JP2010235582A - 二剤式染毛剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルカリ剤を含有する第1剤、過酸化水素を含有する第2剤、及び第1剤と第2剤の混合液を泡状に吐出するノンエアゾールフォーマー容器からなり、混合液中に次の成分(A)及び(B)
(A)モノ長鎖脂肪族基トリメチルアンモニウム塩:0.02〜10質量%
(B)アニオン界面活性剤:0.5〜10質量%
を含有し、混合液の25℃における粘度が1〜300mPa・sである二剤式染毛剤。
【選択図】なし
Description
(A)モノ長鎖脂肪族基トリメチルアンモニウム塩:0.02〜10質量%
(B)アニオン界面活性剤:0.5〜10質量%
を含有し、混合液の25℃における粘度が1〜300mPa・sである二剤式染毛剤を提供するものである。
成分(A)のモノ長鎖脂肪族基トリメチルアンモニウム塩における長鎖脂肪族基は、直鎖及び分岐鎖のいずれでもよく、またアルキル基及びアルケニル基のいずれでもよいが、炭素数は16〜22、更には16〜20、特に16〜18が好ましく、アルキル基がより好ましく、また直鎖であるのがより好ましい。具体的には、長鎖脂肪族基としては、セチル基、ステアリル基が好ましい。また成分(A)のアンモニウムイオンの対イオンとしては、ハロゲン化物イオン(塩化物イオン、臭化物イオン等)、有機アニオン(メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、サッカリンイオン等)が挙げられ、なかでも塩化物イオン、臭化物イオンが好ましい。
成分(B)のアニオン界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル系アニオン界面活性剤;N-アシルアミノ酸塩、N-アシル-N-アルキルアミノ酸塩、アミド型N-アシルアミノ酸塩、エーテルカルボン酸塩、脂肪酸塩、コハク酸アルキル又はコハク酸アルケニルの塩等のカルボン酸系アニオン界面活性剤;スルホコハク酸塩型、イセチオン酸塩型、タウリン塩型、アルキルベンゼンスルホン酸塩型、α-オレフィンスルホン酸塩型、アルカンスルホン酸型等のスルホン酸系アニオン界面活性剤;アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩等のリン酸エステル系アニオン界面活性剤が挙げられる。これらのうち、カルボン酸系、硫酸エステル系が好ましく、特にカルボン酸系が好ましい。カルボン酸系アニオン界面活性剤の中でも、N-アシルアミノ酸塩、N-アシル-N-アルキルアミノ酸塩、エーテルカルボン酸塩が好ましい。N-アシルアミノ酸塩のアミノ酸残基としては、グルタミン酸、アスパラギン酸等が挙げられ、N-アシル-N-アルキルアミノ酸塩のアミノ酸残基としては、グルタミン酸、グリシン、β-アラニン等が挙げられる。N-アシルアミノ酸塩、N-アシル-N-アルキルアミノ酸塩のアシル基の炭素数は、10〜18、更には10〜16、更には10〜14であることが好ましい。N-アシル-N-アルキルアミノ酸塩のアルキル基の炭素数は、10〜18、更には10〜16、更には10〜14であることが好ましい。
第1剤中にはアルカリ剤を含有する。アルカリ剤としては、アンモニア及びその塩; モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、2-アミノブタノール等のアルカノールアミン及びその塩; 1,3-プロパンジアミン等のアルカンジアミン及びその塩; 炭酸グアニジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩等が挙げられる。これらのアルカリ剤は、2種以上を併用してもよく、またその含有量は、十分な染毛・脱色効果の点、及び毛髪損傷や頭皮刺激の低減の点から、混合液中の0.05〜15質量%が好ましく、更に0.1〜10質量%、特に0.2〜5質量%が好ましい。
第2剤中の過酸化水素の含有量は、1〜9質量%、特に3〜6質量%が好ましく、第1剤と第2剤の混合液中における過酸化水素の含有量は、1〜6質量%、特に2〜5質量%が好ましい。また、第2剤のpHは、過酸化水素の分解抑制のため、2〜6、特にpH2.5〜4とすることが好ましい。
本発明の二剤式染毛剤が、毛髪脱色剤である場合には、染料は含有せず、染毛剤である場合には、第1剤に酸化染料中間体又は直接染料を含有する。
