JP2010234790A - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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貴之 佐藤
Masaya Tosaka
昌也 登坂
Kei Takigawa
慶 滝川
Junichi Hayakawa
潤一 早川
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Abstract

【課題】
銀塩写真と同等の光沢感を有し、染料インク及び顔料インクのインクジェット記録方式で鮮やかな画像の出力を可能とし、インクジェット記録媒体を提供する。
【解決手段】
透気性を有し、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを含有する紙支持体の少なくとも一方の面に、コロイダルシリカを含む無機微粒子とポリビニルアルコールを含有するpH7.5〜10の塗料を塗工して塗工層を設けた後、前記塗工層の表面に凝固剤溶液を塗布して凝固キャストコート法によりインク受理層を設けてなるインクジェット用記録媒体であって、前記凝固剤溶液は平均一次粒子径が15〜35nm及び平均一次粒子径が40〜65nmの2種類のカチオン性コロイダルシリカとホウ素化合物を含有し、pH1〜4とする。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット記録方式に好適なインクジェット記録媒体に関する。
水性インクあるいは色剤を分散させた顔料インクを微細なノズルから吐出することによって記録用紙に画像を形成するインクジェット記録方式は、フルカラー印刷でのコストパフォーマンスに優れ、高速記録も可能であることから記録が必要な種々の機器に搭載され利用されている。
一方、デジタルカメラの普及とインクジェット記録方式の高精細化により従来の銀塩写真に代わってインクジェット記録方式による写真出力が増加している。写真用のインクジェット記録用紙としては、インク吸収性に優れること、高い平滑度と光沢度、保存性等が求められる。
写真用インクジェット記録用紙は、支持体上に微細粒子を含有するインク受容層を塗工し、インク吸収性が良好で、また、微細粒子からなるインク受容層は透明性が高く、インクの発色も鮮明であるため高い印字濃度が得られる。その上で高い光沢を付与するため、その製造方法はキャストコート法で製造するのが一般的である。キャストコート法は顔料と結着剤を主成分とする塗工液を基紙上に塗工して塗工層を設け、その塗工層をキャストドラムを用いて光沢仕上げする方法であり、この光沢塗工層が上記インク吸収層となる。キャストコート法としては、(1)塗工層が湿潤状態にある間に鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦乾燥あるいは半乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化させ、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するリウェット法、(3)湿潤状態の塗工層を凝固処理によりゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)、の3つの方法が一般に知られている。各方法の原理は、湿潤状態の塗工層を鏡面仕上げの面に押し当てて、塗工層表面に光沢を付与するという点では同一である。こうして得られた写真用インクジェット記録用紙は表面が平滑で艶があり従来の銀塩写真の代替としてなりうるものである。
より具体的にインクジェット記録方式で良好な画像を出力し、かつ基紙を樹脂で被覆した、いわゆるレジンコート紙を基紙とした写真用インクジェット用紙と同等の品質として、記録層の表面の光沢感が高いこと、インクジェットの印字濃度が高いこと、インクの溢れや滲みがないこと、印字ムラ(濃淡ムラ)がないこと、耐候性が優れること等が挙げられ、これら特性を向上するためには、インク吸収層の改善が必要となってくる。例えば、インク吸収層を1層以上の層構成とし、少なくとも1層が300nm以下の平均粒径を有するコロイド粒子とカチオン性樹脂を含有する技術が報告されている(例えば、特許文献1参照)。又、キャスト塗工層中に、一次粒子径が30〜100nmであるコロイダルシリカを含有する技術が報告されている(例えば、特許文献2参照)。
また、塗工層の接着剤と凝固し得る凝固剤を塗布し凝固法でインク受理層を形成する際、凝固剤にホウ素化合物、コロイダルシリカ及び樹脂を含有させる技術が報告されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平9−263039号公報 特開2005−35169号公報 特開2002−166645号公報
しかしながら、上記した特許文献1、2記載の技術の場合、記録媒体の高光沢化の点で改善の余地があり、さらに染料インクでインクジェット記録を行った場合にインク吸収層に含有される顔料の平均粒子径が大きいため、印字濃度が低下するという問題がある。
