に、基準電位源15に代えて、第3のアンプ16、および容量素子Cpが設けられている。
トランスコンダクタンス回路10Aにおいては、第2の差動回路12の出力ノードND12が、第3のアンプ16の正側入力端子(第9の入力端子)と第2アンプ14の正側入力端子(第7の入力端子)に基準電位源の代わりに接続されている。
第3のアンプ16の出力端子が、第3のアンプ16自身の負側入力端子(第10の入力端子)に接続されている。
そして、信号入力端子Tinと第3のアンプ16の出力端子間に容量素子Cpが接続されている。
トランスコンダクタンス回路10Aにおいては、第1の差動回路11、第1のアンプ13、第2のアンプ14、第3のアンプ16、および抵抗素子R10により補正回路20Aが形成されている。
また、第2の差動回路12が実使用回路として機能する。
また、第2の差動回路12が実使用回路として機能する。
トランスコンダクタンス回路10Aにおいては、図13のトランスコンダクタンス回路10におけるVrefは、出力電位Voutが代わりとして用いられる。
そして、第2のアンプ14により第1の差動回路11の出力Vout'は第2の差動回路12の出力VoutになるようVcontは制御される。
そして、第2のアンプ14により第1の差動回路11の出力Vout'は第2の差動回路12の出力VoutになるようVcontは制御される。
入力信号(電位)Vinから、たとえば後で説明する図19のPLL回路にあるようなチャージポンプ電流Iinになる。
この信号入力端子に接続されている容量素子Cpは、図19のPLL回路のループフィルタの他、一般的な電流入力電流出力型フィルタのキャパシタとして用いられる。
この容量素子(キャパシタ)Cpの片方の端子の電位Vout’は、第3のアンプ16によりVoutと同電位となるよう制御され、その他方の端子はチャージポンプの出力に接続される。
この信号入力端子に接続されている容量素子Cpは、図19のPLL回路のループフィルタの他、一般的な電流入力電流出力型フィルタのキャパシタとして用いられる。
この容量素子(キャパシタ)Cpの片方の端子の電位Vout’は、第3のアンプ16によりVoutと同電位となるよう制御され、その他方の端子はチャージポンプの出力に接続される。
このトランスコンダクタンス回路10Aにおいて、実使用回路である第2の差動回路12と補正回路20Aのトランスコンダクタンス回路のトランスコンダクタンス値を−Gm'とし、アンプのゲインが十分大きいならば、入力は下記の式7のようになる。
図13のトランスコンダクタンス回路10のときと同じように,補正回路20A内のトランスコンダクタンス回路の出力電流が抵抗素子R10に流れ込む。その抵抗素子R10の片方の端子は第1のアンプ13によってVinと同じ電位になっているので、抵抗素子R10で発生する電圧は下記の式8のようになる。
図13のトランスコンダクタンス回路10のときと同じように,補正回路20A内のトランスコンダクタンス回路の出力電流が抵抗素子R10に流れ込む。その抵抗素子R10の片方の端子は第1のアンプ13によってVinと同じ電位になっているので、抵抗素子R10で発生する電圧は下記の式8のようになる。
すなわち、トランスコンダクタンス回路10Aは、図13のトランスコンダクタンス回路10と比較して、基準電位VrefがVoutになったことから、式5から、入力は次の式9のようになる。
これに対して、トランスコンダクタンス回路10Aでは、出力電圧Vout'はVrefではなく実使用回路である第2の差動回路12の出力電位Voutに追従した動作をする。
その結果、たとえば図13の例で示したようなVout電位の影響で実使用回路である第2の差動回路12のトランジスタM24が三極管領域で動作する場合でも補正回路20AのVout'はフィードバックループによりVoutと同じ電位になる。
したがって、補正回路20Aの第1の差動回路11のトランジスタM14も三極管領域で動作するようになる。
このとき、入力側にある容量素子Cpの端子電圧Vout’も追従して変動するが、入力として必要な値は式9で与えられることから、トランスコンダクタンス値に影響は無い。
上記のように第2の実施形態のトランスコンダクタンス回路10Aでは、入力電位、出力電位、Vcontなど全てのバイアス条件で実使用回路と補正回路の動作環境は共に等しくすることができる。
その結果、トランスコンダクタンス回路10Aは補正回路20Aと実使用回路である第2の差動回路12のRdsの影響によるトランスコンダクタンス値の理想とのズレを排除することができ、式10のように理想のトランスコンダクタンス値をつくることができる。
