JP2010232301A - ダイシングテープ及び半導体チップの製造方法 - Google Patents

ダイシングテープ及び半導体チップの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体ウェーハを精度よくダイシングでき、従って所望の形状の半導体チップを得ることができ、ピックアップの効率を高めることができるダイシングテープを提供する。
【解決手段】中間層4と、中間層4の一方の面4a側に配置された離型層2と、中間層4の他方の面4bに積層されたダイシング層5とを備え、中間層4が、中間層4の少なくとも一部の領域に粘着性を有する粘着部4Bを有し、離型層2と中間層4の粘着部4Bとが貼り付けられており、ダイシング層5の60℃での加熱収縮率が3.4%以下であり、かつダイシング層5の23℃での剛性率が17.5N/25mm以上であるダイシングテープ1。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウェーハをダイシングし、半導体チップを得るのに用いられるダイシングテープ、及び該ダイシングテープを用いた半導体チップの製造方法に関する。
従来、半導体ウェーハから半導体チップを切り出して、半導体チップを得るために、ダイシングテープが用いられている。また、半導体チップを基板等にダイボンディングするために、ダイボンディング層としての粘接着剤層を有するダイシングテープが用いられている。この粘接着剤層を有するダイシングテープは、ダイシング−ダイボンディングテープと呼ばれることもある。
下記の特許文献1には、上記ダイシング−ダイボンディングテープの一例が開示されている。図16に示すように、特許文献1に記載のダイシング−ダイボンディングテープ101は、基材シート102と、ダイアタッチフィルム103と、軽剥離フィルム104と、ダイシングフィルム105とがこの順で積層されて構成されている。ダイシングフィルム105は、基材層105aと粘着剤層105bとを有する。
基材シート102及びダイシングフィルム105は、ダイアタッチフィルム103及び軽剥離フィルム104の外周側面よりも側方に張り出している領域を有する。ダイアタッチフィルム103及び軽剥離フィルム104の外周側面よりも側方に張り出している領域において、ダイシングフィルム105が粘着剤層105b側から、基材シート102上に貼り付けられている。
特開2007−149748号公報
従来のダイシング−ダイボンディングテープ101を用いて半導体ウェーハをダイシングする際には、基材シート102を剥離して、ダイシングフィルム105の上記張り出している領域の粘着剤層105bと、ダイアタッチフィルム103とを露出させる。露出したダイアタッチフィルム103に半導体ウェーハを貼り付けて、かつ露出したダイシングフィルム105の粘着剤層105bにダイシングリングを貼り付ける。この貼り付けの際に、ダイシングフィルム105などに皺が生じないように、中心部から端部にかけてダイシングフィルム105に引張応力がかけられる。このため、貼り付けの後には、ダイシングフィルム105には、収縮力が作用している。従って、半導体ウェーハのダイシングの際にも、ダイシングフィルム105には、収縮力が作用している。
図17に半導体ウェーハを平面図で示すように、ダイシングフィルム105に収縮力が作用していることによって、直線状に半導体ウェーハ111をダイシングしようとしても、ダイシングの後にダイシングライン112が湾曲することがあった。従って、半導体ウェーハを精度良く切断することができず、所望の形状の半導体チップが得られないことがあった。
本発明の目的は、半導体ウェーハをダイシングし、半導体チップを得るのに用いられるダイシングテープであって、半導体ウェーハを精度よくダイシングでき、従って所望の形状の半導体チップを得ることができ、ピックアップの効率を高めることができるダイシングテープ、並びに該ダイシングテープを用いた半導体チップの製造方法を提供することである。
本発明の広い局面によれば、半導体ウェーハをダイシングし、半導体チップを得るのに用いられるダイシングテープであって、中間層と、前記中間層の一方の面側に配置された離型層と、前記中間層の他方の面に積層されたダイシング層とを備え、前記中間層が、前記中間層の少なくとも一部の領域に、粘着性を有する粘着部を有し、前記離型層と前記中間層の前記粘着部とが貼り付けられており、前記ダイシング層の60℃での加熱収縮率が3.4%以下であり、かつ前記ダイシング層の23℃での剛性率が17.5N/25mm以上である、ダイシングテープが提供される。
本発明に係るダイシングテープのある特定の局面では、前記中間層は、前記中間層の中央の領域に、非粘着性を有する非粘着部と、前記非粘着部を取り囲む前記中間層の外側部分の領域に、粘着性を有する前記粘着部とを有する。
本発明に係るダイシングテープの他の特定の局面では、前記中間層は、粘着性を有する粘着剤層である。
本発明に係るダイシングテープのさらに他の特定の局面では、前記離型層と前記中間層との間に配置された粘接着剤層をさらに備え、前記離型層、前記中間層及び前記ダイシング層が、前記粘接着剤層の外周側面よりも側方に張り出している領域を有し、前記中間層が、前記張り出している領域に前記粘着部を有し、前記粘接着剤層の外周側面よりも側方に張り出している領域において、前記離型層と前記中間層の前記粘着部とが貼り付けられており、前記離型層と前記中間層とにより前記粘接着剤層が覆われている。
上記粘接着剤層は、ダイボンディング層として用いられる部分である。すなわち、粘接着剤層は、半導体チップのピックアップの際に、半導体チップとともに取り出される部分である。
本発明に係るダイシングテープの別の特定の局面では、前記離型層と前記中間層との間に配置された基材層と粘接着剤層とをさらに備え、前記基材層が非粘着性を有し、前記基材層が前記中間層側に、かつ前記粘接着剤層が前記離型層側に配置されており、前記離型層、前記中間層及び前記ダイシング層が、前記基材層及び前記粘接着剤層の外周側面よりも側方に張り出している領域を有し、前記中間層が、前記張り出している領域に前記粘着部を有し、前記基材層及び前記粘接着剤層の外周側面よりも側方に張り出している領域において、前記離型層と前記中間層の前記粘着部とが貼り付けられており、前記離型層と前記中間層とにより前記基材層及び前記粘接着剤層が覆われている。
本発明に係るダイシングテープのさらに別の特定の局面では、前記離型層と前記中間層との間に配置されており、かつ非粘着性を有する基材層をさらに備え、前記離型層、前記中間層及び前記ダイシング層が、前記基材層の外周側面よりも側方に張り出している領域を有し、前記中間層が、前記張り出している領域に前記粘着部を有し、前記基材層の外周側面よりも側方に張り出している領域において、前記離型層と前記中間層の前記粘着部とが貼り付けられており、前記離型層と前記中間層とにより前記基材層が覆われている。
本発明に係る半導体チップの製造方法は、本発明に従って構成されたダイシングテープの前記離型層を剥離して、前記中間層を露出させる工程と、前記離型層を剥離しながら、又は前記離型層を剥離した後に、露出した前記中間層に半導体ウェーハを積層し、かつ前記中間層の前記粘着部にダイシングリングを貼り付ける工程と、前記半導体ウェーハをダイシングし、個々の半導体チップに分割する工程と、ダイシングの後に、前記半導体チップを剥離して、取り出す工程とを備える。
また、本発明に係る他の半導体チップの製造方法は、本発明に従って構成されたダイシングテープの前記離型層を剥離して、前記中間層の前記張り出している領域と、前記粘接着剤層とを露出させる工程と、前記離型層を剥離しながら、又は前記離型層を剥離した後に、露出した前記粘接着剤層に半導体ウェーハを積層し、かつ前記中間層の前記粘着部にダイシングリングを貼り付ける工程と、前記半導体ウェーハを前記粘接着剤層ごとダイシングし、個々の半導体チップに分割する工程と、ダイシングの後に、前記半導体チップが貼り付けられた前記粘接着剤層を剥離して、半導体チップを前記粘接着剤層ごと取り出す工程とを備える。
