JP2010243213A - 光量設定方法、検査方法および検査装置 - Google Patents

光量設定方法、検査方法および検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】検査対象上に形成される膜厚が変動した場合でも検査光の光量を適切に設定可能な光量設定方法、検査方法および検査装置を提供する。
【解決手段】光量設定方法は、検査対象に対して、波長の異なる複数の光を順次照射し、各波長の光に対する膜層での反射特性値を測定する反射特性値測定工程と、膜厚算出係数を用い、反射特性値測定工程により測定される反射特性値に対する膜厚推測値を算出する膜厚演算工程と、膜厚推測値に対する光量値を設定する光量設定工程と、を備えた。
【選択図】図4

Description

本発明は、表面に膜層を有する検査対象に対して照射する検査光の光量を設定する光量設定方法、この光量設定方法により設定された光量の検査光により検査対象を検査する検査方法および検査装置に関する。
従来、ウエハーなどの検査対象を撮像手段により撮像し、撮像画像に基づいて検査対象を検査する検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の装置は、パターンが形成される基板に照明を行い、この基板を撮像して画像データを取得する。そして、取得した画像データの輝度情報と予め設定されている目標輝度情報とを比較して、照明光の光量が適切か否かを判断する。ここで適切でないと判断される場合は、予め記憶されている照明光量と輝度情報との関係データから照明光量の最適値を定めて、照明光の光量を再設定する。
特開2003−256814号公報
ところで、検査対象の製造過程において検査対象上に形成される膜層の膜厚が一定とならない場合がある。このような場合、検査装置で検査対象に検査光を照射すると、検査光の光量が一様である場合であっても、膜層の膜厚により反射特性値が変動し、撮像により得られる撮像画像データの明るさが変動することがある。上記特許文献1に記載の検査装置では、画像データの輝度情報が所定輝度となるように光量を設定することで、検査対象の膜層の膜厚が一定である場合には、良好な検査光の光量を設定できるが、上記のように膜層の膜厚が変動した場合、光源電圧値と輝度情報との関係が一定とはならず、最適な検査光の光量を設定することができないという問題がある。
本発明では、上記のような問題に鑑みて、検査対象上に形成される膜厚が変動した場合でも検査光の光量を適切に設定可能な光量設定方法、検査方法および検査装置を提供することを目的とする。
本発明の光量設定方法は、表面に膜層を有する検査対象に対して照射する検査光の光量を設定する光量設定方法であって、前記検査対象に対して、波長の異なる複数の光を順次照射し、各波長の光に対する前記膜層での反射特性値を測定する反射特性値測定工程と、膜厚算出係数を用い、前記反射特性値測定工程により測定される前記反射特性値に対する膜厚推測値を算出する膜厚演算工程と、前記膜厚推測値に対する光量値を設定する光量設定工程と、を備えたことを特徴とする。
この発明では、表面に膜層が形成される検査対象に対して照射する検査光を設定するために、波長の異なる光を順次照射して、検査対象上で反射された反射光を検出し、膜層における反射特性値を測定する。そして、この測定された反射特性値と、予め設定された膜厚算出係数を用いて、検査対象上に形成される膜層の膜厚推測値を算出し、算出された膜厚推測値に対して検査光の最適光量値を設定する。
このため、検査対象上に形成される膜層の膜厚が変動した場合でも、その膜厚演算工程において、その膜層の膜厚を演算により膜厚推測値として算出して、算出された膜厚推測値に対する検査光の光量値を設定するため、変動した膜厚に応じて検査光の光量を調整することができる。したがって、検査対象の膜厚の変動に応じて適切な光量の検査光を検査対象に照射させることができ、膜厚変動による輝度変化を抑えることができる。
