JP2010228257A - 塗膜形成品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】密着しにくい金属であるステンレス基材の表面に密着性の高い撥水性樹脂層が形成された塗膜形成品を提案する。
【解決手段】ステンレス基材の表面に、無機珪素化合物を含むプライマー層を介して、極性基を有する撥水性樹脂を含む樹脂組成物からなる撥水性樹脂層が積層されている塗膜形成品とする。極性基を有する撥水性樹脂は、水酸基含有フッ素樹脂又は架橋性シリコーン樹脂であることが好ましい。ステンレス基材に対して接着性の高いプライマー層を介して、このプライマー層に対して接着性の高い極性基を有する撥水性樹脂層が積層されているので、撥水性樹脂層の密着性が高まり、塗膜密着性のよいステンレス塗装品を得ることができる。
【選択図】なし
【解決手段】ステンレス基材の表面に、無機珪素化合物を含むプライマー層を介して、極性基を有する撥水性樹脂を含む樹脂組成物からなる撥水性樹脂層が積層されている塗膜形成品とする。極性基を有する撥水性樹脂は、水酸基含有フッ素樹脂又は架橋性シリコーン樹脂であることが好ましい。ステンレス基材に対して接着性の高いプライマー層を介して、このプライマー層に対して接着性の高い極性基を有する撥水性樹脂層が積層されているので、撥水性樹脂層の密着性が高まり、塗膜密着性のよいステンレス塗装品を得ることができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、ステンレス基材の表面に撥水性の塗膜が形成された塗膜形成品、及びステンレス基材の表面に撥水性樹脂組成物の塗膜を有する塗装品の製造方法に関するものである。
近年、住宅の内装設備部材(キッチン、バス、トイレなど)や様々な施設部材に、水垢や湯垢など汚れが付着し難く除去し易いといった撥水・撥油機能を表面に保持した製品への要求が高くなってきている。
通常、水の接触角が90°以上で、油(特にオレイン酸)の接触角が40°以上である被膜が撥水・撥油性被膜と呼ばれており、このような撥水・撥油性被膜を形成するためのコーティング材の開発が盛んに行なわれている。このような撥水・撥油性に優れたコーティング材用の樹脂組成物としては、フッ素樹脂やシリコーン化合物を主成分とするものが一般的に用いられている。その代表的なものはテフロン(登録商標)と呼ばれるポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂であり、フライパンや様々な金属部材に使用されている。
しかしながらポリテトラフルオロエチレンは、硬化して被膜を形成するのに500℃以上の加熱を必要とするため、大面積の加工や応用性が限定される。そこで、フッ素系樹脂やシリコーン樹脂をコーティングする方法が盛んに検討されている。
特に撥水処理が必要な市場で要望されているのは、ステンレスやタイルといった無機の基材に素地の色を生かしながら塗装を行うクリア仕上げというものである。例えば、キッチン周りなどに使用されるステンレス基材に撥水処理がなされている場合、水垢や油汚れが付きにくく取れやすい機能をシンクやコンロ周りなどの部材に容易に付与することが可能になる。
ステンレスなどの金属素材は、基材自身が表面に不動態の膜を形成するために、一般に、コーティングしても水素結合や化学的な結合を形成しにくく、コーティング層を強固に接着させることが難しい。特にフッ素樹脂などの撥水性材料を主成分とする撥水性樹脂組成物は、もともと化学構造が接着力に乏しいものであるため、強固な接着力を得ることは難しい。
従来から塗膜の接着性を向上するために、樹脂組成物中に、アミノシランやエポキシシランといった有機シラン化合物を混合したり、有機シラン系化合物を溶剤などで希釈してプライマーとして使用したりすることが知られている。これは、骨格に有機成分と無機成分の双方の構造を有しているため、有機系の塗料と無機系の下地素材とを接合させる役割をもつからであると考えられる。
しかしながら、有機シラン化合物の構造中のアルコキシシリル基は、無機系の下地の表面にある水酸基とは容易に反応しないため、特に水酸基の数が少ない基材の一つであるステンレス基材に対して塗膜を完全に密着させることは難しい。したがって、プライマーとして使用したとしても、一次密着性は確保できるものの耐水試験後の密着性を確保できるレベルには届かない。
また、エポキシ樹脂など接着力の強い有機樹脂を厚膜に塗装し、その後にフッ素樹脂などの塗装を行うことによって塗膜の接着力を強める工法の検討もなされている。
しかしながら、エポキシ樹脂を用いた方法では、真に満足できるほどの十分な接着性を得ることは難しい。すなわち、エポキシ層を厚膜に塗布することによりピンホールを極力抑えることができるものの、クリア仕上げのように膜厚が薄い場合には、ピンホールが発生してしまい、このピンホールを通じて水分が塗膜内に浸透し、さらに塗膜界面まで水分が浸透した場合には塗膜が容易に剥離してしまうのである。
上記以外にも、塗膜の接着性を向上させる方法が種々提案されている。例えば、金属の表面をエッチングしてフッ素樹脂を密着させる方法が開示されている(特許文献1)。しかし、超音波などの装置により金属の表面を処理する必要があり、簡単に塗膜の密着力を向上させることはできなかった。
また、エポキシ樹脂組成物とフッ素樹脂と架橋材とシランカップリング剤との混合物をステンレス基材などに塗布して接着性のよい塗膜を形成することが開示されている(特許文献2)。しかし、塗膜を硬化するために、焼付けするための加熱が必要であり、さらに密着性を向上させるためには、クロメート処理などの別の処理が必要であるという問題があった。
また、ブロックイソシアネートとフッ素樹脂とアミノ樹脂と硬化触媒との混合物を塗布して接着性の優れた組成物を得ることが開示されている(特許文献3)。しかしながら、この組成物についても焼付けのための加熱が必要であった。
その他、塗膜の接着性を向上する方法として、クロメート処理などの表面処理で金属酸化物皮膜を形成して密着性を向上する方法も知られている。しかし、クロメート処理などは、人体に有害であるのに加え、表面処理層を形成させるために専用の装置が必要であり、簡単に塗膜を形成することができないという問題があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、密着しにくい金属であるステンレス基材の表面に密着性の高い撥水性樹脂層が形成された塗膜形成品及びその製造方法を提案するものである。
