JP2010241664A - セメントコンクリート硬化体、及びそれを用いたコンクリート構造物内部にある鋼材の防食方法 - Google Patents

セメントコンクリート硬化体、及びそれを用いたコンクリート構造物内部にある鋼材の防食方法 Download PDF

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賢司 山本
Kazuto Tawara
和人 田原
Hiroyoshi Matsukubo
博敬 松久保
Satoshi Takagi
聡史 高木
Takanori Yamagishi
隆典 山岸
Akitoshi Araki
昭俊 荒木
Minoru Morioka
実 盛岡
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Abstract

【課題】優れた防錆効果や外部から侵入する塩化物イオンの遮蔽効果を持ち、Caの溶脱抑制効果も発揮するセメントコンクリート硬化体、及びそれを用いたコンクリート構造物内部にある鋼材の防食方法を提供する。
【解決手段】CaO/Alモル比0.15〜0.7でブレーン比表面積値2000〜7000cm/gのカルシウムアルミネート化合物、セメント、及び水を練混ぜて硬化させたセメントコンクリートの表面に、有機−無機複合型塗膜養生剤を塗布してなるセメントコンクリート硬化体であり、前記有機−無機複合型塗膜剤が、合成樹脂水性分散体、水溶性樹脂、及び膨潤性粘土鉱物を含有してなる前記セメントコンクリート硬化体であり、前記セメントコンクリート硬化体を用いた、コンクリート構造物内部にある鋼材の防食方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、主に、海洋環境下におけるコンクリート構造物の耐久性、すなわち、耐海水性及び耐食性の向上に関する。
近年、土木や建築分野において、コンクリート構造物の耐久性向上に対する要望が高まっている。
コンクリート構造物の劣化要因の1つとして、塩化物イオンの存在によって鉄筋腐食が顕在化する塩害があり、その塩害を抑制するための方法として、コンクリート構造物に塩化物イオン浸透抵抗性を付与する方法がある。
コンクリート硬化体の内部への塩化物イオン浸透を抑制し、塩化物イオン浸透抵抗性を付与する方法としては、水/セメント比を小さくする方法が知られている(非特許文献1参照)。
また、セメントコンクリートに早強性を付与し、かつ、鉄筋の腐食を防止するなどの目的で、CaO・2Alとセッコウを主体とし、ブレーン比表面積値が8000cm/gの微粉を含有するセメント混和材を使用する方法(特許文献1参照)や、CaO/Alモル比が0.3〜0.7のカルシウムアルミネートを含有するセメント混和材を用いて塩化物イオン浸透抵抗性を向上させる方法(特許文献2参照)が提案されている。
鉄筋の防錆を目的として、亜硝酸塩、亜硝酸型ハイドロカルマイトを添加する方法が提案されている(特許文献3〜特許文献5参照)。亜硝酸塩は、防錆効果を発揮するものの、外部から侵入する塩化物イオンの遮蔽効果を発揮するものではなく、また、亜硝酸型ハイドロカルマイトは、防錆効果を発揮するものの、これを混和したセメント硬化体が多孔質になりやすく、むしろ、外部からの塩化物イオンの浸透を許容しやすい。
一方、有機−無機複合型塗膜養生剤をモルタルやコンクリートの硬化体の表面に塗布することにより、中性化や外部からの塩分の浸透を抑制することが提案されている(特許文献6参照)。
岸谷孝一、西澤紀昭他編、「コンクリートの耐久性シリーズ、塩害(I)」、技報堂出版、pp.59−63、1986年5月
特開昭47−035020号公報 特開2005−104828号公報 特開昭53−003423号公報 特開平01−103970号公報 特開平04−154648号公報 特開2007−308354号公報
本発明は、海洋環境下におけるコンクリート構造物の耐久性、すなわち、耐海水性及び耐食性を向上するセメントコンクリート硬化体、及びそれを用いたコンクリート構造物内部にある鋼材の防食方法を提供する。