さらに、本発明に係る別の半導体チップの製造方法は、本発明に従って構成されたダイシングテープの前記離型層を剥離して、前記中間層の前記張り出している領域と、前記基材層とを露出させる工程と、前記離型層を剥離しながら、又は前記離型層を剥離した後に、露出した前記基材層に半導体ウェーハを積層し、かつ前記中間層の前記粘着部にダイシングリングを貼り付ける工程と、前記半導体ウェーハをダイシングし、個々の半導体チップに分割する工程と、ダイシングの後に、分割された前記半導体チップを剥離して、取り出す工程とを備える。
本発明に係るダイシングテープは、離型層と中間層とダイシング層とを備え、離型層と中間層の粘着部とが貼り付けられており、ダイシング層の60℃での加熱収縮率が3.4%以下であり、かつダイシング層の23℃での剛性率が17.5N/25mm以上であるので、半導体ウェーハを精度よくダイシングすることができ、従って所望の形状の半導体チップを得ることができ、ピックアップの効率を高めることができる。また、例えば、半導体ウェーハを直線状にダイシングすることができ、ダイシングラインが湾曲するのを抑制できる。
本発明に係る半導体チップの製造方法では、半導体ウェーハを精度よくダイシングできるので、所望の形状の半導体チップを得ることができ、ピックアップの効率を高めることができる。
図1(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係るダイシングテープを示す部分切欠正面断面図及び部分切欠平面図である。 図2は、半導体チップの製造に用いられる半導体ウェーハを示す平面図である。 図3は、本発明の第1の実施形態に係るダイシングテープを用いて半導体チップを製造する方法の一例を説明するための図であり、半導体ウェーハがステージ上に置かれた状態を示す正面断面図である。 図4は、本発明の第1の実施形態に係るダイシングテープの離型層を中間層の粘着部から剥離するときの状態を示す正面断面図である。 図5は、本発明の第1の実施形態に係るダイシングテープの離型層が中間層及び粘接着剤層から剥離された後の状態を示す正面断面図である。 図6は、本発明の第1の実施形態に係るダイシングテープを用いて、粘接着剤層に半導体ウェーハを貼り付けた状態を示す正面断面図である。 図7は、本発明の第1の実施形態に係るダイシングテープを用いて、粘接着剤層に貼り付けられた半導体ウェーハをダイシングし、個々の半導体チップに分割した状態を示す正面断面図である。 図8は、本発明の第2の実施形態に係るダイシングテープを示す部分切欠正面断面図である。 図9は、本発明の第3の実施形態に係るダイシングテープを示す部分切欠正面断面図である。 図10は、本発明の第4の実施形態に係るダイシングテープを示す部分切欠正面断面図である。 図11は、本発明の第4の実施形態に係るダイシングテープを用いて、半導体ウェーハを半導体チップに分割した状態を示す正面断面図である。 図12は、本発明の第5の実施形態に係るダイシングテープを示す部分切欠正面断面図である。 図13は、本発明の第5の実施形態に係るダイシングテープを用いて、半導体ウェーハを半導体チップに分割した状態を示す正面断面図である。 図14は、本発明の第6の実施形態に係るダイシングテープを示す部分切欠正面断面図である。 図15は、本発明の第6の実施形態に係るダイシングテープを用いて、半導体ウェーハを半導体チップに分割した状態を示す正面断面図である。 図16は、従来のダイシング−ダイボンディングテープの離型層を剥離するときの状態を示す部分切欠正面断面図である。 図17は、従来のダイシング−ダイボンディングテープを用いて、ダイシングが行われた半導体ウェーハを示す平面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態及び実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
(第1の実施形態)
図1(a)及び(b)に、本発明の第1の実施形態に係るダイシングテープを部分切欠正面断面図及び部分切欠平面図で示す。
図1(a)及び(b)に示すように、ダイシングテープ1は、離型層2と、粘接着剤層3と、中間層4と、ダイシング層5とを備える。中間層4の一方の面4aに、粘接着剤層3が積層されており、中間層4の一方の面4aとは反対側の他方の面4bに、ダイシング層5が積層されている。離型層2は、中間層4の一方の面4a側に配置されている。
粘接着剤層3の中間層4が貼り付けられた面とは反対側の表面3aに、離型層2が積層され、貼り付けられている。粘接着剤層3は、半導体チップのダイボンディングに用いられる層である。粘接着剤層3の離型層2が貼り付けられた表面3aは、半導体ウェーハが貼り付けられる面である。ダイシングテープ1は、粘接着剤層3を備えるので、ダイシング−ダイボンディングテープである。本明細書では、粘接着剤層を備えていないダイシングテープだけでなく、粘接着剤層を備えているダイシング−ダイボンディングテープも、ダイシングテープと呼ぶ。
粘接着剤層3、中間層4及びダイシング層5の平面形状は、円形である。中間層4の外周側面は、粘接着剤層3により覆われていない。平面視において、粘接着剤層3は、離型層2、中間層4及びダイシング層5よりも小さい。平面視において、ダイシング層5の大きさは、中間層4の大きさとほぼ等しい。
離型層2の形状は長尺状である。平面視において、離型層2は、中間層4及びダイシング層5よりも大きい。離型層2は、中間層4及びダイシング層5の外周側面よりも側方に張り出している領域を有する。
粘接着剤層3は離型層2及び中間層4よりも小さいので、粘接着剤層3は、離型層2と中間層4との間の一部の領域に配置されている。従って、離型層2は、中間層4に間接に積層された部分を有する。中間層4は、中間層4の中央の領域に非粘着性を有する非粘着部4Aを有する。中間層4の非粘着部4Aに、粘接着剤層3が積層されている。中間層4の非粘着部4Aは、粘接着剤層3の半導体ウェーハが貼り付けられる位置に対応する部分である。
「非粘着性」には、表面が粘着性を有しない場合だけでなく、表面を指で触ったときにくっつかない程度の粘着性を有する場合も含まれる。具体的には、「非粘着」とは、中間層4の非粘着部4Aをステンレス板に貼り付けて、23℃及び300mm/分の剥離速度で、非粘着部4Aをステンレス板から剥離したときに、粘着力が5g/25mm幅以下であることを意味する。
離型層2、中間層4及びダイシング層5は、粘接着剤層3の外周側面3bよりも側方に張り出している領域を有する。該張り出している領域は、中間層4の中央領域を取り囲む中間層4の外側部分の領域である。中間層4の外側部分の領域に、中間層4は、粘着性を有する粘着部4Bを有する。粘接着剤層3の外周側面3bよりも側方に張り出している領域において、離型層2と中間層4の粘着部4Bとが貼り付けられている。従って、離型層2は、中間層4に直接に積層された部分を有する。離型層2と中間層4とにより粘接着剤層3が覆われている。
粘接着剤層3の外周側面3bよりも側方に張り出している中間層4の領域の全ての領域が、粘着性を有する粘着部4Bである必要は必ずしもない。中間層は、中間層の少なくとも一部の領域に粘着性を有する粘着部を有していればよい。例えば、ダイシングリングを貼り付けることができるように、粘接着剤層3の外周側面3bよりも側方に張り出している中間層の外側部分の領域の少なくとも一部の領域に、中間層は、粘着性を有する粘着部を有していればよい。
このように、粘接着剤層3の外周側面3bよりも側方に張り出している中間層4の領域の少なくとも一部の領域に、中間層4が粘着性を有する粘着部4Bを有することにより、ダイシングの際に、中間層4の粘着部4Bに、ダイシングリングを容易に貼り付けることができる。
