JP2010229825A - 内燃機関の冷却ファン構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の冷却ファン構造において、エンジンの温度や運転状態に応じて効率の良いエンジン冷却を可能とする。
【解決手段】クランク軸31の動力によって回転する冷却ファン41を備えたエンジンに適用される冷却ファン構造において、前記冷却ファン41には、前記エンジンの温度及び回転数によって前記クランク軸31からの動力伝達の断続を制御する断続機構59が設けられる。
【選択図】図3

Description

この発明は、クランク軸の動力によって回転するエンジン冷却ファンを備えた内燃機関の冷却ファン構造に関する。
従来、駆動軸(クランク軸)の動力によって空冷ファン(エンジン冷却ファン)を回転させ、内燃機関(エンジン)の強制空冷を可能としたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開平2−291417号公報
ところで、上記従来の技術は、エンジンの温度や運転状態によらず、クランク軸の回転時には冷却ファンも常時回転している。冷却ファンの冷却風量は最大要求時の性能を満たすように設定されており、エンジンの低温時や低負荷時には必要以上の冷却風を供給することとなるため、余分なエネルギーを浪費することとなる。また、エンジンの冷間始動時にはその暖機を遅らせることにもなる。
このように、上記従来の技術は非効率的な部分があり、エンジンの温度や運転状態に応じて効率の良いエンジン冷却が可能な冷却ファン構造が求められていた。
そこでこの発明は、内燃機関の冷却ファン構造において、エンジンの温度や運転状態に応じて効率の良いエンジン冷却を可能とすることを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、クランクケース(例えば実施例のクランクケース21)からシリンダ部(例えば実施例のシリンダ部22)を延出すると共に、クランクケースの一側にはクランク軸の動力によって回転するエンジン冷却ファン(例えば実施例の冷却ファン41,70,80)を備えた内燃機関(例えば実施例のエンジンE)の冷却ファン構造において、前記エンジン冷却ファンには、前記エンジンの温度及び回転数によって前記クランク軸からの動力伝達の断続を制御する断続機構(例えば実施例の断続機構59,79,89)が設けられることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記断続機構(例えば実施例の断続機構59)は、クランク軸側と一体回転可能に設けられた遠心ウェイト(例えば実施例の遠心ウェイト47)と、該遠心ウェイトが係脱するファン本体(例えば実施例のファン本体42)とを有して遠心クラッチ(例えば実施例の遠心クラッチ44)を構成すると共に、前記遠心ウェイトを前記ファン本体との係合を解除する側へ付勢する付勢手段(例えば実施例のトーションコイルスプリング52)と、前記遠心ウェイトをファン本体との係合を解除した係合解除位置に保持するロック機構(例えば実施例のロック機構55)とを備え、該ロック機構は、前記遠心ウェイトに係合してこれを前記係合解除位置に保持する保持状態と、前記遠心ウェイトの保持を解除した保持解除状態との間で変化可能であり、このロック機構を前記各状態の一方に選択的に保持する保持部材(例えば実施例の保持部材57)が、形状記憶合金又はバイメタルで構成されて、エンジン高温時にのみ前記ロック機構を前記保持解除状態に保持することを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記断続機構(例えば実施例の断続機構79)は、クランク軸側と一体回転可能に設けられた遠心ウェイト(例えば実施例の遠心ウェイト47)と、該遠心ウェイトが係脱するファン本体(例えば実施例のファン本体42)とを有して遠心クラッチ(例えば実施例の遠心クラッチ44)を構成すると共に、前記遠心ウェイトを前記ファン本体との係合を解除する側へ付勢する付勢手段(例えば実施例のトーションコイルスプリング52)と、該付勢手段の付勢力に抗して所定回転数以上で前記遠心ウェイトを前記ファン本体に係合させる、もしくはエンジン高温時に前記遠心ウェイトを前記ファン本体に係合する側へ変化させるサーモスタット(例えば実施例のサーモスタット71)とを備えることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記断続機構(例えば実施例の断続機構89)は、クランク軸側と一体回転可能に設けられた遠心ウェイト(例えば実施例の遠心ウェイト47)と、該遠心ウェイトが係脱するファン本体(例えば実施例のファン本体42)とを有して遠心クラッチ(例えば実施例の遠心クラッチ44)を構成すると共に、前記遠心ウェイトを前記ファン本体との係合を解除する側へ付勢する付勢部材(例えば実施例のスプリング81)が、形状記憶合金又はバイメタルで構成されて、エンジン高温時には前記遠心ウェイトに対する付勢力を低減させることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記遠心ウェイトが複数設けられ、該各遠心ウェイトの一端側が支持部材(例えば実施例のクラッチインナ45)に回動可能にされる支軸側とされと共に他端側が回動側とされ、前記付勢部材は、前記各遠心ウェイトの互いに隣合う支軸側と回動側との間に設けられることを特徴とする。
請求項1,2に記載した発明によれば、エンジンの高温時かつ高回転時にのみ冷却ファンを駆動させることができ、効率のよいエンジン冷却を可能として燃費向上に貢献できる。
請求項3に記載した発明によれば、エンジンの低温時にはエンジン回転数に応じてファン本体の駆動を断続でき、エンジンの高温時にはエンジン回転数によらず常時ファン本体を駆動させることができる。
請求項4,5に記載した発明によれば、エンジン温度が低いときには比較的高回転時から、エンジン温度が高いときには比較的低回転時から冷却ファンを駆動させることができる。
この発明の実施例におけるエンジンの展開断面図である。 図1の要部拡大図である。 図2のA−A断面図である。 図2の要部拡大図であり、(a)はエンジン冷却ファンに設けた遠心クラッチの係合解除状態を、(b)は前記遠心クラッチの係合状態をそれぞれ示す。 この発明の第二実施例における図3に相当する断面図である。 この発明の第三実施例における図3に相当する断面図である。 上記エンジンの変形例を示す図1に相当する断面図である。
以下、この発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1は、自動二輪車等の鞍乗り型車両におけるスイング式の動力ユニット(スイングユニット)Uのクランク軸線Cに沿う断面図である。スイングユニットUは、その前部のエンジンEと後部左側の動力伝達機構Mとを一体に設けてなる。エンジンEは、前記クランク軸線Cを左右方向(車幅方向)に沿わせた空冷単気筒エンジンであり、クランクケース21の例えば前端部からシリンダ部22を略水平に前方へ突出させる。
なお、図中符号31はクランクケース21内に収容されるクランク軸を、符号32はクランクケース21の前端部に取り付けられるシリンダ本体を、符号33はシリンダ本体32の前端部に取り付けられるシリンダヘッドを、符号33aはシリンダヘッド33の前端部に取り付けられるヘッドカバーを、符号34はシリンダ本体32内に往復動可能に嵌装されるピストンを、符号35はピストン34とクランク軸31とを連結するコンロッドを、符号36はクランク軸31の左右ジャーナル31cを回転自在に支持する左右軸受けをそれぞれ示す。
クランクケース21の左側には、左方(エンジン外側)に張り出した後に後方に延出する伝動ケース23が一体に設けられる。伝動ケース23内にはベルト式無段変速機構24が収容され、これらが前記動力伝達機構Mを構成する。ベルト式無段変速機構24は、クランク軸31の左側部に同軸配置されたドライブプーリ101及びその後方に配置されたドリブンプーリ(不図示)にVベルト103を巻き掛けてなる。
クランク軸31の右側部は、クランクケース21の右壁部の右方(クランクケース外)に突出し、該右側部にジェネレータ(ACG)37が同軸支持される。
図2を参照し、ジェネレータ37は、左方(クランクケース側)に向けて開放する有底円筒状のロータ38内にステータ39を配置したアウターロータ型とされる。ロータ38は、その底壁の中央部38aが、クランク軸31の右側部外周に一体回転可能に支持される。また、ステータ39は、その中央部39aがクランクケース21の右壁部に固定的に支持されて、クランクケース側からロータ38内に臨まされる。そして、エンジンEの運転に伴いクランク軸31と共にロータ38が回転することで、該ロータ38のマグネット38bによりステータ39の発電コイル39bに起電力が発生する。
図3を併せて参照し、ジェネレータ37の右方(エンジン外側)には、前記ロータ38と共にクランク軸31と一体回転可能な冷却ファン41が隣接配置される。
冷却ファン41は、その外周部を構成するファン本体42と、内周部を構成するセンター部43とからなる。ファン本体42は、左方(ジェネレータ37側)に開放するカップ状のベース部42aの外周に、軸方向視で湾曲板状をなすフィン42bを周方向で等間隔に多数立設してなる。ファン本体42は、クランクケース21に取り付けられるファンカバー61と共に、その右側方から吸い込んだ空気を遠心方向(上方)へ吹き出す遠心ファンを構成する。
