JP2010229400A - 水系コーティング剤組成物 - Google Patents

水系コーティング剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2010229400A
JP2010229400A JP2010044379A JP2010044379A JP2010229400A JP 2010229400 A JP2010229400 A JP 2010229400A JP 2010044379 A JP2010044379 A JP 2010044379A JP 2010044379 A JP2010044379 A JP 2010044379A JP 2010229400 A JP2010229400 A JP 2010229400A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
acrylate
parts
component
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010044379A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5510643B2 (ja
Inventor
Kiminobu Sato
仁宣 佐藤
Hirohisa Koyano
浩壽 小谷野
Hiroshi Sawada
浩 澤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Arakawa Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Arakawa Chemical Industries Ltd filed Critical Arakawa Chemical Industries Ltd
Priority to JP2010044379A priority Critical patent/JP5510643B2/ja
Publication of JP2010229400A publication Critical patent/JP2010229400A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5510643B2 publication Critical patent/JP5510643B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

【課題】水に可溶または水に分散させることができ、硬度、耐擦傷性に優れた硬化膜を提供することができ、また、水に不溶な疎水性モノマーを併用する場合に、容易に疎水性モノマーを乳化により安定化でき、各種プラスチックへ優れた密着性を発揮する水系コーティング剤組成物を提供する。
【解決手段】エポキシ基を有するラジカル重合性ビニル単量体(a1)、分子中にポリアルキレングリコールエーテル構造を有するラジカル重合性ビニル単量体(a2)、及び、炭素数2〜30のアルキル(メタ)アクリレートを含有する単量体成分(a3)を重合することにより得られた重合体(A)にカルボキシル基を有するラジカル重合性ビニル単量体(b)を反応させて得られる反応物(B)、並びに、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(C)を含有する水系コーティング剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、各種プラスチック用の水系コーティング剤組成物に関する。
近年、省エネルギー・環境への負荷低減の観点から各種プラスチック用コーティング剤の水系化が求められるようになってきている。コーティング剤を水系化する方法としては、コーティング剤の主成分である活性エネルギー線硬化型樹脂を水可溶化させる方法、乳化分散させる方法が考えられる。しかし、活性エネルギー線硬化型樹脂を水可溶化する場合には、水に溶解する性能を該樹脂に付与するために該樹脂構造が限定されてしまい、各種用途に広範囲に適用できないという不利があった。
一方、乳化分散する方法としては、活性エネルギー線硬化型樹脂に乳化性を付与する方法と、乳化剤を使用して活性エネルギー線硬化型樹脂を乳化する方法とがある。
しかし、前者の方法では、樹脂中に親水性の官能基を多く導入しなければならないなど分子設計の自由度が制限され、希釈剤として水に不溶な疎水性モノマーを用いる場合には、乳化が困難となり、樹脂組成物としての安定性が低いという問題があった。また、後者の方法では、乳化剤を使用することによる硬化物の性能(密着性・硬度・耐擦傷性の低下、発泡など。)が低下してしまう場合があった。
なお、本出願人は、先に特定の(メタ)アクリル当量、水酸基価、重量平均分子量を有するポリマーと多官能イソシアネートを含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の熱架橋反応生成物からなる表面保護シートを提案している(特許文献1参照。)。しかし、このものの水系化に関しては何ら開示されていなかった。
特開平9−290491号公報
本発明は、水に可溶または水に分散させることができ、硬度や耐擦傷性に優れた硬化膜を提供することができ、また、水に不溶な疎水性モノマーを併用する場合に、容易に疎水性モノマーを乳化により安定化でき、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂等のプラスチックに優れた密着性を発揮する水系コーティング剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討したところ、特定の構造を導入した反応物を用いることにより、前記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明1は、エポキシ基を有するラジカル重合性ビニル単量体(a1)、分子中にポリアルキレングリコールエーテル構造を有するラジカル重合性ビニル単量体(a2)、及び、炭素数2〜30のアルキル(メタ)アクリレートを含有する単量体成分(a3)を重合することにより得られた重合体(A)にカルボキシル基を有するラジカル重合性ビニル単量体(b)を反応させて得られる反応物(B)、並びに、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(C)を含有する水系コーティング剤組成物である。
本発明2は、本発明1において、更に、1分子中の(メタ)アクリル基の数平均が1〜4であって、活性水素含有官能基を有しない炭化水素系(メタ)アクリレート、エーテル系(メタ)アクリレート、及び、エステル系(メタ)アクリレートから選ばれた1種以上の(メタ)アクリレート(D)を含む請求項1記載の水系コーティング剤組成物である。
