JP2010241544A - コンベヤベルトの補修方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】損傷部分が複数又は広範囲である場合でも低コストで補修することができ、かつ補修後の耐久性に優れたコンベヤベルトの補修方法を提供する。
【解決手段】コンベヤベルト1のカバーゴム層3表面の損傷部分4を未加硫ゴム5で成形し、その上に板状ヒーター6を載置してからロール状に巻き取った後に、板状ヒーター6で未加硫ゴム5を加硫する。
【選択図】図3
【解決手段】コンベヤベルト1のカバーゴム層3表面の損傷部分4を未加硫ゴム5で成形し、その上に板状ヒーター6を載置してからロール状に巻き取った後に、板状ヒーター6で未加硫ゴム5を加硫する。
【選択図】図3
Description
本発明はコンベヤベルトの補修方法に関し、更に詳しくは、損傷部分が複数又は広範囲である場合でも低コストで補修することができ、かつ補修後の耐久性に優れた補修方法に関する。
コンベヤベルトの製造過程において、カバーゴム層や補強層などに損傷が発生すると、コンベヤベルトの品質を低下させるため、出荷前に損傷部分を補修する作業が必要となる。通常、コンベヤベルトに発生した損傷は、ベルト表面の傷、凹みや膨れなどの痕跡を伴うため、損傷部分を外部から容易に同定することができる。そのため、このような損傷部分の補修には、いわゆる埋め込み法とパッチ法の2つの補修方法が従来より用いられている。前者の埋め込み法は、架橋剤入りのゴム組成物を損傷部分に埋め込んで、自然加硫させてカバーゴム層と一体化させる方法であり、後者のパッチ法は、例えば特許文献1に示すように、補修用の未加硫ゴムで損傷部分を成形し、圧力と熱を加えて接着固定させる方法である。
しかしながら、埋め込み法は、補修作業を容易かつ低コストで行うことができるが、大きな損傷部分の補修には不向きであると共に、補修部分の耐久性が低いという問題を有していた。一方パッチ法は、大きな損傷部分を補修することができ、かつ補修部分の耐久性は高いが、未加硫ゴムを加圧・加熱するための加硫プレス機が必要となるため、補修作業に手間が掛かり、補修コストが高くなってしまうという問題を有していた。特に、損傷部分が複数存在するような場合には、後者のパッチ法では補修コストが大幅に増加してしまうことになる。そのため、埋め込み法とパッチ法の両者の利点を備えたコンベヤベルトの補修方法が求められていた。
本発明の目的は、損傷部分が複数又は広範囲である場合でも低コストで補修することができ、かつ補修後の耐久性に優れたコンベヤベルトの補修方法を提供することにある。
上記の目的を達成する本発明として、以下の2つの発明を提供する。
第1の発明のコンベヤベルトの補修方法は、コンベヤベルトの損傷部分を補修する補修方法であって、前記損傷部分を補修用の未加硫ゴムで成形し、前記未加硫ゴムで成形された損傷部分の上に可撓性の板状ヒーターを載置し、前記コンベヤベルトを前記未加硫ゴム及び板状ヒーターが外表面に露出しないようにロール状に巻き取った後に、前記板状ヒーターにより前記未加硫ゴムを加硫することを特徴とするものである。
この第1の発明においては、板状ヒーターの上に弾性体からなる袋体を載置し、コンベヤベルトを袋体、未加硫ゴム及び板状ヒーターが外表面に露出しないようにロール状に巻き取った後に、板状ヒーターにより未加硫ゴムを加硫すると共に、袋体内に流体又は気体を圧入して該未加硫ゴムを加圧することが望ましい。
第2の発明のコンベヤベルトの補修方法は、コンベヤベルトの損傷部分を補修する補修方法であって、前記損傷部分を補修用の未加硫ゴムで成形し、前記未加硫ゴムで成形された損傷部分の上に弾性体からなる袋体を載置し、前記コンベヤベルトを前記袋体及び未加硫ゴムが外表面に露出しないようにロール状に巻き取った後に、前記袋体内に加熱された流体又は気体を圧入して前記未加硫ゴムを加圧しつつ加硫することを特徴とするものである。
上述した流体は水又はオイルであることが、また上述した気体は空気又は不活性ガスであることが、それぞれ望ましい。
第1の発明によれば、コンベヤベルトの損傷部分を未加硫ゴムで成形し、その上に板状ヒーターを載置してからロール状に巻き取った後に、板状ヒーターで加熱することにより損傷部分の補修を行うようにしたので、加硫プレス機などの大型機器を用いる必要がなく、かつ損傷部分を一度に加圧加硫することができるので、損傷部分が複数又は広範囲である場合でも低コストで補修することができ、かつ補修後の耐久性に優れた補修方法を提供することができる。