本発明の請求項1の塗膜形成品は、ステンレス基材の表面に、無機珪素化合物を含むプライマー層を介して、極性基を有する撥水性樹脂を含む樹脂組成物からなる撥水性樹脂層が積層されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、ステンレス基材の表面に、ステンレス基材に対して接着性の高い無機珪素化合物を含むプライマー層を介して、このプライマー層に対して接着性の高い極性基を有する撥水性樹脂層が積層されているので、撥水性樹脂層の密着性が高まり、塗膜密着性のよいステンレス塗装品を得ることができる。換言すると、無機珪素化合物中のシラノール基などの水酸基が、ステンレス基材と撥水膜層とを同時に強固に結合させることができるので、接着性が向上するものである。
請求項1の塗膜形成品においては、極性基を有する撥水性樹脂は、水酸基含有フッ素樹脂であり、樹脂組成物はイソシアネート化合物とシラン系化合物とを含有していることが好ましい。その場合、プライマー層と撥水性樹脂層との接着性をさらに高めることができるので、塗膜密着性がより向上したステンレス塗装品を得ることができる。
請求項1の塗膜形成品においては、極性基を有する撥水性樹脂は、架橋性シリコーン樹脂であることが好ましい。その場合、プライマー層と撥水性樹脂層との接着性をさらに高めることができるので、塗膜密着性がより向上したステンレス塗装品を得ることができる。
また、上記いずれかの塗膜形成品において、プライマー層の膜厚が0.01〜1.0μmであることが好ましい。その場合、十分な接着性を確保すると共に、薄膜のプライマー層で接着性を高めることができるので、クリア仕上げが好適に施されたステンレス塗装品を得ることができる。
本発明の塗膜形成品の製造方法は、ステンレス基材の表面に無機珪素化合物溶液を塗布して第一塗膜を形成する工程と、第一塗膜の表面に極性基を有する撥水性樹脂を含む樹脂溶液を塗布して第二塗膜を形成する工程とを含むことを特徴とするものである。
この発明によれば、ステンレス基材の表面に、ステンレス基材に対して接着性の高い無機珪素化合物を含むプライマーを塗布し、その後、このプライマーに対して接着性の高い極性基を有する撥水性樹脂を塗布するので、撥水性樹脂層の密着性が高まり、塗膜密着性のよいステンレス塗装品を得ることができる。
本発明によれば、ステンレス基材の表面に、ステンレス基材に対して接着性の高い無機珪素化合物を含むプライマー層を介して、このプライマー層に対して接着性の高い極性基を有する撥水性樹脂層が積層されているので、撥水性樹脂層の密着性が高まり、塗膜密着性のよいステンレス塗装品を得ることができる。
本発明の塗膜形成品は、ステンレス基材の表面に、無機珪素化合物を含むプライマー層を介して、極性基を有する撥水性樹脂を含む樹脂組成物からなる撥水性樹脂層が積層されているものである。
[ステンレス基材及びプライマー]
ステンレス基材としては、通常のステンレス、すなわちニッケルとクロムと鉄の合金を用いることができる。ステンレスの表面には不活性な酸化物皮膜が形成されるが、この酸化物皮膜は、一般的な金属である鉄、アルミニウムなどと比較して表面の水酸基の数が少なく、水素結合や化学結合を形成しにくいため塗膜を密着させることが難しい。そのため、ステンレス基材に塗膜を強固に接着させるために、まずステンレス基材の表面の水酸基と強固に接着し、塗膜にも強固に接着するプライマー層を形成する。特にクリア仕上げを行うには、塗膜の膜厚が薄いため、多少の傷が入って水分などが浸透してきても剥離しにくい強い接着力が必要であり、プライマー層により塗膜の接着力を向上させることが可能となる。
ステンレス基材としては、通常のステンレス、すなわちニッケルとクロムと鉄の合金を用いることができる。ステンレスの表面には不活性な酸化物皮膜が形成されるが、この酸化物皮膜は、一般的な金属である鉄、アルミニウムなどと比較して表面の水酸基の数が少なく、水素結合や化学結合を形成しにくいため塗膜を密着させることが難しい。そのため、ステンレス基材に塗膜を強固に接着させるために、まずステンレス基材の表面の水酸基と強固に接着し、塗膜にも強固に接着するプライマー層を形成する。特にクリア仕上げを行うには、塗膜の膜厚が薄いため、多少の傷が入って水分などが浸透してきても剥離しにくい強い接着力が必要であり、プライマー層により塗膜の接着力を向上させることが可能となる。
金属用のプライマーとしては、種々のものが知られているが、本発明では、無機珪素化合物を用いる。無機珪素化合物によりプライマー層を形成することにより、塗膜の接着力を向上させることができるものである。すなわち、無機珪素化合物を塗布することによりステンレス基材の表面にシラノール(SiOH)基を付与することが可能となり、不動態膜を形成するために表面の極性基の数が少なくなって接着力が弱くなるステンレス基材に対して強力な接着性を付与することが可能になるものである。無機珪素化合物を含むプライマー層としては、水または溶剤中に溶解したものを塗布することにより形成することができる。このような無機珪素化合物には様々なものが存在するが、珪素化合物が水溶液に分散された水系のものと、アルコールや芳香族系溶剤などの溶剤に可溶化又は分散された溶剤系のものがある。このようなものは無機珪素化合物をマトリクスとしてプライマー層に含んでおり密着性が向上するものである。
無機珪素化合物を含むプライマーとしては、水ガラスなどを原材料として使用した水溶性の無機珪素化合物や、オルガノシランを加水分解して得られる有機官能基を有さない加水分解縮合物であり、このものをプライマーとして用いると接着性を向上することができるものである。つまり、プライマーとして接着性能を保持するためにはステンレス基材の表面に多くのシラノール基を持たせることが重要であるが、無機珪素化合物の中でも例えばコロイダルシリカなどの分散体などでは、表面のシラノール基が反応性に乏しく強い接着性を引き出すことができないが、水ガラスなどを原材料として使用した水溶性の無機珪素化合物や、オルガノシランの加水分解縮合物などをプライマーとして用いれば、ステンレス基材の表面にシラノール基を数多く導入することができ、接着性が格段に向上するものである。なお、「有機官能基を有さない加水分解縮合物」とは、十分に加水分解を進行させ、実質的に有機官能基を有さない状態まで完全加水分解したものをいう。
