JP2010228332A - 造形物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光ビームによる硬化層を積層して3次元形状を有する造形物を製造する場合、従来の方法よりも大型の造形物の製造を可能にする。
【解決手段】第2ステージ20bの全体とオーバーラップ領域20vの一部に光ビームLを照射し、粉末材料Pを硬化させて硬化層Mを得る(第1形成工程)。同時に第1ステージ20aとオーバーラップ領域20vに、材料供給装置31を使用して粉末材料Pを一定の厚さで供給する(被覆工程)。その後、造形テーブル50を180度回転し、第1ステージ20aの全体とオーバーラップ領域20vの一部に光ビームLを照射し、粉末材料Pを硬化させて硬化層Mを得る(第2形成工程)。これと同時に材料供給装置31を使用して粉末材料Pを一定の厚さで供給する(被覆工程)。
【選択図】図1

Description

本発明は、3次元形状を持つ金型部品の製造に適用され、光ビームを利用して成形材料を層状に焼結させることにより、複数の焼結層が積層一体化された造形物を製造する製造方法に関するものである。
無機質粉末(金属)に対して光ビーム(指向性エネルギービーム,レーザ)を照射して硬化させ、硬化層を積層して3次元形状造形物を形成する従来技術として、例えば特許文献1に示された方法がある。
図5は特許文献1に記載された従来の3次元形状造形物の製造方法を模式的に示す断面図、図6は他の従来例を示す斜視図である。
図5(a)において、成形材料の粉末材料Pが収納されている供給部10と、供給部10から粉末材料Pの供給を受ける造形部20が設けられ、供給部10の底面12と造形部20の底面24は昇降自在である。造形部20の底面24の上には板状のベースプレート22が配置されており、ベースプレート22の上に粉末材料Pを焼結させてなる硬化層Mが順次積み重ねられて造形物が製造される。
移送ブレード30は、供給部10および造形部20の内幅(図に対して鉛直方向)よりも長い板状をなし、供給部10の外側から供給部10および造形部20の上方を通過して、造形部20の外側まで水平移動する。予め造形部20では、先に形成され積み重ねられた硬化層Mの上面を造形部20の上端よりも少し下げている。また、供給部10では、供給部10の上端よりも少し高い位置まで粉末材料Pが出るようになっている。
この状態で移送ブレード30を供給部10から造形部20の方に水平移動させる。図5(b)に示すように、供給部10の上端よりも高い部分の粉末材料Pが移送ブレード30に押し動かされて、造形部20に移送される。移送ブレード30の下端で均された粉末材料Pは、薄い層状に堆積する。造形部20に粉末材料Pを供給し終えた移送ブレード30は、造形部20の外側まで移動する。
図5(c)に示すように、造形部20の上面に光ビームLを所定のパターン状に照射することにより、粉末材料Pを硬化させて新たな硬化層Mを形成する。この光照射工程の間もしくは後に、移送ブレード30を供給部10の外側の位置に待機させておく。
供給部10では、底面12を上昇させて次回に造形部20に供給する粉末材料Pを用意しておき、図5(d)に示すように、造形部20の底面24を下降させて、次回に粉末材料Pが供給される空間を設けておく。
前記工程を繰り返すことによって、造形部20のベースプレート22の上には、複数層の硬化層Mが積み重ねられ、所望の3次元形状を有する造形物が得られることとなる。
図6に示す他の従来例では、材料供給をブレードの平行移動ではなく回転移動により上記製造方法を実現した構成になっている。
本例では移送ブレード30が1軸を中心とした旋回運動を行う。供給部10と造形部20とが同じ円周上に配置されている。具体的には円形面を複数の扇形に分割して、その1つを供給部10とし、隣接する他部を造形部20としている。
移送ブレード30は、供給部10と造形部20の中心位置に支持されていて、駆動モータ34によって回転させられる。移送ブレード30を供給部10から造形部20へと水平旋回させることにより、供給部10の粉末材料Pが造形部20へと供給する。
造形部20への粉末材料Pの供給が完了すると、移送ブレード30は円周方向で造形部20の外側へ出る。移送ブレードをさらに旋回させると、移送ブレード30は円周方向で供給部10の外側(図の手前側)である最初の供給開始位置あるいは待機位置に復帰する。
