JP2010234377A - 粉末成形品の製造方法および粉末成形装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】材料粉末Pが充填される充填部Aが形成されたダイ11と、前記ダイ11に対して相対移動可能に取り付けられ、前記ダイ11とともに充填部Aを画成する下パンチ21と、前記ダイ11の上方に配置され、前記ダイ11に対して進退可能に支持された上パンチ31と、前記上パンチ31を前記ダイ11に対して前進又は後退させる上ラム71と、制御部80と、を備えた粉末成形装置1であって、前記上パンチは、複数のDDV型サーボ駆動装置D10を介して前記上ラム71に接続されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
例えば、図9(A)に示すように、材料粉末Pを供給するシューボックス120をダイ111の充填部A上まで前進して材料粉末Pを充填部Aに充填し、材料粉末Pが充填されたらシューボックス120を後退させる。このとき、例えば、シューボックス120の後退動作と対応させて下パンチ121を上昇させる。
そして、シューボックス120が後退し終わると、図9(C)に示すように、材料粉末Pの上面全体にわたって傾斜面が形成される。
その後、下パンチ121を一旦下降して材料粉末Pを充填部A内に収納してから上パンチ及び下パンチ121により材料粉末Pを圧粉するようになっており、かかるコンターフィリングを用いてシューボックス120の前進端側に多くの材料粉末Pを供給することで、材料粉末Pが供給されにくいシューボックス120の前進端側における密度を高くして粉末成形品の密度分布の偏りを改善する場合がある。
請求項1に記載された発明は、材料粉末が充填される充填部が形成されたダイと、前記ダイに対して相対移動可能に取り付けられ、前記ダイとともに充填部を画成する下パンチと、前記ダイの上方に配置され、前記ダイに対して進退可能に支持された上パンチと、前記上パンチを前記ダイに対して前進又は後退させる上ラムと、制御部と、を備えた粉末成形装置であって、前記上パンチは、複数のDDV型サーボ駆動装置を介して前記上ラムに接続されていることを特徴とする。
その結果、粉末成形品を焼結して粉末焼結品とした場合の粉末焼結品の精度を向上することができる。
図1は、この実施形態の粉末成形装置1を示す図であり、ダイセット(金型)10と、粉末成形プレス50とを備え、例えば、上パンチ及び下パンチはCNC制御可能とされている。
また、この実施形態において、粉末成形装置1は、金属粉末(材料粉末)Pを傾斜充填するとともに、固定されたダイに上パンチ及び下パンチが前進及び後退するダイ固定方式により成形するようになっている。
ダイ11は、ダイプレート12の中央部に配置され、ダイプレート12にはガイド孔18Hが形成されている。
また、下パンチ21は、DDV型サーボ駆動装置D20が位置制御機能によって進退することで押上プレート44に対して上下方向に相対移動可能とされており、下ラム61に対する下パンチ21の上下方向の相対的位置を調製することが可能とされている。
また、上パンチプレート34は、後述する粉末成形プレス50の上パンチ用のDDV型サーボ駆動装置D10と図示しないジョイントを介して接続されるようになっている。
また、プレス下側本体部60とプレス上側本体部70とは、連結部材52で連結されている。
その結果、下ラム駆動モータ62Mの下ラム駆動軸62Dが回転されると、下ラム駆動軸62Dの雄ネジ62Eと下ラム61の雌ネジ61Aが係合して、下ラム駆動モータ62Mの回転が上下方向の移動に変換され、下ラム61が上下方向に進退するようになっている。
以下、図2を参照して、DDV(Direct Drive Volume Control)サーボ駆動装置の一例であるDDV型サーボ駆動装置D1について説明する。
サーボモータM1は、油圧ポンプP1を駆動して加圧した作動油を油圧シリンダP2に送り、油圧シリンダP2のロッドを前進又は後退させてその進退量を調整するようになっている。
また、油圧シリンダP2のロッド側及びヘッド側は、圧力センサT1、T2が接続され、それぞれの作動油の圧力が検出可能とされている。
なお、上記以外の周知の他の形式のDDV型サーボ駆動装置が適用可能であることはいうまでもない。
また、メモリ82に格納された動作プログラムデータに基づいて、DDV型サーボ駆動装置D20の傾斜充填及び充填時の振動生成に関する信号を、DDV型サーボ駆動装置D20に出力するようになっている