また、特許文献3記載の技術の場合、インク吸収層表面に平均粒子径が小さいコロイダルシリカが存在するため、染料インクの印字濃度は向上するが、インク吸収層表面にインクを定着させるチオン性樹脂が存在しないため、耐水性が悪化するという問題がある。
さらに、特許文献3記載の技術において、凝固剤中のコロイダルシリカがアニオン性の場合には、カチオン性樹脂とショックを起こすため、カチオン性樹脂を添加できないのでインクの定着性が悪化し、インク吸収性および耐水性に劣る。また、上記コロイダルシリカがカチオン性の場合には、ホウ酸塩とショックを起こすため、凝固剤中にホウ酸塩を添加できないので、凝固不足となり操業性に問題が発生する。さらには、1種類のコロイダルシリカでは最表面で最密充填構造を形成し、染料インクまたは顔料インクの溶媒の速やかな吸収を阻害する。
本発明の課題は、少なくとも支持体の一方にインクジェット記録用紙としての機能があり、かつ銀塩写真と同等の光沢感を持つインクジェット記録用紙を提供することである。その際に使用されるインクジェット記録用のインクは染料インクと顔料インクの両方での出力に対応した汎用紙である。
一般に、キャスト法で高い光沢性を有する塗工層を形成させることは、技術的に容易であるが、インクジェット記録紙としての機能を持つ塗工層とは相反する。具体的には、高い光沢感を持つ塗工層を得る場合は粒径が比較的大きな顔料を使用し、柔らかい結着剤を使用すれば良い。一方、インクジェット記録用紙は、染料インクの場合は染料自体に対する吸収性、顔料インクの場合は分散媒を吸収するための高い吸収性が必要である。そのため、一般的には多孔質体で安価であるシリカゲルが使用され、更にインクを吸収する能力は粒径が小さいものほど優れる。一方で、小さな粒径の顔料を使用した場合には、結着剤の効果も小さくなるため配合量を多くする必要がある。この場合、塗工層自体が硬くなりキャスト法で乾燥させた後に塗工層に亀裂が発生する。塗工層の亀裂は、顔料インクで印刷した場合に、顔料インクの中に分散してある有色顔料が亀裂に落ち込んでしまい、鮮やかな発色が得られないばかりか、分散媒の吸収にムラが発生し、特にベタ部でそのままムラとして印刷される。また、染料インクに対しては、インクを吸収しつつも鮮やかな印刷出力を得るためには、例えば、コロイダルシリカ等の非常に小さな顔料を使用し、塗工層の透明度を高くする必要がある。以上、述べたように本発明の解決しようとする課題は、染料インク及び顔料インクのインクジェット記録方式で鮮やかな画像の出力を可能とし、キャスト法で製造できる写真用インクジェット記録媒体を提供することである。
上記のインクジェット記録媒体を提供するために発明者等が鋭意検討を重ねた結果、透気性を有し、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを含有する紙支持体の少なくとも一方の面に、コロイダルシリカを含む無機微粒子とポリビニルアルコールを含有するpH7.5〜10の塗料を塗工して塗工層を設けた後、前記塗工層の表面に凝固剤溶液を塗布して凝固キャストコート法によりインク受理層を設け、前記凝固剤溶液は平均一次粒子径が15〜35nm及び平均一次粒子径が40〜65nmの2種類のカチオン性コロイダルシリカとホウ素化合物を含有し、pH1〜4とすることにより、高い光沢性を有し、鮮やかな画像をインクジェット方式で出力できるインクジェット記録媒体の提供を可能とした。
本発明の写真用インクジェット記録媒体は、デジタルカメラ等で撮影した写真をインクジェット方式で印刷した場合に、鮮やかな画質で銀塩写真同等の画像出力を可能とする。
以下本発明の実施形態について説明する。本発明のインクジェット記録媒体は、透気性を有する紙支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含む塗工層を形成した後、該塗工層の表面に前記結着剤と凝固する凝固剤溶液を塗布して凝固キャストコート法によりインク受理層を設けてなるものである。
<紙支持体>
インクジェット記録媒体に用いる紙支持体は、その種類、形状、寸法などについては特に制限はないが、透気性を有する吸収性支持体が望ましい。
例えば、塗工紙、未塗工紙等の紙を、紙支持体に好適に用いることができる。紙の主成分はパルプと内添填料である。パルプとしては通常公知のパルプであればいずれのものを使用することができる。例えば、化学パルプとして広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹晒亜硫酸パルプ、広葉樹未晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹未晒亜硫酸パルプ、木材、綿、麻、じん皮等の繊維原料を化学的に処理して作製されたパルプなどを使用できる。また、木材やチップを機械的にパルプ化したグランドウッドパルプ(GP)、木材やチップに薬液を染み込ませた後に機械的にパルプ化したケミメカニカルパルプ(CTMP)、及び、チップをやや軟らかくなるまで蒸解した後にリファイナーでパルプ化したサーモメカニカルパルプ(TMP)等も使用できる。