ダイシング層5の60℃での加熱収縮率は、3.4%以下である。さらに、ダイシング層の23℃での剛性率は、17.5N/25mm以上である。
ダイシングテープ1を用いて半導体ウェーハをダイシングする際には、粘接着剤層3に半導体ウェーハを貼り付けて、かつ中間層4の粘着部4bに、ダイシングリングを貼り付ける。この貼り付けの際に、ダイシング層5などに皺が生じないように、中心部から端部にかけてダイシング層5に引張応力がかけられる。従って、ダイシング層5は適度な引張応力を有する必要がある。また、ダイシング層5に引張応力がかけられることにより、貼り付けの後には、ダイシング層5には、収縮力が作用しやすい。すなわち、半導体ウェーハのダイシングの際には、ダイシング層5に収縮力が作用しやすい。
本願発明者らは、半導体ウェーハのダイシング性には、ダイシング層5の上記加熱収縮率及び上記剛性率が大きく関係しており、かつ半導体ウェーハを精度良くダイシングするためには、上記加熱収縮率及び上記剛性率がそれぞれ、上記範囲を満たすことが極めて重要であることを見出した。すなわち、本実施形態の主な特徴は、ダイシング層5の上記加熱収縮率及び上記剛性率がそれぞれ、上記範囲を満たすことにある。ダイシング層5の上記加熱収縮率及び上記剛性率がそれぞれ、上記範囲を満たす場合には、貼り付けの際に、ダイシング層5を適度に引き延ばすことができ、かつ半導体ウェーハのダイシングの際に、端部から中央部にかけての収縮力がダイシング層5に作用し難いため、半導体ウェーハを精度良くダイシングすることができる。従って、所望の形状の半導体チップを得ることができる。例えば、半導体ウェーハを直線状にダイシングすることができ、ダイシングの際に、ダイシングラインが湾曲するのを抑制できる。
ダイシング層5の60℃での加熱収縮率の好ましい上限は3.0%である。ダイシング層5の23℃での剛性率の好ましい下限は20.0N/25mmである。上記加熱収縮率及び上記剛性率の上限又は下限が上記値である場合には、半導体ウェーハをより一層精度良くダイシングすることができる。
ダイシング層5の60℃での加熱収縮率は、以下のようにして測定できる。
1辺がダイシング層の縦方向(MD)に平行になるように、210mm×297mmのサイズのダイシング層を採取する。さらに、ダイシング層を縦150mm及び横150mmの大きさに切り取る。その後、ダイシング層5に縦方向(MD)と横方向(TD)にそれぞれ150mmの長さの標線を引く。次に、60℃の乾燥機に24時間静置した後、標線の長さを測定し、下記に示す式により加熱収縮率を求める。また、ダイシング層5の縦方向(MD)と横方向(TD)との加熱収縮率を測定し、収縮率の大きい方向の加熱収縮率をダイシング層の加熱収縮率とする。
加熱収縮率(%)={(150−加熱後の標線長さ)/150}×100
ダイシング層5の23℃での剛性率は、以下のようにして測定できる。
ダイシング層を長さ(縦方向(MD))150mm及び幅25mmの大きさに切り出し、オリエンテック社製RTC−1310Aを用いて、引張速度300mm/分の条件で、ダイシング層5の破断点での荷重を剛性率として測定する。
中間層4の非粘着部4Aと粘着部4Bとは一体的に形成されている。中間層4は、例えば、活性エネルギー線硬化型又は熱硬化型の粘着性を有する組成物を用いて形成できる。活性エネルギー線硬化型の組成物の場合には、組成物に対する活性エネルギー線の照射量を部分的に調整することにより、中間層4の粘着性を部分的に異ならせることができる。なお、組成物は後述する。
中間層4の中央の領域すなわち非粘着部4Aは、粘着性を有する粘着部であってもよい。この場合に、中間層の中央の領域の粘着力は、粘着部4Bの粘着力と同一であってもよく、異なっていてもよい。ただし、粘接着剤層3付き半導体チップを中間層4からより一層容易に剥離できるので、中間層4は、中間層4の中央の領域に、非粘着部4Aを有することが好ましい。
図1(b)に示すように、長尺状の離型層2の上面2aに、粘接着剤層3、中間層4及びダイシング層5を有する複数の積層体が等間隔に配置されている。また、離型層2の上面2aに保護シート6,7が設けられている。なお、保護シート6,7は設けられていなくてもよい。また、離型層2、粘接着剤層3、中間層4及びダイシング層5の厚み及び形状は特に限定されない。
(第1の実施形態に係るダイシングテープを用いた半導体チップの製造方法)
次に、図2〜図7を用いて、上述した本発明の第1の実施形態に係るダイシングテープ1を用いた場合の半導体チップの製造方法の一例を、以下説明する。
先ず、ダイシングテープ1と、半導体ウェーハ21とを用意する。
図2に示すように、半導体ウェーハ21の平面形状は円形である。半導体ウェーハ21の表面21aには、ストリートによってマトリックス状に区画された各領域に、個々の半導体チップを構成するための回路が形成されている。
半導体ウェーハ21の厚みは、30μm以上であることが好ましい。半導体ウェーハ21の厚みが薄いと、研削時又はハンドリング時に、クラック等が発生し、半導体チップが破損することがある。
図3に示すように、半導体ウェーハ21を裏返して、裏返された半導体ウェーハ21をステージ22上に載せる。すなわち、半導体ウェーハ21を表面21a側からステージ22上に載せる。ステージ22上には、半導体ウェーハ21の外周側面21cから一定間隔を隔てられた位置に、円環状のダイシングリング23が設けられている。
また、図4に示すように、ダイシングテープ1の離型層2を剥離する。離型層2の剥離の際には、一般的には、中間層4の外周縁4c部分から、離型層2を剥離する。例えば、中間層4の外周縁4c部分の離型層2を折り曲げたり、離型層2の中間層4が積層された面とは反対側の面側から、ピンにより中間層4の外周縁4cを突き上げることにより、離型層2を剥離できる。図5に示すように、離型層2を剥離すると、粘接着剤層3の表面3aと、中間層4の張り出している外側部分の領域すなわち粘着部4Bとが露出される。
次に、図6に示すように、ダイシングテープ1の離型層2を剥離しながら、又は離型層2を剥離した後に、露出した粘接着剤層3の表面3aを、半導体ウェーハ21の裏面21bに貼り付ける。粘接着剤層3の外周側面3bよりも側方に張り出している領域に、中間層4は粘着性を有する粘着部4Bを有する。ダイシングテープ1の離型層2を剥離しながら、又は離型層2を剥離した後に、露出した中間層4の粘着部4Bを、ダイシングリング23に貼り付ける。
平面視において、半導体ウェーハ21は、粘接着剤層3よりも小さいことが好ましい。半導体ウェーハ21と粘接着剤層3との大きさが上記好ましい関係を満たすと、半導体ウェーハ21の貼り合わせが容易となり、作業性をより一層高めることができる。
平面視において、粘接着剤層3は非粘着部4Aよりも小さいことが好ましい。粘接着剤層3と非粘着部4Aとの大きさが上記好ましい関係を満たすと、ダイシングに使用される切断刃が粘着部4Bに触れることがない。このため、粘着部4Bがダイシングブレードに付着し、ダイシングブレードが汚染されることがない。従って、ダイシングとピックアップとの作業効率をより一層高めることができる。
次に、粘接着剤層3が貼り付けられた半導体ウェーハ21をステージ22から取り出して、裏返す。このとき、ダイシングリング23が中間層4の粘着部4Bに貼り付けられた状態で取り出される。
図7に示すように、取り出した半導体ウェーハ21を表面21aが上方になるように裏返して、別のステージ24上に載せる。次に、図7に矢印Xを付して示すように、半導体ウェーハ21を粘接着剤層3ごとダイシングし、個々の半導体チップに分割する。半導体ウェーハ21及び粘接着剤層3をそれぞれ、両面を貫通するように切断する。切断の後に、粘接着剤層3及び中間層4に切断面31が形成される。