本発明3は、本発明1又は2において、炭素数2〜30のアルキル(メタ)アクリレートを含有する単量体成分(a3)が、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート(LMA)、セチル(メタ)アクリレート(CMA)、ステアリル(メタ)アクリレート(SMA)、ベヘニル(メタ)アクリレート(VMA)から選ばれる少なくとも1種のアルキル(メタ)アクリレート及び/又はビニル化合物を含有する単量体成分である水系コーティング剤組成物。
本発明4は、本発明1〜3において、炭素数2〜30のアルキル(メタ)アクリレートを含有する単量体成分(a3)の使用量(重量比)が、重合体(A)を100重量%とした場合に、1〜30重量%である水系コーティング剤組成物である。
本発明5は、本発明1〜4において、ポリアルキレングリコールエーテル構造が、一般式(1):−(X−O)−(式中、Xは分岐構造を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基であって、それぞれが異なっていてもよく、nは9〜90の整数を表す。)で表される水系コーティング剤組成物である。
本発明によれば、水に可溶または水に安定に分散させることができ、硬度、耐擦傷性に優れた硬化膜を提供することができ、また、水に不溶な疎水性モノマーを併用する場合に、容易に疎水性モノマーを乳化により安定化でき、各種プラスチックに優れた密着性を発揮する水系コーティング剤組成物を提供することができる。本発明の水系コーティング剤組成物の硬化物は特にABS樹脂に対する密着性、硬度、耐擦傷性に優れるため、特にハードコーティング剤として好適である。
本発明の水系コーティング剤組成物は、エポキシ基を有するラジカル重合性ビニル単量体(a1)(以下、(a1)成分という)、分子中にポリアルキレングリコールエーテル構造を有するラジカル重合性ビニル単量体(a2)(以下、(a2)成分という)、及び、炭素数2〜30のアルキル(メタ)アクリレートを含有する単量体成分(a3)(以下、(a3)成分という)を重合することにより得られた重合体(A)(以下、(A)成分という)に、カルボキシル基を有するラジカル重合性ビニル単量体(b)を反応させて得られる反応物(B)(以下、(B)成分という)、並びに、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(C)(以下、(C)成分という)を含有することを特徴とする。なお、本発明の水系コーティング剤組成物は、少なくとも上記(B)成分及び(C)成分を含むものであるが、(B)成分及び(C)成分が水に溶解したものであってもよく、(B)成分及び(C)成分が水に分散したものであってもよい。また、非ラジカル重合性有機溶媒を含有するものであってもよい。この場合には、非ラジカル重合性有機溶媒の使用量を、水よりも少なくする必要がある。
本発明に用いられる(A)成分は、(a1)成分、(a2)成分及び(a3)成分を含むものである。
上記(a1)成分は、ラジカル重合性ビニル単量体であってエポキシ基及びビニル基をそれぞれ1つ有するものであれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。(a1)成分としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。(a1)成分としては、得られる硬化膜のハードコート性の点からグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記(a2)成分は、(a1)成分以外のビニル基を1つ有するラジカル重合性ビニル単量体であって分子中にポリアルキレングリコールエーテル構造を有するものであれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。なお、ポリアルキレングリコール構造とは、一般式(1):−(X−O)−で表される構造である。なお、一般式(1)中、Xは分岐構造を有していてもよいアルキレン基を表す。Xとしては、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、特に、エチレン基が好ましい。また、nは、9〜90の整数を表す。乳化安定性の観点から(a2)成分に含まれるnの平均数は、20〜90とすることが好ましい。(a2)成分としては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(繰り返し単位数が9〜90のもの)、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート(繰り返し単位数が9〜90のもの)、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート(各繰り返し単位数の和が9〜90のもの)、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート(各繰り返し単位数の和が9〜90のもの)、ポリ(プロピレングリコールーテトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート(各繰り返し単位数の和が9〜90のもの)、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(繰り返し単位数が9〜90のもの)、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート(各繰り返し単位数の和が9〜90のもの)、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(繰り返し単位が9〜90のもの)、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(繰り返し単位が9〜90のもの)、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(繰り返し単位数が9〜90のもの)、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(各繰り返し単位数の和が9〜90のもの)などが挙げられる。なお、(a2)成分としては、市販のものをそのまま用いても良い。市販品としては、例えば、日油(株)製ブレンマーシリーズ、などが挙げられる。これらのなかでは、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、例えば、日油(株)製ブレンマーPMEシリーズが、得られる硬化物のハードコート性、及び、水分散安定性の点で好ましい。(a2)成分は、上記のうち1種又は2種以上を混合して用いることができる。
