JP2010235100A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチ下流側の動力伝達部品の張り出しを抑え、かつ、エンジンの前後長を抑えつつクラッチの大径化に対応可能な内燃機関を提供する。
【解決手段】遠心クラッチ80を、クランクケース24とベルト式無段変速機60との間であって、クランク軸51のウエイト部51Dに側面視で重なる位置に設けた。
【選択図】図3

Description

本発明は、クラッチを備える内燃機関に関する。
車両に搭載されるエンジン(内燃機関とも言う)には、クランクケースに支持され、一側(右側)がクランクケースを貫通するクランク軸と、このクランク軸の一側に設けられる変速機と、この変速機の回転を、クランクケースに支持された出力軸に伝達する動力伝達機構とを備え、変速機が、クランク軸の一側に設けられる駆動プーリと、この駆動プーリにベルトを介して連結される従動プーリとを備え、この従動プーリを支持する従動軸をクラッチを介して動力伝達機構に連結したものがある(例えば、特許文献1参照)。
このエンジンでは、クラッチを従動軸と同軸でかつクランク軸のクランクウエブの後方に配置し、このクラッチの駆動プーリと反対側(左側)に、クラッチ下流側の動力伝達部品(出力軸など)を配置している。
特開平5−213262号公報
しかしながら、従来の構成では、クラッチをクランクウエブの後方に配置しているため、クラッチがエンジンの幅方向中央に位置し、クラッチの駆動プーリ反対側に配置される動力伝達部品が側方に張り出してしまう。
また、エンジンの排気量が大きくなり、駆動トルクが大きくなる場合には、クラッチを大径化することが考えられるが、従来の構成では、クラッチが大径化すると、クラッチが大径化した分だけエンジン後方に張り出し、エンジンの前後長が大きくなってしまう。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、クラッチ下流側の動力伝達部品の張り出しを抑え、かつ、エンジンの前後長を抑えつつクラッチの大径化に対応可能な内燃機関を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明は、クランクケースに支持され、一側がクランクケースを貫通するクランク軸と、このクランク軸の一側に設けられる変速機と、この変速機の回転を、クランクケースに支持された出力軸に伝達する動力伝達機構とを備え、変速機が、クランク軸の一側に設けられる駆動プーリと、この駆動プーリにベルトを介して連結される従動プーリとを備え、この従動プーリを支持する従動軸をクラッチを介して動力伝達機構に連結した内燃機関において、前記クラッチは、前記クランクケースと前記変速機との間であって、前記クランク軸のウエイト部に側面視で重なる位置に設けられることを特徴とする。
この発明によれば、クラッチは、クランクケースと変速機との間であって、クランク軸のウエイト部に側面視で重なる位置に設けられるので、クラッチ下流側の動力伝達部品の張り出しを抑え、かつ、エンジンの前後長を抑えつつクラッチの大径化に対応できる。
上記構成において、前記クラッチは、前記クランク軸のウエイト部と前記駆動プーリの間に設けられるようにしてもよい。この構成によれば、ウエイト部と駆動プーリとの間のスペースを有効利用してクラッチを配置できる。
また、上記構成において、前記クラッチは、前記従動プーリよりも大径にしてもよい。この構成によれば、クラッチの大容量化を容易に図ることができる。
また、上記構成において、前記クランクケースの一側に、前記変速機を収容する変速機ケースを連結し、このクランクケースの一側と前記変速機ケースとの間に、前記クラッチを収容するクラッチ室を形成してもよい。この構成によれば、クランクケースの一側と変速機ケースとの間のスペースを有効利用してクラッチを配置できる。
本発明では、クラッチは、クランクケースと変速機との間であって、クランク軸のウエイト部に側面視で重なる位置に設けられるので、クラッチ下流側の動力伝達部品の張り出しを抑え、かつ、エンジンの前後長を抑えつつクラッチの大径化に対応できる。
また、クラッチは、クランク軸のウエイト部と駆動プーリの間に設けられるので、ウエイト部と駆動プーリとの間のスペースを有効利用してクラッチを配置できる。
また、クラッチは、従動プーリよりも大径なので、クラッチの大容量化を容易に図ることができる。
また、クランクケースの一側に、変速機を収容する変速機ケースを連結し、このクランクケースの一側と変速機ケースとの間にクラッチを収容するクラッチ室を形成したので、クランクケースの一側と変速機ケースとの間のスペースを有効利用してクラッチを配置できる。
以下、本発明の一実施形態を添付した図面を参照して説明する。
なお、以下の説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車両における向きと同一とする。また、図中矢印Fは車体前方を、矢印Rは車体右方を、矢印Uは車体上方をそれぞれ示す。
図1は、本発明の実施形態を適用した自動二輪車1の側面図である。