本発明の光量設定方法では、前記膜厚演算工程では、所定の基準膜厚を有する基準膜層が形成される基準構造物に対して前記反射特性値測定工程で用いる波長の光を順次照射させた際の前記基準膜層での基準反射特性値と、前記基準膜厚とに基づいて、前記基準反射特性値および前記膜厚算出係数の積と、前記基準膜厚との差分値が最小となる前記膜厚算出係数を用いて、前記膜厚推測値を算出することが好ましい。
この発明では、膜厚演算工程で用いられる膜厚算出係数を次のように設定している。すなわち、所定の膜厚(基準膜厚)に設定された基準膜層が形成される基準構造物に対して、反射特性値測定工程において用いる複数波長の光を照射し、それぞれの波長に対する基準反射特性値を測定する。この時、基準構造物としては、基準膜厚が異なる複数のサンプルを用意し、これらの基準構造物の基準膜層に対する各波長の反射特性値を測定する。ここで、基準反射特性値と膜厚算出係数との積により基準膜厚の計算値が求められるが、この基準膜厚の計算値と、基準膜厚の実測値との差分が最小となるように膜厚算出係数を設定する。
これにより、基準膜厚および基準反射特性値の実測値に基づいた精度の高い膜厚算出係数を用いることで、膜厚演算工程において、検査対象上の膜層の膜厚を精度よく算出することができる。したがって、膜厚に対する検査光の光量を精度よく設定することができる。
本発明では、前記反射特性値測定工程は、前記検査対象にて反射された反射光を撮像して撮像画像データを取得し、この撮像画像データの輝度値を前記反射特性値として測定することが好ましい。
この発明では、反射特性値として、撮像画像データの輝度値を用いている。ここで、反射特性値としては、膜層に入射する光の光量に対する反射光の光量の比である反射率を用いてもよいが、入射光の光量および反射光の光量をそれぞれ検出する必要があり、処理が煩雑となる。一方、反射光を撮像して得られる撮像画像データにおける輝度値は、反射光の光量に比例するため、反射率の代わりに撮像画像データの輝度値を用いることが可能であり、このような輝度値は、撮像画像データから容易に測定可能であるため、反射特性値の測定を容易に実施でき、処理の迅速化、簡便化を図ることができる。
本発明の光量設定方法では、前記光量設定工程は、所定膜厚に対する光量が記録される基準光量データに基づいて、前記膜厚推測値に対する光量を設定することが好ましい。
この発明では、基準光量データに基づいて、膜厚推測値に対する検査光の光量を容易に設定することができ、処理の迅速化を図ることができる。また、基準光量データとしては、所定膜厚に対する適正光量値を予め測定し、これらの測定データのサンプルを用いてもよく、これらの測定データから生成される膜厚に対する適正光量値の算出関数を用いてもよい。
本発明の検査方法は、表面に膜層を有する検査対象に対して検査光を照射し、検査対象にて反射される反射光に基づいて、所定の検査処理を実施する検査装置における、前記検査対象の検査方法であって、前記検査対象に対して、波長の異なる複数の光を順次照射し、各波長の光に対する前記膜層での反射特性値を測定する反射特性値測定工程と、膜厚算出係数を用い、前記反射特性値測定工程により測定される前記反射特性値に対する膜厚推測値を算出する膜厚演算工程と、前記膜厚推測値に対する光量値を設定する光量設定工程と、前記光量設定工程により設定された光量の前記検査光を前記検査対象に照射する光照射工程と、前記検査対象にて反射される反射光を検出する反射光検出工程と、前記反射光検出工程により検出された前記検査光の反射光に基づいて、所定の検査処理を実施する検査工程と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、上記のような光量設定方法により適切に設定された検査光を検査対象に照射し、検出された反射光に基づいて、検査処理を実施する。これにより、膜層の膜厚に応じた検査光で検査処理を実施することができ、膜厚変動に対しても安定した検査処理を実施することができる。
