JP2010236358A - ガスセンサの信号処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気脈動に起因してA/Fセンサ58a、58bの出力が変動し、変動したセンサ出力に基づく気筒別空燃比を気筒別空燃比F/B制御の制御量の検出値とすることで、気筒別空燃比の制御性が低下すること。
【解決手段】排気バルブ44の開弁タイミング、エンジン回転速度及び排気量に基づきA/Fセンサ58a、58bに加わる排気圧力の最小値に対応するセンサ出力となるタイミングを推定する。そして、推定されたタイミングでA/Fセンサ58a、58b出力をサンプリングし、サンプリングされたA/Fセンサ58a、58bの出力に基づき気筒別空燃比F/B制御を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の排気通路に備えられ、同排気通路内の排気中の特定成分の濃度を検出するガスセンサに適用されるガスセンサの信号処理装置に関する。
この種のガスセンサとしては、内燃機関の燃焼室に供給される混合気の実際の空燃比(吸気量/燃料量)をリニアに検出すべく内燃機関の排気通路に備えられる空燃比センサ(A/Fセンサ)が知られている。A/Fセンサは、実際の空燃比を目標値にフィードバック制御(空燃比F/B制御)するために用いられる。ここでは通常、上記目標値が、A/Fセンサの下流側に設けられる排気浄化用触媒の排気浄化効率が高くなる空燃比付近に設定されるため、排気特性を良好なものとすることができる。
ところで、内燃機関の燃焼室から排気通路へと排気が間欠的に排出されることに起因して、排気通路内では排気圧力が変動するため、A/Fセンサに加わる排気圧力は、脈動を伴ったものとなる。ここで、A/Fセンサ出力は、センサの構造に起因して圧力依存性を有するため、この脈動を伴った排気圧力(排気脈動)に起因してセンサ出力が変動し得る。この場合、変動したセンサ出力を空燃比F/B制御の制御量の検出値とすることで、実際の空燃比の制御性が低下するおそれがある。
そこで従来は、下記特許文献1に見られるように、排気脈動周期の整数倍の時間に渡るセンサ出力の積分値を空燃比F/B制御の制御量の検出値とすることで、排気脈動に起因するA/Fセンサの出力変動が実際の空燃比の制御性に及ぼす影響を抑制する技術も提案されている。また、下記特許文献2に見られるように、機関回転速度等に基づき設定される所定時間に渡るセンサ出力の平均値を上記制御量の検出値とすることで、A/Fセンサの出力変動の影響を抑制する技術も提案されている。なお、A/Fセンサの出力変動の影響を抑制する技術としては、下記特許文献3に記載のものもある。
特開平01−206251号公報 米国特許第7134428号明細書 特開2007−107425号公報
ただし、上記積分値や上記平均値を空燃比F/B制御の制御量の検出値とすることで、排気脈動に起因するA/Fセンサの出力変動が実際の空燃比の制御性に及ぼす影響を抑制することはできるものの、実際の空燃比の変化を上記制御量の検出値の変化として把握するまでに要する時間が長くなることで、実際の空燃比を高応答に把握することができなくなるおそれがある。
なお、上記A/Fセンサに限らず、排気中の特定成分の濃度を検出するガスセンサについては、排気脈動に起因するガスセンサの出力変動が排気中の特定成分の濃度の把握に及ぼす影響を抑制することと、実際の排気中の特定成分の濃度を高応答に把握することとの両立が困難なこうした事情も概ね共通したものとなっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、排気脈動に起因するガスセンサの出力変動が排気中の特定成分の濃度の把握に及ぼす影響を好適に抑制しつつも、実際の排気中の特定成分の濃度を高応答に把握することのできるガスセンサの信号処理装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、内燃機関の排気通路に備えられ、同排気通路内の排気中の特定成分の濃度を検出するガスセンサに適用されるガスセンサの信号処理装置において、前記ガスセンサの出力が特定の圧力に対応する出力となるタイミングを特定する特定手段と、前記特定されたタイミングで前記ガスセンサの出力を取得する取得手段とを備えることを特徴とする。
内燃機関の燃焼室から排気通路へと排気が間欠的に排出されることに起因して排気通路内では排気圧力が変動するため、ガスセンサに加わる排気圧力は、脈動を伴ったものとなる。ガスセンサ出力は、センサの構造に起因して圧力依存性を有するため、この脈動を伴った排気圧力(排気脈動)に起因してセンサ出力が変動し得る。この場合、ガスセンサの出力変動によって実際の排気中の特定成分の濃度を適切に把握することができなくなるおそれがある。この点、上記発明では、ガスセンサの出力が特定の圧力に対応する出力となるタイミングでセンサ出力を取得するため、ガスセンサの出力に基づき把握される排気中の特定成分の濃度から排気脈動に起因するガスセンサの出力変動の影響を除去することができる。これにより、排気脈動に起因するガスセンサの出力変動が排気中の特定成分の濃度の把握に及ぼす影響を好適に抑制しつつも、実際の排気中の特定成分の濃度を高応答に把握することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記特定の圧力は、前記ガスセンサに加わる排気圧力の最小値であることを特徴とする。