第2の発明によれば、コンベヤベルトの損傷部分を未加硫ゴムで成形し、その上に弾性体からなる袋体を載置してからロール状に巻き取った後に、袋体内に加熱した流体又は気体を圧入することにより損傷部分の補修を行うようにしたので、第1の発明と同様に、加硫プレス機などの大型機器を用いる必要がなく、かつ損傷部分を一度に加圧加硫することができるので、損傷部分が複数又は広範囲である場合でも低コストで補修することができ、かつ補修後の耐久性に優れた補修方法を提供することができる。また、未加硫ゴムの加圧加硫の条件を容易に制御することができるため、未加硫ゴムの損傷部分への固定を確実にし、かつ外観を向上させることができる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、第1及び第2の発明の実施対象となるコンベヤベルトの例を示す。
このコンベヤベルト1は、平織りの帆布などからなる補強材を埋設した補強層2の上下をカバーゴム層3で被覆した構成を有している。なお、図1では補強層2が一層であるが、中間ゴム層を介して複数の補強層2を設けるようにしてもよい。カバーゴム層3の表面には、傷や凹みなどからなる複数の損傷部分4が形成されている。一般に、このようなカバーゴム層3の損傷は、製造時における異物との接触や、成形時における気体の残留などにより形成される。
なお、ここではカバーゴム層3の表面に損傷が発生した場合を例にしたが、コンベヤベルト1の内部に損傷が発生した場合でも、カバーゴム層3の表面には損傷部分4と同様の痕跡が発生する。
このようなコンベヤベルト1について、第1の発明の実施形態からなる補修方法を、以下に説明する。
最初に、図2に示すように、それぞれの損傷部分4を補修用の未加硫ゴム5で埋設や被覆するなどして成形する。この未加硫ゴム5は、カバーゴム層3と同じ組成を有することが望ましい。次に、その未加硫ゴム5で成形された複数の損傷部分4を覆うように、可撓性の板状ヒーター6を載置する。可撓性の板状ヒーター6は、ニクロム線などの発熱体を絶縁材で被覆したものを、伝熱性がよく可撓性のある金属(例えば、アルミニウムや銅)の薄板の間に挟み込んだ構造を有しており、外部からの通電により加硫温度(約150℃)以上に発熱するようになっている。この板状ヒーター6は、損傷部分4の個数や配置などに応じて、適切なサイズのものが用いられる。
そして、図3に示すように、未加硫ゴム5及び板状ヒーター6がコンベヤベルト1に覆われるように、つまり未加硫ゴム5及び板状ヒーター6が外表面に露出しないようにコンベヤベルト1を巻取ドラム7等の回りにロール状に巻き取る。最後に、図4に示すように、ロール状に巻き取った状態で、板状ヒーター6に通電して加硫温度以上に発熱させる。このとき、図5に示すように、損傷部分4及び未加硫ゴム5には、板状ヒーター6による熱とコンベヤベルト1の自重(例えば、5〜150kg/m)が加わるため、未加硫ゴム5は加圧加硫され、一定時間後には損傷部分4に固定される。
なお、損傷部分4が広範囲にわたるような場合には、図6に示すように、成形された損傷部分4の全体を板状ヒーター6で覆うようにする。
このように、コンベヤベルト1の損傷部分4を未加硫ゴム5で成形し、その上に板状ヒーター6を載置してからロール状に巻き取った後に、板状ヒーター6で加熱するようにしたので、加硫プレス機などの大型機器を用いる必要がなく、かつ損傷部分4を一度に加圧加硫することができるので、損傷部分4が複数又は広範囲である場合でも低コストで補修することができ、かつ補修後の耐久性に優れた補修方法を提供することができる。
図7は、第1の発明の別の実施形態からなるコンベヤベルトの補修方法を説明するコンベヤベルトのベルト長手方向の断面図である。
この実施形態は、先の実施形態における板状ヒーター6の上に、弾性体からなる袋体8を更に載置するものである。弾性体からなる袋体8は、外部から供給される流体又は気体により膨張するようになっており、例えば、内部に連通するゴムチューブを備えたゴムバックなどを用いることができる。流体としては水又はオイルを、気体としては空気又は不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガスなど)を、それぞれ用いることができる。
このようなコンベヤベルト1を、図3と同様にして、未加硫ゴム5、板状ヒーター6及び袋体8が外表面に露出しないようにして、巻取ドラム7等の回りに巻き取る。そして、ロール状に巻き取った状態で、板状ヒーター6に通電すると共に、コンプレッサーなどにより袋体8内に流体又は気体を圧入する。このとき、損傷部分4及び未加硫ゴム5には、板状ヒーター6による熱、並びにコンベヤベルト1の自重及び袋体8による圧力が加わるため、未加硫ゴム5は加圧加硫され、一定時間後には損傷部分4に固定される。