この自動二輪車1の車体フレーム2は、車体前部のヘッドパイプ3と、同ヘッドパイプ3から後方へ斜め下向きに傾斜して延出する1本のメインフレーム4と、同メインフレーム4の後部に下方へ向けて延出固着される左右一対のピボットブラケット5と、メインフレーム4の後部でピボットブラケット5の固着位置の前付近から後方へ斜め上向きに延出して途中で屈曲して後端に至る左右一対のシートレール6と、ピボットブラケット5と上記シートレール6の中央部との間を補強する左右一対の補強フレーム7とを備えている。
車体フレーム2の左右一対のシートレール6上方には、乗車用シート8が設けられ、その下部には収納部(収納ボックス)9が設けられる。車体前部上方には、ヘッドパイプ3に軸支されたハンドル10が設けられ、その下方にフロントフォーク11、11が延びてその下端に前輪12が軸支される。車体中央のピボットブラケット5には、ピボット軸13によりリヤフォーク14が前端を揺動可能に軸支されて後方に延びており、リヤフォーク14の後端部には、後輪15が軸支される。リヤフォーク14の後部とシートレール6との間には左右一対のリヤクッション16が介挿される。
メインフレーム4の下方かつピボットブラケット5の前方には、内燃機関であるエンジン(パワーユニットとも言う)20が懸架される。エンジン20の上部は、メインフレーム4の中央部に垂設された支持ブラケット17に吊り下げられ、エンジン20の後部は、ピボットブラケット5に2箇所で固定される。すなわち、エンジン20は、メインフレーム4の後部下側に吊り下げる態様で支持されている。また、車体フレーム2は、各部に分割された合成樹脂製の車体カバー18で覆われている。
エンジン20は、単気筒の4サイクル空冷エンジンであり、シリンダ部22がクランクケース24の前面から略水平に近い状態まで大きく前傾した水平エンジンに構成されている。このため、車体を低重心化できるとともに、図示のようにメインフレーム4を低くして乗車時に運転者が跨ぐ跨ぎ部Mを低くでき、乗降性を向上できる。また、クランクケース24の左側面前部には、発電機カバー25が取り付けられている。車体カバー18は、図1に示すように、車体側面視でクランクケース24の外縁近傍まで車体を覆うカバー形状を有し、発電機カバーを含むクランクケース24側面を外部に露出させる。
このエンジン20のシリンダ部22上側には、吸気管26が接続され、この吸気管26は上方に延出してメインフレーム4に支持されたスロットルボディ27およびエアクリーナ28に接続される。シリンダ部22下側には、排気管29が接続され、この排気管29は下方に延出した後に屈曲して後方へ延び、後輪15右側に配置されたマフラー30に接続される。
また、クランクケース24の左側面後部には、エンジン20の出力軸31がその先端を露出させて軸支されている。この出力軸31の先端には、駆動スプロケット32が取り付けられ、この駆動スプロケット32と、後輪15に一体に設けられた従動スプロケット33との間に動力伝達チェーン34(図1参照)が巻回されてチェーン伝動機構が構成される。したがって、このエンジン20の出力軸31の回転は、チェーン伝動機構を介して後輪15へ伝達される。なお、このチェーン伝動機構は、各スプロケット32、33の歯数比によって出力軸31と後輪軸との間の減速比(二次減速比)を設定する二次減速機構としても機能する。また、図中、符号35はチェーン伝動機構を覆うカバーである。
クランクケース24下部には、車体左右方向に延出するステップバー36が取り付けられ、このステップバー36両端には運転者が足を載せる一対のステップ36A、36Aが取り付けられる。
また、この自動二輪車1には、エンジン20を始動するキック式始動装置140の一部を構成するキック部材(始動系部材)37がクランクケース24左側方に配設されている。すなわち、このキック部材37は、クランクケース24に先端を露出させて軸支されたキック軸38に取り付けられたキックアーム39と、このキックアーム39の先端部に回動自在に取り付けられたキックペダル40とを備え、運転者がキックペダル40を踏むことによってキック軸38を回転させてエンジン20を始動できる。
さらに、この自動二輪車1には、キック式始動装置140に加えて、エンジン始動用のスタータモータ41も配設されている。このスタータモータ41は、クランクケース24上面前部に取り付けられており、このスタータモータ41を作動させることでエンジン20を始動できる。すなわち、この自動二輪車1では、キック式およびスタータモータ式のいずれの方法でもエンジン20を始動することが可能に構成されている。
図2は、エンジン20の内部構造を車体右側から示す図であり、動力伝達系および始動系の主要な回転軸の位置を示している。また、シリンダ軸線L1も示している。また、図3は、図2のIII−III断面を示す図である。
図2および図3に示すように、エンジン20のシリンダ部22は、クランクケース24前面に連結されるシリンダブロック22Aと、シリンダブロック22A前面に連結されるシリンダヘッド22Bと、シリンダヘッド22Bの前面を覆うヘッドカバー22Cとを備える。シリンダヘッド22Bには、燃焼室22Dと、燃焼室22Dにつながる不図示の吸気ポートと排気ポートが形成され、燃焼室22Dに先端が臨むように点火プラグ23が配置され、吸気ポート入口に上記吸気管26が接続され、排気ポート出口に上記排気管29が接続されるようになっている。また、図2中、符号22Fは、シリンダ部22に設けられる放熱フィンであり、この放熱フィン22Fによりシリンダ部22が空冷される。
