JP2010238636A - 電池電極及び電池電極の製造方法 - Google Patents

電池電極及び電池電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より高い容量維持率を実現することができる電極構造の製造方法、及び該方法で製造される電極構造、並びに、該電極構造を備えた金属空気電池を提供する。
【解決手段】多孔質セパレーターと電池電極とを備える電極構造の製造方法であって、多孔質セパレーターの開口径よりも大きな粒径を有する第1の電極材料、及び、多孔質セパレーターの開口径よりも小さな粒径を有する第2の電極材料を含む電極形成用組成物を調整する組成物調整工程と、電極形成用組成物を多孔質セパレーター上に塗布して電池電極を形成する電極形成工程と、を有する電極構造の製造方法、該方法によって得られる電極構造、並びに、該電極構造を備える金属空気電池とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池電極及び電池電極の製造方法に関する。
近年、地球環境保護の観点から、低公害車としての電気自動車やハイブリッド自動車等に適用するべく、高出力かつ高容量な高性能電源が必要とされている。また、自動車等以外の分野においても、情報関連機器や通信機器等のモバイルツールの世界的な普及によって、当該モバイルツールを高性能化可能な二次電池が必要とされている。
二次電池の中には、酸素を正極活物質とする空気電池がある。空気電池は、放電時に酸素を含む空気を外部から取り込んで用いる。そのため、正極および負極の活物質を電池内に有する一般的な電池に比べて、電池容器内に占める負極活物質の割合を大きくすることが可能である。したがって、原理的に放電できる電気容量が大きく、小型化や軽量化が容易である。また、正極活物質として用いる酸素の酸化力は強力であるため、電池起電力が比較的高い。さらに、酸素は資源的な制約がなくクリーンな材料であるという特徴も有するため、空気電池は環境負荷が小さい。
しかしながら、空気電池にはまだ様々な課題が残されており、改善の余地がある。例えば、特許文献1には、高容量化を図るために、直径1nm以上の細孔の占める細孔容積が1.0ml/g以上の炭素質物を主体とする正極と、金属イオンを吸蔵・放出する負極活物質を具備する負極と、正極および負極に挟まれた非水電界質層とを具備する金属空気電池に関する技術が開示されている。
特開2002−15737号公報
特許文献1に開示されている金属空気電池では、高容量化が可能であるとしているが、二次電池では充放電を繰り返した際にその放電容量を維持できること(以下、「充放電を繰り返した後の放電容量/最初に充電したときの放電容量」を、「容量維持率」という。)が重要であり、より高い容量維持率が求められていた。
そこで本発明は、より高い容量維持率を実現することができる電極構造の製造方法、及び該方法で製造される電極構造、並びに、該電極構造を備える金属空気電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成をとる。すなわち、
第1の本発明は、多孔質セパレーターと電池電極とを備える電極構造の製造方法であって、多孔質セパレーターの開口径よりも小さな粒径を有する第1の電極材料、及び、多孔質セパレーターの開口径よりも大きな粒径を有する第2の電極材料を含む電極形成用組成物を調整する組成物調整工程と、電極形成用組成物をセパレーター上に塗布して電池電極を形成する電極形成工程と、を有する、電極構造の製造方法である。
本発明において「多孔質セパレーターの開口径よりも小さな粒径を有する第1の電極材料」とは、多孔質セパレーターに備えられる孔に浸透できる程度の粒径の粒子が第1の電極材料に含まれていることを意味する。また、「多孔質セパレーターの開口径よりも大きな粒径を有する第2の電極材料」とは、多孔質セパレーターに備えられる孔に浸透できない程度の粒径の粒子が第2の電極材料に含まれていることを意味する。
上記第1の本発明の電極構造の製造方法において、第1の電極材料が導電性材料を含み、第2の電極材料が触媒を含むことが好ましい。
上記第1の本発明の電極構造の製造方法は、金属空気電池用の電極構造の製造方法とすることができる。
第2の本発明は、多孔質セパレーターと、多孔質セパレーターの空隙内部に形成され、セパレーターの開口径よりも小さな粒径を有する第1の電極材料を含有する内部電極層と、内部電極層上に形成され、多孔質セパレーターの開口径よりも大きな粒径を有する第2の電極材料を含有する外部電極層と、を有する電極構造である。
上記第2の本発明の電極構造において、第1の電極材料が導電性材料を含み、第2の電極材料が触媒を含むことが好ましい。
上記第2の本発明の電極構造において、多孔質セパレーターを不織布またはガラスフィルターとすることができる。
