JP2010240702A - 金属帯の巻取方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的簡易な設備構成のもとで、ピンチロール起因の金属帯の蛇行を効果的に抑えることができる金属帯の巻取方法を提供する。
【解決手段】搬送ロール群で搬送された金属帯をピンチロールを経てコイラーに巻き取る方法であって、少なくとも1つの搬送ロールの上方に配置された噴射ノズルから、当該搬送ロールのロール軸線を通る鉛直面と流体噴流の中心線とがほぼ一致するようにして、通板する金属帯の上面に向けて流体を噴射し、この流体噴流の圧力で金属帯の面外変形を抑える。ピンチロール起因の金属帯の蛇行を効果的に抑え、コイラーでの金属帯の巻きずれを防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属帯の巻きずれ、特に金属帯尾端部を無張力(例えば、圧延機を抜けてバックテンションがかけられていない状態。以下同様)で巻き取る際の巻きずれを防止することができる金属帯の巻取方法に関するものである。
以下、従来一般に行われている鋼帯の巻取技術について説明する。
図11および図12は、従来の一般的な鋼帯巻取設備を示しており、図11は平面図、図12は側面図である。この設備は、鋼帯を搬送する搬送ロール47、鋼帯をパスラインセンターに誘導(センタリング)するためのサイドガイド41、鋼帯のパスラインを斜め下方に導くとともに、鋼帯に巻取張力(バックテンション)を付与するピンチロール42、鋼帯を巻き取るコイラー43などから構成されている。
前記コイラー43は、巻取軸であるマンドレル430や鋼帯を押さえるラッパーロール431による摩擦力で、鋼帯をコイル状に巻き取る。前記搬送ロール47(搬送ロール装置)は、熱延設備ではホットランテーブルやランアウトテーブルなどと呼ばれているものであり、図ではその最下流の搬送ロール群を示している。前記サイドガイド41は、板幅目標に対する位置制御の誤差、圧延での板幅誤差、衝突による磨耗損傷などを考慮して、鋼帯板幅に対し数ミリ〜数十ミリのクリアランスを設けている。
前記ピンチロール42は、ロール両端側の各々独立した圧下装置により軸受箱(チョック)を介して上ロール420aに圧下荷重を加え、下ロール420bとの間で鋼帯を挟み込んでいる。このピンチロール42の上下ロールの間に鋼帯を誘導するため、ピンチロール42の入側にはエントリガイド44やエプロンガイド45などが、また、出側にはスロートガイド46などが、それぞれ設置されている。
熱延鋼帯の場合、仕上圧延中は圧延機でコイラー43に巻き取り張力を加えているため、一般にピンチロール42による鋼帯の保持力は低く設定される。そして、鋼帯尾端が仕上圧延機を抜ける少し前から、徐々にピンチロール42に張力配分を移行してき、鋼帯尾端が仕上圧延機を抜けた後は、ピンチロール42で巻取張力(バックテンション)を付与する。
ピンチロール42は、上下ロール420a,420bで鋼帯を挟み、鋼帯の通板速度よりも数%〜数十%遅い周速で上下ロールを回転させて、鋼帯に対してロールを滑らせながら送り出すことで、コイラー43に対するバックテンションを加えている。ピンチロール42によるバックテンションが弱いと巻きが緩くなり、バックテンションが強いとピンチロール起因の蛇行が発生し易くなるので、最適なピンチロール42の圧下荷重や回転速度の制御が必要である。特に、鋼帯尾端は、張力や速度、板厚等の変動が大きいため蛇行変化が急激となり、制御応答では反応できない場合も多い。
図13は、鋼帯尾端を巻き取る際に、ピンチロール起因で蛇行が発生した状況を示した模式図であり、このようにピンチロール42で鋼帯が蛇行すると、コイラー43で巻きずれが発生してしまう。
ピンチロール起因の蛇行の主要因としては、バックテンションの摩擦分力である横滑り力と、ピンチロール軸両端の圧下荷重のずれ(差荷重)によるモーメントの2つが挙げられる。これらのピンチロール起因の蛇行のうち、横滑り力によるものを以下に説明する。
