JP2010233848A - 角質層剥離用粘着体 - Google Patents

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Abstract

【課題】
人工透析患者の掻痒部に貼付し、これを所定時間経過後に剥離することにより、安全かつ簡便に、前記掻痒部の皮膚表面状態を整え、掻痒感を消失又は軽減する角質層剥離用粘着体を提供する。
【解決手段】
支持体、並びに、該支持体上に、架橋性ポリマーおよび架橋剤を含有する粘着剤層形成用組成物から形成される粘着剤層を有する角質層剥離用粘着体であって、前記粘着剤層側を、人工透析患者の掻痒部に貼付・剥離することによって、前記患部の角質層を剥離するものであることを特徴とする角質層剥離用粘着体。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、人工透析患者の掻痒部に貼付し、これを所定時間経過後に剥離することにより、安全かつ簡便に、前記掻痒部の皮膚表面状態を整え、掻痒感を消失又は軽減する角質層剥離用粘着体に関する。
人工透析患者の皮膚が乾皮症状態を呈し、角質層の剥離や痒みによる掻破痕が見られることは経験的に周知の事実である。人工透析患者が抱える問題の中で、この皮膚の痒みは、生命に関わらないが故に研究的には軽視されがちであるが、QOL(Quality of Life)をかなり低下させる切実な症状である。痒みの原因や機序については、尿毒症との因果関係やミネラル、特にカルシウム代謝等、様々な要因が推察されているものの、皮膚科学的にも神経学的にも未だ解明されていない。
一方、本発明に関連して、本出願人は、テープストリッピング法に好適に用いられる角質剥離用粘着シートを提案している(特許文献1)。
特開2007−289672号公報
本発明者らは、上記角質剥離用粘着シートの用途を種々検討する過程で、人工透析患者の掻痒感の低減方法に着目した。
人工透析患者が乾燥肌に至る機序は不明であるが、少なくとも保湿機能の低下と表皮角質層のターンオーバーの乱れが起因すると考えられる。
皮膚の乾燥に伴う痒みを訴える人工透析患者は、掻痒部を過度に引っ掻いて角質層の状態を乱し、症状をさらに悪化させる場合がある。そのような状態で保湿剤や治療薬を塗布しても、雑菌が繁殖し、痒みも治まらず、症状が改善するどころかかえって長期化するおそれがある。
そこで、人工透析患者の掻痒部を治療する際においては、保湿剤や治療薬を塗布する前に、掻痒部の角質層を除去し、皮膚表面の状態を整えること、すなわち、角質層の代謝周期を正常化し、肌荒れ等、表皮の異常を改善することが有効ではないかと考えた。
本発明は、人工透析患者の掻痒部に貼付・剥離することにより、前記掻痒部の角質層を安全かつ簡便に剥離除去し、皮膚表面の状態を整え、掻痒感を消失又は低減する角質層剥離用粘着体を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、支持体、並びに、該支持体上に、架橋性ポリマーおよび架橋剤を含有する粘着剤層形成用組成物から形成される粘着剤層を有する角質層剥離用粘着体は、安全かつ簡便に、人工透析患者の掻痒部の皮膚表面状態を整え、掻痒感を消失又は軽減することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記(1)〜(6)の角質層剥離用粘着体が提供される。
(1)支持体、並びに、該支持体上に、架橋性ポリマーおよび架橋剤を含有する粘着剤層形成用組成物から形成される粘着剤層を有する角質層剥離用粘着体であって、前記粘着剤層側を、人工透析患者の掻痒部に貼付・剥離することによって、前記患部の角質層を剥離するものであることを特徴とする角質層剥離用粘着体。
(2)保湿剤または治療薬を塗布する前の、人工透析患者の掻痒部に、貼付・剥離するものである(1)に記載の角質層剥離用粘着体。
(3)前記架橋性ポリマーが、アクリル系ポリマーである(1)または(2)に記載の角質層剥離用粘着体。
(4)前記粘着剤層形成用組成物が、数平均分子量(Mn)が4000未満の液状成分を含有するものである(1)〜(3)のいずれかに記載の角質層剥離用粘着体。
(5)前記粘着剤層形成用組成物が、さらにオリゴマーを含有するものである(1)〜(4)のいずれかに記載の角質層剥離用粘着体。
(6)前記粘着剤層が、JIS−Z0237に準拠して、引き剥がし速度0.1mm/秒で測定されたプローブタック値P1と、引き剥がし速度10mm/秒で測定されたプローブタック値P2との比P2/P1が、1.8以上のものである(1)〜(5)のいずれかに記載の角質層剥離用粘着体。
