JP2010228309A - バリア性ptp底材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特に高い防湿性を必要とする内容物を包装するPTP包装体に用いるバリア性PTP底材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂層(A)の片側あるいは両側にポリオレフィン系樹脂層(B)が積層された多層の吸湿フィルムからなり、前記ポリオレフィン系樹脂層(B)を内側としてポケットを成形されされたPTP(プレス スルー パック)底材において、前記成形されたPTP底材の最外層の上に、炭素を含む酸化珪素(SiO)膜からなるバリア層が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、医薬錠剤、固形食品、ガラスアンプル等の包装形態である、プレススルーパック(Press through pack、以降PTPと呼称する)において、内容物を収納する凹設収納部(以降、ポケットと呼称する)が形成されたバリア性PTP底材及びその製造方法に関する。
PTP包装体は、プラスチックフィルムあるいはシートからなるPTP底材を、熱間真空成形、熱間圧空成形あるいは熱間真空圧空成形等により、内容物大の形状にポケット又は小容器を作り、食品、医薬錠剤、ガラスアンプルなどを充填し、開口部を別のフレキシブルあるいは薄いリジッドプラスチックシート、アルミニウム箔にて覆い密封する。PTP底材には、成形用基材シートとして、透明性と成形適正が良いポリ塩化ビニルシートを主体に、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチックシートが使用されている。
また、錠剤、トローチ剤、カプセル剤等の医薬品製剤は吸湿性が一般に高い為に、PTP底材には水蒸気バリア性の高い透明な成形用基材シートが要望されている。この為に、防湿性を付与する水蒸気バリア性の高いポリ塩化ビニリデンを複数回コーティングしたものなどが使用され、コストが高い問題がある。また、廃棄等の関係から、近年、塩素を含まない無延伸ポリプロピレンシート(CPP)やポリエチレンテレフタレート(PET)シート等が注目され使用されている。しかしながら、低コストで、低公害のポリプロピレンシートは、透明性や成形適性等の点で、PTP包装体の成形用基材シートとして不十分な点があり、収納する内容物によって、バリア性樹脂を積層した多層の成形用基材シートとして使用される場合が多い。
そこで、医薬品包装に直接乾燥性を付与することを目的として、例えば、特許文献1には、規定量の乾燥剤を含有する吸湿層と、最外層にバリア層とを積層したPTPまたはブリスターパック用フィルムが開示されている。また、乾燥性に加えて有効成分の非吸着性を併せ持つことを目的として、例えば、特許文献2には、ポリアクリロニトリルからなる最内層の上に、乾燥剤を含有する吸湿層と、最外層にバリアー層とが積層された多層フィルムが開示されている。
しかし、これらの場合でも、バリア層は積層された後に成形されるために、特に深絞りとなるPTP包装体では、環境温度、湿度によって成形した多層成形用基材シートのバリア性能にバラツキを生じる問題があり、特に水蒸気に対するバリア性は要求に満たない場合があった。
また、収納する内容物によって、防湿性、ガス遮断性や遮光性を特に要求される場合には、内容物が収納されたPTP包装体を、更に、例えばプラスチックフィルム上にアルミニウムを積層したガスバリア性が高く遮光性のあるフィルムや、塩化ビニリデン(PVDC)やエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)をコーティングした軟包装材料で2重包装する。この場合も、外の軟包装を開封した後の、特に水蒸気に対するバリア性は要求に満たない場合があり問題があった。
特開2006−327690号公報 特開2006−346888号公報
本発明は上記した従来の問題点を解決するもので、特に高い防湿性を必要とする内容物を包装するPTP包装体に用いるバリア性PTP底材及びその製造方法を提供することを課題としている。