本実施形態では、ダイシング層5の上記加熱収縮率及び上記剛性率が上記範囲内にあるため、半導体ウェーハを精度良くダイシングすることができる。例えば、半導体ウェーハ21を直線状にダイシングすることができる。具体的には、図2に示すように、ストリートによってマトリックス状に区画された各領域ごとに、半導体ウェーハ21を精度よく分割できる。
ダイシングは、半導体ウェーハ21及び粘接着剤層3を貫通するように行われれば特に限定されない。例えば、粘接着剤層3と中間層4との界面よりも深い位置に至るようにダイシングブレードを挿入し、中間層4に切り込みを形成してもよい。
半導体ウェーハ21をダイシングする方法としては、ダイシングブレードを用いる方法、又はレーザーダイシングする方法等が挙げられる。
中間層4の非粘着部4Aが、例えば硬化されている場合には、非粘着部4Aがレーザー光の照射により反応し難い。このため、中間層4が粘接着剤層3に融着し難い。従って、レーザー光を用いたダイシングを行った場合でも、半導体チップのピックアップを無理なく行うことができる。
半導体ウェーハをダイシングし、個々の半導体チップに分割した後、ダイシング層5を引き延ばして、分割された個々の半導体チップ間の間隔を拡張する。その後、半導体チップが貼り付けられた粘接着剤層3を中間層4から剥離して、取り出す。このようにして、粘接着剤層3付き半導体チップを得ることができる。
中間層4は、アクリル系ポリマーを含む組成物により形成されていることが好ましい。組成物は、粘着性を有することが好ましい。組成物は、粘着剤組成物であることが好ましい。組成物としては、熱硬化型又は活性エネルギー線硬化型の組成物が挙げられる。中間層4の粘着力をより一層容易に制御できるので、組成物は、活性エネルギー線硬化型の組成物であることが好ましい。
(中間層4の詳細)
中間層4は、アクリル系ポリマーを含む組成物を架橋させた架橋体により形成されていることが好ましい。この場合には、ダイシングの際の切削性をより一層高くすることができる。
上記組成物中の樹脂分の合計100重量%中、上記アクリル系ポリマーの含有量は50重量%以上であることが好ましい。アクリル系ポリマーを含む組成物により形成された中間層は、ポリオレフィン系樹脂により形成された層等と比べて、柔らかい。このため、ダイシングの際の切削性をより一層高くすることができる。
上記アクリル系ポリマーは特に限定されない。上記アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーであることが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーとして、炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーが好適に用いられる。炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーの使用により、中間層4の極性を充分に低くすることができ、中間層4の表面エネルギーを低くすることができ、かつ粘接着剤層3の中間層4からの剥離性を高くすることができる。上記アルキル基の炭素数が18を超えると、中間層4の製造が困難になることがある。上記アルキル基の炭素数は、6以上であることが好ましい。この場合には、中間層4の極性をより一層低くすることができる。上記「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸又はアクリル酸を意味する。
上記アクリル系ポリマーは、炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを主モノマーとして用いて得られたポリマーであることが好ましい。上記アクリル系ポリマーは、上記主モノマーと、官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させて得られた(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーであることがより好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーのアルキル基の炭素数は2以上であることが好ましく、6以上であることが特に好ましい。上記アクリル系ポリマーの重量平均分子量は20万〜200万程度である。
上記他の改質用モノマーは特に限定されない。上記他の改質用モノマーは、カルボキシル基を有するモノマーではないことが好ましい。カルボキシル基を有するモノマーが用いられた場合、中間層4の極性が高くなる。この結果、ピックアップ性が低下することがある。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーは特に限定されない。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーは、炭素数1〜18のアルキル基を有する一級又は二級のアルキルアルコールと、(メタ)アクリル酸とのエステル化反応により得られた(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーであることが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル又は(メタ)アクリル酸ラウリル等が挙げられる。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記官能基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル又は(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー等が挙げられる。
上記アクリル系ポリマーは、反応性二重結合を有する硬化型アクリル系ポリマーであることが好ましい。この場合には、該硬化型アクリル系ポリマーを含む組成物を架橋させた架橋体の架橋密度を高くすることができる。上記硬化型アクリル系ポリマーとして、反応性二重結合を側鎖又は主鎖中もしくは主鎖末端に有する硬化型アクリル系ポリマー等が挙げられる。
上記アクリル系ポリマーに反応性二重結合を導入する方法は、特に制限されない。分子設計が容易であるため、上記反応性二重結合は、側鎖に導入されていることが好ましい。例えば、アクリル系ポリマーに官能基含有モノマーが共重合された官能基含有アクリル系ポリマーを用意した後に、この官能基(以下、官能基Aともいう)と反応し得る官能基(以下、官能基Bともいう)、及び反応性二重結合の両方を有する化合物(以下、化合物Cともいう)を、反応性二重結合が残存するように、上記官能基含有アクリル系ポリマーに縮合反応又は付加反応によって導入する方法が挙げられる。
上記官能基Aと官能基Bとの組合せの例としては、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジル基、又は水酸基とイソシアネート基等の組合せが挙げられる。これら官能基の組合せのなかでも、反応を容易に制御できるため、水酸基とイソシアネート基との組合せが好適である。また、これら官能基の組み合わせでは、どの官能基を上記官能基含有アクリル系ポリマーが含有していてもよく、またどの官能基を上記化合物Cが含有していてもよい。水酸基を有する官能基含有アクリル系ポリマーと、イソシアネート基を有する上記化合物の組合せが好ましい。
上記イソシアネート基及び反応性二重結合を有するイソシアネート化合物としては、例えば、メタクリロイルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、又はm−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられる。
上記組成物は、アクリル基と反応可能な二重結合を有し、かつ重量平均分子量が500〜50,000の範囲内にあるオリゴマーをさらに含んでいてもよい。