まず、プライマーとして、水ガラスなどのアルカリ金属珪酸塩の水溶液について説明する。水ガラスは粘性のある溶液であり、硬化してガラス質のシリケートポリマーを形成する。このような水ガラスは、安価であり、セラミックス、金属等への接着性に優れ、また不燃性であることから、無機質塗料あるいは無機接着剤のバインダ(結合剤)として、また不燃性パネルやボードの製造の際のバインダとしてなど、幅広く利用されている。水ガラスは、アルカリ金属ケイ酸塩を主要成分とする水性溶液である。そして、このアルカリ金属ケイ酸塩は、一般式M2O・nSiO2で表され、Mはナトリウム(Na)、カリウム(K)、またはリチウム(Li)であり、また、M2OとSiO2とのモル比であるnは一般に1.6〜4.5である。このようなアルカリ金属ケイ酸塩の水性溶液としては、安価で、またJIS規格品として容易に入手可能なケイ酸ナトリウムの水ガラスを、特に好適に用いることができる。また、このケイ酸ナトリウムの水ガラスに、ケイ酸リチウムの水ガラスを混合して用いることもより好ましい。それによって硬化後の耐水性をより高めることができる。
水ガラスは乾燥によって硬化するので、添加物を加えることなくそのままでも塗装に使用することができる。しかし、硬化に要する時間は比較的長く、またそのように硬化した水ガラスは、水不溶性、耐熱性が十分とは言えないため、種々の硬化剤を使用することがより好ましい。代表的な硬化剤は多価金属の酸化物であり、酸化亜鉛ZnO、酸化カルシウムCaO、酸化マグネシウムMgO、酸化鉛PbO、三酸化アルミニウムAl2O3などを硬化剤として用いることができる。また、珪酸カルシウムCaSiO3などの珪化物、珪弗化ナトリウムNa2SiF6、珪弗化カリウムK2SiF6のような珪弗化物も、硬化剤として用いることができる。さらに、リン酸アルミニウムAl(PO3)3等のリン酸塩、またリン酸と金属酸化物との混合焼成物、あるいはその複塩、例えばZnO・P2O5、MO・nAl2O3・mP2O5、ホウ酸などを配合して反応性を制御することも可能である。
このように水ガラスなどの原材料に硬化剤などを加えて反応性を高めたものは強い接着性を示し、密着性の高いプライマー層を形成することが可能になるものである。そのような水ガラス組成物としては、具体的には例えば、アモルファスのシリカが水に溶解した、FJ−294(グランデックス株式会社製)などが挙げられる。
次に、プライマーとして、有機官能基を有さない、オルガノシランの加水分解縮合物について説明する。特にこの系で接着性を高めることができるのは、4官能加水分解性オルガノシランの完全加水分解物からなる4官能シリコーンレジンである。4官能シリコーンレジンの原料として用いる4官能加水分解性オルガノシランとしては、次の一般式(1)で表される化合物を用いることができる。
SiX4 …(1)
(Xは、同一または異種の加水分解性基を示す)
一般式(1)中のXとしては、同一または異種の加水分解性基であれば、特に限定されるものではないが、例えば、アルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基等が挙げられる。
(Xは、同一または異種の加水分解性基を示す)
一般式(1)中のXとしては、同一または異種の加水分解性基であれば、特に限定されるものではないが、例えば、アルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基等が挙げられる。
したがって、4官能加水分解性オルガノシランとしては、具体的には例えば、4官能性の、アルコキシシラン類、アセトキシシラン類、オキシムシラン類、エノキシシラン類、アミノシラン類、アミノキシシラン類、アミドシラン類等が挙げられる。
これらの中でも、入手の容易さおよび塗料を調製しやすいことから、Xがアルコキシ基(OR基;Rはアルキル基)であるアルコキシシラン類(SiOR4)が好ましい。また、アルコキシシラン類の中でも、Rが炭素数1〜8のアルキル基であるものが、入手の容易さ、塗料の調製しやすさに加えて、得られる4官能シリコーンレジンを含む塗料を塗布して硬化させる際に縮合反応が起こりやすいといった点、また、その結果、硬い塗膜を形成できるといった点などから、特に好ましい。上記炭素数1〜8のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。アルコキシ基中に含有されるアルキル基のうち、炭素数3以上のものについては、n−プロピル基、n−ブチル基等のように直鎖状のものであってもよいし、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等のように分岐を有するものであってもよい。
4官能性アルコキシシラン類としては、特に限定されるものではないが、具体的には例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシランが挙げられる。これらの中でも、入手の容易性及び塗料調製の容易性から、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
上記のような4官能加水分解性オルガノシランをアルコール等の溶剤中で完全加水分解することにより、一般式(1)中のXが解離すると共に、シリコーンの結合(シロキサン結合;−Si−O−Si−)が形成されて、実質的に有機官能基を有さない加水分解縮合物が得られる。そして、このようにして形成された有機官能基を含まない加水分解縮合物が、無機珪素化合物となってプライマーとして機能し、接着性を向上させるものである。なお、正珪酸メチル(テトラメトキシシラン)の加水分解縮合物を出発物質として、完全加水分解させたものはさらに好ましく用いられる。このようなものは、テトラエトキシシランの末端のエトキシ基より反応がはやく未反応基が残りにくいという利点がある。
オルガノシランを加水分解するにあたっては、適宜の触媒を用いることができる。4官能加水分解性オルガノシランを(部分)加水分解する際に必要に応じて用いられる触媒としては、特に限定されるものではないが、塗料の製造工程にかかる時間を短縮する点から、酸性触媒が好ましい。酸性触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタール酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸や、塩酸、硝酸などの無機酸を用いることができ、これらを1種または2種以上で使用することができる。