供給部10を昇降作動させる駆動モータ16によって、供給部10の粉末材料Pを一定量上昇させ、同時に、造形部20を昇降作動させる駆動モータ26によって造形部20の上面を一定量降下させる。その後、再度、移送ブレード30を供給部10から造形部20へと水平旋回させることにより、供給部10の粉末材料Pが造形部20へと供給される。
前記工程を繰り返すことで造形部20へ材料供給が繰り返され、複数層の硬化層Mが積み重ねられることにより、所望の3次元形状を有する造形物が得られる。
特開2001−150557号公報
しかしながら、前記従来の構成では、光ビームLの照射範囲が大きく取れない場合、その制限のために造形部20の大きさも制約を受けることになる。このため、大きな造形物を製作することができないという問題があった。
特に、粉末材料Pが金属などの融点が高く、溶融もしくは焼結のために投入するエネルギー量が大きい材質である場合、均一な条件で光ビームLを照射できる範囲が限られてしまい、300mm四方を越える大きさの3次元形状を有する造形物を製作する場合に支障があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、光ビームによる硬化層を積層して3次元形状を有する造形物を製造する場合、従来の方法よりも大型の造形物の製造を可能にした造形物の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の造形物の製造方法は、造形テーブルに配置した成形材料の層の表面に、光ビーム照射部から光ビームを照射することにより、前記成形材料を焼結させて第1焼結層を形成する第1形成工程と、前記造形テーブルと前記光ビーム照射部とを相対的に移動させて、前記成形材料の層の表面における前記第1焼結層に隣接している領域に、前記光ビーム照射部から光ビームを照射することにより、前記成形材料を焼結させて第2焼結層を形成する第2形成工程と、前記第1焼結層と前記第2焼結層の上に新たな成形材料の層を被覆する被覆工程とを備え、前記第1形成工程と前記第2形成工程と前記被覆工程とを繰り返すことにより、複数の焼結層が積層一体化された焼結体からなる造形物を製造するようにしている。
また、本発明の造形物の製造方法は、造形テーブルに配置した成形材料の層の表面に、光ビーム照射部から光ビームを照射することにより、前記成形材料を焼結させて第1焼結層を形成する第1形成工程と、前記造形テーブルと前記光ビーム照射部とを相対的に移動させて、前記成形材料の層の表面における前記第1焼結層に隣接している領域に、前記光ビーム照射部から光ビームを照射することにより、前記成形材料を焼結させて第2焼結層を形成する第2形成工程と、前記造形テーブルと前記光ビーム照射部とを相対的に移動して、前記成形材料の層の表面における前記第1焼結層あるいは前記第2焼結層に隣接していない領域に、前記光ビーム照射部から光ビームを照射することにより、前記成形材料を焼結させて第3焼結層を形成する第3形成工程と、前記第1焼結層と第2焼結層と前記第3焼結層の上に新たな成形材料の層を被覆する被覆工程とを備え、前記第1形成工程と前記第2形成工程と前記第3形成工程と前記被覆工程とを繰り返すことにより、複数の焼結層が積層一体化された焼結体からなる造形物を製造するようにしている。
本発明に係る前記工程を備えた方法によれば、光ビームを利用して金属または樹脂などの粉末状の成形材料を層状に連続的に硬化させて3次元形状の造形を行うことが可能であり、造形時に光ビームを2次元で走査して積層ごとの形状を形成すると同時に、ワークを連続的に移動させながら光ビームで走査可能な範囲の成型材料を層状に硬化させていくことができる。
よって、光ビームの制限にとらわれることなく、大型の造形品を製作できるようになる。また、光ビームの照射部分と照射が行われない部分とが同時に存在することから、材料供給や後処理ステージを機械内に構成することが可能となり、工程のオーバーラップによるリードタイム短縮が期待できると共に、造形途中に各種の別工程を入れることによって、さらに柔軟な工程での製造が可能となる。