その結果、トランスコンダクタンス回路10Aは補正回路20Aと実使用回路である第2の差動回路12のRdsの影響によるトランスコンダクタンス値の理想とのズレを排除することができ、式10のように理想のトランスコンダクタンス値をつくることができる。
図17は、図16のトランスコンダクタンス回路のトランスコンダクタンス値を示す図である。
図17に示すように、第2の実施形態のトランスコンダクタンス回路10Aは、既存の回路に比べ入力動作領域も広がり、トランスコンダクタンス値も一定値を保てるようになる。
また、トランジスタ全てが飽和領域で動作する必要はないため、既存の回路のようなアナログ設計要素も低減させることができる。
ここでのX軸はループフィルタの容量Cpの両端の電位を図16のようにそれぞれVinとVout’としたときの電圧差Vin-Vout’(式9)を示している。
また、トランジスタ全てが飽和領域で動作する必要はないため、既存の回路のようなアナログ設計要素も低減させることができる。
ここでのX軸はループフィルタの容量Cpの両端の電位を図16のようにそれぞれVinとVout’としたときの電圧差Vin-Vout’(式9)を示している。
本第2の実施形態のトランスコンダクタンス回路10Aによれば、実使用回路と補正回路のバイアス状態を常に等しくすることができる。
その結果、Rdsによる影響を全て取り除くことができ、バイアス条件や環境変化に影響されない所望のトランスコンダクタンス値を得ることができる。
また、既存の回路に比べ、アナログ設計要素を低減させることで比較的容易な設計を実現することができる。
また、使用動作領域で各トランジスタが飽和領域で動作する必要が無い。
また、既存回路ではチャネル長変調効果によるRdsの変動の影響を防ぐために、トランジスタのチャネル長Lを大きくする必要があったためトランジスタの回路面積を大きくする必要があった。これに対して、本回路では、Rdsの影響を考慮する必要がなくなったことからチャネル長Lを短くすることができるので、回路面積を小さくすることができる。
その結果、Rdsによる影響を全て取り除くことができ、バイアス条件や環境変化に影響されない所望のトランスコンダクタンス値を得ることができる。
また、既存の回路に比べ、アナログ設計要素を低減させることで比較的容易な設計を実現することができる。
また、使用動作領域で各トランジスタが飽和領域で動作する必要が無い。
また、既存回路ではチャネル長変調効果によるRdsの変動の影響を防ぐために、トランジスタのチャネル長Lを大きくする必要があったためトランジスタの回路面積を大きくする必要があった。これに対して、本回路では、Rdsの影響を考慮する必要がなくなったことからチャネル長Lを短くすることができるので、回路面積を小さくすることができる。
次に、第2の実施形態に係るトランスコンダクタンス回路10Aを使用するアプリケーションの代表例としてPLL回路で使用される場合を説明する。
図18は、代表的なチャージポンプPLL回路を適用した信号処理回路の基本的な構成例を示す図である。
図18の信号処理回路100は、イコライザ(Equalizer)110、アナログ・デジタル変換器(A/D)120、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)130、およびPLL回路140を有する。
PLL回路140は、位相比較器141、チャージポンプ142、ループフィルタ143、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)144、および分周器145を有する。
PLL回路140は、位相比較器141、チャージポンプ142、ループフィルタ143、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)144、および分周器145を有する。
まず、図18に例として挙げているようなPLL回路140では、アナログ・デジタル変換器120でデジタル信号に変換された信号データから位相比較器141で位相差情報を検出する。
その位相誤差情報をもとに、VCO144の発振周波数を調整し、受信データに位相ロックしたクロック信号CLKを生成する。
一例として、図18に示すような入力信号をA/D変換するタイミングクロックを生成するクロックデータリカバリPLLが上げられるが、この回路の解析には一般的に線形化した閉ループ伝達関数が用いられる。
この閉ループの回路動作のループ追従性および安定性の指標になる帯域(自然角周波数)ωnおよびダンピングファクタζはそれぞれ以下の式11、式12のように表せる。
その位相誤差情報をもとに、VCO144の発振周波数を調整し、受信データに位相ロックしたクロック信号CLKを生成する。