4官能加水分解性オルガノシランの加水分解は、必要に応じ、加温(たとえば、40〜100℃に加熱)して行ってもよい。加温することにより、加水分解の反応速度を促進することができ、プライマーの調製効率を上げることができる。
4官能加水分解性オルガノシランの(部分)加水分解は、必要に応じ、4官能加水分解性オルガノシランを適当な溶媒で希釈して行ってもよい。そのような希釈溶媒(反応溶媒)としては、特に限定されるものではないが、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体;およびジアセトンアルコール等を挙げることができ、これらからなる群より選ばれた1種もしくは2種以上のものを使用することができる。また、これらの親水性有機溶媒と併用して、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシム等の疎水性の有機溶媒を1種もしくは2種以上で用いることもできる。
本発明では、4官能加水分解性オルガノシランにより調製された無機珪素化合物を必須の成分としているが、必要に応じて一般式(1)中のXの一つ以上がメチル基やエチル基などのアルキル基に置換された構造である、メチルトリメトキシシランなどの3官能のモノマーや、2官能のモノマーが混合されていてもよい。要するに、有機官能基を含まない、オルガノシランの加水分解縮合物が含まれていればよいものである。ただし、3官能のものをベースにしたアルコキシシランや、2官能のものをベースにしたアルコキシシランなど、Xのアルキル基への置換率が高くなるにしたがって塗膜の接着性が悪くなるので使用するのは好ましくない。したがって、4官能のみのオルガノシランを完全加水分解したものがより好ましい。
[撥水性樹脂]
本発明では、極性基を有する撥水性樹脂を用いる。通常、撥水性の樹脂としては、フッ素樹脂やシリコーン樹脂などが挙げられるが、上記の無機珪素化合物を含むプライマーを塗布することによりステンレス基材の表面に付与されたシラノール基などの極性基と、化学的に結合できる官能基を分子内に有するようなものが好ましく、そのために極性基を有する撥水性樹脂を用いるものである。極性基を有する撥水性樹脂としては、極性基を有するフッ素樹脂や、架橋性のシリコーン樹脂を用いることが好ましい。それにより、高い接着力を得ることができると共に、撥水性・撥油性の高い塗膜を形成することができる。なお、水の接触角が90°以上で、油(特にオレイン酸)の接触角が40°以上である塗膜が撥水・撥油性塗膜と言われている。
本発明では、極性基を有する撥水性樹脂を用いる。通常、撥水性の樹脂としては、フッ素樹脂やシリコーン樹脂などが挙げられるが、上記の無機珪素化合物を含むプライマーを塗布することによりステンレス基材の表面に付与されたシラノール基などの極性基と、化学的に結合できる官能基を分子内に有するようなものが好ましく、そのために極性基を有する撥水性樹脂を用いるものである。極性基を有する撥水性樹脂としては、極性基を有するフッ素樹脂や、架橋性のシリコーン樹脂を用いることが好ましい。それにより、高い接着力を得ることができると共に、撥水性・撥油性の高い塗膜を形成することができる。なお、水の接触角が90°以上で、油(特にオレイン酸)の接触角が40°以上である塗膜が撥水・撥油性塗膜と言われている。
まず、極性基を有するフッ素樹脂について説明する。
極性基を有するフッ素樹脂としては、水酸基を極性基として有するフッ素樹脂が好適に用いられる。フッ素樹脂としては、(1)−CF2−CF2−、(2)−CF2−CFX−(Xは、Cl又はBr)、(3)−CF2−CFH−、(4)−CH2−CHF−、の化学構造を骨格中に有するようなものを使用することができる。フッ素樹脂の分子量(重量平均分子量)としては、数万〜数10万のものが好適に用いられる。分子量がこの範囲になることにより、強度の高い塗膜を形成することができる。水酸基価(OH価)としては、30〜250KOHmg/gの範囲が好ましく、50〜150KOHmg/gの範囲であることがより好ましい。水酸基価は、試料1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg量と定義されている。水酸基価が上記の範囲となることにより、ポリマー中の反応する架橋点の数が増えることにより架橋密度が高くなって硬く強靭な塗膜を形成することができると共に、柔軟性に富んでフレキシビリティに優れた塗膜を形成することが可能になる。
フッ素樹脂として水酸基含有フッ素樹脂を用いた場合、樹脂組成物にさらにイソシアネート化合物とシラン系化合物とを含有させることが好ましい。フッ素樹脂だけであるとプライマー層の無機珪素化合物中のシラノール基との反応性に乏しいため、強固な接着力を得ることはできなくなるおそれがある。しかしながら、シラン系化合物を添加すると、シラン系化合物中のシラノール基がプライマーと強固に結合するために、強い接着力を引き出すことができ、長期間にわたって撥水性を維持することが可能になる。また、水酸基含有フッ素樹脂とイソシアネート化合物とを反応させることにより強固な撥水膜を形成することが可能になる。
イソシアネート化合物としては、イソシアネート樹脂を用いることができ、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12−MDI)、シクロヘキシル−1,4−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI)又はその異性体、トルエン2,4−ジイソシアネート(TDI)又はその異性体、キシレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、p−フェニレン-ジイソシアネート、テトラメチル−キシリレンジイソシアネート(TMXDI)などから導かれる多価イソシアネートでイソシアヌレート型、アダクト型などのものが挙げられる。また、活性水素などでイソシアネート基をブロックしたようなブロックイソシアネートなども使用することができる。
