JP2010239808A - 両面式トレイ電路 - Google Patents
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Abstract
【課題】
船舶のブロック反転時の先行電線布設を容易にすることができ、電線を引き込むときの電線と電路との摩擦が小さくなり、電線布設の作業時間が軽減可能となり、かつ、ブロック正転時の電線の整線作業が不要である電線布設に利用される電路を提供する。
【解決手段】
両面式トレイ電路において、所定の長方形状で幅方向両側に側板を有する断面H形状の船舶電線布設用電路であって、同電路には一列当り複数個の所定長所定幅の長方形形状の電線固縛用穴からなる電線固縛用穴列を複数列設け、該電線固縛用穴列の近傍には電線固縛用ベルトで電線を固縛する際に、同電路と電線の間に所定の間隙を保つ電線固縛用凸部をそれぞれの電線固縛用穴列の両側に設け、前記電線固縛用穴列は、同電路の上面および下面の両面に交互に突出するように設けた。
【選択図】 図1
船舶のブロック反転時の先行電線布設を容易にすることができ、電線を引き込むときの電線と電路との摩擦が小さくなり、電線布設の作業時間が軽減可能となり、かつ、ブロック正転時の電線の整線作業が不要である電線布設に利用される電路を提供する。
【解決手段】
両面式トレイ電路において、所定の長方形状で幅方向両側に側板を有する断面H形状の船舶電線布設用電路であって、同電路には一列当り複数個の所定長所定幅の長方形形状の電線固縛用穴からなる電線固縛用穴列を複数列設け、該電線固縛用穴列の近傍には電線固縛用ベルトで電線を固縛する際に、同電路と電線の間に所定の間隙を保つ電線固縛用凸部をそれぞれの電線固縛用穴列の両側に設け、前記電線固縛用穴列は、同電路の上面および下面の両面に交互に突出するように設けた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、船舶の電線布設に利用される電路に関する。
船舶の船内電線は、一般的に通路の天井部等の高所に電線布設されており、従来、この種の電線布設を行うにあたってはすべて人手により、作業者が上向きの作業で行われなければならなかった。また、同一目線で作業を行おうとする場合には脚立等などが用いられていた。しかし、上記のように上向き作業では作業者に多大な負担がかかり、また脚立などを用いるときは作業範囲が限定されるので、これを解消するため、作業区域を複数のブロック状に形成し、各ブロックに電路電線布設を行った後、各ブロックを反転させて、船内電線布設が完了するように、各ブロックを反転した状態で電線布設を行い、電線布設後に正転電路を逆さまにして下向きに取付け作業を行う艤装方法(先行艤装方法)が採用されてきた。
この種の船舶のブロック反転により電線布設に対応した技術としては、例えば、特開2003−143729号公報(発明名称:電線布設用電路)に開示のものがある。
図3は、当該特開2003−143729号公報に開示の電線布設用電路を使用して電線布設をしたときの斜視図である。図3において、符号101は、親桁、102は、子桁、103は、電路取付足、104aは、下側の電線、104bは、上側の電線、105は、固縛用バンド、106は、両面式梯子型電路であり、船内の電線布設用電路が電路取付足103でつり下げられるように船体の天井面に固定され、子桁102の上側の電線104bと下側の電線104aが布設され、固縛用バンド105により電路に固縛されているものである(同公報明細書段落番号0026参照)。
図3は、当該特開2003−143729号公報に開示の電線布設用電路を使用して電線布設をしたときの斜視図である。図3において、符号101は、親桁、102は、子桁、103は、電路取付足、104aは、下側の電線、104bは、上側の電線、105は、固縛用バンド、106は、両面式梯子型電路であり、船内の電線布設用電路が電路取付足103でつり下げられるように船体の天井面に固定され、子桁102の上側の電線104bと下側の電線104aが布設され、固縛用バンド105により電路に固縛されているものである(同公報明細書段落番号0026参照)。
