JP2010228475A - 表皮部材の加工方法及び加工装置 - Google Patents

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典久 岡田
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Abstract

【課題】容易にテアラインの加工精度及び表皮部材の張付精度を向上させることができる表皮部材の加工方法及び装置を提供する。
【解決手段】本発明の表皮部材1の加工方法は、車両の内装部品の表面に張付される表皮部材1の裏面に所定の圧力により破断可能なテアライン11を形成する表皮部材1の加工方法であって、表皮部材1の外形を切り取る型抜工程を行う型抜刃21と表皮部材1に切り込みを入れてテアライン11を形成する切込工程を行う切込刃22とを一体に形成した刃型2を用意し、表皮部材1を切り取り可能な生地3の裏面を表側にして平面上に載置し、刃型2を生地3に押し付けることにより、表皮部材1の外形を切り取るとともに表皮部材1に切り込みを入れるようにしている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車両の内装部品に張付される表皮部材の加工方法及び加工装置に関し、特に、天然皮革のような伸縮し易い表皮部材に適した加工方法及び加工装置に関する。
自動車等の車両の内装部品の表面は、車内を装飾する部品でもあり、高級感や個性を演出するために、表面が革張りされたり、表面に布やプラスチックフィルム等が張付されたりすることがある。また、自動車等の車両には、衝突時や急減速時等にエアバッグを車内で膨張展開させて乗員に生ずる衝撃を吸収するためのエアバッグ装置が搭載されている。かかるエアバッグ装置には、ステアリングに内装された運転席用エアバッグ装置、インストルメントパネルに内装された助手席用エアバッグ装置、車両側面部又はシートに内装されたサイドエアバッグ装置、ドア上部に内装されたカーテンエアバッグ装置、乗員の膝部に対応したニーエアバッグ装置等、種々のタイプが開発・採用されている。これらのエアバッグは、一般に、通常時は折り畳まれて内装部品の内部に格納されており、緊急時に内装部品を突き破って車内に膨張展開される。
したがって、エアバッグを膨張展開する必要のない通常時には、内装部品の表面は車内を装飾する意匠面であり、エアバッグを膨張展開させる緊急時には、瞬時に開裂してエアバッグを車内に放出する必要がある。そこで、内装部品の裏面にテアラインと呼ばれる溝部を所定の形状に形成することにより、内装部品に脆弱部を形成し、エアバッグの膨張展開時に内装部品がテアラインに沿って開裂するようにしている。
また、内装部品の表面に表皮部材(天然皮革、人工皮革、布、プラスチックフィルム等)が張付されている場合には、これらの表皮部材にもテアラインを加工して内装部品の開裂時に破断し易くしておくことが、エアバッグの応答性の観点から好ましい。この表皮部材の加工には、一般に、カッターを使用した方法(例えば、特許文献1参照)やレーザーを使用した方法(例えば、特許文献2参照)がある。
特開2008−73794号公報 特開2006−240567号公報
ところが、上述した表皮部材は伸縮し易いものが多く、加工精度が低いうえに張付精度も低いという問題がある。したがって、表皮部材の裏面にテアラインを加工する場合には、内装部品のテアライン上に表皮部材のテアラインの一部が配置されるように、蛇行させながらテアラインを加工しなければならず、上述した加工精度と張付精度の問題から蛇行幅も大きくせざるを得なかった。また、蛇行幅が大きくなるとテアラインが長くなり、テアラインの強度が増加してしまい、破断し難くなるという問題もあった。
特に、特許文献1に記載されたカッターを使用した加工方法では、上述した問題点が顕著であり、カッターの刃先が予定通りの軌跡を通過したか否かの確認及び管理が困難である、テアラインの略T字状の交点が十字状になり易く破断方向が逸れてしまう等の問題があった。また、特許文献2に記載されたレーザーを使用した加工方法では、薄い表皮部材の加工が困難である、装置が高価である等の問題があった。
本発明は上述した問題点に鑑み創案されたものであり、容易にテアラインの加工精度及び表皮部材の張付精度を向上させることができる表皮部材の加工方法及び加工装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、車両の内装部品の表面に張付される表皮部材の裏面に所定の圧力により破断可能な脆弱部を形成する表皮部材の加工方法であって、前記表皮部材の外形を切り取る型抜工程と前記表皮部材に切り込みを入れて前記脆弱部を形成する切込工程とを同時に処理する、ことを特徴とする表皮部材の加工方法が提供される。
