以下、本発明に係わる印刷システムの一実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明の印刷装置(以下、「プリンタ」ともいう)は、印刷出力処理の対象である印刷ジョブを蓄積し、指定された印刷日時に印刷出力を行う日時指定プリント機能を有する。
この日時指定プリント機能は、印刷要求元のクライアントPC等にインストールされた当該印刷装置に対応するプリントドライバにより提供される印刷設定において日時指定プリント機能を選択し、その日時指定プリントを用いて印刷出力を行う印刷日時を指定する。
これにより、印刷要求元のクライアントPCから印刷要求された印刷対象の印刷ジョブを印刷装置である印刷装置において蓄積し、プリンタが指定された印刷日時となったことを計時することにより、その印刷ジョブの印刷出力を行う。
図1は、本発明の実施の形態における印刷システムを適用して構成した印刷装置の装置構成図の一例である。
図1において、本印刷システムは、ネットワークAおよびネットワークBおよびネットワークCの3つのネットワークから構成され、ネットワークAは、印刷要求元のクライアントPC100A−1とクライアントPC100A−2、印刷要求元からの印刷ジョブの印刷要求を受けて印刷出力を行う印刷装置200Aが設けられている。また、ネットワークBは、クライアントPC100B、印刷装置200Bが設けられ、ネットワークCは、クライアントPC100C、印刷装置200C−1、印刷装置200C−2が設けられている。
また、これらの各ネットワークは、それぞれ異なる世界標準時(以下、「タイムゾーン」という)が適用されるネットワークであって、印刷要求元のネットワークと異なるネットワークとは異なるタイムゾーンにあって、これらのネットワークには時差が生じた状態にある。
例えば、ネットワークAが「日本」であって現在日時が「2月17日の21時00分」であって、ネットワークBが「上海」であるとき、上海の現地日時は「2月17日の20時00分」であってネットワークAの日本とは「1時間」の時差が生じた状態にある。また、ネットワークCが「アメリカ西部」であるとき、アメリカ西部の現地日時は「2月17日の4時00分」であってネットワークAの日本とは「17時間」の時差が生じた状態にある。
このようなネットワーク構成において、印刷要求元のクライアントPCと異なるタイムゾーンに設けられた印刷装置から印刷出力を行う印刷システムにおける日時指定プリント機能について説明する。
このときの印刷要求元のクライアントPCの詳細な構成を図2に示し、また、各ネットワークに設けられた印刷装置の詳細な構成を図3に示す。
まず、図2は、クライアントPCの詳細な構成を示すブロック図である。
図2において、クライアントPCは、表示制御部10、入出力制御部15、情報記憶部16、印刷ジョブ生成部17、計時部18、送受信部19を具備して構成される。
また、表示制御部10は、日時指定プリント設定部11、印刷日時設定部12、日時種別指定部13、同報印刷設定部14を具備して構成される。
この表示制御部10によって表示ディスプレイにプリンタドライバにおける印刷設定画面が表示された状態で、この表示制御部10を構成する日時指定プリント設定部11によって、日時指定プリントを実行するかを設定する。このときの表示ディスプレイに表示される印刷設定画面の一例を図5に示す。
図5に示す印刷設定画面は、プリントの種類を選択する項目501を有し、このプリントの種類を選択する項目501で「日時指定」を選択することによってOKボタン505を押下すると、日時指定プリントにおける印刷出力が指定された状態となる。
このようにして日時指定プリント設定部11によって日時指定プリントにおける印刷出力が設定されると、続いて、同じく表示制御部10を構成する印刷日時設定部12を用いて日時指定プリントにおける印刷出力を行う日時の設定を行う。
また、表示制御部10を構成する日時種別指定部13によって、印刷出力を行う印刷装置が設けられたネットワークのタイムゾーンにおける日時で印刷出力を行うのか、若しくは指定された印刷日時で印刷出力を行うのかを指定した日時種別を指定する。
すなわち、印刷出力を行う印刷装置が設けられたネットワークのタイムゾーンにおける日時で印刷出力を行うが指定された場合には、印刷日時設定部12で指定した日時を印刷装置が設けられた印刷環境の現地時間に変換して、変換後の現地時間に印刷出力が行われることとなる。また、指定された印刷日時で印刷出力を行うことが指定された場合には、印刷装置が設けられた印刷環境の現地時間が印刷日時設定部12によって指定された印刷日時となることにより印刷出力が行われることとなる。
印刷日時設定部12における印刷日時の指定は、図5に示す印刷設定画面に示された設定ボタン502を押下することにより表示された図6に示す印刷日時設定画面を用いて設定する。図5に示す印刷設定画面の設定ボタン502は、プリントの種類を選択する項目501によって設定されたプリントの種類に応じて詳細な項目を設定する画面を表示するボタンであって、このプリントの種類を選択する項目501で「日時指定」が設定されている場合には、図6に示すようなプリントの種類に応じて詳細な項目を設定する画面である印刷日時設定画面を表示する。
また、図6に示す印刷日時設定画面は、印刷出力を行う日付を指定する日付指定項目601、印刷出力を行う時刻を指定する時刻指定項目602、日時種別を指定する日時種別指定項目603、OKボタン604、キャンセルボタン605を備える。
日時種別指定項目603は、日時種別指定部13において、印刷出力を行う印刷装置が設けられたネットワークのタイムゾーンにおける日時で印刷出力を行うのか若しくは指定された印刷日時で印刷出力を行うのかを指定を指定する項目である。図6では、日付指定項目601で「2月17日」が指定され、時刻指定項目602で「8時00分」が指定され、日時種別指定項目603が「チェック」されることで指定された状態を示しており、このような設定がなされた状態でOKボタン604を押下すると、これらの指定項目を有効として図5に示す印刷設定画面に遷移する。
そして、この印刷設定画面のOKボタン505を押下することによって、印刷出力を行う印刷装置が設けられたネットワークのタイムゾーンにおける日時が「2月17日の8時00分」となることによって印刷出力を行う印刷設定が設定される。
このようにして、日時指定プリント機能を用いて印刷出力を行う印刷日時が指定されると、続いて、表示制御部10を構成する同報印刷設定部14では、複数の印刷装置に対して同報印刷を行うか否かを設定する。同報印刷は、複数の印刷装置から印刷出力を行う印刷出力であって、同報印刷を行う場合には印刷出力する複数の印刷装置を指定する。
このようにして印刷設定がされると、表示制御部10は、これらの情報からなる印刷設定情報を入出力制御部15へ送出する。
入出力制御部15は、表示制御部10から印刷設定情報を受信すると、印刷出力先の印刷装置に関する情報を情報記憶部16から取得する。情報記憶部16には、印刷出力先の印刷装置に関する情報として、装置名称やIPアドレス等の通信情報、印刷出力における印刷ジョブ形式等の情報を記憶しており、これらの情報を入出力制御部15で取得する。