ガスセンサ出力は、センサの構造に起因して圧力依存性を有するため、ガスセンサ出力に基づき排気中の特定成分の濃度を把握するに際し、センサに加わる排気圧力として特定の圧力を想定することとなる。ここで、従来、特定の圧力として、大気圧に近い圧力が採用される傾向があった。上記発明では、この点に鑑み、ガスセンサに加わる排気圧力の最小値に対応する出力となるタイミングでセンサ出力を取得することで、特定の圧力として大気圧に近い圧力を想定した制御ロジック等を大きく変更することを回避することができる。このため、従来の制御ロジックを流用することも可能となる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記特定手段は、前記ガスセンサの出力が特定の圧力に対応する出力となるタイミングを推定するものであることを特徴とする。
上記発明では、ガスセンサに加わる脈動を伴う排気圧力を直接検出する手段を備えることなく、上記タイミングを特定することができる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記内燃機関の燃焼室と前記排気通路とを連通又は遮断する排気バルブの開弁タイミングと、前記内燃機関の機関回転速度とに基づき、前記タイミングを推定するものであることを特徴とする。
上記発明では、排気バルブの開弁タイミング及び機関回転速度に基づき、上記タイミングを適切に特定することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記ガスセンサの実際の応答性についての情報を学習する学習手段と、前記学習された実際の応答性についての情報に基づき、前記タイミングを補正する補正手段とを更に備えることを特徴とする。
排気圧力が変化してからその影響がガスセンサの出力変化に現れるまでの時間には、むだ時間や応答時間が含まれ、このむだ時間や応答時間は、ガスセンサの個体差や経時劣化により変化し得る。この場合、ガスセンサの出力が特定の圧力に対応する出力となるタイミングがずれることで、上記取得手段により取得されるガスセンサ出力が想定される出力からずれるおそれがある。この点、上記発明では、ガスセンサの実際の応答性についての情報に基づき、ガスセンサの出力が特定の圧力に対応する出力となるタイミングを補正することで、上記タイミングを高精度に特定することができる。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記ガスセンサは、空燃比センサであり、前記学習手段は、燃料カット制御又は加速増量制御が行われると判断された場合、前記ガスセンサの実際の応答性についての情報を学習することを特徴とする。
上記発明では、燃料カット制御又は加速増量制御により空燃比を変化させることによる空燃比センサ出力の実際の変化に基づきセンサ出力の応答性を適切に把握することで、学習される空燃比センサ出力の実際の応答性についての情報の信頼性を向上させることができる。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記排気通路における前記ガスセンサの下流側には、過給機の排気タービンが備えられることを特徴とする。
上記発明では、排気タービンが排気の抵抗となり、この排気タービンよりも上流側の排気通路の排気圧力が大きく変動しやすい。排気圧力が大きく変動する場合、ガスセンサ近傍の排気圧力が大きく変動し、ガスセンサ出力の変動量が増大するおそれがある。このため、ガスセンサ付近の排気圧力が大きく変動しやすい上記システムでは、上記特定手段及び上記取得手段を備えるメリットが大きい。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発明において、前記内燃機関は、多気筒内燃機関であり、前記ガスセンサは、前記内燃機関の各気筒に接続される排気通路の集合部に備えられる空燃比センサであり、前記取得手段による取得値に基づき、前記内燃機関の気筒毎の空燃比を把握する手段を更に備えることを特徴とする。
上記発明では、気筒毎の空燃比フィードバック制御を行うことで、内燃機関の燃焼制御精度の向上を図っている。ただし、気筒毎の燃焼制御を行う場合には、空燃比センサ出力の応答性の向上が要求されることとなる。しかしながら、空燃比センサ出力の応答性を向上させると、センサ出力が排気脈動の影響を受けやすくなり、排気脈動に起因したセンサ出力の変動量が増大するおそれがある。この場合、気筒毎の空燃比の把握が困難となり、気筒毎の空燃比フィードバック制御によって期待される燃焼制御精度の向上を図ることができなくなるおそれがある。このため、この請求項8記載の発明は、上記特定手段及び上記取得手段を備えるメリットが大きい。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかる排気脈動に起因するA/Fセンサの出力変動を例示するタイムチャート。 同実施形態にかかるA/Fセンサ出力のサンプリングタイミングの特定処理を示すフローチャート。 第2の実施形態にかかるA/Fセンサ出力のサンプリングタイミングの補正処理を示すフローチャート。 同実施形態にかかるA/Fセンサ出力の応答性の評価手法を示すタイムチャート。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかるガスセンサの信号処理装置を多気筒ガソリンエンジンシステムに適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に本実施形態にかかるシステム構成を示す。