また、古紙を原料とするパルプ、すなわち、製本、印刷工場、断裁所等において発生する裁落、損紙、幅落しした上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙;印刷やコピーが施された上質紙、上質コート紙等の上質印刷古紙;水性インク、油性インク、鉛筆などで筆記された古紙;印刷された上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙等のチラシを含む新聞古紙;中質紙、中質コート紙、更紙等の古紙等を離解して得られる脱墨パルプ(DIP)を使用することもできる。インクジェット用紙には高白色度で地合に優れるLBKPを使用することが好ましい。
また、上記パルプは、漂白することにより高白色とすることができる。パルプの漂白方法としては、元素状塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素、酸素、過酸化水素、苛性ソーダ等の薬品の組合せにより漂白する塩素漂白法、二酸化塩素を使用する漂白方法(ECF)、塩素化合物を一切使用せずに、オゾン/過酸化水素等を主に使用して漂白する方法(TCF)といった方法がある。このうち塩素漂白法からなる有機塩素化合物負荷が環境に悪影響を与える恐れがあることから、ECFやTCFといった方法で漂白することが好ましい。またECFでは、二酸化塩素はリグニンと選択的に反応するため、セルロースに損傷を与えずにパルプの白色度を高めることができるので、さらに好ましい。
<填料>
紙支持体の不透明度、白色度向上を目的とし、填料を添加(内添)してもよい。内添填料は、例えば、クレー、カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の白色顔料を使用できるが、高白色度を得やすいことから炭酸カルシウムが好ましいが、本発明では、ロゼッタ(rosette)型軽質炭酸カルシウムを必須の填料として含有する。ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムとは、紡錘形状の軽質炭酸カルシウムの一次粒子が放射状に凝集してロゼッタ型の二次粒子を形成したものであり、具体的にはSpecialty Minerals Inc.社のアルバカーHO、アルバカー5970、アルバカーLO等の製品を好ましく挙げることができる。ここで、放射状とは、例えば、前記二次粒子の中心近傍から、各一次粒子の長手方向が放射状に伸びたものである。
軽質炭酸カルシウムは生産コストや操業性、及び添加量が少なくとも高い不透明度が得られる点で優れ、さらにロゼッタ型の軽質炭酸カルシウムはその特殊な形状のため、紙支持体に高い割合で配合させると紙支持体の不透明度が大きく向上し、インクジェット記録の際の裏抜けを有効に防止する。さらに、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムは、従来の軽質炭酸カルシウムと比較して比表面積も大きいため、インク吸収性に優れた紙支持体が得られる。特に、インク受容層の塗工量が少ない場合に、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを用いると大きな効果を得ることができる。
ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの平均粒子径は1.0〜5.0μmであることが好ましい。平均粒子径が1.0μm未満である場合、光の透過性が向上するために紙支持体の不透明性が低下し、結果として記録用紙の裏面から印字画像が透けて見えたり、裏抜けが発生することがある。また、平均粒子径が5.0μmを超える場合、填料の分布が不均一となり紙支持体の不透明性が低下し、裏抜けが発生したり品質安定性が低下する傾向にある。
ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの吸油量は、90〜300ml/100gであることが好ましく、90〜140ml/100gであることが特に好ましい。吸油量が90ml/100g未満の場合、得られたインクジェット記録用紙のインク吸収性が低下する傾向にある。一方、吸油量が300ml/100gを超える場合、基紙の吸収性が大きくなり過ぎ、インク受容層用塗工液を塗工した際にバインダー成分のみが紙支持体中に浸透しやすく、結果としてインク受容層の表面強度が低下し、断裁時の粉落ちなどの問題が生じることがある。
填料としてロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを含有する紙支持体上に、インク受理層をキャストコート法で設けると、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを填料として含有しない紙支持体を用いた場合と比較してJIS−Z 8741に規定されるインク受理層表面の20度光沢度が向上する。この理由は明らかではないが、次のように考えられる。