この入出力制御部15では、表示制御部10より受信した印刷設定情報および情報記憶部16から取得した印刷出力先の印刷装置に関する情報を印刷ジョブ生成部17へと送出する。
印刷ジョブ生成部17では、計時部18により計時されている現在の日時を取得し、入出力制御部15から受信した印刷設定情報および印刷装置に関する情報を元に印刷ジョブを生成する。この印刷ジョブ生成部17によって生成された印刷ジョブの一例を図4に示す。
このとき、入出力制御部15から受信した印刷設定情報に含まれる同報印刷設定を参照し、同報印刷設定が設定されている場合、印刷ジョブ生成部17は、印刷出力先に指定された各印刷装置に対する印刷ジョブを作成する。
図4に示す印刷ジョブは、印刷出力における制御情報である印刷制御データおよび印刷出力の対象である印刷データによって構成され、印刷制御データは、送信先の印刷装置を指定した宛先情報等の通信情報および日時指定プリント情報によって構成される。
さらに、日時指定プリント情報は、日時指定プリント設定部401、送信元日時(SLT)402、日時種別403、印刷日時404によって構成される。
日時指定プリント設定部401は、日時指定プリントによって指定された印刷日時での印刷出力を行うことを設定した情報であり、送信元日時(SLT)402は、印刷要求元の印刷環境における印刷要求時点の日時を示す情報である。また、日時種別403は、印刷装置が設けられた出力先の印刷環境における印刷日時で印刷出力することを設定する情報であり、印刷日時404は、日時指定プリントを用いた印刷出力を行う日時を指定した情報である。
このような印刷ジョブが印刷ジョブ生成部17によって生成されると、印刷ジョブ生成部17は、送受信部19に送出する。送受信部19は、印刷ジョブで指定された印刷装置にその印刷ジョブを送信する。
次に、図3は、印刷装置の一例である印刷装置の詳細な構成を示すブロック図である。
図3において、印刷装置は、コントローラ20、エンジン30によって構成され、コントローラ20は、入出力制御部21、印刷ジョブ解析部22、蓄積部23、印刷日時変換制御部24、登録制御部25、印刷リスト記憶部26、印刷制御部27、計時部28を具備し、エンジン30は、印刷出力部31を具備する。
コントローラ20の入出力制御部21は、印刷要求元のクライアントPCより印刷要求された印刷ジョブを受信すると、この印刷ジョブを印刷ジョブ解析部22へと送信する。印刷ジョブ解析部22では、受信した印刷ジョブの印刷データを蓄積部23へと蓄積し、また、受信した印刷ジョブを構成する印刷制御データに含まれる日時指定プリント情報を解析する。
この日時指定プリント情報に日時指定プリントを行うことが指定されているかを解析し、すなわち図4に示す印刷ジョブの日時指定プリント設定部401を参照し、指定された印刷日時に印刷出力を行うことが設定されているかを判断する。
日時指定プリントが指定されている場合には、続いて、指定された印刷日時が印刷装置が設けられたネットワークの現地時間であるか否かを解析し、すなわち図4に示す印刷ジョブの日時種別403を参照し、印刷装置が設けられたネットワークのタイムゾーンにおける印刷日時で印刷出力するかを判断する。
日時種別403が設定され、ネットワークのタイムゾーンにおける印刷日時で印刷出力すると解析されると、印刷ジョブ解析部22は、印刷ジョブの印刷日時404に設定された印刷日時で印刷出力することを登録制御部25に通知する。
それに対して、日時種別403が設定されておらず印刷要求元の印刷環境における印刷日時で印刷出力することが解析されると、印刷ジョブ解析部22は、印刷日時変換制御部24へ印刷日時の変換要求を行う。
この印刷日時変換制御部24は、印刷要求元の印刷環境で指定された印刷日時を現地時間に変換する処理を行う。例えば、印刷要求元の印刷環境が「日本」で指定された印刷日時が「2月17日の19時00分」である場合であり、印刷出力を行う印刷環境が「上海」である場合には印刷要求元の日本と時差が1時間であることを考慮して指定された印刷日時を上海の現地時間である「2月17日の18時00分」へと変換する。
このようにして印刷日時の変換処理が印刷日時変換制御部24によって行われると、印刷日時変換制御部24は、登録制御部25に変換後の印刷日時で印刷出力を行うことを通知する。
印刷出力の通知がされた登録制御部25では、印刷対象の印刷データを特定する情報(例えば、印刷データ識別情報)およびその印刷日時および印刷設定情報を印刷リスト記憶部26へと送出し、印刷リスト記憶部26で印刷データを特定する情報に対して印刷日時、印刷情報を関連付けた印刷リストを記憶する。
そして、登録制御部25は、印刷リストに新たに日時指定プリントの情報を登録したことを印刷制御部27へと通知する。
印刷制御部27では、タイマー等により構成される計時部28における計時によって、印刷リスト記憶部26に記憶する印刷リストに登録された日時指定プリントの印刷日時となることを監視する。監視状態にある印刷制御部27によって、日時指定プリントの指定された印刷日時となると、蓄積部23に蓄積された当該印刷日時の印刷データを検索し、一致する印刷データを取得して印刷出力部31へ送出する。
このとき、印刷制御部27は、印刷出力部31が対応する印刷形式へ変換して印刷データを送出する。また、印刷制御部27では、印刷出力部31へ送出した印刷データに対する印刷リストに登録された情報を削除する。もちろん、印刷リストから削除するのではなく、印刷出力が行われたことを新たに登録して記憶するような構成であってもよい。
印刷制御部27から印刷要求を受信した印刷出力部31では、その印刷ジョブの印刷出力処理を行う。
図7は、本発明の実施の形態における印刷システムを構成する印刷要求元のクライアントPCによって行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図7において、印刷データに対して印刷指示を行うことで印刷設定画面が表示され、この印刷設定画面を用いて印刷設定が行われると処理が開始され、この印刷設定により、同報印刷を行うことが設定されているかを判断し(702)、同報印刷が設定されている場合(702でYES)には、同報印刷を行う各印刷装置の装置情報の読み込みを行う(703)。このときの同報印刷を行う印刷装置を指定する方法として、予め印刷出力先の印刷装置を指定した同報先リストを指定することも可能である。
続いて、日時印刷プリントによる印刷出力が指定されているかを判断し(703)、日時指定プリントが指定されていない場合(703でNO)には、設定された印刷設定情報に基づいて印刷ジョブを生成する(708)。また、日時指定プリントが指定されている場合(703でYES)には、印刷設定における日時設定プリントの設定項目を「ON」に設定する(704)。
この場合、日時設定プリントにおける印刷出力を行う印刷日時の指定を行う(705)。
次に、日時設定プリントにおける印刷出力を行う印刷日時が印刷出力を行う印刷装置が設けられた印刷環境の印刷日時として設定されたものであるかを判断し(706)、印刷装置が設けられた印刷環境の印刷日時として設定されたものである場合(706でYES)には、日時種別の設定項目を「ON」に設定する(707)。