一方、センター部43は、クランク軸31とファン本体42との間の動力伝達を断続する遠心クラッチ44を構成する。すなわち、センター部43は、クランク軸31の右側部に一体回転可能に支持されるクラッチインナ45と、該クラッチインナ45の外周に相対回転自在に支持されるクラッチアウタ46と、該クラッチアウタ46内においてクラッチインナ45に支持される一対の遠心ウェイト47とを主になる。クラッチアウタ46は前記ファン本体42のベース部42aとして構成され、前記各遠心ウェイト47の係合が解除した状態では、クラッチインナ45(クランク軸31)に対してクラッチアウタ46(ファン本体42)が相対回転自在である(図4(a)参照)。
一方、遠心クラッチ44がクラッチインナ45(クランク軸31)と共に回転し、各遠心ウェイト47に所定以上の遠心力が作用してこれらが拡開作動した際には、各遠心ウェイト47の外周面に設けた摩擦材47aがクラッチアウタ46の内周面に係合し、クラッチインナ45(クランク軸31)に対してクラッチアウタ46(ファン本体42)が一体回転可能となる(図4(b)参照)。
クランクケース21には、ジェネレータ37、冷却ファン41、及びシリンダ部22を所定の隙間を空けて覆う前記ファンカバー61が取り付けられる。ファンカバー61は冷却ファン41を収容するケーシングを構成すると共に、シリンダ部22の周囲に冷却ファン41から送られた空気(冷却風)を流通させる流路62を形成する。ファンカバー61は、冷却ファン41の右方に隣接する部位に空気導入口63を形成し、該空気導入口63からファンカバー61内に導入された外気が主にシリンダ部22周りに冷却風として供給される。
クラッチインナ45は、クランク軸31の右側部を挿通させる円筒状のカラー部45aと、該カラー部45aの中間部外周に形成されるフランジ部45bとを有してなり、前記ロータ38の中央部38aを貫通したクランク軸31の右側部がさらにカラー部45aを貫通し、このクランク軸31の右端部にロックナット48を螺着し締め込むことで、クラッチインナ45がロータ38と共にクランク軸31の右側部に固定される。クラッチインナ45の右側部外周には、クラッチアウタ46の右側部46a内周がラジアルボールベアリング49を介して相対回転自在に支持される。
クラッチアウタ46は、前記ベアリング49に支持される右側部46aに対して左側部46bが段差状に拡径してなり、該左側部46b内に前記各遠心ウェイト47等が収容される。なお、前記右側部46aの右方には前記ロックナット48の外周を取り囲むカラー部46cが形成され、左側部46bの左外周には該左側部46bと共に各フィン42bを支持するフィン支持部46dが形成される。左側部46bの右内周には、前記クラッチインナ45のフランジ部45bが収容される。
各遠心ウェイト47は、クラッチアウタ46の左側部46bの内周に沿う三日月状をなし、その一端側がクラッチインナ45のフランジ部45bの左方に立設された回動軸51に回動可能に支持される。回動軸51はトーションコイルスプリング52を貫通支持し、該スプリング52の一端がフランジ部45bに係合すると共に他端が遠心ウェイト47に係合することで、遠心ウェイト47がクラッチアウタ46の内周側(閉じ方向)に向けて付勢される。
各遠心ウェイト47が最も内周側にある状態(以下、遠心ウェイト47の閉じ状態という)では、該各遠心ウェイト47の摩擦材がクラッチアウタ46の内周面から離間(離脱)し、クラッチアウタ46に対するクラッチインナ45の係合が解除されて、クランク軸31及びファン本体42間の動力伝達が遮断される。すなわち、スプリング52は、各遠心ウェイト47をファン本体42との係合を解除する側に付勢している。
ここで、各遠心ウェイト47の他端側には、前記閉じ状態にある(ファン本体42との係合を解除した係合解除位置にある)各遠心ウェイト47の拡開作動を規制する(係合解除位置に保持する)ロック機構55が設けられる。ロック機構55は、閉じ状態にある遠心ウェイト47の他端側に係合可能な係止部材56と、該係止部材56を遠心ウェイト47との係合位置に保持する保持部材57とを有してなる。
係止部材56は、クラッチインナ45のフランジ部45bの左方に立設された回動軸58に回動可能に支持され、該回動軸58から冷却ファン41の径方向外側に延びて、その先端部(係止部)56aを遠心ウェイト47の他端側に係合させる(この状態を係止部材56の保持状態という)。この係止部材56がその先端部56aを冷却ファン41の周方向で移動させるように回動することで、該先端部56aの遠心ウェイト47への係合が解除され、閉じ状態にある遠心ウェイト47が拡開作動可能となる(この状態を係止部材56の保持解除状態という)。