図3に示すように、エンジン20のクランクケース24は、左クランクケース24Aと右クランクケース24Bとからなる左右2分割構造で形成され、クランクケース24前部には、左右のクランクケース24A、24Bに支持された左右一対の軸受(転がり軸受)45、45を介してクランク軸51が軸心C1を車両進行方向と直交させて横向きに軸支される。
このクランク軸51は、回転中心となるクランクジャーナル51Aと、クランクジャーナル51Aよりも大径に形成されるクランクウエブ51Bと、このクランクウエブ51Bを介して支持されるクランクピン(偏心軸)51Cとを備え、クランクウエブ51Bおよびクランクピン51Cが、左右一対の軸受45、45間に位置する。また、クランクウエブ51Bには、回転バランスをとるためのバランスウエイト(以下、ウエイト部という)51Dが設けられている。
クランク軸51のクランクピン51Cには、シリンダ部22内をシリンダ軸線L1に沿って摺動自在に配置されたピストン21Aがコンロッド21Bを介して連結される。また、図3中、符号55Aは、クランク軸51に設けられたスプロケットであり、符号55Bは、シリンダ部22のヘッドカバー22C内に設けられたカム軸55Cに設けられたスプロケットであり、スプロケット55A、55B間はカムチェーン55Dを介して連結される。これによって、クランク軸51の回転に応じてカム軸55Cが回転し、シリンダヘッド22Bに設けられた不図示の吸排気バルブを押動させる動弁機構が駆動される。
このクランク軸51の右側(一側)には、ベルト式無段変速機60が設けられ、このクランク軸51の左側(他側)には、発電機180が設けられる。
詳述すると、クランク軸51の左端は、左クランクケース24A内を左方に延出し、この左クランクケース24Aの左側開口(外側開口)を覆うように取り付けられた発電機カバー25近傍まで延出し、この発電機カバー25と左クランクケース24Aとによって囲まれる空間内に発電機180を収容する。この発電機180は、クランク軸51に固定されるロータ181と、ロータ181内に配置されるステータ182とを備え、ステータ182は発電機カバー25に固定される。
ベルト式無段変速機60は、エンジンオイルによる潤滑が行われない乾式の動力伝達機構であり、クランク軸51の右側(一側)に設けられた変速機収容部61に収容される。この変速機収容部61は、エンジンオイルによる潤滑が行われるクランクケース24とは別室を形成して油液のない室を形成し、変速機収容部61の本体部を構成する変速機ケース61Aと、この変速機ケース61Aの外側開口(右側開口)を覆う変速機カバー(カバー部材)61Bとの左右二分割構造で形成されている。
詳述すると、クランク軸51の右端は、右クランクケース24Bを貫通して更に右方へ延出し、この右クランクケース24Bの右側にボルト連結された変速機ケース61Aを貫通し、変速機ケース61Aに連設される変速機カバー61B近傍まで延出し、この右端部が、ベルト式無段変速機60の駆動プーリ軸(駆動軸)51Rとして使用され、この駆動プーリ軸51Rに駆動プーリ63が取り付けられる。
クランクケース24後部には、ベルト式無段変速機60の従動プーリ軸(従動軸)64が軸心C2を車両進行方向と直交させて横向きに軸支される。この従動プーリ軸64は、駆動プーリ軸51Rの後方に平行に位置し、右クランクケース24Bと変速機収容部61(変速機ケース61A)とに支持された左右一対の軸受(転がり軸受)65、65を介して軸支される。
この従動プーリ軸64には、従動プーリ67が取り付けられ、駆動プーリ63と従動プーリ67との間にVベルト68が掛け回され、駆動プーリ63の回転が従動プーリ67へと伝達される。なお、変速機収容部61と各プーリ軸51R、64との間には、クランクケース24側のエンジンオイルが変速機収容部61内に侵入するのを阻止するためのシール部材69A、69Bが介挿されており、変速機収容部61がクランクケース24との間でシールされる。
駆動プーリ63は、駆動プーリ軸51Rとともに回転する固定半体63Aと可動半体63Bとを有し、固定半体63Aは、駆動プーリ軸51Rに固定され、可動半体63Bは、固定半体63Aよりも左側で軸方向に移動自在に固定される。この可動半体63Bは、クランク軸51とともに回転し、遠心力により遠心方向に移動するウエイトローラ70の作用により軸方向に摺動して固定半体63Aに接近あるいは離反し、両プーリ半体63A、63B間に挟まれたVベルト68の巻き掛け径を変える。
ベルト式無段変速機60の従動プーリ67は、従動プーリ軸64とともに回転する固定半体67Aと可動半体67Bとを有し、固定半体67Aが可動半体67Bよりも左側に固定される。可動半体67Bは、従動プーリ軸64の右端部に環状スライダ71を介して軸方向に移動自在に配置され、コイルばねである付勢部材72により左方(固定半体67A側)に付勢されている。このため、駆動プーリ63の両半体63A、63B間に挟まれたVベルト68の巻き掛け径が大きくなると、反対に従動プーリ67の両半体67A、67Bの間隔がコイルばね72の付勢力に抗して拡がり、Vベルト68の巻き掛け径を小さくし、自動的に無段変速が行われる。