本発明は、(1)CaO/Alモル比0.15〜0.7でブレーン比表面積値2000〜7000cm/gのカルシウムアルミネート化合物、セメント、及び水を練混ぜて硬化させたセメントコンクリートの表面に、有機−無機複合型塗膜養生剤を塗布してなるセメントコンクリート硬化体、(2)有機−無機複合型塗膜剤が、合成樹脂水性分散体、水溶性樹脂、及び膨潤性粘土鉱物を含有してなる(1)のセメントコンクリート硬化体であり、(3)有機−無機複合型塗膜剤の膨潤性粘土鉱物が、合成フッ素雲母である(2)のセメントコンクリート硬化体、(4)有機−無機複合型塗膜剤の使用量が、100〜500g/mである(1)〜(3)のいずれかのセメントコンクリート硬化体であり、(5)(1)〜(4)のいずれかのセメントコンクリート硬化体を用いた、コンクリート構造物内部にある鋼材の防食方法である。
本発明は、セメントコンクリート硬化体に、優れた防錆効果と、外部から侵入する塩化物イオンの遮蔽効果を付与し、さらに、セメントコンクリート硬化体からのCaイオンの溶脱も少ないことから、多孔化も抑制できるなどの効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明における部や%は、特に規定しない限り質量基準で示す。
また、本発明で云うセメントコンクリートとは、セメントペースト、セメントモルタル、及びコンクリートの総称である。
土木用途や建築用途では、通常、生コン工場から工事現場に生コンを輸送し、大量に打設する。このような使用形態では、可使時間が少なくとも1時間以上確保される必要があり、3時間以上確保されることが好ましい。
本発明で使用するカルシウムアルミネート化合物(以下、CA化合物という)とは、カルシアを含む原料と、アルミナを含む原料等を混合して、キルンでの焼成や電気炉での溶融等の熱処理をして得られる、CaOとAlを主成分とする化合物を総称するものである。本発明は、CA化合物の化学組成がCaO/Alモル比で0.15〜0.7の範囲にある。CA化合物が、例えば、SiOやRO(Rはアルカリ金属)を含有していても、本発明の目的を損なわない限り使用可能である。
本発明のCA化合物のCaO/Alモル比は0.15〜0.7であり、0.4〜0.6がより好ましい。0.15未満では、塩化物イオンの遮蔽効果が充分に得られない場合があり、逆に、0.7を超えると急硬性が現れるようになり、可使時間が確保できない場合がある。
CA化合物の粉末度は、ブレーン比表面積値(以下、ブレーン値という)で2000〜7000cm/gが好ましく、3000〜6000cm/gがより好ましく、4000〜5000cm/gが最も好ましい。ブレーン値が2000cm/g未満では、充分な塩化物イオンの遮蔽効果が得られない場合があり、7000cm/gを超えると急硬性が現れるようになり、可使時間が短くなる。
セメントとしては、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメントや、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、石灰石粉末や高炉徐冷スラグ微粉末等を混合したフィラーセメント、並びに、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰を原料として製造された環境調和型セメント(エコセメント)などのポルトランドセメントが挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上が使用可能である。
本発明では、セメントにCA化合物を配合してセメント組成物とする。配合割合は、セメント100部に対して、CA化合物が1〜30部が好ましい。1部未満の場合には、充分な防錆効果や塩化物イオンの遮蔽効果、Caイオンの溶脱抑制効果が少なく、30部を超えると急硬性が現れるようになり、可使時間が短くなる。
本発明のセメント組成物の水/結合材比は、25〜70%が好ましく、30〜65%がより好ましい。ここで結合材とは、セメントとCA化合物の合計をいう。水/結合材比が25%未満の場合、ポンプ圧送性や施工性が低下し、自己収縮に伴うひび割れが発生しやすくなり、耐海水性が低下する場合がある。一方、70%を超えると硬化体中の空隙量が多くなり、耐海水性が低下する場合がある。
本発明のセメント組成物は、それぞれの材料を施工時に混合しても良いし、あらかじめ一部あるいは全部を混合しておいても差し支えない。
混合装置としては、既存の如何なる装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ、及びナウタミキサ等の使用が可能である。