以上のように、本発明の造形物の製造方法によれば、光ビームを利用して金属または樹脂などの粉末状の成形材料を層状に連続的に硬化させて3次元形状の造形を行うことができ、また、光ビームの制限にとらわれることなく、大型の形状を製作することが可能となり、しかも、製造リードタイムも従来工法よりも短くして製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、既に説明した部材と同じ部材には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1である粉末積層造形装置の概略構成を示す斜視図であり、50は粉末材料Pが収納されている箱状の造形テーブルであって、この造形テーブル50上に、成形材料の粉末材料Pを供給する材料供給装置31が移動可能(矢印A方向)に設置されている。材料供給装置31が造形テーブル50上を移動することにより、造形テーブル50内に収納されている粉末材料Pの表面を、新たな粉末材料Pの層が被覆するように材料供給が行われる。
40は、光ビーム照射装置41から出射する光ビームLが造形テーブル50における粉末材料Pの層の表面を照射するように、光ビームLを偏向させる偏向装置である。光ビームLが照射した粉末材料Pは焼結して硬化し、粉末材料P上に硬化層(焼結層)Mを形成する。
造形テーブル50は、テーブル駆動装置51により回転可能(矢印B方向)、かつX−Y方向に直線移動可能になっている。造形テーブル50の回転および直線移動と、光ビームLの偏向とによる相対的移動により、粉末材料Pの層の表面における任意の位置を照射することが可能になっている。
図1(a)は実施の形態1において第1ステージ20aを造形中に第2ステージ20bで材料供給している状態を示し、図1(b)は第2ステージ20bを造形中に第1ステージ20aで材料供給している状態を示している。
図1(a)において、20a,20b,20vは、ひとつの繋がった造形ステージであり、粉末材料Pを光ビームLによって硬化させた複数層の硬化層Mが積み重ねられ、所望の3次元形状を有する造形物が得られるのであるが、そのステージ上を便宜的に、一点鎖線で3分割して、20aを第1ステージ、20bを第2ステージ2、20vをオーバーラップ領域と呼ぶことにする。
実施の形態1では、偏光装置40を介して照射する光ビームLを発生する光ビーム照射装置41と、光ビームLを通すが光学系の部位への鉄粉などの塵埃の侵入を防ぐ窓42により、光ビームLの発生および偏向を制御する光学系が構成されている。
ところで、このような光学系では、粉末材料Pが金属などの熱容量が大きいものである場合には大出力が必要であり、また、硬化層Mの積層により得られる3次元形状を有する造形物の精度を高く保つため、光ビームLの経路を短く保ち、集束されたスポット径を小さくし、さらに照射角度を垂直に近く保つようにするため、その照射範囲は250mm四方より小さくなることが多い。
しかし、実施の形態1のように、光ビームLの照射範囲を第1ステージ20aとオーバーラップ領域20vに限定し、テーブル駆動部51の動力により造形テーブル50を回転させてから、図1(b)のように、光ビームLの照射範囲を第2ステージ20bとオーバーラップ領域20vに限定すれば、オーバーラップ領域20vの大きさにもよるが、光学系で決まる照射範囲の約2倍弱の大きさの3次元形状を有する造形物を製作可能となる。
実施の形態1では、造形テーブル50の回転角度を180度として、ステージを2つ設ける構造となっているため、光学系で決まる照射範囲の約2倍弱の大きさの3次元形状を有する造形物を製作可能となるが、例えば、造形テーブル50の回転角度を120度としてステージを3つ設ければ約3倍弱、さらに90度としてステージを4つ設ければ4倍弱、360/n度としてステージをn個設ければ、n倍弱の大きさの3次元形状を有する造形物を製作することが可能となる。
なお、分割数を増やして大型の造形物を製作しようとすると、オーバーラップ部分が大きくなっていき、さらに回転中心部回りには照射範囲から外れる領域が生じてしまい、分割数に対して3次元形状を有する造形物の大きさの比の効率が悪くなってくる。
そこで、回転中心部やオーバーラップ領域への照射を効率的に行い、製作可能寸法を大きくするために、実施の形態1ではテーブル駆動部51は、ステージを回転だけではなく、図中に示したX−Y方向において平行方向へ移動することも可能にしている。
