JP2010228129A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出口に対する印刷媒体上のインクの着弾位置等の変動を抑制する。
【解決手段】印刷装置は、ヘッド32に接続される第1インクタンク34およびインクを貯溜する第2インクタンクを備える。第2インクタンク内のインクはポンプにより第1インクタンク34に断続的に供給され、第2インクタンク内を減圧することにより、第1インクタンク34からヘッド32を経由して第2インクタンクへとインクが連続的に戻される。第1インクタンク34内のインクの液面上の空間は密閉状態とされ、当該空間に連続するとともに容積が可変とされる容積可変部6が設けられる。インクの循環動作中には、第1インクタンク34内のインク量の変化に合わせて容積可変部6の容積を変更することにより、第1インクタンク34内の圧力が一定に保たれる。これにより、ヘッド32内のインクの圧力変動が抑制され、吐出口に対する基材上のインクの着弾位置等の変動が抑制される。
【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェット方式の印刷装置に関する。
従来より、インクの微小な液滴を吐出する複数の吐出口が配列されたヘッドを印刷媒体に沿って走査することにより、印刷媒体に印刷を行うインクジェット方式の印刷装置が用いられている。また、インクを貯溜するインクタンクとヘッドとの間にてインクを循環させつつ印刷を行う印刷装置も知られており、例えば、特許文献1の装置では、プリントヘッドの下方に位置するとともに大気に開放される下方容器から、プリントヘッドの上方に位置するとともに大気に開放される上方容器にポンプにてインクを供給し、上方容器からプリントヘッドを介して下方容器へとインクを戻すことによりインクの循環が行われる。
インクの循環が行われる印刷装置では、仮にヘッド内にてインク中に気泡が発生した場合でも(例えば、ピエゾ駆動方式のヘッドでは、ピエゾの高速駆動による振動によりインク中に気泡が発生する場合がある。)、気泡をインクと共にインクタンクへと戻すことが可能となり、気泡がヘッドの吐出口まで移動して吐出口からインクが一時的に吐出されない状態が生じる(いわゆる、ノズル欠けが生じる)ことが抑制される。また、白色のインクを用いる場合によく見られる顔料の沈降等もインクの循環により改善することが可能となる。
なお、特許文献2には、インクジェット記録装置に用いられるインク容器において、インク収納部内のインクの減少に伴ってインク収納部の容積を調整する付勢部材を設けることにより、インク収納部の内部の負圧を一定にする手法が開示されている。
特表2002−533247号公報 特開2006−110959号公報
ところで、インクへの不要物の混入等を防止するために、インクタンクにおいてインクの液面上の空間を密閉状態とすることが考えられるが、このようなインクタンクでは、インク量の変化により内部の空気が圧縮または膨張を繰り返して圧力が変化し(例えば、インクタンク内の圧力の経時変化を示す線がのこぎり歯状となる。)、当該インクタンクに接続されるヘッド内のインクの圧力が変動してしまう。その結果、吐出口に対する印刷媒体上のインクの着弾位置(すなわち、インクの微小液滴の吐出時の吐出口の位置に対する印刷媒体上の微小液滴の相対的な着弾位置)等が変動してしまう。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、インクの液面上の空間が密閉状態とされるインクタンクを有する印刷装置において、吐出口に対する印刷媒体上のインクの着弾位置等の変動を抑制することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、インクジェット方式の印刷装置であって、所定の配列方向に配列された複数の吐出口から、前記配列方向に交差する方向に前記複数の吐出口に対して相対的に移動する印刷媒体に向けてインクの微小液滴を吐出するヘッドと、前記ヘッドの上流側または下流側に接続されてインクを貯溜するとともに前記インクの液面上の空間が密閉状態とされるインクタンクと、前記ヘッドの前記上流側に接続された前記インクタンクにインクを断続的に供給する、または、前記ヘッドの前記下流側に接続された前記インクタンクからインクを断続的に排出するポンプと、前記インクタンク内の前記液面上の前記空間に連続するとともに、容積が可変とされる容積可変部と、前記インクタンク内のインク量の変化に合わせて、前記容積可変部の前記容積を変更することにより、前記インクタンク内の圧力を一定に保つ制御部とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の印刷装置であって、前記インクタンクが前記ヘッドの上流側の近傍に接続され、前記ヘッドの下流側に他のインクタンクがさらに接続され、前記ポンプが、前記他のインクタンクから前記インクタンクへとインクを送る。