本発明の検査装置は、表面に膜層を有する検査対象に対して検査光を照射し、検査対象にて反射される反射光に基づいて、所定の検査処理を実施する検査装置であって、前記検査対象に対して、波長の異なる複数の光を順次照射可能な光照射手段と、前記検査対象で反射された反射光を検出する光検出手段と、前記光検出手段で検出される前記反射光に基づいて、前記膜層での反射特性値を測定する反射特性値測定手段と、膜厚算出係数を用い、前記反射特性値測定工程により測定される前記反射特性値に対する膜厚推測値を算出する膜厚演算手段と、前記膜厚推測値に対する前記検査光の光量値を設定する光量設定手段と、前記光検出手段で検出される前記検査光の反射光に基づいて、所定の検査処理を実施する検査手段と、を具備したことを特徴とする。
この発明によれば、光照射手段、光検出手段、および反射特性値測定手段により上記発明における反射特性値測定工程を実施でき、膜厚演算手段により膜厚演算工程を実施でき、光量設定手段により光量設定工程を実施できる。したがって、上記発明と同様に、検査対象上に形成される膜層の膜厚が変動した場合でも、適切な検査光の光量を調整することができる。したがって、検査対象の膜厚の変動に応じて適切な光量の検査光を検査対象に照射させることができ、膜厚変動による輝度変化による影響を低減できる。
また、光量設定手段により設定された光量値の検査光を光照射手段から射出させ、その反射光を光検出手段により検出し、検査手段により検出された反射光に基づいて検査対象の検査を実施することで、膜層の膜厚に応じた検査光で検査処理を実施することができ、膜厚変動に対しても安定した検査処理を実施することができる。
本発明に係る実施の形態の検査装置の概略構成を示すブロック図である。 膜厚算出係数の算出例を示す図であり、(A)は、基準膜厚および反射特性値(輝度値)の実測値を示す図、(B)は、回帰分析結果である回帰統計を示す図、(C)は、回帰分析結果である分散分析を示す図、(D)は、膜厚算出係数および定数の算出結果を示す図である。 基準光量データの一例を示す図であり、(A)は、LUTデータに構成される基準光量データ、(B)は、膜厚に対する検査光の最適光量値の変化曲線を示す図である。 本実施の形態の検査装置の動作における検査対象10の検出処理のフローチャートである。
以下、本発明に係る実施の形態の傾斜状態検出装置を備えた検査装置を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る実施の形態の検査装置の概略構成を示すブロック図である。
[検査装置の構成]
図1において、検査装置1は、載置部2に載置された検査対象10を撮像し、撮像画像に基づいて各種検査を実施する装置である。検査装置1としては、例えば、液晶パネルなどの表示体の検査装置、半導体ウエハーなどの構造物の構造形状や付着物の有無を検査する検査装置などの撮像画像に基づいて精密に欠陥などを検査装置や、検査対象の詳細形状を検査する顕微鏡などにも適用できる。また、本実施の形態では、検査対象10として、例えば製造過程において付着する油などにより膜層11が形成される構造物を対象とする。
そして、この検査装置1は、検査対象10を載置する載置部2と、光検出手段としての撮像部3と、撮像部3を保持するZステージ4と、検査対象10に検査光を照射する光照射手段である光源装置5と、制御装置6とを備えている。
載置部2は、図1に示すように、台座部21と、台座部21に配置されたXYステージ22とを備え、例えばXYステージ22上に検査対象10が載置される。また、載置部2のXYステージ22は、制御装置6に接続され、制御装置6から入力される駆動制御信号により、X軸方向、Y軸方向に移動可能に構成されている。
撮像部3は、載置部2に対向して設けられるとともに、載置部2に載置される検査対象10を撮像する。この撮像部3は、CCDカメラ31と、載置部2の検査対象10で反射した反射光をCCDカメラ31に導く入射光学系32と、を備えている。そして、この撮像部3は、Zステージ4によりZ軸方向に沿って移動可能、すなわち載置部2に対して接離移動可能に保持されている。
CCDカメラ31は、図示は省略するが複数の撮像素子をマトリクス状に配列した撮像面を備えている。これらの撮像素子は、入射光を受光すると、光電変換処理により受光量に応じた電気信号を生成する。そして、CCDカメラ31は、入射する光に応じて各撮像素子から出力される電気信号を撮像画像データとして、制御装置6に出力する。