本発明の角質層剥離用粘着体は、安全かつ簡便に、人工透析患者の掻痒部の皮膚表面状態を整え、掻痒感を消失又は軽減し、患者のQOL向上を図ることができる。
本発明の角質剥離用粘着体を用いると、角質層を均一に剥離でき、剥離時に痛みを伴わない。
痒みスコア(VAS)の経時的推移を示したグラフである。 落屑、掻破痕の医師による目視評価の推移を示したグラフである。 角質層剥離用粘着体(シート)Aによる角質層剥離(施術)を行う前、直後、3日後、10日後の患者A−8、患者C−3の患部の写真である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の角質層剥離用粘着体は、支持体、並びに、該支持体上に、架橋性ポリマーおよび架橋剤を含有する粘着剤層形成用組成物から形成される粘着剤層を有する角質層剥離用粘着体であって、前記粘着剤層側を、人工透析患者の掻痒部に貼付・剥離することによって、前記患部の角質層を剥離するものであることを特徴とする。
本発明の角質層剥離用粘着体に用いる支持体としては、粘着剤層を担持して角質層剥離用粘着体を形成できるものであれば、特に制約はない。
用いる支持体の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等のポリオレフィン系フィルム、ポリウレタン系フィルム、ポリスチレン系の熱可塑性エラストマーフィルム等の樹脂フィルム;各種の合成繊維及び/または天然繊維からなる織布、編布、不織布;上質紙、グラシン紙、コート紙等の紙;これらの積層体;等が挙げられる。
支持体の厚さは、特に制限されないが、支持体が樹脂フィルムの場合には、通常5〜250μm、好ましくは25〜200μmであり、支持体が織布、不織布、紙等からなる場合には、通常10〜1000μm、好ましくは20〜500μmである。
支持体の粘着剤層が形成される側の面に、粘着剤層との密着性を高めるために、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。また、得られる角質層剥離用粘着体を、運搬・保管に適した巻取体にする場合等においては、支持体の粘着剤層が形成されない側の表面を、シリコーン系剥離剤や長鎖アルキル化合物等によって剥離処理してもよい。
本発明の角質層剥離用粘着体の粘着剤層は、架橋性ポリマー及び架橋剤を含有する粘着剤層形成用組成物から形成されてなる。
架橋性ポリマーは、架橋可能な官能基を少なくとも一つ有するポリマーである。架橋性ポリマーとしては、架橋性(メタ)アクリル系ポリマー、架橋性エポキシ系ポリマー、架橋性ウレタン系ポリマー等が挙げられる。架橋性ウレタン系ポリマーには、架橋性メラミンポリウレタンが含まれる。
これらの中でも、より効果的に角質層を剥離可能な角質層剥離用粘着体が得られることから、架橋性(メタ)アクリル系ポリマーが好ましい。ここで、「(メタ)アクリル」とは、「メタクリル」または「アクリル」であることを示す(以下にて同じ)。
架橋性(メタ)アクリル系ポリマーとしては、
(i)架橋可能な官能基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)の単独重合体;
(ii)架橋可能な官能基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)の2種以上からなる共重合体;
(iii)架橋可能な官能基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)と、架橋可能な官能基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)と共重合可能な架橋可能な官能基を有さないその他のモノマー(b1)との共重合体;
(iv)架橋可能な官能基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)と、架橋可能な官能基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)と共重合可能で架橋可能な官能基を有するその他のモノマー(b2)との共重合体;
(v)架橋可能な官能基を有さないアクリル系モノマー(a2)と、架橋可能な官能基を有さないアクリル系モノマー(a2)と共重合可能で架橋可能な官能基を有するその他のモノマー(b2)との共重合体;等が挙げられる。
架橋可能な官能基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a1)としては、
アクリル酸;メタクリル酸;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
