JP2010229001A - 粗粒cBN粒子を含有する切削工具用cBN焼結体 - Google Patents

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Abstract

【課題】長寿命の切削工具であって、被削材の面粗度の改善や横境界損傷の改善が可能な切削工具の製造を可能とする切削工具用cBN焼結体を提供する。
【解決手段】cBN含有率が20−99体積%であり、第1cBN粒子群と第2cBN粒子群とを有し、該第1cBN粒子群の平均粒径が50μm以上であり、かつ、第2cBN粒子群の平均粒径の5倍以上であり、結合相が、周期律表4a、5a、6a族元素の窒化物、炭化物、硼化物、酸化物、及びこれらの固容体からなる群から選択される少なくとも一種と、Alの窒化物、硼化物、酸化物、及びこれらの固容体からなる群から選択される少なくとも一種とを含む、もしくはW、Co、Zr、Ni、Cr、Alのうち少なくとも1種以上の窒化物、炭化物、炭窒化物、硼化物、酸化物からなる、もしくはAlの窒化物、硼化物、酸化物のうち少なくとも1種以上からなることを特徴とする切削工具用cBN焼結体により解決される。
【選択図】図2

Description

本発明は、立方晶窒化硼素(cBN)を主成分として刃先に有する切削工具を製造するためのcBN焼結体に関する。
従来、特許文献1に開示されたようにcBN粒子の平均粒径が2μm以下の高精度加工用cBN焼結体や、特許文献2に開示されたようにcBN粒子の平均粒径が4−20μmの高硬度鋼、チル鋳鉄切削用のcBN焼結体等、様々な粒径のcBN焼結体が開示されている。
しかし、このような多結晶体では焼結体を構成する粒子をどれだけ微粒にしても、Rzで1μm以下の高精度加工では工具寿命が短く、かつ、切れ刃を構成する粒子の脱落や粒界の損傷により被削材の面に筋が発生したり、耐熱合金や、表面がチル化されたねずみ鋳鉄の黒皮加工では、工具の横境界に損傷が発生したりするという問題があった。
また、非特許文献1には「cBN単結晶の評価」として、cBN単結晶工具による焼入鋼の超精密加工について記述がある。このようにcBN単結晶体は切削工具として、優れた性能を発揮することがあると考えられる。しかし、このようなcBN単結晶工具は工具を生産するに十分な大きさのcBN単結晶体の合成が極めて困難なことと、単結晶体と台金の接合、研磨加工が困難で高コストであること等から、実用化には至っていない。
特公平06−94580号公報 特開平08−81270号公報
NEW DIAMOND、Vol.5、No.4、p20
本発明の課題は、長寿命の切削工具であって、被削材の面粗度の改善が可能な切削工具、もしくは横境界の損傷を抑制し、長寿命が可能な切削工具の製造を可能とする切削工具用cBN焼結体を提供することにある。
本発明者等は、切削工具の長寿命化、被削材の面粗度の改善の観点から鋭意研究を重ねた結果、以下のように、切削では切れ刃の各部位で異なった要求特性であることが多いことを見出した。
例えば、焼入鋼の高精度加工では被削材の面を形成する前境界部の切れ刃は滑らかに摩耗し、微小な凹凸が少ないことが要求されるが、その他の切れ刃は耐摩耗性が要求される。すなわち、切削時における切れ刃の前境界部分をcBN単結晶体により構成し、他の部分、特に横境界部分は多結晶体により構成した切れ刃が好ましい。
また、耐熱合金の切削では溝状の摩耗が発達しやすい横境界部では粒子同士の結合力が強いこと等が要求されるが、その他の切れ刃は耐摩耗性が要求される。すなわち、横切れ刃境界部を含む横切れ刃部分をcBN単結晶体により構成することが有効である。
しかしながら、従来のcBN焼結体ではcBN粒子の粒径が連続的に分布しており、かつ、焼結体中でcBN粒子の粒度分布が焼結体全体のcBN粒度分布に近い状態となっているため、切れ刃を作製した場合に該切れ刃の任意の部分の機能は等しいものとなる。このため、従来の焼結体中の任意の部分の機能が等しい焼結体では、上述したような切れ刃の部位によって異なる要求特性に対して、共に機能が発揮されるように材料設計がなされるが、各部位の要求特性に対する最適な材料設計とならず、性能に限度がある。