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の印刷装置であって、前記他のインクタンク内を減圧する減圧機構をさらに備え、前記減圧機構が前記他のインクタンク内を減圧することにより、前記インクタンクから前記ヘッドを経由して前記他のインクタンクに至る回収流路をインクにて満たした状態で前記回収流路を介して前記インクタンクから前記他のインクタンクへとインクが連続的に流れる。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の印刷装置であって、前記容積可変部の前記容積の変更により、前記複数の吐出口内にインクのメニスカスが形成される状態が保たれる。
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし4のいずれかに記載の印刷装置であって、前記インクタンク内のインクの液面の位置を検出するインクレベルセンサをさらに備え、前記制御部が、前記インクレベルセンサの出力に基づいて、前記容積可変部の前記容積を変更する。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の印刷装置であって、前記インクタンクが、タンク本体と、鉛直方向に対して垂直な断面積が前記タンク本体よりも十分に小さい補助タンクと、前記補助タンクと前記タンク本体との間に設けられ、前記補助タンク内に流入するインクを、前記補助タンクへの流入流量よりも小さい流量にて前記タンク本体へと流出させる流量制限部とを備え、前記タンク本体内のインクの液面上の空間と、前記補助タンク内のインクの液面上の空間とが連続しており、前記インクレベルセンサが、前記タンク本体および前記補助タンク内のインクの液面の位置をそれぞれ検出する2つのインクレベルセンサである。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の印刷装置であって、前記インクタンクが前記ヘッドの下流側に接続され、前記ヘッドの上流側の近傍に他のインクタンクがさらに接続され、前記ポンプが、前記インクタンクから前記他のインクタンクへとインクを送る。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の印刷装置であって、前記インクタンク内を減圧する減圧機構をさらに備え、前記減圧機構が前記インクタンク内を減圧することにより、前記他のインクタンクから前記ヘッドを経由して前記インクタンクに至る回収流路をインクにて満たした状態で前記回収流路を介して前記他のインクタンクから前記インクタンクへとインクが連続的に流れる。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の印刷装置であって、前記ヘッドと同様のもう1つのヘッドをさらに備え、前記ヘッドおよび前記もう1つのヘッドが並列して前記インクタンクに接続される。
本発明によれば、ヘッドの吐出口におけるインクの圧力変動を抑制して、吐出口に対する印刷媒体上のインクの着弾位置等の変動を抑制することができる。
請求項3および8の発明では、インクタンク内の負圧を利用して、当該インクタンク内のインクを脱気しつつインクを循環させることができ、請求項4の発明では、吐出口からのインクの漏れを防止することができる。
請求項5の発明では、インクタンク内の圧力を精度よく一定に保つことができ、請求項6の発明では、断面積が大きいタンク本体内にて液面の位置を精度よく検出することにより、インクタンク内のインク量の変化を精度よく検出することができる。
印刷装置の外観を示す斜視図である。 吐出部の底面図である。 ヘッドユニットおよびインク循環機構の構成を示す図である。 第1インクタンクの近傍の構成を示す図である。 容積可変部の断面図である。 インクの循環に係る動作の流れを示す図である。 第1インクタンクの断面図である。 印刷装置の他の例における第2インクタンクの近傍を示す図である。 印刷装置のさらに他の例を示す図である。 印刷装置のさらに他の例を示す図である。
図1は本発明の一の実施の形態に係る印刷装置1の外観を示す斜視図である。印刷装置1は、例えばフィルム等の撥液性を有するシート状の基材9上にインクジェット方式にてカラー印刷を行うものである。