上記組成物は、紫外線吸収材を含んでいてもよい。また、組成物は、活性エネルギー線反応開始剤及び熱反応開始剤の内の少なくとも一方を含むことが好ましく、活性エネルギー線反応開始剤を含むことがより好ましい。活性エネルギー線反応開始剤は、光反応開始剤であることが好ましい。
上記活性エネルギー線には、紫外線、電子線、α線、β線、γ線、X線、赤外線及び可視光線が含まれる。これらの活性エネルギー線のなかでも、硬化性に優れ、かつ硬化物が劣化し難いため、紫外線又は電子線が好ましい。
上記光反応開始剤は特に限定されない。上記光反応開始剤として、例えば、光ラジカル発生剤又は光カチオン発生剤等を使用できる。また、上記熱反応開始剤は特に限定されない。上記熱反応開始剤としては、熱ラジカル発生剤等が挙げられる。
上記光ラジカル発生剤は特に限定されない。上記光ラジカル発生剤の市販品としては、例えば、イルガキュア184、イルガキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア819、イルガキュア651、イルガキュア369及びイルガキュア379(以上、いずれもチバ・スペシャリティーケミカルズ社製)、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、並びにルシリンTPO(BASF Japan社製)等が挙げられる。
上記光カチオン発生剤として、オニウム塩類又は有機金属錯体類を使用できる。上記オニウム塩類としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩又は芳香族スルホニウム塩等が挙げられる。上記有機金属錯体類としては、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体又はアリールシラノール−アルミニウム錯体等が挙げられる。
上記熱ラジカル発生剤としては、有機過酸化物又はアゾ化合物等が挙げられる。上記有機過酸化物としては、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート又はt−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等が挙げられる。上記アゾ化合物としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)又はジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等が挙げられる。
上記組成物には、粘着力を制御するためにイソシアネート系架橋剤を添加してもよい。イソシアネート系架橋剤は特に限定されない。イソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンイソシアネート、イソプロピリデンビスシクロヘキシルジイソシアネート又はトリジンジイソシアネート等のイソシアネートモノマー等が挙げられる。これらイソシアネートモノマーの二量体、三量体及び付加体を用いてもよい。上記付加体の市販品としては、コロネートL、コロネートHL、コロネート2030及びミリオネートMR(以上、いずれも日本ポリウレタン工業社製)等が挙げられる。
中間層4の厚みは特に限定されない。中間層4の厚みは、1〜100μmの範囲内にあることが好ましい。中間層4の厚みのより好ましい下限は5μmであり、より好ましい上限は60μmである。中間層4の厚みが薄すぎると、エクスパンド性が不足することがある。中間層4の厚みが厚すぎると、厚みが不均一になり、ダイシングを適切に行えないことがある。
中間層4は、例えば上記組成物を用いて、以下のようにして得られる。
中間層4を形成するための粘着性を有する組成物層を、例えば離型層上に形成する。次に、部分的に、活性エネルギー線の照射及び熱の付与の内の少なくとも一つの処理を行う。または、部分的に、活性エネルギー線の照射量又は熱量を異ならせる。活性エネルギー線硬化もしくは熱硬化により、又は活性エネルギー線硬化及び熱硬化により、組成物層を硬化(架橋)させる。
活性エネルギー線の照射又は熱の付与により、粘接着剤層3に貼り付けられている中間層4の中央の領域に、非粘着性を有する非粘着部4Aと、粘接着剤層3の外周側面3aよりも側方に張り出している中間層4の領域に、粘着性を有する粘着部4Aとを有する中間層4を得ることができる。
活性エネルギー線硬化を用いることが好ましく、光硬化を用いることが特に好ましい。活性エネルギー線硬化の場合には、非粘着部4Aを所望の位置により一層容易に形成できる。
非粘着部4Aの架橋密度は、粘着部4Bの架橋密度よりも高いことが好ましい。中間層4の形成の際に、例えば、活性エネルギー線硬化型の組成物に対する活性エネルギー線の照射量を大きくすることにより、架橋密度を高くすることができる。
(ダイシング層5の詳細)
ダイシング層5は特に限定されない。ダイシング層5を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂などのプラスチック樹脂等が挙げられる。
ダイシング層5の厚みは特に限定されない。ダイシング層5の厚みは、10〜200μmの範囲内にあることが好ましい。ダイシング層5の厚みのより好ましい下限は60μmであり、より好ましい上限は150μmである。ダイシング層5の厚みが上記範囲内にあると、離型層2の剥離性及びダイシング層5のエクスパンド性をより一層高くすることができる。
(離型層2の詳細)
離型層2を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂などのプラスチック樹脂等が挙げられる。
離型層2の厚みは特に限定されない。離型層2の厚みは、10〜100μmの範囲内にあることが好ましい。離型層2の厚みのより好ましい下限は25μmであり、より好ましい上限は50μmである。離型層2の厚みが上記範囲内にあると、離型層2の取扱い性又は剥離性をより一層高くすることができる。
(粘接着剤層3の詳細)
粘接着剤層3は、半導体チップを基板又は他の半導体チップ等に接合するために用いられる。粘接着剤層3は、ダイシングの際に、半導体ウェーハごと切断される。
粘接着剤層3は、例えば適宜の硬化性樹脂を含む硬化性樹脂組成物、又は熱可塑性樹脂等により形成される。硬化前の上記硬化性樹脂組成物は柔らかいので、外力により容易に変形する。粘接着剤層3付き半導体チップを得た後に、得られた粘接着剤層3付き半導体チップを粘接着剤層3側から基板等の被着体に積層する。その後、熱又は光のエネルギーを与えて、粘接着剤層3を硬化させることにより、粘接着剤層3を介して、被着体に半導体チップを強固に接合させることができる。上記硬化性樹脂にかえて、熱可塑性樹脂を用いてもよい。
上記硬化性樹脂は特に限定されない。上記硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂は特に限定されない。上記熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂又はポリウレタン樹脂等が挙げられる。上記光硬化性樹脂は特に限定されない。上記光硬化性樹脂としては、例えば感光性オニウム塩等の光カチオン触媒により重合するエポキシ樹脂、又は感光性ビニル基を有するアクリル樹脂等が挙げられる。また、上記硬化性樹脂として、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル酸メチル又はホットメルト型接着樹脂が好適に用いられる。上記ホットメルト型接着樹脂としては、アクリル酸ブチル等を主なモノマー単位とするポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ樹脂は特に限定されない。上記エポキシ樹脂は、多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂であることが好ましい。上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂は特に限定されない。上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂としては、例えば、ジシクロペンタジエンジオキシド、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、テトラヒドロキシフェニルエタン型エポキシ樹脂、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、又は3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボネート等が挙げられる。