図示されるエンジン10は、4ストロークエンジンであり、火花点火式内燃機関である。本実施形態では、エンジン10として、多気筒(直列6気筒)ガソリンエンジンを想定しており、図中#1〜#6は、第1〜第6気筒を示している。エンジン10の吸気通路11には、上流側から順に、空気中の異物を除去するエアクリーナ12、吸入される空気量(吸気量)を検出するエアフローメータ14、吸気を冷却するインタークーラ16、吸気温度を検出する吸気温センサ18及びDCモータ等のアクチュエータによって開度調節される電子制御式のスロットルバルブ20が設けられている。スロットルバルブ20の下流側には、サージタンク22が設けられ、このサージタンク22には、吸気圧を検出する吸気圧センサ24が設けられている。サージタンク22には、エンジン10の各気筒の燃焼室28に吸気を導入する吸気マニホールド30が接続されている。吸気マニホールド30において各気筒の吸気ポート近傍には、燃料を噴射供給する電磁駆動式の燃料噴射弁32が設けられている。
一方、エンジン10の各気筒の排気ポートには、排気マニホールド34a、34bが接続されている。ここで、本実施形態では、#1〜#3に対応する排気ポートには、排気マニホールド34aが接続され、#4〜#6に対応する排気ポートには、排気マニホールド34bが接続されている。一方、吸気バルブ42及び排気バルブ44のそれぞれは、クランク軸36と連動する吸気側カム軸38及び排気側カム軸40のそれぞれに取り付けられたカムによって駆動される。こうした構成によれば、吸気バルブ42の開弁によって吸気と燃料との混合気が燃焼室28内に導入され、図示しない点火プラグの火花放電によって混合気が着火され燃焼に供される。燃焼に供された混合気は、排気バルブ44の開弁によって排気として排気マニホールド34a、34bに排出される。なお、各気筒の圧縮上死点は、互いに「120°CA」ずれており、#1,#5,#3,#6、#2、#4の順に出現する。
エンジン10には、クランク軸36近傍でクランク軸36の回転角度を検出するクランク角度センサ46や、エンジン10を冷却する冷却水の温度を検出する水温センサ48、吸気側カム軸38の回転角度を検出する吸気側カム角センサ50、排気側カム軸40の回転角度を検出する排気側カム角センサ52が設けられている。
排気マニホールド34a、34bの集合部には、排気通路56a、56bが接続されている。排気通路56a、56bには、A/Fセンサ58a、58bが設けられている。これらA/Fセンサは、排気中の酸素濃度や未燃成分(CO,HC及びH2等)に応じてリニアな電気信号を出力するセンサであり、広域の実際の空燃比(実空燃比)を検出可能な、いわゆる全領域空燃比センサである。
排気通路56a、56bの下流側は、過給機(ターボチャージャ60)に接続されている。このように、本実施形態では、A/Fセンサ58a、58bを、ターボチャージャ60の上流側に設けている。これは、第1に、気筒毎の実空燃比(気筒別空燃比)に対するA/Fセンサ58a、58b出力の応答性の向上を狙ったものである。また、第2に、エンジン10の始動時において暖機が不十分な場合、ターボチャージャ60の下流側に排気熱が届きにくいことに起因して水が溜まりやすいため、A/Fセンサと水との接触頻度が増大し、A/Fセンサの信頼性が低下するおそれがあることに鑑みたものである。
上記ターボチャージャ60は、吸気通路11上に設けられた吸気コンプレッサ62aと、排気通路56a、56bの下流側に設けられた排気タービン62bとを有して構成される。排気タービン62bは、これら排気通路を流れる排気によって回転エネルギが付与されるものであり、この回転エネルギによって吸気コンプレッサ62aが駆動される。吸気コンプレッサ62aの駆動によって加圧された吸気は、上記インタークーラ16にて冷却されることで圧縮される。これにより、エンジン10の燃焼室28に供給される吸気の充填効率が向上する。ちなみに、吸気の過給圧は、吸気通路11上の吸気コンプレッサ62aの上流部と下流部との間をバイパスする通路に設けられるエアバイパスバルブ64や排気通路56a、56bの下流側の排気タービン62bの上流部と下流部との間をバイパスする通路に設けられるウエストゲートバルブ66を操作することで調節される。
