JP2010241919A - 組成物、フィルム及びフィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】式(1)で表される化合物及びカイラル剤を含む組成物。
[式(1)中、Arは芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する2価の基を表し、Ar基中の芳香環に含まれるπ電子の数Nπは、12以上である。D1及びD2は、2価の有機基を表す。G1及びG2は、2価の脂環式炭化水素基を表す。E1、E2、B1及びB2は、2価の有機基を表す。A1及びA2は、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。k及びlは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。]
【選択図】なし
Description
たとえば、該重合性化合物としてLC242(BASF社製)、及びカイラル剤としてLC756(BASF社製)を溶剤に溶かして得られる溶液を、基材に塗布後、重合して得られるフィルムが開示されている(特許文献1)。
[式(1)中、Arは芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する2価の基を表し、Ar基中の芳香環に含まれるπ電子の数Nπは、12以上である。
D1及びD2は、それぞれ独立に、*−O−CO−(*は、Arに結合する位置を表す)、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−、−O−CR1R2−、−CR1R2−O−、−CR1R2−O−CR3R4−、−CR1R2−O−CO−、−O−CO−CR1R2−、−CR1R2−O−CO−R3R4−、−CR1R2−CO−O−CR3R4−、−NR5−CR1R2−、−CR1R2−NR5−、−CO−NR5−、又は−NR5−CO−を表す。R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。R5は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
G1及びG2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表す。該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基に置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−又は−NH−に置換されていてもよい。
E1、E2、B1及びB2は、それぞれ独立に、−CR6R7−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR8−、−NR8−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−、−CH2−S−又は単結合を表す。R6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。R8は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
A1及びA2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基に置換されていてもよい。該炭素数1〜4のアルキル基及び該炭素数1〜4アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
k及びlは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
F1及びF2は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子に置換されていてもよく、該アルキレン基に含まれるメチレン基は、−O−又は−CO−に置換されていてもよい。
P1及びP2は、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基を表す(ただし、P1及びP2のうち少なくとも1つは、重合性基を表す)。]
[式(1)中、Arは芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する2価の基を表し、Ar基中の芳香環に含まれるπ電子の数Nπは、12以上である。
D1及びD2は、それぞれ独立に、*−O−CO−(*は、Arに結合する位置を表す)、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−、−O−CR1R2−、−CR1R2−O−、−CR1R2−O−CR3R4−、−CR1R2−O−CO−、−O−CO−CR1R2−、−CR1R2−O−CO−R3R4−、−CR1R2−CO−O−CR3R4−、−NR5−CR1R2−、−CR1R2−NR5−、−CO−NR5−、又は−NR5−CO−を表す。R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。R5は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
G1及びG2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表す。該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基に置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−又は−NH−に置換されていてもよい。
E1、E2、B1及びB2は、それぞれ独立に、−CR6R7−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR8−、−NR8−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−、−CH2−S−又は単結合を表す。R6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。R8は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