そして、前記保持部材57は、例えば回動軸58を挿通させるトーションコイルスプリングとして構成され、かつ形状記憶合金を素材にしてなる。
保持部材57は、エンジン低温時(外気温相当)には係止部材56を前記保持状態に保持する一方、エンジン高温時(暖機運転後相当)には係止部材56を前記保持解除状態に保持するべく変形する。
これにより、エンジン始動直後等の低温時には、クランク軸31の回転数によらず該クランク軸31とファン本体42との動力伝達が遮断されて冷却ファン41が回転せず、エンジンEの暖機運転が促進されると共に冷却ファン41の回転に伴う動力損失が防止される。なお、係止部材56は回動軸58から冷却ファン41の径方向外側に延びてその先端部56aを冷却ファン41の周方向に移動させるように回動することから、クランク軸31(クラッチインナ45)の回転による遠心力の影響を受けて回動することはない。
一方、エンジン暖機運転後の高温時には、係止部材56によるロックが解除されて各遠心ウェイト47の拡開作動が可能となり、クランク軸31の回転数(回転速度)によって、例えばクランク軸31の回転数が3000rpm未満の場合には遠心クラッチ44がクランク軸31及びファン本体42の間の動力伝達を遮断し、クランク軸31の回転数が3000rpm以上の場合には遠心クラッチ44がクランク軸31及びファン本体42の間の動力伝達を可能とする等、エンジンEの負荷(回転数)に応じた効率のよいエンジン冷却が可能となる。このように、前記ロック機構55を備えた遠心クラッチ44は、エンジンEの温度及び回転数によってクランク軸31とファン本体42との間の動力伝達の断続を制御する断続機構59を構成するといえる。
以上説明したように、上記実施例における冷却ファン構造は、クランクケース21からシリンダ部22を延出すると共に、クランクケース21の一側にはクランク軸31の動力によって回転する冷却ファン41を備えたエンジンEに適用されるものであって、前記冷却ファン41には、前記エンジンEの温度及び回転数によって前記クランク軸31からの動力伝達の断続を制御する断続機構59が設けられるものである。
具体的には、前記断続機構59は、クランク軸31側と一体回転可能に設けられた遠心ウェイト47と、該遠心ウェイト47が係脱するファン本体42とを有して遠心クラッチ44を構成すると共に、前記遠心ウェイト47をファン本体42との係合を解除した係合解除位置に保持するロック機構55を備え、該ロック機構55は、前記遠心ウェイト47に係合してこれを前記係合解除位置に保持する保持状態と、前記遠心ウェイト47の保持を解除した保持解除状態との間で変化可能であり、このロック機構55を前記各状態の一方に選択的に保持する保持部材57が形状記憶合金で構成されて、エンジン高温時にのみ前記ロック機構55を前記保持解除状態に保持するものである。
この構成によれば、エンジンEの高温時かつ高回転時にのみ冷却ファン41を駆動させることができ、効率のよいエンジン冷却を可能として燃費向上に貢献できる。
なお、前記保持部材57をバイメタルからなる板ばね状とすることも可能である。
次に、この発明の第二実施例について図5を参照して説明する。
この実施例の冷却ファン70は、前記第一実施例のものに対し、前記ロック機構55を無くす一方、各遠心ウェイト47をスプリング52の付勢力に抗してファン本体42と係合する側へ拡開作動させるサーモスタット71を備える点を主に異なるもので、上記実施例と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
サーモスタット71は、各遠心ウェイト47の他端側に形成した凹部内にそれぞれ設けられるもので、エンジン温度に応じて伸縮する伸縮部72と、該伸縮部72から遠心ウェイト47の他端側に延びるスタッド部73とからなる。各サーモスタット71は冷却ファン70の周方向に沿うように配置され、前記スタッド部73の先端側を遠心ウェイト47の他端から突出させる。スタッド部73の先端側は、クラッチインナ45のフランジ部45bに設けられた受け部74内に臨まされる。
そして、エンジンE(クランク軸31)の回転数(回転速度)によって、例えば前記回転数が3000rpm未満の場合には各遠心ウェイト47が拡開作動せずにクランク軸31及びファン本体42間の動力伝達が遮断され、前記回転数が3000rpm以上の場合には各遠心ウェイト47が拡開作動してクランク軸31及びファン本体42間の動力伝達を可能とする。各遠心ウェイト47が拡開作動するにあたり、各サーモスタット71はスタッド部73先端を受け部74内から離脱させるのみであり、前記拡開作動に影響を与えることはない。換言すれば、サーモスタット71は、スプリング52の付勢力に抗して所定のエンジン回転数以上で遠心ウェイト47をファン本体42に係合させることもできる。