ピンチロール42の軸心に対する鋼帯の入射角が真に直角であれば、ピンチロール42のバックテンションによる蛇行は発生しない。しかし、サイドガイド41と鋼帯にはクリアランスがあるため、鋼帯はピンチロール42の軸直角に対して微小な入射角度誤差を持ち得る。また、鋼帯がパスラインのセンターに対して平行であったとしても、ピンチロール42の軸心がラインセンターの直角方向に対して微小な角度誤差を持つ場合もある。機械である以上、微小な角度誤差は避けられない。そして、鋼帯とピンチロール42の僅かな入射角のずれにより、バックテンションである摩擦力のうち、ロール軸方向(スラスト方向)の摩擦分力による横滑り力が発生し、ピンチロール42が起因となって蛇行が発生する。ピンチロール42で発生した蛇行量は、鋼帯の通板によりコイラー43まで到達して同等の巻きずれ量となる。
ピンチロール42の軸心に対する鋼帯の入射角誤差を小さくするには、サイドガイド41をピンチロール42の近傍まで近づけることが有効である。しかし、サイドガイド41は、エントリガイド44などとの干渉を避けるためや、ピンチロール42の入側に搬送ロール47が配置できないことなどのために、その端部をピンチロール42の近傍まで近づけることはできない。また、搬送ロール47もピンチロール42の入側近傍まで配置することが望ましいが、装置干渉などがあるため最下流の搬送ロール47を、ピンチロール42の近傍に配置することができない。エプロンガイド45は、ピンチロール42の入側近傍に搬送ロール47を配置できない代わりに、鋼帯が下方へ潜り込むのを防ぐために設けられるガイドである。
ピンチロール42の軸心に対する鋼帯の入射角誤差が生じるのは、サイドガイド41とピンチロール42の距離だけでなく、サイドガイド41と鋼帯にクリアランスがあるためである。ピンチロール起因の蛇行を防止するには、サイドガイド41で鋼帯を拘束するのが効果的であることは自明である。
サイドガイド41によって鋼帯のエッジ部を強固に拘束すると鋼帯に擦り疵を生じるため、このような擦り疵を生じさせることなく、サイドガイド41で鋼帯のエッジを拘束するには、板幅に応じた正確な位置制御が必要である。しかし、鋼帯尾端では、圧延段階で生じた幅広部(フレアなどと呼ばれる)があるため、正確な板幅追従制御は難しい。
また、鋼帯エッジ部に対しサイドガイド41を押し付ける、いわゆる圧力制御を行う場合、鋼帯が薄くなるほど高精度な押付圧一定制御が必要である。しかし、このような押付圧一定制御では、サイドガイド全長に渡って1枚のガイド板に加わる合力をフィードバックするので、鋼帯長手方向で板幅が均一でない場合などでは、部分的な押付圧過多或いは押付圧過少が生じることは避けられない。
さらに、図14に示すように、サイドガイド41の下部側は、隣接する搬送ロール47間に入り込むような形状(櫛歯状)をしているため、サイドガイド41を鋼帯のエッジに押し付けると、鋼帯のエッジが痛む(所謂、耳が痛む)という問題を生じる。特に、板厚が搬送ロール47の上端とサイドガイド41の下端縁(搬送ロールに沿った円弧状の下端縁)とのクリアランス以下である薄鋼帯の場合、鋼帯のエッジ部に接触するのは、サイドガイド41の全長ではなく櫛歯状の部分のみであり、このように櫛歯状の部分のみで押し付けられると、特に鋼帯のエッジ部が痛みやすい。また、押し付けることによって、サイドガイド41の内側も磨耗しやすく、相手が鋼帯エッジ部であるためにくさび状の局部磨耗となり、最初はサイドガイド41のフラットな面で拘束していたものが、そのような局部的な磨耗によって鋼帯を疵付けることがある。
ピンチロール42で発生した蛇行を修正するため、ピンチロール42とコイラー43との間に蛇行修正ローラなどを設置する方法も検討されているが、コイラー43による鋼帯の巻取径が太くなると鋼帯のパスラインが変わるため、支持ローラなどを設置することが難しく、支持されていない鋼帯にローラを当てて蛇行制御する方法は、制御応答の観点からも限界がある。また、蛇行計などのセンサ信号をフィードバックして、鋼帯を幅方向に制御するような方法は、応答性の問題から実現は難しい。