本発明では、セメント、CA化合物の他に、砂等の細骨材や砂利等の粗骨材、膨張材、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、消泡剤、増粘剤、従来の防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、高分子エマルジョン、凝結調整剤、ベントナイトなどの粘土鉱物、ハイドロタルサイトなどのアニオン交換体、高炉水砕スラグ微粉末や高炉徐冷スラグ微粉末などのスラグ、石灰石微粉末等の混和材料からなる群のうちの1種又は2種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で併用することが可能である。
本発明では、CA化合物、セメント、及び水を練混ぜて硬化させ、セメントコンクリートの表面に、有機−無機複合型塗膜養生剤を塗布し、外部からの塩化物イオンの浸透を抑え、海洋環境下におけるコンクリートの耐久性、すなわち、耐海水性及び耐食性が一層向上する。
なお、CA化合物を配合したセメントコンクリート硬化体の効果と、有機−無機複合型塗膜養生剤をセメントコンクリート硬化体に塗布した効果は、各々の場合に得られる塩化物イオンの浸透抵抗性に対して、併用した場合には相乗的により高い効果が得られる。
本発明の有機−無機複合型塗膜養生剤とは、合成樹脂水性分散体、水溶性樹脂、及び膨潤性粘土鉱物を、また、さらに、これらと架橋剤とを主成分とするものである。
ここで、合成樹脂水性分散体とは、一般的には合成樹脂エマルジョンであり、芳香族ビニル単量体、脂肪族共役ジエン系単量体、エチレン系不飽和脂肪酸単量体、及びその他の共重合可能な単量体の内から一種又は二種以上を乳化重合して得られるものである。例えば、スチレンを主体としたスチレン・ブタジエン系ラテックス、スチレン・アクリル系エマルジョンやスチレンと共重合したメチルメタクリレート・ブタジエン系ラテックス、エチレン・アクリルエマルジョンである。合成樹脂エマルジョンには、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものがより望ましい。
ここで、乳化重合は、重合すべき単量体を混合し、これに乳化剤や重合開始剤等を加え水系で行なう一般的な乳化重合方法である。
膨潤性粘土鉱物との配合安定性を得るには、アンモニア、アミン類、及びカセイソーダなどの塩基性物質を使用し、pH5以上に調整したものが好ましい。
合成樹脂水性分散体の粒子径は、一般的に100〜300nmであるが、60〜100nm程度の小さい粒子径のものが好ましい。
水溶性樹脂としては、加工澱粉又はその誘導体、セルロース誘導体、ポリ酢酸ビニルの鹸化物又はその誘導体、スルホン酸基を有する重合体又はその塩、アクリル酸の重合体や共重合体又はこれらの塩、アクリルアミドの重合体や共重合体、ポリエチレングリコール、及びオキサゾリン基含有重合体等が挙げられ、そのうちの一種又は二種以上の使用が可能である。
水溶性樹脂としては、純水への溶解度が常温で1%以上であるものであれば良く、樹脂単位重量当たりの水素結合性基又はイオン性基が10〜60%であることが好ましい。
また、平均分子量は2000〜1000000が好ましい。
水溶性樹脂の使用量は、合成樹脂水性分散体の固形分100部に対して、固形分換算で0.05〜200部が好ましい。
膨潤性粘土鉱物としては、スクメタイト属に属する層状ケイ酸塩鉱物が挙げられる。例えば、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、マイカ、及びベントナイトなどである。これらは天然品、合成品、及び加工処理品のいずれであっても使用可能である。
そのうち、日本ベントナイト工業会、標準試験方法 JBAS−104−77に準じた方法で測定した膨潤力が20ml/2g以上の粘土鉱物、特に、ベントナイトが好ましい。
また、イオン交換当量が100g当たり、10ミリ当量以上ものが好ましい。
さらに、そのアスペクト比が50〜5000のものが好ましい。アスペクト比とは、電子顕微鏡写真により求めた層状に分散した粘土鉱物の長さ/厚みの比である。
膨潤性粘土鉱物の使用量は、合成樹脂水性分散体の固形分100部に対して、1〜50部が好ましい。
架橋剤とは、水溶性樹脂や合成樹脂水性分散体が有するカルボキシル基、アミド基、及び水酸基等の親水性官能基と反応して、架橋、高分子化(三次元網目構造)、又は疎水化するものであり、カルボキシル基と付加反応を起こすオキサゾリン基を有するものが水溶性樹脂をも兼ねるので好ましい。
