JP2010235490A - ホスファチジルセリン含有カプセル及びカプセル充填用ホスファチジルセリン組成物 - Google Patents

ホスファチジルセリン含有カプセル及びカプセル充填用ホスファチジルセリン組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ホスファチジルセリンをソフトカプセルに充填した場合、良好な崩壊性を示すソフトカプセル剤を開発することを目的とする
【解決手段】(A)ホスファチジルセリン、(B)リゾレシチン、(C)希釈油を含むホスファチジルセリン含有組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ホスファチジルセリン含有カプセル及びカプセル充填用ホスファチジルセリン組成物に関する。
ホスファチジルセリンは、人体を構成しているすべての神経細胞の膜に存在するリン脂質の一種である。特に脳の神経細胞に多く存在し、脳機能の改善効果が認められている。
本出願人もホスファチジルセリンを高含有できる組成物特許第3623944号公報(特許文献1)を提案した。
一方、ホスファチジルセリンは水に対する溶解性が極めて低いため、ホスファチジルセリンを充填したソフトカプセル剤が、第十五改正日本薬局方の崩壊試験に定める20分以内に崩壊するためには、従来、ホスファチジルセリンのカプセル配合量を少量に留めなければならなかった。また、ホスファチジルセリンの配合量を少量化することにより、摂取粒数が多くなるという問題が生じていた。ホスファチジルセリンの水への分散性を高める技術としては、次の技術が開示されている。
特開2001−48743号公報(特許文献2)と特開2005−263668号公報(特許文献3)では、リゾレシチンとショ糖エステルを水に溶かし込んだ水溶液に関する技術が開示されている。また、特開2004−154060号公報(特許文献4)では、ポリグリセリン脂肪酸エステルとショ糖脂肪酸エステルと有機酸モノグリセライドとを含む可溶化液に関する技術が開示されている。これらの溶液は水溶液であるため、ソフトカプセル剤として充填した場合、カプセル皮膜への水分移行により皮膜を溶かしてしまうため、ソフトカプセル剤に適用できない。
特表2007−506733号公報(特許文献5)には、ホスファチジルセリンに対し、追加成分としてレシチンやリン脂質の配合が開示されている。そして、特開平7−238086号公報(特許文献6)には、ホスファチジルセリンの消臭を目的とした組成物が開示されている。また、特開平5−139957号公報(特許文献7)には、レシチンを用いてホスファチジルセリンを含有する脱脂乳剤が開示されている。
特許第3623944号公報 特開2001−48743号公報 特開2005−263668号公報 特開2004−154060号公報 特表2007−506733号公報 特開平7−238086号公報 特開平5−139957号公報
本発明は、ホスファチジルセリンをソフトカプセルに充填した場合、良好な崩壊性を示すソフトカプセル剤を開発することを目的とする。
本発明の主な構成は、次のとおりである。
(1)(A)ホスファチジルセリン、(B)リゾレシチン、(C)希釈油を含むホスファチジルセリン含有組成物。
(2)さらに(D)ミツロウを含むことを特徴とする(1)記載のホスファチジルセリン含有組成物。
(3)さらに、(E)油溶性ビタミン類を含むことを特徴とする(2)記載のホスファチジルセリン含有組成物。
(4)水を含まないことを特徴とする(1)〜(3)記載のホスファチジルセリン含有組成物。
(5)ホスファチジルセリン(A)とリゾレシチン(B)との含有重量比が、1:0.01〜1:0.2であることを特徴とする(1)〜(4)記載のホスファチジルセリン含有組成物。
(6)ホスファチジルセリン含有組成物中のミツロウの含有率が、1〜10重量%である、(2)〜(5)のいずれに記載のホスファチジルセリン含有組成物。