すなわち、図3に示されるように、特開2003−143729号公報に開示の電線布設用電路は、両面式梯子型電路106を用い、下側の電線104aを布設すると共に、上側の電線104bを布設し、上下の電線104a、104bが布設された後に、上側の電線104bが布設されたブロックを反転させて、両面式梯子型電路106上に上下に電線布設を行なっていた。
しかしながら、使用される電路106は、梯子型であり電線104a、104bが各子桁102に引っ掛かり、また、電路106から下側の電線104bが脱落した場合、電線104a、104bが下方に垂れ下がり、子桁102と子桁102の間に垂れている電線104bを引っ張って、電線104bを弛みなく張る電線張込み作業においては、電線104a、104bと電路106との摩擦が大きくなり、作業に大きな力が必要で電線布設作業が困難となり、電線布設作業に時間が掛かるという問題があった。
また、梯子型の電路106を使用するので、電線104a、104bが子桁102と子桁102の間から見えるため、ブロック正転時に電線布設作業の仕上がり見映えを良くするために、電線104a、104bの表面に現れる部分を平行に整える等の整線作業を行わなければならなかった。
本発明は、船舶のブロック反転時の先行電線布設を容易にすることができ、電線を引き込むときの電線と電路との摩擦が小さくなり、電線布設の作業時間が軽減可能となり、かつ、ブロック正転時の電線の整線作業が不要であり、電線の損傷を防止する電線布設に利用される電路を提供することを目的とする。
両面式トレイ電路において、所定の長方形状で幅方向両側に側板を有する断面H形状の船舶電線布設用電路であって、同電路には一列当り複数個の所定寸法の長方形形状の電線固縛用穴からなる電線固縛用穴列を複数列設け、該電線固縛用穴列の近傍には電線固縛用ベルトで電線を固縛する際に、同電路と電線の間に所定の間隙を保つ電線固縛用凸部をそれぞれの電線固縛用穴列の両側に設け、前記電線固縛用穴列は、同電路の上面および下面の両面に交互に突出するように設けたことを特徴とする。
本発明は、上述のとおり構成されているので、次の効果を奏する。
両面式トレイ電路であるため、電線が引っ掛かることがなく、また、電路から電線が脱落することが無いため、船舶のブロック反転時の先行電線布設を容易とすることができ、かつ、該電線固縛用凸部を設けているため電線と電路との間に少し隙間ができ、従来技術の両面式梯子型電路および該電線固縛用凸部を設けていない場合のトレイ電路と比較して、電線と電路との摩擦が小さくなり電線を引き込むときに必要な力が小さくなるため、電線布設作業の時間軽減及び電線の損傷防止という効果を有する。また、ブロック正転時に電線が見えないため、上面側の電線の整線作業が不要という効果を有する。
両面式トレイ電路であるため、電線が引っ掛かることがなく、また、電路から電線が脱落することが無いため、船舶のブロック反転時の先行電線布設を容易とすることができ、かつ、該電線固縛用凸部を設けているため電線と電路との間に少し隙間ができ、従来技術の両面式梯子型電路および該電線固縛用凸部を設けていない場合のトレイ電路と比較して、電線と電路との摩擦が小さくなり電線を引き込むときに必要な力が小さくなるため、電線布設作業の時間軽減及び電線の損傷防止という効果を有する。また、ブロック正転時に電線が見えないため、上面側の電線の整線作業が不要という効果を有する。
本発明に係る両面式トレイ電路を実施するための最良の形態の一実施例を図面に基づき詳細に説明する。
図1、図2は、本発明に係る両面式トレイ電路を実施するための最良の形態の一実施例である両面式トレイ電路の実施例1を示す図であり、そのうち、図1は、実施例1に係る両面式トレイ電路1の概略を示す図であり、図1(A)は、同上面図、図1(B)は、同図1(A)のA−A断面図、図1(C)は、同下面図であり、図2は、本実施例1に係る両面式トレイ電路1を用いて電線布設を行った状態を示す概略斜視図である。
図1において、符号1は、本実施例1に係る両面式トレイ電路、2は、電線固縛用穴、2aは、一列当り複数個の所定寸法の長方形形状の電線固縛用穴からなる電線固縛用穴列、3は、電線固縛用凸部、4は、ブロック取付用穴、5は、側板、6は、ブロック取付用足、7は、固縛用ベルト、8は、ベルトバックル、9は、固縛用板である。
