JP5640322B2 - 粉末成形装置 - Google Patents
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Description
例えば、図6(A)に示すように、材料粉末Pを供給するシューボックス120をダイ111の充填部A上まで前進して材料粉末Pを充填部Aに充填し、材料粉末Pが充填されたらシューボックス120を後退させる。このとき、例えば、シューボックス120の後退動作と対応させて下パンチ121を上昇させる。
そして、シューボックス120が後退し終わると、図6(C)に示すように、材料粉末Pの上面全体にわたって傾斜面が形成される。
その後、下パンチ121を一旦下降して材料粉末Pを充填部A内に収納してから上パンチ及び下パンチ121により材料粉末Pを圧粉するようになっており、かかるコンターフィリングを用いてシューボックス120の前進端側に多くの材料粉末Pを供給することで、材料粉末Pが供給されにくいシューボックス120の前進端側における密度を高くして粉末成形品の密度分布の偏りを改善する場合がある。
請求項1に記載された発明は、材料粉末が充填される充填部が形成されたダイと、前記ダイに対して相対移動可能に取り付けられ、前記ダイとともに充填部を画成する下パンチと、前記ダイの上方に配置され、前記ダイに対して進退可能に支持された上パンチと、前記充填部に材料粉末を供給するシューボックスと、制御部と、を備えた粉末成形装置であって、前記ダイと前記下パンチの少なくともいずれかは、DDV型サーボ駆動装置を介して下ラムに接続され、前記制御部は、前記シューボックスが前記充填部に材料粉末を供給するために前進している間に、前記DDV型サーボ駆動装置に粉末成形品の圧縮量及び密度と対応する振動数の振動生成信号を出力し、前記シューボックスが前記充填部の上まで前進したら前記シューボックスの駆動源に後退信号を出力するとともに前記DDV型サーボ駆動装置への振動生成信号の出力を停止し、前記シューボックスが後退する間に前記シューボックスの後退位置に応じて下パンチを上昇させる信号を前記DDV型サーボ駆動装置に出力して傾斜充填させることを特徴とする。
また、DDV型サーボ駆動装置により傾斜充填を行なうので、DDV型サーボ駆動装置が振動と傾斜充填の双方を行なうので、簡単な構成によって傾斜充填をすることができる。
図1は、この実施形態の粉末成形装置1を示す図であり、ダイセット(金型)10と、粉末成形プレス50とを備え、例えば、上パンチ及び下パンチはCNC制御可能とされている。
また、この実施形態において、粉末成形装置1は、金属粉末(材料粉末)Pを傾斜充填するとともに、固定されたダイに上パンチ及び下パンチが前進及び後退するダイ固定方式により成形するようになっている。
ダイ11は、ダイプレート12の中央部に配置され、ダイプレート12にはガイド孔18Hが形成されている。
また、下パンチ21は、DDV型サーボ駆動装置D20が位置制御機能によって進退することで押上プレート44に対して上下方向に相対移動可能とされており、下ラム61に対する下パンチ21の上下方向の相対的位置を調製することが可能とされている。
また、上パンチプレート34は、後述する粉末成形プレス50の上パンチ用のDDV型サーボ駆動装置D10と図示しないジョイントを介して接続されるようになっている。
また、プレス下側本体部60とプレス上側本体部70とは、連結部材52で連結されている。
その結果、下ラム駆動モータ62Mの下ラム駆動軸62Dが回転されると、下ラム駆動軸62Dの雄ネジ62Eと下ラム61の雌ネジ61Aが係合して、下ラム駆動モータ62Mの回転が上下方向の移動に変換され、下ラム61が上下方向に進退するようになっている。
以下、図2を参照して、DDV(Direct Drive Volume Control)サーボ駆動装置の一例であるDDV型サーボ駆動装置D1について説明する。
サーボモータM1は、油圧ポンプP1を駆動して加圧した作動油を油圧シリンダP2に送り、油圧シリンダP2のロッドを前進又は後退させてその進退量を調整するようになっている。