続いて、日付指定プリントが設定されている場合には、これらの日付指定プリント情報および印刷設定情報を元に図4に示すような形式からなる印刷ジョブを生成する(708)。このようにして印刷ジョブを作成すると、印刷ジョブで指定された印刷装置へ送信する(709)。
そして、同報印刷が指定されるなどして複数の印刷装置に印刷要求を行う場合で未送信の印刷装置があるかを判断し(710)、未送信の印刷装置が存在する場合(710でYES)には、その未送信の印刷装置に対する印刷ジョブを生成して(708)その印刷装置に送信する(709)。
続いて、図8は、本発明の実施の形態における印刷形成装置によって行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図8は、図7に示すクライアントPCにおける処理により印刷ジョブが送信され、印刷装置が設けられた印刷環境におけるタイムゾーンとは異なる他のタイムゾーンのクライアントPCから印刷ジョブを受信した場合における処理を示している。
クライアントPCから印刷ジョブを受信すると処理が開始され、現在日時の情報を取得する(801)。この現在日時の情報は印刷出力を行う印刷装置が設けられた印刷環境における現地日時である。
そして、この印刷ジョブに日時指定プリントが指定されているかを判断し(802)、日時指定プリントが指定されていない場合(802でNO)には、その印刷ジョブの印刷出力を行う(808)。
また、印刷ジョブに日時指定プリントが指定されている場合(802でYES)には、続いて、出力先の現地日時で印刷を実行することが設定されており、その印刷日時が指定されているかを判断する(803)。すなわち、印刷ジョブの日時指定プリント情報の日時種別が設定されているかを判断する。
日時種別が指定されておらず現地日時で印刷を実行することが設定されていない場合(803でNO)には、印刷ジョブで指定された印刷日時を印刷装置が設けられた印刷環境の現地日時へと変換する(804)。
このようにして印刷装置が設けられた印刷環境の現地日時へと変換された印刷日時および印刷ジョブで指定された印刷日時が、先の処理で取得した現地日時よりも新しい日時であるかを判断する(805)。指定された印刷日時が現地日時よりも新しい日時でない場合(805でNO)、すなわち過去の印刷日時が指定されている場合には、その指定された印刷日時を過ぎているものとして直ぐに印刷ジョブの印刷出力を開始して印刷出力を行う(808)。
もちろん、指定された印刷日時が無効なものであるとして、印刷要求元のクライアントPCに対してエラー通知を行うような構成であってもよい。
そして、指定された印刷日時が現地日時よりも新しい日時である場合(805でYES)には、指定された印刷日時と印刷出力対象の印刷ジョブとを対応付けて印刷リストに登録する(806)。
このようにして登録された印刷リストに示された印刷日時となったことが計時されたかを判断し(807)、指定された印刷日時となったことが計時されるまではこの印刷日時となることを監視した状態で待機する。また、指定された印刷日時となった印刷ジョブがある場合(807でYES)には、その印刷ジョブの印刷出力を行う(808)。
このとき、印刷リストに印刷出力を行った印刷ジョブ以外の他の印刷ジョブに関する情報が示されているかを判断し(809)、他の印刷ジョブに関する情報が示されている場合(809でYES)には再度、指定された印刷日時となるまでの監視状態となる(807)。また、印刷リストに他の印刷ジョブが示されていない場合(809でNO)には処理を終了する。
本実施例2においても、実施例1で示した図1と同様の構成であって、印刷装置は、日時指定プリント機能を有している。
図9は、本発明の実施の形態におけるクライアントPCの詳細な構成を示す図である。
図9において、クライアントPCは、図1に示す印刷装置に対して印刷要求を行う印刷要求元であって、表示制御部10、入出力制御部15、情報記憶部16、印刷ジョブ生成部17、計時部18、送受信部19、情報取得部40、時差算出部41、印刷日時変換制御部42を具備して構成される。
また、表示制御部10は、日時指定プリント設定部11、印刷日時設定部12、日時種別指定部13、同報印刷設定部14を具備して構成される。
この表示制御部10によって表示ディスプレイにプリンタドライバにおける印刷設定画面が表示された状態で、この表示制御部10を構成する日時指定プリント設定部11によって、日時指定プリントを実行するかを設定する。このときの表示ディスプレイに表示される印刷設定画面の一例を図5に示す。
日時指定プリント設定部11によって日時指定プリントにおける印刷出力が設定されると、続いて、同じく表示制御部10を構成する印刷日時設定部12を用いて日時指定プリントにおける印刷出力を行う日時の設定を行う。
また、表示制御部10を構成する日時種別指定部13によって、印刷出力を行う印刷装置が設けられたネットワークのタイムゾーンにおける日時で印刷出力を行うのか、若しくは指定された印刷日時で印刷出力を行うのかを指定した日時種別を指定する。
すなわち、印刷出力を行う印刷装置が設けられたネットワークのタイムゾーンにおける日時で印刷出力を行うが指定された場合には、印刷日時設定部12で指定した日時を印刷装置が設けられた印刷環境の現地時間に変換して、変換後の現地時間に印刷出力が行われることとなる。また、指定された印刷日時で印刷出力を行うことが指定された場合には、印刷装置が設けられた印刷環境の現地時間が印刷日時設定部12によって指定された印刷日時となることにより印刷出力が行われることとなる。
このようにして、日時指定プリント機能を用いて印刷出力を行う印刷日時が指定されると、続いて、表示制御部10を構成する同報印刷設定部14では、複数の印刷装置に対して同報印刷を行うか否かを設定する。同報印刷は、複数の印刷装置から印刷出力を行う印刷出力であって、同報印刷を行う場合には印刷出力する複数の印刷装置を指定する。
このときの同報印刷を行う印刷装置を指定する方法として、予め印刷出力先の印刷装置を指定した同報先リストを指定することも可能である。
このようにして印刷設定がされると、表示制御部10は、これらの情報からなる印刷設定情報を入出力制御部15へ送出する。
入出力制御部15は、表示制御部10から印刷設定情報を受信すると、この印刷設定情報を構成する日時種別の情報が、印刷装置の設けられた印刷環境の印刷日時であることを示している場合には同じく印刷設定情報を構成する印刷日時の情報を印刷日時変換制御部42へと送出する。このとき、印刷日時変換制御部42は、印刷出力を行う印刷装置が設けられたネットワークのタイムゾーンと印刷要求元のタイムゾーンとの時差の情報を情報記憶部16から取得し、計時部18から取得した現在の日時とその時差を元に、印刷装置が設けられたネットワークのタイムゾーンにおける印刷日時に変換する。
この情報記憶部16は、印刷出力先の印刷装置に関する情報として、装置名称やIPアドレス等の通信情報、印刷出力における印刷ジョブ形式等の情報を記憶するほか、各印刷装置が設けられたネットワークのタイムゾーンとの時差の情報を記憶する。
印刷日時変換制御部42は、変換後の印刷日時の情報を入出力制御部15へと応答する。これにより、入出力制御部15は、この変換後の印刷日時を含む印刷設定情報を印刷ジョブ生成部17へと送出する。