一例として、図18に示すような入力信号をA/D変換するタイミングクロックを生成するクロックデータリカバリPLLが上げられるが、この回路の解析には一般的に線形化した閉ループ伝達関数が用いられる。
この閉ループの回路動作のループ追従性および安定性の指標になる帯域(自然角周波数)ωnおよびダンピングファクタζはそれぞれ以下の式11、式12のように表せる。
ここで、Icpはチャージポンプゲイン、KVCOはVCOの入力電圧-発振周波数 変換ゲイン、Cpはループフィルタ容量、抵抗Rはループフィルタ抵抗、Nは分周器145の分周比をそれぞれ示している。
Blu-ray(登録商標)、DVDではディスクデータの読み込み、書き込みで倍速モードがあり、倍速を変化させることで入力のデータレートも変化し、それに追従させるためにはVCOの周波数の変更をすると共にPLLのループ帯域も追従させる必要がある。
帯域の変更には、IcpやNの値を調整して帯域を設定するが、そのとき式12からわかるように帯域に比例してダンピングファクタζも変化してしまう。
帯域の変更には、IcpやNの値を調整して帯域を設定するが、そのとき式12からわかるように帯域に比例してダンピングファクタζも変化してしまう。
回路の安定動作のためにダンピングファクタζが一定であることが求められる場合、図19のようなPLL回路(たとえば特開平10-84279号公報参照)がBlu-Ray(登録商標)、DVDでは用いられることがある。
図19の回路は、上記の図18のチャージポンプ型PLL回路140から、ループフィルタ(Loop Filter)をトランスコンダクタンス回路146と容量Cpに置き換えられている
図19の回路は、上記の図18のチャージポンプ型PLL回路140から、ループフィルタ(Loop Filter)をトランスコンダクタンス回路146と容量Cpに置き換えられている
このタイプのPLL回路140Aでは、VCOの代わりに、電流で発振周波数を制御する電流制御発振器(CCO:Current Controlled Oscillator)147を用いている。
またωnとζは次の式13、式14ように表される。
またωnとζは次の式13、式14ように表される。
ここで、KCCOはCCO147の入力電流−発振周波数 変換ゲイン、Gmはトランスコンダクタンス回路の電圧-電流変換ゲイン、Irdは直接CCO147の入力に接続されるチャージポンプ電流である。
式9と式11を比較すると、次の関係がわかる。
式9と式11を比較すると、次の関係がわかる。
図18のタイプのPLL回路140になることで抵抗Rは式15で表せることから、抵抗Rは外部から値を細かく制御しにくい受動素子から制御しやすい能動素子へと置き換えられ、各値を調整することでζを一定にしたままで帯域を変えることが容易となる。
上記のような図19のPLL回路140Aでは、図19中の破線で囲んで示すように、Gmの入力は容量素子Cpの電位であり、これはチャージポンプの出力電流がループフィルタの容量素子Cpに流れ込むことによって決まる電位である。
したがって、本実施形態では、図13のトランスコンダクタンス回路10を、図16に示すようなトランスコンダクタンス回路10Aに発展させている。
したがって、本実施形態では、図13のトランスコンダクタンス回路10を、図16に示すようなトランスコンダクタンス回路10Aに発展させている。
本第2の実施形態のトランスコンダクタンス回路10Aは、第1の入力端子を含む第1の差動素子M10、第2の入力端子を含む第2の差動素子M11、および第2の差動素子に接続された第1の出力ノードを有する第1の差動回路11を有する。
トランスコンダクタンス回路10Aは、第3の入力端子を含む第3の差動素子M20、第4の入力端子を含む第4の差動素子M21、および第4の差動素子に接続された第2の出力ノードを有する第2の差動回路12を有する。
トランスコンダクタンス回路10Aは、第5の入力端子および第6の入力端子を有する第1の増幅器13と、第7の入力端子および第8の入力端子を有する第2の増幅器14と、第9の入力端子および第10の入力端子を有する第3の増幅器16と、を有する。
さらに、トランスコンダクタンス回路10Aは、信号入力端子Tinと、抵抗素子R10と、容量素子Cpと、を有する。
そして、第1の差動回路11の第2の入力端子、第2の差動回路12の第4の入力端子、および第1の増幅器13の第5の入力端子が、信号入力端子Tinに接続されている。
第1の差動回路11の第1の出力ノードが第2の増幅器14の第8の入力端子に接続され、第1の増幅器13の出力端子が、第1の増幅器の第6の入力端子に接続されている。