本発明の請求項1に係る発明は、少なくとも、吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂層(A)の片側あるいは両側にポリオレフィン系樹脂層(B)が積層された多層の吸湿フィルムからなり、前記ポリオレフィン系樹脂層(B)を内側としてポケットを成形されたPTP(プレス スルー パック)底材において、前記成形されたPTP底材の最外層の上に、炭素を含む酸化珪素(SiO)膜からなるバリア層が設けられていることを特徴とするバリア性PTP底材である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記バリア層の炭素を含む酸化珪素(SiOX)膜において、該酸化珪素SiOが1.7〜2.0の範囲にある事を特徴とする請求項1に記載するバリア性PTP底材である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記バリア層の炭素を含む酸化珪素(SiO)膜において、該酸化珪素膜中の炭素原子の割合が膜全体に対して1%以上10%以下で、且つ、前記PTP底材の最外層に隣接する部分の炭素濃度が高く外側に向かって減少する濃度勾配を有している事を特徴とする請求項1または2に記載するバリア性PTP底材である。
次に、本発明の請求項4に係る発明は、少なくとも、吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂層(A)の片側あるいは両側にポリオレフィン系樹脂層(B)が積層された多層フィルムを、前記ポリオレフィン系樹脂層(B)を内側としてポケットを成形してPTP底材とした後、CVD法により前記多層フィルムの最外層の上に、炭素を含む酸化珪素(SiO)膜からなるバリア層を設けることを特徴とするバリア性PTP底材の製造方法である。
本発明のバリア性PTP底材は、吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂層(A)を含む多層の吸湿フィルムから成り、この吸湿フィルムによりPTP包装体の内側のヘッドスペース、あるいは内容物やPTP底材自身に付着していた水分が吸収され、また、ポケットに内容物を充填し、開口部をアルミニウム箔等を積層したハイバリアフィルムで密封した後に外部から浸入してくる水分も吸収される。更に、本発明のバリア性PTP底材は、前記成形された吸湿フィルムを含むPTP底材の最外層の上に、炭素を含む酸化珪素(SiO)膜からなるバリア層が設けられていることで、ポケットに内容物を充填し開口部を密封した後に外部から浸入してくる水分、酸素などのガスが遮断されるため、非常に防湿性の高いPTP包装体を得ることが可能となる。
本発明のバリア性PTP底材の一例の構成を断面で説明する概略図。 本発明のバリア性PTP底材のポケットに内容物を充填し、開口部を密封した状態を示す模式図。
本発明のバリア性PTP底材を一実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
図1は、本発明のバリア性PTP底材の構成を断面で説明する概略図で、(a)は成形前のシート構成を示し、(b)はポケット成形後に最外層に炭素を含む酸化珪素膜が設けられた構成を示す。図2は、本発明のバリア性PTP底材のポケットに内容物を充填し、開口部を密封した状態を示す模式図である。
本発明のバリア性PTP底材はそのシート構成として、少なくとも、吸湿機能を有する無機化合物3を配合したポリオレフィン系樹脂層(A)1の片側あるいは両側にポリオレフィン系樹脂層(B)2が積層された多層の吸湿フィルム4からなる。
吸湿機能を有する無機化合物としては、ゼオライト、酸化カルシウム、塩化カルシウム、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、硫酸マグネシウムや焼き明礬などの硫酸塩化合物、アルミナ、活性炭、粘土鉱物、シリカゲルの少なくとも1種以上から選択される。これらの吸湿機能を有する無機化合物は、目的とする機能に応じて使い分けることが可能である。例えば、PTP包装体に乾燥機能を付与させたい場合にはゼオライトや酸化カルシウムを、調湿機能を付与させたい場合には、硫酸マグネシウムや焼き明礬などの硫酸塩化合物やアルミナ、活性炭、粘土鉱物、シリカゲルなどを用いることが好ましい。
この吸湿機能を有する無機化合物の配合量としては、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、1〜100質量部とする。1質量部より少ないと吸湿能力に劣り、100質量部を超える場合は吸湿機能は十分であっても、組成物としての強度物性、成形適性がなく、経済的にも劣る。なお、これらの無機化合物は、ポリオレフィン系樹脂への分散性向上の為に、予め前処理(表面処理)を施しておいてもかまわない。