シラン系化合物としては、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、アミノ基、メルカプト基等の有機物とアルコキシ基が結合した、シランカップリング剤などを用いることが好ましい。特にこの中でも、アミノエチル3−アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチル3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン化合物や3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシランを添加すると、下地であるプライマー層に含まれる無機珪素化合物との反応性がより向上するので好ましい。またこの他に、テトラアルコキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランなどのアルコキシシラン化合物を添加しても接着性が向上するので好ましい。
樹脂組成物における、水素基含有フッ素樹脂に対するイソシアネート化合物の配合比としては、水酸基含有フッ素樹脂中の水酸基の量によって決定されるものであり、使用する塗料の可使時間や性能などのバランスを考慮して配合されるものであるが、イソシアネート化合物のイソシアネート基の量が水酸基の量に対して0.8〜1.2当量の範囲になるように配合することが好ましい。特にイソシアネート樹脂は、若干空気中の水分と反応しやすいため理論量より多めに配合することが好ましく、より好ましくは1.0〜1.2当量の範囲内で配合する。また、樹脂組成物における、水素基含有フッ素樹脂に対するシラン系化合物の配合比としては、水酸基含有フッ素樹脂とイソシアネート化合物とを合わせた固形分全量に対して0.1〜10質量%の範囲内で配合することが好ましい。イソシアネート化合物及びシラン系化合物の配合量が上記の範囲になることにより、密着性が高いと共に強固な塗膜を形成することができるものである。
次に、架橋性シリコーン樹脂について説明する。
架橋性シリコーン樹脂としては、極性基を有して架橋性のある撥水性シリコーン樹脂であれば、限定されるものではなく、種々のものを用いることができるが、極性基として末端に反応性のシラノール基を有するシリコーン樹脂であることが好ましい。すなわち、アルコキシシランが加水分解して縮重合していく反応により硬化していくタイプのシリコーン樹脂である。具体的には、例えば、バインダとしてテトラエトキシシランやメチルトリメトキシシランなどのオルガノシランが加水分解縮重合したものにジメチルシリコンオイルなどの成分が添加されているものを例示することができる。その他のバインダとしては、アルコキシシラン以外にもメチル系、フェニル系といわれるストレートシリコンレジンを用いてもよい。バインダとしては、シラノール基などを官能基として有しており、アルコキシシリル基と縮合反応しやすいものが好ましい。
極性基を有するシリコーン樹脂としては、分子内にジメチルシリコン基を有するものが好ましい。特に、加水分解性のアルコキシシラン化合物にジメチルシリコン基を有するシリコーンオイルの成分を含有させたものが好ましく用いられる。このようなシリコーンオイルにより撥水性を付与することができる。シリコーンオイルとしては反応性のものと非反応性のものに分類できるが、骨格中に反応性のある官能基を有する反応性シリコーンオイルが好ましい。反応性シリコーンオイル中の官能基としては、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、カルビノール基、メタクリル基、メルカプト基、フェノール基、アルコキシ基、ポリエーテル基などがあるが、どの官能基も好適に用いられる。特に、アルコキシシリル基と反応性を有する官能基であることが好ましい。
架橋性シリコーン樹脂組成物は、具体的には次のような一般式(I)の化合物に、一般式(II)又は(III)の化合物を配合して形成したものが好ましく用いられる。(I)は、加水分解性のアルコキシシラン化合物である。なお、Rは、炭化水素基である。また、(II)、(III)は、ジメチルシリコン基をもつシリコンオイルなどである。なお、Xとしては、例えば、アルコキシシリル基、シラノール基、カルビトール(C−OH)基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシ基、カルビノール基、メタクリル基、メルカプト基、フェノール基、ポリエーテル基などが挙げられ、なかでもアルコキシシリル基、シラノール基、カルビトール(C−OH)基が好ましい。
このように極性基を有する撥水性樹脂として、架橋性シリコーン樹脂、特にアルコキシシランを用いれば、アルコキシシランが縮重合していく過程において、下地となるプライマー層に含まれる無機珪素化合物により付与された基材表面のシラノール基がアルコキシシランと反応し、強固に結合することで塗膜の接着性を向上することができる。また、反応性シリコーンオイルを用いた場合は、反応性シリコーンオイルの成分が強固に膜内に取り込まれるために強い撥水性を維持することができる。
なお、上記の樹脂組成物(フッ素樹脂、シリコーン樹脂を含んだ樹脂組成物)は、いずれも適宜、溶媒により希釈されて使用されるのが好ましい。また、樹脂組成物においては、樹脂組成物には適宜の添加剤を配合することができる。例えば、硬化助剤、分散剤、安定化剤などである。
[塗膜の形成]
上記のプライマーと撥水性樹脂とを順次に塗布して塗膜形成品を得ることができる。すなわち、まず、ステンレス基材の表面に無機珪素化合物の溶液を塗布して第一の塗膜(プライマー層)を形成する。次に、第一の塗膜の表面に、極性基を有する撥水性樹脂を含む樹脂溶液を塗布して第二の塗膜(撥水性樹脂層)を形成する。
上記のプライマーと撥水性樹脂とを順次に塗布して塗膜形成品を得ることができる。すなわち、まず、ステンレス基材の表面に無機珪素化合物の溶液を塗布して第一の塗膜(プライマー層)を形成する。次に、第一の塗膜の表面に、極性基を有する撥水性樹脂を含む樹脂溶液を塗布して第二の塗膜(撥水性樹脂層)を形成する。
撥水性樹脂を塗布するにあたっては、撥水性樹脂を含む樹脂組成物を溶媒により希釈することが好ましい。溶媒としては、酢酸ブチルやMEK(メチルエチルケトン)、IPA(イソプロパノール)などの有機溶媒を使用することができる。
塗膜の形成方法としては、適宜の方法を使用することができ、例えばエアースプレーにより噴きつけて塗布することができる。塗布後は、放置して自然乾燥することもできるし、加熱するなどして乾燥することもできる。ただし、焼付けのための加熱は必ずしも行わなくてよい。焼付けを行わないメリットとしては、施工現場等、大型の乾燥機で乾燥させることができないような場所においても硬化させることができることである。なお、焼付けの温度としては、金属基材の場合、一般的に140℃程度以上で加熱乾燥することを意味することが多い。