酸化染料中間体としては、通常染毛剤に使用されている公知のプレカーサー及びカプラーを用いることができる。プレカーサーとしては、例えばパラフェニレンジアミン、トルエン-2,5-ジアミン、2-クロロ-パラフェニレンジアミン、N-メトキシエチル-パラフェニレンジアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-パラフェニレンジアミン、2-(2-ヒドロキシエチル)-パラフェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラフェニレンジアミン、4,4′-ジアミノジフェニルアミン、1,3-ビス(N-(2-ヒドロキシエチル)-N-(4-アミノフェニル)アミノ)-2-プロパノール、PEG-3,3,2′-パラフェニレンジアミン、パラアミノフェノール、パラメチルアミノフェノール、3-メチル-4-アミノフェノール、2-アミノメチル-4-アミノフェノール、2-(2-ヒドロキシエチルアミノメチル)-4-アミノフェノール、オルトアミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、2-アミノ-5-アセタミドフェノール、3,4-ジアミノ安息香酸、5-アミノサリチル酸、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノ-4-ヒドロキシピリミジン、4,5-ジアミノ-1-(4′-クロロベンジル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ヒドロキシエチルピラゾールとこれらの塩等が挙げられる。
直接染料としては、酸性染料、ニトロ染料、分散染料、塩基性染料等が挙げられる。酸性染料としては、青色1号、紫色401号、黒色401号、だいだい色205号、赤色227号、赤色106号、黄色203号、アシッドオレンジ3等が挙げられ、ニトロ染料としては、2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、3-ニトロ-p-ヒドロキシエチルアミノフェノール、4-ニトロ-o-フェニレンジアミン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、HCブルーNo.2、HCオレンジNo.1、HCレッドNo.1、HCイエローNo.2、HCイエローNo.4、HCイエローNo.5、HCレッドNo.3、N,N-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロ-p-フェニレンジアミン等が挙げられ、分散染料としては、ディスパーズバイオレット1、ディスパーズブルー1、ディスパーズブラック9等が挙げられ、塩基性染料としては、ベーシックブルー99、ベーシックブラウン16、ベーシックブラウン17、ベーシックレッド76、ベーシックレッド51、ベーシックイエロー57、ベーシックイエロー87、ベーシックオレンジ31等が挙げられる。
本発明の二剤式染毛剤には、更に、成分(A)、成分(B)以外の界面活性剤を含有させることができる。そのような界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、半極性界面活性剤、成分(A)以外のカチオン界面活性剤が挙げられる。
本発明の二剤式染毛剤には、泡もちを良くし、本発明の二剤式染毛剤を頭髪に塗布した後、放置している間の液だれを抑制する効果を高めるため、更に高級アルコールを含有させることができる。
本発明の二剤式染毛剤には、髪に塗布した後に適度な泡残りを保ち、塗布した場所を確認しやすくする効果を高める観点より、更にジアリル4級アンモニウム塩の重合体又は共重合体を含有させることができる。ジアリル4級アンモニウム塩の重合体又は共重合体の具体例としては、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド重合体(ポリクオタニウム-6、例えばマーコート100;Nalco社)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸共重合体(ポリクオタニウム-22、例えばマーコート280、同295;Nalco社)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリルアミド共重合体(ポリクオタニウム-7、例えばマーコート550;Nalco社)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸/アクリルアミド共重合体(ポリクオタニウム-39、例えばマーコートプラス3330、同3331;Nalco社)等が挙げられる。なかでも、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸共重合体が好ましい。