まず、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを紙支持体中に配合すると、紙支持体の密度が低下して嵩高な紙となり、クッション性が向上する。このため、キャストコート時にインク受容層用塗工層をキャストドラムに圧接した際、塗工層がキャストドラム表面に密着し易くなり、その結果として、得られたインク受理層の光沢感が向上すると考えられる。20度光沢度の値が高いほど光沢感が優れており、本発明においては20度光沢度が20%以上であることが必要である。また、写像性の数値が高いほど光沢感が優れており、本発明において写像性は50%以上であることが好ましく、特に70%以上であることが好ましい。
なお、紙支持体の密度は0.8g/cm以下であることが好ましい。
上記したパルプは抄紙適性、強度、平滑性、地合の均一性等といった紙の諸特性等を向上させるため、ダブルディスクリファイナー等の叩解機により叩解される。叩解の程度は、カナディアン スタンダード フリーネス(C.S.F.)で250〜550ml程度の通常の範囲で目的に応じて選択することが出来る。前記パルプのpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよい。
叩解されたパルプスラリーは、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、または、丸網抄紙機等の抄紙機により抄紙され支持体を得ることができるが、この際、通常抄紙に際して用いられるパルプスラリーに、分散助剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、サイズ剤、定着剤、pH調節剤、染料、有色顔料、及び蛍光増白剤等を添加することが可能である。
分散助剤としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、とろろあおい等が用いられる。紙力増強剤としては、例えば、植物性ガム、澱粉、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等のアニオン性紙力増強剤、カチオン化澱粉、カチオン性ポリアクリルアミド、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等のカチオン性紙力増強剤が用いられる。サイズ剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン等のロジン誘導体、ジアルキルケテンダイマー、アルケニル或いはアルキルコハク酸塩、エポキシ化脂肪酸アミド、多糖類エステル等が用いられる。定着剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の多価金属塩、カチオン化澱粉、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等のカチオン性ポリマー等が用いられる。pH調節剤としては、塩酸、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が用いられる。
また、上記紙支持体には、水溶性高分子添加剤をはじめとする各種の添加剤を含有する塗布液を、タブサイズ、サイズプレス、ゲートロールコーター又はフィルムトランスファーコーター等を用い、オンマシン又はオフマシンで塗工することが可能である。
上記水溶性高分子添加剤としては、例えば、澱粉、カチオン化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体;ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール誘導体;カルボキシメチルセルローズ、ヒドロキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、セルロースサルフェート等のセルロース誘導体;ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白等の水溶性天然高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム等、無水マレイン酸樹脂等の水溶性高分子;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性合成樹脂等の水性高分子接着剤等が用いられる。その他の添加剤としては、サイズ剤として石油樹脂エマルション、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルキルエステルのアンモニウム塩、アルキルケテンダイマー乳化物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン等のディスパーションが挙げられる。その他の添加剤としては、帯電防止剤として、無機電解質である塩化ナトリウム、塩化カルシウム、ボウ硝等が、吸湿性物質としてグリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。その他の添加剤としては、顔料としてクレー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン等が挙げられる。その他の添加剤としては、pH調節剤として塩酸、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が用いられ、その他染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を組み合わせて使用することも可能である。