本発明者等は、以上の点に着目し、粗粒のcBN粒子と、微粒のcBN粒子とが適切に混合されたcBN焼結体により、各部位の要求特性が最適なものとなる切れ刃を提供できることを見出し、以下の本発明を完成させた。
(1)本発明に係る切削工具用cBN焼結体は、cBN含有率が20−99体積%であり、第1cBN粒子群と第2cBN粒子群とを有し、該第1cBN粒子群の平均粒径が50μm以上であり、かつ第2cBN粒子群の平均粒径の5倍以上であり、結合相が、周期律表4a、5a、6a族元素の窒化物、炭化物、硼化物、酸化物、及びこれらの固容体からなる群から選択される少なくとも一種と、Alの窒化物、硼化物、酸化物、及びこれらの固容体からなる群から選択される少なくとも一種とを含む、もしくはW、Co、Zr、Ni、Cr、Alのうち少なくとも1種以上の窒化物、炭化物、炭窒化物、硼化物、酸化物からなる、もしくはAlの窒化物、硼化物、酸化物のうち少なくとも1種以上からなることを特徴とする。
(2)上記(1)に記載の切削工具用cBN焼結体であって、前記cBN含有率が40−98体積%であることを特徴とする。
(3)上記(1)又は(2)に記載の切削工具用cBN焼結体であって、前記第1cBN粒子群の平均粒径が100μm以上であり、前記第2cBN粒子群の平均粒径が8μm以下であることを特徴とする。
本発明に係るcBN焼結体中には、所定以上の粒子直径を有するcBN粒子が配置されているため、大粒径のcBN単結晶を切れ刃、もしくは切れ刃の一部とする工具の生産が可能となる。これら大粒径のcBN単結晶の切れ刃を前境界部に用いることにより焼入鋼の高精度加工でより優れた面粗度が得られる。また、cBN単結晶を横境界部に用いることにより、耐熱合金の加工では横境界の溝状の摩耗を抑制し工具寿命の大幅な延長が可能となる。
cBN焼結体を用いた好ましい切削工具の一例を示す図である。 本発明のcBN焼結体から切削工具を切り出す一例を示す図である。 cBN焼結体を用いた好ましい切削工具の別の一例を示す図である。 本発明のcBN焼結体から切削工具を切り出す別の一例を示す図である。 切削加工時における切削工具の刃先等の概略を示す図である。
本発明に係る切削加工用cBN焼結体は、第1cBN粒子群と第2cBN粒子群とを有し、該第1cBN粒子群の平均粒径(粒子直径)が50μm以上であり、かつ、第2cBN粒子群の平均粒径の5倍以上であることを特徴とする。平均粒径が50μm以上の粗粒cBN粒子(単結晶体)と、平均粒径が1/5以下である微粒のcBN粒子とを有することにより、切削工具の切れ刃の任意の部分に所期の機能を持たせることが可能となる。
例えば、前切れ刃境界部を含む前切れ刃部分に粗粒のcBN単結晶体を配置することにより、前切れ刃の摩耗を平滑に進行させて、被削材の面粗度を良好にすることができる。また、鋳鉄の粗加工や耐熱合金の加工のように、横境界部を含む横切れ刃部分の損傷が著しい場合には、該横切れ刃部分に粗粒のcBN単結晶体を配置することにより損傷に対する耐性を向上させることができる。これらの観点から、前記第1cBN粒子群のより好ましい平均粒径は100μm以上である。
一方、cBN単結晶体の劈開性によるチッピングや、熱的な摩耗速度が速い等が問題となる場合には、その切れ刃部分を微粒のcBN粒子群によるcBN多結晶体により構成すればよい。微粒子を混在させることによってチッピングの問題に対処でき、熱的に安定な結合相の効果により耐摩耗性が改善される。多結晶体の耐摩耗性や強度の観点から、前記第2cBN粒子群のより好ましい平均粒径は8μm以下である。
上記cBN焼結体は、cBN含有率が20−99体積%であることを特徴とする。cBNの含有率がこれらの範囲にあることにより、焼結体の強度と耐摩耗性を両立させることが可能となる。より好ましいcBN含有率の範囲は、40−98体積%である。