このようにすることにより、袋体8内へ供給する流体又は気体の圧力を調整することで加圧加硫時の圧力も容易に制御することができるので、未加硫ゴム5の損傷部分4への固定を確実にし、かつ加硫後の外観を向上することができる。また、ロール状に巻き取ったときの自重が加圧加硫を行うには小さくなるような軽量のコンベヤベルト1の補修を行うことも可能となる。
図8は、第2の発明の実施形態からなるコンベヤベルトの補修方法を説明するコンベヤベルトのベルト長手方向の断面図である。
この実施形態は、損傷部分4を成形した未加硫ゴム5の上に弾性体からなる袋体8のみを載置し、その袋体8内に加硫温度以上に加熱した流体又は気体を圧入することにより、未加硫ゴム5の加圧加硫を行うものである。これらの袋体8、流体及び気体としては、上述した第1の発明の実施形態と同じものを用いることができる。
このようにすることで、板状ヒーター6に通電する電源設備などが不要になるため、補修作業の更なるコスト低減が可能となる。また、未加硫ゴム5の加圧加硫の条件(温度及び圧力)を制御することができるため、未加硫ゴム5の損傷部分4への固定を確実にし、かつ加硫後の外観を向上させることができる。
1 コンベヤベルト
2 補強層
3 カバーゴム層
4 損傷部分
5 未加硫ゴム
6 板状ヒーター
7 巻取ドラム
8 袋体
2 補強層
3 カバーゴム層
4 損傷部分
5 未加硫ゴム
6 板状ヒーター
7 巻取ドラム
8 袋体
Claims (5)
- コンベヤベルトの損傷部分を補修する補修方法であって、
前記損傷部分を補修用の未加硫ゴムで成形し、前記未加硫ゴムで成形された損傷部分の上に可撓性の板状ヒーターを載置し、前記コンベヤベルトを前記未加硫ゴム及び板状ヒーターが外表面に露出しないようにロール状に巻き取った後に、前記板状ヒーターにより前記未加硫ゴムを加硫するコンベヤベルトの補修方法。 - 前記板状ヒーターの上に弾性体からなる袋体を載置し、前記コンベヤベルトを前記袋体、未加硫ゴム及び板状ヒーターが外表面に露出しないようにロール状に巻き取った後に、前記板状ヒーターにより前記未加硫ゴムを加硫すると共に、前記袋体内に流体又は気体を圧入して該未加硫ゴムを加圧する請求項1に記載のコンベヤベルトの補修方法。
- コンベヤベルトの損傷部分を補修する補修方法であって、
前記損傷部分を補修用の未加硫ゴムで成形し、前記未加硫ゴムで成形された損傷部分の上に弾性体からなる袋体を載置し、前記コンベヤベルトを前記袋体及び未加硫ゴムが外表面に露出しないようにロール状に巻き取った後に、前記袋体内に加熱された流体又は気体を圧入して前記未加硫ゴムを加圧しつつ加硫するコンベヤベルトの補修方法。 - 前記流体が水又はオイルである請求項2又は3に記載のコンベヤベルトの補修方法。
- 前記気体が空気又は不活性ガスである請求項2又は3に記載のコンベヤベルトの補修方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2009090926A JP2010241544A (ja) | 2009-04-03 | 2009-04-03 | コンベヤベルトの補修方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015142973A (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-06 | 三菱航空機株式会社 | 熱分散装置、修理および接合の方法 |
KR20190126584A (ko) * | 2018-05-02 | 2019-11-12 | 주식회사 포스코 | 벨트 컨베이어 보수 장치 및 방법 |
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2009
- 2009-04-03 JP JP2009090926A patent/JP2010241544A/ja active Pending
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KR20190126584A (ko) * | 2018-05-02 | 2019-11-12 | 주식회사 포스코 | 벨트 컨베이어 보수 장치 및 방법 |
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