上記第2の本発明の電極構造は、金属空気電池用の電極構造とすることができる。
第3の本発明は、上記第2の本発明の電極構造を備えた金属空気電池である。
本発明によれば、高い容量維持率を実現できる電極構造の製造方法、該方法によって得られる電極構造、及び該電極構造を備えた金属空気電池を提供することができる。
本発明の電極構造の製造方法の製造過程の一例を概略的に示す断面図である。 本発明の金属空気電池の一例を概略的に示す断面図である。 容量維持率の計測結果を示すグラフである。 容量維持率の計測結果を示すグラフである。
以下、本発明の電極構造の製造方法、該方法によって製造される電極構造、及び該電極構造を備える金属空気電池について詳細に説明する。
A.電極構造の製造方法
まず、本発明の電極構造の製造方法について説明する。本発明の電極構造の製造方法は、多孔質セパレーターの開口径よりも小さな粒径を有する第1の電極材料、及び、多孔質セパレーターの開口径よりも大きな粒径を有する第2の電極材料を含む電極形成用組成物を調整する組成物調整工程と、電極形成用組成物を多孔質セパレーター上に塗布して電池電極を形成する電極形成工程と、を有する。
図1は、本発明の電極構造の製造方法の製造過程の一例を概略的に示す断面図である。図1に示される電極構造の製造方法においては、まず、図1(a)に示すようにまず、多孔質セパレーターの開口径よりも小さな粒径を有する第1の電極材料11と、多孔質セパレーターの開口径よりも大きな粒径を有する第2の電極材料12と、溶媒に分散・溶解した結着材13とを含有する電極層形成用組成物14を調製する。次に、図1(b)に示すように、セパレーター3の表面上に、電極層形成用組成物14を塗布し、セパレーター3と、セパレーター3の空隙内部に形成され、第1の電極材料11および結着材(図示せず)を含有する内部電極層15と、内部電極層15上に形成され、第2の電極材料12および結着材13を含有する外部電極層16と、を有する電極構造1を得ることができる。
以下、本発明の電池電極の製造方法について工程ごとに説明する。
1.組成物調製工程
本発明における組成物調製工程は、セパレーターの開口径よりも小さな粒径を有する第1の電極材料、および、セパレーターの開口径よりも大きな粒径を有する第2の電極材料を含有する電極層形成用組成物を調製する工程である。電極層形成用組成物は、電極材料等を混合することにより得ることができる。
(1)電極層形成用組成物
上記のように、本発明における電極層形成用組成物は、少なくとも第1の電極材料および第2の電極材料を含有する。なお、本発明においては、第1の電極材料および第2の電極材料を、それぞれ2種類以上用いても良い。また、電極層形成用組成物は、結着材を含有することが好ましい。結着材を含有させることで電極材料の密着性を向上させることができる。さらに必要に応じて、電極層形成用組成物は、溶媒を含有していても良い。溶媒を添加することにより、電極材料等の分散性を向上させたり、組成物の粘度調整を容易にしたりすることができる。
第1の電極材料および第2の電極材料としては、例えば、触媒、導電性材料、撥水性材料、活物質および固体電解質等を挙げることができる。これらの材料の具体例や組み合わせについては、後述する「(2)第1の電極材料および第2の電極材料の組み合わせ」で詳細に説明する。また、電極層形成用組成物における第1の電極材料および第2の電極材料の含有量は、目的とする電池電極に応じて、適宜設定することが好ましい。
また、本発明に用いられる結着材は、電極材料を固定化できるものであれば特に限定されるものではないが、電極反応によって、電極層が劣化することを抑制するという観点からは、化学的安定性が高いものが好ましい。このような結着材としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVDF−HFP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系結着材を挙げることができる。電極層形成用組成物における結着材の含有量は、電極材料の密着性を確保できる程度の量であれば良く、より少ないことが好ましい。
また、本発明に用いられる溶媒は、電極材料や結着材を分散できるものであれば特に限定されるものではないが、揮発性の高いことが好ましい。上記溶媒としては、例えばアセトン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、メチルエチルケトン(MEK)およびテトラヒドロフラン(THF)等を挙げることができる。
本発明における電極層形成用組成物の固形分濃度は、セパレーターの内部に浸透させる第1の電極材料の量に応じて、適宜設定することが好ましい。通常、電極層形成用組成物の固形分濃度を低くするほど、セパレーターの内部に向かって、深く第1の電極材料を浸透させることができる。電極層形成用組成物の固形分濃度は、例えば5%〜50%の範囲内、中でも10%〜20%の範囲内であることが好ましい。なお、固形分濃度は、次式により算出することができる。