上記硬化性樹脂とともに、上記エポキシ基と反応する官能基を有する高分子ポリマーを用いてもよい。上記エポキシ基を有する高分子ポリマーとしては、例えば、エポキシ基含有アクリルゴム、エポキシ基含有ブタジエンゴム、ビスフェノール型高分子量エポキシ樹脂、エポキシ基含有フェノキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、エポキシ基含有ウレタン樹脂又はエポキシ基含有ポリエステル樹脂等が挙げられる。上記エポキシ基を有する高分子ポリマーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化性樹脂組成物を硬化させるために、硬化剤が用いられる。硬化剤は特に限定されない。上記硬化剤としては、例えば、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等の加熱硬化型酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤もしくはジシアンジアミド等の潜在性硬化剤、又はカチオン系触媒型硬化剤等が挙げられる。上記硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、硬化速度又は硬化物の物性等を調整するために、上記硬化剤と、硬化促進剤とを併用してもよい。
粘接着剤層3の厚みは特に限定されない。粘接着剤層3の厚みは、1〜100μmの範囲内にあることが好ましい。粘接着剤層3の厚みのより好ましい下限は3μmであり、より好ましい上限は60μmである。粘接着剤層3の厚み上記範囲内にあると、粘接着剤層3を介して半導体チップを基板上により一層容易に貼り付けることができ、又は半導体装置の薄型化に対応できる。
(第2の実施形態)
図8に、本発明の第2の実施形態に係るダイシングテープを部分切欠正面断面図で示す。図8に示すダイシングテープ51は、中間層が異なること以外は、ダイシングテープ1と同様に構成されている。ダイシングテープ51は、ダイシング−ダイボンディングテープである。ダイシングテープ1と同様に構成されているところは同一の符号を付してその説明を省略する。
ダイシングテープ51は、中間層52を備える。粘接着剤層3に貼り付けられている中間層52の中央の領域に、中間層52は、非粘着性を有する非粘着部52Aを有する。中間層52は、粘接着剤層3の外周側面3bよりも側方に張り出している領域を有する。張り出している領域の中間層52の内側部分の領域に、中間層52は、粘着性を有する粘着部52Bを有する。張り出している領域の中間層52の外側部分の領域に、中間層52は、非粘着性を有する非粘着部52Cを有する。すなわち、中間層52の外周縁の領域に、中間層52は非粘着部52Cを有する。粘接着剤層3の外周側面3bよりも側方に張り出している領域において、離型層2と中間層52の粘着部52Bとが貼り付けられている。離型層2と中間層52とにより粘接着剤層3が覆われている。平面視において中間層52は、中心部から端部にかけて、非粘着部52Aと、粘着部52Bと、非粘着部52Cとを有する。
中間層52は、中間層4を構成する材料により形成できる。例えば、活性エネルギー線硬化型又は熱硬化型の組成物を用いて、非粘着部52A,52Cと粘着部52Bとを形成するために、組成物に付与する活性エネルギー線の照射量又は熱量を部分的に異ならせればよい。
(第3の実施形態)
図9に、本発明の第3の実施形態に係るダイシングテープを部分切欠正面断面図で示す。図9に示すダイシングテープ61は、中間層が異なること以外は、ダイシングテープ1と同様に構成されている。ダイシングテープ61は、ダイシング−ダイボンディングテープである。
ダイシングテープ61は、中間層62を備える。中間層62は、粘着性を有する粘着部である。すなわち、中間層62は、粘着性を有する粘着剤層である。中間層62は、粘接着剤層3の外周側面3bよりも側方に張り出している領域を有する。粘接着剤層3の外周側面3bよりも側方に張り出している領域において、離型層2と粘着性を有する中間層62とが貼り付けられている。離型層2と中間層62とにより粘接着剤層3が覆われている。
中間層62は、中間層4を構成する材料により形成できる。例えば、活性エネルギー線硬化型又は熱硬化型の組成物を用いて、中間層62を形成するために、組成物に活性エネルギー線又は熱を付与しなかったり、組成物に付与する活性エネルギー線の照射量又は熱量を少なくすればよい。
さらに、中間層62を構成する材料の他の具体例として、アクリル系粘着剤、特殊合成ゴム系粘着剤、合成樹脂系粘着剤又はゴム系粘着剤等が挙げられる。なかでも、感圧タイプのアクリル系粘着剤が好ましい。感圧タイプのアクリル系粘着剤の使用により、ダイシングリングを中間層62からより一層容易に剥離できる。さらに、中間層62のコストを低減できる。
(第4の実施形態)
図10に、本発明の第4の実施形態に係るダイシングテープを部分切欠正面断面図で示す。図10に示すダイシングテープ71は、基材層をさらに備えること以外は、ダイシングテープ61と同様に構成されている。ダイシングテープ71は、ダイシング−ダイボンディングテープである。
ダイシングテープ71は、基材層72を備える。基材層72が中間層62側に、粘接着剤層3が離型層2側に配置されている。平面視において、粘接着剤層3は、基材層72よりも小さい。平面視において、基材層72は、中間層62、ダイシング層5及び離型層2よりも小さい。平面視において、粘接着剤層3は基材層72よりも小さいことが好ましい。
基材層72は、非粘着性を有する。粘接着剤層3及び基材層72は離型層2及び中間層62よりも小さいので、粘接着剤層3及び基材層72は、離型層2と中間層62との間の一部の領域に配置されている。
離型層2、中間層62及びダイシング層5は、基材層72及び粘接着剤層3の外周側面72a,3bよりも側方に張り出している領域を有する。中間層62は全体が粘着部であるため、中間層62は上記張り出している領域に粘着部を有する。基材層72及び粘接着剤層3の外周側面72a,3bよりも側方に張り出している領域において、離型層2と粘着性を有する中間層62とが貼り付けられている。離型層2と中間層62とにより基材層72及び粘接着剤層3が覆われている。
基材層72は、上述した中間層4を構成する材料により形成できる。例えば、活性エネルギー線硬化型又は熱硬化型の組成物を用いて、活性エネルギー線の照射量又は熱量を多くし、組成物を充分に硬化(架橋)させることにより、基材層72を形成できる。
基材層72を備える場合の中間層62の厚みの好ましい範囲は、中間層4の厚みと同様である。また、基材層72の厚み特に限定されない。基材層72の厚みは、1〜100μmの範囲内にあることが好ましい。基材層72の厚みのより好ましい下限は5μmであり、より好ましい上限は60μmである。基材層72の厚みが薄すぎると、エクスパンド性が不足することがある。基材層72の厚みが厚すぎると、厚みが不均一になることがある。厚みが不均一であると、ダイシングを適切に行えないことがある。
