JP2010241664A - セメントコンクリート硬化体、及びそれを用いたコンクリート構造物内部にある鋼材の防食方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】CaO/Al2O3モル比0.15〜0.7でブレーン比表面積値2000〜7000cm2/gのカルシウムアルミネート化合物、セメント、及び水を練混ぜて硬化させたセメントコンクリートの表面に、有機−無機複合型塗膜養生剤を塗布してなるセメントコンクリート硬化体であり、前記有機−無機複合型塗膜剤が、合成樹脂水性分散体、水溶性樹脂、及び膨潤性粘土鉱物を含有してなる前記セメントコンクリート硬化体であり、前記セメントコンクリート硬化体を用いた、コンクリート構造物内部にある鋼材の防食方法である。
【選択図】なし
Description
なお、本発明における部や%は、特に規定しない限り質量基準で示す。
また、本発明で云うセメントコンクリートとは、セメントペースト、セメントモルタル、及びコンクリートの総称である。
本発明のCA化合物のCaO/Al2O3モル比は0.15〜0.7であり、0.4〜0.6がより好ましい。0.15未満では、塩化物イオンの遮蔽効果が充分に得られない場合があり、逆に、0.7を超えると急硬性が現れるようになり、可使時間が確保できない場合がある。
ここで、乳化重合は、重合すべき単量体を混合し、これに乳化剤や重合開始剤等を加え水系で行なう一般的な乳化重合方法である。
膨潤性粘土鉱物との配合安定性を得るには、アンモニア、アミン類、及びカセイソーダなどの塩基性物質を使用し、pH5以上に調整したものが好ましい。
合成樹脂水性分散体の粒子径は、一般的に100〜300nmであるが、60〜100nm程度の小さい粒子径のものが好ましい。
水溶性樹脂としては、純水への溶解度が常温で1%以上であるものであれば良く、樹脂単位重量当たりの水素結合性基又はイオン性基が10〜60%であることが好ましい。
また、平均分子量は2000〜1000000が好ましい。
水溶性樹脂の使用量は、合成樹脂水性分散体の固形分100部に対して、固形分換算で0.05〜200部が好ましい。
そのうち、日本ベントナイト工業会、標準試験方法 JBAS−104−77に準じた方法で測定した膨潤力が20ml/2g以上の粘土鉱物、特に、ベントナイトが好ましい。
また、イオン交換当量が100g当たり、10ミリ当量以上ものが好ましい。
さらに、そのアスペクト比が50〜5000のものが好ましい。アスペクト比とは、電子顕微鏡写真により求めた層状に分散した粘土鉱物の長さ/厚みの比である。
膨潤性粘土鉱物の使用量は、合成樹脂水性分散体の固形分100部に対して、1〜50部が好ましい。
架橋剤の使用量は、合成樹脂水性分散体と水溶性樹脂の合計の固形分100部に対して、固形分換算で0.01〜30部が好ましい。
有機−無機複合型塗膜養生剤は、セメントコンクリートの凝結が終結した後、表面に塗布することが好ましい。時間が経つと、セメントコンクリートの表面が乾燥し、ひび割れが発生しやすくなる。
このような有機−無機複合型塗膜養生剤としては、電気化学工業社の「RISフルコート」や「クラッコフ」、東亞合成社の「CA2」シリーズを用いることができる。
本発明のセメントコンクリート硬化体に、本発明の塗膜養生剤を塗布することにより、外部からの塩化物イオンの浸透が一層抑えられ、海洋環境下におけるコンクリートの耐久性、すなわち、耐海水性及び耐食性が一層向上する。
セメント100部に対して、表1に示すCA化合物を10部混合し、水/結合材比50%としたセメントコンクリート(モルタル)をJIS R 5201に準じて調製した。硬化したセメントコンクリート(モルタル)の表面に、250g/m2の塗布量で有機−無機複合型塗膜養生剤を塗布した。このセメントコンクリート硬化体(モルタル)を用いて、防錆効果、圧縮強度、塩化物イオン浸透深さ、及びCaイオンの溶脱を調べた。結果を表1に併記する。
CA化合物A:試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の酸化アルミニウムを所定の割合で配合し、電気炉で1650℃で焼成した後、徐冷して合成。CaO/Al2O3モル比0.1、ブレーン値4000cm2/g
CA化合物B:CA化合物Aと同様に合成、CaO/Al2O3モル比0.15、ブレーン値4000cm2/g