電極層形成用組成物の固形分濃度(%)=(80℃、1h、Ar雰囲気下での乾燥後の組成物濃度)/(乾燥前の組成物濃度)×100
(2)第1の電極材料および第2の電極材料の組み合わせ
次に、本発明における、第1の電極材料および第2の電極材料の組み合わせについて説明する。本発明においては、第1の電極材料および第2の電極材料が、同じ材料であっても良く、異なる材料であっても良い。前者の場合、粒径のみが異なる電極材料を用いて、電極構造を作製することになる。一方、後者の場合は、さらに、機能が同じ材料である場合と、機能が異なる材料である場合とに大別することができる。機能が同じ材料である場合の一例としては、第1の電極材料が触媒であり、かつ、第2の電極材料が上記の触媒とは異なる材料の触媒である場合を挙げることができる。これに対して、機能が異なる材料である場合の一例としては、第1の電極材料が導電性材料であり、かつ、第2の電極材料が触媒である場合を挙げることができる。
また、本発明により得られる電極構造は、例えば化学電池に用いることができる。化学電池としては、例えば金属空気電池やリチウム電池等を挙げることができる。以下、電極材料の組み合わせについて、電池の種類ごとに説明する。
(i)金属空気電池用の電極構造を得る場合
この場合、本発明により、金属空気電池の空気極用または負極用の電極構造を得ることができる。空気極の電極層に含まれる電極材料としては、例えば触媒、導電性材料および撥水性材料等を挙げることができる。なお、触媒は、導電性材料に担持されたものであっても良い。また、例えば電池を全固体型化する場合は、固体電解質を用いることもできる。上記触媒としては、例えば二酸化マンガンおよびコバルトフタロシアニン等を挙げることができる。上記導電性材料としては、例えばメソポーラスカーボン、グラファイト、アセチレンブラック、カーボンナノチューブおよびカーボンファイバー等を挙げることができる。上記固体電解質としては、例えばポリマー電解質および無機固体電解質等を挙げることができる。上記撥水性材料としては、例えば撥水ポリマーを挙げることができる。さらに、上記撥水ポリマーとしては、具体的には、FAS(フルオロアルキルシラン)系撥水ポリマー等を挙げることができる。
本発明においては、空気極の電極層に含まれる電極材料を任意に組み合わせることができる。この場合における電極材料の組み合わせとしては、例えば、第1の電極材料として導電性材料を用いて第2の電極材料として触媒を用いる組み合わせ、第1の電極材料として触媒担持導電性材料を用いて第2の電極材料として触媒を用いる組み合わせ、第1の電極材料として触媒担持導電性材料を用いて第2の電極材料として固体電解質を用いる組み合わせ、第1の電極材料として撥水性材料を用いて第2の電極材料として触媒担持導電性材料を用いる組み合わせ等を挙げることができる。
一方、金属空気電池の負極の電極層に含まれる電極材料としては、例えば、負極活物質および導電性材料等を挙げることができる。また、例えば電池を全固体型化する場合は、固体電解質を用いることもできる。上記負極活物質は、金属イオンを吸蔵および/または放出できるものであれば特に限定されるものではない。リチウム空気電池に用いられる負極活物質としては、例えば、リチウム金属、リチウム合金、リチウム酸化物、リチウム窒化物等を挙げることができる。なお、導電性材料については、上記の空気極における場合と同様である。
本発明においては、金属空気電池の負極の電極層に含まれる電極材料を任意に組み合わせることができる。この場合における電極材料の組み合わせとしては、例えば、第1の電極材料として負極活物質を用い、第2の電極材料として固体電解質を用いる組み合わせを挙げることができる。
また、金属空気電池の種類としては、例えばリチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カリウム空気電池、マグネシウム空気電池、カルシウム空気電池、亜鉛空気電池、アルミニウム空気電池および鉄空気電池等を挙げることができ、中でもリチウム空気電池、ナトリウム空気電池およびカリウム空気電池が好ましく、特にリチウム空気電池が好ましい。また、金属空気電池は一次電池であっても良く、二次電池であっても良い。
(ii)リチウム電池用の電極構造を得る場合
この場合、本発明により、リチウム電池の正極用または負極用の電極構造を得ることができる。リチウム電池の正極の電極層に含まれる電極材料としては、例えば、正極活物質および導電性材料を挙げることができる。また、全固体型化する場合は、固体電解質を用いることもできる。上記正極活物質としては、例えばLiCoO、LiMn、LiNiO、LiNi0.5Mn1.5、LiNi1/3Mn1/3Co1/3、LiNi0.5Mn0.5、LiCoPO、LiFePO、LiMnPO等を挙げることができる。なお、導電性材料および固体電解質については、上記の金属空気電池における場合と同様である。