ダイシングテープ71を用いて半導体チップを製造する際には、先ずダイシングテープ71の離型層2を剥離して、粘着部である中間層62の張り出している領域と、粘接着剤層3とを露出させる。図11に示すように、離型層2を剥離しながら、又は離型層2を剥離した後に、露出した粘接着剤層3に半導体ウェーハを積層し、かつ粘着部である中間層62にダイシングリング23を貼り付ける。次に、半導体ウェーハをダイシングし、個々の半導体チップに分割する。ダイシングの後に、分割された半導体チップを剥離して、取り出す。
ダイシングの後に、半導体チップが貼り付けられた粘接着剤層3は、非粘着性を有する基材層72に積層されている。このため、粘接着剤層3付き半導体チップを基材層72から容易に剥離して、取り出すことができる。
(第5の実施形態)
図12に、本発明の第5の実施形態に係るダイシングテープを部分切欠正面断面図で示す。図12に示すダイシングテープ81は、粘接着剤層を備えていないこと以外は、ダイシングテープ71と同様に構成されている。
ダイシングテープ81は、粘接着剤層3を備えていない。基材層72は離型層2及び中間層62よりも小さいので、基材層72は、離型層2と中間層62との間の一部の領域に配置されている。
離型層2、中間層62及びダイシング層5は、基材層72の外周側面72aよりも側方に張り出している領域を有する。中間層62は全体が粘着部であるため、中間層62は上記張り出している領域に粘着部を有する。基材層72の外周側面72aよりも側方に張り出している領域において、離型層2と粘着性を有する中間層62とが貼り付けられている。離型層2と中間層62とにより基材層72が覆われている。
ダイシングテープ81を用いて半導体チップを製造する際には、先ずダイシングテープ81の離型層2を剥離して、粘着部である中間層62の張り出している領域と、基材層72とを露出させる。図13に示すように、離型層2を剥離しながら、又は離型層2を剥離した後に、露出した基材層72に半導体ウェーハを積層し、かつ粘着部である中間層62にダイシングリング23を貼り付ける。次に、半導体ウェーハをダイシングし、個々の半導体チップに分割する。ダイシングの後に、分割された半導体チップを剥離して、取り出す。
(第6の実施形態)
図14に、本発明の第6の実施形態に係るダイシングテープを部分切欠正面断面図で示す。図14に示すダイシングテープ91は、粘接着剤層を備えていないこと以外は、ダイシングテープ1と同様に構成されている。
ダイシングテープ91は、粘接着剤層3を備えていない。離型層2と、粘着性を有する中間層4の粘着部4Bとが貼り付けられている。中間層4にかえて、中間層52又は中間層62を用いてもよい。
ダイシングテープ91を用いて半導体チップを製造する際には、先ずダイシングテープ91の離型層2を剥離して、中間層4を露出させる。図15に示すように、離型層2を剥離しながら、又は離型層2を剥離した後に、露出した中間層4に半導体ウェーハを積層し、かつ中間層4の粘着部4Bにダイシングリング23を貼り付ける。次に、半導体ウェーハをダイシングし、個々の半導体チップに分割する。ダイシングの後に、分割された半導体チップを剥離して、取り出す。
以下、実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
2−エチルヘキシルアクリレート95重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5重量部、光ラジカル発生剤としてのイルガキュア651(チバガイギー社製、50%酢酸エチル溶液)0.2重量部、及びラウリルメルカプタン0.01重量部を酢酸エチルに溶解させ、溶液を得た。この溶液に紫外線を照射して重合を行い、ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。さらに、この溶液の固形分100重量部に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、カレンズMOI)を3.5重量部反応させて(メタ)アクリル樹脂架橋体であるアクリル共重合体を得た。アクリル共重合体は、重量平均分子量が70万であり、酸価が0.86(mgKOH/g)であった。
得られたアクリル共重合体100重量部、U−324A(新中村化学工業社製、ウレタンアクリルオリゴマー)2重量部、光ラジカル発生剤としてのイルガキュア651(チバガイギー社製)1重量部、及びコロネートL(日本ポリウレタン工業社製、イソシアネート系架橋剤)0.5重量部を配合し、酢酸エチルに溶解し、組成物を得た。この組成物を離型PETフィルム上にアプリケーターを用いて塗工し、110℃で3分間加熱乾燥し、厚み20μmのフィルム状の組成物層を形成した。この組成物層にダイシング層を貼り合わせて、40℃で24時間保管し、積層体を得た。なお、上記ダイシング層は、LDPE(プライムポリマー社製、M12)を原料として用いて、Tダイ法により、厚み60μmに製造した(DC1)。上記ダイシング層の上記中間層が貼り合わされた面にはコロナ処理を施した。
また、G−2050M(日本油脂社製、エポキシ基含有アクリル系高分子ポリマー、重量平均分子量Mw20万)15重量部と、EXA−7200HH(大日本インキ社製、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)80重量部と、HP−4032D(大日本インキ社製、ナフタレン型エポキシ樹脂)5重量部と、YH−309(ジャパンエポキシレジン社製、酸無水物系硬化剤)35重量部と、2MAOK−PW(四国化成社製、イミダゾール)8重量部と、S320(チッソ社製、アミノシラン)2重量部とを配合し、配合物を得た。この配合物をアプリケーターにて厚さ40μmになるようにリンテック社製PET38CS上に塗布し、110℃で3分間加熱乾燥して、粘接着剤層を得た。
得られた積層体の離型PETフィルムを剥がし、露出した組成物層を、PET38CS上の粘接着剤層と貼り合わせ、積層体を得た。次に、組成物層の中央の領域に高圧水銀灯下で365nmの紫外線を2000mJで照射し、中間層を形成した。紫外線照射部が粘接着剤層よりも大きくなるようにした。粘接着剤層の外周側面よりも側方に張り出している領域において、粘着部としての紫外線未照射部をPET38CS上に貼り合わせ、かつ紫外線照射部をPET38CS上に積層した。このようにしてダイシングテープを得た。
(実施例2)
ダイシング層の厚みを50μmに変更したこと(DC2)以外は、実施例1と同様にしてダイシングテープを得た。
(実施例3)
ダイシング層の原料をHDLE(プライムポリマー社製3300F)に変更したこと、並びにダイシング層の厚みを50μmに変更したこと(DC3)以外は、実施例1と同様にしてダイシングテープを得た。
(比較例1)
ダイシング層の厚みを40μmに変更したこと(DC4)以外は、実施例1と同様にしてダイシングテープを得た。
(比較例2)
ダイシング層を積水化学工業社製PEテープ(6318B)に変更し、ダイシング層の厚みを60μmにしたこと(DC5)以外は、実施例1と同様にしてダイシングテープを得た。
(加熱収縮率の評価)
1辺がダイシング層の縦方向(MD)に平行になるように、210mm×297mmのサイズのダイシング層を採取した。さらに、ダイシング層を縦150mm及び横150mmの大きさに切り取った。次に、ダイシング層に縦方向(MD)と横方向(TD)にそれぞれ150mmの長さの標線を引いた。次に、60℃の乾燥機に24時間静置した後、標線の長さを測定し、下記に示す式により加熱収縮率を求めた。また、ダイシング層の縦方向(MD)と横方向(TD)との加熱収縮率を測定し、収縮率の大きい方向の加熱収縮をダイシング層の加熱収縮率とした。
加熱収縮率(%)={(150−加熱後の標線長さ)/150}×100
