JP2010236164A - グラビア印刷用塗工紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】 (低密度)で、白紙光沢度が高く、優れたグラビア印刷適性を有するグラビア印刷用塗工紙を提供することにある。
【解決手段】 原紙上に顔料及び接着剤を含有する塗工液を塗工・乾燥するグラビア印刷用塗工紙の製造方法において、紙中水分量が5%以下である原紙に、処理強度を片面当たり1500J/m2以上でコロナ放電処理した直後に、塗工液を片面あたり固形分で1〜20g/m2となるように塗工・乾燥することを特徴とする、グラビア印刷用塗工紙の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 原紙上に顔料及び接着剤を含有する塗工液を塗工・乾燥するグラビア印刷用塗工紙の製造方法において、紙中水分量が5%以下である原紙に、処理強度を片面当たり1500J/m2以上でコロナ放電処理した直後に、塗工液を片面あたり固形分で1〜20g/m2となるように塗工・乾燥することを特徴とする、グラビア印刷用塗工紙の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、優れたグラビア印刷適性を備えた印刷用塗工紙に関するものである。
グラビア印刷は、版の凹部分のインキを加圧下で転移するという凹版印刷方式であり階調再現性に優れているため、雑誌、カタログ、パンフレットなどの商業印刷分野などで用いられている。グラビア印刷では、オフセット印刷と比較して硬質の金属ロールを版として用いるため、印刷時に版が用紙に密着しないと、網点が欠落する「ミッシングドット」が生じる。このミッシングドットが多い場合は、印刷品質の著しい低下となる。そのため、グラビア印刷用塗工紙の原紙と塗工層には、グラビア印刷の版が用紙と密着できるよう、平滑性およびクッション性が特に要求される。平滑性が高ければ、版への接触が密になり、クッション性が高ければ、印刷時の印圧により紙が変形して紙への密着性が高くなるからである。
一般に、グラビア印刷用塗工紙の塗工層表面の平滑度を向上させるには、一般的に塗工層組成物中にアスペクト比の高い顔料(デラミネーテッドクレー、タルク等)を配合することが有効とされている。しかしながら、塗工紙の製造において塗工液の塗工層組成物中にアスペクト比の高い顔料を多く配合する事は、塗工液の粘度が上昇し、調液時のハンドリングが難しく、ストリーク、スクラッチ等の塗工不良の原因になりやすい。このため、塗工液の固形分濃度をあまり高く出来ないことが現状であり、水分の多い塗工液を用いる結果、乾燥条件を強くする必要が生じ、コスト高につながる。また、アスペクト比の高いデラミネーテッドクレーやタルクといった顔料は、一般的に艶消し塗被紙のような白紙光沢度の低い用途に多く使用される事からも分かるように、配合量を多くした場合に塗工紙の白紙光沢度が低下し、高白紙光沢度を必要とする用途には適さない。
また、ミッシングドットの発生防止、不透明度の向上を目的として、焼成クレーを他の顔料と併用する方法も知られている。しかし、焼成クレーは流動性に劣るため、塗工液の粘度が上昇し、ストリーク、スクラッチ等の塗工不良の原因になりやすく、コータでの作業性が悪化する可能性がある。このため、塗料の固形分濃度をあまり高く出来ない。
一般に、グラビア印刷用塗工紙の塗工層表面の平滑度を向上させるには、一般的に塗工層組成物中にアスペクト比の高い顔料(デラミネーテッドクレー、タルク等)を配合することが有効とされている。しかしながら、塗工紙の製造において塗工液の塗工層組成物中にアスペクト比の高い顔料を多く配合する事は、塗工液の粘度が上昇し、調液時のハンドリングが難しく、ストリーク、スクラッチ等の塗工不良の原因になりやすい。このため、塗工液の固形分濃度をあまり高く出来ないことが現状であり、水分の多い塗工液を用いる結果、乾燥条件を強くする必要が生じ、コスト高につながる。また、アスペクト比の高いデラミネーテッドクレーやタルクといった顔料は、一般的に艶消し塗被紙のような白紙光沢度の低い用途に多く使用される事からも分かるように、配合量を多くした場合に塗工紙の白紙光沢度が低下し、高白紙光沢度を必要とする用途には適さない。
また、ミッシングドットの発生防止、不透明度の向上を目的として、焼成クレーを他の顔料と併用する方法も知られている。しかし、焼成クレーは流動性に劣るため、塗工液の粘度が上昇し、ストリーク、スクラッチ等の塗工不良の原因になりやすく、コータでの作業性が悪化する可能性がある。このため、塗料の固形分濃度をあまり高く出来ない。
