JP2010242710A - タービンの冷却構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】タービンブレードの根元部分を効果的に冷却できるタービンの冷却構造を提供することを課題とする。
【解決手段】タービンディスク3aの外周側に空洞部3cを設けると共に、当該空洞部3cと、タービンディスク3aの周面に並設された多数のタービンブレード3b,3b同士の間の外部Aとを連通する連通部3dを設け、この連通部3dにその一部が進入配置したコマ4によって、空洞部3cから連通部3dを介してタービンブレード3b,3b同士の間の外部Aへ流出する冷却空気の量及び方向を制御し、タービンブレード3bの根元部分を効果的に冷却する。
【選択図】図1
【解決手段】タービンディスク3aの外周側に空洞部3cを設けると共に、当該空洞部3cと、タービンディスク3aの周面に並設された多数のタービンブレード3b,3b同士の間の外部Aとを連通する連通部3dを設け、この連通部3dにその一部が進入配置したコマ4によって、空洞部3cから連通部3dを介してタービンブレード3b,3b同士の間の外部Aへ流出する冷却空気の量及び方向を制御し、タービンブレード3bの根元部分を効果的に冷却する。
【選択図】図1
Description
本発明は、タービンの冷却構造に関する。
従来、図7に示すように、大気を圧縮機1で圧縮し、この圧縮空気を燃焼器2で燃焼し、この燃焼器2からの燃焼ガスによりタービン3を回転させて機械的動力を得ると共に、高速の排気ガスから推力を得るタービンエンジンが知られている(例えば、特許文献1参照)。このタービンエンジンを構成するタービン3は、図7及び図8に示すように、円板状のタービンディスク3aの外周面に多数のタービンブレード3bを並設して備えるのが一般的である。
ここで、タービンエンジンの場合、タービン入口温度を上げると熱効率が上がる。従って、通常サイズのタービンエンジンでは、タービンブレード3bの表面に熱遮蔽コーティングを施すと共に、タービンブレード3bの内部に冷却空気の通路を設け、ブレード温度よりも高いタービン入口温度を実現することが一般的に行われている。
しかしながら、小型サイズのタービンエンジンにあっては、タービンブレード3bが小さく且つ薄くなるため、熱遮蔽コーティングが適用できず、タービンブレード3bの内部に冷却空気の通路を設けるスペースも無い。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、タービンブレード、特にタービンブレードの根元部分を効果的に冷却できるタービンの冷却構造を提供することを課題とする。
本発明によるタービンの冷却構造は、タービンディスクの周面に多数のタービンブレードを並設して備えると共に燃焼器からの燃焼ガスにより回転するタービンを冷却するための構造であって、タービンディスクの外周側に設けられた空洞部と、タービンディスクに設けられ、空洞部とタービンブレード同士の間の外部とを連通する連通部と、空洞部から連通部を介してタービンブレード同士の間の外部へ流出する冷却空気の量及び方向を制御するように、連通部にその一部が進入配置されたコマと、を具備したことを特徴としている。
このようなタービンの冷却構造によれば、タービンディスクの外周側に空洞部が設けられると共に、当該空洞部と、タービンディスクの周面に並設された多数のタービンブレード同士の間の外部とを連通する連通部が設けられ、この連通部にその一部が進入配置されたコマによって、空洞部から連通部を介してタービンブレード同士の間の外部へ流出する冷却空気の量及び方向が制御されるため、タービンブレードの根元部分を効果的に冷却できる。
ここで、コマは、空洞部に配置され連通部より大径の内側部と、外部に配置され連通部より大径の外側部と、連通部に進入し内側部と外側部とを連結する連結部と、を備えて断面略H字状を成し、冷却空気の量及び方向を制御するように、タービンの回転時に内側部から冷却空気が流入し外側部から冷却空気が流出する冷却空気通路を有しているのが好ましい。
このような構成を採用した場合、タービンの静止時及び回転時の何れの場合でも、内側部、外側部が連通部を通らないため、コマの離脱を防止できると共に、タービンの回転時にコマに遠心力が作用した場合に、冷却空気通路により冷却空気が内側部から流入し外側部から流出し冷却空気の量及び方向が制御されるため、タービンブレードの根元部分を効果的に冷却できる。
このように本発明によれば、タービンブレードの根元部分を効果的に冷却できるタービンの冷却構造を提供することが可能となる。
以下、本発明によるタービンの冷却構造の好適な実施形態について図1〜図6を参照しながら説明する。なお、各図において、同一の要素には同一の記号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るタービンの冷却構造を示す断面構成図である。