プライマー層(第一塗膜)の膜厚としては、0.01〜1.0μmであることが好ましい。プライマー層がこの範囲にあることにより、密着性が高く、クリア仕上げに適した塗膜を形成することができる。プライマー層の膜厚がこの範囲より薄いと密着性が悪くなるおそれがある。一方、プライマー層の膜厚がこの範囲より厚いとクリア仕上げの品質が悪くなるおそれがある。
撥水性樹脂層(第二塗膜)の膜厚としては、1〜20μmであることが好ましい。撥水性樹脂層の膜厚がこの範囲にあることにより、密着性が高く、クリア仕上げに適した塗膜を形成することができる。撥水性樹脂の層の膜厚がこの範囲より薄いと塗膜の硬度が低下したり、耐汚染性が悪くなったりするおそれがある。一方、撥水性樹脂の層の膜厚がこの範囲より厚いとクリア仕上げの品質が悪くなるおそれがある。
このように、上記のようなプライマー及び撥水性樹脂を用いれば、特別な装置を用いることなく、また焼付けのための加熱を行うことなく、またクロメート処理などの煩雑な処理を行うことなく、密着性の高い撥水性塗膜をステンレス基材の表面に形成することができるものである。
以下、本発明を実施例により説明する。なお、%は特に明記のない限り、質量%を表す。
[プライマー溶液]
次の材料及び方法により、各プライマー溶液を調製した。
次の材料及び方法により、各プライマー溶液を調製した。
(プライマーA)無機珪素化合物(水溶性)のプライマー溶液:
水溶性の無機珪素化合物として、グランデックス株式会社製「FJ−294」(アモルファスのシリカが水に溶解しているもの:通常の水ガラスにおいて金属イオンの溶出を抑えたものでpHが9〜12の範囲になるように調整されたもの:通常の水ガラス溶液によくみられる金属イオンの溶出に伴う白化減少がないという利点がある)をイオン交換水で希釈し、NV(不揮発分)が1%になるように調製した。
水溶性の無機珪素化合物として、グランデックス株式会社製「FJ−294」(アモルファスのシリカが水に溶解しているもの:通常の水ガラスにおいて金属イオンの溶出を抑えたものでpHが9〜12の範囲になるように調整されたもの:通常の水ガラス溶液によくみられる金属イオンの溶出に伴う白化減少がないという利点がある)をイオン交換水で希釈し、NV(不揮発分)が1%になるように調製した。
(プライマーB)無機珪素化合物(溶剤性)のプライマー溶液(有機官能基を含まないシリカ溶液;オルガノシラン加水分解縮合物):
テトラメトキシシランの部分加水分解物であるメチルシリケート51(三菱化学株式会社製:正珪酸メチル(テトラメトキシシラン)の加水分解縮合物(4量体)、下記式(IV))を用いた。
テトラメトキシシランの部分加水分解物であるメチルシリケート51(三菱化学株式会社製:正珪酸メチル(テトラメトキシシラン)の加水分解縮合物(4量体)、下記式(IV))を用いた。
(プライマーC)有機官能基を含むシリカ溶液:
N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ株式会社製「TSL−8340」)をNV1%になるようにメタノールで希釈して、シランカップリング剤溶液を調製した。
N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ株式会社製「TSL−8340」)をNV1%になるようにメタノールで希釈して、シランカップリング剤溶液を調製した。
(プライマーD)アルコキシド溶液(シリカ以外):
テトライソプロピルチタネート(松本交商株式会社製「TA−10」)をNV1%になるようにIPAで希釈して、シリカ以外のアルコキシド溶液としてチタン系のアルコキシド溶液を調製した。
テトライソプロピルチタネート(松本交商株式会社製「TA−10」)をNV1%になるようにIPAで希釈して、シリカ以外のアルコキシド溶液としてチタン系のアルコキシド溶液を調製した。
(プライマーE)エポキシ樹脂溶液:
エポキシシーラークリヤー(大日本塗料株式会社製)の主剤及び硬化剤を混合し、エポキシシンナーでNV5%になるように希釈して、エポキシ樹脂溶液を調製した。
エポキシシーラークリヤー(大日本塗料株式会社製)の主剤及び硬化剤を混合し、エポキシシンナーでNV5%になるように希釈して、エポキシ樹脂溶液を調製した。
[撥水性樹脂層の樹脂溶液]
次の材料及び方法により、各樹脂溶液を調製した。
次の材料及び方法により、各樹脂溶液を調製した。
(樹脂溶液A)極性基を有するフッ素樹脂溶液:
極性基として水酸基を有するフッ素樹脂(関東電化株式会社製「KD−270R」、NV30%、OH価112.1)100質量部に対して、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート(三井武田ケミカル株式会社製「170HN」、NCO%22.7%、NV100%)11.1質量部と、シラン系化合物としてメルカプトシラン(信越化学株式会社製「KBM−803」)1.63質量部を加え、溶媒として酢酸ブチルを100質量部添加して、水酸基含有フッ素樹脂組成物を調製した。そのときの固形分は21質量%であった。
極性基として水酸基を有するフッ素樹脂(関東電化株式会社製「KD−270R」、NV30%、OH価112.1)100質量部に対して、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート(三井武田ケミカル株式会社製「170HN」、NCO%22.7%、NV100%)11.1質量部と、シラン系化合物としてメルカプトシラン(信越化学株式会社製「KBM−803」)1.63質量部を加え、溶媒として酢酸ブチルを100質量部添加して、水酸基含有フッ素樹脂組成物を調製した。そのときの固形分は21質量%であった。
(樹脂溶液B)極性基を有するシリコーン樹脂溶液:
極性基を含むシリコーン樹脂としてパナソニック電工株式会社製「フレッセラD」[A液、B液(ともにNV20%、混合比30:10)、末端の反応基がアルコキシシリル基であるジメチルシリコン基含有アルコキシシラン溶液]を所定の混合比で混合し、極性基及び架橋基を含むシリコーン樹脂溶液を調製した。そのときの固形分は20%であった。
極性基を含むシリコーン樹脂としてパナソニック電工株式会社製「フレッセラD」[A液、B液(ともにNV20%、混合比30:10)、末端の反応基がアルコキシシリル基であるジメチルシリコン基含有アルコキシシラン溶液]を所定の混合比で混合し、極性基及び架橋基を含むシリコーン樹脂溶液を調製した。そのときの固形分は20%であった。