印刷ジョブ生成部17では、計時部18により計時されている現在の日時を取得し、入出力制御部15から受信した印刷設定情報および印刷装置に関する情報を元に印刷ジョブを生成する。この印刷ジョブ生成部17によって生成された印刷ジョブの一例が図4である。
このとき、入出力制御部15から受信した印刷設定情報に含まれる同報印刷設定を参照し、同報印刷設定が設定されている場合、印刷ジョブ生成部17は、印刷出力先に指定された各印刷装置に対する印刷ジョブを作成する。
このような印刷ジョブが印刷ジョブ生成部17によって生成されると、印刷ジョブ生成部17は、その印刷ジョブを送受信部19に送出する。この送受信部19は、印刷ジョブで指定された印刷装置に印刷ジョブを送信する。
情報記憶部16で記憶している各印刷装置が設けられたネットワークのタイムゾーンとの時差の情報は、情報取得部40が、送受信部19を介して定期的に若しくは任意のタイミングで情報記憶部16が記憶している各印刷装置に対して相互通信の可否およびその印刷装置が設けられたネットワークのタイムゾーンにおける現地時間を取得する処理を行うことにより得られる情報である。
ちなみに、情報取得部40が取得した印刷装置における現地時間の情報は、時差算出部41に送出され、時差算出部41が計時部18で計時される現在日時との時差を算出し、情報記憶部16に記憶された印刷装置における時差の情報として記憶する。
図10は、本発明の実施の形態における印刷装置の詳細な構成を示す図である。
図10において、印刷装置は、コントローラ20、エンジン30によって構成され、コントローラ20は、入出力制御部21、印刷ジョブ解析部22、蓄積部23、登録制御部25、印刷リスト記憶部26、印刷制御部27、計時部28を具備し、エンジン30は、印刷出力部31を具備する。
コントローラ20の入出力制御部21は、印刷要求元のクライアントPCより印刷要求された印刷ジョブを受信すると、この印刷ジョブを印刷ジョブ解析部22へと送信する。印刷ジョブ解析部22では、受信した印刷ジョブの印刷データを蓄積部23へと蓄積し、また、受信した印刷ジョブを構成する印刷制御データに含まれる日時指定プリント情報を解析する。
この日時指定プリント情報に日時指定プリントを行うことが指定されているかを解析し、すなわち図4に示す印刷ジョブの日時指定プリント設定部401を参照し、指定された印刷日時に印刷出力を行うことが設定されているかを判断する。
そして、日時指定プリント情報に日時指定プリントを行うことが指定されている場合、印刷ジョブ解析部22は、登録制御部25に指定された印刷日時で印刷出力を行うことを通知する。
印刷出力の通知がされた登録制御部25では、印刷対象の印刷データを特定する情報(例えば、印刷データ識別情報)およびその印刷日時および印刷設定情報を印刷リスト記憶部26へと送出し、印刷リスト記憶部26で印刷データを特定する情報に対して印刷日時、印刷情報を関連付けた印刷リストを記憶する。
そして、登録制御部25は、印刷リストに新たに日時指定プリントの情報を登録したことを印刷制御部27へと通知する。
印刷制御部27では、タイマー等により構成される計時部28における計時によって、印刷リスト記憶部26に記憶する印刷リストに登録された日時指定プリントの印刷日時となることを監視する。監視状態にある印刷制御部27によって、日時指定プリントの指定された印刷日時となると、蓄積部23に蓄積された当該印刷日時の印刷データを検索し、一致する印刷データを取得して印刷出力部31へ送出する。
このとき、印刷制御部27は、印刷出力部31が対応する印刷形式へ変換して印刷データを送出する。また、印刷制御部27では、印刷出力部31へ送出した印刷データに対する印刷リストに登録された情報を削除する。もちろん、印刷リストから削除するのではなく、印刷出力が行われたことを新たに登録して記憶するような構成であってもよい。
印刷制御部27から印刷要求を受信した印刷出力部31では、その印刷ジョブの印刷出力処理を行う。
図11は、図9に示す構成におけるクライアントPCで行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図11において、印刷データに対して印刷指示を行うことで印刷設定画面が表示され、この印刷設定画面を用いて印刷設定が行われると処理が開始され、この印刷設定により、同報印刷を行うことが設定されているかを判断する(1102)。
印刷設定に同報印刷が設定されている場合(1102でYES)には、同報印刷を行う各印刷装置の装置情報の読み込みを行う(1103)。このときの同報印刷を行う印刷装置を指定する方法として、予め印刷出力先の印刷装置を指定した同報先リストを指定することも可能である。
続いて、日時印刷プリントによる印刷出力が指定されているかを判断し(1103)、日時指定プリントが指定されていない場合(1103でNO)には、設定された印刷設定情報に基づいて印刷ジョブを生成する(1108)。また、日時指定プリントが指定されている場合(1103でYES)には、印刷設定における日時設定プリントの設定項目を「ON」に設定する(1104)。
この場合、日時設定プリントにおける印刷出力を行う印刷日時の指定を行う(1105)。
次に、日時設定プリントにおける印刷出力を行う印刷日時が印刷出力を行う印刷装置が設けられた印刷環境の印刷日時として設定されたものであるかを判断し(1106)、印刷装置が設けられた印刷環境の印刷日時として設定されたものである場合(1106でYES)には、日時種別の設定項目を「ON」に設定する(1107)。
それに対して、印刷装置が設けられた印刷環境の印刷日時として設定されたものでない場合(1106でNO)には、印刷日時を印刷装置が設けられたネットワークのタイムゾーンにおける印刷日時に変換する処理を行う(1108)。この印刷日時の変換処理の詳細な流れを図12および図13に示す。
続いて、日付指定プリントが設定されている場合には、これらの日付指定プリント情報および印刷設定情報を元に印刷ジョブを生成する(1109)。このようにして印刷ジョブを作成すると、印刷ジョブで指定された印刷装置へ送信する(1110)。
そして、同報印刷が指定されるなどして複数の印刷装置に印刷要求を行う場合で未送信の印刷装置があるかを判断し(1111)、未送信の印刷装置が存在する場合(1111でYES)には、その未送信の印刷装置に対する印刷ジョブを生成して(1109)その印刷装置に送信する(1110)。
図12は、図11に示す印刷日時の変換処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
図12において、印刷要求元のネットワークとタイムゾーンの異なるネットワークの印刷装置に印刷出力する場合であって、印刷装置が設けられた印刷環境の印刷日時として設定されたものでない場合、すなわち指定された印刷日時が印刷要求元のタイムゾーンに基づいて指定されている場合に処理が行われる。
まず、印刷出力を行う印刷装置から現地日時を取得する(1201)。続いて、取得した現地日時と印刷要求元の現在の日時とから時差を算出する(1202)。そして、算出した時差に基づいて指定された印刷日時を現地日時に変換する(1203)。