また、前記型抜工程と前記切込工程とを同時に処理するには、前記型抜工程を行う型抜刃と前記切込工程を行う切込刃とを一体に形成した刃型を用意し、前記表皮部材を切り取り可能な生地の裏面を表側にして平面上に載置し、前記刃型を前記生地に押し付けることにより、前記表皮部材の外形を切り取るとともに前記表皮部材に切り込みを入れるようにすればよい。また、前記表皮部材の外形に位置合わせ用の切欠部を形成してもよい。
また、本発明によれば、車両の内装部品の表面に張付される表皮部材の裏面に所定の圧力により破断可能な脆弱部を形成する表皮部材の加工装置であって、前記表皮部材の外形を切り取る型抜刃と前記表皮部材に切り込みを入れて前記脆弱部を形成する切込刃とを一体に形成した刃型と、前記表皮部材を切り取り可能な生地を平面展開可能な台座と、前記刃型を前記台座上の生地に押し付け可能な押圧手段と、を有することを特徴とする表皮部材の加工装置が提供される。
ここで、前記型抜刃は前記生地の厚さよりも長く、前記切込刃は前記型抜刃が前記生地を貫通した状態で前記生地に侵入可能かつ貫通不可能な長さに設定されていることが好ましい。また、前記型抜刃は、前記表皮部材の外形に切欠部を形成する凸部を有していてもよい。さらに、前記切込刃は、屈曲部を有し、該屈曲部に他の切込刃が接続された略Y字状部を有していてもよい。
なお、上述した表皮部材の加工方法及び加工装置において、前記車両の内装部品は例えばエアバッグカバーであり、前記表皮部材は例えば革部材であり、前記脆弱部は例えばテアラインである。
上述した本発明に係る表皮部材の加工方法及び加工装置によれば、表皮部材の型抜工程と脆弱部の切込工程とを同時に処理することができ、表皮部材を生地から切り取ってから脆弱部を形成する場合と比較して、表皮部材の外形と脆弱部との位置ずれを生じ難くすることができ、加工精度を向上させることができる。その結果、脆弱部の蛇行幅を従来よりも狭くすることができ、脆弱部の長さを短くすることができ、脆弱部の強度の増加を抑制することができる。さらに、表皮部材を内装部品に張付する際に表皮部材の外形を基準にすることにより、内装部品の脆弱部と表皮部材の脆弱部との位置ずれも低減することができ、張付精度を向上させることができる。
また、所定の型抜刃及び切込刃を備えた刃型を一体に形成することにより、平面展開された生地上に刃型を押し付けるだけで、表皮部材の切り取りと脆弱部の形成を同時に処理することができ、容易に加工精度を向上させることができる。
また、表皮部材の外形に位置合わせ用の切欠部を形成することにより、表皮部材を内装部品に張付する際の位置合わせを容易に行うことができ、張付精度をさらに向上させることができる。
また、型抜刃及び切込刃の長さを調整するだけで、所望の脆弱部を容易に形成することができる。また、型抜刃に凸部を形成するだけで、表皮部材に位置合わせ用の切欠部を容易に形成することができる。
また、切込刃に略Y字状部を形成することにより、脆弱部が所定の破断方向に沿って破断させ易くすることができ、脆弱部のない部分に逸れて表皮部材が破断しないようにすることができる。特に、本発明では、従来のカッターを使用した加工方法では加工し難い脆弱部の屈曲部を容易に加工することができる。
また、本発明は、特に、革張りされたエアバッグカバーの革部材にテアラインを形成する場合に効果的に利用することができる。
本発明に係る表皮部材の加工方法に用いられる刃型を示す図であり、(A)は正面図、(B)は図1(A)におけるB−B断面図、(C)は加工後の表皮部材の裏面図、である。 本発明に係る表皮部材の加工方法を示す図であり、(A)は準備段階、(B)は押圧段階、(C)は押圧完了段階、を示している。 表皮部材の裏面に形成されたテアラインを示す概念図であり、(A)は従来の加工方法により形成されたテアライン、(B)は本発明の加工方法により形成されたテアラインの一例、(C)は本発明の加工方法により形成されたテアラインの変形例、を示している。 テアラインの接続部の形状を示す図であり、(A)は従来の加工方法により形成された略T字状部、(B)は本発明の加工方法により形成された略T字状部、(C)は本発明の加工方法により形成された略Y字状部、を示している。 本発明に係る表皮部材の加工装置を示す構成図である。
