JP2010237377A - プリズム、プリズムペア及び該プリズムペアを備える波長選択デバイス - Google Patents

プリズム、プリズムペア及び該プリズムペアを備える波長選択デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】偏波依存性損失を低減しつつ光束の倍率を増大させることができるプリズム及びプリズムペアを提供する。
【解決手段】入射光の第1プリズム31への入射角θi1、第1プリズム31の頂角α及び第1プリズム31の屈折率nを用いて、入射光の倍率mは、m=[cos(sin-1(sinθi1/n))/cosθi1]×[cos(α+δ−θi1)/cos(α−sin-1(sinθi1/n))]>1(δ:θi1+sin-1[(sinα)(n2−sin2α)1/2−sinθi1cosα]−α)で表され、屈折率nが1.4である場合に、入射角θi1が27度以下であり、第1プリズム31の頂角αが30〜50度の範囲である。
【選択図】図2

Description

本発明は、プリズム、プリズムペア及び該プリズムペアを備える波長選択デバイスに関し、特に光通信システムにおける波長分割多重(WDM)に適用されるプリズム、プリズムペア及び該プリズムペアを備える波長選択デバイスに関する。
波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)に基づく2地点間の伝送システムは、光アド・ドロップ(OADM:Optical Add-Drop Multiplexer)の開発によってWDMリングネットワークへ発展し、その後、光クロスコネクト(OXC:Optical Cross Connect)が開発され、現在、OXCを基本としたメッシュ状ネットワークへと発展しつつある。
近年、通信容量の急激な増大に対応するWDMシステムが普及しているが、このシステムでは、光部品の反射減衰量(RL:Return Loss)や偏波依存性損失(PDL:Polarization Dependence Loss)が重要な項目となっている。
図9は、従来のWDMシステムで用いられ、一つ以上の光入出力を有し且つ多重化された光波長を選択的に操作する波長選択デバイスの構成を概略的に示す図である。
図9において、この波長選択デバイスでは、光は図中に示される矢印の方向に進む。具体的には、コリメータアレイ91から入射した光は、ビームエキスパンダ92を通り、透過型回折格子対93によって分光される。透過型回折格子対93は、2枚の回折格子を夫々の光の角分散が加算されるように配列されている。分光された光は、第1折り返しミラー94によって反射され、焦点レンズ95によって集光されながら、第2折り返しミラー96によって反射される。第2折り返しミラー96によって反射された光は、一般的にパッケージ構成となっているMEMSミラーアレイ97に照射される。MEMSミラーアレイ97で反射された光は辿ってきた光路とほぼ同じ光路を反対向きに進む。MEMSミラーアレイ97の傾きの傾斜を調整することで、集光するコリメータアレイ91のポートを選択することが可能である(特許文献1参照)。
特開平2007−183370号公報
ビームエキスパンダとしては、一般に、プリズムを組み合わせたアナモルフィックビームエキスパンダ(以下、単に「プリズムペア」という)がある。プリズムペアは、入射した光束のビーム径を一軸方向に拡大もしくは縮小する光学系であり、凹状と凸状の2つのシリンドリカルレンズを組み合わせたビームエキスパンダと同じ役割を担う。
上述したように、WDMシステムでは光部品の偏波依存性損失が重要な項目となっていることから、波長選択デバイスにおけるプリズムペアの偏波依存性損失を低減することは重要課題の一つとなる。また、ビーム径を拡大する倍率が大きい程、プリズムペアから出射した光束が回折格子(又はグレーティング)を照射する面積が増大するため、良好な干渉を起こすことが可能となる。したがって、プリズムペアによって光束の倍率をより増大させることも重要課題の一つとなっている。