本発明においては、リチウム電池の正極の電極層に含まれる電極材料を任意に組み合わせることができる。この場合における電極材料の組み合わせとしては、例えば、第2の電極材料として固体電解質を用い、第1の電極材料として正極活物質および導電性材料を用いる組み合わせや、第2の電極材料および第1の電極材料としてそれぞれ正極活物質および導電性材料の両方を用いる組み合わせ等を挙げることができる。
一方、リチウム電池の負極の電極層に含まれる電極材料としては、例えば、負極活物質および導電性材料等を挙げることができる。また、全固体型化する場合は、固体電解質を用いることもできる。上記負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵および/または放出できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば金属活物質およびカーボン活物質を挙げることができる。金属活物質としては、例えばIn、Al、Si、Sn等を挙げることができる。一方、カーボン活物質としては、例えばメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等を挙げることができる。なお、導電性材料および固体電解質については、上記の金属空気電池における場合と同様である。
本発明においては、リチウム電池の負極の電極層に含まれる電極材料を任意に組み合わせることができる。この場合における電極材料の組み合わせとしては、例えば、第2の電極材料として固体電解質を用い、第1の電極材料として負極活物質および導電性材料を用いる組み合わせや、第2の電極材料および第1の電極材料としてそれぞれ負極活物質および導電性材料の両方を用いる組み合わせ等を挙げることができる。
2.電極形成工程
電極形成工程は、上記電極層形成用組成物を、多孔質セパレーター上に塗布して電極を形成する工程である。
電極構造に用いることができる多孔質セパレーターは、電池のセパレーターとして用いることができるものであり、第1の電極材料が浸透できる程度の多孔性を有するものであれば特に限定されない。具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔膜、および樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等を挙げることができる。
本発明において、多孔質セパレーター上に電極形成用組成物を塗工する方法は特に限定されず、ドクターブレード、スプレーコート、ディップコート、スピンコート、ダイコート、グラビア印刷など、一般的な塗工方法を用いることができる。さらに、本発明においては、電極層形成用組成物を塗布した後に、溶媒を除去する乾燥を行うことが好ましい。
B.電池電極
次に、本発明の電極構造について説明する。本発明の電極構造は、多孔質セパレーターと、該多孔質セパレーターの空隙内部に形成され、該多孔質セパレーターの開口径よりも小さな粒径を有する第1の電極材料を含有する内部電極層と、該内部電極層上に形成され、該多孔質セパレーターの開口径よりも大きな粒径を有する第2の電極材料を含有する外部電極層と、を有する。
本発明によれば、多孔質セパレーター内部に形成された内部電極層と、多孔質セパレーター外部に形成された外部電極層とを設けることにより、高い容量維持率を実現できる電極構造とすることができる。
図1(b)は、本発明の電極構造の一例を示す概略断面図である。図1(b)に示される電極構造1は、多孔質セパレーター3と、多孔質セパレーター3の空隙内部に形成され、第1の電極材料11および結着材(図示せず)を含有する内部電極層15と、内部電極層15上に形成され、第2の電極材料12および結着材13を含有する外部電極層16と、を有するものである。
なお、本発明における、多孔質セパレーター、第1の電極材料、第2の電極材料および結着材について、並びに、本発明の電極構造の用途等については、上記「A.電池電極の製造方法」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