(樹脂溶液C)極性基を有さないフッ素樹脂溶液:
極性基を有さないフッ素樹脂として関東電化株式会社製「KD−270RUV」(NV30%)100質量部に対して、触媒としてチバスペシャリティケミカルズ株式会社「イルガキュア184」(光増感剤)を3質量部と、溶媒として酢酸ブチルを25質量部、MEK(メチルエチルケトン)を25質量部添加し、極性基を有さないフッ素樹脂組成物を調製した。そのときの固形分は20%であった。
極性基を有さないフッ素樹脂として関東電化株式会社製「KD−270RUV」(NV30%)100質量部に対して、触媒としてチバスペシャリティケミカルズ株式会社「イルガキュア184」(光増感剤)を3質量部と、溶媒として酢酸ブチルを25質量部、MEK(メチルエチルケトン)を25質量部添加し、極性基を有さないフッ素樹脂組成物を調製した。そのときの固形分は20%であった。
(樹脂溶液D)極性基を有するアクリル樹脂溶液:
極性基を有するが、構造的に撥水性を持たないものとしてアクリル樹脂組成物を調製した。アクリル樹脂として大日本インキ工業株式会社製「A−817」(NV50%、OH価60)100質量部と、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート(三井武田ケミカル株式会社製「170HN」、NCO%22.7%、NV100%)9.89質量部と、シラン系化合物としてメルカプトシラン(信越化学株式会社製「KBM−803」)2.99質量部とを加え、溶媒として酢酸ブチルを190質量部添加して、アクリル樹脂組成物の樹脂溶液を調製した。そのときの固形分は20.79%であった。
極性基を有するが、構造的に撥水性を持たないものとしてアクリル樹脂組成物を調製した。アクリル樹脂として大日本インキ工業株式会社製「A−817」(NV50%、OH価60)100質量部と、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート(三井武田ケミカル株式会社製「170HN」、NCO%22.7%、NV100%)9.89質量部と、シラン系化合物としてメルカプトシラン(信越化学株式会社製「KBM−803」)2.99質量部とを加え、溶媒として酢酸ブチルを190質量部添加して、アクリル樹脂組成物の樹脂溶液を調製した。そのときの固形分は20.79%であった。
[塗膜の形成(試験板の作製)]
上記のプライマー液及び樹脂溶液を用い、次の方法により、表1に示す実施例及び比較例の各試験板(塗膜形成品)を作製した。
上記のプライマー液及び樹脂溶液を用い、次の方法により、表1に示す実施例及び比較例の各試験板(塗膜形成品)を作製した。
まず、サイズ150×70mmのステンレス鋼板(日本テストパネル株式会社製)の表面にエアースプレーを用いてプライマー溶液を塗布し、100℃で30分加熱して乾燥させた。次に、その表面に、撥水性樹脂を含む樹脂溶液をエアースプレーにより塗布して、100℃で30分加熱して乾燥して、塗膜を硬化させて試験用の塗膜形成品(試験板)を作製した。そのときの各塗膜の膜厚は、表1に示すとおりである。また、撥水性樹脂層の膜厚は、すべて5μmに設定した。
なお、極性基を有さないフッ素樹脂(樹脂溶液C)を用いたものについては、紫外線照射装置を用いてコンベアスピード1.6m/min、ランプと塗膜の距離を6cmに固定した条件で、紫外線を照射し硬化させて塗膜形成品を作製した。すなわち、比較例6については、極性基を含まない、不飽和の二重結合基をもつフッ素樹脂を光増感剤でラジカル重合させるものであり、UV硬化でないと十分に硬化させにくいため紫外線で硬化させた。
また、比較例5については、プライマー層がエポキシ樹脂系の有機高分子樹脂をベースにしたものであり、膜厚が0.1μmとなるように塗布して膜形成することが難しいため膜厚を5μmにした。
[試験板の評価]
(1)耐水垢性
大阪府門真市近郊の地下水(シリカ濃度:60%)を各試験板の表面に滴下して、60℃、30分で乾燥した。これを8回繰り返し試験板の表面に水垢を固着させた。次に、試験板の表面に固着した水垢を、水で軽く湿らせたウェスで3回拭いた。その後、水垢の固着状態を次の基準で評価した。
○: 完全に水垢が除去されて、きれいな状態
△: 部分的に水垢は除去されているが、一部除去されていない状態
×: 水垢が固着して除去できない状態
(1)耐水垢性
大阪府門真市近郊の地下水(シリカ濃度:60%)を各試験板の表面に滴下して、60℃、30分で乾燥した。これを8回繰り返し試験板の表面に水垢を固着させた。次に、試験板の表面に固着した水垢を、水で軽く湿らせたウェスで3回拭いた。その後、水垢の固着状態を次の基準で評価した。
○: 完全に水垢が除去されて、きれいな状態
△: 部分的に水垢は除去されているが、一部除去されていない状態
×: 水垢が固着して除去できない状態
(2)耐汚染性
市販の粉末カレー粉(SB株式会社製)を10質量%の濃度でお湯に溶解させてカレー溶液を調製した。このカレー溶液を試験板の表面に3滴滴下した後、水が蒸発しないように時計皿を用いて滴下部分を完全に覆った。この状態で24時間室温にて放置した後、カレー溶液をウェスで除去した。その後、カレー溶液滴下部分(染色部分)を色差計(ミノルタ株式会社製)で色差測定し、染色前後の色差を比較して、カレー溶液による染色度合を汚染度合として次の基準で評価した。
○: 色差ΔE=1.0以下で、まったく染色されていない状態
△: 色差ΔE=1.0〜3.0の範囲で、軽く染色された状態
×: 色差ΔE=3.0以上で、染色された状態
市販の粉末カレー粉(SB株式会社製)を10質量%の濃度でお湯に溶解させてカレー溶液を調製した。このカレー溶液を試験板の表面に3滴滴下した後、水が蒸発しないように時計皿を用いて滴下部分を完全に覆った。この状態で24時間室温にて放置した後、カレー溶液をウェスで除去した。その後、カレー溶液滴下部分(染色部分)を色差計(ミノルタ株式会社製)で色差測定し、染色前後の色差を比較して、カレー溶液による染色度合を汚染度合として次の基準で評価した。
○: 色差ΔE=1.0以下で、まったく染色されていない状態
△: 色差ΔE=1.0〜3.0の範囲で、軽く染色された状態
×: 色差ΔE=3.0以上で、染色された状態
(3)耐薬品性(耐アルカリ)
