JP2010231951A - コネクタ - Google Patents

Abstract

【課題】電線の端子側外周部を被覆するハウジングと前記電線との間の防水性を、防水部材を設けることなく高めることができるコネクタを提供する。
【解決手段】複数の端子１と、各端子１に接続される芯線及び各芯線を別個に被覆する被覆層を有する複数の電線と、各電線の端子側外周部を被覆する合成樹脂製のハウジング３とを備え、前記被覆層を、ハウジング３と同系の合成樹脂を含有する合成樹脂により成形し、ハウジング３が成形されるときの成形熱により被覆層の、ハウジング３と同系の合成樹脂を溶融させてハウジング３と一体に結合するようにした。
【選択図】図２

Description

本発明は端子と、該端子に接続される電線及び該電線の端子側外周部を被覆するハウジングとを有するコネクタに関する。

コネクタは、端子と、該端子に接続される芯線及び該芯線を被覆する被覆層を有する電線と、該電線の端子側外周部を被覆するハウジングとを備える。ハウジングは端子同士を接離するときに把持され、また、トルクセンサやＥＣＵ等の装置の筐体にネジ等の係止手段で直接取り付けられ、コネクタのハウジング内部の電線を保持するため、比較的剛性が高い合成樹脂により成形されており、また、電線の被覆層は電線の取りまわしを容易にするために可撓性に優れた合成樹脂により形成されている。

ところで、エンジンルーム内等の水がかかる可能性がある箇所で使用される車両用のコネクタで、電線の端子側外周部を被覆するハウジングと前記電線との間にホットメルト樹脂層を設けることによりハウジングと電線との間の防水性を高めるように構成されたコネクタが知られている（例えば、特許文献１参照）。

特開２００５−２７２７２１号公報

ところが、特許文献１のようにハウジングと電線との間にホットメルト樹脂層が設けられているコネクタにあっては、防水性を高めるためのホットメルト樹脂層が必要であるため、コスト高になるという問題がある。

本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は防水部材を用いることなくハウジングと電線との間の防水性を高めることができるコネクタを提供することにある。

第１発明に係るコネクタは、端子と、該端子に接続される芯線及び該芯線を被覆する被覆層を有する電線と、該電線の端子側外周部を被覆する合成樹脂製のハウジングとを備え、装置の筐体へ固定手段により固定されるコネクタにおいて、前記被覆層は、前記ハウジングと同系の合成樹脂を含有する合成樹脂により成形してあることを特徴とする。

第２発明に係るコネクタは、前記ハウジングは強化繊維を含有するポリブチレンテレフタレートを成形してなり、前記被覆層はポリエステル系樹脂を成形してなることを特徴とする。

第１発明によれば、ハウジングと同系の合成樹脂を含有する合成樹脂により被覆層を成形してあるため、合成樹脂製のハウジングが成形されるときの成形熱により被覆層の、ハウジングと同系の合成樹脂を溶融させてハウジングと一体に結合することが可能であり、防水部材を用いることなくハウジングと電線との間の防水性を高めることができる。しかも、電線の被覆層を、ハウジングと同系の合成樹脂を含有する合成樹脂により成形してあるため、防水性を高めることができる割にコストの低減及び軽量化を図ることができる。

また、第２発明によれば、ポリブチレンテレフタレートは比較的剛性を有するため、ハウジングの耐久性を高めることができ、しかも、被覆層は比較的可撓性が高いポリエステル系樹脂にポリブチレンテレフタレートと同系の合成樹脂が含有するため、電線の可撓性を得ることができる。

本発明に係るコネクタの構成を示す断面図である。 本発明に係るコネクタの構成を示す側面図である。 本発明に係るコネクタの構成を示す横断平面図である。 本発明に係るコネクタの構成を示す底面図である。 本発明に係るコネクタの使用状態を示す断面図である。

以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図１はコネクタの構成を示す断面図、図２は側面図、図３は横断平面図、図４は底面図である。

図１，２，３を参照して本発明に係るコネクタは、並置される複数の端子１と、各端子１に接続される複数の芯線２１及び各芯線２１を別個に被覆する被覆層２２を有する複数の電線２と、各電線２の端子側外周部を被覆する合成樹脂製のハウジング３と、該ハウジング３内に端子１を保持する合成樹脂製の保持体４と、該保持体４に結合された二つのナット５，５とを備える。

端子１は一端部が袋状に加工され、該袋状部内に芯線２１が挿入され、端子１の一端部と芯線２１が圧着されており、他端部は前記保持体４から突出し、該突出部の途中で屈曲されている。屈曲部は断面扁平な形状となっている。