従動プーリ軸64は、右クランクケース24Bと変速機ケース61Aとの間に形成された空間(後述するクラッチ室R1)に配設された遠心クラッチ80を介してクランクケース24内に配設された動力伝達機構81に動力を伝達する。
遠心クラッチ80は、エンジンオイルにより各部の潤滑および冷却が行われる湿式のクラッチであり、従動プーリ軸64にスプライン嵌合されるクラッチインナ83と、従動プーリ軸64の左端部に相対回転自在に設けられたクラッチ出力ギア84に連結されたクラッチアウタ85とを備えており、クラッチインナ83の外周端側に突設された複数の支軸86にクラッチウエイト87が設けられている。このため、従動プーリ軸64の回転速度が所定速度を超えた場合に、遠心力により遠心方向に移動するクラッチウエイト87がクラッチアウタ85に係合し、従動プーリ軸64と一体にクラッチアウタ85を回転させてクラッチ出力ギア84を回転させる。
なお、図中、符号88は、クラッチアウタ85が遠心方向へ拡がるのを抑えるためのクラッチ補強用プレートであり、符号90は、クラッチ出力ギア84と従動プーリ軸64との間に配置されるリテーナである。このリテーナ90は、周方向に間隔を空けて配置される軸受用ローラのローラ列を、軸方向に2列有しており、この2列のローラ列によってクラッチ出力ギア84を従動プーリ軸64に対して相対回転させる。
動力伝達機構81は、ベルト式無段変速機60とエンジン20の出力軸31との間の動力伝達を行うものであって、かつ、一次減速機構として機能する機構である。この動力伝達機構81は、従動プーリ軸64と出力軸31との間に設けられ、従動プーリ軸64に設けられた上記クラッチ出力ギア84の回転を所定の減速比に減速して出力軸31に伝達する中間歯車軸(減速ギア軸)91を備えている。なお、図2中、中間歯車軸91の軸心を符号C3で示し、出力軸31の軸心を符号C4で示している。
中間歯車軸91は、左右のクランクケース24A、24Bに支持された左右一対の軸受(転がり軸受)92、92に回転自在に軸支され、右クランクケース24Bの壁部を貫通する貫通軸部91Aを有している。この貫通軸部91Aには、従動プーリ軸64に設けられたクラッチ出力ギア84に噛み合う大径の中間軸従動ギア(減速ギア)93が固定され、左右のクランクケース24A、24Bの間のスペースに、出力軸31に固定されたファイナルギア95に噛み合う小径の中間軸駆動ギア94が固定される。これにより、クランクケース24外側に位置するクラッチ出力ギア84の回転が、中間歯車軸91を介してクランクケース24内に位置する出力軸31のファイナルギア95へと所定の減速比で伝達される。
出力軸31は、左右のクランクケース24A、24Bに支持された左右一対の軸受(転がり軸受)96、96に支持される。この出力軸31には、ファイナルギア95が回転自在に設けられ、このファイナルギア95の回転がギアダンパ97を介して当該出力軸31に伝達されるようになっている。
すなわち、このエンジン20では、左右のクランクケース24A、24Bで囲まれる空間(以下、クランク室R0という)の右隣に、右クランクケース24Bと変速機ケース61Aとで囲まれる空間(以下、クラッチ室R1)が形成される。つまり、変速機ケース61Aは、右クランクケース24Bに連結されることでクラッチケースを構成するクラッチケース部材を兼ねている。
そして、このクランク室R0とクラッチ室R1とが、エンジンオイルによる潤滑や冷却が行われる室とされており、クランクケース24下部と変速機ケース61A下部とにオイル溜まり部が形成される。
また、このクラッチ室R1の右隣には、変速機ケース61Aと変速機カバー61Bとで囲まれる空間(以下、変速機室R2という)が形成され、この変速機室R2は、エンジンオイルによる潤滑や冷却が行われない室とされる。つまり、このエンジン20では、エンジンオイルが介在する室と介在しない室とが車幅方向で明確に区画されている。
図2に示すように、このエンジン20のクランクケース24内には、クランクケース24のオイル溜まり部に貯留されたエンジンオイルをエンジン20の各部に供給するオイルポンプ100が設けられている。このオイルポンプ100は、クランク軸51の前方斜め下方に設けられており、カムチェーン駆動によりクランク軸51の回転力で駆動されてエンジンオイルを吐出し、このエンジンオイルを、クランク軸51を支持する軸受45、45などの各軸受、シリンダ部22の動弁機構(不図示)、遠心クラッチ80および動力伝達機構81などに供給する。
また、このエンジン20には、エンジン20から延出する延出部106が設けられ、この延出部106に放熱フィンを形成すると共に、オイル通路(油路)108を形成することによってオイルの冷却を行っている。
詳述すると、延出部106は、変速機収容部61の本体部を構成する変速機ケース61Aからシリンダ軸線L1に略沿って車体前側に延出し、この延出部106には、油路カバー107がボルト連結される。この延出部106と油路カバー107との間には略環状のオイル通路108が形成されると共に、放熱フィンが設けられ、この放熱フィンによりオイル通路108を流れるオイルが走行風で効率よく冷却され、また、延出部106および油路カバー107の断面係数が高くなり、剛性が十分に確保される。つまり、延出部106および油路カバー107は、エンジン一体型の小型のオイルクーラ105(図2、図3参照)として機能する。