入射光学系32は、載置部2に対向して設けられ、CCDカメラ31の各撮像素子に、
検査対象10で反射される反射光を導く。この入射光学系32は、複数のレンズなどの光学部品を備え、これらの光学部品は、光軸がCCDカメラ31の撮像面に対して直交するように配置されている。なお、入射光学系32は、各光学部品を光軸方向に沿って移動させてピント合わせを実施するピント調整機構を備える構成としてもよい。
Zステージ4は、上述したように、撮像部3をZ方向に沿って進退移動可能に保持している。具体的には、Zステージ4は、制御装置6に接続され、制御装置6から入力される駆動制御信号に応じて、例えばモータ駆動などにより撮像部3をZ軸方向に沿って移動させる。
光源装置5は、任意の波長の光を射出する装置である。この光源装置5は、制御装置6に接続され、制御装置6から入力される光源制御信号に基づいて、所定波長の光を検査対象10に向かって射出する。
具体的には、光源装置5は、図示は省略するが、例えば、白色光源と、波長可変フィルタと、を備えている。そして、このような光源装置5は、光源制御信号に基づいて、波長可変フィルタに印加する電圧を変化させることで、波長可変フィルタを透過する波長域を変化させ、所定波長の光を射出する。
制御装置6は、検査装置1の全体の動作を制御する。具体的には、制御装置6は、検査対象10の撮像制御、検査対象10の検査処理、検査対象10に照射する検査光の設定処理などを実施する。なお、この制御装置6としては、例えば汎用パーソナルコンピューターなどを用いてもよい。
そして、この制御装置6は、入出力部61と、入力操作部62と、記憶部63と、演算処理部64と、を備えている。
入出力部61は、撮像部3、光源装置5、Zステージ4、および載置部2のXYステージ22に接続され、これらの撮像部3、光源装置5、Zステージ4、およびXYステージ22に対して、演算処理部64から出力される制御信号を出力する。また、入出力部61は、撮像部3から撮像画像データが入力されると、この撮像画像データを演算処理部64に出力する。また、入出力部61は、ディスプレイやプリンターなどの出力装置7を接続可能な端子を備えており、後述する演算処理部64の制御により各種処理結果を出力する。なお、制御装置6に出力装置7が一体的に設けられる構成などとしてもよい。
入力操作部62は、例えばキーボードやマウスなどの入力手段を備え、利用者によりこれらの入力手段が操作されることで、操作内容に応じた操作信号を演算処理部64に出力する。
記憶部63は、各種データやプログラムなどを記憶する。この記憶部63としては、例えばHDDやメモリ、CDやDVDなどの記録媒体を駆動するドライブなどが挙げられる。そして、この記憶部63には、演算処理部64により演算処理される各種プログラムや、各種データが記憶される。
演算処理部64は、CPUなどの集積回路により構成され、記憶部63に記憶されるプログラムにより所定の演算処理を実施する。演算処理部64により実施されるプログラムとしては、図1に示すように、XYZ駆動制御手段641と、撮像制御手段642と、本発明の反射特性値測定手段として機能する輝度値測定手段643と、膜厚演算手段644と、光量設定手段645と、検査手段646と、などが含まれている。
XYZ駆動制御手段641は、入力操作部62から入力される入力信号を認識し、XYステージ22やZステージ4を所定方向に所定量移動させる旨の駆動制御信号を生成し、生成した駆動制御信号を、入出力部61からXYステージ22やZステージ4に出力する。なお、XYZ駆動制御手段641は、入力操作部62の入力に基づいてXYステージ22やZステージ4を駆動させる構成に限らず、例えば検査手段646などにより設定される検査走査方向に沿って、XYステージ22やZステージ4を移動させる構成などとしてもよい。
撮像制御手段642は、撮像部3を制御して、検査対象10内の所定の測定範囲を撮像する撮像動作を実施させる。また、撮像部3から撮像画像データが入力されると、この撮像画像データを記憶部63に適宜読み出し可能に記憶する。