次に、実施の形態1における製造工程について説明する。
まず、図1(a)の第2ステージ20bとオーバーラップ領域20vに、材料供給装置31を使用して粉末材料Pを一定の厚さで供給する(被覆工程)。ここで、20a,20b,20vからなる造形ステージを180度回転させた状態が図1(b)である。
この状態で、第2ステージ20bの全体とオーバーラップ領域20vの一部に光ビームLを照射し、粉末材料Pを硬化させて硬化層Mを得る(第1形成工程)。同時に第1ステージ20aとオーバーラップ領域20vに、材料供給装置31を使用して粉末材料Pを一定の厚さで供給する(被覆工程)。しかし、オーバーラップ領域20vに対する光ビーム照射と材料供給とは同時には行えないため、光ビーム照射を優先する。これは材料供給を優先すると、オーバーラップ領域20vだけ余分に材料が供給されて、照射条件が変化してしまうことを防止するためである。
その後、20a,20b,20vからなる造形ステージを一定ピッチで降下させ、造形テーブル50を180度回転すると、再び、図1(a)に示した状態になる。ここで、第1ステージ20aの全体とオーバーラップ領域20vの一部に光ビームLを照射し、粉末材料Pを硬化させて硬化層Mを得る(第2形成工程)。これと同時に材料供給装置31を使用して粉末材料Pを一定の厚さで供給する(被覆工程)。
このとき、オーバーラップ領域20vへの照射は全域ではなく一部に対して行うが、照射面積は積層ごとに変化させる。これは硬化層Mの各層ごとのつなぎ目を同じ場所に一定にさせないことが目的であり、つなぎ目の強度を高める効果がある。
その具体例として、図3に積層のつなぎ目付近の断面図を示す。図3(a)のようにつなぎ目を積層ごとに千鳥状に移動したり、図3(b)のようにつなぎ目を積層ごとに少しずつずらしたりしていく方法がある。また、つなぎ目は直線ではなく曲線にすることで、より強固な接続が実現できる。図4に曲線状にしたつなぎ目の平面図を示す。
前記第2形成工程と被覆工程の後、造形テーブル50を180度回転させて、前記第1形成工程〜被覆工程〜第2形成工程を繰り返して行うことによって、一定厚に積まれた粉末材料Pの必要部分のみを光ビームLで硬化して、硬化層Mとして積み重ねていくことにより、3次元形状を有する造形物を製作することができる。
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2である粉末積層造形装置の概略構成を示す斜視図である。
図2(a)において、20a,20b,20c,20dはひとつの繋がったステージであり、粉末材料Pを光ビームLによって硬化させた複数層の硬化層Mが積み重ねられ、所望の3次元形状を有する造形物が得られる。ここでは、そのステージ上を便宜的に一点鎖線で4分割して、それぞれ20aを第1のステージ、20bを第2ステージ、20cを第3ステージ、20dを第4ステージと呼ぶことにする。
なお、実施の形態2では、材料供給装置として第1材料供給装置130と第2材料供給装置131との2系統を備えている。
次に、実施の形態2における製造工程について説明する。
まず、図2(a)に示す第2ステージ20bに、第1材料供給装置130を使用してベースとなる粉末材料Pを一定の厚さで供給する。同時に、第3ステージ20cに第2材料供給装置131を使用して、追加の粉末材料Pを必要に応じて一定の厚さで供給する。ここで、20a,20b,20c,20dからなる造形ステージを、造形テーブル50を回転させることにより180度回転させた状態が図2(b)に示す状態である。
この状態で、第3ステージ20cに光ビームLを照射し、粉末材料Pを硬化させて硬化層Mを得る。同時に第4ステージ20dに、第1材料供給装置130を使用してベースとなる粉末材料Pを一定の厚さで供給し、第1ステージ20aに第2材料供給装置131を使用して追加の粉末材料を必要に応じて一定の厚さで供給する。
このとき、第2ステージ20bでは、エア吸引や機械加工などにより前工程で第1材料供給装置130を使用して供給されたベースとなる粉末材料と硬化層Mの一部を除去し、次の工程で第2材料供給装置131を使用して追加の粉末材料を供給するスペースを作る。さらに、20a,20b,20c,20dからなる造形ステージを、造形テーブル50を回転させることにより90度回転させると図2(c)に示す状態になる。