架橋可能な官能基を有さないアクリル系モノマー(a2)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の、炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、4−メチルフェニル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート等のアリール(メタ)アクリレート系モノマー;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
架橋可能な官能基を有さないその他のモノマー(b1)としては、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン等のα−オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレン
等のスチレン類;ブタジエン、イソプレン等のジエン類;等が挙げられる。
これらの他のモノマーは一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
架橋可能な官能基を有するその他のモノマー(b2)としては、イタコン酸、クロトン
酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、脂環
エポキシ基含有モノマー、ビニルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;2−
(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート等のイソシアネート基含有モノマー;等が挙げられる。これらは一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、これらの中でも、より角質層の剥離性能に優れる角質層剥離用粘着体が得られることから、(v)架橋可能な官能基を有さないアクリル系モノマー(a2)と、架橋可能な官能基を有さないアクリル系モノマー(a2)と共重合可能な架橋可能な官能基を有するその他のモノマー(b2)との共重合体が好ましく、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な架橋可能な官能基を有する他のモノマー(b2)との共重合体がより好ましく、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと架橋可能な官能基を有するビニルモノマーとの共重合体であるのが特に好ましい。また、前記架橋可能な官能基がカルボキシル基であることが特に好ましい。
架橋性(メタ)アクリル系ポリマーを合成する際の、架橋可能な官能基を有するビニルモノマーの配合量は、全使用モノマーの2〜35モル%であるのが好ましい。架橋可能な官能基を有するビニルモノマーの配合量が2モル%未満では、架橋が不十分になり、35モル%を超えると、十分な角質剥離効果が得られない場合がある。
架橋性ポリマーの数平均分子量(Mn)は、通常、300,000〜1,500,000、好ましくは350,000〜1,200,000、より好ましくは400,000〜1,000,000である。
架橋性ポリマーの数平均分子量(Mn)が300,000未満では、得られる粘着剤の凝集力が不十分となり、糊残りが生じる場合がある。一方、数平均分子量(Mn)が1,500,000を超えると、高粘度となるため他の成分との均一な混合が困難となり、安定した物性の粘着剤が得られなくなるおそれがある。
ここで数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC分析)法によって測定し、標準ポリスチレンで換算した値である(以下にて同じ)。
用いる架橋剤としては、架橋性ポリマーに導入される官能基に対する反応性を有していればよく、例えば、エポキシ系架橋剤、金属塩系架橋剤、尿素系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、金属キレート系架橋剤、メラミン系架橋剤、アジリジン系架橋剤等、通常の粘着剤に使用される架橋剤が挙げられる。
これらの架橋剤は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、汎用性、物性の安定性の観点から、イソシアネート系架橋剤が好ましい。その具体例としては、トリレンジイソシアネート−3官能アルコール付加物、イソフォロンジイソシアネート−3官能アルコール付加物、ヘキサメチレンジイソシアネート−3官能アルコール付加物、トリレンジイソシアネート3量体、イソフォロンジイソシアネート3量体、ヘキサメチレンジイソシアネート3量体、ビュレット型ヘキサメチレンジイソシアネート3量体等が挙げられる。