上記(a3)成分は、例えば、炭素数2〜30のアルキル基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸から得られる(メタ)アクリレート、炭素数が2〜30のビニル化合物を含有する単量体成分であれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。炭素数2〜30のアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート(LMA)、セチル(メタ)アクリレート(CMA)、ステアリル(メタ)アクリレート(SMA)、ベヘニル(メタ)アクリレート(VMA)等のアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。特に、疎水性モノマーを併用する場合に、容易に疎水性モノマーを乳化し、安定化させるためには、炭素数12〜22のアルキル(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。炭素数18のステアリル(メタ)アクリレートがより好ましい。上記ビニル化合物は、ビニル基を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族系ビニル化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。(a3)成分として炭素数12〜22のアルキル(メタ)アクリレート及び/又はビニル化合物を含有する単量体成分を用い、(a1)成分と(a2)成分をともに重合することにより得られた重合体(A)にカルボキシル基を有するラジカル重合性ビニル単量体(b)を反応させて得られる反応物(B)、並びに、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(C)を水に溶解させ、又は、水に分散させて得られる水系コーティング剤組成物は、塗料の水系化が可能となるだけでなく、基材との密着性等の物性改良を行うことが可能となる。
上記(a3)成分の使用量(重量比)が、重合体(A)を100重量%とした場合に、1〜30重量%であることが水分散安定性という観点から好ましい。
上記(A)成分の組成は特に限定されないが、(a1)成分、(a2)成分及び(a3)成分の合計量を100重量%とした場合に(a1)成分が80〜30重量%、(a2)成分が19〜40重量%、及び(a3)成分が1〜30重量%とすることが、得られる水系コーティング剤組成物の水分散安定性の観点から好ましく、(a1)成分が50〜70重量%、(a2)成分が25〜35重量%、(a3)成分が1〜10重量%とすることが水分散安定性の点で好ましい。
本発明に用いられる(A)成分は、(a1)成分、(a2)成分及び(a3)成分を、例えば、ラジカル重合させることにより得られる。ラジカル重合は、公知の方法で行なうことができる。例えば、(a1)〜(a3)成分をラジカル重合開始剤の存在下、加熱することにより得られる。ラジカル重合開始剤としては、特に限定されず、公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の無機過酸化物、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、ラジカル重合開始剤の使用量は、(a)成分100重量部に対し、0.01〜8重量部程度とすることが好ましい。なお、必要に応じ、連鎖移動剤などを用いてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、ラウリルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、ブロムトリクロルメタン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。連鎖移動剤の使用量は、(a1)成分、(a2)成分、及び(a3)成分の合計量100重量部に対し、0.01〜5重量部程度とすることが好ましい。
このようにして得られた(A)成分は、重量平均分子量(ゲルパーメーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算値)を5,000〜30,000程度、エポキシ当量を100〜350g/eq程度とすることが水系コーティング剤をタックフリーとする観点及びハードコート性能の面から好ましい。
本発明の(B)成分は、(A)成分に(b)成分を反応させることにより得られる。(b)成分としては、分子中にカルボキシル基を有するラジカル重合性ビニル単量体であれば特に限定されず公知のものを用いることができる。例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、などが挙げられる。これらのなかでは、アクリル酸を用いることが反応物の活性エネルギー線硬化性の点から好ましい。(b)成分の使用量は、特に限定されないが、エポキシ基と等量とすることが反応後に(b)成分が残存しにくくなるため水分散安定性及び得られる硬化物のハードコート性の点で好ましい。
(A)成分と(b)成分の反応は、エポキシ開環反応であり、公知の反応条件を採用することができる。例えば、触媒の存在下、加熱することにより得られる。触媒としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等のホスフィン類;テトラメチルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、トリブチルアミン等のアミン類;2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;ジブチル錫ジラウレート等のラウリン酸エステル類などが挙げられる。触媒の使用量は、特に限定されないが、(A)成分と(b)成分の合計重量100重量部に対して、通常、0.01〜5重量部程度とすることが好ましい。なお、必要に応じ、有機溶媒や重合禁止剤を用いてもよい。有機溶媒としては、(A)成分、(b)成分と反応しないものであれば、特に限定されず公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、エチルアルコール、プロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等の低級ケトン類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;酢酸ブチル、酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルホルムアミド等が挙げられる、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。重合禁止剤としては、メトキノン、ハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、N‐ニトロソフェニルヒドロキシルアミン等が挙げられる。なお、重合禁止剤の使用量は特に限定されないが、得られる(B)成分の重合性が悪化する場合があるため、(A)成分と(b)成分の合計重量100重量部に対して、通常、1重量部程度以下とすることが好ましい。また、重合を防止するために、反応系中に空気を吹き込む等してもよい。