<インク受理層>
紙支持体上に、インク受理層(本発明では、塗工層を凝固キャストコート法により塗工層の表面を加熱された鏡面仕上げ表面に接触させることにより光沢を付与してインク受理層とするが、便宜上、塗工層とインク受理層を区別せずに用いる)を形成する。インク受理層を形成することにより、インクジェットプリンターで印刷した際のインクの吸収性を好適に調整でき、印字濃度や印字にじみ、ベタ均一性等の記録適性が向上する傾向にある。インク吸収層は、インクの溶媒成分をいち早く吸収する機能を有する層であり、顔料と結着剤を主成分とする。
インク受理層に使用する顔料は特に限定はないが、安価であるシリカが適当であり本発明ではpH7〜10で分散し塗料を調製する必要がある。
(インク受理層の顔料)
インク受理層に配合される顔料としては、公知の無機微粒子や有機微粒子を用いることができる。例えば、カオリン、クレー、焼成クレー、非晶質シリカ(無定形シリカともいう)、合成非晶質シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、アルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト等)、アルミナ(α型結晶のアルミナ、θ型結晶のアルミナ、γ型結晶のアルミナ等)、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオライト、合成ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、ハイドロタルサイト、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等、一般塗工紙製造分野で公知公用の各種顔料を1種もしくはそれ以上、併用することができる。これらの中で、酸化亜鉛、酸化チタン、プラスチックピグメント類は、白紙部の黄変を防ぐことができるので配合することが好ましい。また、無定形シリカ、アルミナ、ゼオライトはインク吸収性が高いので主成分として含有させることが好ましいが、特に発色性の点からコロイダルシリカを顔料に含むことが好ましく、インク吸収性、コストの点から合成非晶質シリカを顔料に含むことが好ましい。
上記コロイダルシリカとして、一次粒子径が20〜70nmであるコロイダルシリカを用いると、光沢度を向上させ、顔料インク印字時の印字ムラを抑制する点でさらに好ましい。このコロイダルシリカの一次粒子径が20nm未満であると、インク受理層の透明性は高くなるが、その表面に微細な亀裂が生じ、顔料インク印字時に印字ムラが発生し、印字濃度も低下することがある。
一方、一次粒子径が大きいほど、インク受理層表面の亀裂が減少し、顔料インク使用時の印字ムラが少なくなる傾向にある。但し、一次粒子径が70nmを超えるとインク受理層の透明性が低下し、染料インク印字時の印字濃度が低下して染料インク適性が劣ることがある。
上記合成非晶質シリカはその製造法により、湿式法シリカと気相法シリカとに大別できる。湿式法で製造された合成非晶質シリカは、顔料の透明性が気相法シリカに劣るが、ポリビニルアルコールと併用した場合の塗料安定性に優れる。さらに、湿式法シリカは、内部空隙の無い気相法シリカに比べて分散性が良好であり、塗料濃度を高くすることが可能である。そのため、インク吸収層中の(結着剤に対する)顔料の割合を高くすることができ、インク受理層の吸収性を高くできるので、インク吸収性を向上できると共に染料インクの発色性を向上できる。高い光沢感を得るという点から上記湿式法シリカの二次粒子径は1〜5μmであることが好ましく、BET比表面積は150〜500m/gであることが好ましい。また、透明度の高い塗工層を得るという点から、上記気相法シリカの一次粒子径が5〜70nmであることが好ましく、BET比表面積は30〜500m/gであることが好ましい。
なお、インク受理層の顔料として平均粒子径の異なる2種類以上の顔料を用いる場合、「顔料の平均粒子径」とは、各顔料の平均粒子径を各顔料の含有割合で加重平均した値とする。インク吸収層の顔料の平均粒子径は1〜5μmであることが好ましい。平均粒子径が1μmより小さいとインク吸収性が劣り、5μmを超えると光沢感が低下する傾向にある。
(インク受理層の結着剤)
インク受理層の結着剤としては、水系バインダー樹脂を用いることができる。「水系」とは、水又は水と少量の有機溶剤からなる媒体中で樹脂が溶解又は分散し、安定化すること(水溶性又は/及び水分散性の樹脂エマルジョン)を意味する。又、水系バインダー樹脂とは水溶性樹脂及び水分散性樹脂を意味する。水系バインダー樹脂は、紙支持体に塗工する塗工液中では溶解又は粒子となって分散しているが、塗工し乾燥した後に顔料の結着剤となり、インク吸収層を形成する。