更に、第1剤又は第2剤中に不揮発性親水性溶剤を含有することが好ましい。これにより、混合液の泡を頭髪に塗布した後、放置している間に、混合液から水分が蒸発して過酸化水素等の刺激性の成分が濃縮されることによる頭皮に対する刺激を軽減することができる。不揮発性親水性溶剤としては、ポリオール類やその低級(炭素数1〜4)アルキルエーテル類などの消泡作用のないものが好ましい。ポリオール類としては、炭素数2〜6のものが好ましく、例えば、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、ソルビトール等が挙げられる。ポリオールの低級アルキルエーテル類としては、前掲のポリオールのモノ低級アルキルエーテルやポリ低級アルキルエーテル(例えば、ジ低級アルキルエーテル)などが挙げられる。なかでもポリオールのモノメチルエーテル又はモノエチルエーテルが好ましく、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。これらは、二種以上を併用することができる。
第1剤及び第2剤は水を媒体とし、また、上記成分のほかに通常化粧品原料として用いられる他の成分を加えることができる。このような任意成分としては、動植物油脂、天然又は合成の高分子、エーテル類、蛋白誘導体、加水分解蛋白、アミノ酸類、防腐剤、キレート剤、安定化剤、酸化防止剤、植物性抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、紫外線吸収剤が挙げられる。
本発明の二剤式染毛剤のpH(25℃)は、脱色・染毛効果と皮膚刺激性の点から、使用時(混合時)において、8〜12、更には9〜11、特に9〜10が好ましい。pH調整剤としては、前記のアルカリ剤のほか、塩酸、リン酸等の無機酸、クエン酸、グリコール酸、乳酸等の有機酸、リン酸二水素一カリウム、リン酸一水素二ナトリウム等のリン酸塩等が挙げられる。
第1剤と第2剤の混合液の粘度は、1〜300mPa・sであり、5〜200mPa・s、特に10〜100mPa・sが好ましい。なお、ここでの粘度は、25℃、B型回転粘度計で、ローターNo.1を用い、測定対象が100mPa・s以下の場合の回転速度は60rpm、100〜200mPa・sの場合は30rpm、200mPa・s以上の場合は12rpmで測定する。回転数の大きい測定から順番に行い、表示が振り切れることなく測定できた時点で測定を完了し、以降の回転数の小さい測定は行わない。
フォーマー容器の泡吐出手段による空気と混合液との気液混合比は、剤の髪への馴染み易さ及び塗り易さの点から、7〜40mL/gが好ましく、15〜30mL/gがより好ましい。なお、ここでの気液混合比は次のようにして測定した値である。
本発明において、フォーマー容器は、ノンエアゾールタイプの容器であって、第1剤と第2剤の混合液を、噴射剤を使用することなく空気と混合して泡状に吐出させるために使用する。フォーマー容器の使用により、吐出させた剤の飛び散りを防止できるという効果も得られる。特に、ノンエアゾールタイプの容器は、エアゾールタイプの容器に比べて、製品を安価に製造可能であり、高圧ガスの噴射剤が不要であるため、製品を流通においてより安全に取り扱うことができる。
本発明の二剤式染毛剤を使用して毛髪(特に頭髪)を染色するには、予め毛髪を梳かしておくことが好ましい。これにより、後述する再度泡立てる処理中に毛髪がからみにくくなるので、混合液が飛び散るおそれがない。また、毛髪を梳かした後、染毛剤組成物の適用で汎用されているブロッキング操作を行う必要はなく、更にはブロッキング操作を行わないことが好ましい。これにより、後述する染毛剤組成物を毛髪に適用する操作や再度泡立てる操作がやりやすくなる。次いで、本発明の二剤式染毛剤の第1剤と第2剤をフォーマー容器内で混合し、その容器から吐出される泡状の剤を、直接毛髪に塗布してもよく、手又はブラシなどの道具を使って毛髪に塗布してもよい。塗布後は3〜60分程度、好ましくは5〜45分程度放置し、洗い流す。その後、適宜シャンプーやリンスをした後水洗して、髪を乾燥させる。
表1〜3に示す配合組成(質量%)の第1剤と第2剤を調製し、1:1.5の質量比で混合して混合液とした。これらの「吐出性」、「液だれ抑制効果」及び「脱色力」について評価した。この結果を表1〜3に併せて示す。