また、油圧シリンダP2のロッド側及びヘッド側は、圧力センサT1、T2が接続され、それぞれの作動油の圧力が検出可能とされている。
なお、上記以外の周知の他の形式のDDV型サーボ駆動装置が適用可能であることはいうまでもない。
また、メモリ82に格納された動作プログラムデータに基づいて、DDV型サーボ駆動装置D20の傾斜充填に関する信号をDDV型サーボ駆動装置D20に出力するようになっている。
また、演算部83は、キーボード等から入力された、金属粉末Pの圧縮量と粉末成形品Wの密度(目標密度)をデータベース85に参照して、その圧縮量において粉末成形品Wの密度を所定の密度範囲とするための振動生成信号をDDV型サーボ駆動装置D20に出力するようになっている。なお、この振動生成信号は、DDV型サーボ駆動装置D20に対する位置制御又は圧力制御信号からなり、例えば、DDV型サーボ駆動装置D20のモータ(図2におけるM1)を正逆回転させる信号から構成される。なお、モータの正逆回転以外の信号により振動生成信号を構成してもよい。
データベース85は、金属粉末Pを充填部Aに供給する際のDDV型サーボ駆動装置D20の振動数(f)を、金属粉末Pの圧縮量と粉末成形品Wの密度に基づいて算出可能とされており、例えば、図4に示すような相関に基づいて構成されている。図4において、横軸はDDV型サーボ駆動装置D20の振動数(f)を、縦軸は粉末成形品Wの密度を、パラメータ△L1〜△L4は金属粉末Pの圧縮量を表している。
1)まず、DDV型サーボ駆動装置D10のロッドの進退量(金属粉末Pの圧縮量と対応)を設定する(手順1)。
2)DDV型サーボ駆動装置D20の振動数を設定して金属粉末Pを充填部Aに充填する(手順2)。
シューボックス90を前進させて、例えば、シューボックス90が充填部Aの上(前進端)に到達し、シューボックス90が後退し始めるまでの間、DDV型サーボ駆動装置D20に振動数と対応する振動生成信号を出力してDDV型サーボ駆動装置D20を振動させることで下パンチ21に振動を与える。
なお、DDV型サーボ駆動装置D20を振動させるタイミングは、量産時に振動させるタイミングと合わせることが好適である。
3)充填した材料粉末を圧粉して粉末成形品Wを成形する(手順3)。
4)粉末成形品Wの密度分布測定(手順4)。
粉末成形品Wの密度分布測定は、粉末成形品Wから測定対象の部位を切り出し、この測定部位を、例えば、水等の液体中に没して測定部位が排除した液体の容積と、液体内、液体外における測定部位の重量差、液体の密度とから算出する、いわゆるアルキメデス法を用いる。
5)DDV型サーボ駆動装置D20の振動数と、DDV型サーボ駆動装置D10のロッドの進退量と、粉末成形品Wの密度の相関を求める(手順5)。
手順1におけるDDV型サーボ駆動装置D10の進退量を一定にして、手順2におけるDDV型サーボ駆動装置D20の振動数を変えながら、手順2から手順5を繰り返す。その結果、金属粉末Pの圧縮量が一定の場合の、金属粉末Pを充填する際のDDV型サーボ駆動装置D20の振動数(f)と、粉末成形品Wの密度の相関が得られる。
そして、手順1における金属粉末Pの圧縮量(DDV型サーボ駆動装置D10の進退量)を変化させながら、手順2から手順5を繰り返すことで、図4に示すような金属粉末Pの圧縮量をパラメータとするDDV型サーボ駆動装置D20の振動数と粉末成形品Wの密度の相関を示す図が得られる。
まず、粉末成形装置1を起動しての自動運転を開始する。
粉末成形装置1の自動運転を開始する場合、下パンチ21は下死点に、上パンチ31は上死点に、シューボックス90は後退端に位置している。
1)まず、手動によって、入力部81のキーボードから生産対象の粉末成形品Wの圧縮量及び目標密度を入力する。
2)演算部83は、入力された粉末成形品Wの圧縮量と目標密度を、データベース85を参照してDDV型サーボ駆動装置D20の振動数を取得し、この振動数を生成するための振動生成信号の、例えば、周波数等をメモリ82に設定する。
3)次に、制御部80は、シューボックス90の駆動源に出力してシューボックス90を前進させる。