図13も、図11に示す印刷日時の変換処理の詳細な流れを示すフローチャートの他の例である。
図12に示すフローチャートでは、印刷装置から現地日時の情報を取得するような構成における処理を示しているが、図13では予め記憶する情報に基づいて処理を行う。
図13において、まず、印刷出力を行う印刷装置が設けられたネットワークにおけるタイムゾーンと印刷要求元のネットワークのタイムゾーンと間の時差情報を読み込む(1301)。
続いて、読み込んだ時差情報を元に、指定された印刷日時を、印刷出力を行う印刷装置が設けられたネットワークにおけるタイムゾーンに基づく印刷日時へとへ間する(1302)。
図14は、図9に示す構成における印刷装置で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図14において、図11に示すような処理によってクライアントPCから印刷ジョブが送信されることでこの印刷ジョブを受信すると処理が開始され、まず、印刷装置が設けられたタイムゾーンにおける現在日時を取得する(1401)。
次に、この印刷ジョブに日時指定プリントが設定されており、印刷日時が指定されているかを判断する(1402)。日時指定プリントが指定されていない場合や日時指定プリントが設定されているが印刷日時が指定されていない場合(1402でNO)には、その印刷ジョブの印刷出力を行う(1406)。
なお、この場合において、日時指定プリントが指定されている場合であって印刷日時が指定されていないときには、その旨を印刷要求元のクライアントPCに対して通知するような構成であってもよい。これにより、クライアントPCは印刷処理を取り消すか、印刷ジョブの再送を行う。
それに対して、印刷ジョブに日時指定プリントが設定され、印刷日時が指定されている場合(1402でYES)には、続いて、印刷ジョブで指定された印刷日時が、先の処理で取得した現在日時よりも新しい日時であるかを判断する(1403)。指定された印刷日時が現在日時よりも新しい日時でない場合(1403でNO)、すなわち過去の印刷日時が指定されている場合には、その指定された印刷日時を過ぎているものとして直ぐに印刷ジョブの印刷出力を開始して印刷出力を行う(1406)。
もちろん、指定された印刷日時が無効なものであるとして、印刷要求元のクライアントPCに対してエラー通知を行うような構成であってもよい。
そして、指定された印刷日時が現地日時よりも新しい日時である場合(1406でYES)には、指定された印刷日時と印刷出力対象の印刷ジョブとを対応付けて印刷リストに登録する(1404)。
このようにして登録された印刷リストに示された印刷日時となったことが計時されたかを判断し(1405)、指定された印刷日時となったことが計時されるまではこの印刷日時となることを監視した状態で待機する。また、指定された印刷日時となった印刷ジョブがある場合(1405でYES)には、その印刷ジョブの印刷出力を行う(1406)。
このとき、印刷リストに印刷出力を行った印刷ジョブ以外の他の印刷ジョブに関する情報が示されているかを判断し(1407)、他の印刷ジョブに関する情報が示されている場合(1407でYES)には再度、指定された印刷日時となるまでの監視状態となる(1405)。また、印刷リストに他の印刷ジョブが示されていない場合(1407でNO)には処理を終了する。
本実施例3においても、実施例1で示した図1と同様の構成であって、印刷装置は、日時指定プリント機能を有している。
図15は、本発明の実施の形態における印刷システムを構成するクライアントPCの詳細な構成を示す図である。
図15において、クライアントPCは、表示制御部10、入出力制御部15、情報記憶部16、印刷ジョブ生成部17、計時部18、送受信部19、ファイル名変更部1501を具備して構成される。
情報記憶部16には、印刷出力先の印刷装置に関する情報として、装置名称やIPアドレス等の通信情報、印刷出力における印刷ジョブ形式等の情報を記憶しており、また印刷出力を行う印刷データをも記憶する。このほか、印刷データを他のストレージに記憶しておき、このストレージとクライアントPCが接続された構成であってもよい。
印刷データは、クライアントPCにインストールされた所定のアプリケーションを用いて作成されたアプリケーションデータ等であってファイル名が指定されて保存されている。例えば、文書作成アプリケーションによって作成されたアプリケーションデータのファイル名として「打合せ文書」というファイル名が指定され、保存されている。
ファイル名変更部1501は、情報記憶部16に記憶されたアプリケーションデータのファイル名をユーザによる操作を受け付けることにより変更する。このファイル名変更部1501では、ファイル名に対して所定のサフィックスを付与するサフィックス指定画面によって、付与するサフィックスを指定することにより[元のファイル名+指定されたサフィックス]という形式の新たなファイル名に変更する。
また、このファイル名変更部1501では、ファイル名そのものを直接、変更することも可能である。この場合、元のファイル名とは全く別の異なるファイル名と変更することができるほか、上記に示すようにファイル名に所定のサフィックスを付与したファイル名とすることも可能である。
このときのサフィックスとは、接辞の一例であって、指定されているファイル名の最後部に付与される接尾語であり、英字、数字、文字またはこれらの結合によって表される。例えば、「打合せ文書」というファイル名に対して、「u」という英字のサフィックスを指定すると「打合せ文書u」というファイル名称に変更される。
なお、上記例では接辞の一例としてサフィックスを用いた例を示しているが、これに限定されることなく、ファイル名の接頭語であるプリフィックスを付与するような構成であってもよい。このプリフィックスは、サフィックス同様、英字、数字、文字またはこれらの結合によって表される。
このプリフィックスとして「u」という英字を用いた場合、上記の「打合せ文書」というファイル名は「u打合せ文書」というファイル名に変更される。
このような接辞の一例であるサフィックスが付与されたファイル名からなる印刷データの印刷要求を行った場合であって、印刷出力を行う印刷装置に既にサフィックスを付与する前のファイル名からなる印刷データが保存された状態にあるとき、印刷装置は、そのサフィックスに基づいて当該印刷データの処理を行う。
すなわち、ファイル名にサフィックスを指定することによって、印刷装置が保存しているサフィックスを付与する前のファイル名の印刷データおよび印刷日時の情報に対して所定の処理を行うことができる。
次に、表示制御部10は、日時指定プリント設定部11、印刷日時設定部12、日時種別指定部13、同報印刷設定部14を具備して構成される。
この表示制御部10によって表示ディスプレイにプリンタドライバにおける印刷設定画面が表示された状態で、この表示制御部10を構成する日時指定プリント設定部11によって、日時指定プリントを実行するかを設定する。このときの表示ディスプレイに表示される印刷設定画面の一例を図5に示す。
日時指定プリント設定部11によって日時指定プリントにおける印刷出力が設定されると、続いて、同じく表示制御部10を構成する印刷日時設定部12を用いて日時指定プリントにおける印刷出力を行う日時の設定を行う。