塗膜の表面に2cm×2cmの大きさに切り取ったキッチンペーパーを載置し、このキッチンペーパーが全体に均一に湿るように濃度5%に希釈した水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。次に、敵下部分に時計皿を被せ、水分が蒸発しないようにした状態で24時間放置した。その後、塗膜の概観を観察し、次の基準で評価した。
○: 外観変化無し
△: 部分的に剥離しているところがある
×: 基材との界面で完全に剥離している
塗膜の表面に2cm×2cmの大きさに切り取ったキッチンペーパーを載置し、このキッチンペーパーが全体に均一に湿るように濃度5%に希釈した水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。次に、敵下部分に時計皿を被せ、水分が蒸発しないようにした状態で24時間放置した。その後、塗膜の概観を観察し、次の基準で評価した。
○: 外観変化無し
△: 部分的に剥離しているところがある
×: 基材との界面で完全に剥離している
(4)初期密着性
JISK−5600−5−6に記載の方法に準じて初期の塗膜密着性を評価した。碁盤目ガイドを用いて100/100のマス目で、ステンレス鋼板に達するようにカッターで切り目を入れた。その後、日東電工株式会社製の粘着テープで剥離試験を行い、密着性を次の基準で評価した。
○: 100/100の割合で塗膜が残存している
□: 90〜100未満/100の割合で塗膜が残存している
△: 50〜90未満/100の割合で塗膜が残存している
×: 50未満/100の割合で塗膜が残存している
JISK−5600−5−6に記載の方法に準じて初期の塗膜密着性を評価した。碁盤目ガイドを用いて100/100のマス目で、ステンレス鋼板に達するようにカッターで切り目を入れた。その後、日東電工株式会社製の粘着テープで剥離試験を行い、密着性を次の基準で評価した。
○: 100/100の割合で塗膜が残存している
□: 90〜100未満/100の割合で塗膜が残存している
△: 50〜90未満/100の割合で塗膜が残存している
×: 50未満/100の割合で塗膜が残存している
(5)耐水性
ポリエチレン製の容器に水道水を入れ、この水道水に浸漬するように試験板を容器に入れて、60℃の恒温槽に1ヵ月間、試験板の入った容器を放置した。その後、試験板を取り出し、JISK−5600−5−6に記載の方法に準じて、上記(4)と同様の方法にて塗膜密着性を評価した。
○: 100/100の割合で塗膜が残存している
□: 90〜100未満/100の割合で塗膜が残存している
△: 50〜90未満/100の割合で塗膜が残存している
×: 50未満/100の割合で塗膜が残存している
ポリエチレン製の容器に水道水を入れ、この水道水に浸漬するように試験板を容器に入れて、60℃の恒温槽に1ヵ月間、試験板の入った容器を放置した。その後、試験板を取り出し、JISK−5600−5−6に記載の方法に準じて、上記(4)と同様の方法にて塗膜密着性を評価した。
○: 100/100の割合で塗膜が残存している
□: 90〜100未満/100の割合で塗膜が残存している
△: 50〜90未満/100の割合で塗膜が残存している
×: 50未満/100の割合で塗膜が残存している
[結果]
表1に示すとおり、ステンレス鋼板の表面に、無機珪素化合物を含むプライマー層を形成した後、極性基を有するフッ素樹脂、あるいは極性基を有するシリコーン樹脂を塗装したもの(実施例1〜5)は、耐水試験後の密着力(耐水性)が特に向上しており、プライマー層を形成していないもの(比較例1)、及び、プライマーとして、一般的に接着力が良好といわれる有機シラン化合物を用いたもの(比較例2、3)、シリカ以外の金属アルコキシドを原材料として調製した金属酸化物材料を用いたもの(比較例4)、エポキシ樹脂系材料(比較例5)を用いたものよりも、密着性が優れていた。また、無機珪素化合物をプライマーとして用いても、極性基を持たないフッ素樹脂組成物を塗布したもの(比較例6)は密着力が悪かった。また、極性基を有していても撥水性を示さないアクリル樹脂を用いたもの(比較例7)は、耐水垢性、耐汚染性が悪かった。さらに、プライマー層の膜厚が0.01〜1.0μmの範囲であるもの(実施例1〜4)は、膜厚がこの範囲外のもの(実施例5)よりも耐薬品性が優れていた。
表1に示すとおり、ステンレス鋼板の表面に、無機珪素化合物を含むプライマー層を形成した後、極性基を有するフッ素樹脂、あるいは極性基を有するシリコーン樹脂を塗装したもの(実施例1〜5)は、耐水試験後の密着力(耐水性)が特に向上しており、プライマー層を形成していないもの(比較例1)、及び、プライマーとして、一般的に接着力が良好といわれる有機シラン化合物を用いたもの(比較例2、3)、シリカ以外の金属アルコキシドを原材料として調製した金属酸化物材料を用いたもの(比較例4)、エポキシ樹脂系材料(比較例5)を用いたものよりも、密着性が優れていた。また、無機珪素化合物をプライマーとして用いても、極性基を持たないフッ素樹脂組成物を塗布したもの(比較例6)は密着力が悪かった。また、極性基を有していても撥水性を示さないアクリル樹脂を用いたもの(比較例7)は、耐水垢性、耐汚染性が悪かった。さらに、プライマー層の膜厚が0.01〜1.0μmの範囲であるもの(実施例1〜4)は、膜厚がこの範囲外のもの(実施例5)よりも耐薬品性が優れていた。
Claims (5)
- ステンレス基材の表面に、無機珪素化合物を含むプライマー層を介して、極性基を有する撥水性樹脂を含む樹脂組成物からなる撥水性樹脂層が積層されていることを特徴とする塗膜形成品。
- 極性基を有する撥水性樹脂は、水酸基含有フッ素樹脂であり、樹脂組成物はイソシアネート化合物とシラン系化合物とを含有していることを特徴とする請求項1に記載の塗膜形成品。
- 極性基を有する撥水性樹脂は、架橋性シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の塗膜形成品。
- プライマー層の膜厚が0.01〜1.0μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗膜形成品。
- ステンレス基材の表面に無機珪素化合物溶液を塗布して第一塗膜を形成する工程と、第一塗膜の表面に極性基を有する撥水性樹脂を含む樹脂溶液を塗布して第二塗膜を形成する工程とを含むことを特徴とする塗膜形成品の製造方法。
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