水系バインダー樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール及びその誘導体;ポリビニルピロリドン;ウレタン樹脂エマルジョン由来のウレタン樹脂;酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;カゼイン;ゼラチン;大豆タンパク;スチレン−アクリル樹脂及びその誘導体;スチレン−ブタジエン樹脂ラテックス;アクリル樹脂エマルジョン、酢酸ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル樹脂エマルジョン、尿素樹脂エマルジョン、アルキッド樹脂エマルジョン及びこれらの誘導体等があげられる。これらの水系バインダー樹脂を単独又は混合して用いることができる。
本発明においては、発色性とコストの点からポリビニルアルコールを結着剤に含有することが好ましく、特に、部分鹸化のポリビニルアルコールが好ましい。ポリビニルアルコールの添加量は、インク吸収層中の全顔料100質量部に対して3質量部から30質量部であることが好ましい。但し、必要な塗工層強度が得られる限り、結着剤の種類は特に限定されるものではない。
インク受理層は、上記した顔料と結着剤を含むが、その他の成分、例えば、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、顔料分散剤、離型剤、発泡剤、pH調整剤、表面サイズ剤、着色染料、着色顔料、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤、防腐剤、耐水化剤、染料定着剤、界面活性剤、湿潤紙力増強剤、保水剤、カチオン性高分子電解質等を、本発明の効果を損なわない範囲内で、インク受理層の前駆体となる塗工層に適宜添加することができる。
支持体上にインク受理層となる塗工液を塗布する方法としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコータ、ゲートロールコーター、ショートドウェルコーター等の公知の塗工機をオンマシン、又はオフマシンで用いた塗工方法の中から適宜選択して使用することができる。
また、インク受理層は必要に応じて2層以上設けても構わないが、インク受理層の塗工量は、乾燥質量で、好ましくは2〜60g/m、より好ましくは2〜30g/m程度、更に好ましくは4〜20g/m程度である。塗工量を2g/m以上とすることにより、インク吸収性の改良効果が充分に得られ、インク受理層を設けた際に優れた光沢性が得られ、60g/m以下とすることにより、印字濃度が高くなったり、塗工層の強度が向上し、粉落ちや傷が付き難くなる傾向がある。
本発明において、インク受理層の塗工量を多く必要とする場合には、インク受理層を多層にすることも可能である。また、支持体とインク吸収層の間にインク吸収性、接着性その他の各種機能を有するアンダーコート層を設けても良い。さらに、インク吸収層を設けた面の反対側にさらにインク吸収性、筆記性、プリンター印字適性他各種機能を有するバックコート層を設けても良い。
(凝固剤溶液について)
インク受理層形成用の塗料と接触してゲル化する作用を有する材料(凝固剤)としては、例えば、ホウ素化合物、エポキシ化合物、グリシジル化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、クロム化合物等が挙げられる。これらの中でも、後述の水溶性樹脂としてのポリビニルアルコールと組み合わせた場合、ゲル化する進行が速いことから、ホウ素化合物が好ましく、ホウ酸およびホウ砂、またはその混合が好ましい。
ただし、アルカリ塩のホウ砂を混合した場合、塩析によりコロイダルシリカが析出してしまうためポリビニルアルコールの架橋剤はホウ酸が望ましい。ホウ酸としては、例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸等が挙げられる。
凝固剤溶液に配合するコロイダルシリカはカチオン性であれば特に問題はない。また、平均一次粒子径は小さければ小さいほど良いが、粒径の小さなコロイダルシリカのみを配合した場合、最表面で緻密な配列を形成し、インク受理層が持つインクを吸収するためのサブミクロンオーダーの空隙をすべて隠蔽してしまいインクの吸収を阻害する。そのため、本発明を遂行するためには、平均一次粒子径が10〜30nmのコロイダルシリカと40〜60nmのコロイダルシリカを少なくともそれぞれ1種類以上配合し、最表面の構造は緻密な構造ではなく、異なる粒径のコロイダルシリカを存在させて歪みを持つ構造とし、適度にインクが浸透する空隙構造を形成させる必要がある。
また、そのときの重量比率は、平均一次粒子径が小さいコロイダルシリカが60〜95重量%であり、平均一次粒子径が大きいコロイダルシリカが5〜40重量%であることが必要である。