また、表示制御部10を構成する日時種別指定部13によって、印刷出力を行う印刷装置が設けられたネットワークのタイムゾーンにおける日時で印刷出力を行うのか、若しくは指定された印刷日時で印刷出力を行うのかを指定した日時種別を指定する。
すなわち、印刷出力を行う印刷装置が設けられたネットワークのタイムゾーンにおける日時で印刷出力を行うが指定された場合には、印刷日時設定部12で指定した日時を印刷装置が設けられた印刷環境の現地時間に変換して、変換後の現地時間に印刷出力が行われることとなる。また、指定された印刷日時で印刷出力を行うことが指定された場合には、印刷装置が設けられた印刷環境の現地時間が印刷日時設定部12によって指定された印刷日時となることにより印刷出力が行われることとなる。
このようにして、日時指定プリント機能を用いて印刷出力を行う印刷日時が指定されると、続いて、表示制御部10を構成する同報印刷設定部14では、複数の印刷装置に対して同報印刷を行うか否かを設定する。同報印刷は、複数の印刷装置から印刷出力を行う印刷出力であって、同報印刷を行う場合には印刷出力する複数の印刷装置を指定する。
このようにして印刷設定がされると、表示制御部10は、これらの情報からなる印刷設定情報を入出力制御部15へ送出する。
入出力制御部15は、表示制御部10から印刷設定情報を受信すると、印刷出力先の印刷装置に関する情報を情報記憶部16から取得する。この入出力制御部15では、表示制御部10より受信した印刷設定情報および情報記憶部16から取得した印刷出力先の印刷装置に関する情報を印刷ジョブ生成部17へと送出する。
印刷ジョブ生成部17では、印刷データを情報記憶部16若しくは他のストレージから取得する。このときの印刷データのファイル名は、ファイル名変更部1501によって変更されることにより所定のサフィックスが指定されたものであることが可能である。
印刷ジョブ生成部17では、さらに、計時部18により計時されている現在の日時を取得し、入出力制御部15から受信した印刷設定情報および印刷装置に関する情報と、取得した印刷データを元に印刷ジョブを生成する。この印刷ジョブ生成部17によって生成された印刷ジョブの一例を図17に示す。
このとき、入出力制御部15から受信した印刷設定情報に含まれる同報印刷設定を参照し、同報印刷設定が設定されている場合、印刷ジョブ生成部17は、印刷出力先に指定された各印刷装置に対する印刷ジョブを作成する。
図17に示す印刷ジョブは、印刷出力における制御情報である印刷制御データおよび印刷出力の対象である印刷データによって構成され、印刷制御データは、送信先の印刷装置を指定した宛先情報等の通信情報および日時指定プリント情報によって構成される。
さらに、日時指定プリント情報は、ジョブオーナー名1701、日時指定プリント設定部1702、送信元日時(SLT)1703、日時種別1704、印刷日時1705、ファイル名1706によって構成される。
ジョブオーナー名1701は、印刷要求を行ったユーザの名称であって、日時指定プリント設定部1702は、日時指定プリントによって指定された印刷日時での印刷出力を行うことを設定した情報であり、送信元日時(SLT)1703は、印刷要求元の印刷環境における印刷要求時点の日時を示す情報である。また、日時種別1704は、印刷装置が設けられた出力先の印刷環境における印刷日時で印刷出力することを設定する情報であり、印刷日時1705は、日時指定プリントを用いた印刷出力を行う日時を指定した情報である。
さらに、ファイル名1706は、印刷データに設定されたファイル名であり、ファイル名変更部1501によってファイル名が変更されている場合には変更後のファイル名である。
このような印刷ジョブが印刷ジョブ生成部17によって生成されると、印刷ジョブ生成部17は、送受信部19に送出する。送受信部19は、印刷ジョブで指定された印刷装置にその印刷ジョブを送信する。
図16は、本発明の実施の形態における印刷装置の一例である印刷装置の詳細な構成を示す図である。
図16において、印刷装置は、コントローラ20、エンジン30によって構成され、コントローラ20は、入出力制御部21、印刷ジョブ解析部22、蓄積部23、印刷日時変換制御部24、登録制御部25、印刷リスト記憶部26、印刷制御部27、計時部28、情報解析判断部50、サフィックス解析判断部51、処理一覧情報記憶部52を具備し、エンジン30は、印刷出力部31を具備する。
コントローラ20の入出力制御部21は、印刷要求元のクライアントPCより印刷要求された印刷ジョブを受信すると、この印刷ジョブを印刷ジョブ解析部22へと送信する。印刷ジョブ解析部22では、受信した印刷ジョブを解析し、印刷ジョブ解析部22の情報解析判断部50が、印刷ジョブを構成する印刷制御データをもとにその印刷ジョブに対する処理を判断する。
印刷制御データの日時指定プリント情報が含まれる場合、その日時指定プリント情報を構成するファイル名の情報を、サフィックス解析判断部51に通知する。この通知を受けたサフィックス解析判断部51は、そのファイル名に付与されたサフィックスを特定する。
サフィックスが付与されていない場合にはその旨を情報解析判断部50へと通知する。このとき情報解析判断部50を有する印刷ジョブ解析部22は、印刷ジョブ解析部22は、印刷日時変換制御部24へ印刷日時の変換要求を行う。この印刷日時変換制御部24は、印刷要求元の印刷環境で指定された印刷日時を現地時間に変換する処理を行う。
また、サフィックス解析判断部51でサフィックスが特定された場合には、そのサフィックスに対して指定された処理を規定した処理一覧情報を処理一覧情報記憶部52から取得する。
この処理一覧情報記憶部52は、各サフィックスを元に、印刷リストに登録されたファイル名の印刷データに対してどのようなメンテナンス処理(保守処理)を行うかを規定した処理一覧情報を記憶しており、サフィックス解析判断部51からの要求に応答する。
サフィックス解析判断部52でファイル名に付与されたサフィックスに対する処理が特定されると、その処理の情報を情報解析部50へと応答する。この情報解析部50を有する印刷ジョブ解析部22は、特定された処理に基づいて印刷リスト記憶部26で記憶する印刷リストの情報を変更するほか、蓄積部23に保存された印刷データの更新を行う。
この処理一覧情報記憶部52で記憶する処理一覧情報の例を、図21に示す。
図21に示す処理一覧情報は、サフィックスとして「D」若しくは「d」が付与されている場合にはそのサフィックスが付与されたファイル名を印刷リストから削除する保守処理を行うことを示しており、また、サフィックスとして「U」若しくは「u」が付与されている場合にはそのサフィックスが付与されたファイル名の印刷データで、保存されている印刷データを置換する保守処理を行うことを示しており、また、サフィックスとして「T」若しくは「t」が付与されている場合にはそのサフィックスが付与されたファイル名の印刷データの印刷日時を、指定された印刷日時で更新する保守処理を行うことを示している。
印刷ジョブ解析部22では、この処理一覧情報を元に印刷リスト記憶部26で記憶する印刷リストの情報を変更する。また、サフィックスとして「U」若しくは「u」が指定されている場合には蓄積部23に蓄積された当該サフィックスが付与されたファイル名に対する印刷データを、受信した印刷ジョブの印刷データで置換する。