(7)ホスファチジルセリン含有組成物中のホスファチジルセリンの含有率が、10〜30重量%である、(1)〜(6)のいずれかに記載のホスファチジルセリン含有組成物。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載のホスファチジルセリン含有組成物を内包するソフトカプセル剤。
(9)健康食品または特定栄養保健食品である、(8)に記載のソフトカプセル剤。
(10)(1)〜(7)のいずれかに記載のホスファチジルセリン含有組成物を含む食品。
本発明のホスファチジルセリン含有組成物は、ゼラチン皮膜などのソフトカプセルに充填した時の崩壊性に優れている。さらに、分離が防止され、保存性に優れている。このホスファチジルセリン含有組成物を充填したソフトカプセルは、水性溶媒への崩壊性(分散性)に優れている。長期間ソフトカプセルに充填されていても崩壊性を維持することができる。
特に、リゾレシチンを配合することにより崩壊性を向上させることができ、ミツロウを配合することにより分離を防止し保存性を向上させることができる。
本発明は、崩壊性の優れたホスファチジルセリン含有組成物であり、この組成物を充填したソフトカプセル剤である。
ホスファチジルセリン含有組成物には、(A)ホスファチジルセリン、(B)リゾレシチン、(C)希釈油が配合され、さらに、(D)ミツロウ、(E)油溶性ビタミン類を含むことが好ましい。ソフトカプセル充填用としては水を含まないことが好ましい。
本出願人は、ホスファチジルセリン含有組成物を配合したソフトカプセル剤の開発を継続して行っている。特許文献1に提案するように、ホスファチジルセリンを高含有できる組成物を提供してきた。さらに、長期間保存しても崩壊試験で定めるカプセルの崩壊性を示すホスファチジルセリン含有組成物を探求してきた。
本発明においては崩壊促進剤として、前述のようにリゾレシチンを用いる。本発明において崩壊促進剤は、ホスファチジルセリン含有組成物に配合することにより、ホスファチジルセリン含有組成物を含有するカプセルの水性溶媒中における崩壊性(分散性)を良好なものにでき、かつ、分離を防止できる。水性溶媒としては、特に制限されないが、例えば、胃液、血液などの体液、茶などの飲料、水などがあげられる。
<ホスファチジルセリン>
本発明のホスファチジルセリン含有組成物は、ホスファチジルセリンを含有する。ホスファチジルセリンの原料は、特に制限されないが、例えば、大豆、綿実などの植物種子、卵黄、魚介類、鳥獣肉類などが挙げられる。ホスファチジルセリンの製造方法としては、例えば、公知の方法を採用しても良く、特に制限されない。ホスファチジルセリンは、前述の原料から、例えば、原料粉砕、溶媒抽出、固液分離、蒸留、水和、脱ガム、精製、溶媒除去および乾燥工程を経て、製造しても良い。また、本発明において、ホスファチジルセリンは、例えば、ホスファチジルセリンを含む抽出物であっても良いし、精製物でも良く、また、大豆や卵黄に由来するレシチンを原料として転換反応により製造する方法であっても良い。
ホスファチジルセリンの純度に特に制限はないが、本発明で用いる好ましい純度は10〜70%品を用いる。
本発明のホスファチジルセリン含有組成物において、ホスファチジルセリンの含有量は、特に制限されないが、例えば、1〜80重量%、好ましくは、10〜30重量%である。ホスファチジルセリン抽出/精製物に含まれるホスファチジルセリン含有量は、特に制限されないが、例えば、1〜80重量%、好ましくは、10〜50重量%である。ホスファチジルセリン抽出/精製物の形状は、例えば、液体、ペースト、粉末、固形などが挙げられ、特に制限されない。
本発明のホスファチジルセリン含有組成物中の、ホスファチジルセリン(A)とリゾレシチン(B)との含有重量比(A:B)は、例えば、1:0.01〜1:1、好ましくは、1:0.01〜1:0.2である。
<リゾレシチン>
リゾレシチンとは、一般に、レシチンを低分子化したものをいう。リゾレシチンのレシチン原料としては、特に制限されず、例えば、大豆レシチン、卵黄レシチンなどがあげられる。また、低分子化の処理方法としては、特に制限されないが、例えば、酵素処理などがあげられる。リゾレシチンは、例えば、酵素処理により、レシチン内のエステル結合を加水分解したものであっても良い。この場合、酵素処理に用いる酵素は、特に制限されないが、例えば、ホスホリパーゼA1、ホスホリパーゼA2、ホスホリパーゼB、ホスホリパーゼC、ホスホリパーゼDなどがあげられ、好ましくは、ホスホリパーゼA1およびホスホリパーゼA2である。