架橋剤の配合量は、架橋性ポリマー100質量部に対して、通常0.005〜20質量部、好ましくは0.01〜15質量部、より好ましくは0.1〜5質量部である。架橋剤の配合量が0.005質量部未満では、十分に架橋させることができず、架橋剤の配合量が20質量部を超えると、架橋密度が過度に高くなり、粘着剤層の皮膚に対する濡れ性が著しく低下し、皮膚密着性、ひいては剥離力が低くなる場合がある。
前記粘着剤層形成用組成物は、前記架橋性ポリマー、架橋剤の他に、液状成分を含有するのが好ましい。
液状成分は、角質層に浸透し、角質層を膨潤、軟化させるものである。これによって、皮膚から角質層を剥離する時の痛みを軽減することができる。
液状成分の数平均分子量(Mn)は、特に限定されないが、角質層への浸透性を確保する上では、4,000未満であるのが好ましく、90〜3,000であるのがより好ましい。なお、低分子化合物の数平均分子量(Mn)は、分子の相対質量から求められる。
また、液状成分のpHは6〜8であるのが好ましい。pHがこの範囲を外れると、皮膚を腐食するおそれが生じ、皮膚に対する安全性が低下する。
液状成分は、常温常圧下で揮発しないものであることが好ましい。具体的には、20℃における蒸気圧が、通常1000Pa未満、好ましくは100Pa未満、より好ましくは10Pa未満である。液状成分が揮発性のものであると、角質層剥離用粘着体の保管時等に、粘着剤層から液状成分が揮発しないように、角質層剥離用粘着体を密封する等の対処が必要になる。
液状成分の具体例としては、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコール;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸;オリーブ油、ツバキ油、ひまし油、ベニバナ油、コーン油等の脂肪油;カプリン酸メチル、カプロン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、ステアリン酸メチル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸、イソプロピル、パルミチン酸イソオクチル、ステアリン酸イソオクチル、セバシン酸ジエチル等の脂肪酸エステル;流動パラフィン、スクワレン、スクワラン等の炭化水素油;液状界面活性剤等が挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、保湿性、安全性により優れることから、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコールが好ましい。
液状成分を用いる場合の液状成分の配合量は、特に限定されないが、粘着剤層形成用組成物全体に対して、2.5〜40質量%であるのが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。液状成分の配合量が2.5質量%未満であると、液状成分を用いる効果が低く、角質層の剥離時に痛みが発生するおそれがある。一方、液状成分の配合量が40質量%を超えると、粘着剤の凝集力が低下して、糊残りが生じるおそれがある。
前記粘着剤層形成用組成物は、さらにオリゴマーを含有するのが好ましい。
オリゴマーを含有させることにより、得られる粘着剤層の皮膚に対する濡れ性を向上させて皮膚密着性を高めることができる。このような角質層剥離用粘着体は、好適な角質層剥離力を有する。
また、架橋性ポリマーとの相溶性の高いオリゴマーを用いることにより、粘着剤層形成用組成物に、後述する他の成分を添加した場合、これらの成分を組成物中に分散させ易くして、均一な角質層剥離用粘着体を製造することができる。
オリゴマーとしては、特に限定されず、(メタ)アクリル系オリゴマー、エポキシ系オリゴマー、ウレタン系オリゴマー等の、従来公知のオリゴマーが挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル系モノマー由来の繰り返し単位を有する(メタ)アクリル系オリゴマーが好ましく、ラクタム環を有する(メタ)アクリル系オリゴマーがより好ましい。
ラクタム環を有する(メタ)アクリル系オリゴマーとしては、ラクタム環を有するビニルモノマーと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体であることが好ましい。