以下、本発明の実施形態について図1〜図5を用いて説明する。ここで、図1は、本発明に係る表皮部材の加工装置に用いられる刃型の説明図であり、(A)は正面図、(B)は図1(A)におけるB−B断面図、(C)は加工後の表皮部材の裏面図、である。
本発明に係る表皮部材1の加工方法では、表皮部材1の外形を切り取る型抜工程と表皮部材1に切り込みを入れてテアライン11を形成する切込工程とを同時に処理するために、例えば、図1に示したような刃型2が使用される。
前記表皮部材1は、例えば、図1(C)に示したように、車両のステアリングホイールの中央部に配置されるエアバッグカバー(内装部品)の表面に張付される天然皮革であるが、これに限定されるものではなく、人工皮革、布、プラスチックフィルム等の部材であってもよい。
前記刃型2は、型抜工程を行う型抜刃21と切込工程を行う切込刃22とが一体に形成されている。具体的には、刃型2は、型抜刃21及び切込刃22の形状を保持する支持部材23と、支持部材23の背面に固定され型抜刃21及び切込刃22の押圧時における刃の引っ込みを防止する抑止部材24と、により型抜刃21及び切込刃22を一体に保持している。かかる刃型2は、一般にトムソン刃と称される切刃であり、切刃を構成する型抜刃21及び切込刃22が薄い刃物であるため、これらの形状を保持する支持部材23が必要となる。支持部材23には、例えば、ベニヤ板やアクリル板等が使用される。また、抑止部材24には、例えば、亜鉛メッキ鋼板等が使用される。なお、支持部材23の外周には、把持部25が形成されていてもよい。
前記型抜刃21は、表皮部材1の外形を切り取るための刃物であり、表皮部材1の外形と略同一の大きさの形状に配置された第一型抜刃21aを有する。また、ステアリングホイールの中央部に配置されるエアバッグカバーにはエンブレム等の装飾部品が配置されることがあり、この部分の表皮部材1は不要であるため、図1(C)に示すように、開口部12が形成される場合がある。かかる場合には、開口部12を形成するための第二型抜刃21bが第一型抜刃21aの内側に配置される。また、かかる型抜刃21(第一型抜刃21a及び第二型抜刃21b)は、図1(B)に示すように、表皮部材1を切り取り可能な生地3の厚さDよりも長く構成されている。また、型抜刃21(第一型抜刃21a及び第二型抜刃21b)には、表皮部材1の外形に位置合わせ用のノッチ1c,12c(切欠部)を形成するための凸部21cが形成されている。かかる凸部21cは、必要に応じて型抜刃21に形成されるものであり、省略したり、個数を増やしたり、任意の形状に変更したりしてもよい。なお、本発明において、「外形」とは、表皮部材1の縁部の形状を意味し、開口部12のように表皮部材1を繰り抜いて形成される部分の縁部も含むものとする。
前記切込刃22は、表皮部材1に切り込みを入れて脆弱部であるテアライン11を形成するための刃物であり、エアバッグカバー(内装部品)のテアラインに沿った形状に配置される。表皮部材1が革部材のように伸縮し易い部材の場合には、張付精度の関係から、図1(C)に示すように、テアライン11はエアバッグカバー(内装部品)のテアラインに沿って蛇行した形状に形成される。したがって、切込刃22も同様に蛇行した形状に形成される。また、切込刃22は、屈曲部Pを有し、屈曲部Pに他の切込刃22が接続された略Y字状部26を有している。かかる切込刃22は、図1(B)に示すように、型抜刃21が生地3を貫通した状態で生地3に侵入可能かつ貫通不可能な長さに設定されている。ここでは、型抜刃21が生地3を貫通した状態でテアライン11の深さdとなるように設定されている。なお、切込刃22は、点線状のテアライン11を加工可能な形状の刃物であってもよい。
続いて、本発明に係る表皮部材1の加工方法について説明する。ここで、図2は、本発明に係る表皮部材の加工方法を示す図であり、(A)は準備段階、(B)は押圧段階、(C)は押圧完了段階、を示している。
図2(A)〜(C)に示したように、本発明の表皮部材1の加工方法は、車両の内装部品の表面に張付される表皮部材1の裏面に所定の圧力により破断可能なテアライン11を形成する表皮部材1の加工方法であって、表皮部材1の外形を切り取る型抜工程を行う型抜刃21と表皮部材1に切り込みを入れてテアライン11を形成する切込工程を行う切込刃22とを一体に形成した刃型2を用意し、表皮部材1を切り取り可能な生地3の裏面を表側にして平面上に載置し、刃型2を生地3に押し付けることにより、表皮部材1の外形を切り取るとともに表皮部材1に切り込みを入れるようにしている。