リゾレシチンの形状は、例えば、粉末、ペーストなどがあげられ、特に制限されない。リゾレシチンに含まれるリン脂質としては、特に制限されないが、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、リゾホスファチジルコリンなどがあげられる。
本発明において、リゾレシチンの製造方法は、例えば、酵素分解、減圧乾燥、加圧ろ過、精製、分別などの従来公知の方法を採用でき、特に制限されない。また、本発明において、リゾレシチンは、例えば、市販品であっても良い。
<ミツロウ>
本発明のホスファチジルセリン含有組成物はさらに、ミツロウを含んでも良い。ホスファチジルセリン含有組成物は、ミツロウを含むことにより、分離が防止され、保存安定性が向上する。
本発明のホスファチジルセリン含有組成物がミツロウを含む場合、組成物中のミツロウの含有量は、特に制限されないが、例えば、0.1〜30重量%、好ましくは、1〜10重量%である。
<希釈油>
本発明のホスファチジルセリン含有組成物は、ソフトカプセル充填用とするために希釈油に溶融させて用いられる。
希釈油としては、ココナツ油、ヤシ油、パーム油、グレープフルーツ油および中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)などの飽和脂肪酸を多く含む油類、大豆油、胡麻油、シソ油、落花生油、米ぬか油(米胚芽油)、小麦胚芽油、トウモロコシ油、菜種油、綿実油、カボチャ種子油、オリーブ油、グアバ種子油、ナツメヤシ種子油、ブドウ種子油、ツバキ種子油、ヒマワリ油、月見草種子油、サフラワー油などの不飽和脂肪酸を多く含む油類などが挙げられる。本発明のホスファチジルセリン含有組成物は、希釈油として、例えば、これらを単独で含有しても良く、組み合わせて含有しても良く、特に制限されない。本発明のホスファチジルセリン含有組成物において、希釈油の配合量は、特に制限されないが、例えば、0.1〜20重量%、好ましくは、0.5〜10重量%である。
〈安定剤〉
安定剤としては、例えば、前記のミツロウの他にグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、菜種水素添加油、サフラワー水素添加油、パーム水素添加油、シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、カカオ脂粉末、カルナウバロウ、ライスワックス、モクロウ、パラフィンなどが挙げられる。本発明のホスファチジルセリン含有組成物には、乳化剤として、例えば、これらを単独で含有しても良く、組み合わせて含有しても良く、特に制限されない。本発明のホスファチジルセリン含有組成物において、乳化剤の配合量は、例えば3.0〜10.0重量%、好ましくは3.0〜6.0%、さらに好ましくは3.5〜5.0%である。乳化剤の配合量がこれらの範囲を上回ると、崩壊性が低下する。逆に乳化剤の配合量がこれらの範囲を下回ると、ソフトカプセル内で内容物が分離してしまうため、上記範囲内であることが望ましい
〈脂溶性有効成分〉
脂溶性有効成分としては、例えば、コエンザイムQ10、αリポ酸、ビタミンD1、ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンD4等のビタミンD類、ビタミンK1、ビタミンK2、ビタミンK3、ビタミンK4、ビタミンK5、ビタミンK6、ビタミンK7等のビタミンK類、パーム油カロチン、デュナリエラカロチン、クリプトキサンチン、ゼアキサンチン、カンタキサンチン、β−アポ−8’−カロテナール、ビキシン、リコペン等のカロチノイド系化合物、d−α−トコフェロール、d−β−トコフェロール、d−γ−トコフェロール、d−σ−トコフェロール等のビタミンE類、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等のビタミンF類などが挙げられる。本発明のホスファチジルセリン含有組成物には、脂溶性有効成分として、例えば、これらを単独で含有しても良く、組み合わせて含有しても良く、特に制限されない。