図1に示すように、本実施形態のタービンの冷却構造は、タービンディスク3aの外周側に設けられた空洞部3cと、タービンディスク3aに設けられ、空洞部3cとタービンブレード3b,3b同士の間の外部Aとを連通する連通部3dと、空洞部3cから連通部3dを介してタービンブレード3b,3b同士の間の外部Aへ流出する冷却空気の量及び方向を制御するように、連通部3dにその一部が進入配置されたコマ4と、を具備して成る。
空洞部3cは、タービンディスク3aにおけるタービンブレード3b,3b同士の間に対応する位置(タービンブレード3b,3b同士の間の外部Aより内側位置)に設けられ、この空洞部3cと外部Aとを連通する連通部3dは、大径の孔又は大きいスリットにより構成され、空洞部3cの略中央とタービンブレード3b,3b間の略中央とを連通する。
コマ4は、断面略H字状を成すように構成され、空洞部3cに配置され連通部3dより大径の内側部(内側の部分)4aと、外部Aに配置され連通部3dより大径の外側部(外側の部分)4bと、連通部3dに進入し内側部4aと外側部4bとを連結する連結部4cと、を備える。
そして、コマ4の図示左右両側には、空洞部3cから外部Aに向かうように冷却空気が流れる冷却空気通路4dが設けられている。具体的には、この冷却空気通路4dは、内側部4aの径方向外側、連通部3dの周方向外側、外側部4bの径方向内側に連続して設けられた凹設溝であって全体でコの字状を成し、内側部4aの径方向外側の凹設溝は空洞部3cと連通し、外側部4bの径方向内側の凹設溝は外部Aと連通するように構成される。
このような第1実施形態によれば、タービン3が回転し、コマ4に遠心力が作用すると、当該コマ4は、タービンブレード3bの取付部となるプラットフォーム3pの内側の面に、その内側部4aの外側の面が当接し位置決めされ、この状態で、外側部4bの外側の面が、プラットフォーム3pの外側の面とほぼ面一とされる。
このとき、凹設溝より成る冷却空気通路4dは連通状態にあるため、空洞部3cの冷却空気は、当該冷却空気通路4dを通して流れ外部Aに流出する。この状態で、コマ4は、連通部3dにおいて、タービンブレード3bの根元部分の冷却に不必要な部分(中央部分)をシールする。
ここで、流出する冷却空気の量及び方向は、コマ4により制御され、タービンブレード3bの根元部分に対応する外部領域Xに冷却空気が向かうように構成されているため、冷却空気は、タービンブレード3bに沿って流れ、タービン主流の高温ガスからタービンブレード3bの根元部分が遮断され、タービンブレード3bの根元部分が効果的に冷却される。
また、本実施形態によれば、タービン3の静止時及び回転時の何れの場合でも、内側部4a、外側部4bが連通部3dを通らないため、コマ4の離脱が防止されている。
なお、連通部3dは、タービンディスク3aのリム部の熱応力の緩和にも寄与する。
図2は、本発明の第2実施形態に係るタービンの冷却構造を示す断面構成図である。
この第2実施形態が第1実施形態と違う点は、第1実施形態の大径の孔又は大きいスリットより成る連通部3dを、これより小径の孔又は小さいスリットの連通部3eとして複数設け、この連通部3eを冷却空気通路として、この冷却空気通路3eの出口(流出口)がタービンブレード3bの根元部分を臨むように設けた点である。
このような第2実施形態によれば、空洞部3cの冷却空気は、小径の孔又は小さいスリットより成る冷却空気通路3eでその流量が制限されると共に加速されてタービンブレード3bの根元部分に対応する外部領域Xに向かい、タービンブレード3bに沿って流れ、これにより、タービン主流の高温ガスからタービンブレード3bの根元部分が遮断され、タービンブレード3bの根元部分が効果的に冷却される。
図3は、本発明の第3実施形態に係るタービンの冷却構造を示す断面構成図である。
この第3実施形態が第2実施形態と違う点は、第2実施形態の空洞部3cを、仕切壁3iにより、内側の空洞部3fと外側の空洞部3gとに分けるようにし、第2実施形態の冷却空気通路3eに代えて、仕切壁3iに内側の空洞部3fと外側の空洞部3gとを連通し、タービンブレード3bの根元部分に向かう小径の孔から成る冷却空気通路3hを設けた点である。
このような第3実施形態によれば、内側の空洞部3fの冷却空気は、小径の孔より成る冷却空気通路3hでその流量が制限されると共に加速されて外側の空洞部3gを構成する内壁に衝突し、熱伝導によりタービンブレード3bの根元部分が効果的に冷却される。
図4は、本発明の第4実施形態に係るタービンの冷却構造を示す断面構成図である。
この第4実施形態が第2実施形態と違う点は、第2実施形態の空洞部3c内に、空洞部3cを構成する内壁に沿って外側に凸となるように弓形に湾曲する仕切板5を設けた点である。
仕切板5は、弓形の湾曲に沿って凹凸が繰り返される凹凸板であり、その凹部分、特に弓形の頂点付近の凹部分には、タービンブレード3bの根元部分に向かう小径の孔から成る冷却空気通路5aが設けられている。また、空洞部3cの内壁には、タービン3の静止時に仕切板5が内側に移動するのを防止するためのストッパ3jが設けられている。