一方、特許文献1には、ピンチロールの前後位置において、流体噴射ノズルから鋼帯進行方向に向かって斜め下方に流体を噴射することで、鋼帯を押圧するともに進行を促進するようにした技術が示されている。
また、特許文献2には、鋼帯が蛇行することによってサイドガイドに乗り上げてしまうことを防止すること等を目的として、サイドガイドの上部に設けた流体噴射ノズルから、高圧の流体を鋼帯の搬送方向と同じ向きに且つ下向きに噴射し、鋼帯の幅方向エッジ部を押さえつけて浮き上がらないようにする技術が示されている。
特開平4−84621号公報 特開2007−98431号公報
特許文献1,2の技術は、いずれも鋼帯の搬送方向に向かって流体を噴射するものであり、鋼帯先端側の通板性を高める効果はある。しかし、ライン方向に沿って連続的に設けられた流体噴射ノズルから鋼帯の搬送方向に向かって流体を噴射するため、逆に鋼帯の平面度を損なってしまう場合があり、鋼帯の尾端側については蛇行防止に殆ど効果がないだけでなく、逆効果になるおそれもある。
したがって本発明の目的は、比較的簡易な設備構成のもとで、ピンチロール起因の金属帯の蛇行を効果的に抑えることができる金属帯の巻取方法を提供することにある。
本発明者らは、鋼帯尾端のピンチロール起因の蛇行のメカニズムと蛇行防止対策について詳細な検討を行い、その結果、以下のような知見を得た。
まず、ピンチロール起因で蛇行が発生しているときに、ピンチロール入側の鋼帯の変形を強調すると、図15〜図17に示すように、鋼帯が面外変形していることが判った。ここで、図15は従来の鋼帯巻取設備においてピンチロール起因の蛇行が発生しているときのピンチロール入側での鋼帯の面外変形を模式的に示す平面図、図16は同じく正面図、図17は同じく側面図である。この面外変形は、鋼帯が鉛直方向に隆起(浮きシワ)するような変形であるが、ループのような板幅方向で一様な変形ではなく、片側のエッジ部(図15〜図17の場合は進行方向右側のエッジ部)が多く変形するような捻りを含んだ面外変形であり、薄板の横座屈現象であると考えられる。これは、ピンチロール42による摩擦力のロール軸方向分力(スラスト力)、すなわち横滑り力と、鋼帯がサイドガイド端で接触したことによる反力の方向が、板幅方向で逆に作用するために鋼帯に発生した横座屈であると考えられる。
ここで対象としている変形は、板幅方向で一様な変形であるループ、波打ち、アコーディオン、蛇腹などと呼ばれるものとは異なる。上記ループのような変形は、鋼帯尾端が仕上圧延機を抜けたことにより張力が弛緩し、ピンチロールでの通板速度よりも、鋼帯尾端の通板速度の方が速くなり、ピンチロール入側でループとなったものであり、ピンチロールによる横滑り力で発生した横座屈ではない。
サイドガイド41とピンチロール42間で鋼帯に図15〜図17に示すような横座屈が生じると、鋼帯はピンチロール42に対し入射角度を持ってしまい、これにより、さきに述べたような作用によって鋼帯の蛇行が生じるものと考えられる。そこで、そのような横座屈を抑制することにより蛇行を防止するという着想のもとに、さらに検討を進めた結果、搬送ロール(好ましくは、サイドガイドの最下流端近傍の搬送ロール)の上方に噴射ノズルを配置し、この噴射ノズルから搬送ロールのロール軸線に向けて流体を噴射し、この流体噴流の圧力で金属帯の面外変形を抑えることにより、上記のような横座屈を抑制でき、その結果、鋼帯の蛇行が効果的に抑制できることが判った。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]搬送ロール群で搬送された金属帯をピンチロールを経てコイラーに巻き取る方法であって、少なくとも1つの搬送ロールの上方に配置された噴射ノズルから、当該搬送ロールのロール軸線を通る鉛直面と流体噴流の中心線とがほぼ一致するようにして、通板する金属帯の上面に向けて流体を噴射し、該流体噴流の圧力で金属帯の面外変形を抑えることを特徴とする金属帯の巻取方法。