輝度値測定手段643は、撮像画像データを画像解析することで、撮像画像データの各画素におけるRGB階調値を計測し、RGB階調値から各画素における輝度を算出する。そして、輝度値測定手段643は、各画素の輝度から、撮像画像データの平均輝度(以降、単に輝度値と称す)を算出する。本実施の形態では、この輝度値を本発明の反射特性値として用いる。
また、輝度値測定手段643は、光源装置5に所定の光源制御信号を出力し、光源装置5から出力される波長を変更させ、各波長の光に対する輝度値をそれぞれ算出する。この光源装置5から射出される光の波長としては、予め設定されている波長に設定すればよく、例えば本実施の形態では、波長1(例えば、420nmの青色光)、波長2(例えば、532nmの緑色光)、波長3(例えば、650nmの赤色光)の光を照射する。なお、光源装置5から射出する光の波長、および数については、これに限定されず、例えば、輝度値測定手段643は、380nmから750nmの可視光域において、波長10nm間隔で変化させた光を光源装置5から射出させ、各波長に対する輝度値を測定する構成としてもよい。
膜厚演算手段644は、輝度値測定手段643により算出された輝度値と、記憶部63に予め記憶されている膜厚算出係数とを用いて、検査対象10上に形成される膜層11の膜厚推測値を次式(1)に基づいて算出する。
Figure 2010243213
なお、輝度値測定手段643により、光源装置5からさらに多くの波長の光を射出させ、これらの各波長に対する輝度値を測定した場合では、次式(2)により膜厚推測値が算出される。
Figure 2010243213
上記式(1)(2)において、Aは、膜厚推測値、X1,X2,X3,…Xnは、膜厚算出係数、L1,L2,L3,…Lnは、それぞれ各波長に対する輝度値(式(1)では、赤色光に対する輝度値L3、緑色光に対する輝度値L2、青色光に対する輝度値L1)、Cは、定数を表す。
また、膜厚算出係数X1,X2,X3,…Xnは、次のように算出され、予め記憶部63に記憶される。
すなわち、載置部2上に、基準膜厚の基準膜層が形成された基準構造物を載置し、この基準構造物に対して、輝度値測定手段643の制御により光源装置5から射出される複数波長の光を照射し、撮像画像データから輝度値を測定する。ここで、基準構造物の基準膜層は、実測により計測されているものとする。
そして、ここで得られた輝度値を上記式(1)(射出光が4つ以上の場合は、式(2))に代入し、膜厚推測値と、基準膜厚(実測値)との差分が最小となる膜厚算出係数を算出する。
具体的には、多次元線形回帰フィッティングにより回帰分析を行い、膜厚算出係数を算出する。
図2に、基準膜厚が0〜100nmに設定された13個の基準構造物のサンプルに、波長1、波長2、波長3の光を照射した際に得られる反射特性値(輝度値)、および反射特性値に基づいて回帰分析により算出される膜厚算出係数X1、X2,X3の値の例を示す。図2において、(A)は、基準膜厚および反射特性値(輝度値)の実測値を示す図、(B)は、回帰分析結果である回帰統計を示す図、(C)は、回帰分析結果である分散分析を示す図、(D)は、膜厚算出係数および定数の算出結果を示す図である。
図2に示すように、算出された膜厚算出係数X1,X2,X3、および定数Cを用いた回帰式は、重相関係数R、決定係数Rが高く、強い相関があることが確認できる。また、膜厚算出係数X1,X2,X3に対するt値の絶対値が十分大きく、P−値が十分小さいため、膜厚算出係数が0であるという帰無仮説が棄却されることとなり、図2に示す回帰式が信頼できるものであることが確認できる。
以上により、信頼性の高い膜厚算出係数X1,X2,X3が算出される。
なお、図2において、13個のサンプルを用い、3つの波長(波長1、波長2、波長3)に対する反射特性値に基づいて膜厚算出係数を算出したが、さらに多くのサンプル、さらに多くの波長の光に対する反射特性を用いて回帰式を算出することで、より精度の高い膜厚算出係数を導き出すことが可能となる。