図1に示すように、本実施例1に係る両面式トレイ電路1は、幅およそ30cm、長さおよそ90cm程度の長方形状で幅方向両側に側板5を有する断面H形状を有する。また、本実施例1に係る両面式トレイ電路1には、一列当り複数個の所定寸法の長方形形状の電線固縛用穴2を幅方向に複数個を設け、さらに、当該一列当り複数個の電線固縛用穴2を長さ方向に列状に配置した電線固縛用穴列2aを複数列設けたものである。そして、当該電線固縛用穴列2aの近傍には固縛用ベルト7で固縛したときに電線104a、104bと当該電路1とを固縛するための電線固縛用凸部3をそれぞれ前記電線固縛用穴列2に添って固縛用板9の両側に設けたものである。また、該電線固縛用凸部3は、トレイ電路1の上面および下面の両面に交互に突出する凸部3とするものである。
この電線固縛用凸部3の形状は、本実施例1に係る両面式トレイ電路1では、図1に示すように、当該面で突出し、反対面では凹部を形成する断面半円状の凸部としたが、この形状に限られない。また、反対面に凹部を形成しない凸部であっても良い。
さらに、本実施例1に係る両面式トレイ電路1では、前記側板5に該両面式トレイ電路1を船舶のブロックへ取付けるためのブロック取付用足用穴4を設ける。
本実施例1に係る両面式トレイ電路1では、前記電線固縛用穴2は、例えば、一列に7個の電線固縛用穴2を設けたが、これは一列に7個に限らない。10個以上の電線固縛用穴2を設けても良いものである。
さらに、本実施例1に係る両面式トレイ電路1では、前記側板5に該両面式トレイ電路1を船舶のブロックへ取付けるためのブロック取付用足用穴4を設ける。
本実施例1に係る両面式トレイ電路1では、前記電線固縛用穴2は、例えば、一列に7個の電線固縛用穴2を設けたが、これは一列に7個に限らない。10個以上の電線固縛用穴2を設けても良いものである。
すなわち、本実施例1に係る両面式トレイ電路1は、船舶の電線布設電路を所定の長方形の両幅に所定幅の側板5を設けたトレイ形状とし、かつ、トレイ電路1には一列当り複数個の所定長所定幅の長方形形状の電線固縛用穴2からなる電線固縛用穴列2aを複数列設け、該電線固縛用穴列2aの近傍には固縛用ベルト7で固縛したときに、電線104a、104bを当該電路1とを固縛する際に、両者の間に所定の間隙を保つための電線固縛用凸部3をそれぞれの電線固縛用穴列を両側に設けるようにしたものである。また、前記電線固縛用穴列2aは、トレイ電路1の上面および下面の両面に交互に設けるようにしたものである。
図2は、上述のように、本実施例1に係る両面式トレイ電路1を用いて電線布設を行った状態を示すものである。図2に示すように、まず、本実施例1に係る両面式トレイ電路1は、作業ブロック毎に前記ブロック取付用足6を介して取り付けられている。そこで、下側の電線104aを本実施例1に係る両面式トレイ電路1の上(図2では下側の面)に載置する。載置された電線104aは、前記電線固縛用凸部3の上に凸部3に直交して載置される。そこで、固縛用ベルト7で下側の電線104aの束を抱え込み、電線束の太さ幅に対応する位置の前記電線固縛用穴2から前記ベルト7の端部を本実施例1に係る両面式トレイ電路1の裏面(ここでは「上面」)まで挿通し、前記ベルトバックル8で固定する。
しかる後、本実施例1に係る両面式トレイ電路1が配置されたブロック毎に反転され、すなわち、図2に示す状態まで反転される。この状態で、さらに、上側の電線104bを載置する。載置された電線104bは、前記電線固縛用凸部3の上に固縛用板9に直交して載置される。そこで、固縛用ベルト7で下側の電線104bの束を抱え込み、電線束の太さ幅に対応する位置の前記電線固縛用穴2から前記ベルト7の端部を本実施例1に係る両面式トレイ電路1の表面(ここでは「下面」)まで挿通し、前記ベルトバックル8(図2では不図示)で固定する。
このように、本実施例1に係る両面式トレイ電路1では、電線固縛用凸部3を設け、その上に電線104a、104bを載置するようにしたので、電線104a、104bと電路1との間に少し隙間ができ、従来の特開2003−143729号公報に開示の両面式梯子型電路106や、このような凸部を設けていない電路と比較して、電線104a、104bの固縛が容易となり、また、電線104a、104bを引き込む際に、電線104a、104bと電路1との摩擦が小さくなり、必要な力を少なくすることができる。