データベース85は、粉末成形品Wの厚さを、粉末成形品Wの対象となる部位の厚さ(測定データ)に応じて、目標厚さとするためのDDV型サーボ駆動装置D10のロッドの進退量の数値データが、加圧力ごとにデータテーブルの形態で構成されており、例えば、図6に示すような相関に基づいている。図6におけるパラメータ△L1〜△L4は、金属粉末Pの圧縮量と対応するDDV型サーボ駆動装置D10のロッドの進退量を表している。
1)ます、金属粉末P等の材料粉末を充填部Aに充填する(手順1)。
充填部Aへの材料粉末の充填は、シューボックスや供給ホース内の材料粉末の挙動による影響をなくし、材料粉末を充填部Aに均等に充填するために手で行なう。
2)DDV型サーボ駆動装置D10の各DDV型サーボ駆動装置D11、D12、D13、D14のロッドを所定の進退量とすることで上パンチ31による圧縮量を一定にし、充填した材料粉末を圧粉して粉末成形品Wを成形する(手順2)。
3)各DDV型サーボ駆動装置D11、D12、D13、D14の圧粉時の加圧力を測定する(手順3)。
4)粉末成形品Wの密度分布測定(手順4)。
粉末成形品Wの密度分布測定は、粉末成形品Wから測定対象の部位を切り出し、この測定部位を、例えば、水等の液体中に没して測定部位が排除した液体の容積と、液体内、液体外における測定部位の重量差、液体の密度とから算出する、いわゆるアルキメデス法を用いる。
5)DDV型サーボ駆動装置の加圧力と、材料粉末の圧縮量と、粉末成形品Wの密度の相関を求める(手順5)。
手順2におけるDDV型サーボ駆動装置D10の進退量を変化させて、手順1から手順5を複数回繰返して測定する。そして、材料粉末の圧縮量をDDV型サーボ駆動装置D10のロッドの進退量に変換し、DDV型サーボ駆動装置D10のロッドの進退量をパラメータとして、例えば、図6に示すような加圧力と密度の相関を示すグラフを作成する。
まず、粉末成形装置1を起動しての自動運転を開始する。
粉末成形装置1の自動運転を開始する場合、下パンチ21は下死点に、上パンチ31は上死点に、シューボックス90は後退端に位置している。
(1)まず、制御部80は、DDV型サーボ駆動装置D10に出力してDDV型サーボ駆動装置D10のロッドの進退量(例えば、前進量)を初期値LUに設定する(S1)。
(2)制御部80は、粉末成形装置1が自動運転中かどうかを判定する(S2)。
自動運転中の場合には、S3に移行し、自動運転中でない場合にはプログラムを終了する。
(3)金属粉末Pを充填する(S3)。
1)制御部80は、シューボックス90の駆動源に出力してシューボックス90を充填部Aの上に前進させる。
2)制御部80は、シューボックス90が充填部Aの上まで前進したら、シューボックス90の駆動源にシューボックス90を後退させる信号を出力する。
3)シューボックス90が前進している間、シューボックス90が後退している間のいずれか又は両方の間、制御部80は、DDV型サーボ駆動装置D20に振動を生成するための信号を出力して、DDV型サーボ駆動装置D20が充填部A内の金属粉末Pを振動させて充填を効率的にする。
4)制御部80は、シューボックス90が後退する間、シューボックス90の後退位置に応じて下パンチ21を上昇させる信号をDDV型サーボ駆動装置D20に出力する。これにより、シューボックス90が後退している間、前述の図9で説明したような傾斜充填をさせて金属粉末Pの上面に傾斜面を形成し、その後下パンチ21を下降させて圧粉可能な状態とする。
(4)次に、充填部Aに充填された金属粉末Pを圧粉する(S4)。
1)制御部80は、下ラム駆動モータ62M及び上ラム駆動モータ73Mに駆動信号を出力して下ラム61を上昇させるとともに上ラム71を下降させ、充填部A内の金属粉末Pを圧粉して粉末成形品Wとする。
2)制御部80は、粉末成形品Wを成形した後、下ラム駆動モータ62M及び上ラム駆動モータ73Mに、上パンチ31及び下パンチ21が同期して上昇する信号を出力し、上パンチ31及び下パンチ21が粉末成形品Wを挟んで上昇しダイ11の上面に粉末成形品Wを抜き出す。
3)次いで、制御部80は、シューボックス90の駆動源に出力し、次の粉末成形品Wに対応する金属粉末Pを充填するためシューボックス90を前進させる。
シューボックス90が前進すると、ダイ11から抜き出された粉末成形品Wがダイプレート12の外に押し出されてレーザ形状測定器Lの測定位置まで移動する。
(5)レーザ形状測定器Lにより粉末成形品Wの形状測定をする(S5)。
1)レーザ形状測定器Lは、計測位置に移動した粉末成形品Wを移動させながら照射部からレーザ光Bを照射し、その反射光により予め設定した測定部位の厚さを算出する。