この吸湿機能を有する無機化合物3を配合したポリオレフィン系樹脂層(A)1の片側あるいは両側には、ポリオレフィン系樹脂層(B)2を設ける。ここで、ポリオレフィン系樹脂層(A)のベースとなるポリオレフィン系樹脂の密度をdとしたとき、d≦0.930g/cmであり、ポリオレフィン系樹脂層(B)の密度をdとしたとき、d≧0.910g/cmになるように設定することが好ましい。さらに好ましくは、dとdの関係がd<dの関係を有することが好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂層(B)でポリオレフィン系樹脂層(A)を両側から挟み込むことが好ましい。
また、各層の厚みは、ポリオレフィン系樹脂層(A)の厚みをt、ポリオレフィン系樹脂層(B)の総厚みをtとしたとき、t≧tの関係であることが必要であり、この関係を満たさないと、剛性と柔軟性のバランスが取れない。なお、ポリオレフィン系樹脂層(A)とポリオレフィン系樹脂層(B)には、必要に応じては上記した吸湿機能を有する無機化合物以外の、各種添加剤、酸化防止剤、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、分散剤、光安定剤、熱安定剤などを配合してもかまわない。
次に、吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物(A)の製造方法を説明する。最終製品としてのPTP包装体の成形方法、および必要とされる吸湿機能により設定した各種所定配合量の材料を、リボンミキサー、タンブラーミキサー、ヘンシェルミキサーなどを用いてドライブレンドし、単軸押出機、二軸押出機などの押出機、バンバリーミキサーなどの混練機を用いて、ベースとなるポリオレフィン系樹脂の特性に合わせて、融点以上280℃以下、好ましくは260℃以下、さらに好ましくは240℃以下で混練し、押し出す。その際、必要に応じて吸湿機能を有する無機化合物をあらかじめオレフィン系ワックスなどの分散剤で表面処理を施しても構わない。押し出されたストランドは空冷により冷却し、ペレタイズ後、アルミバッグなどの防湿包装形態中でペレットとして保管する。その後、以下に記載する成形法を用いてPTP包装体に用いるPTP底材用の吸湿フィルム4とする。
この吸湿フィルムの製造方法は、共押出インフレーション製膜機あるいは共押出キャスト製膜機などの製膜機を用いて行われ、上述した吸湿性を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂組成物(A)を、必要に応じて相溶性のある樹脂で希釈し、両側に設けたポリオレフィン系樹脂(B)と共に、融点以上260℃以下、好ましくは、240℃以下、更に好ましくは220℃以下で製膜を行う。発泡剤を用いる場合は、この吸湿フィルム製造工程で発泡剤を配合したマスターバッチを配合する。得られたPTP底材用シートとしての吸湿フィルムは、熱間圧空成型あるいは熱間真空成型等により内容物大の形状にポケットを成形する。なお、ポリオレフィン系樹脂(A)の片側にポリオレフィン系樹脂(B)を積層した場合には、ポリオレフィン系樹脂(B)を内側としてポケット成形を行いPTP底材とする。
次に、上述した成形されたPTP底材の最外層の上に、炭素を含む酸化珪素(SiO)膜からなるバリア層を設ける。以下、本発明に係る、PTP底材にCVD(Chemical Vapor Deposition)法により炭素を含む酸化珪素(SiOx)膜を設ける方法ついて説明する。
プラズマCVD法にて積層される酸化珪素膜は、分子内に炭素を有するシラン化合物と酸素ガスを加えたもの、場合によってはそれに不活性ガスを加えたものを原料として用いて成膜される。分子内に炭素を有するシラン化合物としては、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラメチルシラン(TMS)、ヘキサメチルジシラン、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、テトラメチルジシロキサン、メチルトリメトキシシラン等の比較的低分子量のシラン化合物を選択し、これらシラン化合物の一つまたは、複数を選択しても良い。これらシラン化合物の中で成膜圧力と蒸気圧を考えると、TEOS、TMOS、TMS、HMDSO、テトラメチルシランが好ましい。成膜はこれらの有機珪素化合物を気化させ、酸素ガスと混合し、真空成膜装置の電極へと導入し、プラズマを発生させ、成形したPTP底材の外層上にプラズマCVD法にて酸化珪素膜を成膜する。
バリア層である酸化珪素膜の膜厚は特に限定されるものではないが、あまり薄すぎるとバリア性の発現が難しいため、10nm以上は必要である。これ以上の膜厚は、透明性が損なわれない範囲において、必要なバリア性能に合わせて膜厚をコントロールすることが可能であるが、あまり膜厚が厚すぎると生産性の面で問題となるため、1層のみの積層を行う場合は100nm以下が好ましい。さらなるハイバリア化を達成するために酸化珪素膜を2層以上積層することが可能であり、この場合は全体で2000nm以下の範囲が好ましい。また膜厚は成膜時間をコントロールすることにより可能である。また、酸化珪素膜を2層以上積層するには、成膜ドラム電極を複数個配置することで、一度に多数のPTP底材に製膜することが可能である。