本発明の目的は、偏波依存性損失を低減しつつ光束の倍率を増大させることができるプリズム、プリズムペア及び該プリズムを備える波長選択デバイスを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るプリズムは、入射光と、前記入射光の経路を逆方向に進行する光とが透過するプリズムにおいて、前記入射光の前記プリズムへの入射角θi1、前記プリズムの頂角α及び前記プリズムの屈折率nを用いて、前記入射光の倍率mは、m=[cos(sin-1(sinθi1/n))/cosθi1]×[cos(α+δ−θi1)/cos(α−sin-1(sinθi1/n))]>1(δ:θi1+sin-1[(sinα)(n2−sin2α)1/2−sinθi1cosα]−α)で表され、前記屈折率nが1.4である場合に、前記入射角θi1が27度以下であり、前記プリズムの頂角αが30〜50度の範囲であることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係るプリズムは、入射光と、前記入射光の経路を逆方向に進行する光とが透過するプリズムにおいて、前記入射光の前記プリズムへの入射角θi1、前記プリズムの頂角α及び前記プリズムの屈折率nを用いて、前記入射光の倍率mは、m=[cos(sin-1(sinθi1/n))/cosθi1]×[cos(α+δ−θi1)/cos(α−sin-1(sinθi1/n))]>1(δ:θi1+sin-1[(sinα)(n2−sin2α)1/2−sinθi1cosα]−α)で表され、前記屈折率nが1.5である場合に、前記入射角θi1が25度以下であり、前記頂角αが30〜50度の範囲であることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係るプリズムは、入射光と、前記入射光の経路を逆方向に進行する光とが透過するプリズムにおいて、前記入射光の前記プリズムへの入射角θi1、前記プリズムの頂角α及び前記プリズムの屈折率nを用いて、前記入射光の倍率mは、m=[cos(sin-1(sinθi1/n))/cosθi1]×[cos(α+δ−θi1)/cos(α−sin-1(sinθi1/n))]>1(δ:θi1+sin-1[(sinα)(n2−sin2α)1/2−sinθi1cosα]−α)で表され、前記屈折率nが1.7である場合に、前記入射角θi1が20度以下であり、前記頂角αが20〜40度の範囲であることを特徴とする。
また、前記入射光が入射する面を有し、前記面に無反射膜が設けられるのが好ましい。
上記目的を達成するために、本発明に係るプリズムペアは、上述したいずれかのプリズムと、前記プリズムと略同一である他のプリズムとで構成され、入射光と、前記入射光の経路を逆方向に進行する光とが透過するプリズムペアにおいて、前記プリズムへの入射光が、前記他のプリズムからの出射光と略平行となることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る波長選択デバイスは、上記のプリズムペアを備えることを特徴とする。
また、前記波長選択デバイスは、上記のプリズムペアを2つ備え、前記プリズムペアの一方への入射光が前記プリズムペアの他方からの出射光と略平行となることが好ましい。
さらに、前記波長選択デバイスは、前記入射光の進行方向に関して前記プリズムペアの後方に配され、前記プリズムペアからの入射光を回折する回折格子を更に備えることが好ましい。
本発明によれば、入射光のプリズムへの入射角θi1、プリズムの頂角α及びプリズムの屈折率nを用いて、入射光の倍率mは、m=[cos(sin-1(sinθi1/n))/cosθi1]×[cos(α+δ−θi1)/cos(α−sin-1(sinθi1/n))]>1(δ:θi1+sin-1[(sinα)(n2−sin2α)1/2−sinθi1cosα]−α)で表され、屈折率nが1.4である場合に、入射角θi1が27度以下であり、プリズムの頂角αが30〜50度の範囲である。したがって、偏波依存性損失を低減しつつ光束の倍率を増大させることができる。
また、本発明によれば、入射光の前プリズムへの入射角θi1、プリズムの頂角α及びプリズムの屈折率nを用いて、入射光の倍率mは、m=[cos(sin-1(sinθi1/n))/cosθi1]×[cos(α+δ−θi1)/cos(α−sin-1(sinθi1/n))]>1(δ:θi1+sin-1[(sinα)(n2−sin2α)1/2−sinθi1cosα]−α)で表され、屈折率nが1.5である場合に、入射角θi1が25度以下であり、頂角αが30〜50度の範囲である。したがって、偏波依存性損失を低減しつつ光束の倍率を増大させることができる。