また、エンジンEの高温時には、サーモスタット71がスタッド部73の突出量を増加させて受け部74内を押圧し、その反力によって各遠心ウェイト47をスプリング52の付勢力に抗して拡開作動させる。このサーモスタット71の作用により、各遠心ウェイト47がエンジン回転数によらずにファン本体42に摩擦係合し、ファン本体42にクランク軸31の回転動力が伝達されてエンジンEを強制冷却する。この実施例においては、前記サーモスタット71を備えた遠心クラッチ44が、エンジンEの温度及び回転数によってクランク軸31とファン本体42との間の動力伝達の断続を制御する断続機構79を構成する。
以上説明したように、この実施例の冷却ファン構造は、冷却ファン70を備えたエンジンEに適用されるものであって、前記冷却ファン70には、前記エンジンEの温度及び回転数によってクランク軸31からの動力伝達の断続を制御する断続機構79が設けられ、前記断続機構79が、クランク軸31側と一体回転可能に設けられた遠心ウェイト47と、該遠心ウェイト47が係脱するファン本体42とを有して遠心クラッチ44を構成すると共に、前記遠心ウェイト47に対する前記ファン本体42との係合を解除させる側への付勢力に抗して、エンジン高温時に前記遠心ウェイト47を前記ファン本体42に係合する側へ変化させるサーモスタット71を備えることを特徴とする。
この構成によれば、エンジンEの低温時にはエンジン回転数に応じてファン本体42の駆動を断続でき、エンジンEの高温時にはエンジン回転数によらず常時ファン本体42を駆動させることができる。
次に、この発明の第三実施例について図6を参照して説明する。
この実施例の冷却ファン80は、前記各実施例のものに対し、前記ロック機構55及びサーモスタット71を無くすと共に、各遠心ウェイト47のそれぞれを前記閉じ位置に向けて付勢する各スプリング81を形状記憶合金で形成したことを主に異なるもので、上記実施例と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
各スプリング81は引張りコイルスプリングとして構成され、それぞれ冷却ファン80の周方向に沿うように配置される。各スプリング81は、その一端が対応する遠心ウェイト47の他端側に係合すると共に、他端がクラッチインナ45のフランジ部45b又は他方の遠心ウェイト47の一端側に設けられた係止部82に係合することで、所定の張力をもって張設され、各遠心ウェイト47をファン本体42との係合を解除した前記閉じ位置側に付勢する。各遠心ウェイト47は、その一端側をクラッチインナ45に回動軸51を介して支持される支軸側とし、他端側を回動側として回動軸51中心に変位させる。すなわち、各スプリング81は、各遠心ウェイト47の互いに隣合う支軸側と回動側との間に張設されている。
そして、エンジンE(クランク軸31)の回転数(回転速度)によって、例えば前記回転数が3000rpm未満の場合には各遠心ウェイト47が拡開作動せずにクランク軸31及びファン本体42間の動力伝達が遮断され、前記回転数が3000rpm以上の場合には各遠心ウェイト47が拡開作動してクランク軸31及びファン本体42間の動力伝達を可能とする。
また、エンジンEの高温時には、各スプリング81が伸長して対応する遠心ウェイト47への付勢力を低減させる。これにより、エンジンEの回転数が比較的低い2000rpm未満の場合には各遠心ウェイト47が拡開作動せずにクランク軸31及びファン本体42間の動力伝達を遮断し、前記回転数が2000rpm以上の場合には各遠心ウェイト47が拡開作動してクランク軸31及びファン本体42間の動力伝達を可能とするといった構成にできる。この実施例においては、前記遠心クラッチ44自身が、エンジンEの温度及び回転数によってクランク軸31とファン本体42との間の動力伝達の断続を制御する断続機構89を構成している。
以上説明したように、この実施例の冷却ファン構造は、冷却ファン80を備えたエンジンEに適用されるものであって、前記冷却ファン80には、前記エンジンEの温度及び回転数によってクランク軸31からの動力伝達の断続を制御する断続機構89が設けられ、前記断続機構89が、クランク軸31側と一体回転可能に設けられた遠心ウェイト47と、該遠心ウェイト47が係脱するファン本体42とを有して遠心クラッチ44を構成すると共に、前記遠心ウェイト47を前記ファン本体42との係合を解除する側へ付勢する付勢部材(スプリング81)が形状記憶合金で構成されて、エンジン高温時には前記遠心ウェイト47に対する付勢力を低減させることを特徴とする。