A1及びA2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基に置換されていてもよい。該炭素数1〜4のアルキル基及び該炭素数1〜4アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
k及びlは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
F1及びF2は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子に置換されていてもよく、該アルキレン基に含まれるメチレン基は、−O−又は−CO−に置換されていてもよい。
P1及びP2は、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基(ただし、P1及びP2のうち少なくとも1つは、重合性基を表す)を表す。]
(Nπ−4)/3<k+l+4 (2)
12≦Nπ≦22 (3)
[式(2)及び式(3)中、Nπ、k及びlは上記と同じ意味を表す。]
Q1及びQ3は、それぞれ独立に、−CR9R10−、−S−、−NR9−、−CO−又は−O−を表す。
R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
Y1、Y2及びY3は、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。
Wa及びWbは、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、メチル基又はハロゲン原子を表す。
mは、0〜6の整数を表す。
nは、0〜2の整数を表す。]
Q1は、−S−、−CO−、−NH−、−N(CH3)−であることが好ましく、Q3は、−S−、−CO−であることが好ましい。
Y1、Y2およびY3における芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ビフェニル基等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基が挙げられ、フェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。芳香族複素環基としては、フリル基、ピロリル基、チエニル基、ピリジニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を少なくとも一つ含み、炭素数4〜20の芳香族複素環基が挙げられ、フリル基、チエニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基が好ましい。
a1は、0〜5の整数、a2は、0〜4の整数、b1は、0〜3の整数、b2は、0〜2の整数、Rは、水素原子又はメチル基を表す。]
V1及びV2は、それぞれ独立に、−CO−、−S−、−NR11−、−O−、−Se−又は−SO2−を表す。
W1〜W5は、それぞれ独立に、−C=又は−N=を表す。
ただし、V1、V2及びW1〜W5のうち少なくとも1つは、S、N、O又はSeを含む基を表す。
R11は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
aは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
bは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。]
mは0または1であることが好ましい。nは0であることが好ましい。
重合性基とは、本発明の化合物(1)を重合させることのできる置換基であり、具体的には、ビニル基、p−スチルベン基、アクリロイル基、メタクロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクロイルオキシ基、カルボキシル基、メチルカルボニル基、水酸基、アミド基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、アルデヒド基、イソシアネート基又はチオイソシアネート基などが例示される。また重合性基には、上記例示の基とE1及びE2を結合するために、B1及びB2として示される基が含まれていてもよい。たとえば光重合させるのに適した、ラジカル重合性、カチオン重合性基が好ましく、特に取り扱いが容易な上、製造も容易であることからアクリロイル基又はメタクロイル基が好ましく、アクリロイル基がより好ましい。P1及びP2がいずれも重合性基であると、得られるフィルムの膜硬度が優れる傾向があることからより好ましい。
上記表1中、化合物(xvii)は、Arで示される基が式(ar−78)で示される基である化合物、Arで示される基が式(ar−79)で示される基である化合物またはArで示される基が式(ar−78)で示される基である化合物と式(ar−79)で示される基である化合物との混合物のいずれかであることを意味する。
上記表2中、化合物(xxx)は、Arで示される基が式(ar−120)で示される基である化合物、Arで示される基が式(ar−121)で示される基である化合物またはArで示される基が式(ar−120)で示される基である化合物と式(ar−121)で示される基である化合物との混合物のいずれかであることを意味し、化合物(xxxi)は、Arで示される基が式(ar−122)で示される基である化合物、Arで示される基が式(ar−123)で示される基である化合物またはArで示される基が式(ar−122)で示される基である化合物と式(ar−123)で示される基である化合物との混合物のいずれかであることを意味する。
化合物(1)は、Methoden der Organischen Chemie、Organic Reactions、Organic Syntheses、Comprehensive Organic Synthesis、新実験化学講座等に記載されている公知の有機合成反応(例えば、縮合反応、エステル化反応、ウイリアムソン反応、ウルマン反応、ウイッティヒ反応、シッフ塩基生成反応、ベンジル化反応、薗頭反応、鈴木−宮浦反応、根岸反応、熊田反応、檜山反応、ブッフバルト−ハートウィッグ反応、フリーデルクラフト反応、ヘック反応、アルドール反応など)を、その構造に応じて、適宜組み合わせることにより、製造することができる。
で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
式(1−1)で示される化合物と式(1−2)で示される化合物との反応および式(1−3)で示される化合物と式(1−4)で示される化合物との反応は、エステル剤の存在下に実施することが好ましい。