また、本発明で使用する凝固剤溶液には凝固剤とカチオン性コロイダルシリカが配合されることは必須であるが、その他に水溶性金属塩、水溶性樹脂、水溶性エマルジョン、染料などを添加できる。
本発明で使用されるインク受理層用の塗料のpHは7〜10に調整することが必須であるが、好ましくは塗料の粘度が最も低くなるpHが良い。電気的にはアニオン性で顔料を分散し、かつ顔料がシリカの場合にはpHが8〜9が適当である。また、最終的に調整された凝固剤溶液は、インク受理層の塗料とアニオンとカチオンの電気的な凝集反応を誘起させるためpHが1〜4であることが必要であるが、pHが低すぎた場合には金属腐食などの操業上の問題もあるため、より好ましくは3〜4程度でカチオン性のコロイダルシリカが凝集しなければ良いと考える。
アニオン性のインク受理層にカチオン性の凝固剤溶液が塗布されたとき、ホウ素とポリビニルアルコールの架橋は、アニオン性とカチオン性の電気的凝集反応を伴ってより強固なものとなる。
以下に、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は、特に明示しない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)90部と針葉樹晒クラフトパルプ(N−BKP)10部とからなる叩解度350mlのパルプスラリーに対し、填料としてロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(アルバカー5970:SMI社製)を灰分20%となるように添加し、さらに硫酸アルミニウム1.0部、AKD0.15部、歩留向上剤0.05部を添加した。このスラリーを用いて抄紙機で抄紙し、その際に5%のデンプンと0.2%の表面サイズ剤(AKD)とを固形分で1.5g/mとなるように塗布し、180g/mの支持体を得た。
この支持体にロールコーターで塗工液A(インク受理層用塗料)を13g/m塗工し、塗工層が湿潤状態にある間に、凝固剤溶液(B)を2.0g/m塗布して凝固させ、次いでプレスロールを介して加熱された鏡面仕上げ面に圧着して鏡面を写し取り、坪量195g/mでJIS−Z 8741で規定する20°光沢度が21%、75°光沢度が72%の光沢を有するインクジェット記録用紙を作製した。
<塗工液A(インク受理層用塗料)>
顔料として、コロイダルシリカ(クォートロンPL−2:扶桑化学工業株式会社製、平均一次粒子径20nm)40部と湿式法合成非晶質シリカ(ファインシールX−37B:トクヤマ株式会社製、平均二次粒子径2.6μm)60部、バインダーとしてポリビニルアルコール(PVA217:株式会社クラレ製)12部、蛍光染料(BLANKOPHOR P liquid01:LANXESS社製)1.5部、離型剤(SNコート289:サンノプコ社製)0.5部を配合して濃度25%の塗工液Aを調整した。最終的なpHの調整にはアンモニア水溶液を使用した。
<凝固剤溶液B>
ホウ酸4重量%、離型剤(PEM−17:サンノプコ社製)0.5重量%、コロイダルシリカ1(平均一次粒子径15〜35nm)5重量%、コロイダルシリカ2(平均一次粒子径40〜65nm)2重量%を配合して凝固剤溶液B(水溶液)を調製した。最終的なpHの調整には酢酸を使用した。
[実施例1]
塗工液A(インク受理層用塗料)のpHを8.5、凝固剤溶液BのpHを3に調整した。凝固剤溶液Bに配合するコロイダルシリカは、コロイダルシリカ1(スノーテックス20:日産化学工業株式会社製、平均一次粒子径18nm)、コロイダルシリカ2(スノーテックスAK−YL:日産化学工業製、平均一次粒子径60nm)を使用した。上述記載の方法で、坪量195g/mでJIS−Z 8741で規定する20°光沢度が31%、75°光沢度が80%の光沢を有するインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例2]
塗工液A(インク受理層用塗料)のpHを8.5、凝固剤溶液BのpHを3に調整した。凝固剤溶液Bに配合するコロイダルシリカは、コロイダルシリカ1(スノーテックス20:日産化学工業株式会社製、平均一次粒子径18nm)、コロイダルシリカ2(スノーテックスAK−L:日産化学工業株式会社製、平均一次粒子径45nm)を使用した。上述記載の方法で、坪量195g/mでJIS−Z 8741で規定する20°光沢度が30%、75°光沢度が78%の光沢を有するインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例3]
塗工液A(インク受理層用塗料)のpHを8.5、凝固剤溶液BのpHを3に調整した。凝固剤溶液Bに配合するコロイダルシリカは、コロイダルシリカ1(CL−P:グレース社製、平均一次粒子径22nm)、コロイダルシリカ2(スノーテックスAK−YL:日産化学工業株式会社製、平均一次粒子径60nm)を使用した。上述記載の方法で、坪量195g/mでJIS Z 8741で規定する20°光沢度が27%、75°光沢度が81%の光沢を有するインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例4]