この構成によれば、エンジン温度が低いときには比較的高回転時から、エンジン温度が高いときには比較的低回転時から冷却ファン80を駆動させることができる。
なお、前記付勢部材をバイメタルからなる板ばね状とすることも可能である。
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、例えば、第一実施例のロック機構55、第二実施例のサーモスタット71及び第三実施例のスプリング81に相当する構成を適宜組み合わせてもよい。また、スイングユニットUを構成するエンジンE以外のエンジン(内燃機関)に適用してもよい。
また、図7に示すように、前記エンジンEが水冷式である場合に適用してもよい。この場合、冷却ファン41(冷却ファン70,80でも可)と空気導入口63との間にラジエータ41aを配置すればよい。なお、上記実施例と同一部分に同一符号を付してその説明は省略する。
そして、上記実施例における構成はこの発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
21 クランクケース
22 シリンダ部
41,70,80 冷却ファン(エンジン冷却ファン)
E エンジン(内燃機関)
59,79,89 断続機構
47 遠心ウェイト
42 ファン本体
44 遠心クラッチ
45 クラッチインナ45
52 トーションコイルスプリング(付勢手段)
55 ロック機構
57 保持部材
71 サーモスタット
81 スプリング(付勢部材)

Claims (5)

  1. クランクケースからシリンダ部を延出すると共に、クランクケースの一側にはクランク軸の動力によって回転するエンジン冷却ファンを備えた内燃機関の冷却ファン構造において、
    前記エンジン冷却ファンには、前記エンジンの温度及び回転数によって前記クランク軸からの動力伝達の断続を制御する断続機構が設けられることを特徴とする内燃機関の冷却ファン構造。
  2. 前記断続機構は、クランク軸側と一体回転可能に設けられた遠心ウェイトと、該遠心ウェイトが係脱するファン本体とを有して遠心クラッチを構成すると共に、前記遠心ウェイトを前記ファン本体との係合を解除する側へ付勢する付勢手段と、前記遠心ウェイトをファン本体との係合を解除した係合解除位置に保持するロック機構とを備え、前記ロック機構は、前記遠心ウェイトに係合してこれを前記係合解除位置に保持する保持状態と、前記遠心ウェイトの保持を解除した保持解除状態との間で変化可能であり、このロック機構を前記各状態の一方に選択的に保持する保持部材が、形状記憶合金又はバイメタルで構成されて、エンジン高温時にのみ前記ロック機構を前記保持解除状態に保持することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却ファン構造。
  3. 前記断続機構は、クランク軸側と一体回転可能に設けられた遠心ウェイトと、該遠心ウェイトが係脱するファン本体とを有して遠心クラッチを構成すると共に、前記遠心ウェイトを前記ファン本体との係合を解除する側へ付勢する付勢手段と、該付勢手段の付勢力に抗して所定回転数以上で前記遠心ウェイトを前記ファン本体に係合させる、もしくはエンジン高温時に前記遠心ウェイトを前記ファン本体に係合する側へ変化させるサーモスタットとを備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却ファン構造。
  4. 前記断続機構は、クランク軸側と一体回転可能に設けられた遠心ウェイトと、該遠心ウェイトが係脱するファン本体とを有して遠心クラッチを構成すると共に、前記遠心ウェイトを前記ファン本体との係合を解除する側へ付勢する付勢部材が、形状記憶合金又はバイメタルで構成されて、エンジン高温時には前記遠心ウェイトに対する付勢力を低減させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却ファン構造。
  5. 前記遠心ウェイトが複数設けられ、該各遠心ウェイトの一端側が支持部材に回動可能にされる支軸側とされと共に他端側が回動側とされ、前記付勢部材は、前記各遠心ウェイトの互いに隣合う支軸側と回動側との間に設けられることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の冷却ファン構造。
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