酸化珪素膜の性質は、プラズマCVD法では様々な方法で変えることが可能である。例えば有機珪素化合物やガス種の変更、有機珪素化合物と酸素ガスの混合比や、投入電力等の様々な方法が考えられる。また、その酸化珪素膜の組成はX線光電子分光法(XPS)、飛行時間型2次イオン質量分析法(TOF−SIMS)等を用いて測定が可能である。
本発明のバリア性PTP底材では、ガスバリア膜として成膜された酸化珪素膜(SiO)の組成として、xの値を1.7〜2.1、酸化珪素膜中の炭素原子の割合が膜全体に対して1%以上10%以下でPTP底材の最外層に隣接する部分の炭素濃度が高く外側に向かって減少する濃度勾配を有していることで、外側の酸化珪素膜には炭素の混入をできるだけ少なくし、SiOに近い、酸化珪素膜を得ることが好ましい。
酸化珪素膜(SiO)のxの値が1.7〜2.1と規定したのは、化学量論であるSiOの組成が、バリア膜には必要であることが判明したためである。1.7〜2.1を外れると、化学量論的組成を外れ、余剰なボンドが発生し、バリア性が発現しづらくなる。例えば1.7を下回ると珪素リッチな膜となり、ダングリングボンド(結合に関与しない結合手)等が発生し、粗なネットワークとなることが考えられ、2.1を上回ると余剰な酸素が取り込まれ、これも粗なネットワークとなることが考えられる。
また、原料に、分子内に炭素を有するシラン化合物を用いた場合、酸化珪素膜中には炭素が含まれるが、それ以上のさらなる炭素は極力混入させるべきではない。それは混入してしまう炭素はC−H結合を有する可能性が高く、膜中の欠陥となりやすいと考えられる。しかし、本発明者は、ハイバリア化を達成するために、酸化珪素膜を積層する過程において、炭素濃度勾配を有する酸化珪素膜が有効であることを見いだした。これは、緻密なSiOに近い組成の酸化珪素膜を厚く成膜すると、応力の問題のためクラックや、膜剥がれや、密着性の問題が発生し、ある膜厚をすぎるとバリア性はそれ以上向上しないことが知られている。そこで、酸化珪素膜中に炭素の濃度勾配をもつ傾斜膜にすることにより、炭素リッチな部分が応力緩和の働きをし、積層構造をとったとしてもクラックが発生せず、高いバリア性を発現するものと考えられる。
また、PTP底材との密着性を高めるために、炭素濃度勾配をつけて酸化珪素膜を行うこともできる。炭素濃度勾配を有する酸化珪素を作製するためには、原料ガスの酸素濃度を製膜中に変化させることにより、作製が可能である。例えば、分子内に炭素を有するシラン化合物の流量を制御し、成膜開始直後は高流量とし、徐々に流量を減少させていくことにより、濃度勾配が得られる。
上述したようにして得られた本発明のバリア性PTP底材のポケットに内容物を充填し、ヒートシール製を付与したアルミニウム箔等の公知のバリア性のPTP蓋材で開口部を密封することで、PTP包装体が完成する。
以下に本発明の具体的実施例及び比較例について説明する。
以下の実施例及び比較例においては、ポリオレフィン系樹脂として下記(イ)、(ロ)の2種を用い、吸湿機能を有する無機化合物として下記(ハ)、(ニ)の2種を用いた。(イ)LDPE 低密度ポリエチレン(密度:902g/cm
(ロ)PP ランダムポリプロピレン(密度0.900g/cm
(ハ)CaO 酸化カルシウム
(ニ)ゼオライト 合成ゼオライト
なお、ポリオレフィン系樹脂に対する吸湿機能を有する無機化合物の配合は100:70または100:0(何れも質量部)とした。
<実施例1>
上記材料を用いて、ポリオレフィン系樹脂層(B)/ポリオレフィン系樹脂層(A)/ポリオレフィン系樹脂層(B)の厚み構成を50μm/150μm/50μmとして、3種3層の共押出しキャスト製膜法で、材料構成が(B)/(A)/(B)=LDPE/LDPE+CaO/LDPEのPTP底材用シートを製膜し、これを熱間圧空成型法で深絞り
を行い、内径が20mmの円形で深さが10mmのポケットを有するPTP底材を作成した。
このPTP底材の最外層の上に、以下の条件のCVD法で酸化珪素膜を製膜して、実施例1のバリア性PTP底材を得た。
・CVD酸化珪素膜:原料ガスとして、HMDSO:酸素=5:100(容積比)を用い、電極に13.56Hzの高周波を0.5Kw印加してプラズマを発生させ、膜厚30nmの炭素を含む酸化珪素膜(SiO)を作成した。ここで、xの値は1.8であった。
