JP2010245600A - 超音波送受波器およびそれを用いた流体の流れ計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波送受波器の特性安定化を図ることを目的とする。
【解決手段】有底筒状で、金属製のケース2と、前記ケースの音波放射面3に接着剤4で接合した音響整合体5と、前記ケースに収容され前記音響整合体と対向するように接着剤6で接合した圧電体7と、前記圧電体に導電手段を介して接続した端子9,11と、前記ケースの開口を閉鎖するとともに前記端子を外部に突出させた状態で支持する端子板12とを具備し、前記ケースの接着剤に対する濡れ性をあらかじめ制御し、前記音響整合体、および前記圧電体とを接合した。これによって、ケース表面に不純物に少ない正常清浄な酸化被膜を形成することができ、その表面と接着剤との濡れ性が向上し、より強固な接合状態となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、気体などの流体中に超音波を送信、または、流体中を伝搬する超音波を受信するための超音波送受波器、およびそれを用いた流体の流れ計測装置に関する。
従来、この種の超音波送受波器にあっては、図9に示すように、頂壁内面に圧電素子を接着したケース51の頂壁外面に音響整合体52を接着して構成されていた。
そして、前記ケース51は、Feを主成分とし、少なくともCrを10〜26wt%含む金属を深絞り加工し、その後溶剤などで洗浄して得ていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−121218号公報
しかしながら、前記の従来のものでは、通常の溶剤などによる洗浄では、深絞り加工などによって形成された脆弱な酸化被膜の存在によって、圧電体および音響整合体の接着強度が部分的に低下し、その結果、超音波の送信、受信特性にばらつきが生じ、信頼性が保障できなくなる課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、圧電体および音響整合体との接着力を強固にし、長期にわたり安定して動作させることのできる超音波送受波器、および流れ計測装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の超音波送受波器は、有底筒状で、金属製のケースと、前記ケースの音波放射面に接着剤で接合した音響整合体と、前記ケースに収容され前記音響整合体と対向するように接着剤で接合した圧電体と、前記圧電体に導電手段を介して接続した端子と、前記ケースの開口を閉鎖するとともに前記端子を外部に突出させた状態で支持する端子板とを具備し、前記ケースの接着剤に対する濡れ性をあらかじめ制御し、前記音響整合体、および前記圧電体とを接合したものである。
これによって、有底筒状ケース表面に不純物に少ない正常清浄な酸化被膜を形成することができて、ケース表面と接着剤との濡れ性が向上し、より強固な接合状態とすることができるものである。
本発明の超音波送受波器によれば、特性のバラツキを低減し、長期間にわたり動作安定性を確保することができ、被測定流体の計測精度を高めることができるものである。
本発明の実施の形態1における超音波送受波器の断面図 同超音波送受波器の製造工程説明図 同超音波送受波器のケースに用いる金属の断面拡大図 同超音波送受波器のケースに用いる金属における水の接触角の測定原理図 接着力評価方法断面図 ケースの表面処理、接触角、および接着力の関係グラフ 熱衝撃試験出力変化率の経過時間推移グラフ 本発明の実施の形態2における超音波式流れ計測装置の原理説明図 従来の超音波送受波器の断面図
第1の発明は、有底筒状で、金属製のケースと、前記ケースの音波放射面に接着剤で接合した音響整合体と、前記ケースに収容され前記音響整合体と対向するように接着剤で接合した圧電体と、前記圧電体に導電手段を介して接続した端子と、前記ケースの開口を閉鎖するとともに前記端子を外部に突出させた状態で支持する端子板とを具備し、前記ケースの接着剤に対する濡れ性をあらかじめ制御し、前記音響整合体、および前記圧電体とを接合したものである。
これによって、有底筒状ケース表面に不純物に少ない正常清浄な酸化被膜を形成することができて、ケース表面と接着剤との濡れ性が向上し、より強固な接合状態とすることができるものである。