本発明における内部電極層は、多孔質セパレーターの空隙内部に形成され、少なくとも第1の電極材料を含有する層である。なお、内部電極層は、2種類以上の第1の電極材料を含有していても良い。内部電極層における第1の電極材料の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば10質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましい。また、内部電極層は、さらに結着材を含有することが好ましい。結着材を含ませることで、第1の電極材料とセパレーター表面との密着性を向上させることができる。内部電極層における結着材の含有量は、第1の電極材料の密着性を確保できる程度の量であれば良く、より少ないことが好ましい。また、内部電極層の厚さは、電極構造の用途によって異なるものであるが、例えば10μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。
本発明における外部電極層は、内部電極層上に形成され、少なくとも第2の電極材料を含有する層である。なお、外部電極層は、2種類以上の第2の電極材料を含有していても良い。外部電極層における第2の電極材料の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば10質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましい。また、外部電極層は、さらに結着材を含有することが好ましい。結着材を含ませることで、第2の電極材料と内部電極層の表面との密着性を向上させることができる。外部電極層における結着材の含有量は、第2の電極材料の密着性を確保できる程度の量であれば良く、より少ないことが好ましい。また、外部電極層の厚さは、電極構造の用途によって異なるものであるが、例えば10μm〜200μmの範囲内であることが好ましい。
本発明においては、上記の電極構造を用いたことを特徴とする化学電池を提供することができる。化学電池としては、例えば、金属空気電池、リチウム電池および燃料電池等を挙げることができる。
C.金属空気電池
次に、本発明の金属空気電池について説明する。図2は、本発明の金属空気電池の実施形態例の一つである空気電池10の断面を概略的に示す図である。図2において、図1と同様の構成のものには同符号を付している。なお、図2では、図面が煩雑になるのを防ぐため、一部の構成を省略して示している。図2に示めされる空気電池10は、多孔質セパレーター3と、内部電極層15及び外部電極層16からなる正極2とを備える、上記した本発明の電極構造1、負極4、並びに、正極リード5と負極リード6とガスケット7とを有する電池ケース、を備えている。以下、各構成について説明する。
<電池電極>
本発明において電極構造は、上記したように電極形成用組成物を多孔質セパレーターに直接塗工して電池電極を形成することによって得られる正極と多孔質セパレーターとの一体物である。多孔質セパレーターに塗工された電極形成用組成物の一部は、多孔質セパレーターの孔に浸透して内部電極層を形成する。したがって、多孔質セパレーターの多孔度を利用して、空隙率が高く、厚みのある多孔性電極(正極)を得ることができる。このようにして正極と多孔質セパレーターとが一体化することによって、電池反応により生じる気体が正極と多孔質セパレーターの間に溜まることを抑制できる。また、正極と多孔質セパレーターとが一体化することによって、正極の液濡れが向上し、活物質の利用効率(電池容量)を増大させることができる。これは以下の理由による。すなわち、従来は電極を電解液に浸していたため、電極の濡れ性が問題となっていた。しかし、後述するように電解液は多孔質セパレーターに保持されており、本発明の電極構造では多孔質セパレーターの孔を通して毛管力によって電解液が正極側に押し出されてくるため、電解液と正極とを容易に接触させることができる。そのため、正極の濡れ性が問われなくなる。
また、本発明の電極構造では、電極形成用組成物に含まれる導電材を10質量%以上とすることによって、導電材同士が連続した構成をとるため、正極集電体がなくても集電可能となる。正極集電体を必要としないことにより、電池製造のコスト低減、ならびに組み付けプロセスの簡素化を図ることができる。また、正極集電体を必要とせずに直接リードをとることができるため、万一アルカリ成分が存在しても正極集電体の腐食による問題が生じ得ない。したがって、アルカリ水溶液系の電池(Zn空気電池、アルカリマンガン電池など)でも、集電体の選定を必要とせず、コストが高い集電体(ニッケルなど)を使う必要がない。正極集電体の腐食による問題が生じないため、集電効率を維持でき、充放電特性(とりわけ寿命特性)の向上が期待できる。また、電極形成用組成物含まれる導電材の含有量を増やすことは、エネルギー密度の観点でも反応場が増大することになるため好ましい。
本発明の電池電極を金属空気電池の正極用として用いて本発明の金属空気電池を製造する際には、電極構造と負極との間に、電極形成用組成物を塗工していない他のセパレーターを適当なだけ積層することが好ましい。かかる形態とすることによって、正極と負極との短絡を防止することができる。ただし、電極構造に備えられる多孔質セパレーターが厚い場合(例えば、1mm以上。)は、電極構造を単独で使用することができる。