保持体４は端子１の一端部及び各被覆層２２の一端部を別個に収容する複数の収容孔４１を有し、略角柱形をなす収容部４２と、該収容部４２の端末から被覆層２２の径方向外方へ延出された円板形をなすフランジ４３とを備え、該フランジ４３の周方向二等配位置にナット５，５が結合されている。

ハウジング３はガラスファイバ等の強化繊維を約３０％含有するポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）を成形してなり、各電線２の端子側外周部を被覆する被覆部３１と、該被覆部３１に連なり保持体４の外周りを被覆する筒部３２と、該筒部３２の開放端に突設された二つの位置決め凸部３３と、筒部３２の開放端で、且つ位置決め凸部３３より径方向外側に設けられた環状溝３４とを備える。ポリブチレンテレフタレートは比較的高い剛性を有する合成樹脂であり、射出成形される。

電線２の被覆層２２はハウジング３と同系のポリブチレンテレフタレートを含有するポリエチレンを成形した後、架橋処理を施してなり、端子側外周部をハウジング３が被覆している。

以上のように構成されたコネクタは、芯線２１に端子１が接続された電線２及び二つのナット５，５が第１の成形型のキャビティに配置され、該キャビティに溶融合成樹脂が注入されることにより保持体４が成形される。この成形により端子１、電線２及びナット５，５が保持体４と一体に結合される。

成形された保持体４と、該保持体４に結合された端子１、電線２及びナット５，５は第２の成形型のキャビティに配置され、該キャビティにポリブチレンテレフタレートを含む、ハウジング３の原料となる溶融合成樹脂が注入されることによりハウジング３が成形される。この成形時の成形熱により被覆層２２の、ポリブチレンテレフタレートと同系の合成樹脂が溶融し、その後ハウジング３に含まれるポリブチレンテレフタレートとともに硬化することにより被覆層２２とハウジング３の密着度が高くなる。或いは、成形条件や被覆層のＰＢＴ含有量等の組合わせによっては被覆層とハウジング３が一体となる。従って、ハウジング３及び電線２間の防水性を高めることができる。

図５は使用状態を示す断面図である。以上のように構成されたコネクタは例えば車両用の電動パワーステアリング装置のトルクセンサに接続される。トルクセンサは、舵取手段に加わる操舵トルクを検出するもので、マイクロプロセッサを用いてなる制御部に、コネクタにより接続される。電動パワーステアリング装置は、トルクセンサを収容支持し、略筒形をなす支持体６と、支持体６に収容され、トルクセンサに接続される検出回路基板７と、前記制御部が出力する指令信号により駆動制御される電動モータとを備える。

また、前記支持体６には、検出回路基板７に臨む位置で貫通し、保持体４の収容部４２が挿通される貫通孔６１と、該貫通孔６１の周りに開口し、ナット５，５に対応する二つの挿通孔６２，６２及び位置決め凸部３３に対応する位置決め凹部６３とが設けられている。

電動パワーステアリング装置に用いられるコネクタは、ハウジング３の環状溝３４にＯリング等の封止環８が保持され、ハウジング３の位置決め凸部３３が位置決め凹部６３に嵌合されるとともに、保持体４の収容部４２が貫通孔６１に挿入され、挿通孔６２に挿通されるボルト９をナット５，５に緊締することにより支持体６に取着することができる。端子１は検出回路基板７に半田付けされる。

このように取着されたコネクタは、電線２の端子側外周部がハウジング３と一体に結合されているため、電線２の外周部からハウジング３内に水が浸入するのを防ぐことができ、また、ハウジング３と支持体６との間の隙間は封止環８により封止されるため、ハウジング３と支持体６との間の隙間からハウジング３内に水が浸入するのを防ぐことができる。

尚、以上説明した実施の形態ではコネクタを電動パワーステアリング装置に用いたが、その他、本発明に係るコネクタが用いられる箇所は特に制限されない。
また、以上説明した実施の形態では複数の電線２を備える構成としたが、その他、電線２は一つであってもよい。

１ 端子、２ 電線、２１ 芯線、２２ 被覆層、３ ハウジング

Claims (2)

1. 端子と、該端子に接続される芯線及び該芯線を被覆する被覆層を有する電線と、該電線の端子側外周部を被覆する合成樹脂製のハウジングとを備え、装置の筐体へ固定手段により固定されるコネクタにおいて、前記被覆層は、前記ハウジングと同系の合成樹脂を含有する合成樹脂により成形してあることを特徴とするコネクタ。
2. 前記ハウジングは強化繊維を含有するポリブチレンテレフタレートを成形してなり、前記被覆層はポリエステル系樹脂を成形してなる請求項１記載のコネクタ。

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