ターボチャージャ60の下流側には、第2排気通路68が接続されている。第2排気通路68には、排気浄化を行うための排気後処理システムとして、排気中の有害成分を浄化する第1の三元触媒70及び第2の三元触媒72が設けられている。第1の三元触媒70及び第2の三元触媒72は、排気中のNOx、HC及びCOを浄化するためのものである。また、第1の三元触媒70と第2の三元触媒72との間には、排気中の酸素濃度に応じて2値的に出力値を変化させるO2センサ74が設けられている。O2センサ74は、排気中の実際の酸素濃度に基づき、実空燃比が理論空燃比(λ=1)に対して小さい値である(リッチ)か大きい値である(リーン)かを検出するものである。
電子制御装置(ECU76)は、エンジン10の各種制御に必要な各種アクチュエータを操作する制御装置である。ECU76は、ユーザのアクセル操作量を検出するアクセルセンサ78や、A/Fセンサ58a、58b、O2センサ74、クランク角度センサ46、排気側カム角センサ52、更にはエアフローメータ14等の検出信号を逐次入力する。ECU76は、これらの入力信号に基づきエンジン10の燃焼制御等を行う。
特に、ECU76は、エンジン10の各気筒の燃焼室28に供給される混合気の実空燃比を目標値(目標空燃比)にフィードバック制御すべく燃料噴射弁32を通電操作する。詳しくは、実空燃比の気筒間のばらつきを抑制すべく、気筒別に空燃比をフィードバック制御する(気筒別空燃比F/B制御)。気筒別空燃比F/B制御は、各気筒の燃料噴射弁32の噴射特性が個体差及び経時変化によって相違したり、各気筒の燃焼室28に供給される吸気量が相違したりすることに起因して生じる気筒別空燃比のばらつきを抑制することで、実空燃比の制御精度を向上させ、排気特性を更に向上させるために行われるものである。
この気筒別空燃比F/B制御は、全気筒の平均空燃比を目標空燃比とするための平均空燃比のフィードバック制御と、気筒別空燃比のばらつきを低減すべく気筒別空燃比を平均空燃比とするための気筒別空燃比のフィードバック制御とからなる。ここでは、#1〜#3の気筒別空燃比F/B制御を例にとって説明する。なお、#4〜#6の気筒別空燃比F/B制御については、制御手法が#1〜#3のものと同様であるため、説明を省略する。
上記平均空燃比のフィードバック制御ではまず、O2センサ74の出力値に基づき目標空燃比を設定する。ここで、目標空燃比は、第1の三元触媒70の排気浄化効率が高くなる空燃比(λ=1)付近に設定される。次に、A/Fセンサ58aの出力値に基づき、#1〜#3の燃焼室28に供給される混合気の実空燃比の1燃焼サイクル(720°CA)における平均値(平均空燃比)を算出する。次に、算出された平均空燃比と、上記目標空燃比との偏差に基づきF/B補正係数を算出する。そして、エアフローメータ14の出力値に基づく吸気量や、クランク角度センサ46の出力値に基づくエンジン回転速度、アクセルセンサ78の出力値に基づくアクセル操作量等から基本噴射量を算出し、算出された基本噴射量にF/B補正係数を乗算することで平均空燃比を目標空燃比にフィードバック制御するための操作量を算出する。
一方、上記気筒別空燃比のフィードバック制御ではまず、A/Fセンサ58aの出力値に基づき、#1〜#3の気筒別空燃比を推定する。ここで、気筒別空燃比は、例えば状態観測器(気筒別空燃比推定モデル)を用いて推定すればよい。次に、#1〜#3の気筒別空燃比と上記平均空燃比との偏差が小さくなるように、#1〜#3のそれぞれに対応する燃料噴射量の補正係数を各別に算出する。
そして、平均空燃比を目標空燃比にフィードバック制御するための操作量に、上記補正係数を乗算することで、#1〜#3のそれぞれに対応する燃料噴射弁32から噴射される最終的な燃料量を算出する。
ところで、上記A/Fセンサ58a、58bの出力は、センサの構造に起因して圧力依存性を有する。このため、ECU76では、A/Fセンサ58a、58bに加わる排気圧力として特定の圧力を想定することで、センサ出力から実空燃比を把握している。ただし、A/Fセンサ58a、58bに加わる排気圧力は脈動を伴ったものとなる。これは、エンジン10の各気筒の燃焼室28から排気マニホールド34a、34bへと排気が所定クランク角度間隔(240°CA)毎に排出されることで、排気通路56a、56b内の排気圧力が変動するためである。そして、A/Fセンサ58a、58bに加わる排気圧力が変動すると、ECU76の想定する特定の圧力と、センサに実際に加わる排気圧力とがずれることで、ECU76による実空燃比の把握精度が低下するおそれがある。
特に、本実施形態では、気筒別空燃比F/B制御を行うための設定に起因して、A/Fセンサ58a、58bの出力が排気圧力に依存して大きく変動するため、実空燃比の把握精度の低下が顕著となるおそれがある。すなわち、上述したように、A/Fセンサ58a、58bは、排気タービン62bの上流側に設けられている。ここで、排気タービン62bの上流側では、排気タービン62bが排気の抵抗となることで、A/Fセンサ58a、58b近傍の排気圧力が大きく変動しやすい。排気圧力が大きく変動する場合、センサ出力の変動量が増大するおそれがある。更に、気筒別空燃比F/B制御の制御精度を向上させるべくA/Fセンサ58a、58b出力の応答性を向上させることで、排気脈動がセンサ出力に及ぼす影響が顕著となり、センサ出力の変動量が更に増大するおそれがある。