<負極>
次に、負極について説明する。負極には、負極活物質が含有されている。また、負極の内部又は外面に当接して、負極の集電を行う負極集電体(不図示)が設けられる場合がある。図2に示した形態では、電池ケースの一部(負極リード6)が負極集電体の機能を兼ね備えている形態を示している。
負極に含有される負極活物質としては、一般的な金属空気電池の負極活物質を用いることができ、特に限定されるものではない。なお、空気電池10がリチウム空気二次電池である場合、負極活物質はLiイオンを吸蔵・放出することができるものである。例えば、金属リチウム、リチウム合金、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、及びグラファイト等の炭素材料等を挙げることができる。これらの中でも金属リチウム及び炭素材料が好ましく、高容量化の観点から金属リチウムがより好ましい。
負極は少なくとも負極活物質を含有していれば良いが、必要に応じて負極活物質の導電性を向上させる導電性材料や負極活物質を固定化する結着材を含有していても良い。負極活物質および結着材の種類、使用量等については、上述した電極形成用組成物に用いられるものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
また、上述したように、負極の内部又は外面に当接して、負極集電体が設けられる形態とすることもできる。負極集電体は、負極の集電を行う機能を有するものである。負極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、銅、ステンレス鋼、ニッケル等を挙げることができる。このような負極集電体の形状としては、例えば箔状、板状およびメッシュ(グリッド)状等を挙げることができる。
<電解液>
次に、電解液について説明する。電解液は多孔質セパレーターに保持されており、正極及び負極の間で金属イオンの伝導を担う。電解液の形態は、金属イオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、非水電解液を挙げることができる。
本発明に用いられる非水電解液の種類は、伝導する金属イオンの種類に応じて、適宜選択することが好ましい。例えば、リチウム金属空気電池の非水電解液は、通常、リチウム塩および有機溶媒を含有する。上記リチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClOおよびLiAsF等の無機リチウム塩;およびLiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO等の有機リチウム塩等を挙げることができる。上記有機溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシメタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランおよびこれらの混合物等を挙げることができる。また、上記有機溶媒は、酸素溶解性が高い溶媒であることが好ましい。溶存した酸素を効率良く反応に用いることができるからである。非水電解液におけるリチウム塩の濃度は、例えば0.2mol/L〜3mol/Lの範囲内である。なお、本発明においては、非水電解液として、例えばイオン性液体等の低揮発性液体を用いても良い。
<電池ケース>
空気電池10では、少なくとも上述した電極構造1と負極4と電解液とが電池ケースに収めて用いられる。図2では、電池ケースが正極リード5、負極リード6、及びガスケット7を備え、正極リード5及び負極リード6の間にガスケット7を介在させて密閉型とした電池ケースの形態を示している。
正極リード5は空間8を有する中空管であって、空間8には正極活物質である酸素が存在している。また、正極リード5は導電性を有する材料で構成されており、正極リード5の一部が正極1に当接していることで、正極リード5は正極リードの機能を担っている。また、負極リード6も導電性を有する材料で構成されており、負極4に当接していることで、負極集電体と負極リードの機能を担っている。ガスケット7は絶縁性を有する材料で構成されており、正極リード5と負極リード6とを絶縁するとともに、電池ケースの密閉性を確保している。
なお、本発明に用いることができる電池ケースの形状は特に限定されず、大気開放型の電池ケースであっても良い。大気開放型の電池ケースは、大気と接触可能な電池ケースである。この場合、電池ケースに空気の取り入れ口が設けられていてもよい。また、空気の取り入れ口は複数であってもよい。
以下、実施例を参照しつつ、本発明についてさらに説明する。
(実施例1)