続いて、この印刷ジョブ解析部22は、印刷ジョブを構成する印刷制御データの日時指定プリント情報に日時指定プリントを行うことが指定されているかを解析し、日時指定プリントが指定されている場合には、続いて、指定された印刷日時が印刷装置が設けられたネットワークの現地時間であるか否かを解析し、印刷装置が設けられたネットワークのタイムゾーンにおける印刷日時で印刷出力するかを判断する。
日時種別403が設定され、ネットワークのタイムゾーンにおける印刷日時で印刷出力すると解析されると、印刷ジョブ解析部22は、印刷ジョブの印刷日時404に設定された印刷日時で印刷出力することを登録制御部25に通知する。
それに対して、日時種別403が設定されておらず印刷要求元の印刷環境における印刷日時で印刷出力することが解析されると、印刷ジョブ解析部22は、印刷日時変換制御部24へ印刷日時の変換要求を行う。
この印刷日時変換制御部24は、印刷要求元の印刷環境で指定された印刷日時を現地時間に変換する処理を行う。
このようにして印刷日時の変換処理が印刷日時変換制御部24によって行われると、印刷日時変換制御部24は、登録制御部25に変換後の印刷日時で印刷出力を行うことを通知する。
印刷出力の通知がされた登録制御部25では、印刷対象の印刷データを特定する情報(例えば、印刷データ識別情報)およびその印刷日時および印刷設定情報を印刷リスト記憶部26へと送出し、印刷リスト記憶部26で印刷データを特定する情報に対して印刷日時、印刷情報を関連付けた印刷リストを記憶する。
そして、登録制御部25は、印刷リストに新たに日時指定プリントの情報を登録したことを印刷制御部27へと通知する。
印刷制御部27では、タイマー等により構成される計時部28における計時によって、印刷リスト記憶部26に記憶する印刷リストに登録された日時指定プリントの印刷日時となることを監視する。監視状態にある印刷制御部27によって、日時指定プリントの指定された印刷日時となると、蓄積部23に蓄積された当該印刷日時の印刷データを検索し、一致する印刷データを取得して印刷出力部31へ送出する。
このとき、印刷制御部27は、印刷出力部31が対応する印刷形式へ変換して印刷データを送出する。また、印刷制御部27では、印刷出力部31へ送出した印刷データに対する印刷リストに登録された情報を削除する。もちろん、印刷リストから削除するのではなく、印刷出力が行われたことを新たに登録して記憶するような構成であってもよい。
印刷制御部27から印刷要求を受信した印刷出力部31では、その印刷ジョブの印刷出力処理を行う。
図18は、図15に示す構成におけるクライアントPCで行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図18において、印刷対象の印刷データのファイル名を変更するかを判断し(1801)、ファイル名を変更する場合(1801でYES)には、元のファイル名に対してサフィックスを付加する変更を行う(1802)。このようにして、ファイル名にサフィックスが付与された状態の印刷データに対して印刷指示を行うと、印刷設定画面が表示され、この印刷設定画面を用いて印刷設定が行われると処理が開始される。
まず、この印刷設定により、同報印刷を行うことが設定されているかを判断し(1803)、同報印刷が設定されている場合(1803でYES)には、同報印刷を行う各印刷装置の装置情報の読み込みを行う(1804)。このときの同報印刷を行う印刷装置を指定する方法として、予め印刷出力先の印刷装置を指定した同報先リストを指定することも可能である。
続いて、日時印刷プリントによる印刷出力が指定されているかを判断し(1805)、日時指定プリントが指定されていない場合(1805でNO)には、設定された印刷設定情報に基づいて印刷ジョブを生成する(1810)。また、日時指定プリントが指定されている場合(1805でYES)には、印刷設定における日時設定プリントの設定項目を「ON」に設定する(1806)。
この場合、日時設定プリントにおける印刷出力を行う印刷日時の指定を行う(1807)。
次に、日時設定プリントにおける印刷出力を行う印刷日時が印刷出力を行う印刷装置が設けられた印刷環境の印刷日時として設定されたものであるかを判断し(1808)、印刷装置が設けられた印刷環境の印刷日時として設定されたものである場合(1808でYES)には、日時種別の設定項目を「ON」に設定する(1809)。
続いて、日付指定プリントが設定されている場合には、これらの日付指定プリント情報および印刷設定情報を元に図4に示すような形式からなる印刷ジョブを生成する(1810)。このようにして印刷ジョブを作成すると、印刷ジョブで指定された印刷装置へ送信する(1811)。
そして、同報印刷が指定されるなどして複数の印刷装置に印刷要求を行う場合で未送信の印刷装置があるかを判断し(1812)、未送信の印刷装置が存在する場合(1812でYES)には、その未送信の印刷装置に対する印刷ジョブを生成して(1810)その印刷装置に送信する(1811)。
図19は、図15に示す構成における印刷装置で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図19において、図18に示すクライアントPCにおける処理により印刷ジョブが送信され、印刷装置が設けられた印刷環境におけるタイムゾーンとは異なる他のタイムゾーンのクライアントPCから印刷ジョブを受信した場合における処理を示している。
クライアントPCから印刷ジョブを受信すると処理が開始され、現在日時の情報を取得する(1901)。この現在日時の情報は印刷出力を行う印刷装置が設けられた印刷環境における現地日時である。
そして、この印刷ジョブに日時指定プリントが指定されているかを判断し(1902)、日時指定プリントが指定されていない場合(1902でNO)には、その印刷ジョブの印刷出力を行う(1920)。
また、印刷ジョブに日時指定プリントが指定されている場合(1902でYES)には、続いて、印刷装置が設けられたタイムゾーンにおける現地日時で印刷することが設定されており、その印刷日時が指定されているかを判断する(1903)。すなわち、印刷ジョブの日時指定プリント情報の日時種別が設定されているかを判断する。
日時種別が指定されておらず、現地日時で印刷を実行することが設定されていない場合(1903でNO)には、印刷ジョブで指定された印刷日時を印刷装置が設けられた印刷環境の現地日時へと変換する(1904)。
このようにして印刷装置が設けられた印刷環境の現地日時へと変換された印刷日時および印刷ジョブで指定された印刷日時が、先の処理で取得した現地日時よりも新しい日時であるかを判断する(1905)。指定された印刷日時が現地日時よりも新しい日時でない場合(1905でNO)、すなわち過去の印刷日時が指定されている場合には、その指定された印刷日時を過ぎているものとして直ぐに印刷ジョブの印刷出力を開始して印刷出力を行う(1920)。
もちろん、指定された印刷日時が無効なものであるとして、印刷要求元のクライアントPCに対してエラー通知を行うような構成であってもよい。