さらに、プラスチックピグメントなどの有機顔料を使用し、高白紙光沢度、ミッシングドットの防止効果、不透明性などを付与するという方法が知られている(特許文献1参照)。しかし、有機顔料は無機顔料と比較して高価であるためコスト高となり、さらに有機顔料を添加した塗工液は、高剪断力下における粘度が上昇しやすく、ストリーク、スクラッチ等の塗工不良の原因になりやすい。このため、塗工液の固形分濃度をあまり高く出来ないことが現状であり、その結果、乾燥条件を強くする必要が生じ、コスト高につながる。
また、グラビア印刷用塗工紙の塗工層表面を機械的に平滑にし、かつ白紙光沢度を付与する手法として、通常、スーパーカレンダーを使用した高度の加圧処理が行われている。スーパーカレンダーによる表面処理は、平滑度および白紙光沢度を高める効果は得られるが、同時に塗工紙の密度が高まり、塗工紙の不透明性や剛度、クッション性は失われる。
不透明性や剛度、クッション性が失われないためには加圧処理を軽減する必要があるが、通常は、同時に白紙光沢度、平滑性の低下とグラビア印刷時のスペックルの増加となるため、あまりスーパーカレンダーの加圧を軽減できないのが現状である。
また、グラビア印刷用塗工紙の塗工層表面を機械的に平滑にし、かつ白紙光沢度を付与する手法として、通常、スーパーカレンダーを使用した高度の加圧処理が行われている。スーパーカレンダーによる表面処理は、平滑度および白紙光沢度を高める効果は得られるが、同時に塗工紙の密度が高まり、塗工紙の不透明性や剛度、クッション性は失われる。
不透明性や剛度、クッション性が失われないためには加圧処理を軽減する必要があるが、通常は、同時に白紙光沢度、平滑性の低下とグラビア印刷時のスペックルの増加となるため、あまりスーパーカレンダーの加圧を軽減できないのが現状である。
以上のような状況に鑑み、本発明の課題は、白紙光沢度が高く、優れたグラビア印刷適性を有するグラビア印刷用塗工紙を提供することにある。
原紙に、顔料及び接着剤を含有する塗工液を塗工・乾燥するグラビア印刷用塗工紙の製造方法において、紙中水分量が5%以下である原紙に、処理強度を片面当たり1500J/m2以上でコロナ放電処理した直後に、塗工液を片面あたり固形分で1〜20g/m2となるように塗工・乾燥することにより、PPSラフネス、マイクロトポグラフラフネスが低く、白紙光沢度が高く、ミッシングドットが少なく、グラビア印刷適性に優れたグラビア印刷用塗工紙製造することを見出した。
本発明により、白紙光沢度が高く、ミッシングドットが少なく優れたグラビア印刷適性を有したグラビア印刷用塗工紙を得ることができる。また、白紙光沢度、PPSラフネス、マイクロトポグラフラフネスが低く、動的平滑性が向上するので、スーパーカレンダーの加圧を低減することができ、高密度化を抑え、低密度で光白紙光沢度、印刷適性に優れたグラビア印刷用塗工紙を得ることができる。
本発明においては、紙中水分を規定した原紙に、特定の処理強度でコロナ放電処理した直後に、顔料と接着剤を主成分とする塗工液を塗工・乾燥することにより、グラビア印刷用塗工紙を製造するものである。また、本発明においては、コロナ放電処理効果をより発揮させるために、原紙にコロナ放電した後、この好ましくは10秒以内、より好ましくは3秒以内に顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工した方が好ましい。
本発明においては、特定の紙中水分の原紙表面にコロナ放電処理し、表面改質することが重要である。
本発明の原紙の紙中水分は、5%以下にすることにより、コロナ放電処理の効果を発揮することができる。好ましくは原紙の紙中水分が4%以下とすることが望ましい。また、紙中水分は、コロナ効果においては、低い方が好ましいがグラビア印刷適性の点から紙中水分は、1%以上が好ましい。