[2]上記[1]の巻取方法において、流体噴流の中心線が鉛直線に対してなす角度αが45°以下であることを特徴とする金属帯の巻取方法。
[3]上記[1]または[2]の巻取方法において、ピンチロールの上流側にサイドガイドを備えた巻取設備で金属帯を巻き取る際に、前記サイドガイドのうちで金属帯を拘束することができる最下流側の位置をa、該位置aとピンチロール圧下点との中間点の位置をb、前記位置aと前記位置bまでの距離をL、前記位置aからライン上流側に距離Lだけ離れたサイドガイド内の位置をcとしたとき、前記位置cと前記位置bとの間にある少なくとも1つの搬送ロールの上方に配置された噴射ノズルから通板する金属帯の上面に向けて流体を噴射することを特徴とする金属帯の巻取方法。
[4]上記[3]の巻取方法において、位置aよりも上流側1本目の搬送ロール、位置aよりも下流側1本目の搬送ロール、位置aよりも下流側2本目の搬送ロール、の中から選ばれる少なくとも1つの搬送ロールの上方に配置された噴射ノズルから通板する金属帯の上面に向けて流体を噴射することを特徴とする金属帯の巻取方法。
[5]上記[3]の巻取方法において、位置aに最も近い搬送ロールの上方に配置された噴射ノズルから通板する金属帯の上面に向けて流体を噴射することを特徴とする金属帯の巻取方法。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの巻取方法において、金属帯のパスライン位置におけるパスライン方向での流体噴流幅が、搬送ロールの直径の1/2以下であることを特徴とする金属帯の巻取方法。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかの巻取方法において、流体噴流による金属帯押し付け力が、ピンチロール圧下力の1/5以下であることを特徴とする金属帯の巻取方法。
本発明によれば、搬送ロールの上方に噴射ノズルを配置し、この噴射ノズルから搬送ロールのロール軸線に向けて流体を噴射するという比較的簡易な設備構成のもとで、ピンチロール起因の金属帯の蛇行を効果的に抑えることができ、コイラーでの金属帯の巻きずれを防止することができる。このため、特にピンチロール起因の蛇行を生じやすい板厚が3mm以下の金属帯、とりわけ蛇行が顕著な板厚が2mm以下の金属帯を対象とする巻取方法として好適である。
本発明の巻取方法およびその実施に供される設備の一実施形態を示す側面図 図1の実施形態における噴射ノズル配置部の平面図 図1の実施形態における噴射ノズル配置部の正面図 図3のIV−IV線に沿う矢視図 本発明の巻取方法における噴射ノズルからの流体噴流の傾き・位置ズレに関する説明図 本発明における噴射ノズルの他の配置例を示す噴射ノズル配置部の正面図 金属帯のパスライン位置における流体噴流幅の好適範囲を示す説明図 本発明の巻取方法およびその実施に供される設備の他の実施形態を示す平面図 図8の実施形態におけるサイドガイド、ピンチロールおよび噴射ノズルなどを示す側面図 図9のX−X線に沿う矢視図 従来の一般的な鋼帯巻取設備を示す平面図 図11の鋼帯巻取設備の側面図 図11の鋼帯巻取設備において鋼帯尾端を巻き取る際に、ピンチロール起因で蛇行が発生した状況を示す模式図 図11の鋼帯巻取設備におけるサイドガイドの側面図 従来の鋼帯巻取設備においてピンチロール起因の蛇行が発生しているときのピンチロール入側での鋼帯の面外変形を模式的に示す平面図 図15の鋼帯の変形を模式的に示す正面図 図15の鋼帯の変形を模式的に示す側面図
本発明の巻取方法において、ピンチロールとは、金属帯を拘束する上下ロール(上下ロールとも駆動型ロール)からなり、金属帯のパスラインを斜め下方に導くとともに、金属帯に巻取張力を付与するためのロールを指す。