さらに、本発明によれば、入射光と、前記入射光の経路を逆方向に進行する光とが透過するプリズムにおいて、前記入射光の前記プリズムへの入射角θi1、前記プリズムの頂角α及び前記プリズムの屈折率nを用いて、前記入射光の倍率mは、m=[cos(sin-1(sinθi1/n))/cosθi1]×[cos(α+δ−θi1)/cos(α−sin-1(sinθi1/n))]>1(δ:θi1+sin-1[(sinα)(n2−sin2α)1/2−sinθi1cosα]−α)で表され、屈折率nが1.7である場合に、入射角θi1が20度以下であり、頂角αが20〜40度の範囲である。したがって、偏波依存性損失を低減しつつ光束の倍率を増大させることができる。
また、プリズムは入射光が入射する面を有し、該面に無反射膜が設けられるので、これにより、偏波依存性損失を更に低減することができる。
さらに、本発明によれば、プリズムペアが、上記プリズムと、該プリズムと略同一である他のプリズムとで構成され、プリズムへの入射光が、他のプリズムからの出射光と略平行となるので、プリズムペアを備えるデバイスの設計・製造の自由度を増大することができる。
また、本発明によれば、波長選択デバイスが上記のプリズムペアを2つ備え、前記プリズムペアの一方への入射光が前記プリズムペアの他方からの出射光と略平行となるので、
デバイスの設計・製造の自由度を増大することができる。
また、波長選択デバイスは、入射光の進行方向に関してプリズムペアの後方に配され、プリズムペアからの入射光を回折する回折格子を更に備えるので、プリズムペアからの光を所定波長の光に分光することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る波長選択デバイスの構成を概略的に示す図である。 図1におけるプリズムペアの構成を示す詳細図である。 第1プリズムの屈折率が1.44の場合における、第1プリズムの入射角に対する透過率及び偏波依存性を示す図である。 第1プリズムの屈折率が1.5の場合における、第1プリズムの入射角に対する透過率及び偏波依存性を示す図である。 第1プリズムの屈折率が1.745の場合における、第1プリズムの入射角に対する透過率及び偏波依存性を示す図である。 フューズドシリカ(屈折率1.44)から成るプリズムを用いて第1プリズムの頂角αを変化させた場合における、入射角θi1に対する各パラメータを示す図であり、(a)は入射角θi1に対する倍率mを示し、(b)は入射角θi1に対する屈折角θt2を示す。 BK7(屈折率1.5)から成るプリズムを用いて第1プリズムの頂角αを変化させた場合における、入射角θi1に対する各パラメータを示す図であり、(a)は入射角θi1に対する倍率mを示し、(b)は入射角θi1に対する屈折角θt2を示す。 SF11(屈折率1.745)から成るプリズムを用いて第1プリズムの頂角αを変化させた場合における、入射角θi1に対する各パラメータを示す図であり、(a)は入射角θi1に対する倍率mを示し、(b)は入射角θi1に対する屈折角θt2を示す。 従来のWDMシステムで用いられ、一つ以上の光入出力を有し且つ多重化された光波長を選択的に操作する波長選択デバイスの構成を概略的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る波長選択デバイスの構成を概略的に示すブロック図である。
図1において、波長選択デバイス1は、複数のポート10と、各ポートの出力側に設けられたコリメータレンズと20と、各コリメータレンズの出力側に設けられ、光を略円形から水平方向に延びる楕円形に変換するプリズムペア30と、光の進行方向に関してプリズムペア30の後方に配され、プリズムペア30からの光束を回折する透過型回折格子(グレーティング)40と、回折格子40からの光を集光する集光レンズ50と、集光レンズ50からの光を反射するMEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)60とを備える。本実施の形態では、波長帯域がCバンド(1530〜1565nm)又はLバンド(1460〜1530nm)又はその両バンドの光が使用される。