4)制御部80は、例えば、シューボックス90が前進している間、DDV型サーボ駆動装置D20にメモリ82に格納された周波数の振動生成信号を出力してDDV型サーボ駆動装置D20を振動させる。
その結果、DDV型サーボ駆動装置D20は下パンチ21を介して充填部Aに充填中の金属粉末Pを振動させる。
5)制御部80は、シューボックス90が充填部Aの上まで前進したら、シューボックス90の駆動源に後退信号を出力するとともに、DDV型サーボ駆動装置D20への振動生成信号の出力を停止する。
6)制御部80は、シューボックス90が後退する間、シューボックス90の後退位置に応じて下パンチ21を上昇させる信号をDDV型サーボ駆動装置D20に出力する。これにより、シューボックス90が後退している間、前述の図6で説明したような傾斜充填をさせて金属粉末Pの上面に傾斜面を形成し、その後下パンチ21を下降させて圧粉可能な状態とする。
7)次に、制御部80は、下ラム61を上昇させるとともに上ラム71を下降させ、充填部A内の金属粉末Pを圧粉して粉末成形品Wとする。
8)次いで、制御部80は、粉末成形品Wを成形した後、上パンチ31及び下パンチ21を同期して上昇させ、粉末成形品Wを上パンチ31及び下パンチ21により挟んだ状態でダイ11の上面に抜き出す。
自動運転が継続されている間、上記2)から8)を繰り返す。
このとき、ダイ11の上面に抜き出された粉末成形品Wは、シューボックス90の次の前進により、ダイ11の外に押し出されてレーザ形状測定器Lの測定位置まで移動し、レーザ形状測定器Lにより粉末成形品Wの形状(厚さ)測定された後、測定データが制御部80に送信される。
また、演算部83が、レーザ形状測定器Lからの測定データを、図示しないデータベースに参照してDDV型サーボ駆動装置D10のロッドの進退量を算出してDDV型サーボ駆動装置D10に出力して、金属粉末Pの圧縮量を調整する。
その結果、密度分布の偏りが小さい粉末成形品を効率的に成形することができる。
また、成形した粉末成形品Wの厚さをレーザ形状測定器Lで測定してDDV型サーボ駆動装置D10の位置制御にフィードバックして上パンチ31の上下方向位置等を調整して次の粉末成形品Wを成形するので、粉末成形品Wの厚さの偏りを容易かつ効率的に調整することができる。
例えば、上記実施の形態においては、DDV型サーボ駆動装置D20を下パンチ21に接続する場合について説明したが、下パンチ21とともに、又は下パンチ21に代えてDDV型サーボ駆動装置D20をダイ11と接続して振動させる構成としてもよい。
また、傾斜充填をすることなく金属粉末Pを充填してもよいことはいうまでもない。
D10 DDV型サーボ駆動装置(上パンチ用)
D20 DDV型サーボ駆動装置(下パンチ用)
P 金属粉末(材料粉末)
1 粉末成形装置
11 ダイ
21 下パンチ
31 上パンチ
61 下ラム
Claims (1)
- 材料粉末が充填される充填部が形成されたダイと、
前記ダイに対して相対移動可能に取り付けられ、前記ダイとともに充填部を画成する下パンチと、
前記ダイの上方に配置され、前記ダイに対して進退可能に支持された上パンチと、
前記充填部に材料粉末を供給するシューボックスと、
制御部と、を備えた粉末成形装置であって、
前記ダイと前記下パンチの少なくともいずれかは、DDV型サーボ駆動装置を介して下ラムに接続され、
前記制御部は、
前記シューボックスが前記充填部に材料粉末を供給するために前進している間に前記DDV型サーボ駆動装置に粉末成形品の圧縮量及び密度と対応する振動数の振動生成信号を出力し、前記シューボックスが前記充填部の上まで前進したら前記シューボックスの駆動源に後退信号を出力するとともに前記DDV型サーボ駆動装置への振動生成信号の出力を停止し、前記シューボックスが後退する間に前記シューボックスの後退位置に応じて下パンチを上昇させる信号を前記DDV型サーボ駆動装置に出力して傾斜充填させることを特徴とする粉末成形装置。
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