このような第4実施形態によれば、タービン3が回転し、仕切板5に遠心力が作用すると、外側に凸となっている凸部が、空洞部3cを構成する内壁に押し当てられて位置決めされると共に、空洞部3cを構成する内壁と凹部分との間に空洞部3kが形成され、空洞部3cの冷却空気は、仕切板5の小径の孔より成る冷却空気通路5aでその流量が制限されると共に加速されて、空洞部3kを構成する内壁に衝突し、熱伝導によりタービンブレード3bの根元部分が効果的に冷却される。
また、タービン3の静止時には、ストッパ3jにより、仕切板5の内側への移動が防止され位置決めされる。この仕切板5は自身の遠心力で永久変形を起こさないように補強されている。
なお、仕切板5に孔より成る冷却空気通路5aを設けるようにしているため、第3実施形態のように仕切壁3iに孔より成る冷却空気通路3hを設ける場合に比して、孔の加工が容易であると共に、孔の位置、大きさ、壁との間の距離等の調整が容易である。
図5は、本発明の第5実施形態に係るタービンの冷却構造を示す断面構成図である。
この第5実施形態が第4実施形態と違う点は、タービンディスク3aにおけるタービンブレード3b,3b同士の間に対応する位置に設けられた空洞部3cを、タービンディスク3aにおけるタービンブレード3bの内側(延長線上)に設けた点である。
このような第5実施形態によれば、冷却空気通路5aから流出し空洞部3kを構成する内壁に衝突する冷却空気の位置を、第4実施形態に比して、タービンブレード3bの根元部分に近くできるため、第4実施形態に比して、タービンブレード3bの根元部分が一層効果的に冷却される。
なお、図に矢印で示すように、タービンブレード3bの遠心荷重はストレートにタービンディスク3aには伝わらず、分岐してタービンディスク3aに伝わる。因みに、図1に示す第1実施形態、図2に示す第2実施形態、図3に示す第3実施形態、図4に示す第4実施形態では、タービンブレード3bの遠心荷重がストレートにタービンディスク3aに伝わる。
図6は、本発明の第6実施形態に係るタービンの冷却構造を示す断面構成図である。
この第6実施形態が第5実施形態と違う点は、空洞部3cの幅を小さくし、1つのタービンブレード3bに対し、当該タービンブレード3bの内側の空洞部3c及びその両隣の空洞部3cにより冷却するようにした点である。
このような第6実施形態にあっても、第5実施形態とほぼ同様な効果を得ることができると共に、第5実施形態に比して、タービンブレード3bの遠心荷重を分岐することなく無理せずタービンディスク3aに伝えることができる。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
2…燃焼器、3…タービン、3a…タービンディスク、3b…タービンブレード、3c…空洞部、3d…連通部、4…コマ、4a…内側部、4b…外側部、4c…連結部、4d…冷却空気通路、A…外部。
Claims (2)
- タービンディスクの周面に多数のタービンブレードを並設して備えると共に燃焼器からの燃焼ガスにより回転するタービンを冷却するための構造であって、
前記タービンディスクの外周側に設けられた空洞部と、
前記タービンディスクに設けられ、前記空洞部と前記タービンブレード同士の間の外部とを連通する連通部と、
前記空洞部から前記連通部を介して前記タービンブレード同士の間の前記外部へ流出する冷却空気の量及び方向を制御するように、前記連通部にその一部が進入配置されたコマと、を具備したことを特徴とするタービンの冷却構造。 - 前記コマは、
前記空洞部に配置され前記連通部より大径の内側部と、
前記外部に配置され前記連通部より大径の外側部と、
前記連通部に進入し前記内側部と外側部とを連結する連結部と、を備えて断面略H字状を成し、
前記冷却空気の量及び方向を制御するように、前記タービンの回転時に前記内側部から前記冷却空気が流入し前記外側部から前記冷却空気が流出する冷却空気通路を有することを特徴とする請求項1記載のタービンの冷却構造。
Priority Applications (1)
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JP2009095102A JP2010242710A (ja) | 2009-04-09 | 2009-04-09 | タービンの冷却構造 |
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JP2010242710A true JP2010242710A (ja) | 2010-10-28 |
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
JP2014020320A (ja) * | 2012-07-20 | 2014-02-03 | Toshiba Corp | 軸流タービン及び発電プラント |
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2009
- 2009-04-09 JP JP2009095102A patent/JP2010242710A/ja active Pending
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