ラクタム環を有するビニルモノマーとしては、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム等が挙げられる。なかでも、皮膚親和性が高いことから、N−ビニル−2−ピロリドンが好ましい。
オリゴマーを合成する際の、ラクタム環を有するビニルモノマーの使用量は、全使用モノマーに対して5〜45モル%であるのが好ましく、10〜40モル%であるのがより好ましい。ラクタム環を有するビニルモノマーの使用量が5モル%未満では、得られる粘着剤層の皮膚に対する濡れ性が不十分で皮膚密着性、ひいては角質層剥離力が低くなるおそれがあり、45モル%を超えると、得られる粘着剤がゲル化してしまい、角質層剥離用粘着体の製造または取り扱いが困難になるおそれがある。
ラクタム環を有する(メタ)アクリル系オリゴマーの製造に用いる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が2〜14のものが好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル等が挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
用いるオリゴマーの数平均分子量(Mn)は、通常、4,000〜10,000、好ましくは5,000〜9,000である。数平均分子量(Mn)が4,000未満では、得られる組成物が過度に可塑化されて、角質剥離性能が低下するおそれがある。一方、数平均分子量(Mn)が10,000を超えると、オリゴマーの粘度が過度に上昇して、架橋性ポリマーと均一に混合することが困難になったり、形成される粘着剤層の皮膚に対する濡れ性が低下して、皮膚密着性、ひいては剥離力が低下するおそれがある。
オリゴマーの配合量は、用いる架橋性ポリマーにもよるが、通常、架橋性ポリマー100質量部に対して、50〜700質量部、好ましくは80〜500質量部である。オリゴマーの配合量が50質量部未満であると、得られる粘着剤層の皮膚に対する濡れ性が著しく低下して、必要な粘着力が得られないおそれがあり、配合量が700質量部を超えると、粘着剤の凝集力が過度に低下して、皮膚に糊残りが生じたり、必要な粘着力が得られないおそれがある。
粘着剤層形成用組成物は、非架橋性ポリマーをさらに含有していてもよい。
非架橋性ポリマーは、架橋可能な官能基を有しないポリマーである。架橋可能な官能基を有しないポリマーとしては、架橋可能な官能基を有しない(メタ)アクリル系ポリマー、架橋可能な官能基を有しないエポキシ系ポリマー、架橋可能な官能基を有しないウレタン系ポリマー等が挙げられる。これらの中でも、架橋可能な官能基を有しない(メタ)アクリル系ポリマーが好ましい。
非架橋性(メタ)アクリル系ポリマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体、またはビニルモノマーと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体が好ましく、ビニルモノマーと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体がより好ましく、ラクタム環を有するビニルモノマーと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体がさらに好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、架橋性ポリマーの合成に用いるモノマーとして例示した(メタ)アクリル酸アルキルエステルと同様のものが挙げられる。ラクタム環を有するビニルモノマーとしては、オリゴマーの製造に用いるモノマーとして例示したラクタム環を有するビニルモノマーと同様のものが挙げられる。
非架橋性ポリマーの数平均分子量(Mn)は、特に限定されないが、通常、300,000〜1,500,000、好ましくは350,000〜1,200,000、より好ましくは400,000〜1,000,000である。
非架橋性ポリマーの数平均分子量(Mn)が300,000未満では、得られる粘着剤の凝集力が不十分となり、糊残りが生じる場合がある。一方、数平均分子量(Mn)が1,500,000を超えると、高粘度となるため他の成分との均一な混合が困難となり、安定した物性の粘着剤が得られなくなるおそれがある。
非架橋性ポリマーを用いる場合、その配合量は、前記架橋性ポリマー100質量部に対して、50〜400質量部であるのが好ましく、100〜300質量部であるのがより好ましい。