化合物(1)とカイラル剤との合計量100重量部に対する化合物(1)の含有量は、たとえば50〜99.9重量部であり、好ましくは60〜99重量部であり、より好ましくは70〜99重量部である。
カイラル剤としては、『液晶デバイスハンドブック』(第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989)、特開2007−269640号公報、特開2007−269639号公報、特開2007−176870号公報、特開2003−137887号公報、特表2000−515496号公報、特開2007−169178号公報、特表平9−506088号公報等に記載されている化合物が挙げられる。
カイラル剤は、式(A)で表される化合物であることが好ましい。
G3及びG4は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基に置換されていてもよい。該炭素数1〜4のアルキル基及び該炭素数1〜4アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
E3、E4、B3及びB4は、それぞれ独立に、−CR12R13−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR12−、−NR12−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−、−CH2−S−又は単結合を表す。
A3及びA4は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基に置換されていてもよい。該炭素数1〜4のアルキル基及び該炭素数1〜4アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
k及びlは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
F3及びF4は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子に置換されていてもよく、該アルキレン基に含まれるメチレン基は、−O−又は−CO−に置換されていてもよい。
P3及びP4は、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基を表す。]
液晶化合物として、異なる複数の化合物を併用してもよい。なかでも、重合性基を保有していて液晶性を示す化合物が好ましい。
(式(4)中、P11は、重合性基を表す。
A11は、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。該炭素数1〜6のアルキル基及び該炭素数1〜6アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
B11は、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NR16−、−NR16−CO−、−CO−、−CS−又は単結合を表す。R16は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
B12及びB13は、それぞれ独立に、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR16−、−NR16−C(=O)−、−OCH2−、−OCF2−、−CH2O−、−CF2O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。
E11は、炭素数1〜12のアルキレン基を表し、該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表す。該アルキル基及びアルコキシ基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルキレン基に含まれるメチレン基は、−O−又は−CO−に置換されていてもよい。)
[式(P−1)〜(P−5)中、R17〜R21はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基又は水素原子を表す。*は、B11との結合位置を表す。]
P11は、(P−4)〜(P−10)の基であることが好ましく、ビニル基、p−スチルベン基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基又はチオイソシアネート基などが挙げられる。
特に好ましくは、P11−B11−は、アクリロイルオキシ基又はメタアクリロイルオキシ基である。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デカレン基、ウンデカレン基、ドデシレン基、−CH2−CH2−O−CH2−CH2−、−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−および−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−などである。
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-B16-E12-B17-P12 (I)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-F11 (II)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-E12-B17-P12 (III)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-F11 (IV)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-E12-B17-P12 (V)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-F11 (VI)
(式中、A12〜A14は、A11と同義であり、B14〜B16は、B12と同義であり、B17は、B11と同義であり、E12は、E11と同義である。