塗工液A(インク受理層用塗料)のpHを8.5、凝固剤溶液BのpHを3に調整した。凝固剤溶液Bに配合するコロイダルシリカは、コロイダルシリカ1(CL−P:グレース社製、平均一次粒子径22nm)、コロイダルシリカ2(スノーテックスAK−L:日産化学工業株式会社製、平均一次粒子径45nm)を使用した。上述記載の方法で、坪量195g/mでJIS−Z 8741で規定する20°光沢度が32%、75°光沢度が82%の光沢を有するインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例1]
塗工液A(インク受理層用塗料)のpHを7.2、凝固剤溶液BのpHを3に調整した。凝固剤溶液Bに配合するコロイダルシリカは、コロイダルシリカ1(スノーテックス20:日産化学工業株式会社製、平均一次粒子径18nm)、コロイダルシリカ2(スノーテックスAK−YL:日産化学工業株式会社製、平均一次粒子径60nm)を使用した。上述記載の方法で、坪量195g/mでJIS−Z 8741で規定する20°光沢度が17%、75°光沢度が48%の光沢を有するインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例2]
塗工液A(インク受理層用塗料)のpHを8.5、凝固剤溶液BのpHを4.5に調整した。凝固剤溶液Bに配合するコロイダルシリカは、コロイダルシリカ1(スノーテックス20:日産化学工業株式会社製、平均一次粒子径18nm)、コロイダルシリカ2(スノーテックスAK−YL:日産化学工業株式会社製、平均一次粒子径60nm)を使用した。上述記載の方法で、坪量195g/mでJIS Z 8741で規定する20°光沢度が15%、75°光沢度が50%の光沢を有するインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例3]
塗工液A(インク受理層用塗料)のpHを8.5、凝固剤溶液BのpHを3に調整した。凝固剤溶液Bに配合するコロイダルシリカは、コロイダルシリカ1(CL:グレース製、平均一次粒子径12nm)、コロイダルシリカ2(スノーテックスAK−YL:日産化学工業製、平均一次粒子径60nm)を使用した。上述記載の方法で、坪量195g/mでJIS Z 8741で規定する20°光沢度が30%、75°光沢度が78%の光沢を有すインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例4]
塗工液A(インク受理層用塗料)のpHを8.5、凝固剤溶液BのpHを3に調整した。凝固剤溶液Bに配合するコロイダルシリカは、コロイダルシリカ1(CL:グレース社製、平均一次粒子径12nm)、コロイダルシリカ2(CL−P:グレース社製、平均一次粒子径22nm)を使用した。上述記載の方法で、坪量195g/mでJIS−Z 8741で規定する20°光沢度が35%、75°光沢度が85%の光沢を有するインクジェット記録用紙を作製した。
実施例1〜4、比較例1〜4で得られたインクジェット記録媒体について、以下の項目について評価を行った。得られた結果を表1に示す。
<評価>
1.インクジェット記録方式による出力画像の評価
得られたインクジェット記録媒体に対し、染料インクジェットプリンター(PM―970C:エプソン株式会社製)を用いて所定のデジタル写真を出力した。レジンコート紙を基紙とするインクジェット写真用紙との画像を比較評価した。
○:インクジェット写真用紙とほとんど差がない
△:インクジェット写真用紙より少し劣る
×:インクジェット写真用紙より明らかに劣る
2.20°、75°光沢度
得られたインクジェット記録媒体の20°、75°光沢度をJIS−Z8741に従い、光沢度計(村上色彩技術研究所製、True GLOSS GM−26PRO)を用いて測定した。
Figure 2010234790

表1に示されるように、実施例1〜4はレジンコート紙を基紙とするインクジェット写真用紙と同等の画像が得られた。一方、塗工液のpHが3未満の比較例1、凝固剤溶液のpHが4を超えた比較例2は光沢度、画像のいずれも劣っていた。凝固剤溶液に平均一次粒子径が15nm未満であるコロイダルシリカを使用した比較例3、4では光沢度は実施例と同等であったが、画像は劣っていた。

Claims (1)

  1. 透気性を有し、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを含有する紙支持体の少なくとも一方の面に、コロイダルシリカを含む無機微粒子とポリビニルアルコールを含有するpH7.5〜10の塗料を塗工して塗工層を設けた後、前記塗工層の表面に凝固剤溶液を塗布して凝固キャストコート法によりインク受理層を設けてなるインクジェット用記録媒体であって、前記凝固剤溶液は平均一次粒子径が15〜35nm及び平均一次粒子径が40〜65nmの2種類のカチオン性コロイダルシリカとホウ素化合物を含有し、pH1〜4であることを特徴とするインクジェット記録媒体。
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