更に、焼結体の結合相が、周期律表4a、5a、6a族元素の窒化物、炭化物、硼化物、酸化物、及びこれらの固容体からなる群から選択される少なくとも一種と、Alの窒化物、硼化物、酸化物、及びこれらの固容体からなる群から選択される少なくとも一種とを含む、もしくはW、Co、Zr、Ni、Cr、Alのうち少なくとも1種以上の窒化物、炭化物、炭窒化物、硼化物、酸化物からなる、もしくはAlの窒化物、硼化物、酸化物のうち少なくとも1種以上からなることを特徴とする。これらの結合材成分により、cBN焼結体の耐摩耗性及び強度を向上させることができる。当然、これらの成分以外にも不可避的に不純物が含まれていても構わない。
本発明に係るcBN焼結体により、例えば、以下のような切削工具の製造が可能となる。
<前切れ刃境界部が単結晶体である切削工具の作製>
前述のように、焼入鋼等を高精度切削加工する場合、前切れ刃境界部付近の刃先摩耗は凹凸なく平滑に進行することが好ましい。図5に示すように、前切れ刃境界部により仕上げ面の形成が行われるため、被削材表面には前切れ刃境界部の形状が転写されるからである。なお、「平滑に摩耗する」とは、前切れ刃境界部の摩耗が抑制され、段差や溝(筋)の形成が押さえられて滑らかになる状態の事をいう。
したがって、被削材表面の面粗度を良好にするためには、図1に示すように、被削材と接触する切れ刃部分において、切込みが最大となる点から、送り方向の切れ刃は切り込み量のx1%が、送りと反対方向の切れ刃は切り込み量のy1%がcBN単結晶体で形成され、x1が10以上50以下であり、y1が10以上であることが好ましい。これにより前切れ刃境界部がcBN単結晶体により形成されるため、粒子の脱落がなく、前切れ刃境界部分が平滑に摩耗するようになる。このため、cBN多結晶体で切削した場合のような被削材表面の面粗度の悪化、筋の発生が抑制され、高精度加工で長寿命の工具となる。また、y1の値が100以下のときに、コストが特に低くなる。
一方、横切れ刃境界部分は、被削材を大きく切り取る部分であるから、cBN単結晶体で構成されていると劈開性により刃先が欠けるチッピングが生じ、工具寿命が不安定になったり、熱的な摩耗が進行したりする可能性がある。このため被削材と接触する切れ刃部分において、切込みが最大となる点から、切り込み量のx1%(10≦x1≦50)を超える送り方向の切れ刃はcBN多結晶体により形成されていることが好ましい。更に、cBN単結晶体のみからチップを作製する場合に比べて低コストで提供することが可能となる。
このような切削工具を作製するためには、本発明に係るcBN焼結体から、前切れ刃部分がcBN単結晶体により、横切れ刃部分がcBN多結晶体により構成されるように切り出せばよい(図2参照)。このとき、切削時に被削材に接触する切れ刃のうち、切込みが最大となる点から、送り方向の切れ刃は切り込み量のx1%(10≦x1≦50)が、送りと反対方向の切れ刃は切り込み量のy1%(10≦y1)が、粒子径が50μm以上のcBN粒子により構成されることが好ましい。該cBN単結晶体の粒径が100μm以上であることがより好ましい。
被削材が肌焼き鋼や焼き入れ軸受け鋼等である場合に、高精度切削加工を行うには、一般的に、切り込み量は0.05〜0.2mm、送り量は0.01〜0.05mm/revの条件で行われる。このような場合、摩耗の進展により刃先が後退するため、前記cBN焼結体工具のノーズ先端部分から送り方向の切れ刃は切り込み量のx1%が、送りと反対方向の切れ刃は切り込み量のy1%がcBN単結晶体で形成され、x1が10以上50以下であり、y1が10以上であり、被削材と接触する他の切れ刃部分がcBN多結晶体で形成されていることが好ましい。これにより、前切れ刃境界部分が、cBN単結晶体で構成され、横切れ刃境界部分はcBN多結晶体で構成されることとなる。
<横切れ刃境界部が単結晶体である切削工具の作製>
前述の通り、表面がチル化されたねずみ鋳鉄の粗加工やインコネル等、耐熱合金の切削加工等を行う場合には、切削工具の横切れ刃境界部となる切れ刃部分が単一のcBN単結晶体粒子により構成されていることが好ましい。cBN単結晶体はダイヤモンドに次ぐ非常に優れた硬度と強度を有するため、刃先が高硬度のチル化されたねずみ鋳鉄表面や、加工硬化した耐熱合金切りくずに曝される場合においても、横切れ刃境界部を含む横切れ刃部分の損傷を抑制することが可能となる。