本構成では、オイルポンプ100から圧送されたオイルを分岐し、そのうちの一系統のオイルがシリンダ部22へとつながるオイル通路(不図示)を通ってシリンダ部22の各部を潤滑した後に、自然落下によりクランクケース24下部のオイル溜まり部へと戻り、他の一系統が、オイルクーラ105を通った後に、図3に符号110で示すオイル通路を通ってクランク軸51の各部を潤滑した後に自然落下してオイル溜まり部へ戻るようになっている。なお、オイルポンプ100から圧送されたオイルをオイルクーラ105を通した後に分岐させるようにしてもよいことは勿論である。
次にキック式始動装置140について説明する。
図4は、図2のIV−IV断面を示す図であり、キック式始動装置140の機構部分を周辺構成とともに示している。このキック式始動装置140は、エンジン20下方(主にクランクケース24下方)に収容されている。
キック軸38は、従動プーリ軸64の前下方であって、大径に形成される従動プーリ67と側面視で重ならない位置に配置されており(図2参照)、左右のクランクケース24A、24Bに形成された軸受部(本例では貫通孔で形成されたすべり軸受)141、142に回転自在に軸支されている。このキック軸38の左端部は左クランクケース24Aの壁部に形成された軸受部141を貫通して左方に突出し、この貫通軸部38Aに、キックペダル40を先端に取り付けたキックアーム39の基端部が固定される。また、左クランクケース24Aには、キック軸38との間の隙間を塞ぐシール部材143が設けられる。このクランクケース24内において、キック軸38の右側部分には、キック軸38をキック方向とは逆方向に付勢するリターンスプリング145と、このリターンスプリング145の付勢力で回転するキック軸38をキック操作開始位置で停止させるストッパ146とが配設されており、キック軸38の左側部分には、軸受部141に隣接する大径のキックドライブギア147が設けられている。
このキック軸38とクランク軸51との間には、キック軸38の回転をクランク軸51に伝達するキック中間軸150が配置される。本構成のキック中間軸150は2軸構成とされ、キック軸38により回転駆動される第1キック中間軸151と、第1キック中間軸151の回転をクランク軸51に伝達する第2キック中間軸155とを備えている。ここで、図2には、キック軸38の軸心を符号K1で示し、第1キック中間軸151の軸心を符号K2で示し、第2キック中間軸155の軸心を符号K3で示している。
第1キック中間軸151は、図2に示すように、従動プーリ軸64とクランク軸51との中間位置下方であって、大径に形成される従動プーリ67と側面視で重なる位置に横置き配置され、図4に示すように、左右のクランクケース24A、24Bに設けられた左右一対の軸受部(本例では非貫通孔で形成されたすべり軸受)161、162に回転自在に軸支される。この第1キック中間軸151は、クランクケース24内に完全に収容され、キックドライブギア147に噛み合う小径の第1キック中間軸従動ギア(キックドリブンギア)163が一体に形成されると共に、このギア163の右方に第1キック中間軸従動ギア163よりも大径の第1キック中間軸駆動ギア(第1アイドルギア)164が隣接して固定される。
第2キック中間軸155は、図2に示すように、クランク軸51の後下方であって、大径に形成される従動プーリ67と側面視で重ならない位置に横置き配置され、図4に示すように、左クランクケース24Aと変速機ケース61Aとに設けられた左右一対の軸受部(本例では非貫通孔で形成されたすべり軸受)166、167に回転自在に軸支される。すなわち、この第2キック中間軸155は、第1キック中間軸151よりも長い軸に形成されることによって、左端部が左クランクケース24Aに支持された状態で、右クランクケース24Bの壁部に形成された開口部24B1を貫通して延出し、この延出軸部155Aが、クランクケース24と変速機ケース61Aとの間の空間(クラッチ室R1)を跨いで変速機ケース61Aに軸支される。この第2キック中間軸155のクランクケース24内の軸部には、第1キック中間軸151の第1キック中間軸駆動ギア164に噛み合う小径の第2中間軸従動ギア(第2アイドルギア)168が一体に形成され、このキック中間軸155のクランクケース24外の延出軸部155Aには、飛び込みギア機構170が配設される。
この飛び込みギア機構170は、右クランクケース24Bと変速機ケース61Aとの間に位置しており、第2キック中間軸155に対して軸方向に移動自在に設けられる飛び込みギア(キック始動ギア)171と、飛び込みギア171をクランク軸51に設けられたキック始動用従動ギア172と噛み合わない待避位置に付勢する付勢部材173と、飛び込みギア171に巻き付いて変速機ケース61Aに支持されるフリクションスプリング174とを備え、キック時の第2キック中間軸155の回転により飛び込みギア171が左側にスライドしてキック始動用従動ギア172と噛み合う機構に構成されている。なお、図示の例では、付勢部材173にコイルスプリングを使用した場合を示したが、板ばねや皿ばねなどのコイルスプリング以外のものを用いてもよい。