図1〜図4は、本発明の巻取方法およびその実施に供される設備の一実施形態を示すものであり、図1は設備の側面図、図2は噴射ノズル配置部の平面図、図2は同じく正面図、図4は図3のIV−IV線に沿う矢視図である。
図において、1は金属帯の搬送ロール装置(ローラテーブル)であり、多数の搬送ロール5(搬送ロール群)からなる。この搬送ロール5は、一般に駆動ロールである。2はこの搬送ロール装置1の上に設けられるサイドガイド、3はこのサイドガイド2の下流側に設けられるピンチロールであり、このピンチロール3は上下ロール30a,30bからなる。4はこのピンチロール3の下流側に設けられるコイラーである。また、9は搬送ロール装置1とピンチロール3の間に設けられるエプロンガイドである。以上の設備構成は、図11および図12に示した従来の巻取設備と同様である。
本発明では、搬送ロール装置1を構成する少なくとも1つの搬送ロール5の上方に噴射ノズル7を配置し、この噴射ノズル7から通板する金属帯Sの上面に向けて流体を噴射し、この流体噴流8の圧力で金属帯Sを搬送ロール5に押しつけ、金属帯Sの面外変形を抑えるものである。
噴射ノズル7から噴射する流体としては、気体(空気など)、液体(水など)、気液混合体のいずれでもよい。
本実施形態では、サイドガイド2とピンチロール3との間の搬送ロール5の真上に、1対の噴射ノズル7,7がパスライン中心Pcに対して対称に配置されている。この噴射ノズル7,7から、搬送ロール5のロール軸線Rcを通る鉛直面Vpと流体噴流8の中心線Fcとがほぼ一致するようにして、通板する金属帯Sの上面に向けて流体が噴射され、この流体噴流8の圧力で金属帯Sの面外変形が抑えられる。
なお、噴射ノズル7は、適宜な構造物や部材などに支持させることができ、例えば、サイドガイド2に取り付け或いは埋設した構造とすることも可能である。
流体噴流8の圧力で金属帯Sを搬送ロール5に押し付け、金属帯Sの面外変形を適切に抑えるためには、流体噴流8の中心線Fcは、搬送ロール5のロール軸線Rcを通る鉛直面Vpと一致することが好ましいが、上記のような流体噴流8による作用(金属帯Sを搬送ロール5に押し付けて面外変形を抑える作用)が本質的に損なわれることがなければ、少しの傾きや位置ズレは許容される。例えば、図5(イ)に示すように、流体噴流8の中心線Fcが鉛直面Vpに対して傾きを有する場合、その傾き角度θが5°以下であれば、また図5(ロ)に示すように、流体噴流8の中心線Fcが鉛直面Vpに位置ズレを生じている場合、その間隔gが搬送ロール5の直径の5%以下であれば、上記のような流体噴流8による作用が本質的に損なわれることがないと考えられるので、そのような少しの傾きや位置ズレは許容される。勿論、図5(イ)、(ロ)に示すような傾きと位置ズレの両方を同時に生じていてもよい。したがって、本発明において、搬送ロール5のロール軸線Rcを通る鉛直面Vpと流体噴流8の中心線Fcとが「ほぼ一致する」とは、以上のような意味に理解されるものとする。なお、上記のような観点から、より好ましい傾き角度θは3°以下、より好ましい間隔gは搬送ロール5の直径の3%以下である。
本実施形態では、1対の噴射ノズル7,7からの流体噴流8の中心線Fcは、図3に示すように、鉛直線に対してパスライン中心側に傾きを有している。ここで、流体噴流8の中心線Fcが鉛直線に対してなす角度αは45°以下、より好ましくは30°以下であることが望ましい。この角度αが大きくなると、金属帯Sに浮力を生じさせてしまい、却って面外変化を助長させるおそれがある。また、角度αが大きくなると金属帯Sを押さえつける力が小さくなる一方で、不要に金属帯をサイドガイドに押し付けることになり、エッジを傷つけてしまう。
1つの搬送ロール5に対する噴射ノズル7の設置数は任意であり、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