このようにして得られた(B)成分は、重量平均分子量を5,500〜60,000程度、アクリル当量を150〜450g/eq程度、酸価を5mgKOH/g程度以下とすることが、得られる硬化膜のハードコート特性の点から好ましい。なお、重量平均分子量の測定はゲルパーメーションクロマトグラフィー法(東ソー(株)製 高速GPC装置HLC-8220GPCにて測定)によるポリスチレン換算値である。
上記(C)成分は、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(PE3A)である。(C)成分は、(b)成分と(A)成分を反応させる際に、あらかじめ添加しておいても良く、(b)成分と(A)成分を反応させて得られた(B)成分に添加しても良く、(b)成分と(A)成分との反応前後に分割して添加しても良い。(C)成分の使用量は特に限定されないが、(B)成分100重量部に対し、10〜400重量部程度とすることが好ましく、50〜200重量部とすることが特に好ましい。10重量部以上とすると、高粘度とならず取扱い容易となり、400重量部以下であると、水分散時の乳化安定性が低下しにくい。
本発明の水系コーティング剤組成物は、上記(B)成分及び(C)成分を含有するものである。この組成とすることにより、硬度及び耐擦傷性に優れ、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)への密着性に優れた硬化膜を得ることができる。
本発明の水系コーティング剤組成物は、上記(B)成分及び(C)成分の他に、更に(D)成分を含むものであることが好ましい。
上記(D)成分は、1分子中の(メタ)アクリル基の数平均が1〜4であって、活性水素含有官能基を有しない炭化水素系(メタ)アクリレート、エーテル系(メタ)アクリレート及びエステル系アクリレートから選ばれた1種以上の(メタ)アクリレートであれば、特に限定されない。好ましくは、エーテル系(メタ)アクリレートである。これにより、ABS樹脂だけでなく、ポリカーボネートへの密着性にも優れた硬化膜を形成する水系コーティング剤組成物を得ることができる。
上記活性水素含有官能基は、活性水素を含有する官能基であれば特に限定されず、カボキシル基、ヒドロキシル基、チオール基、第一級アミノ基、第二級アミノ基等が挙げられる。
上記炭化水素系(メタ)アクリレートとは、炭化水素以外の炭素間の不飽和結合を実質的に含有しないものを指すが、炭化水素系基に(メタ)アクリル基が付加したものも含むことは当然であり、また炭化水素系基の水素の一部がフッ素等のハロゲン、ケイ素等の非金属元素、金属元素で置換されたものは含まない。
上記活性水素含有官能基を有しない炭化水素系(メタ)アクリレートとしては、例えば2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の1官能(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4ーブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート類;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能(メタ)アクリレート類が挙げられる。
上記エーテル系(メタ)アクリレートとは、炭化水素系(メタ)アクリレート、および後述するエステル系(メタ)アクリレートを除いたエーテル結合を含有する(メタ)アクリレートであれば特に限定されず、例えばテトラヒドロフルフリルアクリレート等の1官能(メタ)アクリレート類;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート類;エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート類;ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等の4官能(メタ)アクリレート類が挙げられる。
上記エステル系(メタ)アクリレートとは、炭化水素系(メタ)アクリレート、および上述のエーテル系(メタ)アクリレートを除いたエステル結合を含有する(メタ)アクリレートであれば特に限定されず、例えば、各種ポリエステルジオールの末端を(メタ)アクリル酸変性したもの等が挙げられる。
上記(D)成分は、炭化水素系(メタ)アクリレート、上記エーテル系(メタ)アクリレート及び上記エステル系(メタ)アクリレートから選ばれた1種以上の(メタ)アクリレートから選ばれた1種以上の(メタ)アクリレートである。
上記(D)成分は、(A)成分、(b)成分及び(C)成分を反応させる際に、あらかじめ添加しておいても良いし、得られた(B)成分に添加してもよい。あらかじめ添加する場合は、(C)成分を添加した後に、(D)成分を添加してもよく、(D)成分を(C)成分より先に添加してもよく、(C)成分と(D)成分を同時に添加してもよい。
上記(D)成分の使用量は、(B)成分と(C)成分の合計重量100重量部に対して、10〜30重量部とすることが好ましい。10重量%以上とすることで得られる水系コーティング剤組成物を用いたコーティング剤の密着性が低下しにくくなり、また30重量%以下とすることで水分散時の安定性を向上させることができる。
上記(B)成分及び(C)成分、必要に応じて更に(D)成分を水に溶解させるまたは水に分散させることにより本発明の水系コーティング剤組成物となる。水に分散させる場合には、高圧乳化法、転相乳化法等、公知の方法を採用すればよい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて各種公知の乳化剤、分散剤を用いてもよい。本発明の水系コーティング剤組成物は、(B)成分および(C)成分を必須成分とするものであるが、さらに表面調整剤、消泡剤、光増感剤、酸化防止剤、光安定剤、レベリング剤、顔料等の各種公知の添加剤、光重合開始剤などを含有させてもよい。
上記光重合開始剤としては、特に限定されず公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、4−メチルベンゾフェノン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、光重合開始剤は、紫外線硬化を行なう場合に使用するが、電子線硬化をする場合には、必ずしも必要ではない。光重合開始剤を使用する場合の使用量は特に限定されないが、通常、(B)成分及び(C)成分、必要に応じて(D)成分の合計量100重量部に対し、1〜10重量部程度とすることが好ましい。