式中F11は、水素原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、ニトリル基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ジメチルアミノ基、水酸基、メチロール基、アルデヒド基、スルホン酸基、カルボキシル基、炭素数1〜10のアルコールでエステル化されたカルボキシル基又はハロゲン原子を表す。該アルキル基およびアルコキシ基に含まれるメチレン基は、−O−に置換されていてもよい。)
化合物(3)の具体例としては、たとえば以下の式(I−1)〜式(I−4)、式(II−1)〜式(II−4)、式(III−1)〜式(III−26)、式(IV−1)〜式(IV−19)、式(V−1)〜式(V−2))、式(VI−1)〜式(VI−6)で表される化合物などが挙げられる。ただし、式中k1およびk2は、2〜12の整数を表す。これらの液晶化合物であれば、合成が容易であり、市販されているなど、入手が容易であることから好ましい。
まず、化合物(1)及びカイラル剤に、必要に応じて、有機溶剤、ホストとなる上述した液晶化合物、上述した重合開始剤、重合禁止剤、光増感剤又はレベリング剤などの添加剤を加えて、混合溶液を調製する。特に成膜時に成膜が容易となること有機溶剤を含むことが好ましく、得られた光学フィルムを硬化する働きをもつことから重合開始剤を含むことが好ましい。
本発明の光学フィルムを調製する際に、重合禁止剤を使用してもよい。重合禁止剤としては、たとえばハイドロキノン又はアルキルエーテル等の置換基を有するハイドロキノン類、ブチルカテコール等のアルキルエーテル等の置換基を有するカテコール類、ピロガロール類、2,2、6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル等のラジカル補足剤、チオフェノール類、β−ナフチルアミン類或いはβ−ナフトール類等を挙げることができる。
また本発明の光学フィルムを調製する際に、光増感剤を使用してもよい。光増感剤としては、たとえばキサントン又はチオキサントン等のキサントン類、アントラセン又はアルキルエーテルなどの置換基を有するアントラセン類、フェノチアジン或いはルブレンを挙げることができる。
さらに本発明の光学フィルムを調製する際に、レベリング剤を使用してもよい。レベリング剤としては、たとえば放射線硬化塗料用添加剤(ビックケミージャパン製:BYK−352,BYK−353,BYK−361N)、塗料添加剤(東レ・ダウコーニング株式会社製:SH28PA、DC11PA、ST80PA)、塗料添加剤(信越化学工業株式会社製:KP321、KP323、X22−161A、KF6001)又はフッ素系添加剤(大日本インキ化学工業株式会社製:F−445、F−470、F−479)などを挙げることができる。
化合物(1)及びカイラル剤などを含有する混合溶液の調製に用いる有機溶剤としては、化合物(1)及びカイラル剤などを溶解し得る有機溶剤であり、重合反応に不活性な溶剤であればよく、具体的には、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル又はフェノールなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、ガンマーブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート又は乳酸エチルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン又はメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;ペンタン、ヘキサン又はヘプタンなどの非塩素系脂肪族炭化水素溶剤;トルエン又はキシレンなどの非塩素系芳香族炭化水素溶剤、アセトニトリルなどのニトリル系溶剤;テトラヒドロフラン又はジメトキシエタンなどのエーテル系溶剤;クロロホルム又はクロロベンゼンなどの塩素系溶剤;などが挙げられる。これら有機溶剤は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。特に本発明の組成物は相溶性に優れ、アルコール、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、非塩素系脂肪族炭化水素溶剤及び非塩素系芳香族炭化水素溶剤などにも溶解し得ることから、クロロホルムなどの塩素系溶剤を用いなくとも、溶解して塗工させることができる。
支持基材の上に、化合物(1)及びカイラル剤を含有する混合溶液を塗布し、乾燥すると、未重合フィルムが得られる。未重合フィルムがネマチック相などの液晶相を示す場合、得られる光学フィルムは、モノドメイン配向による複屈折性を有する。未重合フィルムは0〜250℃程度、好ましくは、10〜150℃で配向する。
(式中、Re(λ)は、波長λnmにおける位相差値を表し、dは膜厚を表し、Δn(λ)は波長λnmにおける複屈折率を表す。)
未重合フィルム重合工程では、上記未重合フィルム調製工程で得られた未重合フィルムを重合し、硬化させる。これにより化合物(1)等の配向性が固定化されたフィルム、すなわち重合フィルムとなる。
0.60<Δn(450)/Δn(550)≦1.00 (8)
1.00≦Δn(650)/Δn(550)<1.35 (9)
(式(8)及び式(9)中、Δn(450)、Δn(550)、Δn(650)は450nm、550nm、650nmにおける、Δnを表す。)
本発明の光学フィルムは、カイラル剤の添加量を制御することで選択反射波長帯域を制御することが可能である。選択反射波長帯域は、赤外領域、可視領域、紫外領域のいずれでもかまわない。例えば、本発明の光学フィルムをカラーフィルターような着色を積極的に利用する用途に用いる場合には、可視領域に選択反射波長帯域があることが好ましい。また、ネガティブCプレートの光学フィルムとして用いる場合には、紫外領域に選択反射波長帯域があることが好ましい。
本発明の光学フィルムは、ネガティブCプレートとしても用いることができる。この場合には、本発明の光学フィルムは、カイラルネマチック相から形成されていることが好ましい。また、選択反射波長帯域の中心波長は、好ましくは50〜350nmであり、より好ましくは100〜300nmである。選択反射波長帯域の中心波長λ(nm)は、λ=n・Pで表すことができる。ここで、nは、組成物の平均屈折率を示し、Pはカイラルネマチック相のらせんピッチ(μm)を示す。選択反射波長帯域の中心波長λ(nm)は、カイラル剤の添加量を変えることによって制御することができる。例えば選択反射波長帯域の中心波長λ(nm)を大きくしたいときは、カイラル剤の添加量を減らせばよく、選択反射波長帯域の中心波長λ(nm)を小さくしたいときは、カイラル剤の添加量を増やせばよい。