粘着剤層形成用組成物は、さらに、本発明の効果を逸脱しない範囲で、その他の成分を含有していてもよい。
その他の成分としては、薬剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、隠蔽剤、可塑剤、ワックス、着色剤、無機フィラー、有機フィラー、増量剤、カップリング剤等の各種添加剤が挙げられる。
粘着剤層形成用組成物は、上記した架橋性ポリマー、架橋剤、並びに、所望により、液状成分、オリゴマー、非架橋性ポリマー、その他の成分及び有機溶媒を、常法に従って適宜混合して調製することができる。
ここで用いる有機溶媒としては、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶媒;及びこれらの溶媒の2種以上からなる混合溶媒;等が挙げられる。
有機溶媒の使用量は、特に限定されないが、粘着剤層形成用組成物全体に対して、通常5〜80質量%、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは20〜60質量%である。
粘着剤層は、以上のようにして得られる粘着剤層形成用組成物から形成される。例えば、粘着剤層形成用組成物を、必要に応じて、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン等の有機溶剤に溶解し、常法により支持体に塗布した後、乾燥させることにより、支持体上に均一に粘着剤層を形成することができる。
粘着剤層形成用組成物の塗布は、既存の塗工装置を用いて行うことができる。塗工装置としては、グラビアコーター、マイヤーバーコーター、コンマコーター、ロールコーター、ナイフコーター、ダイコーター、スクリーンコーター等が挙げられる。
得られる粘着剤層の厚みは、効果的に角質層を剥離する観点から、5〜300μmであるのが好ましく、10〜200μmであるのがより好ましい。
本発明の角質層剥離用粘着体には、上記のようにして形成された粘着剤層上に、剥離材層が設けられていてもよい。剥離材層が設けられた角質層剥離用粘着体によれば、保管・運搬中、角質剥離を行う直前まで、剥離材層により粘着剤層を有効に保護することができる。
剥離材層の材料としては、上質紙、グラシン紙、コート紙、ポリエチレンラミネート紙、ポリプロピレンラミネート紙等の紙類;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系フィルム等の合成樹脂フィルム;等のシート材料を使用することができる。
また、上記剥離材層の材料である紙類、樹脂フィルムは、所望により、剥離材の片面または両面に、シリコーン樹脂等により剥離処理が施されたものであってもよい。
上記剥離材層付き角質層剥離用粘着体を製造する方法としては、i)前記のように支持体上に粘着剤層形成用組成物を塗布、乾燥して粘着剤層を形成し、形成された粘着剤層上に剥離材層をラミネートする方法、ii)剥離材層上に、i)と同様にして、粘着剤層形成用組成物を塗布、乾燥して粘着剤層を形成し、形成された粘着剤層上に支持体をラミネートする方法等が挙げられる。
本発明の角質層剥離用粘着体は、その粘着剤層が、JIS−Z0237(1991)に準拠して、引き剥がし速度0.1mm/秒で測定されたプローブタック値P1と、引き剥がし速度10mm/秒で測定されたプローブタック値P2との比P2/P1は、1.8以上のものであるのが好ましい。
粘着剤層のP2/P1の値を1.8以上のものとすることにより、角質層をムラなく剥離可能な角質層剥離用粘着体を得ることができる。
粘着体のプローブタック値は、垂直に引き剥がすのに要する力の大きさを示すものである。本発明の角質層剥離用粘着体においては、引き剥がし速度が遅い場合のプローブタック値P1に対し、引き剥がし速度が速い場合のプローブタック値P2を、1.8以上と大きくすることにより、皮膚に対して高い初期接着力を有すると同時に、短時間の貼付で、効果的に角質層を除去することができる。
角質層剥離用粘着体の前記P2/P1の値を1.8以上とするには、粘着剤層形成用組成物に用いる架橋性ポリマーや架橋剤等の、種類、分子量、Tg、配合量等を、半経験的に適宜定めればよい。例えば、粘着剤層形成用組成物にオリゴマーを用いる場合には、ビニルピロリドン等の親水性モノマーの使用量を増やすことにより、前記P2/P1の値を容易に1.8以上とすることができる。但し、増やし過ぎると、用いる架橋性ポリマーと混ざりにくくなる場合がある。
角質層剥離用粘着体の大きさ(面積)、形は特に限定されず、貼付場所、皮膚状態等に合わせて適宜決定すればよい。また、長尺の角質層剥離用粘着体を製造し、このものを適宜切断して用いてもよい。