実施例1にかかる評価用セルを作製するにあたり、まず、電極形成用組成物を下記の通り作製した。アセトン溶媒中に、質量比で25:42:33からなるカーボンブラック、MnO触媒、PVdFバインダーを添加し、混錬攪拌して電極形成用組成物を作製した。なお、カーボンブラックはTEM観察による1次粒径/2次粒径が50nm/200nm〜300nmであり、MnO触媒は粒度分布測定による最小粒径/最大粒径が160nm/300μmであった。該電極形成用組成物を多孔質セパレーター上にドクターブレードにて塗工し、乾燥することによって多孔質セパレーターと正極とが一体になった電極構造を作製した。多孔質セパレーターには、開口径が3μm〜30μmのポリプロピレン製の不織布を用いた。そして、この電池電極と負極とを電解液に含浸させるとともに、電池ケースに内包し、実施例1にかかる評価用セルを作製した。負極には金属リチウムを用いて、電解液には1M LiClO PC(キシダ化学社製)を用いた。また、電池ケースは図2に示したものと同様に正極リード、ガスケット、及び負極リードを有するものを用いた。正極リードにはSUS304製の中空管を用い、負極リードにはNi缶を用いた。さらに、正極に供給する酸素は、純酸素(99.99%、1atm)とした。
(実施例2)
多孔質セパレーターにJIS P3801に基づく保留粒子径0.6μm以下であるガラスフィルターを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2にかかる評価用セルを作製した。
(比較例1)
上記電極形成用組成物をセパレーターに塗工せず、パームポロメトリーにより測定した開口径が3μm〜30μmであるカーボンペーパー(正極集電体)に塗工した以外は実施例1と同様にして、比較例1にかかる評価用セルを作製した。
(比較例2)
上記電極形成用組成物から作製した一層の正極を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1にかかる評価用セルを作製した。
<容量維持率の評価>
上記実施例1、2及び比較例1、2にかかる評価用セルについて、充放電を繰り返し、容量維持率を評価した。その結果を図3及び図4に示す。図3において、充放電回数を示しており、縦軸は放電容量を示している。図4において、横軸は充放電回数を示しており、縦軸は容量維持率を示している。図3及び図4に示すように、実施例1及び2にかかる評価用セルは、比較例1及び2にかかる評価用セルに比べて容量維持率が高かった。なお、図4に示すように、8サイクル後の容量維持率を比較すると、実施例1にかかる評価用セルは86%、実施例2にかかる評価用セルは80%、比較例1にかかる評価用セルは75%、比較例2にかかる評価用セルは71%であった。
1 電極構造
2 正極
3 セパレーター
4 負極
5 正極リード
6 負極リード(負極集電体)
7 ガスケット
8 空間
11 第1電極材料
12 第2電極材料
13 結着材
14 電極層形成用組成物
15 内部電極層
16 外部電極層

Claims (8)

  1. 多孔質セパレーターと電池電極とを備える電極構造の製造方法であって、
    前記多孔質セパレーターの開口径よりも小さな粒径を有する第1の電極材料、及び、前記多孔質セパレーターの開口径よりも大きな粒径を有する第2の電極材料を含む電極形成用組成物を調整する組成物調整工程と、
    前記電極形成用組成物を前記多孔質セパレーター上に塗布して前記電池電極を形成する電極形成工程と、を有する、電極構造の製造方法。
  2. 前記第1の電極材料が導電性材料を含み、前記第2の電極材料が触媒を含む、請求項1に記載の電極構造の製造方法。
  3. 金属空気電池用の電極構造の製造方法である、請求項1または2に記載の電極構造の製造方法。
  4. 多孔質セパレーターと、
    前記多孔質セパレーターの空隙内部に形成され、前記多孔質セパレーターの開口径よりも小さな粒径を有する第1の電極材料を含有する内部電極層と、
    前記内部電極層上に形成され、前記多孔質セパレーターの開口径よりも大きな粒径を有する第2の電極材料を含有する外部電極層と、
    を有する電極構造。
  5. 前記第1の電極材料が導電性材料を含み、前記第2の電極材料が触媒を含む、請求項4に記載の電極構造。
  6. 前記多孔質セパレーターが不織布またはガラスフィルターである、請求項4または5に記載の電極構造。
  7. 金属空気電池用の電極構造である、請求項4から6のいずれかに記載の電極構造。
  8. 請求項4から7のいずれかに記載の電極構造を備えた金属空気電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018101582A (ja) * 2016-12-21 2018-06-28 住友金属鉱山株式会社 非水系電解質二次電池用正極材料の容量評価方法

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