また、本発明の光学フィルムは、配向膜上に塗布、紫外線照射で重合させることによって形成させることができるため、従来よりも簡便にカラーフィルタの上もしくは下に光学フィルムを形成させることもできる。
カラーフィルタ1は、支持基材A上に、配向膜3を介して、本発明の光学フィルム2が形成され、その上にカラーフィルタ層4上に形成されてなるカラーフィルタである。
図2に示す液晶表示装置5では、偏光板6上に例えばガラス基板などのバックライトと対向する基板7が接着剤を介して固定されており、基板7上に作成された配向膜3’上に光学フィルム2’ を介してカラーフィルタ層4’が形成されている。さらにカラーフィルタ層4’上に対向電極8が形成され、対向電極8上に液晶相9が形成されている。バックライト側は、偏光板10にガラス基板などの基板11が接着剤を介して固定されており、さらに基板11には液晶層をアクティブ駆動させるための薄膜トランジスタ(TFT)及び絶縁層12が形成され、さらにTFT上にAg、Al又はITO(Indium Tin Oxide)による透明電極13及び/又は反射電極13’が形成されている。図2に示す液晶表示装置5の構成は、従来の液晶表示装置と比較して、光学フィルムの枚数を減らすことができ、より薄型の液晶表示装置の製造を可能とする。
本発明に係る偏光板は、偏光機能を有するフィルム、すなわち偏光フィルムの片面もしくは両面に直接、又は接着剤もしくは粘着剤を用いて前記光学フィルムを張り合わせることにより得られるものである。なお以下の図3〜図5の説明では、接着剤及び粘着剤を総称して接着剤と呼ぶ場合がある。
図3(a)に示す偏光板30aは、積層体14と、偏光フィルム15とが直接貼り合わされており、積層体14は、支持基材16、配向膜17及び本発明の光学フィルム18からなる。偏光板30aは、支持基材16、配向膜17、本発明の光学フィルム18、偏光フィルム15の順に積層されている。
その場合、図3(a)〜図3(d)に記載されてい図の支持基材16及び配向膜17のない状態や、支持基材16のない状態になる。
図4は、本発明に係る液晶表示装置の液晶パネル20と偏光板30との貼合品21を示す概略図である。
モノテトラヒドロピラニル保護ヒドロキノン(a)100.1g(515mmol)、炭酸カリウム97.1g(703mmol)、6−クロロヘキサノール64g(468mmol)を取り、ジメチルアセトアミドに溶解・分散させた。窒素雰囲気下、90℃で、その後100℃で撹拌した。その後室温まで冷却し、純水、メチルイソブチルケトンを加え、回収した有機層を水酸化ナトリウム水溶液及び純水で洗浄後に脱水し、濾過後に減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて、生成した沈殿を濾過後、真空乾燥させて、化合物(b)を126g(428mmol)得た。収率は6−クロロヘキサノール基準で91%であった。
化合物(b)を126g(428mmol)、3、5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシトルエン(以下BHTという)1.40g(6.42mmol)、N、N−ジメチルアニリン116.7g(963mmol)、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン1.00g及びクロロホルムを混合した。窒素雰囲気、氷冷下で得られた混合液に、アクイロイルクロリド58.1g(642mmol)を滴下し、さらに純水を加えて攪拌した後、分離した有機層を回収した。有機層を塩酸水、飽和炭酸ナトリウム水溶液及び純水で洗浄した。有機層を乾燥し、濾過後、有機層にBHT1gを加えて減圧濃縮して、化合物(c)を得た。
化合物(c)及びテトラヒドロフラン(以下THFという)200mlを混合後、得られた混合液にTHF200mlを加えた。さらに塩酸水及び濃塩酸水を加えて、窒素雰囲気、60℃の条件下で攪拌した。反応溶液に飽和食塩水500mlを加えてさらに攪拌し、分離した有機層を回収した。回収した有機層を脱水し、濾過後減圧濃縮した。さらに有機層にヘキサンを加えて氷冷下で攪拌し、析出した粉末を濾過後真空乾燥して、化合物(d)を90g(339mmol)得た。収率は化合物(c)基準で79%であった。
前工程で得られた化合物(f)を含む粉末251gをクロロホルム600mLを混合した。得られた溶液を氷冷し、窒素雰囲気下、得られた溶液にエトキシクロロメタン93.5g(0.7600mol)及びトリエチルアミン146.8g(1.4515mol)を滴下した。反応溶液を室温、窒素雰囲気下で3時間攪拌して反応させた。反応溶液にトルエン600mLを加え、析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、濾液を回収し、水で洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後、溶媒を除去した。得られた粗生成物を真空乾燥して、化合物(g)を含む液体242gを得た。
化合物(ii−a)を以下のスキームで合成した。原料である4,7−ジメトキシ−2−フェニルベンゾチアゾールは、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1誌、205−210頁(2000年)に記載されている方法により合成した。
化合物(ii−a)と同様の手法でベンゾチアゾールを合成後、三臭化ホウ素による脱メチル化反応によって化合物(v−a)を合成した。反応スキームを以下に示す。
化合物(ii−a)の合成例における、原料のベンゾイルクロリドを4−ニトロベンゾイルクロリドに変える以外は同様の方法にて化合物(v−b)を主成分とする固体を得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で98%であった。
化合物(ii−a)の合成例における、原料の化合物を化合物(v−b)に変える以外は同様の方法にて化合物(v−c)を主成分とする固体を得た。収率は化合物(v−b)基準で89%であった。
化合物(ii−a)の合成例における、原料の化合物を化合物(v−c)に変える以外は同様の方法にて化合物(v−d)を主成分とする固体を得た。収率は化合物(v−c)基準で52%であった。
化合物(v−d)を21.0g(66.0mmol)及び脱水トルエン441gを混合し、攪拌した。得られた混合液を氷冷し、三臭化ホウ素100g(398mmol)を加え、70℃まで昇温し、攪拌した。室温まで冷却した後、さらに氷冷し、水を1588g加え、得られた沈殿を濾別し、水及びクロロホルムで洗浄して、化合物(v−a)を主成分とする固体16.5gを得た。収率は化合物(v−d)基準で86%であった。