図2に、排気脈動に起因して生じるA/Fセンサ58a、58bの出力変動の一例を示す。詳しくは、図2(a)は、A/Fセンサ58a、58b近傍における排気圧力の計測結果を示し、図2(b)は、A/Fセンサ58a、58b出力の計測結果を示す。なお、図2(b)は、加速増量制御(エンジン10の加速応答性を向上させるべく目標空燃比をリッチ側に設定する制御、λ=0.9)時における計測結果を示す。ここで、加速増量制御時の計測結果を示すのは、この制御がなされる場合、実空燃比が理論空燃比からずれるためである。すなわち、A/Fセンサ58a.58bの構造に起因して、実空燃比と理論空燃比(λ=1)とのずれが大きいと、排気圧力の変動に起因するセンサ出力の変動量が増大する。
図示されるように、A/Fセンサ58a、58b近傍の排気圧力が周期的に大きく変動することで、A/Fセンサ58a、58bの出力A(図中実線)が周期的に大きく変動する。また、図中一点鎖線に、A/Fセンサ58a、58bとしてセンサ出力の応答性が相違するものを用いた場合におけるセンサ出力Bを示す。センサ出力の応答性が相違することで、センサ出力の変動量が相違するものの、排気脈動に起因してセンサ出力が変動する。ちなみに、図中点線は、A/Fセンサ58a、58bを排気タービン62bの下流側に設けた場合におけるセンサ出力を示している。
このように、A/Fセンサ58a、58b出力が排気脈動に起因して変動すると、気筒別空燃比の把握精度が低下することで気筒別空燃比の制御性が低下し、気筒別空燃比F/B制御によって期待される排気特性の向上を図ることができなくなるおそれがある。このため、A/Fセンサ58a、58b出力の変動の影響を抑制すべく例えば移動平均処理等を行ったセンサ出力に基づき気筒別空燃比を推定することも考えられる。しかしながら、上記処理を行うと、実空燃比の変化をA/Fセンサ58a、58b出力から高応答に把握することができず、気筒別空燃比を推定することができなくなるおそれがある。
そこで本実施形態では、A/Fセンサ58a、58bの出力が、ECU76の想定する上記特定の圧力に対応する出力となるタイミングを推定し、推定されたタイミングでセンサ出力をサンプリング(取得)することで、A/Fセンサ58a、58bの出力に基づく気筒別空燃比の推定から排気脈動に起因するセンサの出力変動による影響を除去する。ここで本実施形態では、上記特定の圧力を、A/Fセンサ58a、58bに加わる排気圧力の最小値とする。すなわち、先の図2に示したように周期的に変動する排気圧力の最小値として推定する。詳しくは、「4ストローク/(排気圧力に寄与する気筒数)」の期間における最小値とする(図中、「240°CA」間隔の時刻t0、t1、t2における値)。これは、従来、特定の圧力として、大気圧に近い圧力が採用される傾向があったことに鑑みたものである。すなわち、A/Fセンサ58a、58b出力と実空燃比との関係についての従来のECU76の利用手法を流用して制御ロジックの構築を簡素化することができる。
図3に、本実施形態にかかるA/Fセンサ58a、58b出力のサンプリングタイミングを特定する処理の手順を示す。この処理は、ECU76によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、サンプリングタイミングの特定処理を行う。この処理は、A/Fセンサ58a、58bの出力が排気圧力の最小値に対応する出力となるタイミング(最小圧力タイミング)を推定把握すべく設けられるものである。本実施形態では、最小圧力タイミングを以下の(ア)〜(ウ)のパラメータに基づき推定する。
(ア)排気バルブ44の開弁タイミングTEVALVE:排気通路56a、56b内の排気圧力の変動は、排気バルブ44の開弁によって排気が排出されることで生じる。このため、排気バルブ44の開弁タイミングTEVALVEは、最小圧力タイミングを推定する際の基準となる。ちなみに、排気バルブ44の開弁タイミングTEVALVEは、排気側カム角センサ52及びクランク角度センサ46の出力値に基づき算出すればよい。
(イ)エンジン回転速度NE:エンジン回転速度NEが変化すると、排気バルブ44の開弁周期の変化によって排気圧力の変動周期が変化することで、最小圧力タイミングが変化する。このため、エンジン回転速度NEは、最小圧力タイミングを推定するためのパラメータとなる。
(ウ)排気量Q:排気量Qが変化すると、排気の流速が変化することで排気バルブ44が開弁してから排気がA/Fセンサ58a、58bに輸送されるまでの時間が変化し、最小圧力タイミングが変化する。このため、排気量Qは、最小圧力タイミングを推定するためのパラメータとなる。ちなみに、排気量Qは、エアフローメータ14の出力値に基づき算出すればよい。
なお、最小圧力タイミングは、A/Fセンサ58a、58b出力の応答性に起因して変化し得る。これは、A/Fセンサ58a、58b出力にむだ時間や応答時間が含まれ、センサに加わる排気圧力が変化してからその影響がセンサ出力の変化として現れるまでには時間差が生じるためである。この時間差が生じる場合、排気圧力が最小となるタイミングでA/Fセンサ58a,58b出力をサンプリングすると、排気圧力の最小値に対応するセンサ出力を得ることができないおそれがある。このため、本実施形態では、A/Fセンサ58a,58b出力の応答性を加味することで、センサ出力が排気圧力の最小値に対応する出力となるタイミングを推定する。なお、A/Fセンサ58a,58b出力の応答性としては、量産されるA/Fセンサ58a,58b出力の平均的な応答性であるいわゆる中央特性を想定することが望ましい。