第2の発明は、前記第1の発明において、接着剤との濡れ性の制御は、具体的には、ケースにおける酸化被膜の厚みを制御することによって行うものである。
第3の発明は、前記第2の発明において、ケースにおける酸化被膜厚みの制御は、具体的には、一度酸化皮膜を除去後、腐食物の存在しない環境で再形成した。
第4の発明は、前記弟1〜3のいずれか1つの発明において、接着剤との濡れ性の制御における管理を水の接触角により行ったものである。
第5の発明は、前記弟2または3の発明において、酸化被膜の除去は、具体的にはケース全表面をほぼ均一に除去するようにした。
第6の発明は、前記弟2または3の発明において、酸化被膜の除去は、具体的にはケースにおける接着剤塗布部分のみとしたものである。
第7の発明は、前記弟2〜6いずれか一つの発明において、酸化被膜の再形成を室温以上で行ったものである。
第8の発明は、前記第1〜7のいずれか一つの発明の超音波送受波器を被測定流体の流れ方向の上、下流側に一対対向配置して計測部を構成し、前記一対の超音波送受波器間の超音波伝播時間を超音波伝播時間計測回路で計測するようにして、流体の流速、および/または流量を計測する流体の流れ計測装置としたものである。
第9の発明は、有底筒状で、金属製のケースと、前記ケースの音波放射面に接着剤で接合した音響整合体と、前記ケースに収容され前記音響整合体と対向するように接着剤で接合した圧電体と、前記圧電体に導電手段を介して接続した端子と、前記ケースの開口を閉鎖するとともに前記端子を外部に突出させた状態で支持する端子板とを具備し、前記ケースの接着剤に対する濡れ性をあらかじめ制御し、前記音響整合体、および前記圧電体とを接合するものにおいて、ケースの接着剤に対する濡れ性を制御する工程は、前記ケースの脱脂をおこなう工程と、前記ケースの酸化被膜を除去する工程と、ケースの酸化被膜を制御温度において放置し、酸化被膜を再形成する工程と、所定時間内に接着剤を塗布し、前
記音響整合体および前記圧電体とを接合する工程とからなる超音波送受波器の製造方法である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1において、超音波送受波器1は、有底筒状で、金属製のケース2の音波放射面3に接着剤4で接合した音響整合体5と、前記ケース2に収容され、前記音響整合体5と対向するようにケース頂壁仮面に接着剤6で接合した圧電体7と、前記圧電体7に導電手段8として用いた導電ゴムを介して接続した端子9と、前記ケース2の開口をフランジ部10で閉鎖するとともに、前記端子7および、端子11を外部に突出させた状態で支持する端子板12とで構成されている。
ケース2と端子板12とは、溶接によって電気的に接合されている。
前記端子11は端子板12に電気的接続状態を保った状態で固定され、また、他方の端子9は絶縁部材13によって電気的に絶縁されている。
端子9は導電手段8として用いる導電ゴムを介して圧電体7の一方の電極14に電気的に接合されており、他方の端子11は端子板12、およびケース2を介して圧電体7の他方の電極15に電気的気に接合されている。
以上から電極14,15には、端子9、11を介して電気信号が伝えられ、圧電体7が電気信号を振動へ変換し、そこで発生した振動が音響整合体5を介して効率よく被測定流体に伝達するものである。
以上のように構成された超音波送受波器1について、以下動作、作用を説明する。
端子9,11に、例えば矩形状に調整した200kHzの信号を与えると、端子9の信号は導電手段8を介して圧電体7の電極14に伝えられ、端子11の信号は端子板12、ケース2を介して圧電体7の電極15に伝えられる。
その結果、圧電体7に200kHzの電気信号が伝えられ、それに伴って圧電体7が200kHzで振動し、その振動に共振する厚みに調整された音響整合体5が共振し、その振動が非測定流体に伝えられる。
次に、超音波送受波器1の製造方法に関して説明する。
図2において、音響整合体5は、例えばガラスバルーンを所定の容器内で加振充填し、その後、熱硬化性樹脂をガラスバルーンとの隙間に流し込み、熱を加えることで成型体とし、これを、ケース天面の平坦部によりも小さい直径に調整し、圧電体7と共振する厚みに調整する。