なお、d−α−トコフェロール、d−β−トコフェロール、d−γ−トコフェロール、d−σ−トコフェロール等のビタミンE類、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等のビタミンF類は、本発明における油性液体として使用することもできる。
〈水溶性有効成分〉
水溶性有効成分としては、例えば、塩酸チアミン、硝酸チアミン、硝酸ビスチアミン、塩酸ジセチアミン、ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミンセチル硫酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩、チアミンラウリル硫酸塩等のビタミンB1類、リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム等のビタミンB2類、塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサール等のビタミンB6類、塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン等のビタミンB12類、葉酸、ビオチン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム等のパントテン酸類、メチルヘスペリジン、ルチン等のビタミンP類などが挙げられる。本発明のホスファチジルセリン含有組成物には、水溶性有効成分として、例えば、これらを単独で含有しても良く、組み合わせて含有しても良く、特に制限されない。
なお、これら水溶性有効成分の最大粒子径としては180μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは150μm以下である。水溶性有効成分の最大粒子径が180μmを超えると、ソフトカプセル充填時においてシール部分へのかみ込みが起こり、内容物漏れの原因となるため、水溶性有効成分の最大粒子径は上記範囲内であることが望ましい。
酸化防止剤としては、例えば、茶エキス、カテキン、ルチン、プロポリスなどの天然ポリフェノール系成分、ビタミンE、カロチノイド類、アスタキサンチンなどが挙げられる。本発明のホスファチジルセリン含有組成物は、酸化防止剤として、例えば、これらを単独で含有しても良く、組み合わせて含有しても良く、特に制限されない。本発明のホスファチジルセリン含有組成物において、酸化防止剤の配合量は、例えば、0.1〜20重量%、好ましくは、0.5〜10重量%である。
<ホスファチジルセリン含有組成物の製造方法>
本発明のホスファチジルセリン含有組成物の製造方法は、例えば、タンクに(C)希釈油と(D)安定剤を投入し、安定剤が溶解するまで撹拌する。次に(C)希釈油と(D)安定剤の混合溶液が40℃以下になった時点でホスファチジルセリン、リゾレシチン、脂溶性有効成分、水溶性有効成分の順にタンクに投入し、30分間撹拌する。次に、マイコロイダー(特殊機化工業(株)製)を用いて混合組成物を粉砕して80meshの篩を用いて篩過(180μm)した後、真空撹拌機を用いて脱泡してホスファチジルセリン含有組成物を得る。
なお、タンクへの投入順序に特に制限は無いが、熱への安定性、有効成分の酸化性の有無等を考慮して投入順序を決定するのが望ましい。
<ソフトカプセル>
本発明のソフトカプセル剤は、本発明のホスファチジルセリン含有組成物を内包する。このため、本発明のソフトカプセル剤は、水性溶媒への崩壊性に優れ、かつ、保存中のカプセル内液の分離が防止される。また、本発明のソフトカプセル剤は、水性溶媒への崩壊性に優れるため、体内への吸収性に優れる。さらに、本発明のソフトカプセル剤は、内包する組成物の分離が防止されるため、ホスファチジルセリンを高含有させることが可能である。本発明のソフトカプセル剤は、本発明の組成物をソフトカプセル皮膜によって内包し、その他の構成成分は、何ら制限されない。