一方で、cBN単結晶は鉄族金属に対して熱的な摩耗が進行しやすいため、強度が必要な横切れ刃以外の切れ刃部分は熱的な摩耗に対して優れるcBN多結晶体とすることが好ましい。
このためには、図3に示すように、被削材と接触する切れ刃部分において、送り方向の切れ刃が、切り込みが最大となる点から、切り込み量のx2%(60≦x2≦99)からy2%(101≦y2)までが、cBN単結晶体で形成され、被削材と接触する他の切れ刃部分がcBN多結晶体で形成されていることが好ましい。また、y2の値が200以下のときに、コストが特に低くなる。このとき、横切れ刃部分を構成するように選択される焼結体中のcBN粒子の粒径は、50μm以上であることが好ましい。これにより、切削時に横切れ刃となる切れ刃の大部分を強度に優れたcBN単結晶体により構成することができる。この観点から、cBN粒子の粒径が100μm以上であることがより好ましい。
このようなcBN焼結体工具は、粗粒のcBN粒子と微粒のcBN粒子とを原材料として有する本発明に係るcBN焼結体により製造することが可能となる。すなわち、前記、横切れ刃部分が単一のcBN粒子から構成され、他の切れ刃部分がcBN多結晶体により構成されるように、本発明に係るcBN焼結体中の部分を選択して切り出せばよい(図4参照)。
<硬質被膜の被覆>
刃先の耐摩耗性を更に向上させるために、上記切削工具表面に硬質被膜を被覆することが可能である。これにより、cBN単結晶体からなる切れ刃部分もcBN多結晶体からなる切れ刃部分も耐摩耗性が向上する。
被膜の成分は、十分な硬度を有して高い耐摩耗性が得られるように、周期律表4a、5a、6a族元素、及びAl、Si、Bの中から選択される一種以上の元素とC、N及びOの中から選択される一種以上の元素とからなる化合物を選択することが好ましい。
硬質被膜の好適な成分の具体例としては、TiAlN、TiCN、TiN、Al23、ZrN、ZrC、CrN、VN、HfN、HfCまたはHfCNが挙げられる。耐摩耗性を改善する効果はこれらのいずれの成分を含む硬質皮膜においても見られるが、特にTiAlN、TiCN、TiNを含む被膜で顕著である。
硬質被膜の構成は、単層でも多層でもいずれでも良い。多層構造とした場合、いずれかの層に上記成分の被膜が含まれていれば良い。
硬質被膜の厚さは0.01μm以上10μm以下であることが好ましい。この下限値未満では耐摩耗性を改善する効果が小さくなる。逆に、10μmを超えると硬質皮膜中の残留応力の影響で基材との密着性が低下する。なお、この膜厚は、多層構造の場合、全被膜の厚さについての限定である。
硬質被膜の形成個所は基材表面の少なくとも一部で良い。切削工具として少なくとも切削に関与する面に被膜を形成する。切削に関与する面とは、すくい面、逃げ面、チャンファー面の少なくとも一つである。より具体的には、すくい面から逃げ面にかけての個所またはすくい面からチャンファー面を経て逃げ面にかけての個所である。特に工具が被削材と接する個所及びその近傍に被膜を形成すると有効である。
硬質被膜の形成手段は公知の成膜技術が利用できる。例えば、スパッタリング、イオンプレーティングなどのPVD法や、プラズマCVD法などのCVD法が利用できる。特にアークイオンプレーティング法は平滑な硬質被膜を形成できる点で好ましい。平滑な硬質被膜が形成できるアークイオンプレーティング法については、特開平10−68071号公報に記載されている。
[作製例1]
超硬合金製のポット及びボールを用いて、4a、5a、6a族遷移金属元素やAlの化合物等の結合材材料を混合してから熱処理を施し、その後粉砕して結合材粉末を得た。次に結合材粉末とcBN粉末を混合し、熱処理を施し、Mo製容器に充填し、圧力5.3GPa、温度1,310℃で18分焼結し、表1に記載のcBN焼結体を得た。
この焼結体を切断し、基材として超硬合金製の台金にロー材を用いて接合した後、切削工具(CNGA120404)を作製した。このとき、工具の前切れ刃境界部に粗粒のcBN単結晶体が配置されるように焼結体中の粗粒cBN単結晶粒子の位置を確認した後、切断、接合、研磨を実施した。