原紙のコロナ処理による表面改質の効果をより向上させるには、1500J/m2以上で行う必要があり、好ましくは2000J/m2以上であり、上限としては、100kJ/m2程度である。また、コロナ電極と原紙の間の間隙は、特に限定はないが、操業に支障がない範囲で可能な限り狭くすることがエネルギー効率的な観点から望ましく、具体的には原紙表面から0.1mm〜100mm程度が好ましい。本発明により白紙光沢度が高く、グラビア印刷適性が良好になる理由は以下のように考えられる。コロナ放電により局所的な破壊が起こり、原紙の凸部が平坦になるといった物理的効果から、ラフネスが低下し、原紙自体もクッション性が付与され、その結果、白紙光沢度も向上し、版への密着性が良好になり、ミッシングドットが抑えられ、グラビア印刷適性が向上すると思われる。また、コロナ放電処理は、大気中でコロナ放電を発生させ、それにより官能基が生成されると共にその電子を直接原紙表面に照射するものである。これにより原紙表面が酸化し、水酸基、カルボニル基等の官能基が増加し、親水化することにより、原紙の濡れ性が向上する。これにより、塗工液中の水分が優先的に原紙へ浸透し、固形分が原紙表面に多く留まることで有効塗工層が増加し、ラフネスが低くなり、グラビア印刷適性が向上するものと思われる。
本発明の原紙には、通常のパルプ、填料等が配合される。本発明において原紙に配合されるパルプの種類等は特に限定されない。例えば広葉樹クラフトパルプ(以下、LBKPとする)、針葉樹クラフトパルプ(以下、NBKPとする)、サーモメカニカルパルプ、砕木パルプ、古紙パルプ等が使用される。また、原紙に配合される填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、カオリン、クレー、タルク、水和珪酸、無定型シリケート、ホワイトカーボン、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。填料の使用量は、パルプ重量当たり5〜18重量%以上が好ましい。さらに必要に応じて、硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留向上剤、着色顔料、染料、消泡剤などを含有してもよい。
原紙の抄紙方法については特に限定されるものではなく、トップワイヤー等を含む長網マシン、ギャップフォーマーマシン、丸網マシン、二者を併用したマシン、ヤンキードライヤーマシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙方式で抄紙した原紙のいずれであってもよく、新聞古紙から得られる回収古紙パルプを含む中質原紙も使用できる。また、サイズプレス、ビルブレード、ゲートロールコーター、プレメタリングサイズプレスを使用して、澱粉、ポリビニルアルコールなどを予備塗工した原紙等も使用できる。
塗工原紙としては、一般の塗工紙に用いられる坪量が30〜400g/m2が適宜用いることができるが、30〜200g/m2程度が好ましい。
本発明の塗工層に用いられる顔料としては、発明の目的を損なわない範囲で併用することができる。例えば、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、プラスチックピグメントなどの有機顔料であり、これらの無機顔料は必要に応じて単独または2種類以上併用して使用できる。さらに、本発明ではレーザー回折式の平均粒子径が0.2〜1.2μmの炭酸カルシウムを顔料100重量部当たり60重量部以上でも良好なグラビア印刷品質を得ることができるまた、炭酸カルシウムの中でもロゼッタ型の炭酸カルシウムの使用することにより、グラビア印刷品質を向上することができる。
本発明の塗工層に用いられる接着剤としては特に制限はなく、発明の目的を損なわない範囲で複数の接着剤を併用することができる。接着剤としては塗工紙用に従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、あるいは無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成接着剤; カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白などの蛋白質類; 酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉などの通常の塗工紙用接着剤1種以上を適宜選択して使用される。これらの接着剤の総量は無機顔料1 0 0 重量部当たり3〜15重量部、より好ましくは3〜12重量部程度の範囲で使用される。本発明で使用する接着剤としては、ガラス転移温度は、−50℃〜+20℃の共重合体ラテックスであることが好ましい。この範囲のものを使用することによって、グラビア印刷に適したクッション性を有する塗工層となる。