第2の増幅器14の第7の入力端子および第3の増幅器16の第9の入力端子が第2の差増回路12の第2の出力ノードに接続され、第3の増幅器16の出力端子が、第3の増幅器の第10の入力端子に接続されている。
抵抗素子R10が、第1の差動回路11の第1の出力ノードと第1の増幅器13の出力端子間に接続され、容量素子Cpが信号入力端子Tinと第3の増幅器16の出力端子間に接続されている。
第1の差動回路11の第1の入力端子および第2の差動回路12の第3の入力端子が第2の増幅器14の出力端子に接続されている。
第2の差動回路12の第2の出力ノードが第2の増幅器14の第7の入力端子および第3の増幅器16の第9の入力端子に接続され、第2の差動回路12の第2の出力ノードにより回路出力部が形成されている。
トランスコンダクタンス回路10Aは、第3の入力端子を含む第3の差動素子M20、第4の入力端子を含む第4の差動素子M21、および第4の差動素子に接続された第2の出力ノードを有する第2の差動回路12を有する。
トランスコンダクタンス回路10Aは、第5の入力端子および第6の入力端子を有する第1の増幅器13と、第7の入力端子および第8の入力端子を有する第2の増幅器14と、第9の入力端子および第10の入力端子を有する第3の増幅器16と、を有する。
さらに、トランスコンダクタンス回路10Aは、信号入力端子Tinと、抵抗素子R10と、容量素子Cpと、を有する。
そして、第1の差動回路11の第2の入力端子、第2の差動回路12の第4の入力端子、および第1の増幅器13の第5の入力端子が、信号入力端子Tinに接続されている。
第1の差動回路11の第1の出力ノードが第2の増幅器14の第8の入力端子に接続され、第1の増幅器13の出力端子が、第1の増幅器の第6の入力端子に接続されている。
第2の増幅器14の第7の入力端子および第3の増幅器16の第9の入力端子が第2の差増回路12の第2の出力ノードに接続され、第3の増幅器16の出力端子が、第3の増幅器の第10の入力端子に接続されている。
抵抗素子R10が、第1の差動回路11の第1の出力ノードと第1の増幅器13の出力端子間に接続され、容量素子Cpが信号入力端子Tinと第3の増幅器16の出力端子間に接続されている。
第1の差動回路11の第1の入力端子および第2の差動回路12の第3の入力端子が第2の増幅器14の出力端子に接続されている。
第2の差動回路12の第2の出力ノードが第2の増幅器14の第7の入力端子および第3の増幅器16の第9の入力端子に接続され、第2の差動回路12の第2の出力ノードにより回路出力部が形成されている。
したがって、本第2の実施形態に係るトランスコンダクタンス回路10Aによれば、実使用回路と補正回路のバイアス状態を常に等しくすることができる。
その結果、Rdsによる影響を全て取り除くことができ、バイアス条件や環境変化に影響されない所望のトランスコンダクタンス値を得ることができる。
また、既存の回路に比べ、アナログ設計要素を低減させることで比較的容易な設計を実現することができる。
また、使用動作領域で各トランジスタが飽和領域で動作する必要が無い。
また、既存回路ではチャネル長変調効果によるRdsの変動の影響を防ぐために、トランジスタのチャネル長Lを大きくする必要があったためトランジスタの回路面積を大きくする必要があった。これに対して、本回路では、Rdsの影響を考慮する必要がなくなったことからチャネル長Lを短くすることができるので、回路面積を小さくすることができる。
その結果、Rdsによる影響を全て取り除くことができ、バイアス条件や環境変化に影響されない所望のトランスコンダクタンス値を得ることができる。
また、既存の回路に比べ、アナログ設計要素を低減させることで比較的容易な設計を実現することができる。
また、使用動作領域で各トランジスタが飽和領域で動作する必要が無い。
また、既存回路ではチャネル長変調効果によるRdsの変動の影響を防ぐために、トランジスタのチャネル長Lを大きくする必要があったためトランジスタの回路面積を大きくする必要があった。これに対して、本回路では、Rdsの影響を考慮する必要がなくなったことからチャネル長Lを短くすることができるので、回路面積を小さくすることができる。
[本実施形態の効果]
以上説明したように、本第1の実施形態によれば、補正回路20が実使用回路である第2の差動回路12の入力電位の変化に追従して動作するので、入力電位変動によるトランスコンダクタンス値への影響を排除することができる。
また、第2の実施形態によれば、実使用回路と補正回路のバイアス状態を常に等しくすることができる。
その結果、Rdsによる影響を全て取り除くことができ、バイアス条件や環境変化に影響されない所望のトランスコンダクタンス値を得ることができる。