この波長選択デバイス1において、ポート10から出射された光束は、コリメータレンズ20で平行光束となり、プリズムペア30に入射する。尚、本実施の形態ではポート10は4ポートであるが、必要に応じてポート数を増減してもよい。この平行光束は、プリズムペア30を透過することにより、回折格子40に設けられた溝部の長手方向に垂直な方向に所定倍率で拡大され、回折格子40に入光する。拡大された光束は、回折格子40に設けられた複数の溝によって所定波長の光に分光され、集光レンズ50に入光する。各所定波長の光は、集光レンズ50によってMEMS60に集光され、MEMS60に設けられた可動式ミラーにより所定方向に反射される。MEMS60により反射された光は、上記の経路をほぼ逆方向に進行して、ポート10の任意のポートに入光する。
図2は、図1におけるプリズムペア30の構成を示す詳細図である。
図2において、プリズムペア30は、コリメータレンズ20からの光束を所定倍率で水平方向に拡大し、後述する第2プリズムに出射する第1プリズム31と、第1プリズム31からの光束を第1プリズム31と同倍率で水平方向に拡大し、回折格子40に出射する第2プリズム32と、第2プリズム32の出射側に設けられた波長板33とを有する。第1プリズム31の材質及び形状は、第2プリズム32と略同一である。
第1プリズム31は略三角柱形状を有しており、その水平方向断面形状は、例えば、頂角α(0<α<90°)の三角形である。第1プリズム31は、例えば、溶融石英(フューズドシリカ)、BK7又はSF材から成り、その材質に固有の屈折率に応じて入射光Xを所定角度偏向する。
図2において、第1プリズム31の入射角θ1が第2プリズム32の入射角γ1と等しい場合(θ1=γ1)、θ2=γ2となり、出射光Yは、入射光Xと平行になる。第2プリズム32の材質及び形状は第1プリズム31と略同一であるので、その説明を省略する。
また、プリズムペア30は、該プリズムペアに入射する入射光が出射光と略平行となるように構成される。具体的には、プリズムペア30は、第1プリズム31に入射する入射光Xが第2プリズム32から出射する出射光Yと平行になるように構成される。これにより、波長選択デバイス1の設計・製造を容易にすることができる。また、波長板33は、例えば4分の1波長板であり、MEMS60により反射された光の偏向の向きを90度変更する。
ここで、プリズムペア30により変換される光束の倍率が大きい程、回折格子40を照射する面積が増大し、良好な干渉を起こすことが可能となる。そして、プリズムペア30により変換される光束の倍率を大きくするには、各プリズムの屈折率を考慮して、各プリズムの入射角θ1を大きくすることが必要となってくる。一方、各プリズムの入射角θ1を大きくすると、プリズムペア30の偏波依存性損失(PDL)が増大することが分かっている。したがって、第1プリズム31及び第2プリズム32の屈折率を考慮しつつ、偏波依存性損失を低減し且つ光束の倍率を増大させることができる頂角αの最適な範囲を検討することが重要である。
図3〜図5は、ガラス面の入射角に対する透過率及び該透過率の偏波依存性を示す図であり、図3はガラス面の屈折率が1.44の場合を、図4は、ガラス面の屈折率が1.5の場合を、ガラス面の屈折率が1.745の場合を夫々示す。通信用途では偏波依存性損失が小さいことが求められていることから、本実施の形態では、偏波依存性損失の目標レベルを0.1dB以下と設定する。
図3において、偏波依存性損失が0.1dB以下となるのは、屈折率が1.44である場合は、入射角が27度以下であるときである。同様にして、屈折率が1.5である場合、入射角が25度以下であれば偏波依存性損失が0.1dB以下となり、屈折率が1.745である場合、入射角が20度以下であれば偏波依存性損失が0.1dB以下となる(図4及び図5)。
ここで、ガラス面における屈折による光束のビーム径の変換について説明する。ガラス面への入射角をθi、屈折角をθtとすると、屈折によるビーム径の変換倍率はm=cosθt/cosθiで表される。