(a)は音響整合体5を円柱状に形成し、音波放射面に対し厚みを調整した状態を示しており、(b)は、圧電体7に熱硬化性樹脂である接着剤15を印刷工法によって塗布形成し、ケース2にも同様に接合手段4を塗布形成する。
印刷工法は、例えばスクリーン印刷、あるいはメタルマスク印刷など特に限定されるものではない。(c)において、圧電体7とケース2、音響整合体5を貼り合わせる。この
とき、圧電体7、ケース2、音響整合体5にを貼り合せ、これらの接合体に、約1から10kg/cm2の加圧を加えた状態で、接着剤4および15を硬化させる目的で、加熱をおこなう。その結果、反感製品半完成品20が製造される。
(d)は、以上の工程によって加熱硬化し接合された半完成品20と、導電手段8として用いる導電ゴムを挿入した端子板12とをフランジ部10で溶接する。溶接方法に関しては抵抗溶接あるいはレーザー溶接などを使用することができる。
この溶接時に、密閉空間21に不活性ガスであるアルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガスなどを封入することで、圧電体7の電極14、15の劣化、圧電体7とケース2との接合部分の劣化を軽減する役割を果たす。
前記ケース2は、鉄、真鍮、銅、アルミ、ステンレスあるいは、これらの合金、あるいはこれらの金属の表面にめっきを施した金属など導電性を有する材料であれば良い特に限定されるものではない。
接着剤は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂など熱硬化性樹脂であれば特に限定されない。場合によっては、熱可塑性樹脂であっても、ガラス点移転が高温使用温である70℃以下であれば接着剤として使用できる。
ここで、ケース2の接着剤塗布形成前の酸化被膜除去及び再形成に関して説明する。
図3において、金属内部より金属の結晶で構成された金属結晶層22、加工などによって形成された加工変形層23、酸化被膜層24が存在し、その上に、防食性、潤滑性を向上させるために塗布されるプレス油などの有機物25が存在する。
超音波送受波器1のケース2はプレス加工によって形成するため、潤滑油であるプレス油が酸化被膜層24に刷り込まれた状態となっている部分も存在する。
そのため,脱脂工程として溶剤とアルカリを用いて、プレス加工によって刷り込まれた潤滑油と、あらかじめ最表面にある吸着ガスや、有機物である炭化水素、水酸化物を除去し表面改質を行なう。
その後、酸化物層24の除去、および、脆弱な加工変形層23に関しても除去を行なうほうが好ましい。
酸化物層24,および加工変形層23は、例えば全面を均一に除去する場合においては、酸などに浸漬処理し、必要に応じて超音波照射を行なう。
これに対し、接着剤を塗布する部分のみの酸化物層24、加工変形層23を除去する目的で、例えばプラズマ処理を行なうことも可能である。
プラズマ処理には、減圧を必要としない大気プラズマ処理を行なうことも可能であり、インラインで処理することでより高速に処理することとができる。
この酸化被膜24の除去によって、接着剤との濡れ性が向上する。接着性のみを向上させるためには、接触角が低いほど接着性が向上するが、本実施の形態では、接着性向上だけでなく、量産時の特性安定化を行なう必要がある。
接触角が低い場合には、金属表面がより活性菜活性な状態となるため、例えば酸化物除
去直後の環境に、腐食物質が存在するとすぐに金属表面と反応し、脆弱な酸化被膜あるいは腐食生成物が形成され、その表面を接着面した場合には、経過時間と共に接着力が低下し、この劣化の度合いが個々の超音波送受波器間でばらつくため、結果的に超音波流量計とした場合に、測定誤差となってしまう。
このため、通常、組立作業環境を腐食物質、あるいは不純物をより高度に正常化清浄化した環境が必要とされるため、設備コストがかかる。
そこで、本実施の形態においては、比較的安価なクリーンな環境装置の中で、例えば30℃程度の一定の温度環境において、安定した酸化被膜を形成させることで、その後、印刷工程などは、通常のクリーンルーム内で作業しても、接触角の変化が小さく、その結果、有底筒状ケースと圧電体および整合体との接着力が安定化し、超音波送受波器としたときのばらつきも低減する事ができる。
さらには、超音波送受波器の経過時間による送信受信性能も安定化することができる。この酸化被膜の再形成も、過度に行なうことで接着剤との濡れ性を悪化させることになるため、適正に管理する必要がある。