また、既存の回路に比べ、アナログ設計要素を低減させることで比較的容易な設計を実現することができる。
また、使用動作領域で各トランジスタが飽和領域で動作する必要が無い。
また、既存回路ではチャネル長変調効果によるRdsの変動の影響を防ぐために、トランジスタのチャネル長Lを大きくする必要があったためトランジスタの回路面積を大きくする必要があった。これに対して、本回路では、Rdsの影響を考慮する必要がなくなったことからチャネル長Lを短くすることができるので、回路面積を小さくすることができる。
以上説明したように、本第1の実施形態によれば、補正回路20が実使用回路である第2の差動回路12の入力電位の変化に追従して動作するので、入力電位変動によるトランスコンダクタンス値への影響を排除することができる。
また、第2の実施形態によれば、実使用回路と補正回路のバイアス状態を常に等しくすることができる。
その結果、Rdsによる影響を全て取り除くことができ、バイアス条件や環境変化に影響されない所望のトランスコンダクタンス値を得ることができる。
また、既存の回路に比べ、アナログ設計要素を低減させることで比較的容易な設計を実現することができる。
また、使用動作領域で各トランジスタが飽和領域で動作する必要が無い。
また、既存回路ではチャネル長変調効果によるRdsの変動の影響を防ぐために、トランジスタのチャネル長Lを大きくする必要があったためトランジスタの回路面積を大きくする必要があった。これに対して、本回路では、Rdsの影響を考慮する必要がなくなったことからチャネル長Lを短くすることができるので、回路面積を小さくすることができる。
10,10A・・・トランスコンダクタンス回路、11・・・第1の差動回路、12・・・第2の差動回路、13・・・第1の増幅器(アンプ)、14・・・第2の増幅器(アンプ)、15・・・基準電位源、16・・・第3の増幅器(アンプ)、Tin・・・信号入力端子、R10・・・抵抗素子、Cp・・・容量素子。
Claims (5)
- 第1の入力端子を含む第1の差動素子、第2の入力端子を含む第2の差動素子、および上記第2の差動素子に接続された第1の出力ノードを有する第1の差動回路と、
第3の入力端子を含む第3の差動素子、第4の入力端子を含む第4の差動素子、および上記第4の差動素子に接続された第2の出力ノードを有する第2の差動回路と、
第5の入力端子および第6の入力端子を有する第1の増幅器と、
第7の入力端子および第8の入力端子を有する第2の増幅器と、
信号入力端子と、
抵抗素子と、を有し、
上記第1の差動回路の上記第2の入力端子、上記第2の差動回路の上記第4の入力端子、および上記第1の増幅器の第5の入力端子が、上記信号入力端子に接続され、
上記第1の差動回路の上記第1の出力ノードが、上記第2の増幅器の第8の入力端子に接続され、
上記第1の増幅器の出力端子が、当該第1の増幅器の上記第6の入力端子に接続され、
上記第2の増幅器の第7の入力端子が、基準電位源に接続され、
上記抵抗素子が、上記第1の差動回路の上記第1の出力ノードと上記第1の増幅器の出力端子間に接続され、
上記第1の差動回路の上記第1の入力端子および上記第2の差動回路の上記第3の入力端子が、上記第2の増幅器の出力端子に接続され、
上記第2の差動回路の上記第2の出力ノードにより回路出力部が形成されている
トランスコンダクタンス回路。 - 上記第1の差動回路の上記第1の入力端子、上記第2の差動回路の上記第3の入力端子、上記第1の増幅器の上記第5の入力端子、および上記第2の増幅器の上記第7の入力端子は、正側入力端子として形成され、
上記第1の差動回路の上記第2の入力端子、上記第2の差動回路の上記第4の入力端子、上記第1の増幅器の上記第6の入力端子、および上記第2の増幅器の上記第8の入力端子は、負側入力端子として形成されている
請求項1記載のトランスコンダクタンス回路。 - 第1の入力端子を含む第1の差動素子、第2の入力端子を含む第2の差動素子、および上記第2の差動素子に接続された第1の出力ノードを有する第1の差動回路と、
第3の入力端子を含む第3の差動素子、第4の入力端子を含む第4の差動素子、および上記第4の差動素子に接続された第2の出力ノードを有する第2の差動回路と、
第5の入力端子および第6の入力端子を有する第1の増幅器と、
第7の入力端子および第8の入力端子を有する第2の増幅器と、
第9の入力端子および第10の入力端子を有する第3の増幅器と、
信号入力端子と、
抵抗素子と、
容量素子と、を有し、
上記第1の差動回路の上記第2の入力端子、上記第2の差動回路の上記第4の入力端子、および上記第1の増幅器の第5の入力端子が、上記信号入力端子に接続され、
上記第1の差動回路の上記第1の出力ノードが上記第2の増幅器の第8の入力端子に接続され、