したがって、第1プリズム31の第1面31aにおける入射角をθi1、屈折角をθt1、第1プリズム31の第2面31bにおける入射角をθi2、屈折角をθt2、第1面31aへの入射光と第2面31bからの出射光のなす角(偏向角)をδ、第1プリズム31の屈折率をnとしたとき、第1プリズム31を透過する光束の倍率mは、以下のように表される。
m=[cosθt1/cosθi1]×[cosθt2/cosθi2]
=[cosθt1/cosθi1]×[cos(α+δ−θi1)/cos(α−θt1)]
=[cos(sin-1(sinθi1/n))/cosθi1]×[cos(α+δ−θi1)/cos(α−sin-1(sinθi1/n))] ・・・(1)
但し、δ=(θi1−θt1)−(θi2−θt2)=θi1+sin-1[(sinα)(n2−sin2α)1/2−sinθi1cosα]−α
そして、第1プリズム31の倍率mは大きい程良いとされるため、この倍率mを以下のように設定する。
m=[cos(sin-1(sinθi1/n))/cosθi1]×[cos(α+δ−θi1)/cos(α−sin-1(sinθi1/n))]>1 ・・・(2)
但し、δ=θi1+sin-1[(sinα)(n2−sin2α)1/2−sinθi1cosα]−α
図6は、フューズドシリカ(屈折率1.44)から成るプリズムの頂角αを変化させた場合における、入射角θi1に対する各パラメータを示す図であり、(a)は入射角θi1に対する倍率mを示し、(b)は入射角θi1に対する屈折角θt2を示す。
図6(a)に示すように、倍率mを1.0よりも十分に大きくするためには入射角θi1を大きくする必要がある。例えば、倍率mを1.3とするならば、入射角θi1は約50度と大きな値になる。その場合、図3より、偏波依存性損失が約0.4dBと非常に大きくなる。また、特にs波の透過率が小さくなる。従って、偏波依存性損失を抑制するためには第1面31aに特殊なコーティングを施す必要があり、コストの増大を招く。
また、倍率mを大きくするためには入射角θi1を大きくする方がよいが、ブリュースター角を越えると透過率が急激に落ち込むので、入射角θi1はブリュースター角(フューズドシリカの場合は55度)より小さい方が望ましい。図6(a)において、入射角θi1が55度以下である場合に倍率mが大きくなる頂角αの範囲は、おおよそ30〜50度である。
図6(b)は、入射角θi1と屈折角θt2の関係を示したものである。MEMS60によって折り返された光束にとって、屈折角θt2は第2面31bへの入射角に相当する。よって、屈折角θt2の絶対値を27度以下の範囲で使用すれば、偏波依存性損失が0.1dB以下となる。この条件にすることにより、第2面31bには通常のコーティングで対応でき、コストを低減することができる。
したがって、入射角θi1を55度以下、頂角αの範囲を30〜50度、倍率mを1.0以上、及び屈折角θt2の絶対値を27度以下の範囲に設定することにより、低コストで偏波依存性損失を抑制でき、且つ倍率mを大きい値にすることができる。
図7は、BK7(屈折率1.5)から成るプリズムの頂角αを変化させた場合における、入射角θi1に対する各パラメータを示す図であり、(a)は入射角θi1に対する倍率mを示し、(b)は入射角θi1に対する屈折角θt2を示す。
図7(a)に示すように、倍率mを1.0よりも十分に大きくするためには入射角θi1を大きくする必要がある。例えば、倍率を1.3倍とするならば、入射角θi1は約50度と大きな値になる。その場合、図4より、偏波依存性損失が0.5dBと非常に大きくなる。また、特にs波の透過率が小さくなる。したがって、偏波依存性損失を抑制するためには、第1面31aに特殊なコーティングを施す必要があり、コストの増大を招く。
また、倍率mを大きくするためには入射角θi1を大きくする方がよいが、ブリュースター角を越えると透過率が急激に落ち込むので、入射角θi1はブリュースター角(BK7の場合は56度)より小さいほうが望ましい。図7(a)において、入射角θi1が56度以下である場合に倍率mが大きくなる頂角αの範囲は、おおよそ30〜50度である。
図7(b)は、入射角θi1と屈折角θt2の関係を示したものである。MEMS60によって折り返された光束にとって、屈折角θt2は第2面31bへの入射角に相当する。よって、屈折角θt2の絶対値を25度以下の範囲で使用すれば、偏波依存性損失が0.1dB以下となる。この条件にすることにより、第2面31bには通常のコーティングで対応でき、コストを低減することができる。