本発明の水系コーティング剤組成物は、少なくとも(a1)成分、(a2)成分及び(a3)成分を重合して(A)成分を得る工程(1)、得られた(A)成分に(b)成分を反応させて(B)成分を得る工程(2)及び(B)成分に(C)成分を加えて、更に水を加え水中に分散させる工程(3)にて製造することにより、安定した水系コーティング剤組成物を得ることができる。工程(3)において、更に(D)成分を添加することが好ましい。なお、(D)成分は工程(2)で添加することもできる。
以下、実施例及び比較例をあげて本発明方法を更に詳しく説明するが、本発明がこれらに限定されないことはもとよりである。なお、実施例中、部または%は重量基準である。
(活性エネルギー線硬化型樹脂の製造)
実施例1
窒素ガス導入管、温度計、還流冷却器及び攪拌装置を備えた四つ口フラスコに、グリシジルメタクリレート60部、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(製品名「ブレンマーPME1000」日油(株)製)30部、ステアリルメタクリレート10部、メチルイソブチルケトン400部、2、2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(ABN−E)4部を仕込み、反応系を87℃に昇温し、30分間保温して重合を行った後、当該温度において、反応系内にモノマー混合物(グリシジルメタクリレート180部、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(製品名「ブレンマーPME1000」日油(株)製)90部、ステアリルメタクリレート30部、ABN−E12部)を2時間かけて滴下することにより、重合反応を行った。次いで、同温度において反応系を3時間保温し、その後ABN−E2部を加え、さらに30分保温し、116℃において反応系を2.5時間保温した。その後160℃において減圧下に該メチルイソブチルケトンを除去し、60℃まで冷却し、反応物(A−1)を得た。反応系にペンタエリスリトールトリアクリレート521.7部、アクリル酸121.7部、重合禁止剤であるメトキノン1.56部、フェノチアジン0.52部、反応触媒であるトリフェニルホスフィン10.4部とを加え、100℃に昇温、5時間保温することで活性エネルギー線硬化型樹脂(B−1)を含有する水系コーティング剤組成物を得た。当該活性エネルギー線硬化型樹脂(B−1)の重量平均分子量は15000、酸価は4.4mgKOH/gであった。
実施例2
実施例1と同様の四つ口フラスコに、グリシジルメタクリレート40部、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(製品名「ブレンマーPME1000」日油(株)製)30部、ステアリルメタクリレート30部、メチルイソブチルケトン400部、ABN−E4部を仕込み、反応系を87℃に昇温し、30分間保温して重合を行った後、当該温度において、反応系内にモノマー混合物(グリシジルメタクリレート120部、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(製品名「ブレンマーPME1000」日油(株)製)90部、ステアリルメタクリレート90部、ABN−E12部)を2時間かけて滴下することにより、重合反応を行った。次いで、同温度において反応系を3時間保温し、その後ABN−E2部を加え、さらに30分保温し、116℃において反応系を2.5時間保温した。次いで、その後160℃において減圧下に該メチルイソブチルケトンを除去し、60℃まで冷却し、反応物(A−2)を得た。反応系にペンタエリスリトールトリアクリレート481.1部、アクリル酸81.1部、重合禁止剤であるメトキノン1.44部、フェノチアジン0.48部、反応触媒であるトリフェニルホスフィン9.64部とを加え、100℃に昇温、6時間保温することで活性エネルギー線硬化型樹脂(B−2)を含有する水系コーティング剤組成物を得た。当該活性エネルギー線硬化型樹脂(B−2)の重量平均分子量は15000、酸価は3.2mgKOH/gであった。
実施例3
実施例1と同様の四つ口フラスコに、グリシジルメタクリレート60部、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(製品名「ブレンマーPME1000」日油(株)製)30部、ラウリルメタクリレート10部、メチルイソブチルケトン400部、ABN−E4部を仕込み、反応系を87℃に昇温し、30分間保温して重合を行った後、当該温度において、反応系内にモノマー混合物(グリシジルメタクリレート180部、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(製品名「ブレンマーPME1000」日油(株)製)90部、ラウリルメタクリレート30部、ABN−E12部)を2時間かけて滴下することにより、重合反応を行った。次いで、同温度において反応系を3時間保温し、その後ABN−E2部を加え、さらに30分保温し、116℃において反応系を2.5時間保温した。次いで、その後160℃において減圧下に該メチルイソブチルケトンを除去し、60℃まで冷却し、反応物(A−3)を得た。反応系にペンタエリスリトールトリアクリレート521.7部、アクリル酸121.7部、重合禁止剤であるメトキノン1.56部、フェノチアジン0.52部、反応触媒であるトリフェニルホスフィン10.4部とを加え、100℃に昇温、5時間保温することで活性エネルギー線硬化型樹脂(B−3)を含有する水系コーティング剤組成物を得た。当該活性エネルギー線硬化型樹脂(B−3)の重量平均分子量は15000、酸価は4.5mgKOH/gであった。
実施例4
実施例1と同様の四つ口フラスコに、グリシジルメタクリレート60部、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(製品名「ブレンマーPME1000」日油(株)製)30部、セチルメタクリレート10部、メチルイソブチルケトン400部、ABN−E4部を仕込み、反応系を87℃に昇温し、30分間保温して重合を行った後、当該温度において、反応系内にモノマー混合物(グリシジルメタクリレート180部、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(製品名「ブレンマーPME1000」日油(株)製)90部、セチルメタクリレート30部、ABN−E12部)を2時間かけて滴下することにより、重合反応を行った。次いで、同温度において反応系を3時間保温し、その後ABN−E2部を加え、さらに30分保温し、116℃において反応系を2.5時間保温した。次いで、その後160℃において減圧下に該メチルイソブチルケトンを除去し、60℃まで冷却し、反応物(A−4)を得た。反応系にペンタエリスリトールトリアクリレート521.7部、アクリル酸121.7部、重合禁止剤であるメトキノン1.56部、フェノチアジン0.52部、反応触媒であるトリフェニルホスフィン10.4部とを加え、100℃に昇温、5時間保温することで活性エネルギー線硬化型樹脂(B−4)を含有する水系コーティング剤組成物を得た。当該活性エネルギー線硬化型樹脂(B−4)の重量平均分子量は15000、酸価は3.9mgKOH/gであった。