上記第1の増幅器の出力端子が、当該第1の増幅器の上記第6の入力端子に接続され、
上記第2の増幅器の第7の入力端子および上記第3の増幅器の第9の入力端子が上記第2の差動回路の上記第2の出力ノードに接続され、
上記第3の増幅器の出力端子が、当該第3の増幅器の上記第10の入力端子に接続され、
上記抵抗素子が、上記第1の差動回路の上記第1の出力ノードと上記第1の増幅器の出力端子間に接続され、
上記容量素子が、上記信号入力端子と上記第3の増幅器の出力端子間に接続され、
上記第1の差動回路の上記第1の入力端子および上記第2の差動回路の上記第3の入力端子が上記第2の増幅器の出力端子に接続され、
上記第2の差動回路の上記第2の出力ノードが上記第2の増幅器の上記第7の入力端子および上記第3の増幅器の第9の入力端子に接続され、
上記第2の差動回路の上記第2の出力ノードにより回路出力部が形成されている
トランスコンダクタンス回路。 - 上記第1の差動回路の上記第1の入力端子、上記第2の差動回路の上記第3の入力端子、上記第1の増幅器の上記第5の入力端子、上記第2の増幅器の上記第7の入力端子、および上記第3の増幅器の上記第9の入力端子は、正側入力端子として形成され、
上記第1の差動回路の上記第2の入力端子、上記第2の差動回路の上記第4の入力端子、上記第1の増幅器の上記第6の入力端子、上記第2の増幅器の上記第8の入力端子、および上記第3の増幅器の上記第10の入力端子は、負側入力端子として形成されている
請求項3記載のトランスコンダクタンス回路。 - 上記第1の差動回路は、
上記第1の差動素子としての第1導電型の第1の電界効果トランジスタと、
上記第2の差動素子としての第1導電型の第2の電界効果トランジスタと、
ソースが所定電位源に接続され、カレントミラー回路を形成する第2導電型の第3の電界効果トランジスタおよび第4の電界効果トランジスタと、
上記第1および第2の電界効果トランジスタのソース同士の接続点に接続された第1の電流源と、を含み、
上記第1の電界効果トランジスタのドレインが、上記第3の電界効果トランジスタのドレインおよびゲート、並びに、上記第4の電界効果トランジスタのゲートに接続され、
上記第2の電界効果トランジスタのドレインが、上記第4の電界効果トランジスタのドレインに接続され、当該接続点により上記第1の出力ノードが形成され、
上記第1の電界効果トランジスタのゲートにより上記第1の入力端子が形成され、
上記第2の電界効果トランジスタのゲートにより上記第2の入力端子が形成され、
上記第2の差動回路は、
上記第3の差動素子としての第1導電型の第5の電界効果トランジスタと、
上記第4の差動素子としての第1導電型の第6の電界効果トランジスタと、
ソースが所定電位源に接続され、カレントミラー回路を形成する第2導電型の第7の電界効果トランジスタおよび第8の電界効果トランジスタと、
上記第5および第6の電界効果トランジスタのソース同士の接続点に接続された第2の電流源と、を含み、
上記第5の電界効果トランジスタのドレインが、上記第7の電界効果トランジスタのドレインおよびゲート、並びに、上記第8の電界効果トランジスタのゲートに接続され、
上記第6の電界効果トランジスタのドレインが、上記第8の電界効果トランジスタのドレインに接続され、当該接続点により上記第2の出力ノードが形成され、
上記第5の電界効果トランジスタのゲートにより上記第3の入力端子が形成され、
上記第6の電界効果トランジスタのゲートにより上記第4の入力端子が形成されている
請求項1から4のいずれか一に記載のトランスコンダクタンス回路。
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---|---|---|---|---|
CN113114143A (zh) * | 2021-05-10 | 2021-07-13 | 上海传泰电子科技有限公司 | 一种全差分求和放大电路 |
-
2009
- 2009-06-12 JP JP2009140985A patent/JP2010246076A/ja active Pending
Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
CN113114143A (zh) * | 2021-05-10 | 2021-07-13 | 上海传泰电子科技有限公司 | 一种全差分求和放大电路 |
CN113114143B (zh) * | 2021-05-10 | 2024-02-13 | 上海传泰电子科技有限公司 | 一种全差分求和放大电路 |
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