したがって、入射角θi1を56度以下、頂角αの範囲を30〜50度、倍率mを1.0以上、及び屈折角θt2の絶対値を25度以下の範囲に設定することにより、低コストで偏波依存性損失を抑制でき、且つ倍率mを大きい値にすることができる。
図8は、SF11(屈折率1.745)から成るプリズムの頂角αを変化させた場合における、入射角θi1に対する各パラメータを示す図であり、(a)は入射角θi1に対する倍率mを示し、(b)は入射角θi1に対する屈折角θt2を示す。
図8(a)に示すように、倍率mを1.0よりも十分に大きくするためには入射角θi1を大きくする必要がある。例えば、倍率を1.3倍とするならば、入射角θi1は約50度と大きな値になる。その場合、図5より、偏波依存性が0.8dBと非常に大きくなる。また、特にs波の透過率が小さくなる。従って、偏波依存性を抑制するためには第1面31aに特殊なコーティングが必要となり、コストの増大を招く。
また、倍率mを大きくするためには入射角θi1を大きくする方がよいが、ブリュースター角を越えると透過率が急激に落ち込むので入射角θi1はブリュースター角(SF11の場合は65度)より小さいほうが望ましい。図8(a)において、入射角θi1が65度以下で倍率が大きい頂角の範囲はおおよそ20〜40度である。
図8(b)は、入射角θi1と屈折角θt2の関係を示したものである。MEMS60によって、折り返された光束にとって、屈折角θt2は第2面31bへの入射角に相当する。よって、屈折角θt2の絶対値を20度以下の範囲で使用すれば、偏波依存性損失が0.1dB以下となる。この条件にすることにより、第2面31bには通常のコーティングで対応でき、コストを低減することができる。
したがって、入射角θi1を65度以下、頂角αの範囲を20〜40度、倍率mを1.0以上、屈折角θt2の絶対値を20度以下の範囲に設定することにより、低コストで偏波依存性損失を抑制でき、且つ倍率mを大きい値にすることができる。
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、入射光の第1プリズム31への入射角θi1、第1プリズム31の頂角α及び第1プリズム31の屈折率nを用いて、入射光の倍率mは、m=[cos(sin-1(sinθi1/n))/cosθi1]×[cos(α+δ−θi1)/cos(α−sin-1(sinθi1/n))]>1(δ:θi1+sin-1[(sinα)(n2−sin2α)1/2−sinθi1cosα]−α)で表される。そして、屈折率nが1.4である場合に、入射角θi1が27度以下であり、第1プリズム31の頂角αが30〜50度の範囲であると、第1プリズム31の偏波依存性損失を低減しつつ光束の倍率mを増大させることができる。また、屈折率nが1.5である場合に、入射角θi1が25度以下であり、頂角αが30〜50度の範囲であると、第1プリズム31の偏波依存性損失を低減しつつ光束の倍率mを増大させることができる。さらに、屈折率nが1.7である場合に、入射角θi1が20度以下であり、頂角αが20〜40度の範囲であると、第1プリズム31の偏波依存性損失を低減しつつ光束の倍率mを増大させることができる。
また、第2プリズムペア32を第1プリズムペア31と同様の構成にすれば、プリズムペア30の偏波依存性損失を低減しつつ光束の倍率を更に増大させることができる。
本実施の形態では、波長板33は、第2プリズム32の出射側に設けられている。波長板33に4分の1波長板を用いることで、往路と復路で偏向の向きを90度変更することができる。これにより、光が受ける偏波依存性損失を更に抑制することができる。また、波長板33は、第1プリズム31と第2プリズム32の間に設けられてもよい。この場合は、波長板33に2分の1波長板を用いることで、第1プリズム31を通過するときと第2プリズム32を通過するときの偏向の向きを90度変更することができる。これにより、光が受ける偏波依存性損失を更に抑制することができる。