使用する際の角質層剥離用粘着体の大きさ(面積)は、使い易さの観点から、通常1cm〜100cmである。
角質層剥離用粘着体の形としては、円状、楕円状、矩形等が挙げられる。
本発明の角質層剥離用粘着体は、人工透析患者の掻痒部に貼付・剥離して用いるものである。
本発明の角質層剥離用粘着体は、人工透析患者の掻痒部に貼付し、所定時間経過後に剥がす(貼付・剥離する)ことにより、皮膚を傷めることなく、痛みを伴うこともなく、安全かつ簡便に、貼付部分のみの角質層を剥離し、皮膚表面の状態を整え、掻痒感を消失又は低減することができる。ここで、「整える」とは、最表面の、剥離しかけた角質層を剥離除去することで、角質層を一様に滑らかな状態にすることをいう。
掻痒部の角質層を剥離除去すると、角質層の裏に潜む雑菌、その排泄物等も一緒に除去することができる。また、角質層を剥離除去すると、皮膚代謝、皮膚バリアの再生が活発化するため、皮膚表面状態の改善も期待できる。その結果、掻痒感を消失、又は低減することができる。
角質層剥離用粘着体を貼付した後剥離するまでの手順を、以下に詳細に説明する。
まず、角質剥離用粘着体の粘着剤層を、人工透析患者の掻痒部に貼り付ける。
人工透析患者の掻痒部は炎症を伴わず、スコープ等で拡大して、皮膚が荒れているのがわかる程度であって肉眼では見つけにくい場合もある。また、掻痒部の部位は特に限定されず、患者によって異なる。よって、掻痒部は、実際に患者が痒みを訴えたり、掻く部位で特定する。
貼り付けた角質剥離用粘着体を圧着保持する時間は、通常5〜10秒である。その後、角質剥離用粘着体を剥離するまでの時間は、掻痒部の状態、貼付部位、粘着体の種類等にもよるが、通常数秒から数十分、好ましくは1〜30分である。所定時間圧着保持後に、適度に時間をおいて角質剥離用粘着体を剥離することにより、十分に粘着剤を皮膚表面に密着させることができ、効率的でムラのない角質剥離を実施することができる。
角質層剥離用粘着体を貼付・剥離する操作は、一回のみでも、複数回繰り返してもよい。複数回繰り返す際には、その都度新しい角質層剥離用粘着体を用いるのが好ましい。
本発明の角質層剥離用粘着体は、保湿剤または治療薬を塗布する前に掻痒部に貼付して用いるのが好ましい。すなわち、本発明の角質層剥離用粘着体を用いて角質層を剥離除去し、皮膚表面(掻痒部)を整えた後に、保湿剤または治療薬を塗布することで、前記治療薬等が速やかに患部に行き渡り、保湿剤または治療薬を単独で用いた場合に比べて、より早く優れた治療効果を得ることができる。
以下、本発明を、実施例及び比較例によりさらに詳細に説明する。本発明は、これらの実施例によって何ら制限されない。
(実施例1)
下記に示す架橋性ポリマー、架橋剤、液状成分、オリゴマー、非架橋性ポリマーを混合し、粘着剤層形成用組成物Aを調製した。
〈架橋性ポリマー〉アクリル酸2−エチルヘキシル(以下、「2EHA」という。)とアクリル酸(以下、「AA」という。)との共重合体(2EHA:AA=82:18(モル比)、Mn=850,000、固形分:35質量%、溶媒:酢酸エチル)64.3質量部
〈架橋剤〉イソシアネート系架橋剤(商品名:コロネートHL、固形分:75質量%、日本ポリウレタン工業社製)0.45質量部
〈液状成分〉日本薬局方濃グリセリン(鹿島ケミカル社製、分子量=92.09)45.0質量部
〈オリゴマー〉2EHAとN−ビニル−2−ピロリドン(以下、「NVP」という。)との共重合体(2EHA:NVP=88:12(モル比)、Mn=6,000、固形分:90質量%、溶媒:酢酸エチル)75.0質量部
〈非架橋性ポリマー〉2EHAとNVPとの共重合体(2EHA:NVP=88:12(モル比)、Mn=850,000、固形分:45質量%、溶媒:酢酸エチル)100.0質量部
この粘着剤層形成用組成物Aを、剥離材(SP−PET751031、リンテック社製)上に、乾燥後(100℃、3分)の塗布量が35g/mになるように塗布し、粘着剤層を形成した。
さらに、形成された粘着剤層上に、支持体として厚さ100μmのポリエチレンフィルムをラミネートし、剥離フィルム付き角質層剥離用粘着体(シート)Aを作製した。
実施例1で得られた角質層剥離用粘着体A(以下、「シートA」という。)を用いて、次に示す試験1を行った。
(試験1)
掻痒感を訴える人工透析患者36〜85歳の男女17名に、次のような施術を行った。なお、患者に対しては、十分に説明を行い、参加の同意を得た。
・シートAを貼付予定の掻痒部の汗や皮脂等を拭き取った後、表面が濡れているようであれば乾いたタオルで押さえる。
・シートAの剥離材を剥離し、掻痒部に貼り、上から圧迫するように皮膚に均一に付着させる。