続くステップS12では、推定された最小圧力タイミングでA/Fセンサ58a、58b出力をサンプリングする。そしてステップS14では、サンプリングされたA/Fセンサ58a、58bの出力に基づき、上述した気筒別空燃比F/B制御を行う。
なお、上記ステップS12の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)排気バルブ44の開弁タイミングTEVALVE、エンジン回転速度NE及び排気量Qに基づき最小圧力タイミングを推定し、推定されたタイミングでA/Fセンサ58a、58bの出力をサンプリングした。これにより、気筒別空燃比F/B制御の制御量の検出値である気筒別空燃比の推定から排気脈動に起因するA/Fセンサ58a、58bの出力変動の影響を除去することができ、センサ出力変動が気筒別空燃比F/B制御に及ぼす影響を好適に抑制しつつも気筒別空燃比を高応答に把握することができる。
(2)A/Fセンサ58a、58bの下流側に排気タービン62bが設けられる構成とした。この場合、排気タービン62bよりも上流側のA/Fセンサ58a、58b近傍の排気圧力が大きく変動しやすく、センサ出力の変動量が増大しやすい。このため、排気タービン62bの上流側にA/Fセンサ58a、58bが設けられる本実施形態は、上記サンプリングタイミング特定処理の利用価値が高い。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、A/Fセンサ58a、58b出力の実際の応答性を評価し、この評価結果に基づき、先の図3のステップS10の処理(サンプリングタイミング特定処理)で推定される最小圧力タイミングを補正する。これは、排気圧力の最小値に対応するセンサ出力(先の図2の時刻t0、t1、t2での値)となるタイミングが、最小圧力タイミングからずれる事態を回避するためである。つまり、A/Fセンサ58a、58b出力の応答性は、センサの個体差や経時劣化によって変化し得る。この場合、サンプリングタイミング特定処理において、A/Fセンサ58a、58b出力の応答性として中央特性を想定し、この特性を加味して最小圧力タイミングを推定しても、最小圧力タイミングが排気圧力の最小値に対応するセンサ出力となるタイミングからずれるおそれがある。このとき、A/Fセンサ58a、58b出力から把握される気筒別空燃比と実際の気筒別空燃比とのずれが増大し、気筒別空燃比の把握精度が低下するおそれがある。このため、本実施形態では、A/Fセンサ58a、58b出力の応答性の実際の評価結果に基づきサンプリングタイミング特定処理による最小圧力タイミングの推定誤差を学習し、この学習結果に基づき最小圧力タイミングを補正することで、気筒別空燃比の把握精度の向上を図る。
図4に、本実施形態にかかるA/Fセンサ58a、58b出力のサンプリングタイミングを補正する処理の手順を示す。この処理は、ECU76によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS16において、学習実行条件が成立しているか否かを判断する。この処理は、A/Fセンサ58a、58b出力の応答性を評価できる状況にあるか否かを判断するためのものである。ここで、本実施形態では、燃料カット制御のオンによって実空燃比がリーン側に大きく変化することを利用してA/Fセンサ58a、58b出力の応答性を評価することとする。このため、燃料カット制御がオンされると判断された場合、学習実行条件が成立すると判断する。
ステップS16において学習実行条件が成立すると判断された場合には、ステップS18に進み、燃料カット制御がオンされることを利用してA/Fセンサ58a、58b出力の応答性を評価する。この処理は、A/Fセンサ58a、58bの個体差や経時劣化によって変化し得るセンサ出力の実際の応答性を把握するためのものである。図5に、A/Fセンサ58a、58b出力の応答性の評価手法を示す。図示されるように、燃料カット制御がオンされることで燃料噴射量が0となる時点(時刻t1)を起算点として、燃料カット制御による実空燃比の変更前後におけるセンサ出力の定常値間の差に対するセンサ出力の変化量の割合が所定の割合(例えば63%)に達するまでに要する時間ΔTsを計測する。ここで、この計測時間ΔTsには、A/Fセンサ58a、58b出力のむだ時間や応答時間のみならず、燃料カット制御の開始直後の排気がA/Fセンサ58a、58bに輸送されるまでの時間(輸送時間)も含まれる。このため、この輸送時間をエンジン回転速度、排気量等をパラメータとして予め実験等で求めておき、上記計測時間ΔTsと輸送時間との減算値(センサ応答時間)を、A/Fセンサ58a、58b出力の実際の応答性として把握する。