ソフトカプセルの被膜は、水溶性であって、水分を吸収し変形する危険があるので、ホスファチジルセリン含有組成物には、水分を含まないことが好ましい。
ソフトカプセル皮膜の成分は、例えば、高分子成分、保湿剤などが挙げられる。高分子成分としては、特に制限されないが、例えば、ゼラチン、デンプン、カラギーナンなどが挙げられる。また、保湿剤としては、特に制限されないが、例えば、グルコースなどの糖類、グリセリンなどのアルコール類、ソルビトールなどの糖アルコール類などが挙げられる。ソフトカプセル剤中の各成分の配合割合は、特に制限されず、適宜設定可能である。
本発明のソフトカプセル剤の製造方法は、例えば、打ち抜き法、滴下法などの従来公知の方法を採用可能であり、特に制限されない。前者の場合、本発明のソフトカプセル剤は、例えば、金型内に2枚のソフトカプセル皮膜シートを挿入し、このシート間に、ホスファチジルセリン含有組成物を充填後、ヒートシールし、金型形状に打ち抜く、ロータリーダイ法により製造しても良い。後者の場合、本発明のソフトカプセル剤は、例えば、二重ノズルの内側ノズルから、ホスファチジルセリン含有組成物を、外側ノズルから、ソフトカプセル皮膜液を、所定速度でそれぞれ流出させ、内外2層の流液を所定間隔で切断して、液滴の外側のソフトカプセル皮膜液をゲル化させて、製造しても良い。
本発明のソフトカプセル剤は、医薬品以外の例えば、健康食品、特定栄養食品であっても良い。本発明のソフトカプセル剤は、例えば、脳機能の維持、改善および低下防止、アルツハイマー病、記憶障害、注意欠陥多動性障害(ADHA)の予防または改善などに有用な健康食品、特定栄養食品であっても良い。
<他の剤形>
なお、本発明のホスファチジルセリン含有組成物は、ソフトカプセルに限られない。例えば、顆粒、粒、ペースト、ハードカプセルなどの剤形にも、適用可能である。この場合、本発明のホスファチジルセリン含有組成物を含むこれらの剤形は、例えば、助剤などを添加し、従来公知の方法を用いて、製造可能である。助剤としては、特に制限されないが、例えば、デンプン、乳糖、麦芽糖、カカオ脂末、ステアリン酸などが挙げられる。
本発明によれば、ホスファチジルセリン含有組成物の崩壊性が促進され、かつ、分離が防止される。その結果、ホスファチジルセリン含有組成物の、体液などの水性溶媒中への崩壊(分散)が促進され、ホスファチジルセリンの吸収性を向上させることができる。また、分離が防止されるため、ホスファチジルセリン含有組成物に、ホスファチジルセリンを高含有させることが可能である。本発明は、食品、医薬、化粧品、原料製造などの幅広い分野に適用可能である。
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
本例では、以下のようにして、ソフトカプセル剤を調製した。まず、65℃に加温した混合タンク内で、ミツロウ(商品名:食品添加物ビースワックス 三木化学工業(株)製)0.0700kgを、パーム油(商品名:ココナードMT 花王(株)製)0.1510gに溶解させ、さらに、ホスファチジルセリン(商品名:ニチユPS25-L 日油(株)製)1.5386kgを加えて混合した。つぎに、リゾレシチン(商品名:SLPホワイトリゾ 辻製油(株)製)0.1600kg、ビタミンE(商品名:Novatol 5-67S ADM製)0.0308kg、ビタミンB1(商品名:チアミン硝化物 BASFジャパン(株)製)0.0078kg、ビタミンB6(商品名:ビタミンB6 BASFジャパン(株)製)0.0188kg、ビタミンB12(商品名:シアノコバラミン(1%) BASFジャパン(株)製)0.0232kgを投入し、40℃に保ちながら30分間混合した。つぎに、マイコロイダー(特殊機化工業(株)製)を用いて混合組成物を粉砕して篩過(80mesh)した後、真空撹拌機を用いて脱泡し、ホスファチジルセリン含有組成物を調製した。そして、この組成物を、一粒当たり250〜270mgずつ、ゼラチン(新田ゼラチン社製)含有ソフトカプセル皮膜シートを用いて常法でカプセル充填し、ソフトカプセル剤を得た。