化合物(ii−a)2.55g(11mmol)、化合物(e)9.67g(23mmol)、ジメチルアミノピリジン0.28g(2mmol)及びクロロホルム50mLを混合した。得られた混合液にジシクロヘキシルカルボジイミド5.31g(28mmol)のクロロホルム溶液40mLを氷冷下で滴下した。得られた反応溶液を攪拌し、濾過したのち、分離した有機層を回収した。有機層を乾燥後、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加えて溶解し、減圧濃縮後、メタノール200mLを加えて氷冷下で再沈殿させた。沈殿を濾取し、n−ヘプタンで洗浄、濾過後、得られた固体を真空乾燥して化合物(ii−1)を6.1g得た。収率は化合物(ii−a)基準で56%であった。
化合物(v−a)2.88g(10mmol)、化合物(e)8.37g(20mmol)、ジメチルアミノピリジン0.24g(2mmol)及びクロロホルム75mLを混合した。得られた混合液にジシクロヘキシルカルボジイミド4.95g(24mmol)のクロロホルム溶液40mLを氷冷下で滴下した。得られた反応溶液を攪拌し、濾過したのち、分離した有機層を回収した。有機層を乾燥後、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加えて溶解し、減圧濃縮後、メタノール200mLを加えて氷冷下で再沈殿させた。沈殿を濾取し、さらにメタノールで洗浄、濾過後、得られた固体を真空乾燥して化合物(v−1)を10.3g得た。収率は化合物(v−a)基準で94%であった。
化合物(x−a)は以下のスキームで合成した。
<化合物(x−1)の合成例>
化合物(ii−a)の合成例における、ベンゾイルクロリドを4−ニトロベンゾイルクロリドに変える以外は同様の方法にて、化合物(x−1)を得た。収率は化合物(x−a)基準で84%であった。さらに化合物(ii−1)と同様の方法で、化合物(x−1)を合成した。収率は化合物(x−a)基準で84%であった。
(実施例5)
<化合物(A11−1)の合成例>
化合物(A11−1)は下記のスキームに従って合成した。
3,5−ジメチルフェノール25g(205mmol)をN、N’−ジメチルアセトアミド150.0gに溶解させた。溶液を氷浴により冷却した後に、水酸化ナトリウム9.82(246mmol)を加えた。室温で1時間攪拌し、クロロアセトアルデヒドジメチルアセタール25.49g(266mmol)を滴下した。100℃で15時間攪拌し、反応液を水1000mL、メチルイソブチルケトン400mLに加えて分液した。有機層を回収し、2回500mLの1N−水酸化ナトリウム水溶液で、さらに2回800mLの純水で有機層を洗浄した。有機層を回収後、無水硫酸ナトリウムで脱水し、エバポレータにて減圧濃縮させ淡赤色粘長液体を得た。一方で、400gのトルエンと、オルトリン酸3.01gを混合し110℃に加熱した。該溶液に淡赤色粘長液体をトルエン100mLに溶解させた溶液を滴下した。3時間110℃で攪拌した後、室温まで冷却した。反応液を1N−炭酸水素ナトリウム水溶液で二回洗浄し、最後に純水500mLで洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて減圧濃縮、真空乾燥させて、4,6−ジメチルベンゾフランを16.5g淡赤色粘長液体として得た。収率は3,5−ジメチルフェノール基準で55%であった。
4,6−ジメチルベンゾフラン21.62g(148mmol)をN、N’−ジメチルホルムアミド28.4g(389mmol)に溶解させた。溶液を水浴により冷却した後に、オキシ塩化リン25g(163mmol)を滴下した。ピンク色溶液を室温で1時間攪拌した後、100℃で10時間攪拌した。反応液を室温まで放冷し、純水100mLを加えて一時間攪拌後、1N炭酸水素ナトリウムで中和した。pHを8に調節後、トルエンと分液した。有機層を回収し、活性炭を2.6g加えて濾過した。エバポレータにて減圧濃縮し、残渣をクロロホルムに溶解させ、ヘプタンにて結晶化させた。結晶を濾取、真空乾燥して、2−ホルミル−4,6−ジメチルベンゾフランを19.5g淡黄色粉末として得た。収率は4,6−ジメチルベンゾフラン基準で76%であった。
2−ホルミル−4,6−ジメチルベンゾフラン19.50g(112mmol)、アミド硫酸13.04g(134mmol)を100mLの純水と混合した。氷浴で冷却し、亜塩素酸ナトリウム12.15g(134mmol)の水100mL溶液を滴下した。水浴で36時間反応させた。反応溶液にトルエン100mL、水酸化カリウム25gを加えてpHを12に調整した。分液し、水層を回収し水層をさらに200mLのトルエンで洗浄した。水層を回収し、2N−塩酸にてpHを2にした後、トルエン400mLを加えて分液した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて減圧濃縮、真空乾燥して、4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸を14.27g黄色粉末として得た。収率は2−ホルミル−4,6−ジメチルベンゾフラン基準で67%であった。
3,5−ジメチルフェノール150g(1227mmol)、パラホルムアルデヒド230.1g(7674mmol)、無水塩化マグネシウム175。4g(1842mmol)をアセトニトリル900mLに分散させた。氷浴で30分攪拌した後、トリエチルアミン474g(4681mmol)を二時間かけて滴下した。混合液を水浴で8時間、室温で14時間反応させた。反応液に冷5N−塩酸1500mLを加えて、酸性にした後、400mLの酢酸エチルで分液し、有機層を回収した。さらに水層を400mLの酢酸エチルで分液した。有機層を回収し、先の有機層と集めて、無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて減圧濃縮した。残渣を400mLトルエンに溶解し、活性炭3g、シリカゲル20g加えて30分室温で攪拌し、濾過した。濾液を回収し、エバポレータにて減圧濃縮、真空乾燥させることにより、4,6−ジメチルサリチルアルデヒドを170g橙色粘長液体として得た。収率は3,5−ジメチルフェノール基準で92%であった。