図4の説明に戻り、ステップS18の処理の完了後、ステップS20に進み、上記センサ応答時間に基づき、先の図3のステップS10の処理(サンプリングタイミング特定処理)による最小圧力タイミングの推定誤差を学習する処理を行う。本実施形態では、センサ応答時間の初期値としてECU76のメモリ内に予め記憶されるA/Fセンサ58a、58b出力の中央特性についてのセンサ応答時間と、上記ステップS18の処理によるセンサ応答時間とのずれ(センサ応答時間ずれΔT)を学習する。なお、本実施形態では、センサ応答時間ずれΔTをECU76のメモリ(常時記憶保持メモリ)内に記憶する。ここで、常時記憶保持メモリとは、ECU76と給電手段(バッテリ、発電機)との間の主接続(イグニッションスイッチ)の状態にかかわらず常時記憶を保持するメモリのことである。常時記憶保持メモリとしては、例えば、給電の有無にかかわらず常時記憶を保持するEEPROM等の不揮発性メモリや、ECU76の主接続の状態にかかわらず常時給電状態が維持されるバックアップRAM等がある。
なお、上記ステップS16で否定判断された場合や、ステップS20の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
上記学習処理によれば、先の図3に示したステップS10において、上記ステップS20の処理で学習されたセンサ応答時間ずれΔTに基づき、サンプリングタイミング特定処理により推定される最小圧力タイミングを補正する処理がなされることとなる。具体的には、例えば上記ステップS18の処理によるセンサ応答時間がセンサ出力の中央特性についてのセンサ応答時間よりも長い場合、最小圧力タイミングを遅角側に補正する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)、(2)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(3)燃料カット制御を利用してA/Fセンサ58a、58b出力の応答性を評価した。燃料カット制御によれば、実空燃比を大きく変更することでA/Fセンサ58a、58b出力の変化を適切に把握することができるため、センサ応答時間を高精度に把握することができる。
(4)センサ応答時間ずれΔTに基づき最小圧力タイミングを補正した。これにより、最小圧力タイミングを高精度に推定することができ、ひいては気筒別空燃比を高精度に把握することができる。
(5)センサ応答時間ずれΔTをECU76の常時記憶保持メモリ内に記憶した。これにより、エンジン10の停止に伴うECU76の停止後、エンジン10の再度の始動直後からセンサ応答時間ずれΔTの前回学習値を用いることができ、ひいては最小圧力タイミングを極力精度良く推定することができる。
(その他の実施形態)
・上記第1の実施形態では、A/Fセンサ58a、58b出力が排気圧力の最小値に対応する出力になるタイミング(最小圧力タイミング)を、排気バルブ44の開弁タイミングTEVALVE、エンジン回転速度NE及び排気量Qに基づき推定したがこれに限らない。例えば、排気通路56a、56bにおいて、A/Fセンサ58a、58b近傍に排気圧力を検出する手段(排気圧センサ)が備えられるシステムでは、排気圧センサの検出値に基づき、最小圧力タイミングを特定してもよい。また、排気圧センサが設けられるシステムであっても、排気圧センサとA/Fセンサ58a、58bとの設置位置が離れている場合には、排気圧センサからA/Fセンサ58a、58bまでの距離に対応する排気圧力の変化を把握するためのパラメータ(エンジン回転速度、排気量等)に基づき排気圧センサにより検出される排気圧力を補正し、この補正された排気圧力に基づき最小圧力タイミングを推定してもよい。
・上記第2の実施形態では、燃料カット制御がオンされると判断された場合に学習実行条件が成立すると判断したがこれに限らない。例えば燃料カット制御のオフ(燃料噴射の開始)によって実空燃比がリッチ側に大きく変化すると判断された場合に学習実行条件が成立すると判断してもよい。また例えば燃料カット制御に限らず、加速増量制御によって実空燃比がリッチ側に変化すると判断された場合に学習実行条件が成立すると判断してもよい。この場合、A/Fセンサ58a、58b出力の応答性の評価は、加速増量制御を利用して先の図5に示した手法と同様の手法で行えばよい。
・上記第2の実施形態では、センサ応答時間ずれΔT(ガスセンサの実際の応答性についての情報)をECU76の常時記憶保持メモリ内に記憶(学習)したがこれに限らない。例えば計測時間ΔTsを学習してもよい。この場合、A/Fセンサ58a、58b出力の中央特性についての上記計測時間をECU76のメモリ内に予め記憶しておき、この計測時間と学習された計測時間ΔTsとの減算値に応じて最小圧力タイミングを進角側又は遅角側に補正すればよい。
・最小圧力タイミングを推定するためのパラメータとしては、排気バルブ44の開弁タイミングTEVALVE、エンジン回転速度NE及び排気量Qに限らない。例えば上記パラメータから排気量Qを除外し、排気バルブ44の開弁タイミングTEVALVE及びエンジン回転速度NEのみを用いてもよい。これは、排気量Qの変化が最小圧力タイミングの変化に及ぼす影響が小さいことに基づくものである。これにより、サンプリングタイミング特定処理の簡略化を図ることができる。