ここでは、第4ステージ20dに光ビームLを照射し、粉末材料Pを硬化させて硬化層Mを得る。同時に第1ステージ20aに、第1材料供給装置130を使用してベースとなる粉末材料を一定の厚さで供給し、第2ステージ20bに第2材料供給装置131を使用して追加の粉末材料Pを必要に応じて一定の厚さで供給する。
このとき、第3ステージ20cでは、エア吸引や機械加工などにより前工程で第1材料供給装置130を使用して供給されたベースとなる粉末材料Pと硬化層Mの一部を除去し、次の工程で第2材料供給装置131を使用して追加の粉末材料Pを供給するスペースを作る。さらに、20a,20b,20c,20dからなる造形ステージを、造形テーブル50を回転させることにより180度回転させると図2(d)に示す状態になる。
この状態で、第2ステージ20bに光ビームLを照射し、粉末材料Pを硬化させて硬化層Mを得る。同時に第3ステージ20cに、第1材料供給装置130を使用してベースとなる粉末材料を一定の厚さで供給し、第4ステージ20dに第2材料供給装置131を使用して追加の粉末材料Pを必要に応じて一定の厚さで供給する。
このとき、第1ステージ20aでは、エア吸引や機械加工などにより前工程で第1材料供給装置130を使用して供給されたベースとなる粉末材料Pと硬化層Mの一部を除去し、次の工程で第2材料供給装置131を使用して追加の粉末材料Pを供給するスペースを作る。さらに、20a,20b,20c,20dからなる造形ステージを、造形テーブル50を回転させることにより90度回転させて、一定ピッチで降下させると、再び図2(a)に示す状態になる。
ここで、第1ステージ20aに光ビームLを照射し、粉末材料Pを硬化させて硬化層Mを得ると同時に、第2ステージ20bに、第1材料供給装置130を使用してベースとなる粉末材料Pを一定の厚さで供給し、第3ステージ20cに第2材料供給装置131を使用して追加の粉末材料Pを必要に応じて一定の厚さで供給する。
また、第4ステージ20dに前工程で第1材料供給装置130を使用して供給されたベースとなる粉末材料Pと硬化層Mの一部を除去し、次の工程で第2材料供給装置131を使用して追加の粉末材料Pを供給するスペースを作る。
さらに、造形テーブル50を180度回転させて同じ動作を繰り返していくことにより、一定厚に積まれた粉末材料Pの必要部分のみ光ビームLを照射し硬化させることで硬化層Mとなり、硬化層Mを積み重なっていくことで、3次元形状を有する造形物を製作可能となる。
実施の形態2においては、光ビームLを照射して粉末Pを硬化させて硬化層Mを得る工程には、第1ステージ20a、第2ステージ20b、第3ステージ20c、第4ステージ20dというようにシーケンシャルに処理するのではなく、第3ステージ20c、第4ステージ20d、第2ステージ20b、第1ステージ20aの順番の処理工程にしている。
これは、隣り合った領域に連続して光ビームLを照射することによるステージの温度上昇を抑えるためである。同様に、ステージ数が5つ以上になった場合にも、連続して隣り合った領域を光ビーム照射するようなシーケンシャルではなく、変則的な順序で、隣接していない領域に光ビーム照射していくことにより、ステージの温度上昇を抑えることができる。
なお、本実施の形態において、造形テーブル50の外形は長方形と円形で示しているが、その他の多角形でもよく、ステージ数が増加した場合に、材料供給装置130,131も3種類以上あってもよい。また、成形材料をステージ全体に供給してからステージを回転させて、順次、光ビーム照射工程を実施するようにしてもよい。
本発明の造形物の製造方法は、粉末積層造形による3次元形状造形部品の製造方法であって、造形時に光ビームを2次元で走査して積層ごとの形状を形成すると同時に、ワーク側を移動させること、かつ、その移動としてワークを固定したテーブルごと行われる構造を備えていることと、光ビーム照射ステージと材料供給ステージを分離することにより、2種類以上の材料供給が可能であって、300mm四方を越える大型の形状を持つ製品を製作することや、2種類以上の材料を組み合わせた構造を持つ3次元形状造形部品を製作することが可能である。さらに、そのリードタイムも従来工法よりも短く製造できるため、大型の射出成形金型の金型部品の製造に適用できる。また、複雑な形状を有する射出成形金型の金型部品の製造や、樹脂もしくは金属製あるいはその両方を組み合わせたモックアップモデルの製作などの用途にも適用できる。