4,6−ジメチルサリチルアルデヒド45.0g(300mmol)、炭酸カリウム101.g(300mmol)、をN、N’―ジメチルアセトアミド360mLに分散させた。80℃に加温した後、ブロモ酢酸エチル50.0g(300mmol)を1時間かけて滴下した。混合液を80℃で4時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、メチルイソブチルケトン400mLを加えて、冷1N−塩酸1000mLで酸性にした後、分液した。有機層を3回1000mLの純水で洗浄し、有機層を回収した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレータにて溶媒を留去した。残渣に水酸化カリウム40g、エタノール400mLを加えて、80℃で1時間攪拌した。室温まで放冷後、エバポレータにて溶媒を留去し、純水1000mLを加えた。pHが12以上であることを確認後、水層をトルエンにて二回、ヘプタンで一回洗浄した。水層を回収し、4N−硫酸にて中和、pHを3に調節した。析出した黄色沈殿を濾取し、純水で懸洗後、真空乾燥させることにより、4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸を48.1g黄色粉末として得た。収率は4,6−ジメチルサリチルアルデヒド基準で83%であった。
2,5−ジメトキシアニリン11.49g(75.0mmol)、4,6−ジメチルベンゾフラン−2−カルボン酸14.27g(75.7mmol)、トリエチルアミン7.59g(75.0mmol)、N、N’−ジメチルアミノピリジン1.83g(15.0mmol)及び脱水N、N’−ジメチルアセトアミド100.0gを混合した。得られた溶液を氷浴にて冷却した後、BOP試薬34.85g(82.5mmol)を加えて室温で24時間反応させた。得られた混合液に水、メタノールの混合溶液(水2体積部、メタノール1体積部)を加えて晶析させた。得られた沈殿を濾取し水―メタノールの混合溶液(水3体積部、メタノール2体積部)で洗浄、真空乾燥して、淡黄色粉末として化合物(11−a)を16.2g得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で66%であった。
化合物(11−a)16.0g(49mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)9.2g(30.0mmol)及びトルエン100gを混合し、得られた混合液を80℃に昇温して12時間反応させた。冷却後濃縮し、化合物(11−b)とローソン試薬の分解物とを主成分とする赤色粘長固体を得た。
前項で得られた化合物(11−b)を含む混合物、水酸化ナトリウム11.8g(262mmol)及び水250gを混合し、得られた混合液を氷冷下で反応させた。続いてフェリシアン化カリウム44.17g(134mmol)を含む水溶液を、氷冷下で加え、反応させた。60℃で12時間反応させて、析出した黄色沈殿を濾取した。濾取した沈殿を水、次いでヘキサンで洗浄し、トルエンで結晶化させた。得られた黄色を真空乾燥して、化合物(11−c)を主成分とする黄土色固体4.1gを得た。収率は化合物(11−a)基準で25%であった。
化合物(11−c)4.0g(12.0mmol)及び塩化ピリジニウム40.0g(10倍質量)を混合し、180℃に昇温して3時間反応させた。得られた混合液を氷に加え、得られた沈殿を濾取した。水で懸洗後、トルエンで洗浄、真空乾燥させて、化合物(11−d)を主成分とする黄土色固体3.4gを得た。収率は化合物(11−c)基準で93%であった。
化合物(11−d)3.00g(9.64mmol)、化合物(A)8.47g(20.23mmol)、ジメチルアミノピリジン0.12g(0.96mmol)及びクロロホルム40mLを混合した。得られた混合液にN、N’−ジイソプロピルカルボジイミド2.92g(23.12mmol)を氷冷下で加えた。得られた反応溶液を室温で終夜反応させ、シリカゲル濾過したのち、減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。結晶を濾取し、クロロホルムに再溶解させ0.3gの活性炭を加えて、室温で一時間攪拌した。溶液を濾過して濾液をエバポレータにて1/3まで減圧濃縮後、攪拌しながらメタノールを加えて、生成した白色沈殿を濾取し、ヘプタンで洗浄、真空乾燥して化合物(A11−1)を白色粉末として7.60g得た。収率は化合物(11−d)基準で71%であった。
(実施例1〜4、比較例1)
ガラス基板に、ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2重量%水溶液を塗布し、乾燥後、厚さ89nmの膜を形成した。続いて、得られた膜の表面にラビング処理を施し、ラビング処理を施した面に、表2の組成の組成物をスピンコート法により塗布し、加熱乾燥した。その後、紫外線を照射した。これにより、ガラス基板に、光学フィルムを作成した。
LC242:BASF社より市販されている液晶化合物
カイラル剤:LC756(BASF社より市販されているカイラル剤)
光重合性開始剤:TAZ−A 日本シイベルヘグナー社より市販されているトリアジン系化合物
レベリング剤:BYK361N(ビックケミージャパン製)
溶剤:シクロペンタノン
位相差値(nm)の測定は、ガラス基板上に作成したフィルムを剥離することなく、測定機で計測した。基材に使用したガラス基板には、ほとんど複屈折性が無いため、剥離せずに測定しても、ガラス基板上に作製した光学フィルムの位相差値を得ることができる。また、光学フィルムに由来する部分の膜厚(μm)を、光学フィルムの一部を剥離して、レーザー顕微鏡(LEXT3000、オリンパス社製)を用いて測定した。
2,2’ 光学フィルム
3,3’ 配向膜
4,4’ カラーフィルタ層
5 液晶表示装置
6,10 偏光板
7,11 基板
8 対向電極
9 液晶層
12 TFT、絶縁層
13 透明電極
13’ 反射電極
30,30a,30b,30c,30d,30e 偏光板
14,14’ 積層体
15 偏光フィルム
A,16,16’ 支持基材
17,17’ 配向膜
18,18’ 光学フィルム
19,19’,22 接着剤層
20 液晶パネル
21 貼合品
Claims (17)
- 式(1)で表される化合物及びカイラル剤を含む組成物。
[式(1)中、Arは芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する2価の基を表し、Ar基中の芳香環に含まれるπ電子の数Nπは、12以上である。