そして、指定された印刷日時が現地日時よりも新しい日時である場合(1905でYES)には、受信した印刷ジョブを構成する日時指定プリント情報を解析し、印刷要求を行ったユーザおよびファイル名を識別する(1906)。解析した結果、識別されたファイル名の印刷データが日時指定プリント機能を用いた印刷出力を行う印刷リストに含まれるかを照合することによって判断する(1907)。
同一のファイル名がある場合(1907でYES)、すなわち同じファイル名の印刷データが印刷要求された場合には、後の印刷要求で指定された印刷日時で印刷リストに記録された当該ファイル名の印刷データの印刷日時を置換する(1908)。
それに対して、同一のファイル名が印刷リストにない場合(1907でNO)には、続いて、印刷リストにあるファイル名と前方一致し、そのファイル名にサフィックスが付与された状態にあるかを判断する(1909)。印刷リストにあるファイル名と前方一致しない場合(1909でNO)には、印刷要求された印刷ジョブで指定された印刷日時を印刷リストに印刷データに対応付けて登録する(1910)。
また、印刷リストにあるファイル名と前方一致し、そのファイル名にサフィックスが付与された状態にある場合(1909でYES)には、図20に示す位置Bからの処理として示されている。図20に示すフローチャートは、図21に示す処理一覧情報を用いた場合における印刷装置で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図20においては、まず、印刷要求された印刷ジョブに指定されたファイル名に付与されているサフィックスに対して行う処理が示された処理一覧情報の読み込みを行う(1911)。
続いて、印刷ジョブに指定されたファイル名に付与されたサフィックスが「D」若しくは「d」であるかを判断し(1912)、付与されたサフィックスが「D」若しくは「d」である場合(1912でYES)には、当該サフィックスが付与されたファイル名の印刷ジョブを印刷リストおよび記憶領域から削除する(1913)。このとき、図19に示す位置Aに遷移する。
サフィックスが「D」若しくは「d」でない場合(1912でNO)には、続いて、サフィックスが「U」若しくは「u」であるかを判断し(1914)、サフィックスが「U」若しくは「u」である場合(1914でYES)には、当該サフィックスが付与されたファイル名の印刷ジョブを構成する印刷データで、保存された印刷データを置換する(1615)。このとき、図19に示す位置Aへと遷移する。
また、サフィックスが「U」若しくは「u」でない場合(1914でNO)には、続いて、サフィックスが「T」若しくは「t」であるかを判断し(1916)、サフィックスが「T」若しくは「t」である場合(1916でYES)には、当該サフィックスが付与されたファイル名の印刷ジョブを構成する印刷データの印刷日時で印刷リストに登録された印刷日時を更新する(1917)。このとき、図19に示す位置Aへと遷移する。
また、サフィックスが「T」若しくは「t」でない場合(1916でNO)、すなわち処理一覧情報として登録されたサフィックス以外のサフィックスが指定されている場合には、印刷ジョブの送信元にエラー応答を行う(1918)。このとき、図19に示す位置Cへと遷移する。
このようにして、印刷リストに日時指定プリントを行う印刷ジョブの情報が登録されると、印刷リストに示された印刷日時となったことが計時されたかを判断し(1919)、指定された印刷日時となったことが計時されるまではこの印刷日時となることを監視した状態で待機する。また、指定された印刷日時となった印刷ジョブがある場合(1919でYES)には、その印刷ジョブの印刷出力を行う(1920)。
このとき、印刷リストに印刷出力を行った印刷ジョブ以外の他の印刷ジョブに関する情報が示されているかを判断し(1921)、他の印刷ジョブに関する情報が示されている場合(1921でYES)には再度、指定された印刷日時となるまでの監視状態となる(1919)。また、印刷リストに他の印刷ジョブが示されていない場合(1921でNO)には処理を終了する。
図22は、図21に示す処理一覧情報の他の例であり、図21がファイル名に付与されたサフィックスに対して処理を規定しているのに対して、図22では、印刷要求を行ったユーザごとに処理のサフィックスを指定している。
印刷要求を行ったユーザが「userA」である場合、ファイル名に付与されたサフィックスが「0」である場合にはサフィックスが付与されたファイル名の印刷ジョブを印刷リストおよび記憶領域から削除し、「1」である場合にはサフィックスが付与されたファイル名の印刷ジョブを構成する印刷データで、保存された印刷データを置換し、「T」若しくは「t」である場合にはサフィックスが付与されたファイル名の印刷ジョブを構成する印刷データの印刷日時で印刷リストに登録された印刷日時を更新する。
また、印刷要求を行ったユーザが「userB」である場合、ファイル名に付与されたサフィックスが「N」である場合にそのサフィックスが付与されたファイル名の印刷ジョブを構成する印刷データで、保存された印刷データを置換する処理を行う。
さらに、印刷要求を行ったユーザが「userC」である場合、ファイル名に付与されたサフィックスが「D」若しくは「d」である場合にはサフィックスが付与されたファイル名の印刷ジョブを印刷リストおよび記憶領域から削除する。この「userC」の場合、ファイル名にサフィックスが指定されていない場合に印刷要求された印刷ジョブで指定されたファイル名の印刷データで、そのファイル名に対する保存されている印刷データを置換する。そして、この「userC」であって、サフィックスが「T」若しくは「t」である場合にはこのサフィックスが付与されたファイル名の印刷ジョブを構成する印刷データの印刷日時で印刷リストに登録された印刷日時を更新する。
このときの印刷要求元ユーザは、図17に示す印刷ジョブを構成する印刷制御データの日時指定プリント情報のジョブオーナー名の項目により判断する。
以上に示す実施の形態は、本発明の実施の一形態であって、これらの実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
なお、本発明は、通信機能を備えた印刷システムで上述の動作を実行させ、あるいは上述の手段を構成させるためのプログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをコンピュータにインストールし、これを実行させることにより、上述の処理を実行する印刷システムを構成することも可能である。印刷システムを構成するコンピュータは、システムバスを介してCPU(Central Processor Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクが接続されている。CPUは、ROMまたはハードディスクに記憶されているプログラムに従い、RAMを作業領域にして処理を行う。
また、プログラムを供給するための媒体は、通信媒体(通信回線、通信システムのように一時的または流動的にプログラムを保持する媒体)でもよい。例えば、通信ネットワークの電子掲示板(BBS:Bulletin Board Service)に該プログラムを掲示し、これを通信回線を介して配信するようにしてもよい。