光量設定手段645は、膜厚演算手段644により算出された膜厚推測値に対して、検査光として最適となる光量を設定する。具体的には、光量設定手段645は、記憶部63に予め記憶されている基準光量データに基づいて、膜厚推測値に対する光量を設定する。
ここで、図3に、基準光量データの一例を示す。図3(A)に示す基準光量データは、所定の膜厚に対する検査光の最適光量値が記録されるLUT(Look Up Table)データである。図3(B)は、膜厚に対する検査光の最適光量値の変化曲線を示す図を示す図である。
基準光量データは、図3(A)に示すようなLUTデータとして、記憶部63に記憶されていてもよく、図3(B)に示すような変化曲線または変化曲線を示す式が記憶部63に記憶されていてもよい。
検査手段68は、光量設定手段645により設定された最適光量の検査光を光源装置5から射出させ、撮像部3により得られる撮像画像データに基づいて、載置部2に載置された検査対象の検査を実施する。
[検査装置の動作]
次に、上記実施の形態の検査装置1の動作における検出処理について、図面に基づいて説明する。
図4は、本実施の形態の検査装置の動作における検査対象10の検出処理のフローチャートである。
図4に示すように、検査装置1による検査処置では、まず、制御装置6は、XYZ駆動制御手段641により、載置部2のXYステージ22、およびZステージ4に所定の駆動制御信号を出力し、検査対象10の測定範囲が撮像部3により撮像される状態に、検査対象10および撮像部3を移動させる(ステップS101)。
また、制御装置6は、測定変数nを初期化し、n=1を設定する。
次に、検査装置1は、ステップS102ないしステップS104の処理により、反射特性値測定工程を実施する。すなわち、制御装置6の輝度値測定手段643は、光源装置5に光源制御信号を出力し、光源装置5から波長nの光を射出させる(ステップS102)。
これにより、検査対象10に波長nの光が照射され、反射光が撮像部3に入射する。撮像部3は、反射光が受光すると、受光量に応じた撮像画像データを生成し、生成した撮像画像データを制御装置6に出力する。
この後、制御装置6の輝度値測定手段643は、撮像部3から入力された撮像画像データの各画素の輝度を計測し、撮像画像データにおける輝度値を波長nに対する反射特性値として取得する(ステップS103)。
そして、制御装置6の輝度値測定手段643は、測定変数nに1を加算し(n=n+1)、nが最大値m(本実施の形態では、3種の波長の光を照射するため、m=3)を超えたか否か、すなわち全ての波長nに対して測定が終了したか否かを判断する(ステップS104)。ここで、測定が終了していない(n≦m)場合は、ステップS102に戻り、輝度値の測定を続行する。
一方、ステップS104において、n>mとなった場合、制御装置6は、反射特性値測定工程を終了させ、膜厚演算手段644により、検査対象10に形成される膜層11の膜厚推測値を演算する膜厚演算工程を実施する(ステップS105)。
この膜厚演算工程では、膜厚演算手段644は、記憶部63に記憶される、図2に示すような膜厚算出係数X1,X2,X3を読み込み、上記式(1)を用いて、膜厚推測値Aを算出する。
次に、制御装置6は、光量設定手段645により、記憶部63から基準光量データを読み込み、ステップS105にて算出された膜厚推測値Aに対する最適光量を検査光の光量として設定する(ステップS106)。
この後、検査手段646は、ステップS106にて設定された光量の検査光を光源装置5から検査対象10に照射し、撮像部3から入力される撮像画像データに基づいて、所定の検査処理を実施する(ステップS107)。この検査処理としては、例えば、撮像画像データの輝度分布により輝度ムラを検査する輝度ムラ検査処理、各画素のRGB階調値の分布により色ムラを検査する色ムラ検査処理、構造物の外形欠陥を輝度値により検査する形状欠陥検査処理、検査対象10上の明欠陥や暗欠陥を検出する検査処理などが挙げられる。
[検査装置の作用効果]