D1及びD2は、それぞれ独立に、*−O−CO−(*は、Arに結合する位置を表す)、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−、−O−CR1R2−、−CR1R2−O−、−CR1R2−O−CR3R4−、−CR1R2−O−CO−、−O−CO−CR1R2−、−CR1R2−O−CO−R3R4−、−CR1R2−CO−O−CR3R4−、−NR5−CR1R2−、−CR1R2−NR5−、−CO−NR5−、又は−NR5−CO−を表す。R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。R5は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
G1及びG2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表す。該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基に置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−又は−NH−に置換されていてもよい。
E1、E2、B1及びB2は、それぞれ独立に、−CR6R7−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR8−、−NR8−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−、−CH2−S−又は単結合を表す。R6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。R8は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
A1及びA2は、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基に置換されていてもよい。該炭素数1〜4のアルキル基及び該炭素数1〜4アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
k及びlは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
F1及びF2は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子に置換されていてもよく、該アルキレン基に含まれるメチレン基は、−O−又は−CO−に置換されていてもよい。
P1及びP2は、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基を表す(ただし、P1及びP2のうち少なくとも1つは、重合性基を表す)。] - 式(1)で表される化合物が、式(2)及び式(3)で表される要件を充足する化合物である請求項1記載の組成物。
(Nπ−4)/3<k+l+4 (2)
12≦Nπ≦22 (3)
[式(2)及び式(3)中、Nπ、k及びlは上記と同じ意味を表す。] - 式(1)中、Arが式(Ar−6)で表される2価の基である請求項1又は2記載の組成物。
[式(Ar−6)中、Z1は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基または炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基を表す。
Q1は、−CR9R10−、−S−、−NR9−、−CO−又は−O−を表す。
R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
Y2は、置換されていてもよい芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。
ン原子を表す。
nは、0〜2の整数を表す。] - G1及びG2が、1,4−シクロヘキシレン基である請求項1〜3のいずれか記載の組成物。
- A1及びA2が、それぞれ独立に、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基である請求項1〜4のいずれか記載の組成物。
- B1及びB2のうち、A1又はA2のみと結合しているB1及びB2が、それぞれ独立に、−CH2−CH2−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−O−CH2−、−CH2−O−又は単結合であり、
B1及びB2のうち、F1又はF2と結合しているB1及びB2が、それぞれ独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は単結合である請求項1〜5のいずれか記載の組成物。 - P1及びP2が、それぞれ独立に、水素原子、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基(ただし、P1及びP2のうち少なくとも1つは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す)である請求項1〜6のいずれか記載の組成物。
- さらに重合開始剤を含有する請求項1〜7のいずれか記載の組成物。
- 請求項1〜8のいずれか記載の組成物が重合した樹脂を含むフィルム。
- 選択反射波長域が紫外域にある請求項9記載のフィルム。
- 支持基材と、支持基材上に形成された請求項9又は10記載のフィルムとを含み、フィルムのカイラル螺旋軸が、支持基材表面に対してほぼ垂直である積層体。
- 請求項9〜11のいずれか記載のフィルム及び偏光フィルムを含む偏光部材。
- 請求項9〜11のいずれか記載のフィルム及び液晶セルを含む液晶表示装置。
- 請求項9〜11のいずれか記載のフィルム及び有機エレクトロルミネッセンスパネルを備える有機EL表示装置。
- 請求項1〜8のいずれか記載の組成物を含む溶液を支持基材に塗布し、乾燥させる未重合フィルムの製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか記載の組成物を含む溶液を、支持基材上に形成された配向膜上に塗布し、乾燥させる未重合フィルムの製造方法。
- 請求項15又は16記載の未重合フィルムの製造方法で得られた未重合フィルムを、重合により硬化させるフィルムの製造方法。
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