実施例5
実施例1と同様の四つ口フラスコに、グリシジルメタクリレート60部、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(製品名「ブレンマーPME1000」日油(株)製)30部、ベヘニルメタクリレート10部、メチルイソブチルケトン400部、ABN−E4部を仕込み、反応系を87℃に昇温し、30分間保温して重合を行った後、当該温度において、反応系内にモノマー混合物(グリシジルメタクリレート180部、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(製品名「ブレンマーPME1000」日油(株)製)90部、ベヘニルメタクリレート30部、ABN−E12部)を2時間かけて滴下することにより、重合反応を行った。次いで、同温度において反応系を3時間保温し、その後ABN−E2部を加え、さらに30分保温し、116℃において反応系を2.5時間保温した。次いで、その後160℃において減圧下に該メチルイソブチルケトンを除去し、60℃まで冷却し、反応物(A−5)を得た。反応系にペンタエリスリトールトリアクリレート521.7部、アクリル酸121.7部、重合禁止剤であるメトキノン1.56部、フェノチアジン0.52部、反応触媒であるトリフェニルホスフィン10.4部とを加え、100℃に昇温、5時間保温することで活性エネルギー線硬化型樹脂(B−5)を含有する水系コーティング剤組成物を得た。当該活性エネルギー線硬化型樹脂(B−5)の重量平均分子量は15000、酸価は3.1mgKOH/gであった。
(紫外線硬化型水系コーティング剤組成物の製造)
実施例6
実施例1と同様の四つ口フラスコに、実施例1で調製した組成物100部を十分に攪拌し、次いで水150部を徐々に添加し、40℃で1時間強攪拌し水性物を得た。次いで、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(製品名「ダロキュア1173」、チバ・ジャパン(株)製)5部、及びレベリング剤(製品名「BYK348」、ビックケミー・ジャパン(株)製)0.75部を加えてよく攪拌し、水系コーティング剤組成物(1)を得た。
実施例7
実施例1と同様の四つ口フラスコに、実施例2で調製した組成物100部を十分に攪拌し、次いで水150部を徐々に添加し、40℃で1時間強攪拌し水性物を得た。次いで当該水性物に実施例6と同様の操作を行い、水系コーティング剤組成物(2)を得た。
実施例8
実施例1と同様の四つ口フラスコに、実施例3で調製した組成物100部を十分に攪拌し、次いで水150部を徐々に添加し、40℃で1時間強攪拌し水性物を得た。次いで当該水性物に実施例6と同様の操作を行い、水系コーティング剤組成物(3)を得た。
実施例9
実施例1と同様の四つ口フラスコに、実施例4で調製した組成物100部を十分に攪拌し、次いで水150部を徐々に添加し、40℃で1時間強攪拌し水性物を得た。次いで当該水性物に実施例6と同様の操作を行い、水系コーティング剤組成物(4)を得た。
実施例10
実施例1と同様の四つ口フラスコに、実施例5で調製した組成物100部を十分に攪拌し、次いで水150部を徐々に添加し、40℃で1時間強攪拌し水性物を得た。次いで当該水性物に実施例6と同様の操作を行い、水系コーティング剤組成物(5)を得た。
実施例11
実施例1と同様の四つ口フラスコに、実施例1で調製した組成物60部、PE3A10部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(製品名「アロニックスM−408」東亞合成(株)製(DTMPTA))(D)30部を十分に攪拌し、次いで水150部を徐々に添加し、40℃で1時間強攪拌し水性物を得た。次いで当該水性物に実施例6と同様の操作を行い、水系コーティング剤組成物(6)を得た。
実施例12
実施例1と同様の四つ口フラスコに、実施例1で調製した組成物60部、PE3A(C)15部、DTMPTA(D)25部を十分に攪拌し、次いで水150部を徐々に添加し、40℃で1時間強攪拌し水性物を得た。次いで当該水性物に実施例6と同様の操作を行い、水系コーティング剤組成物(7)を得た。
実施例13
実施例1と同様の四つ口フラスコに、実施例1で調製した組成物60部、PE3A(C)15部、1,9−ノナンジオールジアクリレート(製品名「ビスコート260」大阪有機化学工業(株)製)(D)25部を十分に攪拌し、次いで水150部を徐々に添加し、40℃で1時間強攪拌し水性物を得た。次いで当該水性物に実施例6と同様の操作を行い、水系コーティング剤組成物(8)を得た。
実施例14
実施例1と同様の四つ口フラスコに、実施例1で調製した組成物60部、PE3A(C)15部、テトラヒドロフルフリルアクリレート(製品名「ビスコート150」大阪有機化学工業(株)製)(D)25部を十分に攪拌し、次いで水150部を徐々に添加し、40℃で1時間強攪拌し水性物を得た。次いで当該水性物に実施例6と同様の操作を行い、水系コーティング剤組成物(9)を得た。
実施例15
実施例1と同様の四つ口フラスコに、実施例1で調製した組成物60部、PE3A(C)15部、ポリエステルアクリレート(製品名「アロニックスM9050」東亞合成(株)製)(D)25部を十分に攪拌し、次いで水150部を徐々に添加し、40℃で1時間強攪拌し水性物を得た。次いで当該水性物に実施例6と同様の操作を行い、水系コーティング剤組成物(10)を得た。
(活性エネルギー線硬化型樹脂の製造)
比較例1
実施例1と同様の四つ口フラスコに、グリシジルメタクリレート(a1)70部、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(製品名「ブレンマーPME1000」日油(株)製)(a2)30部、メチルイソブチルケトン400部、ABN−E4部を仕込み、反応系を87℃に昇温、30分保温して重合を行った後、当該温度において、反応系内にモノマー混合物(グリシジルメタクリレート195部、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート105部、ABN−E12部)を2時間かけて滴下することにより、重合反応を行った。次いで、同温度において反応系を3時間保温し、その後ABN−E2部を加え、さらに30分保温し、116℃において反応系を2.5時間保温した。次いで、その後160℃において減圧下に該メチルイソブチルケトンを除去し、60℃まで冷却し、反応物(A−6)を得た。反応系にPE3A(C)531.8部、アクリル酸(b)131.8部、重合禁止剤であるメトキノン1.6部、フェノチアジン0.52部、反応触媒であるトリフェニルホスフィン10.6部を加え、100℃に昇温し、3時間保温することで活性エネルギー線硬化型樹脂(B−6)を含有する水性コーティング剤組成物を得た。当該反応物(B−6)の重量平均分子量は14000、酸価は4.7mgKOH/gであった。