この切削工具を用いて、被削材としてSCr430(HRC60)を用いて切削試験を行った。切削時に被削材に接触する切れ刃のうち、切込みが最大となる点から、送り方向の切れ刃は切り込み量のx1%(10≦x1≦50)が、送りと反対方向の切れ刃は切り込み量のy1%(10≦y1)が粗粒cBN単結晶により形成された前切れ刃となる条件で、表2に記載の条件で切削試験を実施した。その結果、寿命判定基準をRzで0.8μmとして、表2に記載の工具寿命が得られた。
Figure 2010229001
Figure 2010229001
[作製例2]
超硬合金製のポット及びボールを用いて、4a、5a、6a族遷移金属元素やAlの化合物等の結合材材料を混合してから熱処理を施し、その後粉砕して結合材粉末を得た。次に結合材粉末とcBN粉末を混合し、熱処理を施し、Mo製容器に充填し、圧力5.2GPa、温度1,280℃で22分焼結し、cBN焼結体を得た。
この焼結体を切断し、基材として超硬合金製の台金にロー材を用いて接合した後、この表面にアークイオン式プレーティング法を用いてTiAlNやTiCN,TiN等の硬質皮膜を形成し、表3に記載の切削工具(CNGA120404)を作製した。このとき、工具の前切れ刃境界部に粗粒のcBN単結晶体が配置されるように焼結体中の粗粒cBN単結晶粒子の位置を確認した後、切断、接合、研磨を実施した。
硬質被膜の形成は以下のように実施した。アーク式イオンプレーティング法装置の真空容器の真空度を7×10-3Paの雰囲気とし、次にアルゴンガスを導入し、1×10-1Paの雰囲気に保持しながら、加熱ヒーターを用いて500℃まで加熱し、工具保持具に−1000Vの電圧をかけて洗浄をおこなった。引き続き、真空アーク放電により金属ターゲットを蒸発、イオン化させることにより、工具温度が500℃に上昇するまで、金属イオンによる工具表面クリーニングをおこなった。次に真空容器内に窒素ガス、水素ガス、アルゴンガス、メタン、アセチレンのいずれか1種類あるいは数種類を導入し、真空容器内の圧力を2Paに保持し、真空アーク放電により金属ターゲットを蒸発、イオン化させることにより切削工具上に硬質被膜を形成した。このとき、工具保持具に−20から−600Vの電圧をかけておいた。
この切削工具を用いて、被削材としてSNCM420(HRC60)を用いて切削試験を行った。切削時に被削材に接触する切れ刃のうち、切込みが最大となる点から、送り方向の切れ刃は切り込み量のx1%(10≦x1≦50)が、送りと反対方向の切れ刃は切り込み量のy1%(10≦y1)が粗粒cBN単結晶体により形成された前切れ刃となる条件で、表4に記載の条件で切削試験を実施した。その結果、寿命判定基準をRzで0.8μmとして、表4に記載の工具寿命が得られた。
Figure 2010229001
Figure 2010229001
[作製例3]
超硬合金製のポット及びボールを用いて、4a、5a、6a族遷移金属元素やAlの化合物等の結合材材料、もしくはW、Co、Zr、Ni、Cr、Alのうち少なくとも1種以上の窒化物、炭化物、炭窒化物、硼化物、酸化物からなる結合材材料、もしくはAlの窒化物、硼化物、酸化物のうち少なくとも1種以上からなる結合材材料、を混合してから熱処理を施し、その後粉砕して結合材粉末を得た。次に結合材粉末とcBN粉末を混合し、熱処理を施し、Mo製容器に充填し、圧力5.4GPa、温度1,410℃で19分焼結し、cBN焼結体を得た。
この焼結体を切断し、基材として超硬合金製の台金にロー材を用いて接合した後、表5に記載の切削工具(CNGA120412)を作製した。このとき、工具の横切れ刃境界部に粗粒のcBN単結晶体が配置され、被削材と接触する切れ刃部分において、切込みが最大となる点から、送り方向の切れ刃が切り込み量のx2%(60≦x2≦99)からy2%(101≦y2)までcBN単結晶体で形成され、被削材と接触する他の切れ刃部分がcBN多結晶体で形成されるように焼結体中の粗粒cBN単結晶粒子の位置を確認した後、切断、接合、研磨を実施した。