本発明の塗工液には、分散剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等の通常使用される各種助剤を使用しても良い。本発明においては、保水性を向上させる場合は、アクリル系合成保水剤、ヒドロキシエチルセルロースを用いることが好ましく、会合型のアクリル系合成保水剤を使用するのがより好ましい。会合型アクリル系合成保水剤は、塗工液の保水性を向上させ、かつ塗工液の高ずり粘度を低くする働きがある。そのため、高速塗工に適するとともに、塗工時に塗料が塗工原紙内部に押し込まれず、原紙上の塗工層を嵩高にし、塗工層のクッション性が向上する。尚、アクリル系合成保水剤および/またはヒドロキシエチルセルロースを用いる場合、配合量としては、顔料100重量部に対して0.1〜1.0重量部が好ましい。
塗工原紙に調整された塗工液を塗工する方法としては、ブレードコータ、バーコータ、ロールコータ、エアナイフコータ、リバースロールコータ、カーテンコータ、サイズプレスコータ、ゲートロールコータ、スプレーコータ等を用いて、一層もしくは二層以上を原紙上に片面あるいは両面塗工することができる。塗工量は、所望の特性に応じて決定されるが、本発明の場合は片面当たり1〜20g/m2、より好ましくは5〜15g/m2の塗工量で、高い白紙光沢度とグラビア印刷品質を得ることができる。
湿潤塗工層を乾燥させる方法としては、例えば蒸気過熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等各種の方法が単独もしくは併用して用いられる。
このようにして得られたグラビア印刷用塗工紙はカレンダー処理を行わなくても良好な被覆性を得ることができ、PPSラフネス、マイクロトポグラフラフネスが低く、良好な動的平滑性やグラビア印刷適性を有する。また、このようにして得られた塗工紙を、カレンダー処理をすることにより、白紙光沢度ヤグラビア印刷適性を向上することができる。カレンダー処理は、コート紙の平滑化処理に通常使用されるスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー等を用いて行なえばよく、また、これらを併用してもよい。
本発明においては、PPSラフネスが1.8μm以下、マイクロトポグラフラフネスが2.0μm以下であることが良好な印刷適性を有するグラビア印刷用塗工紙を得ることができる。
本発明の塗工液には、分散剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等の通常使用される各種助剤を使用しても良い。本発明においては、保水性を向上させる場合は、アクリル系合成保水剤、ヒドロキシエチルセルロースを用いることが好ましく、会合型のアクリル系合成保水剤を使用するのがより好ましい。会合型アクリル系合成保水剤は、塗工液の保水性を向上させ、かつ塗工液の高ずり粘度を低くする働きがある。そのため、高速塗工に適するとともに、塗工時に塗料が塗工原紙内部に押し込まれず、原紙上の塗工層を嵩高にし、塗工層のクッション性が向上する。尚、アクリル系合成保水剤および/またはヒドロキシエチルセルロースを用いる場合、配合量としては、顔料100重量部に対して0.1〜1.0重量部が好ましい。
塗工原紙に調整された塗工液を塗工する方法としては、ブレードコータ、バーコータ、ロールコータ、エアナイフコータ、リバースロールコータ、カーテンコータ、サイズプレスコータ、ゲートロールコータ、スプレーコータ等を用いて、一層もしくは二層以上を原紙上に片面あるいは両面塗工することができる。塗工量は、所望の特性に応じて決定されるが、本発明の場合は片面当たり1〜20g/m2、より好ましくは5〜15g/m2の塗工量で、高い白紙光沢度とグラビア印刷品質を得ることができる。
湿潤塗工層を乾燥させる方法としては、例えば蒸気過熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等各種の方法が単独もしくは併用して用いられる。
このようにして得られたグラビア印刷用塗工紙はカレンダー処理を行わなくても良好な被覆性を得ることができ、PPSラフネス、マイクロトポグラフラフネスが低く、良好な動的平滑性やグラビア印刷適性を有する。また、このようにして得られた塗工紙を、カレンダー処理をすることにより、白紙光沢度ヤグラビア印刷適性を向上することができる。カレンダー処理は、コート紙の平滑化処理に通常使用されるスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー等を用いて行なえばよく、また、これらを併用してもよい。