したがって、キックペダル40が踏み込まれ、キック軸38がリターンスプリング145の付勢力に抗して回転すると、キック軸38の回転が第1キック中間軸151および第2キック中間軸155のギア列を介して伝達され、飛び込みギア171をキック始動用従動ギア172に噛み合う方向へと移動してクランク軸51を強制的に回転し、エンジン20を始動させることができる。
図5に示すように、本構成では、オイルポンプ100からのオイルが圧送されるオイル通路110が、クランク軸51を支持する左右一対の軸受45のうちの右側の軸受45と、クランク軸51と右クランクケース24Bとの間をシールするシール部材69Cとの間にオイルを供給するように構成されている。
そして、このオイル通路110から流出したオイルは、右側の軸受45とクランク軸51との間に形成されたオイル通過用溝51Mを通ってクランクケース24内に入り、クランクピン51Cに形成された不図示のオイル通路を通ってコンロッド21Bの大端部へと供給される。
すなわち、本構成では、クランク軸51の外周面に、右側の軸受45との間に隙間を形成してクランクピン51C側へオイルを通過させるオイル通過用溝51Mを形成することによって、クランク軸51内にオイル通路を形成することなく、コンロッド21Bの摺動面などへオイルを供給することが可能に構成されている。なお、オイル通過用溝51Mは、クランク軸51の周方向に間隔を空けて複数本形成してもよいし、十分に潤滑可能なときは一本でもよい。
また、図5に示すように、本構成では、キック始動用従動ギア172の内周には、Oリング175が配置されず、クランク軸51にキック始動用従動ギア172を挿入した後に、このギア172の端面に当接するまで挿入されるカラー172Aの内周に、Oリング175を配置している。仮に、キック始動用従動ギア172と上記カラー172Aとを一体の部品で製作した場合には、その内周にOリング175を配置するため、Oリング組付時にOリングの位置がずれないように注意する必要がある。
これに対し、本構成では、キック始動用従動ギア172と上記カラー172Aとが別体であり、これら部品間にOリング175を配置するため、Oリング175をクランク軸51の組み付け位置に組み付けた後、カラー172Aをクランク軸51に挿入すればよい。従って、Oリング175を位置ずれなく容易に組み付けることができ、Oリング175の組付性が向上する。
この場合、同図に示すように、カラー172Aの内周側の隙間(クランク軸51との間の隙間)がOリング175でシールされ、カラー172Aの外周側の隙間(変速機ケース61Aとの間の隙間)がシール部材69Aでシールされるので、変速機収容部61とクランクケース24との間のシール性を十分に確保できる。
ところで、本構成では、図3に示すように、右クランクケース24Bと変速機ケース61Aとの間を遠心クラッチ80を収容するクラッチ室R1にしているため、遠心クラッチ80がエンジン20の幅方向の略中央を通るシリンダ軸線L1よりも右側に位置する。
このため、遠心クラッチ80の左側に配置される部品、つまり、遠心クラッチ80下流に位置する動力伝達機構81およびキック式始動装置140を、エンジン20の幅方向中央寄りに配置することができ、エンジン20左側への張り出しを抑えることができる。
しかも、遠心クラッチ80の左側に配置される上記部品(動力伝達機構81、キック式始動装置140)の方が、遠心クラッチ80の右側に配置される部品(従動プーリ軸64、従動プーリ67、Vベルト68など)よりも重量を有するため、上記レイアウトにすることにより、エンジン20の左右バランスを略揃えることできるというメリットもある。
さらに、本構成では、遠心クラッチ80が従動プーリ67よりも大径の大径クラッチであり、クランク軸51のウエイト部51B右側における右クランクケース24Aと変速機ケース61Aとの間の間隙内に、この遠心クラッチ80の外周部を入り込ませることによって、遠心クラッチ80を、クランク軸51のウエイト部51Bに側面視で重なる位置に設けるようにしている。
ここで、図3中、符号LWは、クランク軸51のウエイト部51Bの最外周面を幅方向に延ばした面(直線)であり、符号LCは、遠心クラッチ80の最外周面を幅方向に延ばした面(直線)である。
この図に示すように、遠心クラッチ80がクランク軸51のウエイト部51Bに側面視で重なるため、遠心クラッチ80の符号LCで示す最外周面が、ウエイト部51Bの符号LWで示す最外周面よりもエンジン前側に位置するようになっている。
この配置によれば、クランク軸51のウエイト部51D後方、つまり、クランクウエブ51B後方にクラッチを配置する従来構成と較べて、遠心クラッチ80をクランク軸51に寄せて配置でき、遠心クラッチ80のエンジン20後方への張り出しを抑えてエンジン20の前後長を短くすることができる。
言い換えれば、本構成では遠心クラッチ80が大径か否かによらず、従動プーリ67を駆動プーリ63に近接したレイアウトが可能である。このため、ベルト式無段変速機60の前後長を最短に構成しつつ遠心クラッチ80の大径化に対応できる。
以上説明したように、本実施の形態では、遠心クラッチ80を、クランクケース24とベルト式無段変速機60との間であって、クランク軸51のウエイト部51Dに側面視で重なる位置に設けたので、クラッチ80下流側の動力伝達部品やキック式始動装置140の張り出しを抑え、かつ、エンジン20の前後長を抑えつつクラッチ80の大径化に対応することができる。従って、エンジン20の排気量が大きくなり、駆動トルクが更に大きくなる場合には、クランク軸51のウエイト部51D右側におけるケース24Aと変速機ケース61Aとの間の間隙の範囲内で、遠心クラッチ80を更に大径化するだけで対応でき、クランクケース24や変速機ケース61Aなどの他の部品の設計変更を不要にできる。