図2(A)の準備段階は、刃型2を押圧手段に固定し、生地3を平面展開する段階である。具体的には、刃型2は、押圧手段の一部を構成する上盤4に配置されたチャック41に把持部25が挿入されて固定される。また、生地3は、表皮部材1よりも大きく、生地3の切り取り部分を平らに載置可能な台座5上に平面展開される。台座5は、例えば、土台となるテーブル51と、テーブル51上に配置された亜鉛メッキ鋼板52と、を有している。亜鉛メッキ鋼板52は、平滑度及び耐食性に優れており、台座5の平滑度を担保したり、機器の損傷を防止したりする部材である。また、台座5上には保護シート53が載置され、その上に生地3が載置される。保護シート53は、刃型2の型抜刃21が生地3を貫通したときに台座5と接触して刃が欠けないようにするための部材である。
図2(B)の押圧段階は、刃型2を押圧手段により降下させ生地3に押し付ける段階である。ここでは、型抜刃21が生地3に侵入し、切込刃22が生地3に到達する前の状態を図示している。なお、押圧手段は、後述するプレス機のような装置を使用してもよいし、人力により刃型2を降下させるような器具であってもよい。
図2(C)の押圧完了段階は、刃型2により表皮部材1を生地3から切り取った段階である。具体的には、押圧完了段階は、型抜刃21が生地3を貫通し、切込刃22が生地3に侵入した状態である。この状態から刃型2を上昇させて生地3から離間させることにより、表皮部材1の加工が完了する。すなわち、生地3から表皮部材1を切り取ることができ、表皮部材1に切込刃22が侵入した分の深さを有するテアライン11が形成される。
上述した加工方法によれば、刃型2を生地3に押し付けるだけで、表皮部材1の切り取りとテアライン11の形成の両方を同時に行うことができる。すなわち、本発明は、表皮部材1の外形を切り取る型抜工程と表皮部材1に切り込みを入れて脆弱部であるテアライン11を形成する切込工程とを同時に処理するものであると換言することができる。また、型抜工程と切込工程とを同時に処理することにより、表皮部材1の外形とテアライン11との位置ずれが生じず、誤差を極限まで低減することができ、加工精度を向上させることができる。さらに、表皮部材1の外形はエアバッグカバー(内装部品)の表面に表皮部材1を張付する際の基準となる部分であり、表皮部材1の外形とテアライン12との誤差が少ないということは、エアバッグカバー(内装部品)に形成されたテアラインと表皮部材1のテアライン12との位置ずれも低減することができ、張付精度を向上させることができる。
また、図1(A)に示したように、型抜刃21に凸部21cが形成されている場合には、図1(C)に示したように、表皮部材1の外形にノッチ1c,12cを同時に形成することができ、表皮部材1の外形とノッチ1c,12cの位置ずれも低減することができる。したがって、エアバッグカバー(内装部品)と表皮部材1の位置合わせを容易に行うことができ、張付精度をさらに向上させることができる。なお、エアバッグカバー(内装部品)側には、ノッチ1c,12cと位置合わせするためのケガキ線を入れておくことが好ましい。
ここで、図3は、表皮部材の裏面に形成されたテアラインを示す概念図であり、(A)は従来の加工方法により形成されたテアライン、(B)は本発明の加工方法により形成されたテアラインの一例、(C)は本発明の加工方法により形成されたテアラインの変形例、を示している。以下、これらの図を参照しつつ、本発明の表皮部材1の加工方法により形成された脆弱部であるテアライン11の蛇行幅について説明する。なお、各図において、表皮部材1が張付されるエアバッグカバー等の内装部品に形成されたテアラインLを点線で表示している。
図3(A)に示したように、表皮部材1の裏面に形成されるテアラインT(脆弱部)は、表皮部材1が内装部品に張付されたときにテアラインTが内装部品のテアラインL上に配置されるように蛇行して形成される。従来のカッター等を用いた加工方法では、テアラインTの蛇行幅SpはテアラインTの加工精度と表皮部材1の張付精度を考慮した大きさに設定されていた。
一方、上述した本発明の加工方法では、型抜工程と切込工程とを同時に処理しているため、テアライン11の加工精度をほとんど考慮する必要がない。したがって、図3(B)の一例に示したように、テアライン11の蛇行幅Siは従来のテアラインTの蛇行幅Spよりも狭くすることができる。その結果、テアライン11の長さを短くすることができ、テアライン11の強度の増加を抑制することができ、内装部品の開裂時にテアライン11を容易に破断させることができる。また、本発明の加工方法では、加工精度をほとんど考慮する必要がないため、張付精度を向上させることにより、図3(C)の変形例に示したように、テアラインT上に配置された直線状のテアライン11とすることも可能になる。