本発明においては、PPSラフネスが1.8μm以下、マイクロトポグラフラフネスが2.0μm以下であることが良好な印刷適性を有するグラビア印刷用塗工紙を得ることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、勿論これらの例に限定されるものではない。尚、特に断らない限り、例中の部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。尚、塗工液および得られた印刷用塗工紙について以下に示すような評価法に基づいて試験を行った。
〈評価方法〉
(1)PPSラフネス:ISO8791/4に基づいて測定した。尚、バッキング材は硬度95IRHDのハードバッキング材を用い、クランプ圧力は10kgf/cm2で測定した。
(2)マイクロトポグラフラフネス:加圧時に平滑なガラス面との接触面積を測定して粗さを算出するマイクロトポグラフを用いて、クランプ圧力は20kgf/cm2で測定した。
(3)白紙光沢度:JIS P 8142に基づいて測定した。
(4)印刷光沢度: 大蔵省式グラビア単色印刷機を用いて、印刷速度30m/min 、印圧20kgf/cm で印刷し、得られた印刷物の表面をJIS P 8142 に基づいて測定した。
(5)網点欠落率: 上記したグラビア単色印刷方式により印刷された塗工紙の網点欠落率
は、目視により評価した。◎ : 極めて良好、○ : 良好、△ : やや劣る、× : 劣る
[実施例1]
製紙用パルプとして化学パルプを85部、古紙パルプを15%含有し、紙中水分が4%で、坪量44g/m2の原紙に、処理強度が片面当たり2400J/m2の条件で速度300m/minでコロナ処理を行って2秒後に、顔料として重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製FMT−97)64部、二級クレー(イメリス社製KCS)36部、スチレン−ブタジエン共重合型ラテックス7部、酸化澱粉4部から成る塗工液を、片面当たりの塗工量が11g/m2になるように、300m/minの塗工速度のブレードコータで両面塗工を行い、塗工紙水分が5% になるように乾燥した。
次いで、ロール温度70℃、4ニップ、カレンダー線圧200kN/mの条件でカレンダー処理を行い、グラビア印刷用塗工紙を得た。
[実施例2]
実施例1において、片面当たりの塗工量が11g/m2のかわりに、7g/m2に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
[実施例3]
実施例1において顔料として、紡錘状の一次粒子が凝集してロゼッタ形状の二次粒子を形成したカルサイト結晶の軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業社製:TP221BM、平均粒子径2.2μm)64部、二級クレー(イメリス社製KCS)36部を用い、片面当たりの塗工量を9g/m2にすること以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
[比較例1]
実施例1において、片面当たり2400J/m2のコロナ処理のかわりに、コロナ未処理に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
[比較例2]
実施例1において、処理強度が片面当たり1200J/m2の条件でコロナ処理を行うことに変更した以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
[比較例3]
実施例1において、原紙の紙中水分が7%であること以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
〈評価方法〉
(1)PPSラフネス:ISO8791/4に基づいて測定した。尚、バッキング材は硬度95IRHDのハードバッキング材を用い、クランプ圧力は10kgf/cm2で測定した。
(2)マイクロトポグラフラフネス:加圧時に平滑なガラス面との接触面積を測定して粗さを算出するマイクロトポグラフを用いて、クランプ圧力は20kgf/cm2で測定した。
(3)白紙光沢度:JIS P 8142に基づいて測定した。