また、該電線固縛用穴列2aをトレイ電路1の長さ方向に150mmピッチで上面と下面で交互に設置するようにしたので、どのような太さの電線束に対しても、その太さはばに対応する電線固縛が可能となり、また、電線固縛に際して、前記電線固縛用凸部3と電線104a、104bとの間の隙間があるので、電線固縛作業、特に、固縛用ベルト7を電線束に巻き付け、前記電線固縛用穴2に挿通する際の作業性が格段に優れることとなる。さらに、電線の損傷を防止することができる。
本発明は、船舶建造の際の電線布設に利用される。
1 両面式トレイ電路
2 電線固縛用穴
2a 電線固縛用穴列
3 電線固縛用凸部
4 ブロック取付用足用穴
5 側板
6 ブロック取付用足
7 固縛用ベルト
8 ベルトバックル
9 固縛用板
101 親桁
102 子桁
103 電路取付足
104a 下側の電線
104b 上側の電線
105 固縛用バンド
106 両面式梯子型電路
2 電線固縛用穴
2a 電線固縛用穴列
3 電線固縛用凸部
4 ブロック取付用足用穴
5 側板
6 ブロック取付用足
7 固縛用ベルト
8 ベルトバックル
9 固縛用板
101 親桁
102 子桁
103 電路取付足
104a 下側の電線
104b 上側の電線
105 固縛用バンド
106 両面式梯子型電路
Claims (1)
- 所定の長方形状で幅方向両側に側板を有する断面H形状の船舶電線布設用電路であって、同電路には一列当り複数個の所定寸法の長方形形状の電線固縛用穴からなる電線固縛用穴列を複数列設け、該電線固縛用穴列の近傍には電線固縛用ベルトで電線を固縛する際に、同電路と電線の間に所定の間隙を保つ電線固縛用凸部をそれぞれの電線固縛用穴列の両側に設け、前記電線固縛用穴列は、同電路の上面および下面の両面に交互に突出するように設けたことを特徴とする両面式トレイ電路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009086299A JP2010239808A (ja) | 2009-03-31 | 2009-03-31 | 両面式トレイ電路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009086299A JP2010239808A (ja) | 2009-03-31 | 2009-03-31 | 両面式トレイ電路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010239808A true JP2010239808A (ja) | 2010-10-21 |
Family
ID=43093648
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009086299A Pending JP2010239808A (ja) | 2009-03-31 | 2009-03-31 | 両面式トレイ電路 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010239808A (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3022972A (en) * | 1959-07-21 | 1962-02-27 | Burndy Corp | Supporting trough |
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JP2003143729A (ja) * | 2001-11-06 | 2003-05-16 | Uzushio Electric Co Ltd | 電線布設用電路 |
-
2009
- 2009-03-31 JP JP2009086299A patent/JP2010239808A/ja active Pending
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