比較例2
実施例1と同様の四つ口フラスコに、実施例1で得た組成物400部、DTMPTA521.7部、アクリル酸121.7部、重合禁止剤であるメトキノン1.56部、フェノチアジン0.52部、反応触媒であるトリフェニルホスフィン10.4部とを加え、100℃に昇温、5時間保温することで活性エネルギー線硬化型樹脂(B−7)を含有する水性コーティング剤組成物を得た。当該活性エネルギー線硬化型樹脂(B−7)の重量平均分子量は15000、酸価は4.2mgKOH/gであった。
比較例3
実施例1と同様の四つ口フラスコに、比較例2で得た組成物400部、DTMPTA531.8部、アクリル酸131.8部、重合禁止剤であるメトキノン1.6部、フェノチアジン0.52部、反応触媒であるトリフェニルホスフィン10.6部とを加え、100℃に昇温、5時間保温することで活性エネルギー線硬化型樹脂(B−8)を含有する水性コーティング剤組成物を得た。当該活性エネルギー線硬化型樹脂(B−8)の重量平均分子量は14000、酸価は4.5mgKOH/gであった。
(水系コーティング剤組成物の製造)
比較例4
実施例1と同様の四つ口フラスコに、比較例1で調製した組成物100部を十分に攪拌し、次いで水150部を徐々に添加し、40℃で1時間強攪拌し水性物を得た。次いで当該水性物に実施例6と同様の操作を行い水系コーティング剤組成物(11)を得た。
比較例5
実施例1と同様の四つ口フラスコに、比較例2で調製した組成物100部を十分に攪拌し、次いで水150部を徐々に添加し、40℃で1時間強攪拌し水性物を得た。次いで当該水性物に実施例6と同様の操作を行い、水系コーティング剤組成物(12)を得た。
比較例6
実施例1と同様の四つ口フラスコに、比較例3で調製した組成物100部を十分に攪拌し、次いで水150部を徐々に添加し、40℃で1時間強攪拌し水性物を得た。次いで当該水性物に実施例6と同様の操作を行い、水系コーティング剤組成物(13)を得た。
比較例7
実施例1と同様の四つ口フラスコに、比較例1で調製した組成物60部、PE3A(C)10部、DTMPTA(D)30部を十分に攪拌し、次いで水150部を徐々に添加し、40℃で1時間強攪拌し水性物を得た。次いで当該水性物に実施例6と同様の操作を行い、コーティング剤組成物(14)を得た。
<乳化安定性の確認>
水系コーティング剤組成物の状態を、水分散直後、1日後、7日後に、分離、沈降等の異常の有無を目視にて確認した。結果を表1〜3に示す。
0:水分散不可能
1:水分散直後に分離
2:1日後に分離
3:1週間後も分離なし
<コーティング被膜の作製>
水系コーティング剤組成物(1)を、#20バーコーターを用いて膜厚が約18μm(計算値)となるように、2mm厚のポリカーボネート(PC)フィルム(商品名「標準試験板ポリカーボネート」、日本テストパネル(株)製(PC))および2mm厚のABSフィルム(商品名「標準試験板ABS(N)」、日本テストパネル(株)製(ABS))に塗工し、80℃で3分乾燥させた。次いで、得られた塗工フィルムを大気中で、80W高圧水銀灯の下に通過させて(水銀灯高さ20cm、搬送速度8m/分、5回照射、紫外線照射量600mJ/cm)、塗工面を硬化させることにより被覆ポリカーボネートフィルム及び被覆ABSフィルムを得た。また、水系コーティング剤組成物(2)〜(5)のそれぞれについても同様にして被覆ポリカーボネート(PC)フィルムおよび被覆ABSフィルムを得た。
<密着性試験>
上記各被覆フィルムについて、JIS−K−5600に準拠して碁盤目試験を実施し、以下の基準に基づいて、被膜の密着性を評価した。結果を表1〜3に示す。
○:100マス中100マス残存
△:100マス中30〜99マス残存
×:100マス中0〜29マス残存
Figure 2010229400
Figure 2010229400
Figure 2010229400

Claims (5)

  1. エポキシ基を有するラジカル重合性ビニル単量体(a1)、分子中にポリアルキレングリコールエーテル構造を有するラジカル重合性ビニル単量体(a2)、及び、炭素数2〜30のアルキル(メタ)アクリレートを含有する単量体成分(a3)を重合することにより得られた重合体(A)にカルボキシル基を有するラジカル重合性ビニル単量体(b)を反応させて得られる反応物(B)、並びに、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(C)を含有する水系コーティング剤組成物。
  2. 更に、1分子中の(メタ)アクリル基の数平均が1〜4であって、活性水素含有官能基を有しない炭化水素系(メタ)アクリレート、エーテル系(メタ)アクリレート、及び、エステル系(メタ)アクリレートから選ばれた1種以上の(メタ)アクリレート(D)を含む請求項1記載の水系コーティング剤組成物。
  3. 炭素数2〜30のアルキル(メタ)アクリレートを含有する単量体成分(a3)が、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)クリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種のアルキル(メタ)アクリレート及び/又はビニル化合物を含有する単量体成分である請求項1又は2記載の水系コーティング剤組成物。
  4. 炭素数2〜30のアルキル(メタ)アクリレートを含有する単量体成分(a3)の使用量(重量比)が、重合体(A)を100重量%とした場合に、1〜30重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の水系コーティング剤組成物。
  5. ポリアルキレングリコールエーテル構造が、一般式(1):−(X−O)−(式中、Xは分岐構造を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基であって、それぞれが異なっていてもよく、nは9〜90の整数を表す。)で表される請求項1〜4のいずれかに記載の水系コーティング剤組成物。
JP2010044379A 2009-03-02 2010-03-01 水系コーティング剤組成物 Active JP5510643B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010044379A JP5510643B2 (ja) 2009-03-02 2010-03-01 水系コーティング剤組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009048309 2009-03-02
JP2009048309 2009-03-02
JP2010044379A JP5510643B2 (ja) 2009-03-02 2010-03-01 水系コーティング剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010229400A true JP2010229400A (ja) 2010-10-14