本例では、パーム油を0.0700g、リゾレシチンを0.2400kg用いた以外は実施例1と全く同様にして、ソフトカプセル剤を得た。
本例では、ミツロウを0.1000kg、パーム油を0.0408g、リゾレシチンを0.2400kg用いた以外は実施例1と全く同様にして、ソフトカプセル剤を得た。
[比較例1]
本例では、リゾレシチンを用いずに、パーム油を0.3110kg配合した以外は実施例1と全く同様にして、ソフトカプセル剤を得た。
[比較例2]
本例では、リゾレシチンおよびミツロウを配合せずに、パーム油を0.3810kg用いた以外は実施例1と全く同様にして、ソフトカプセル剤を得た。
[比較例3]
本例では、リゾレシチンおよびミツロウの代わりに、グリセリン脂肪酸エステル(商品名:ポエムPR-300 理研ビタミン(株)製)を0.2300kg用いた以外は実施例1と全く同様にして、ソフトカプセル剤を得た。
[比較例4]
本例では、リゾレシチンの代わりにレシチンを同量(0.1600kg)用いた以外は実施例1と全く同様にして、ソフトカプセル剤を得た。
実施例1〜3および比較例1〜4の各ソフトカプセル剤について、以下のようにして、崩壊性および保存安定性(分離防止)を評価した。
[崩壊性(崩壊試験)]
第十五改正日本薬局方に規定された方法に基づき、試験液(水)に対するソフトカプセル剤の崩壊性を、日本薬局方崩壊試験器を用いて測定した。
[保存安定性]
ソフトカプセル剤をアルミ袋に充填後、40℃/75%RHの条件下に16週間保存後、内容物の分離を目視確認した。
実施例1〜3および比較例1〜4のソフトカプセル剤における、崩壊性および保存安定性の測定結果を、表1に示す。なお、同表中のPSは、ホスファチジルセリンの略記である。同表に示すように、実施例1〜3のソフトカプセル剤は、18分以内に崩壊し、かつ、アルミ袋に充填後、40℃/75%RHの条件下に16週間保存しても、分離しなかった。これに対し、比較例1〜4は、3時間経過しても崩壊せず、かつ、比較例2および4は、パーム油と粉末原料が分離した。このように、本発明の崩壊促進剤を含んだソフトカプセル剤は、崩壊性に優れ、かつ、分離が防止されることが示された。
Figure 2010235490

Claims (10)

  1. (A)ホスファチジルセリン、(B)リゾレシチン、(C)希釈油を含むホスファチジルセリン含有組成物。
  2. さらに(D)ミツロウを含むことを特徴とする請求項1記載のホスファチジルセリン含有組成物。
  3. さらに、(E)油溶性ビタミン類を含むことを特徴とする請求項2記載のホスファチジルセリン含有組成物。
  4. 水を含まないことを特徴とする請求項1〜3記載のホスファチジルセリン含有組成物。
  5. ホスファチジルセリン(A)とリゾレシチン(B)との含有重量比が、1:0.01〜1:0.2であることを特徴とする請求項1〜4記載のホスファチジルセリン含有組成物。
  6. ホスファチジルセリン含有組成物中のミツロウの含有率が、1〜10重量%である、請求項2〜5のいずれに記載のホスファチジルセリン含有組成物。
  7. ホスファチジルセリン含有組成物中のホスファチジルセリンの含有率が、10〜30重量%である、請求項1〜6のいずれかに記載のホスファチジルセリン含有組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のホスファチジルセリン含有組成物を内包するソフトカプセル剤。
  9. 健康食品または特定栄養保健食品である、請求項8に記載のソフトカプセル剤。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載のホスファチジルセリン含有組成物を含む食品。
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