(4)印刷光沢度: 大蔵省式グラビア単色印刷機を用いて、印刷速度30m/min 、印圧20kgf/cm で印刷し、得られた印刷物の表面をJIS P 8142 に基づいて測定した。
(5)網点欠落率: 上記したグラビア単色印刷方式により印刷された塗工紙の網点欠落率
は、目視により評価した。◎ : 極めて良好、○ : 良好、△ : やや劣る、× : 劣る
[実施例1]
製紙用パルプとして化学パルプを85部、古紙パルプを15%含有し、紙中水分が4%で、坪量44g/m2の原紙に、処理強度が片面当たり2400J/m2の条件で速度300m/minでコロナ処理を行って2秒後に、顔料として重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製FMT−97)64部、二級クレー(イメリス社製KCS)36部、スチレン−ブタジエン共重合型ラテックス7部、酸化澱粉4部から成る塗工液を、片面当たりの塗工量が11g/m2になるように、300m/minの塗工速度のブレードコータで両面塗工を行い、塗工紙水分が5% になるように乾燥した。
次いで、ロール温度70℃、4ニップ、カレンダー線圧200kN/mの条件でカレンダー処理を行い、グラビア印刷用塗工紙を得た。
[実施例2]
実施例1において、片面当たりの塗工量が11g/m2のかわりに、7g/m2に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
[実施例3]
実施例1において顔料として、紡錘状の一次粒子が凝集してロゼッタ形状の二次粒子を形成したカルサイト結晶の軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業社製:TP221BM、平均粒子径2.2μm)64部、二級クレー(イメリス社製KCS)36部を用い、片面当たりの塗工量を9g/m2にすること以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
[比較例1]
実施例1において、片面当たり2400J/m2のコロナ処理のかわりに、コロナ未処理に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
[比較例2]
実施例1において、処理強度が片面当たり1200J/m2の条件でコロナ処理を行うことに変更した以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
[比較例3]
実施例1において、原紙の紙中水分が7%であること以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
以上の結果を表1に示した。
表1より、原紙にコロナ放電処理したグラビア印刷用塗工紙である実施例1は、コロナ放電処理していない比較例1に比べて、ラフネスが低く、白紙光沢度、印刷光沢度が高く、グラビア品質が優れることは明らかである。しかし、コロナ処理強度が1200J/m2の比較例2はコロナ放電処理していない比較例1と比べて動的平滑度、白紙光沢度、印刷光沢度がほぼ同等であり、この強度では効果がないことは明らかである。顔料としてHB粉砕品を用い、塗工量が7g/m2である実施例3は重質炭酸カルシウムを用い、塗工量が11g/m2である実施例1と比較してラフネス、白紙光沢度、印刷光沢度が同等であり、グラビア品質が優れることは明らかである。原紙の紙中水分が7%である比較例3は、コロナ放電処理していない比較例1と比べて動的平滑度、白紙光沢度、印刷光沢度がほぼ同等であり、この原紙中水分では効果がないことは明らかである。
Claims (1)
- 原紙上に顔料及び接着剤を含有する塗工液を塗工・乾燥するグラビア印刷用塗工紙の製造方法において、紙中水分量が5%以下である原紙に、処理強度を片面当たり1500J/m2以上でコロナ放電処理した直後に、塗工液を片面あたり固形分で1〜20g/m2となるように塗工・乾燥することを特徴とする、グラビア印刷用塗工紙の製造方法。
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- 2009-03-31 JP JP2009088423A patent/JP2010236164A/ja active Pending
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