この切削工具を用いて、被削材としてワスパロイ(HRC40)を用い、表6に記載の条件で切削試験を実施したところ、寿命判定基準を横境界の損傷として、表6に記載の工具寿命が得られた。
Figure 2010229001
Figure 2010229001
[作製例4]
超硬合金製のポット及びボールを用いて、4a、5a、6a族遷移金属元素やAlの化合物等の結合材材料、もしくはW、Co、Zr、Ni、Cr、Alのうち少なくとも1種以上の窒化物、炭化物、炭窒化物、硼化物、酸化物からなる結合材材料、もしくはAlの窒化物、硼化物、酸化物のうち少なくとも1種以上からなる結合材材料、を混合してから熱処理を施し、その後粉砕して結合材粉末を得た。次に結合材粉末とcBN粉末を混合し、熱処理を施し、Mo製容器に充填し、圧力5.3GPa、温度1,390℃で17分焼結し、cBN焼結体を得た。
この焼結体を切断し、基材として超硬合金製の台金にロー材を用いて接合した後、この表面にアークイオン式プレーティング法を用いてTiAlNやTiCN,TiN等の硬質皮膜を形成し、表7に記載の切削工具(CNGA120412)を作製した。このとき、工具の横切れ刃境界部に粗粒のcBN単結晶体が配置され、被削材と接触する切れ刃部分において、切込みが最大となる点から、送り方向の切れ刃が切り込み量のx2%(60≦x2≦99)からy2%(101≦y2)までcBN単結晶体で形成され、被削材と接触する他の切れ刃部分がcBN多結晶体で形成されるように焼結体中の粗粒cBN単結晶粒子の位置を確認した後、切断、接合、研磨を実施した。
硬質被膜の形成は以下のように実施した。アーク式イオンプレーティング法装置の真空容器の真空度を7×10-3Paの雰囲気とし、次にアルゴンガスを導入し、1×10-1Paの雰囲気に保持しながら、加熱ヒーターを用いて500℃まで加熱し、工具保持具に−1000Vの電圧をかけて洗浄をおこなった。引き続き、真空アーク放電により金属ターゲットを蒸発、イオン化させることにより、工具温度が500℃に上昇するまで、金属イオンによる工具表面クリーニングをおこなった。次に真空容器内に窒素ガス、水素ガス、アルゴンガス、メタン、アセチレンのいずれか1種類あるいは数種類を導入し、真空容器内の圧力を2Paに保持し、真空アーク放電により金属ターゲットを蒸発、イオン化させることにより切削工具上に硬質被膜を形成した。このとき、工具保持具に−20から−600Vの電圧をかけておいた。
この切削工具を用いて、被削材としてFC300を用い、表8に記載の条件で切削試験を実施したところ、横境界部の損傷を寿命判定基準として、表8に記載の工具寿命が得られた。
Figure 2010229001
Figure 2010229001

Claims (3)

  1. cBN含有率が20−99体積%であり、
    第1cBN粒子群と第2cBN粒子群とを有し、
    該第1cBN粒子群の平均粒径が50μm以上であり、かつ第2cBN粒子群の平均粒径の5倍以上であり、
    結合相が、周期律表4a、5a、6a族元素の窒化物、炭化物、硼化物、酸化物、及びこれらの固容体からなる群から選択される少なくとも一種と、Alの窒化物、硼化物、酸化物、及びこれらの固容体からなる群から選択される少なくとも一種とを含む、
    もしくはW、Co、Zr、Ni、Cr、Alのうち少なくとも1種以上の窒化物、炭化物、炭窒化物、硼化物、酸化物からなる、
    もしくはAlの窒化物、硼化物、酸化物のうち少なくとも1種以上からなる
    ことを特徴とする切削工具用cBN焼結体。
  2. 前記cBN含有率が40−98体積%であることを特徴とする請求項1に記載の切削工具用cBN焼結体。
  3. 前記第1cBN粒子群の平均粒径が100μm以上であり、前記第2cBN粒子群の平均粒径が8μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の切削工具用cBN焼結体。
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