・A/Fセンサの出力が特定の圧力に対応する出力となるタイミングとしては、排気圧力の最小値に対応する出力となるタイミング(最小圧力タイミング)に限らない。例えば、排気圧力の最小値よりも大きく且つ最大値以下の値(特定値)に対応する出力となるタイミングであってもよい。この場合、ECU76において、A/Fセンサに加わる排気圧力として上記特定値を想定することで、A/Fセンサ出力から空燃比を把握することが望ましい。
・上記各実施形態では、排気圧力の最小値が固定値であるものとみなしてA/Fセンサ出力から空燃比を把握するようにしたがこれに限らない。例えば、エンジン10の運転状態に応じて排気圧力の最小値が変化すると考えられる場合には、エンジン10の運転状態に応じた都度の排気圧力の最小値がECU76によって想定される値からずれる際に、A/Fセンサ出力に基づく空燃比の検出(把握)処理において、このずれの影響を補償する処理を含めることが望ましい。ここで、排気圧力の最小値は、例えば、排気バルブ44の開弁タイミングや、エンジン回転速度、排気量、燃料噴射量(燃料噴射量が少ないと排気圧力が低下)、燃焼室28内の燃焼圧力(又はこれと相関を有するパラメータである点火時期、点火時期を遅角させると排気圧力が低下)、大気圧等のパラメータに基づき行えばよい。
・ガスセンサの出力が特定の圧力に対応する出力となるタイミングとしては、ガスセンサについての基準となる特性を前提としたものに限らない。例えばA/Fセンサ出力の応答遅れ(むだ時間、応答時間)が無視できるなら、特定の圧力となるタイミングそのものを上記「ガスセンサの出力が特定の圧力に対応する出力となるタイミング」とみなしてもよい。
・排気中の特定成分の濃度を検出するガスセンサとしては、A/Fセンサに限らず、例えば排気中のNOx濃度を検出するNOxセンサや、排気中のHC濃度を検出するHCセンサ、更にはO2センサであってもよい。排気脈動に起因してこれらセンサの出力が変動するおそれがあるなら、本発明の適用が有効である。
・内燃機関としては、ガソリンエンジンのような火花点火式内燃機関に限らない。例えばディーゼルエンジン等の圧縮着火式内燃機関であってもよい。
10…エンジン、14…エアフローメータ、44…排気バルブ、46…クランク角度センサ、52…排気側カム角センサ、56a、56b…排気通路、58a、58b…A/Fセンサ、60…ターボチャージャ、62b…排気タービン、76…ECU(ガスセンサの信号処理装置の一実施形態)。

Claims (8)

  1. 内燃機関の排気通路に備えられ、同排気通路内の排気中の特定成分の濃度を検出するガスセンサに適用されるガスセンサの信号処理装置において、
    前記ガスセンサの出力が特定の圧力に対応する出力となるタイミングを特定する特定手段と、
    前記特定されたタイミングで前記ガスセンサの出力を取得する取得手段とを備えることを特徴とするガスセンサの信号処理装置。
  2. 前記特定の圧力は、前記ガスセンサに加わる排気圧力の最小値であることを特徴とする請求項1記載のガスセンサの信号処理装置。
  3. 前記特定手段は、前記ガスセンサの出力が特定の圧力に対応する出力となるタイミングを推定するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のガスセンサの信号処理装置。
  4. 前記特定手段は、前記内燃機関の燃焼室と前記排気通路とを連通又は遮断する排気バルブの開弁タイミングと、前記内燃機関の機関回転速度とに基づき、前記タイミングを推定するものであることを特徴とする請求項3記載のガスセンサの信号処理装置。
  5. 前記ガスセンサの実際の応答性についての情報を学習する学習手段と、
    前記学習された実際の応答性についての情報に基づき、前記タイミングを補正する補正手段とを更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスセンサの信号処理装置。
  6. 前記ガスセンサは、空燃比センサであり、
    前記学習手段は、燃料カット制御又は加速増量制御が行われると判断された場合、前記ガスセンサの実際の応答性についての情報を学習することを特徴とする請求項5記載のガスセンサの信号処理装置。
  7. 前記排気通路における前記ガスセンサの下流側には、過給機の排気タービンが備えられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のガスセンサの信号処理装置。
  8. 前記内燃機関は、多気筒内燃機関であり、
    前記ガスセンサは、前記内燃機関の各気筒に接続される排気通路の集合部に備えられる空燃比センサであり、
    前記取得手段による取得値に基づき、前記内燃機関の気筒毎の空燃比を把握する手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のガスセンサの信号処理装置。
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