上述したように、上記実施の形態の検査装置1では、輝度値測定手段643は、ステップS102〜ステップS104の反射特性測定工程で、光源装置5から検査対象10に、波長の異なる複数の光(波長n(n=1〜3))を照射させ、反射光を撮像部3により撮像させる。そして、輝度値測定手段は、撮像部3から入力される撮像画像データに基づいて、各波長に対する検査対象10の膜層11での反射特性値(輝度値)を測定する。この後、膜厚演算手段644は、ステップS105の膜厚演算工程により、膜層11の膜厚推測値を算出し、光量設定手段645は、ステップS106の光量設定工程において、ステップS105にて算出された膜厚推測値に対する検査光の光量を設定する。
このため、検査装置1は、検査対象10上の膜層11の膜厚が一定でなく、例えば測定位置により変動する場合でも、膜層11の膜厚に対して最適となる検査光の光量を設定することができる。したがって、膜厚変動による撮像画像データの一部の輝度が変化するなどの不都合がない。したがって、検査手段646による検査処理において、誤検出や欠陥の見劣りなどの不都合を防止でき、安定した検査処置を実施できる。
また、膜厚演算手段644は、図2に示すように設定される膜厚算出係数X1、X2、X3を用いて膜厚推測値を算出する。すなわち、基準膜厚が形成された複数の基準構造物に対して波長n(n=1〜3)の光を照射した際の基準反射特性値に基づいて、基準反射特性値と膜厚算出係数との積と、基準膜厚との差が最小となるように設定される膜厚算出係数が用いられる。
このため、実測値である基準膜厚および基準反射特性値に基づいて、例えば多次元回帰分析により算出される信頼性の高い膜厚算出係数を用いて膜厚推測値を算出することができる。すなわち、実際の膜厚に近似する膜厚推測値を精度よく算出することができ、光量設定手段645による検査光の光量設定においても、検査対象10の膜層に対して適切な光量を設定することができる。したがって、検査工程において、膜厚変動による影響をより減少させることができ、精度のよい検査処理を実施することができる。
さらに、反射特性値測定工程では、輝度値測定手段643は、撮像画像データの平均輝度(輝度値)を反射特性値として測定する。すなわち、上記したように、撮像画像データにおける輝度値は、反射光の光量に比例するため、膜層11における反射率に代用することができる。また、輝度値の測定は、膜層の反射率を測定する場合に比べて、撮像画像データを用いた画像処理により容易に実施できるため、光量設定処理、及び検査処理における処理の迅速化を図ることができる。
そして、光量設定工程では、光量設定手段645は、基準光量データを用いて、膜厚推測値に対する光量を設定する。このため、予め基準光量データを記憶部63に記憶しておくことで、膜厚推測値に対する検査光の光量を容易に設定することができ、処理の迅速化を図ることができる。
〔他の実施の形態〕
なお、本発明は、以上説明した実施の形態に限定されず、本発明の目的を達せられる範囲で種々の改良、変形が可能である。
例えば、上記実施の形態において、輝度値測定手段643により撮像画像データの各画素における輝度を算出し、撮像画像データにおける平均輝度を反射特性値である輝度値として出力する構成としたが、例えば、輝度計などを用いて、測定範囲の輝度の平均階調値を計測して反射特性値としてもよい。また、光源装置5から射出される光(入射光)の光量と、検査対象10で反射される反射光の光量とを検出し、入射光の光量に対する反射光の光量の比である反射率を反射特性値としてもよい。この場合、光検出手段として撮像画像データを生成する撮像部3に限らず、例えば反射光の光量を検出する照度計などの光量検出センサーが用いられてもよい。
また、輝度値測定手段643は、光源装置5から波長1、波長2、波長3の3種の光を順次射出して、各波長の光に対して撮像部3である撮像画像データの輝度値を測定したが、上述したように、より多くの波長の光を順次射出させてもよい。この場合、膜厚演算手段は、上述したように、式(2)に基づいて、膜厚推定値を算出する。このような構成、および光量設定方法では、膜厚推定値をより高精度に算出することができ、検査光の光量をより最適な値に設定できる。