また、図4は、テアラインの接続部の形状を示す図であり、(A)は従来の加工方法により形成された略T字状部、(B)は本発明の加工方法により形成された略T字状部、(C)は本発明の加工方法により形成された略Y字状部、を示している。
図4(A)に示すように、従来のカッター等を用いた加工方法では、表皮部材1の裏面に略T字状のテアラインTを形成する場合、第一テアラインTaと第二テアラインTbとは別々に加工される。そして、第一テアラインTaを形成してから第二テアラインTbを形成する場合、第一テアラインTaと第二テアラインTbとの間に隙間ができてしまうと効率よく表皮部材1を破断できなくなってしまう。一方で、第二テアラインTbを第一テアラインTaに確実に接続しようとすれば、図4(A)に示すように、突出部Tcが形成されて十字形状になってしまう。かかる突出部Tcが形成されると、第二テアラインTbの破断が、第一テアラインTaではなく、突出部Tcに伝達されてしまい、効率よく表皮部材1を破断できなくなってしまう。なお、第一テアラインTaは蛇行した状態を図示している。
一方、図4(B)に示すように、本発明の加工方法では、第一テアライン11a及び第二テアライン11bは刃型2の切込刃22により同時に形成されるため、切込刃22の形状を図4(B)に示したテアライン11と同じ形状に形成しておけば、第一テアライン11aと第二テアライン11bとの間に隙間ができてしまうことはないし、突出部Tcが形成されることもない。したがって、第二テアライン11bの破断を第一テアライン11aに沿って伝達することができ、効率よく表皮部材1を破断することができる。
また、第二テアライン11bの破断が第一テアライン11aに伝達する場合には、図4(C)の矢印に示すように、外側に膨れながら第一テアライン11aを破断させる方が抵抗が少ないため、効率よく表皮部材1を破断させることができる。そこで、本発明では、切込刃22に屈曲部Pを有する略Y字状部26を形成している。かかる切込刃22を備えた刃型2を用いて表皮部材1を加工すれば、図4(C)に示すように、第一テアライン11aに屈曲点11cを有し、屈曲点11cに第二テアライン11bが接続された略Y宇状のテアライン11を容易に形成することができる。なお、略T字状と略Y字状の区別は、第一テアライン11aと第二テアライン11bとの接続角度θにより判断することができ、本発明においては、接続角度θが鋭角又は直角の場合に略T字状、接続角度θが鈍角の場合に略Y字状であるものとする。
次に、本発明に係る表皮部材1の加工装置6について説明する。ここで、図5は、本発明に係る表皮部材の加工装置を示す構成図である。なお、図1に記載した構成部品と共通する部分には同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
図5に示すように、本発明の表皮部材1の加工装置6は、車両の内装部品の表面に張付される表皮部材1の裏面に所定の圧力により破断可能な脆弱部(例えば、テアライン11)を形成する表皮部材1の加工装置6であって、表皮部材1の外形を切り取る型抜刃21と表皮部材1に切り込みを入れて脆弱部を形成する切込刃22とを一体に形成した刃型2と、表皮部材1を切り取り可能な生地3を平面展開可能な台座5と、刃型2を台座5上の生地3に押し付け可能な押圧手段7と、を有する。
前記加工装置6は、刃型2を生地3に押し付けて表皮部材1を切り取る装置であり、いわゆるプレス機械と同様の構成を有する。したがって、押圧手段7の駆動機構は、クランクシャフトやエキセントリックシャフトやエキセンドラムを用いた機械式のものであってもよいし、油圧シリンダを用いた液圧式のものであってもよい。かかる押圧手段7の駆動機構は、例えば、押圧手段7の上部に配置された駆動モータ71により駆動される。そして、押圧手段7の駆動機構は、コネクティングロッド72を介してスライド73を上下に移動できるように構成されている。
また、押圧手段7等の上部構造物はフレーム61により支持されており、フレーム61にはレール62が形成されている。さらに、レール62にはスライド73が接続されており、スライド73はレール62に沿って昇降できるように構成されている。また、スライド73には、刃型2が接続された上盤4が接続される。なお、スライド73と上盤4とは、一体に構成されていてもよい。