なお、フォーマー容器として、スクイズフォーマー(大和製罐社、S1スクイズフォーマー、メッシュの粗さは混合室150メッシュ、先端200メッシュ、空気導入路の最狭部の開口面積の合計は0.27mm2、ディップチューブの内径は、泡に混ざる液の量を調整し泡の安定や泡の均一性を調整する目的で、実施例1〜6と比較例1〜4ではφ2.0mm、実施例7〜11ではφ1.7mmで使い分けた。)を用いた。スクイズする可撓性容器部は、ポリプロピレン製で、内容積210mLを用いた。
・フォーマー容器からの吐出性(泡立ち)
混合液を正立させたフォーマー容器に入れ、スクイズして吐出した泡をパネラー3名が目視で観察し、下記基準に基づいて評価した。表1〜3には2名以上が下した評価、又は3名の評価が分かれた場合には中間の評価を示した。
A:均一できめ細かい泡
B:ほぼ均一できめ細かい泡
C:きめがやや粗い泡
D:泡にならない部分が生じ、液が混じる
髪をあごのラインで切り揃えたショートヘアにカットしたウィッグ(ビューラックス社、No.775S、毛髪全体の質量を約70gにした)を各実施例、比較例に対し4つずつ用意した。混合液を正立させたフォーマー容器に入れ、スクイズして吐出した泡を、ウィッグにそれぞれ50g、70g、85g、100g塗布し、30分後に液だれの有無を観察した。
A:100g塗布しても液だれなし
B:85g塗布しても液だれなし、100g塗布した場合に若干の液だれがある
C:70g塗布しても液だれなし、85g塗布した場合に若干の液だれがある
D:50g塗布しても液だれなし、70g塗布した場合に若干の液だれがある
E:50g塗布した場合に液だれがある
上記の液だれ抑制効果の評価に基づき、浴比(毛髪量:混合液の泡量の質量比)を変えて、各実施例、比較例の液だれのない量を塗布した場合の脱色力を比較した。液だれ抑制効果の評価に基づく浴比は次の通りである。評価A:浴比1:1.4、評価B:浴比1:1.2、評価C:浴比1:1、評価D:浴比1:0.7、評価E:浴比1:0.5。
脱色力の評価は、各混合液を泡として吐出した脱色剤を、10gの中国人黒髪トレスに対し、決められた浴比で塗布し、30℃の恒温槽中で30分間静置した。その後40℃の温水ですすぎ、シャンプー、リンス後、ドライヤーで乾燥した。
比較例1の髪の明るさを標準とし、パネラー3名が目視で観察し、下記基準に基づいて評価した。表1〜3には2名以上が下した評価、又は3名の評価が分かれた場合には中間の評価を示した。
A:標準よりもかなり明るい
B:標準よりも明るい
C:標準よりもやや明るい
D:標準とほぼ同等
E:標準よりも暗い
表4に示す第1剤及び第2剤を調製し、前述と同様、1:1.5の質量比で混合して混合液とした上でスクイズフォーマー容器に入れた。ただし、スクイズフォーマーのディップチューブの内径は、実施例12と実施例13ではφ1.3mm、実施例14と実施例15ではφ1.6mmとした。
前述と同様、「吐出性」、「液だれ抑制効果」及び「染色力」について評価したところ、いずれも良好であった。
Claims (7)
- アルカリ剤を含有する第1剤、過酸化水素を含有する第2剤、及び第1剤と第2剤の混合液を泡状に吐出するノンエアゾールフォーマー容器からなり、混合液中に次の成分(A)及び(B)
(A)モノ長鎖脂肪族基トリメチルアンモニウム塩:0.02〜10質量%
(B)アニオン界面活性剤:0.5〜10質量%
を含有し、混合液の25℃における粘度が1〜300mPa・sである二剤式染毛剤。 - 成分(B)と成分(A)との質量比(B)/(A)が1〜100である請求項1記載の二剤式染毛剤。
- 更に、ジアリル4級アンモニウム塩の重合体又は共重合体を含有する請求項1又は2記載の二剤式染毛剤。
- 成分(A)がセチルトリメチルアンモニウム塩又はステアリルトリメチルアンモニウム塩である請求項1〜3のいずれかに記載の二剤式染毛剤。
- 成分(B)がカルボン酸系アニオン界面活性剤である請求項1〜4のいずれかに記載の二剤式染毛剤。
- 成分(A)と成分(B)とが、第1剤と第2剤とに分離して含有されるものである請求項1〜5のいずれかに記載の二剤式染毛剤。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の二剤式染毛剤の混合液をノンエアゾールフォーマー容器から泡状に吐出させ、この泡状の混合液を頭髪に適用した後、頭髪上で再度泡立てる頭髪染色方法。
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