以上、本発明を実施するための最良の構成について具体的に説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、当業者が様々な変形および改良を加えることができるものである。
1…検査装置、10…検査対象、11…膜層、3…光検出手段としての撮像部、643…反射特性値測定手段としての輝度値測定手段、644…膜厚演算手段、645…光量設定手段、646…検査手段。

Claims (6)

  1. 表面に膜層を有する検査対象に対して照射する検査光の光量を設定する光量設定方法であって、
    前記検査対象に対して、波長の異なる複数の光を順次照射し、各波長の光に対する前記膜層での反射特性値を測定する反射特性値測定工程と、
    膜厚算出係数を用いて前記反射特性値測定工程により測定される前記反射特性値に対する膜厚推測値を算出する膜厚演算工程と、
    前記膜厚推測値に対する光量値を設定する光量設定工程と、
    を備えたことを特徴とする光量設定方法。
  2. 請求項1に記載の光量設定工程であって、
    前記膜厚演算工程では、所定の基準膜厚を有する基準膜層が形成される基準構造物に対して前記反射特性値測定工程で用いる波長の光を順次照射させた際の前記基準膜層での基準反射特性値と、前記基準膜厚とに基づいて、前記基準反射特性値および前記膜厚算出係数の積と、前記基準膜厚との差分値が最小となる前記膜厚算出係数を用いて、前記膜厚推測値を算出する
    ことを特徴とする光量設定方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光量設定方法において、
    前記反射特性値測定工程は、前記検査対象にて反射された反射光を撮像して撮像画像データを取得し、この撮像画像データの輝度値を前記反射特性値として測定する
    ことを特徴とする光量設定方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光量設定方法において、
    前記光量設定工程は、所定膜厚に対する光量が記録される基準光量データに基づいて、前記膜厚推測値に対する光量を設定する
    ことを特徴とする光量設定方法。
  5. 表面に膜層を有する検査対象に対して検査光を照射し、検査対象にて反射される反射光に基づいて、所定の検査処理を実施する検査装置における、前記検査対象の検査方法であって、
    前記検査対象に対して、波長の異なる複数の光を順次照射し、各波長の光に対する前記膜層での反射特性値を測定する反射特性値測定工程と、
    膜厚算出係数を用い、前記反射特性値測定工程により測定される前記反射特性値に対する膜厚推測値を算出する膜厚演算工程と、
    前記膜厚推測値に対する光量値を設定する光量設定工程と、
    前記光量設定工程により設定された光量の前記検査光を前記検査対象に照射する光照射工程と、
    前記検査対象にて反射される反射光を検出する反射光検出工程と、
    前記反射光検出工程により検出された前記検査光の反射光に基づいて、所定の検査処理を実施する検査工程と、
    を備えたことを特徴とする検査方法。
  6. 表面に膜層を有する検査対象に対して検査光を照射し、検査対象にて反射される反射光に基づいて、所定の検査処理を実施する検査装置であって、
    前記検査対象に対して、波長の異なる複数の光を順次照射可能な光照射手段と、
    前記検査対象で反射された反射光を検出する光検出手段と、
    前記光検出手段で検出される前記反射光に基づいて、前記膜層での反射特性値を測定する反射特性値測定手段と、
    膜厚算出係数を用い、前記反射特性値測定工程により測定される前記反射特性値に対する膜厚推測値を算出する膜厚演算手段と、
    前記膜厚推測値に対する前記検査光の光量値を設定する光量設定手段と、
    前記光検出手段で検出される前記検査光の反射光に基づいて、所定の検査処理を実施する検査手段と、
    を具備したことを特徴とする検査装置。
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