図1の印刷装置1は本体11および制御部4を備え、本体11はシート状の基材9を図1中のY方向(以下、「走査方向」ともいう。)に移動する搬送部27、および、搬送部27による移動途上の基材9に向けてインクの微小液滴を吐出する吐出部3を備える。搬送部27では、それぞれが図1中のX方向に長い複数のローラ271が、X方向に垂直なY方向に配列されており、複数のローラ271の(+Y)側にはロール状の基材9(供給ロール)を保持する供給部272が設けられ、複数のローラ271の(−Y)側にはロール状の基材9(巻取ロール)を保持する巻取部273が設けられる。以下の説明では、単に基材9という場合は搬送途上の部位(すなわち、複数のローラ271上の基材9の部位)を指すものとする。
搬送部27の1つのローラ271aには基材9の走査方向の移動速度を検出するエンコーダ29が設けられ、制御部4がエンコーダ29の出力に基づいて巻取部273のモータの回転を制御することにより、基材9が(−Y)方向に一定速度にて移動する。実際には、供給部272が有するモータにて基材9に対して移動方向とは逆向き(すなわち、(+Y)方向)の負荷(テンション)を付与することにより、複数のローラ271上の基材9が波打つことなく滑らかに移動する。
複数のローラ271の上方(図1中の(+Z)側)には吐出部3が配置され、吐出部3は複数のローラ271を跨ぐようにして基台20に設けられるフレーム25に固定される。フレーム25上には紫外線を出射する光源39が設けられ、複数の光ファイバ(実際には、複数の光ファイバは束状となっており、図1では符号391を付して1本の太線にて示している。)を介して光源39からの光が吐出部3の内部へと導入される。
図2は吐出部3の底面図である。図2に示すように、吐出部3はそれぞれが互いに異なる色のインクを吐出する複数の(図2では、4個の)ヘッドユニット33を備え、複数のヘッドユニット33はY方向に配列されて吐出部3の本体30に固定される。図2中の最も(+Y)側のヘッドユニット33はK(ブラック)の色のインクを吐出し、Kのヘッドユニット33の(−Y)側のヘッドユニット33はC(シアン)の色のインクを吐出し、Cのヘッドユニット33の(−Y)側のヘッドユニット33はM(マゼンタ)の色のインクを吐出し、最も(−Y)側のヘッドユニット33はY(イエロー)の色のインクを吐出する。各色のインクは紫外線硬化剤を含んでおり、紫外線硬化性を有している。なお、吐出部3に、ライトシアン、ライトマゼンタ、ホワイト等の他の色用のヘッドユニットがさらに設けられてもよい。
各ヘッドユニット33では、例えばピエゾ駆動方式の複数のヘッド32が図2中のX方向(Y方向およびZ方向に垂直な方向であり、以下、「幅方向」という。)に千鳥状に配列されており、各ヘッド32の下面((−Z)側の面)には複数の吐出口(一部のヘッド32においてのみ符号321を付す点にて示す。)が幅方向に配列形成される。これにより、ヘッドユニット33の全体では、配列方向である幅方向に多数の吐出口321が一定のピッチにて配列され、基材9上において走査方向の各位置にて、幅方向に一列に並ぶ複数のドットの形成が可能とされる。実際には、各ヘッドユニット33の複数の吐出口321は幅方向に関して基材9上の印刷領域の全体に亘って(ここでは、基材9の幅方向の幅のほぼ全体に亘って)設けられており、基材9が吐出部3の下方を一回通過するのみで基材9への画像の印刷が完了する(いわゆる、ワンパス印刷)。
また、図2の吐出部3には、光源39に接続される光照射部38が複数のヘッドユニット33の(−Y)側に設けられる。光照射部38では、複数の光ファイバがX方向に沿って配列されており、基材9上においてX方向に伸びる線状の領域に光照射部38により紫外線が照射される。
印刷装置1では、各ヘッドユニット33がインク循環機構5(後述の図3参照)に接続されており、インク循環機構5によりインクがヘッドユニット33に供給されるとともに、ヘッドユニット33からインクが回収される。以下の説明では、複数の色のうちの一の色のヘッドユニット33およびインク循環機構5に着目するが、他の色のものも同様の構成となっている。
図3はヘッドユニット33およびインク循環機構5の構成を示す図である。なお、図3では3個のヘッド32を図示しているが、実際のヘッドユニット33には図2のように多数のヘッド32が設けられる。