ここで、本構成では、従動プーリ67を駆動プーリ63に近接してベルト式無段変速機60の前後長を最短に形成しているため、クラッチ80の中心位置を規定する従動プーリ軸64と、クラッチ80の最大径位置を規定するクランク軸51間の距離をこれ以上短くすることができない。
本構成では、この従動プーリ軸64とクランク軸51間の距離を最短距離にしたレイアウトで、クランクケース24と変速機ケース61Aとの間にできる間隙の範囲内で、遠心クラッチ80を大径化するので、ベルト式無段変速機60の前後長を最短にしつつクラッチ80の大径化に対応することができる。
しかも、従動プーリ軸64とクランク軸51間の距離をこれ以上短くできないので、エンジン20の排気量を小さくして駆動トルクが小さい場合には、遠心クラッチ80を小径化するだけで対応でき、様々な排気量のエンジン20に容易に対応することができる。
また、遠心クラッチ80は、クランク軸51のウエイト部51Dと駆動プーリ63の間に設けられるので、ウエイト部51Dと駆動プーリ63との間のスペースを有効利用して遠心クラッチ80を配置できる。本構成では、このウエイト部51Dと駆動プーリ63との間のスペースを、キック始動用従動ギア172と遠心クラッチ80のスペースに利用することで該スペースの効率利用を図っている。
また、本構成では、遠心クラッチ80を従動プーリ67よりも大径にすることによって、クラッチ80の大容量化を容易に図ることができる。
従って、本エンジン20では、エンジン20を幅狭に形成しつつクラッチ80の大容量化に対応できる。特に本エンジン20は、シリンダ部22が幅狭となる単気筒エンジンであるため、シリンダ部22を除く部分についても幅狭に形成することによって非常にスリムなエンジンにすることができる。
図6は、エンジン20を下側から見た図である。上述したように、このエンジン20では、クランクケース24が、左クランクケース24Aと右クランクケース24Bとからなり、右クランクケース24Bの右側に変速機ケース61Aが連結され、この変速機ケース61Aが遠心クラッチ80を覆うクラッチケースとしても機能している。この変速機ケース61Aの下部にもオイル溜まり部が形成されるため、クランクケース24の下面と変速機ケース61Aの下面とはオイル溜まり部の底面となり、ほぼ同じ高さに揃う(図2参照)。
本構成では、このクランクケース24のオイル溜まり部に下方に突出する前後一対のボス部(ステップバー支持部)36Bを設けると共に、変速機ケース61Aの下部のオイル溜まり部にも下方に突出する前後一対のボス部(ステップバー支持部)36Bを設け、これらボス部36Bに、車体左右方向に延出するステップバー36を取り付ける図示せぬフランジボルトを締結するようにしている。
これにより、ステップバー36の左右の支持間隔を、クランクケース24だけで支持する場合よりも広く確保することができる。
次にベルト式無段変速機60の導風構造について説明する。
変速機室R2、つまり、変速機収容部61内には、外気が導入され、この導入した外気でベルト式無段変速機60を冷却するように構成されている。
図2に示すように、駆動プーリ63の上方に相当する変速機ケース61Aの前上部には、外気吸気口115が設けられ、従動プーリ67の上方に相当する変速機ケース61Aの後上部には、外気排気口116が設けられる。これら外気吸気口115および外気排気口116は、前後に間隔を空けて設けられ、後上がりに上方へ平行に延びるダクト部115A、116Aを有しており、変速機ケース61Aに一体に形成されている。そして、これら外気吸気口115および外気排気口116の上端部には、図示せぬダクトが接続され、このダクトを介して外気が流通自在に構成される。なお、図2中、符号62は、変速機ケース61A内(変速機室R2内)の水を排出するための水抜き部である。
変速機収容部61内に配置された駆動プーリ63の固定半体63Aには、この駆動プーリ63を送風ファンとして機能させるための送風用フィン63Cが設けられ、駆動プーリ63の回転によって送風用フィン63Cが回転すると、外気吸気口115から変速機室R2内に外気が取り込まれる。
さらに、変速機収容部61内の従動プーリ67の固定半体67Aにも、従動プーリ67を送風ファンとして機能させるための送風用フィン67Cが設けられており、送風用フィン67Cの回転により、外気吸気口115から取り込まれた外気を変速機室R2内で従動プーリ67側へと引き込むことができ、外気排気口116から排気させることができる。これによって、変速機室R2内に駆動プーリ63側から従動プーリ67側へと向かう外気の流れが生じ、ベルト式無段変速機60が強制空冷されるようになっている。
なお、図2には、駆動プーリ63と従動プーリ67の回転方向を矢印で示しており、いずれも右側面視で右回りに回転することによって、外気吸気口115からスムーズに外気を吸い込み、吸い込んだ外気を外気排気口116からスムーズに排気できるようになっている。