以下、この酸化被膜の管理方法に関して説明する。
この接着剤との濡れ性を適正に管理する方法として、水の接触角を用いた。
図4において、ケース2表面に蒸留水を注入したマイクロシリンジのシリンジ先端に液滴を作り、その液滴をケース2に近づけ接触させる。
その結果、図に示すように、蒸留水による液滴30が形成される。この液滴30に接線31を引くことができ、この接線31とケース2とのなす角θ2が接触角となる。
この接触角θ2は、接線31を直接合わせ測定する方法と、液滴頂点32における液滴高さ33、および液滴の直径34を求めて、θ1を求め以下に示した式1との関係からθ1を2倍して求める方法とがある。
θ2=2θ1 (1)
本実施の形態の酸化被膜の除去による効果を検証するため、以上にあげた説明した水の接触角による評価と、接着力の評価を行なった。
図5は、接着力評価方法を示している。
図5において、個々の表面処理を実施したケース2に接着剤15を塗布し、試験継ぎ手36を接合する。これを、引っ張り試験機にセットし、一定速度で引っ張り試験を実施する。
図6はケースの表面処理と接触角および接着力の関係を示している。○印が、水の接触角を表し、測定値は左の縦軸を参照する。◆印は、接着力の測定結果を示しており、右の縦軸を参照する。
この結果から、接触角が小さくなる、つまり、有底筒状金属ケースと接着剤との濡れ性が向上することによって接着強度が増加することがわかる。
さらに、接触角が20〜50度の範囲内では、接着力も十分に大きいため、酸化被膜を
再形成しても接着強度に悪影響を与えないことがわかる。このようにして、酸化被膜を再形成することで、洗浄後の次工程となる接着工程の環境も接着プロセス環境も、クラス10000程度のクリーンルームで問題なく組み立てられることが明らかとなった。
このようにして酸化被膜を除去後、再形成したケースと、通常の溶剤脱脂のみで洗浄したケースとを用いて超音波送受波器とし長期信頼性試験を実施した。
また、図7は熱衝撃試験における出力変化率の経過時間推移を示し、○印はケースのプレス加工後の溶剤脱脂、アルカリ脱脂を施したものを超音波送受波器としたものであり、◆印はプレス後、溶剤脱脂、アルカリ脱脂、酸による酸化物の除去および酸化被膜の再形成を行なったものを超音波送受波器としたものである。
熱衝撃試験は、低温マイナス40度を30分とし、高温80度30分放置し、これを1サイクルとして、繰り返し試験を行なう。
ケース2と圧電体との線膨張係数が異なるため、高温、低温の繰り返し試験によって、接合界面に応力が集中し、部分的に剥離が起こると考えられる。
その結果、超音波送受信出力低下が起こる。この変化率がの変化率が小さい場合には、ケース2と圧電体7との接合状態が良好に維持されていることを示す。
この図からもわかるように、脱脂のみに比べ、酸化皮膜を適正に管理した超音波送受波器の出力変化率が小さく、良好な接合状態が維持されていることがわかる。
以上のように、本実施の形態においては、ケース2と、前記ケース2の音波放射面に接着剤で接合した音響整合体5と、前記ケース2に収容され前記音響整合体5と対向するように接着剤で接合した圧電体7と、前記圧電体7に接続した端子と、前記ケース2の開口を閉鎖するとともに前記端子を外部に突出させた状態で支持する端子板12とで構成される超音波送受波器において、前記ケース2の接着剤に対する濡れ性の制御を酸化被膜を除去後、腐食物の存在しない環境で再形成することによって予めおこない、前記音響整合体5および前記圧電体とを接合した超音波送受波器とすることによって、前記ケース表面に不純物に少ない正常な酸化被膜を形成することができ、ケース表面と接着剤との濡れ性が向上し、より強固な接合状態とすることができる。
また、接着剤との濡れ性における管理を、簡便な水の接触角でおこなうことを特徴としたものである。
これによって、圧電体および音響整合体との接着をより強固な状態で、安定した品質管理をおこなうことができるため、超音波送受波器の長期動作安定性を確保することができる。
(実施の形態2)
図8は、前記実施の形態1の超音波送受波器を流体の流れ計測装置に用いたもので、計測部40における流体流路の上、下流側に一対の超音波送受波器41、42が斜めに対向して配置してある。すなわち、超音波が流体の流れを斜めに横切るように伝搬するようにしてある。