・10分放置後、シートAを剥離し、被験部位を下記の観察項目につき観察する。
・問題がなければ保湿剤(水、ミネラルオイル、トリエチルヘキサノン、ブチレングリコール、ワセリンを配合)を塗布する。保湿剤は1日に数回、一定時間ごとに塗布する。
・3日後に症状を観察する。3日後以降は保湿剤の塗布を中止し、試験開始前に行っていた処置(ステロイド、抗ヒスタミン外用剤を塗布)を行う。
・10日〜14日後に症状を、下記の観察項目につき観察する。
〈観察項目〉
(a)痒み
患者自身が痒みスコア〔VAS(Visual analog scale)〕で評価し、それに基づいて0〜100で点数化した。
(b)皮膚症状
紅斑、丘疹、苔癬化、落屑、掻破痕の症状を医師が目視判定した。目視判定(評価)は、症状がない場合を0、軽度の場合を1、中等度の場合を2、重度の場合を3とした。
また、皮膚症状の全般的な改善度を医師の目視によるVASで評価し、著明(80%以上の改善度)、中等度(60〜79%の改善度)、軽度(40〜59%の改善度)、不変(−10〜39%の改善度)、悪化(〜−11%の改善度)に区分した。
(c)皮膚画像撮影
マイクロスコープ(DermaShot−Scope I、ファインオプト社製)を使用し、側射光モードで視野6.9×9mmの画像を撮影した。
(d)安全性
途中に被験者が異常を訴えた場合や、被験部位に副作用が認められる場合には、発現時期、症状、程度(軽度、中等度、重度)、処置、経過を具体的にケースカードに記載し施術との因果関係について評価することとした。
〈試験結果〉
(a)痒み
図1に、痒みスコア(VAS)の推移を示す。施術直後に急激に減少し、さらに3日後も施術前と比較して統計的にも有意に減少していた(p<0.001、pは有意確率を表す。以下にて同じ。)。また、10日後は3日後に比べるとやや増加傾向にあるが、施術前に比してかなり減少している(3日後以降は保湿剤の使用を中止している。)。
(b)皮膚症状
図2に示すとおり、特に、落屑、掻破痕につき顕著な改善が見られた(p<0.001)。施術前には、半数以上が評価2,3であったが、3日後にはすべてが評価0,1となった。
他の項目(紅斑、丘疹、苔癬化)については、施術前に症状がない患者がほとんどで、かつ施術後にも変化は認められなかった。
図3に、落屑や掻破痕が改善していく様子をマイクロスコープで捉えた写真を示す。左側の写真が、患者A−8(76歳女性)の右背部、右側の写真が、患者C−3(68歳男性)の左脇腹部の皮膚拡大写真である(別途、物件提出書にてカラー図面(図3)を添付する。)。
下記第1表に、施術直後、3日後及び14日後の、皮膚症状の改善度区分の人数を示す。施術直後、3日後及び14日後の著明、中等度、軽度改善率合計はそれぞれ、58.9%、82.3%、64.8%であり、皮膚症状の改善に有効であることがわかった。
Figure 2010233848
(c)安全性等
今回の試験において、特に有害事象は認められなかった。
以上の結果から、シートAで角質層を剥離すると、症状(皮膚の状態及び掻痒感)が飛躍的に早く改善することがわかる。

Claims (6)

  1. 支持体、並びに、該支持体上に、架橋性ポリマーおよび架橋剤を含有する粘着剤層形成用組成物から形成される粘着剤層を有する角質層剥離用粘着体であって、前記粘着剤層側を、人工透析患者の掻痒部に貼付・剥離することによって、前記患部の角質層を剥離するものであることを特徴とする角質層剥離用粘着体。
  2. 保湿剤または治療薬を塗布する前の、人工透析患者の掻痒部に、貼付・剥離するものである請求項1に記載の角質層剥離用粘着体。
  3. 前記架橋性ポリマーが、アクリル系ポリマーである請求項1または2に記載の角質層剥離用粘着体。
  4. 前記粘着剤層形成用組成物が、数平均分子量(Mn)が4000未満の液状成分を含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の角質層剥離用粘着体。
  5. 前記粘着剤層形成用組成物が、さらにオリゴマーを含有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の角質層剥離用粘着体。
  6. 前記粘着剤層が、JIS−Z0237(1991)に準拠して、引き剥がし速度0.1mm/秒で測定されたプローブタック値P1と、引き剥がし速度10mm/秒で測定されたプローブタック値P2との比P2/P1が、1.8以上のものである請求項1〜5のいずれかに記載の角質層剥離用粘着体。
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