<実施例2>
材料構成を(B)/(A)/(B)=PP/PP+CaO/PPとした以外は実施例1と同様にして、実施例2のバリア性PTP底材を得た。
<実施例3>
材料構成を(B)/(A)/(B)=LDPE/LDPE+ゼオライト/LDPEとした以外は実施例1と同様にして、実施例3のバリア性PTP底材を得た。
<実施例4>
材料構成を(B)/(A)/(B)=PP/PP+ゼオライト/PPとした以外は実施例1と同様にして、実施例4のバリア性PTP底材を得た。
<比較例1>
材料構成を(B)/(A)/(B)=LDPE/LDPE/LDPEとした以外は実施例1と同様にして、比較例2のPTP底材を得た。
<比較例2>
材料構成を(B)/(A)/(B)=PP/PP/PPとした以外は実施例1と同様にして、実施例2のPTP底材を得た。
<比較例3>
実施例1で作成した、材料構成が(B)/(A)/(B)=LDPE/LDPE+CaO/LDPEのPTP底材に酸化珪素膜を製膜せずにそのまま用いて、比較例3のPTP底材とした。
<比較例4>
比較例1で作成した、材料構成が(B)/(A)/(B)=LDPE/LDPE/LDPEのPTP底材に酸化珪素膜を製膜せずにそのまま用いて、比較例4のPTP底材とした。
[評価]
実施例1〜4のバリア性PTP底材、及び、比較例1〜4のPTP底材を用いて防湿性を比較評価した。各PTP底材のポケットに、内容物として塩化カルシウム粉末3gを入れ、開口部を以下の構成のアルミニウム(AL)蓋材で加熱・加圧シールして密封し、60℃75%R.H.で1ヶ月保存し、質量変化(%)=保存後/保存前を確認した。その結果を表1に示す。
蓋材:硬質アルミニウム20μm/PEヒートシールラッカー15μm
〜実施例1、3比較例1、3、4に使用。
:硬質アルミニウム20μm/PPヒートシールラッカー15μm
〜実施例2,4及び比較例2に使用。
Figure 2010228309
<比較結果>
表1に示すとおり、実施例1〜4の本発明のバリア性PTP底材を用いたものは、重量変化が1%未満の優れた防湿性能を示した。それに対して、吸湿機能を有する無機化合物を含有しないPTP底材に、酸化珪素膜を製膜した比較例1,2は大きな重量変化を示した。また、吸湿機能を有する無機化合物を含有したPTP底材で酸化珪素膜を製膜していない比較例3は5%以上の重量変化をしめし、医薬品包装等で求められる防湿性のレベルでは不十分な性能であった。吸湿機能を有する無機化合物を含有せず、酸化珪素膜も製膜していない比較例4は20%を超える大きな重量変化を示した。以上の結果、吸湿フィルムとCVD酸化珪素膜を使用することで、非常に防湿の高いPTP包装体を得ることが出来た
1・・・ポリオレフィン系樹脂層(A) 2・・・ポリオレフィン系樹脂層(B) 3・・・吸湿機能を有する無機化合物 4・・・吸湿フィルム 5・・・バリア層 6・・・ポケット 7・・・蓋材 8・・・内容物

Claims (4)

  1. 少なくとも、吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂層(A)の片側あるいは両側にポリオレフィン系樹脂層(B)が積層された多層の吸湿フィルムからなり、前記ポリオレフィン系樹脂層(B)を内側としてポケットを成形されたPTP(プレス スルー パック)底材において、
    前記成形されたPTP底材の最外層の上に、炭素を含む酸化珪素(SiO)膜からなるバリア層が設けられていることを特徴とするバリア性PTP底材。
  2. 前記バリア層の炭素を含む酸化珪素(SiO)膜において、該酸化珪素SiOが1.7〜2.0の範囲にある事を特徴とする請求項1に記載するバリア性PTP底材。
  3. 前記バリア層の炭素を含む酸化珪素(SiO)膜において、該酸化珪素膜中の炭素原子の割合が膜全体に対して1%以上10%以下で、且つ、前記PTP底材の最外層に隣接する部分の炭素濃度が高く外側に向かって減少する濃度勾配を有している事を特徴とする請求項1または2に記載するバリア性PTP底材。
  4. 少なくとも、吸湿機能を有する無機化合物を配合したポリオレフィン系樹脂層(A)の片側あるいは両側にポリオレフィン系樹脂層(B)が積層された多層フィルムを、前記ポリオレフィン系樹脂層(B)を内側としてポケットを成形してPTP底材とした後、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により前記PTP底材の最外層の上に、炭素を含む酸化珪素(SiO)膜からなるバリア層を設けることを特徴とするバリア性PTP底材の製造方法。
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