L1は、上流側に配置された超音波送受波器41から伝搬する超音波の伝搬経路を示しており、L2は下流側に配置された超音波送受波器42の超音波の伝搬経路を示している。
流れる流体の流速をV、流体中の超音波の速度をC、流体の流れる方向と超音波の伝搬方向の角度をθとすると、超音波送受波器41から出た超音波が超音波送受波器42に到達する伝搬時間t1は、
t1=L/(C+Vcosθ) (2)
で示される。
次に超音波送受波器42から出た超音波パルスが超音波送受波器41に到達する伝搬時間t2は、
t2=L/(C−Vcosθ) (3)
で示される。
そして、(2)と(3)の式から流体の音速Cを消去すると、
V=L/2cosθ(1/t1−1/t2) (4)
の式が得られる。
Lとθが既知なら、計時装置43にてt1とt2を測定すれば流速Vが求められる。必要に応じて、この流速Vに計測部40の断面積Sと補正係数Kを乗じれば、流量Qを求めることができる。演算手段44は、上記Q=KSVを演算するものである。
なお、音響整合体は多孔質体および、低空隙層が無機物であるセラミック材料で構成されるため、被測定流体計即時の温度変化においても、安定に流量計測を行うことができる。
以上のように、本発明にかかる超音波送受波器、またはそれを用いた超音波流速流量計は、安定した流れ計測が可能となるため、家庭用流量計、産業用流量計のみならず、空気中に超音波を発生して距離を計測する自動車のバックソナー等の用途に適用できる。
1 超音波送受波器
2 ケース
3 音波放射面
4,6 接着剤
5 音響整合体
7 圧電体
9,11 端子
12 端子板

Claims (9)

  1. 有底筒状で、金属製のケースと、前記ケースの音波放射面に接着剤で接合した音響整合体と、前記ケースに収容され前記音響整合体と対向するように接着剤で接合した圧電体と、前記圧電体に導電手段を介して接続した端子と、前記ケースの開口を閉鎖するとともに前記端子を外部に突出させた状態で支持する端子板とを具備し、前記ケースの接着剤に対する濡れ性をあらかじめ制御し、前記音響整合体、および前記圧電体とを接合した超音波送受波器。
  2. 接着剤との濡れ性の制御は、ケースにおける酸化被膜の厚みを制御することによっておこなうことを特徴とする請求項1記載の超音波送受波器。
  3. ケースにおける酸化被膜厚みの制御は、一度酸化皮膜を除去後、腐食物の存在しない環境で再形成することを特徴とする請求項2記載の超音波送受波器。
  4. 接着剤との濡れ性の制御における管理は、水の接触角によることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の超音波送受波器。
  5. 酸化被膜の除去は、ケース全表面をほぼ均一に除去することを特徴とする請求項2または3記載の超音波送受波器。
  6. 酸化被膜の除去は、ケースにおける接着剤塗布部分のみとした請求項2または3記載の超音波送受波器。
  7. 酸化被膜の再形成は室温以上でおこなうことを特徴とする請求項2〜6いずれか1項記載の超音波送受波器。
  8. 請求項1〜7いずれか1項記載の超音波送受波器を被測定流体の流れ方向の上、下流側に一対対向配置して構成した計測部と、前記一対の超音波送受波器間の超音波伝播時間計測回路とを具備した流体の流れ計測装置。
  9. 有底筒状で、金属製のケースと、前記ケースの音波放射面に接着剤で接合した音響整合体と、前記ケースに収容され前記音響整合体と対向するように接着剤で接合した圧電体と、前記圧電体に導電手段を介して接続した端子と、前記ケースの開口を閉鎖するとともに前記端子を外部に突出させた状態で支持する端子板とを具備し、前記ケースの接着剤に対する濡れ性をあらかじめ制御し、前記音響整合体、および前記圧電体とを接合するものにおいて、ケースの接着剤に対する濡れ性を制御する工程は、前記ケースの脱脂をおこなう工程と、前記ケースの酸化被膜を除去する工程と、ケースの酸化被膜を制御温度において放置し、酸化被膜を再形成する工程と、所定時間内に接着剤を塗布し、前記音響整合体および前記圧電体とを接合する工程とからなる超音波送受波器の製造方法。
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