また、噴射ノズル7からの流体噴流8の中心線Fcは、図6(イ)に示すようにパスライン幅方向の外側に傾きを有していてもよいし、図6(ロ)に示すように鉛直であってもよい。また、噴射ノズル7を1つだけ設置する場合には、パスライン幅方向中央の真上に噴射ノズル7を配置し、この噴射ノズル7からの流体噴流8の中心線Fcが鉛直となるようにするのが好ましい。なお、流体噴流8の中心線Fcが図6(イ)のような傾きを有する場合も、流体噴流8の中心線Fcが鉛直線に対してなす角度αは45°以下、より好ましくは30°以下であることが望ましい。
噴射ノズル7は、複数の搬送ロール5に対して設けることができる。
また、金属帯Sのパスライン位置におけるパスライン方向(通板方向)での流体噴流幅が広すぎると、流体噴流8によって金属帯Sがパスラインよりも下方に押し込まれ、逆に平面度が低下してしまうおそれがある。このため金属帯Sのパスライン位置におけるパスライン方向での流体噴流幅は、図7に示すように搬送ロール5の直径の1/2以下であることが好ましい。ここで、流体噴流幅とは、図7に示すように、流体噴流8のパスライン方向の圧力分布を正規分布としたときの、中心から標準偏差±σ分の範囲を指す。
本発明では、流体噴流8により金属帯Sを搬送ロール5に対して押し付け、面外変形を抑えるだけでよいため、流体噴流8による金属帯押し付け力は、ピンチロール圧下力の1/5以下(より好ましくは1/10以下)程度でよい。一方、流体噴流8による金属帯押し付け力が大き過ぎると、複数の噴射ノズルからのアンバランスな流体噴射により、逆に蛇行を生じるおそれが出てくる。
次に、本発明のより好ましい実施形態を説明する。
図8〜図10は、本発明の巻取方法およびその実施に供される設備の他の実施形態を示すものであり、図8は平面図、図9はサイドガイド、ピンチロールおよび噴射ノズルなどを示す側面図、図10は図9のX−X線に沿う矢視図である。
サイドガイドとしては、例えば、(1)ガイドプレートで金属帯をガイドするもの、(2)長手方向で間隔をおいた位置に、金属帯ガイド用の回転自在なガイドロール(竪ロール、ディスクロールなど)を備えたもの、などがあるが、いずれの構造を有するものでもよい。本実施形態のサイドガイド2は、その長手方向で間隔をおいた複数箇所に金属帯ガイド用のガイドロール6を備えており、これらガイドロール6で金属帯Sをガイドする。ガイドロール6は竪型ロールやディスクロールなどで構成され、サイドガイド本体に回転自在に保持されている。各ガイドロール6は、その周方向の一部がサイドガイド本体内側に所定長さだけ突き出し、この突出した部分に金属帯Sのエッジ部が接触することにより、金属帯Sがガイドされる。
ここで、サイドガイド2のうちで金属帯Sを拘束することができる最下流側の位置をaとする。本実施形態のサイドガイド2はガイドロール6で金属帯Sを拘束するものであるため、最下流側のガイドロール6Eの中心位置が位置aである。また、この位置aとピンチロール圧下点との中間点の位置をb、位置aと位置bまでの距離をL、前記位置aからライン上流側に距離Lだけ離れたサイドガイド内の位置をcとする。
本発明者らの知見によると、前記位置cと前記位置bとの間の領域が、最も面外変形が発生しやすい領域(面外変形の起点となる領域)であり、このため本実施形態ででは、前記位置cと前記位置bとの間にある少なくとも1つの搬送ロール5の上方に、噴射ノズル7(7,7)を設置し、この噴射ノズル7(7,7)から、さきに述べたような形態(例えば、図2〜図7の形態)で通板する金属帯Sの上面に向けて流体を噴射する。
このような条件を満足すれば、噴射ノズル7(7,7)は、2つ以上の搬送ロール5に対して設けてもよい。