JP5510643B2 JP5510643B2 (ja) 2014-06-04

Family

ID=43045498

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010044379A Active JP5510643B2 (ja) 2009-03-02 2010-03-01 水系コーティング剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5510643B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015229680A (ja) * 2014-06-03 2015-12-21 三菱レイヨン株式会社 活性エネルギー線硬化型防曇塗料組成物及び樹脂成形物

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10195372A (ja) * 1997-01-08 1998-07-28 Toagosei Co Ltd 水系活性エネルギー線硬化型金属用塗料組成物
JP2008069303A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Arakawa Chem Ind Co Ltd カール防止剤、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物およびフィルム基材

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10195372A (ja) * 1997-01-08 1998-07-28 Toagosei Co Ltd 水系活性エネルギー線硬化型金属用塗料組成物
JP2008069303A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Arakawa Chem Ind Co Ltd カール防止剤、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物およびフィルム基材

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015229680A (ja) * 2014-06-03 2015-12-21 三菱レイヨン株式会社 活性エネルギー線硬化型防曇塗料組成物及び樹脂成形物

Also Published As

Publication number Publication date
JP5510643B2 (ja) 2014-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3400530B2 (ja) 耐摩耗性被覆組成物
KR101432689B1 (ko) 활성 에너지선 경화형 수성 수지 조성물, 활성 에너지선 경화형 도료, 경화 도막의 형성 방법 및 물품
EP3054752B1 (en) Curable composition for printed circuit board, and cured coating film and printed circuit board incorporating same
TWI609056B (zh) Photocurable resin composition and optical film using this resin composition
JP2019031676A (ja) 水性樹脂分散体及びその使用
JP4998770B2 (ja) コーティング用硬化性組成物
JP2012062385A (ja) フィルム保護層用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物及びこれを用いたフィルム
JP5163946B2 (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、コーティング剤組成物、蒸着アンカー層用コーティング剤および硬化被膜
WO2009133760A1 (ja) 活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物、活性エネルギー線硬化型塗料、硬化塗膜の形成方法及び物品
WO2015083360A1 (ja) 環状ハラミン構造を有する新規共重合体
KR102279540B1 (ko) 친수성기를 갖는 함불소 공중합체 및 해당 공중합체를 포함하는 표면 개질제
JP2008069303A (ja) カール防止剤、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物およびフィルム基材
JP2008031471A (ja) 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、活性エネルギー線硬化型コーティング剤組成物、硬化被膜および被覆フィルム
JP6075443B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型塗料組成物
TW201704388A (zh) 易剝離性保護用樹脂薄膜形成組成物
JP5510643B2 (ja) 水系コーティング剤組成物
JP7451902B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型エマルジョン組成物及びコーティング剤組成物
KR20180034267A (ko) 광학용 활성 에너지선 경화형 수지 조성물, 경화 피막, 광학용 필름
JP5505855B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型水性物
JP5415169B2 (ja) 活性エネルギー線硬化性ハードコート剤組成物及びそれに用いる(メタ)アクリル系共重合樹脂の製造方法
JPH11148045A (ja) 活性エネルギー線硬化型塗料組成物及びそれを用いた被膜形成方法
JP2009084447A (ja) 活性エネルギー線硬化型エマルジョン、および活性エネルギー線硬化型コーティング剤
JP2008056749A (ja) 電離放射線硬化性樹脂組成物及びそれを用いた積層体
JP2023007298A (ja) ハードコート樹脂組成物
JP5552266B2 (ja) 水系媒体に分散した光硬化性樹脂組成物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140311

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5510643

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250