2)レーザ形状測定器Lで算出した粉末成形品Wの厚さに関する数値データ(例えば、計測開始端SPの厚さH1、計測終了端EPの厚さH2)が入力部81に送信されメモリ82に格納される。
(6)粉末成形品Wの形状、すなわち厚さがあらかじめ設定した許容範囲であるかどうかを判定する(S6)。
演算部83は、メモリ82から計測開始端SPの厚さH1、計測終了端EPの厚さH2を取出し、厚さの差異△Hを算出するとともに、これらが予め設定していた許容範囲であるかどうかを判定する。
粉末成形品Wの各部位の厚さが許容範囲内である場合は、S2に移行し、許容範囲でない場合はS7に移行する。
(7)各DDV型サーボ駆動装置D11、D12、D13、D14による圧縮量(ロッドの進退量)を調整する(S7)。
粉末成形品Wの各部位の厚さ等が許容範囲でない場合、演算部83は、許容範囲外となっている部位の厚さの側定データを、データベース85を参照して各DDV型サーボ駆動装置D11、D12、D13、D14のロッドの進退量を取得するとともに各DDV型サーボ駆動装置D11、D12、D13、D14に出力する。
各DDV型サーボ駆動装置D11、D12、D13、D14のロッドの進退量の調整が完了したら、S2に移行する。
上記(2)から(7)を、自動運転が終了するまで繰り返す。
その結果、密度分布の偏りが小さい粉末成形品を効率的に成形することができる。
例えば、上記実施の形態においては、粉末成形装置1が、上パンチ31用のDDV型サーボ駆動装置D10及び下パンチ21用のDDV型サーボ駆動装置D20を備える場合について説明したが、例えば、上パンチ用のDDV型サーボ駆動装置D10のみを備える構成としてもよい。
また、傾斜充填をすることなく金属粉末Pを充填してもよいことはいうまでもない。
また、金属粉末Pを充填する場合に、DDV型サーボ駆動装置D20を用いて金属粉末Pを振動させるかどうかは任意に設定可能な事項である。
B レーザ光
D10 DDV型サーボ駆動装置(上パンチ用)
D20 DDV型サーボ駆動装置(下パンチ用)
L レーザ形状測定器
P 金属粉末(材料粉末)
1 粉末成形装置
11 ダイ
21 下パンチ
31 上パンチ
71 上ラム
Claims (5)
- 材料粉末が充填される充填部が形成されたダイと、
前記ダイに対して相対移動可能に取り付けられ、前記ダイとともに充填部を画成する下パンチと、
前記ダイの上方に配置され、前記ダイに対して進退可能に支持された上パンチと、
前記上パンチを前記ダイに対して前進又は後退させる上ラムと、
制御部と、を備えた粉末成形装置であって、
前記上パンチは、複数のDDV型サーボ駆動装置を介して前記上ラムに接続されていることを特徴とする粉末成形装置。 - 請求項1に記載の粉末成形装置であって、
圧粉された粉末成形品の厚さの偏りを測定するための形状測定手段を備え、
前記制御部は、
前記形状測定手段により測定された粉末成形品の厚さの偏りに基づき、前記上パンチが前記粉末成形品の厚さの偏りを縮小するような上下方向位置に前記DDV型サーボ駆動装置を制御することを特徴とする粉末成形装置。 - 請求項2に記載の粉末成形装置であって、
前記圧粉された粉末成形品の厚さの偏りを測定するための形状測定手段を備え、
前記形状測定手段は、
前記粉末成形品に、レーザ光を照射し、その反射光によって前記粉末成形品の厚さを測定するレーザ形状測定器であることを特徴とする粉末成形装置。 - 材料粉末が充填される充填部が形成されたダイと、
前記ダイに対して相対移動可能に取り付けられ、前記ダイとともに充填部を画成する下パンチと、
前記ダイの上方に配置され、前記ダイに対して進退可能に支持された上パンチと、
前記上パンチを前記ダイに対して前進又は後退させる上ラムとを備えた粉末成形装置による粉末成形品の製造方法であって、
前記ダイに材料粉末を供給し、
DDV型サーボ駆動装置によって前記上パンチの上下方向位置を制御し、
前記上パンチおよび前記下パンチを、前記ダイのそれぞれの所定位置まで相対的に移動させて圧粉することを特徴とする粉末成形品の製造方法。 - 請求項4に記載の粉末成形品の製造方法であって、
圧粉された粉末成形品の厚さの偏りを形状測定手段によって測定し、
前記形状測定手段により測定された粉末成形品の厚さの偏りに基づき、前記上パンチが前記粉末成形品の厚さの偏りを縮小するような上下方向位置に前記DDV型サーボ駆動装置を制御して圧粉することを特徴とする粉末成形品の製造方法。
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