図3に示すように、ヘッドユニット33は、複数のヘッド32の上方近傍にてインクを貯溜する第1インクタンク34、第1インクタンク34から複数のヘッド32へとインクをそれぞれ導入する複数のインク導入管351、複数のヘッド32の上方にて第1インクタンク34と2段構造にて設けられ、複数のヘッド32からのインクが流入する内部空間を有するマニホールド本体36、並びに、複数のヘッド32とマニホールド本体36とをそれぞれ接続するとともに複数のヘッド32内のインクをマニホールド本体36へと導く複数のインク導出管352を備える。後述するように、第1インクタンク34はタンク本体341および脱泡機342(図4参照)を有しているが、図3ではタンク本体341のみを第1インクタンク34として図示している。
インク循環機構5は、インクを貯溜する第2インクタンク51を備え、第2インクタンク51は供給ライン52を介してヘッドユニット33の第1インクタンク34に接続されるとともに、回収ライン53、並びに、ヘッドユニット33のマニホールド本体36および複数のインク導出管352を介して複数のヘッド32に接続される。供給ライン52にはポンプ54およびフィルタ521が設けられ、フィルタ521にてインク内の不要物を除去しつつポンプ54により第2インクタンク51内のインクが第1インクタンク34に供給され、第1インクタンク34にてインクが貯溜される。実際には、第2インクタンク51から第1インクタンク34へのインクの供給は断続的に(間欠的に)行われる。第2インクタンク51の内部空間の水平な面における断面積は鉛直方向にほぼ一定となっており(第1インクタンク34において同様)、当該断面積は第1インクタンク34よりも大きくされる。
また、第2インクタンク51内のインクの液面上の空間は密閉状態(すなわち、外気と連続していない状態)とされており、当該空間には減圧機構である圧力調整機構55が接続される。第2インクタンク51では、圧力調整機構55により内部(の気体)が大気圧より数百ミリバール(mbar)(例えば、300〜500mbar(すなわち、3×10〜5×10パスカル(Pa)))だけ低い圧力(以下、目標とされる第2インクタンク51内の圧力を「設定循環圧力」という。)とされることにより、第1インクタンク34から複数のインク導入管351、複数のヘッド32、複数のインク導出管352、マニホールド本体36および回収ライン53を経由して第2インクタンク51に至る流路(以下、「回収流路」という。)をインクにて満たした状態で、回収流路を介して第1インクタンク34から第2インクタンク51へとインクが連続的に流れる(戻される)。第2インクタンク51には、バルブ562を有する補充ライン561を介してメインインクタンク56がさらに接続される。
回収ライン53には、インクの流量を測定するインク流量測定部532、および、インクの流量を調整する流量調整バルブ531が設けられており、流量調整バルブ531の内部の流路である開口(以下、「流路開口」という。)の面積に応じて、第1インクタンク34から第2インクタンク51へのインクの流量が制限される。本実施の形態では、流量調整バルブ531内の流路開口の面積は変更されないため、第1インクタンク34から第2インクタンク51へのインクの流量は第2インクタンク51内の圧力(正確には、第1インクタンク34と第2インクタンク51との圧力差)に主に依存することになる。インク循環機構5では、圧力調整機構55により第2インクタンク51内の圧力がほぼ一定に制御されるため、ヘッド32におけるインクの流量が時間的にほぼ一定となる。
ヘッド32の上流側(すなわち、ヘッド32近傍のインクの流路における上流側)に接続された第1インクタンク34(のタンク本体341)、および、ヘッド32の下流側(すなわち、ヘッド32近傍のインクの流路における下流側であり、ヘッド32からインクが流出する方向)に接続された第2インクタンク51には、インクの液面の位置(すなわち、インクレベル)を検出するインクレベルセンサ345,511がそれぞれ設けられる。第1インクタンク34および第2インクタンク51のそれぞれでは、所定の設定液面レベル(図3中にて符号L1,L2を付す破線にて示す。)を中央として上限である補充停止レベル、および、下限である補充開始レベルが設定されている。第1インクタンク34では、インクの液面の位置が補充開始レベル以下となると、ポンプ54により第2インクタンク51からインクが補充(供給)され、第2インクタンク51では、インクの液面の位置が補充開始レベル以下となると、メインインクタンク56からインクが補充される。
また、第2インクタンク51にはヒータ512および温度センサ(図示省略)が設けられ、インクを常温よりも高い所定の設定温度(例えば45℃)に加熱してインクの粘度が常温時の粘度よりも低くされる。実際には、ヘッド32にはドライバ回路が設けられており、温度が調整されたインクがヘッド32を通過することにより、ドライバ回路の冷却も行われる。これにより、印刷装置1では、別途冷却機構を設ける場合に比べて、印刷装置の製造コストが削減される。