CA化合物C:試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の酸化アルミニウムを所定の割合で配合し、電気炉で1550℃で焼成した後、徐冷して合成。CaO/Al2O3モル比0.4、ブレーン値4000cm2/g
CA化合物D:CA化合物Cと同様に合成、CaO/Al2O3モル比0.5、ブレーン値4000cm2/g
CA化合物E:CA化合物Cと同様に合成、CaO/Al2O3モル比0.6、ブレーン値4000cm2/g
CA化合物F:試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の酸化アルミニウムを所定の割合で配合し、電気炉で1450℃で焼成した後、徐冷して合成。CaO/Al2O3モル比0.7、ブレーン値4000cm2/g
CA化合物G:CA化合物Fと同様に合成、CaO/Al2O3モル比0.9、ブレーン値4000cm2/g
セメント:普通ポルトランドセメント、市販品
細骨材:JIS R 5201準拠の標準砂
水:水道水
有機−無機複合型塗膜養生剤:アクリル樹脂-フッ素雲母の複合型塗膜養生剤、東亞合成社製商品名「CA212」、合成樹脂水性分散体(エチレンアクリル酸共重合エマルジョン、分子量:27500、アクリル酸/エチレン共重合比:15/85、固形分:30%)−膨潤性粘土鉱物(Naテトラシックマイカ、組成式:NaMg2.5(Si4O10)F2)の複合型
防錆効果:モルタルに内在塩化物イオンとして、塩化物イオン換算で10kg/m3となるように塩化ナトリウムを加え、丸鋼の鉄筋を入れて50℃に加温養生することによる促進試験で防錆効果を確認した。鉄筋に錆が発生しなかった場合は良、1/10の面積以内で錆が発生した場合は可、1/10の面積を超えて錆が発生した場合は不可とした。
圧縮強度:JIS R 5201に準じて材齢28日の圧縮強度を測定。
塩化物イオン浸透深さ:塩化物イオン浸透抵抗性を評価。φ10×20cmのモルタル供試体を作製して、20℃で材齢28日まで水中養生した後、30℃で塩分濃度3.5%の食塩水に12週間浸漬して塩化物浸透深さを測定。塩化物浸透深さはフルオロセイン−硝酸銀法により、モルタル供試体断面の茶変しなかった部分を塩化物浸透深さと見なし、ノギスで8点測定して平均値を求めた。
Caイオンの溶脱:4×4×16cmのモルタル供試体を10リットルの純水に28日間浸漬し、液相中に溶解したCaイオン濃度を測定した。
表2に示す粉末度のCA化合物Dを併用したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に併記する。
表3に示すように、セメント100部に対するCA化合物の使用量を変えたこと以外は、実施例1と同様に行った。比較のために、従来の防錆材を用いて同様に行った。結果を表3に併記する。
市販の防錆材イ:亜硝酸リチウム
市販の防錆材ロ:亜硝酸型ハイドロカルマイト
実験No.1-5で使用したセメントコンクリート(モルタル)を使用し、表4に示す塗布量で有機−無機複合型塗膜養生剤を塗布したこと以外は実施例1と同様に行った。
なお、比較のために、従来の塗膜養生剤を使用した場合についても同様に行った。結果を表4に併記する。
従来の塗膜養生剤:EVA系塗膜養生剤、市販品
Claims (5)
- CaO/Al2O3モル比0.15〜0.7でブレーン比表面積値2000〜7000cm2/gのカルシウムアルミネート化合物、セメント、及び水を練混ぜて硬化させたセメントコンクリートの表面に、有機−無機複合型塗膜養生剤を塗布してなるセメントコンクリート硬化体。
- 有機−無機複合型塗膜剤が、合成樹脂水性分散体、水溶性樹脂、及び膨潤性粘土鉱物を含有してなる請求項1に記載のセメントコンクリート硬化体。
- 有機−無機複合型塗膜剤の膨潤性粘土鉱物が、合成フッ素雲母である請求項2に記載のセメントコンクリート硬化体。
- 有機−無機複合型塗膜剤の使用量が、100〜500g/m2である請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のセメントコンクリート硬化体。
- 請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載のセメントコンクリート硬化体を用いた、コンクリート構造物内部にある鋼材の防食方法。
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