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものでない。例えば、上述の実施形態では、従動プーリ軸(従動軸)64を、右クランクケース24Bと変速機ケース61Aとに各々配置した左右一対の軸受65、65に支持したが、これに限らず、図7に一例を示すように、右クランクケース24Bの左端を、右クランクケース24Bを貫通させて左に延ばし、左クランクケース24Aに配置した軸受65に支持するようにしてもよい。この構成では、従動プーリ軸64に設けられるクラッチ出力ギア84が、左右のクランクケース24A、24B内に配置されるので、このクラッチ出力ギア84に噛み合う中間軸従動ギア(減速ギア)93が左右のクランクケース24A、24B内に位置し、この中間軸従動ギア93の抜け止めを行う部材が不要になる。
また、この図7で示す構成では、エンジン20の出力軸31にギアダンパ97を備えない代わりに、出力軸31に、上記中間軸従動ギア93の回転を出力軸31に伝達する中間軸駆動ギア94に噛み合う出力軸ギア31Xを圧入又はスプライン結合することによって、出力軸31が回転駆動される。このように、ギアダンパ97の有無、従動プーリ軸(従動軸)64の支持位置などを容易に設計変更可能である。
また、上述の実施形態では、クランクケース24の右側にベルト式無段変速機60を配置し、クランクケース24とベルト式無段変速機60との間に遠心クラッチ80を配置したエンジン20に構成する場合を説明したが、これに限らず、クランクケースの左側に変速機を配置し、このクランクケースと変速機との間にクラッチを配置したエンジンに構成してもよく、つまり、左右略対称構造のエンジンにしてもよい。
すなわち、本発明は、クランク軸の右側或いは左側をクランクケースを貫通させ、このクランク軸の一側に変速機を設けた構成に適用でき、その他の詳細構成については設計変更可能であり、例えば、クランクケースと変速機ケースとで、クラッチを収容するクラッチ室を形成する場合に限らず、クラッチ室専用のクラッチケースを別途設け、このクラッチケースにクラッチを収容してもよいし、また、クランクケースも左右分割構に限らず、上下分割構造などを採用してもよい。
また、上記実施形態では、単気筒のエンジンに本発明を適用する場合について説明したが、これに限らず、各気筒を所定の挟み角度で配置したいわゆるV型エンジン、或いは、各気筒を並列に配置した並列型エンジンに本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、自動二輪車用の内燃機関に本発明を適用する場合を説明したが、これに限らず、自動二輪車以外の他の車両などに使用される内燃機関に本発明を適用することも可能である。
本発明の実施形態を適用した自動二輪車の側面図である。 自動二輪車のエンジンの内部構造を車体右側から示す図である。 図2のIII−III断面を示す図である。 図2のIV−IV断面を示す図である。 エンジンのクランク軸を周辺構成と共に示す図である。 エンジンを下側から見た図である。 変形例の説明に供する図である。
1 自動二輪車
20 エンジン(内燃機関)
22 シリンダ部
24 クランクケース
24A 左クランクケース
24B 右クランクケース
31 出力軸
51 クランク軸
51B クランクウエブ
51C クランクピン(偏心軸)
51D バランスウエイト(ウエイト部)
51R 駆動プーリ軸(駆動軸)
60 ベルト式無段変速機
61 変速機収容部
61A 変速機ケース(クラッチケースを兼ねる)
61B 変速機カバー(カバー部材)
63 駆動プーリ
64 従動プーリ軸(従動軸)
67 従動プーリ
68 Vベルト
81 動力伝達機構
140 キック式始動装置

Claims (4)

  1. クランクケースに支持され、一側がクランクケースを貫通するクランク軸と、このクランク軸の一側に設けられる変速機と、この変速機の回転を、クランクケースに支持された出力軸に伝達する動力伝達機構とを備え、変速機が、クランク軸の一側に設けられる駆動プーリと、この駆動プーリにベルトを介して連結される従動プーリとを備え、この従動プーリを支持する従動軸をクラッチを介して動力伝達機構に連結した内燃機関において、
    前記クラッチは、前記クランクケースと前記変速機との間であって、前記クランク軸のウエイト部に側面視で重なる位置に設けられることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記クラッチは、前記クランク軸のウエイト部と前記駆動プーリの間に設けられることを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
  3. 前記クラッチは、前記従動プーリよりも大径であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
  4. 前記クランクケースの一側に、前記変速機を収容する変速機ケースを連結し、
    このクランクケースの一側と前記変速機ケースとの間に、前記クラッチを収容するクラッチ室を形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関。
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