また、噴射ノズル7(7,7)を設けるのに特に効果的な搬送ロール5は、位置aよりも上流側1本目の搬送ロール5R、位置aよりも下流側1本目の搬送ロール5S、位置aよりも下流側2本目の搬送ロール5Tであり、したがって、これらの中から選ばれる1つ以上の搬送ロール5の上方に噴射ノズル7(7,7)を配置し、この噴射ノズル7(7,7)から通板する金属帯Sの上面に向けて流体を噴射することが好ましい。また、金属帯Sの面外変形の起点に最もなりやすい地点は位置aであることから、位置aに最も近い搬送ロール5の上方に噴射ノズル7(7,7)を配置し、この噴射ノズル7(7,7)から通板する金属帯Sの上面に向けて流体を噴射することが最も好ましい。これにより、金属帯Sの面外変形を特に効果的に抑えることができる。
また、サイドガイド2はガイドロールを備えず、ガイドプレート(サイドガイド本体)で金属帯Sをガイドするタイプのものでもよく、このようなサイドガイド2の場合には、ガイドプレートに金属帯Sのエッジ部が接触することにより、金属帯Sがガイドされる。したがって、このタイプのサイドガイド2の場合には、ガイドプレート(サイドガイド本体)の最下流端(終端)が位置aとなる。
1 搬送ロール装置
2 サイドガイド
3 ピンチロール
4 コイラー
5,5,5,5 搬送ロール
6,6 ガイドロール
7,7,7 噴射ノズル
8 流体噴流
9 エプロンガイド
30a 上ロール
30b 下ロール
Pc パスライン中心
Fc 流体噴流の中心線
Rc 搬送ロールのロール軸線
Vp 搬送ロールのロール軸線を通る鉛直面
a,b,c 位置

Claims (7)

  1. 搬送ロール群で搬送された金属帯をピンチロールを経てコイラーに巻き取る方法であって、
    少なくとも1つの搬送ロールの上方に配置された噴射ノズルから、当該搬送ロールのロール軸線を通る鉛直面と流体噴流の中心線とがほぼ一致するようにして、通板する金属帯の上面に向けて流体を噴射し、該流体噴流の圧力で金属帯の面外変形を抑えることを特徴とする金属帯の巻取方法。
  2. 流体噴流の中心線が鉛直線に対してなす角度αが45°以下であることを特徴とする請求項1に記載の金属帯の巻取方法。
  3. ピンチロールの上流側にサイドガイドを備えた巻取設備で金属帯を巻き取る際に、
    前記サイドガイドのうちで金属帯を拘束することができる最下流側の位置をa、該位置aとピンチロール圧下点との中間点の位置をb、前記位置aと前記位置bまでの距離をL、前記位置aからライン上流側に距離Lだけ離れたサイドガイド内の位置をcとしたとき、
    前記位置cと前記位置bとの間にある少なくとも1つの搬送ロールの上方に配置された噴射ノズルから通板する金属帯の上面に向けて流体を噴射することを特徴とする請求項1または2に記載の金属帯の巻取方法。
  4. 位置aよりも上流側1本目の搬送ロール、位置aよりも下流側1本目の搬送ロール、位置aよりも下流側2本目の搬送ロール、の中から選ばれる少なくとも1つの搬送ロールの上方に配置された噴射ノズルから通板する金属帯の上面に向けて流体を噴射することを特徴とする請求項3に記載の金属帯の巻取方法。
  5. 位置aに最も近い搬送ロールの上方に配置された噴射ノズルから通板する金属帯の上面に向けて流体を噴射することを特徴とする請求項3に記載の金属帯の巻取方法。
  6. 金属帯のパスライン位置におけるパスライン方向での流体噴流幅が、搬送ロールの直径の1/2以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の金属帯の巻取方法。
  7. 流体噴流による金属帯押し付け力が、ピンチロール圧下力の1/5以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の金属帯の巻取方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013240829A (ja) * 2012-04-27 2013-12-05 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 熱間圧延ラインの通板ガイド装置

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