本実施の形態では、波長選択デバイス1は、第1プリズム31及び第2プリズム32で構成されるプリズムペア30を備えるが、プリズムペア30を2つ備えていてもよい。これにより、ビーム径を更に拡大することができる。また、一方のプリズムペアにおいて発生した入射光Xの光軸と出射光Yの光軸とのずれを、他方のプリズムペアによって修正することができる。このとき、一方のプリズムペアにおける入射光Xの光軸が、他方のプリズムペアにおける出射光の光軸と略同一となるのが好ましい。これにより、波長選択デバイスの設計・製造を更に容易にすることができる。
また、第1プリズム31の第1面31aや第2プリズム32の第2面32bに無反射膜が設けられてもよい。これにより、偏波依存性損失を更に低減することができる。
1 波長選択デバイス
10 複数のポート
20 コリメータレンズ
30 プリズムペア
31 第1プリズム
32 第2プリズム
33 波長板
40 透過型回折格子
50 集光レンズ
60 MEMS

Claims (8)

  1. 入射光と、前記入射光の経路を逆方向に進行する光とが透過するプリズムにおいて、
    前記入射光の前記プリズムへの入射角θi1、前記プリズムの頂角α及び前記プリズムの屈折率nを用いて、前記入射光の倍率mは、
    m=[cos(sin-1(sinθi1/n))/cosθi1]×[cos(α+δ−θi1)/cos(α−sin-1(sinθi1/n))]>1
    δ:θi1+sin-1[(sinα)(n2−sin2α)1/2−sinθi1cosα]−α
    で表され、
    前記屈折率nが1.4である場合に、前記入射角θi1が27度以下であり、前記プリズムの頂角αが30〜50度の範囲であることを特徴とするプリズム。
  2. 入射光と、前記入射光の経路を逆方向に進行する光とが透過するプリズムにおいて、
    前記入射光の前記プリズムへの入射角θi1、前記プリズムの頂角α及び前記プリズムの屈折率nを用いて、前記入射光の倍率mは、
    m=[cos(sin-1(sinθi1/n))/cosθi1]×[cos(α+δ−θi1)/cos(α−sin-1(sinθi1/n))]>1
    δ:θi1+sin-1[(sinα)(n2−sin2α)1/2−sinθi1cosα]−α
    で表され、
    前記屈折率nが1.5である場合に、前記入射角θi1が25度以下であり、前記頂角αが30〜50度の範囲であることを特徴とするプリズム。
  3. 入射光と、前記入射光の経路を逆方向に進行する光とが透過するプリズムにおいて、
    前記入射光の前記プリズムへの入射角θi1、前記プリズムの頂角α及び前記プリズムの屈折率nを用いて、前記入射光の倍率mは、
    m=[cos(sin-1(sinθi1/n))/cosθi1]×[cos(α+δ−θi1)/cos(α−sin-1(sinθi1/n))]>1
    δ:θi1+sin-1[(sinα)(n2−sin2α)1/2−sinθi1cosα]−α
    で表され、
    前記屈折率nが1.7である場合に、前記入射角θi1が20度以下であり、前記頂角αが20〜40度の範囲であることを特徴とするプリズム。
  4. 前記入射光が入射する面を有し、前記面に無反射膜が設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプリズム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプリズムと、前記プリズムと略同一である他のプリズムとで構成され、入射光と、前記入射光の経路を逆方向に進行する光とが透過するプリズムペアにおいて、
    前記プリズムへの入射光が、前記他のプリズムからの出射光と略平行となることを特徴とするプリズムペア。
  6. 請求項5記載のプリズムペアを備えることを特徴とする波長選択デバイス。
  7. 請求項5記載のプリズムペアを2つ備え、前記プリズムペアの一方への入射光が前記プリズムペアの他方からの出射光と略平行となることを特徴とする請求項6記載の波長選択デバイス。
  8. 前記入射光の進行方向に関して前記プリズムペアの後方に配され、前記プリズムペアからの入射光を回折する回折格子を更に備えることを特徴とする請求項6又は7記載の波長選択デバイス。
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