(a),(b)は本発明の実施の形態1である粉末積層造形装置の概略構成を示す斜視図 (a)〜(d)は本発明の実施の形態2である粉末積層造形装置の概略構成を示す斜視図 実施の形態1における積層のつなぎ目付近の状態を説明するための断面図 実施の形態1における積層のつなぎ目付近の状態を説明するための平面図 (a)〜(d)は従来の3次元形状造形物の製造方法を模式的に示す断面図 他の従来例を示す斜視図
20a〜20d,20v 造形ステージ
31 材料供給装置
40 偏向装置
41 光ビーム照射装置
50 造形テーブル
51 テーブル駆動装置
130,131 材料供給装置
L 光ビーム
P 粉末材料(成形材料)
M 硬化層(焼結層)

Claims (6)

  1. 造形テーブルに配置した成形材料の層の表面に、光ビーム照射部から光ビームを照射することにより、前記成形材料を焼結させて第1焼結層を形成する第1形成工程と、
    前記造形テーブルと前記光ビーム照射部とを相対的に移動させて、前記成形材料の層の表面における前記第1焼結層に隣接している領域に、前記光ビーム照射部から光ビームを照射することにより、前記成形材料を焼結させて第2焼結層を形成する第2形成工程と、
    前記第1焼結層と前記第2焼結層の上に新たな成形材料の層を被覆する被覆工程とを備え、
    前記第1形成工程と前記第2形成工程と前記被覆工程とを繰り返すことにより、複数の焼結層が積層一体化された焼結体からなる造形物を製造することを特徴とする造形物の製造方法。
  2. 造形テーブルに配置した成形材料の層の表面に、光ビーム照射部から光ビームを照射することにより、前記成形材料を焼結させて第1焼結層を形成する第1形成工程と、
    前記造形テーブルと前記光ビーム照射部とを相対的に移動させて、前記成形材料の層の表面における前記第1焼結層に隣接している領域に、前記光ビーム照射部から光ビームを照射することにより、前記成形材料を焼結させて第2焼結層を形成する第2形成工程と、
    前記造形テーブルと前記光ビーム照射部とを相対的に移動して、前記成形材料の層の表面における前記第1焼結層あるいは前記第2焼結層に隣接していない領域に、前記光ビーム照射部から光ビームを照射することにより、前記成形材料を焼結させて第3焼結層を形成する第3形成工程と、
    前記第1焼結層と第2焼結層と前記第3焼結層の上に新たな成形材料の層を被覆する被覆工程とを備え、
    前記第1形成工程と前記第2形成工程と前記第3形成工程と前記被覆工程とを繰り返すことにより、複数の焼結層が積層一体化された焼結体からなる造形物を製造することを特徴とする造形物の製造方法。
  3. 前記焼結体の積層方向から見て、前記焼結体の任意の一層である第1積層における前記第1焼結層と前記第2焼結層との境界と、前記第1積層と接触する第2積層における前記第1焼結層と前記第2焼結層との境界とが重ならない配置となるように、前記複数の焼結層を形成したことを特徴とする請求項1または2記載の造形物の製造方法。
  4. 前記第2形成工程における前記造形テーブルと前記光ビーム照射部との相対的移動は、前記造形テーブルを回転して行うことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の造形物の製造方法。
  5. 前記第2形成工程における前記造形テーブルと前記光ビーム照射部との相対的移動は、前記造形テーブルを直線的に移動して行うことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の造形物の製造方法。
  6. 前記被覆工程において、前記成形材料を複数の材料供給部から前記各焼結層の上に被覆することを特徴とする請求項1または2記載の造形物の製造方法。
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