架橋剤の使用量は、合成樹脂水性分散体と水溶性樹脂の合計の固形分100部に対して、固形分換算で0.01〜30部が好ましい。
本発明では、合成樹脂水性分散体、水溶性樹脂、及び膨潤性粘土鉱物を混合して、また、さらに、これらと架橋剤とを反応させて、有機−無機複合型塗膜養生剤を調製する。
有機−無機複合型塗膜養生剤の合成方法は、水溶性樹脂と膨潤性粘土鉱物をあらかじめ水中で混合した後に、合成樹脂水性分散体と架橋剤を混合する方法が好ましい。
有機−無機複合型塗膜養生剤の被覆方法は、均一に養生被覆膜が形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、撒布したり、塗布したり、吹付けしたりすることが可能である。
有機−無機複合型塗膜養生剤は、セメントコンクリートの凝結が終結した後、表面に塗布することが好ましい。時間が経つと、セメントコンクリートの表面が乾燥し、ひび割れが発生しやすくなる。
このような有機−無機複合型塗膜養生剤としては、電気化学工業社の「RISフルコート」や「クラッコフ」、東亞合成社の「CA2」シリーズを用いることができる。
本発明のセメントコンクリート硬化体に、本発明の塗膜養生剤を塗布することにより、外部からの塩化物イオンの浸透が一層抑えられ、海洋環境下におけるコンクリートの耐久性、すなわち、耐海水性及び耐食性が一層向上する。
有機−無機複合型塗膜養生剤の使用量は特に限定されるものではないが、1m当たり、100〜500gが好ましく、150〜400gがより好ましい。100g未満では、長期的に外部からの塩化物イオンの浸透を抑制する効果が充分でない場合があり、500gを超えて塗布しても、効果が頭打ちになるため、経済的に好ましくない。
以下、実施例、比較例を挙げてさらに詳細に内容を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
「実施例1」
セメント100部に対して、表1に示すCA化合物を10部混合し、水/結合材比50%としたセメントコンクリート(モルタル)をJIS R 5201に準じて調製した。硬化したセメントコンクリート(モルタル)の表面に、250g/mの塗布量で有機−無機複合型塗膜養生剤を塗布した。このセメントコンクリート硬化体(モルタル)を用いて、防錆効果、圧縮強度、塩化物イオン浸透深さ、及びCaイオンの溶脱を調べた。結果を表1に併記する。
<使用材料>
CA化合物A:試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の酸化アルミニウムを所定の割合で配合し、電気炉で1650℃で焼成した後、徐冷して合成。CaO/Alモル比0.1、ブレーン値4000cm/g
CA化合物B:CA化合物Aと同様に合成、CaO/Alモル比0.15、ブレーン値4000cm/g
CA化合物C:試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の酸化アルミニウムを所定の割合で配合し、電気炉で1550℃で焼成した後、徐冷して合成。CaO/Alモル比0.4、ブレーン値4000cm2/
CA化合物D:CA化合物Cと同様に合成、CaO/Alモル比0.5、ブレーン値4000cm/g
CA化合物E:CA化合物Cと同様に合成、CaO/Alモル比0.6、ブレーン値4000cm/g
CA化合物F:試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の酸化アルミニウムを所定の割合で配合し、電気炉で1450℃で焼成した後、徐冷して合成。CaO/Alモル比0.7、ブレーン値4000cm/g
CA化合物G:CA化合物Fと同様に合成、CaO/Alモル比0.9、ブレーン値4000cm/g
セメント:普通ポルトランドセメント、市販品
細骨材:JIS R 5201準拠の標準砂
水:水道水
有機−無機複合型塗膜養生剤:アクリル樹脂-フッ素雲母の複合型塗膜養生剤、東亞合成社製商品名「CA212」、合成樹脂水性分散体(エチレンアクリル酸共重合エマルジョン、分子量:27500、アクリル酸/エチレン共重合比:15/85、固形分:30%)−膨潤性粘土鉱物(Naテトラシックマイカ、組成式:NaMg2.5(Si4O10)F2)の複合型
<測定方法>
防錆効果:モルタルに内在塩化物イオンとして、塩化物イオン換算で10kg/mとなるように塩化ナトリウムを加え、丸鋼の鉄筋を入れて50℃に加温養生することによる促進試験で防錆効果を確認した。鉄筋に錆が発生しなかった場合は良、1/10の面積以内で錆が発生した場合は可、1/10の面積を超えて錆が発生した場合は不可とした。