また、台座5は、生地3の切り取り時に生じる圧力を受けるベッド63上に配置される。台座5は、ベッド63上に固定されていてもよいし、取り外し可能に構成されていてもよいし、ベッド63上に形成されたレール上を移動可能に構成されていてもよい。
上述した加工装置6によれば、表皮部材1の型抜工程と脆弱部であるテアライン11の切込工程とを同時に処理することができ、表皮部材1の外形とテアライン11との間のズレを生じ難くすることができ、加工精度を向上させることができる。その結果、テアライン11の蛇行幅Siを従来よりも狭くすることができ、テアライン11の長さを短くすることができ、テアライン11の強度の増加を抑制することができる。
なお、上述した加工装置6の構造は、単なる一例であり、例えば、押圧手段7が台座5の下部に配置された構成であってもよいし、台座5及び押圧手段7が鉛直又は傾斜して配置された構成であってもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されず、助手席用エアバッグ装置・サイドエアバッグ装置・カーテンエアバッグ装置・ニーエアバッグ装置等の種々のエアバッグ装置におけるエアバッグカバーに適用することができる、エアバッグカバー以外のインストルメントパネル・グローブボックス・コンソールボックス等の内装部品に張付される表皮部材1に適用することができる等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
1…表皮部材
1c,12c…ノッチ(切欠部)
2…刃型
3…生地
4…上盤
5…台座
6…加工装置
7…押圧手段
11…テアライン
11a…第一テアライン
11b…第二テアライン
11c…屈曲点
12…開口部
21…型抜刃
21a…第一型抜刃
21b…第二型抜刃
21c…凸部
22…切込刃
23…支持部材
24…抑止部材
25…把持部
26…略Y宇状部
41…チャック
51…テーブル
52…亜鉛メッキ鋼板
53…保護シート
61…フレーム
62…レール
63…ベッド
71…駆動モータ
72…コネクティングロッド
73…スライド

Claims (9)

  1. 車両の内装部品の表面に張付される表皮部材の裏面に所定の圧力により破断可能な脆弱部を形成する表皮部材の加工方法であって、
    前記表皮部材の外形を切り取る型抜工程と前記表皮部材に切り込みを入れて前記脆弱部を形成する切込工程とを同時に処理する、ことを特徴とする表皮部材の加工方法。
  2. 前記型抜工程を行う型抜刃と前記切込工程を行う切込刃とを一体に形成した刃型を用意し、前記表皮部材を切り取り可能な生地の裏面を表側にして平面上に載置し、前記刃型を前記生地に押し付けることにより、前記表皮部材の外形を切り取るとともに前記表皮部材に切り込みを入れる、ことを特徴とする請求項1に記載の表皮部材の加工方法。
  3. 前記車両の内装部品はエアバッグカバーであり、前記表皮部材は革部材であり、前記脆弱部はテアラインである、ことを特徴とする請求項1に記載の表皮部材の加工方法。
  4. 前記表皮部材の外形に位置合わせ用の切欠部を形成した、ことを特徴とする請求項1に記載の表皮部材の加工方法。
  5. 車両の内装部品の表面に張付される表皮部材の裏面に所定の圧力により破断可能な脆弱部を形成する表皮部材の加工装置であって、
    前記表皮部材の外形を切り取る型抜刃と前記表皮部材に切り込みを入れて前記脆弱部を形成する切込刃とを一体に形成した刃型と、
    前記表皮部材を切り取り可能な生地を平面展開可能な台座と、
    前記刃型を前記台座上の生地に押し付け可能な押圧手段と、
    を有することを特徴とする表皮部材の加工装置。
  6. 前記型抜刃は前記生地の厚さよりも長く、前記切込刃は前記型抜刃が前記生地を貫通した状態で前記生地に侵入可能かつ貫通不可能な長さに設定されている、ことを特徴とする請求項5に記載の表皮部材の加工装置。
  7. 前記型抜刃は、前記表皮部材の外形に切欠部を形成する凸部を有する、ことを特徴とする請求項5に記載の表皮部材の加工装置。
  8. 前記切込刃は、屈曲部を有し、該屈曲部に他の切込刃が接続された略Y宇状部を有する、ことを特徴とする請求項5に記載の表皮部材の加工装置。
  9. 前記車両の内装部品はエアバッグカバーであり、前記表皮部材は革部材であり、前記脆弱部はテアラインである、ことを特徴とする請求項5に記載の表皮部材の加工装置。
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