(剛性率の評価)
ダイシング層を長さ(縦方向(MD))150mm及び幅25mmの大きさに切り出し、オリエンテック社製RTC−1310Aを用いて、引張速度300mm/分の条件で、ダイシング層の破断点での荷重を剛性率として測定した。
(カーフラインのシフト評価)
ダイシング時の溝(ダイシングライン)が湾曲しているか否かを、ダイシングによって分割された半導体チップの移動量(カーフラインのシフト量)によって評価した。
得られたダイシングテープを用いて、タカトリ社製ダイシート貼り機DAM−812MSにて、離型PETフィルムを剥離し、送り速度45mm/秒で、露出した粘接着剤層を直径8インチ及び厚み80μmのシリコンウェーハの一方の面に60℃の温度でラミネートし、評価サンプルを作製した。また、この評価サンプルがダイシングできるように、中間層にダイシングリングに貼り合わせた。
ダイシング装置DFD651(ディスコ社製)を用いて、送り速度50mm/秒で、評価サンプル10mm×10mmのチップサイズにダイシングした。ダイシングはダイシング層の縦方向に平行及び垂直に行った。
ダイシングの後のダイシングリング付きの評価サンプルのカーフラインのシフト量を全てのダイシングラインで測定し、最も移動量が大きいものを評価サンプルのカーフラインのシフト量とした。
なお、カーフラインのシフト量は0mmであることが好ましい。カーフラインのシフト量が0.080mm以内であれば問題なくピックアップできる。また、カーフラインのシフト量が0.080mmよりも大きいと、ピックアップ効率が下がる。
(ピックアップの評価)
ダイシング後に、ダイボンダーbestem D−02(キヤノンマシナリー社製)を用いて、コレットサイズ8mm角、突き上げ速度5mm/秒、及びエキスパンド4mmの各条件で、分割された半導体チップの連続ピックアップを行った。100個の半導体チップ中、ピックアップできなかった半導体チップの個数を数えた。
結果を下記の表1に示す。
Figure 2010232301
1…ダイシングテープ
2…離型層
2a…上面
3…粘接着剤層
3a…表面
3b…外周側面
4…中間層
4a…一方の面
4b…他方の面
4c…外周縁
4A…非粘着部
4B…粘着部
5…ダイシング層
6,7…保護シート
21…半導体ウェーハ
21a…表面
21b…裏面
21c…外周側面
22…ステージ
23…ダイシングリング
24…ステージ
31…切断面
51…ダイシングテープ
52…中間層
52A…第1の非粘着部
52B…粘着部
52C…第2の非粘着部
61…ダイシングテープ
62…中間層
71…ダイシングテープ
72…基材層
72a…外周側面
81…ダイシングテープ
91…ダイシングテープ

Claims (9)

  1. 半導体ウェーハをダイシングし、半導体チップを得るのに用いられるダイシングテープであって、
    中間層と、
    前記中間層の一方の面側に配置された離型層と、
    前記中間層の他方の面に積層されたダイシング層とを備え、
    前記中間層が、前記中間層の少なくとも一部の領域に粘着性を有する粘着部を有し、前記離型層と前記中間層の前記粘着部とが貼り付けられており、
    前記ダイシング層の60℃での加熱収縮率が3.4%以下であり、かつ前記ダイシング層の23℃での剛性率が17.5N/25mm以上である、ダイシングテープ。
  2. 前記中間層が、前記中間層の中央の領域に、非粘着性を有する非粘着部と、前記非粘着部を取り囲む前記中間層の外側部分の領域に、粘着性を有する前記粘着部とを有する、請求項1に記載のダイシングテープ。
  3. 前記中間層が粘着性を有する粘着剤層である、請求項1又は2に記載のダイシングテープ。
  4. 前記離型層と前記中間層との間に配置された粘接着剤層をさらに備え、
    前記離型層、前記中間層及び前記ダイシング層が、前記粘接着剤層の外周側面よりも側方に張り出している領域を有し、
    前記中間層が、前記張り出している領域に前記粘着部を有し、
    前記粘接着剤層の外周側面よりも側方に張り出している領域において、前記離型層と前記中間層の前記粘着部とが貼り付けられており、前記離型層と前記中間層とにより前記粘接着剤層が覆われている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のダイシングテープ。
  5. 前記離型層と前記中間層との間に配置された基材層と粘接着剤層とをさらに備え、
    前記基材層が非粘着性を有し、
    前記基材層が前記中間層側に、かつ前記粘接着剤層が前記離型層側に配置されており、
    前記離型層、前記中間層及び前記ダイシング層が、前記基材層及び前記粘接着剤層の外周側面よりも側方に張り出している領域を有し、
    前記中間層が、前記張り出している領域に前記粘着部を有し、
    前記基材層及び前記粘接着剤層の外周側面よりも側方に張り出している領域において、前記離型層と前記中間層の前記粘着部とが貼り付けられており、前記離型層と前記中間層とにより前記基材層及び前記粘接着剤層が覆われている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のダイシングテープ。
  6. 前記離型層と前記中間層との間に配置されており、かつ非粘着性を有する基材層をさらに備え、
    前記離型層、前記中間層及び前記ダイシング層が、前記基材層の外周側面よりも側方に張り出している領域を有し、
    前記中間層が、前記張り出している領域に前記粘着部を有し、
    前記基材層の外周側面よりも側方に張り出している領域において、前記離型層と前記中間層の前記粘着部とが貼り付けられており、前記離型層と前記中間層とにより前記基材層が覆われている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のダイシングテープ。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のダイシングテープの前記離型層を剥離して、前記中間層を露出させる工程と、
    前記離型層を剥離しながら、又は前記離型層を剥離した後に、露出した前記中間層に半導体ウェーハを積層し、かつ前記中間層の前記粘着部にダイシングリングを貼り付ける工程と、
    前記半導体ウェーハをダイシングし、個々の半導体チップに分割する工程と、
    ダイシングの後に、前記半導体チップを剥離して、取り出す工程とを備える、半導体チップの製造方法。
  8. 請求項4又は5に記載のダイシングテープの前記離型層を剥離して、前記中間層の前記張り出している領域と、前記粘接着剤層とを露出させる工程と、
    前記離型層を剥離しながら、又は前記離型層を剥離した後に、露出した前記粘接着剤層に半導体ウェーハを積層し、かつ前記中間層の前記粘着部にダイシングリングを貼り付ける工程と、
    前記半導体ウェーハを前記粘接着剤層ごとダイシングし、個々の半導体チップに分割する工程と、
    ダイシングの後に、前記半導体チップが貼り付けられた前記粘接着剤層を剥離して、半導体チップを前記粘接着剤層ごと取り出す工程とを備える、半導体チップの製造方法。
  9. 請求項6に記載のダイシングテープの前記離型層を剥離して、前記中間層の前記張り出している領域と、前記基材層とを露出させる工程と、
    前記離型層を剥離しながら、又は前記離型層を剥離した後に、露出した前記基材層に半導体ウェーハを積層し、かつ前記中間層の前記粘着部にダイシングリングを貼り付ける工程と、
    前記半導体ウェーハをダイシングし、個々の半導体チップに分割する工程と、
    ダイシングの後に、分割された前記半導体チップを剥離して、取り出す工程とを備える、半導体チップの製造方法。
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