圧縮強度:JIS R 5201に準じて材齢28日の圧縮強度を測定。
塩化物イオン浸透深さ:塩化物イオン浸透抵抗性を評価。φ10×20cmのモルタル供試体を作製して、20℃で材齢28日まで水中養生した後、30℃で塩分濃度3.5%の食塩水に12週間浸漬して塩化物浸透深さを測定。塩化物浸透深さはフルオロセイン−硝酸銀法により、モルタル供試体断面の茶変しなかった部分を塩化物浸透深さと見なし、ノギスで8点測定して平均値を求めた。
Caイオンの溶脱:4×4×16cmのモルタル供試体を10リットルの純水に28日間浸漬し、液相中に溶解したCaイオン濃度を測定した。
Figure 2010241664
表1より、本発明に依れば、セメントコンクリート硬化体(モルタル)に、優れた防錆効果と、外部から侵入する塩化物イオンの遮蔽効果を付与し、さらに、セメントコンクリート硬化体からのCaイオンの溶脱も少ないことが分かる。
「実施例2」
表2に示す粉末度のCA化合物Dを併用したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に併記する。
Figure 2010241664
表2より、本発明に依れば、セメントコンクリート硬化体(モルタル)に、優れた防錆効果と、外部から侵入する塩化物イオンの遮蔽効果を付与し、さらに、セメントコンクリート硬化体からのCaイオンの溶脱も少ないことが分かる。
「実施例3」
表3に示すように、セメント100部に対するCA化合物の使用量を変えたこと以外は、実施例1と同様に行った。比較のために、従来の防錆材を用いて同様に行った。結果を表3に併記する。
<使用材料>
市販の防錆材イ:亜硝酸リチウム
市販の防錆材ロ:亜硝酸型ハイドロカルマイト
Figure 2010241664
表3より、本発明に依れば、セメントコンクリート硬化体(モルタル)に、優れた防錆効果と、外部から侵入する塩化物イオンの遮蔽効果を付与し、さらに、セメントコンクリート硬化体からのCaイオンの溶脱も少ないことが分かる。
実施例4
実験No.1-5で使用したセメントコンクリート(モルタル)を使用し、表4に示す塗布量で有機−無機複合型塗膜養生剤を塗布したこと以外は実施例1と同様に行った。
なお、比較のために、従来の塗膜養生剤を使用した場合についても同様に行った。結果を表4に併記する。
<使用材料>
従来の塗膜養生剤:EVA系塗膜養生剤、市販品
Figure 2010241664
表4より、本発明に依れば、セメントコンクリート硬化体(モルタル)に、優れた防錆効果と、外部から侵入する塩化物イオンの遮蔽効果を付与し、さらに、セメントコンクリート硬化体からのCaイオンの溶脱も少ないことが分かる。また、CA化合物と有機−無機複合型塗膜養生剤を併用することにより、塩化物浸透深さやCaイオンの溶脱に対し相乗効果があることが分かる。
本発明は、セメントコンクリートに、優れた防錆効果と、外部から侵入する塩化物イオンの遮蔽効果を付与し、さらに、セメントコンクリート硬化体からのCaイオンの溶脱も少ないことから、多孔化も抑制できるなどの効果を奏するので、海洋構造物や護岸構造物などの用途に適する。

Claims (5)

  1. CaO/Alモル比0.15〜0.7でブレーン比表面積値2000〜7000cm/gのカルシウムアルミネート化合物、セメント、及び水を練混ぜて硬化させたセメントコンクリートの表面に、有機−無機複合型塗膜養生剤を塗布してなるセメントコンクリート硬化体。
  2. 有機−無機複合型塗膜剤が、合成樹脂水性分散体、水溶性樹脂、及び膨潤性粘土鉱物を含有してなる請求項1に記載のセメントコンクリート硬化体。
  3. 有機−無機複合型塗膜剤の膨潤性粘土鉱物が、合成フッ素雲母である請求項2に記載のセメントコンクリート硬化体。
  4. 有機−無機複合型塗膜剤の使用量が、100〜500g/mである請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のセメントコンクリート硬化体。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載のセメントコンクリート硬化体を用いた、コンクリート構造物内部にある鋼材の防食方法。
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