印刷装置1では、第1インクタンク34内のインクの液面上の空間も密閉状態とされており、当該空間には、ポンプ、圧力調整バルブ、圧力センサ等を有するとともに、第1インクタンク34内(の気体)の圧力が調整可能な補助圧力調整機構37がエアフィルタ371を介して接続される。第1インクタンク34では、補助圧力調整機構37により内部が大気圧より数mbarだけ低い圧力(設定循環圧力よりも高い圧力であり、以下、目標とされる第1インクタンク34内の圧力を「設定補助圧力」という。)とされる。例えば、ヘッド32の各吐出口におけるインクの圧力を大気圧よりもαmbarだけ低くして、吐出口内にインクのメニスカスを形成する場合に、第1インクタンク34におけるインクの設定液面レベルL1と吐出口との鉛直方向の高さの差(図1中にて符号H1を付す矢印にて示す。)がβセンチメートル(cm)であるときには、印刷装置1にて用いられるインクの比重がほぼ1であるため、第1インクタンク34内の圧力が大気圧より(β+α)mbarだけ低く(すなわち、負圧に)なるように、第1インクタンク34内が補助圧力調整機構37により減圧される。
印刷装置1では、このように第1インクタンク34内が減圧された状態において、各ヘッド32の複数の吐出口におけるインクの圧力が負圧になり、吐出口内にインクのメニスカスが形成されて吐出口からのインクの漏れが防止される。なお、吐出口内にインクのメニスカスが形成される際の吐出口におけるインクの圧力はメニスカス圧とも呼ばれ、補助圧力調整機構37はメニスカスコントローラとも呼ばれる。
以上のように、図3のインク循環機構5では、複数のヘッド32が第1および第2インクタンク34,51のそれぞれに並列して接続され、ポンプ54を駆動することにより第2インクタンク51内のインクが供給ライン52を介して第1インクタンク34に供給され、第2インクタンク51内を負圧にすることにより各ヘッド32および回収ライン53を介して第1インクタンク34から第2インクタンク51へとインクが戻される。これにより、第2インクタンク51から供給ライン52、第1インクタンク34、ヘッド32および回収ライン53を経由して第2インクタンク51へと戻る循環経路にてインクの循環を行いつつ、第2インクタンク51内の負圧を利用して、第2インクタンク51内にてインクが効率よく脱気され、ヘッド32内のインクに気泡が存在する場合に発生する吐出不良等、インクの吐出に不具合が生じることが防止される。
図4は第1インクタンク34の近傍の構成を示す図である。図4に示すように、第1インクタンク34は、下部に複数のヘッド32が接続されるとともに上部に後述の容積可変部6が接続されるタンク本体341、および、供給ライン52が接続される脱泡機342を備える。脱泡機342は、鉛直方向に対して垂直な断面積がタンク本体341の断面積(例えば、それぞれ504cmおよび7366cmとされる。)よりも小さいタンクとなっており、内部には薄板状のメッシュ部材344が直立した状態で設けられ、内部空間が2つに仕切られる(ただし、内部空間の上部を除く。)。鉛直方向に関して、タンク本体341および脱泡機342の内部の底面はおよそ同じ高さに配置されており、タンク本体341と脱泡機342とは底面近傍にて連結管343により接続される。また、既述の補助圧力調整機構37は圧力調整管372の一端に接続され、圧力調整管372の他端は2つの分岐路に分かれてタンク本体341および脱泡機342の上部に接続される。
供給ライン52から脱泡機342内に流入するインクは、メッシュ部材344を通過する際に流量(単位時間当たりの流量)が制限されつつ気泡が除去され、その後、連結管343を介してタンク本体341へと流出する。したがって、脱泡機342内においてメッシュ部材344から供給ライン52側(すなわち、連結管343とは反対側)の空間を形成する部材を補助タンクとすると、補助タンクとタンク本体341との間に設けられる部材、すなわち、メッシュ部材344、脱泡機342内においてメッシュ部材344から連結管343側の空間を形成する部材、および、連結管343は、補助タンク内に流入するインクを補助タンクへの流入流量よりも小さい流量にてタンク本体341へと流出させる流量制限部となる。実際には、補助タンクの鉛直方向に対して垂直な断面積は、タンク本体341よりも十分に小さく(好ましくは、1/5以下(1/50以上))なっている。また、タンク本体341内のインクの液面上の空間と、補助タンク内のインクの液面上の空間とは圧力調整管372により連続しており、タンク本体341および補助タンク内の圧力は等しくなる。
タンク本体341および脱泡機342(の補助タンクの部位)には、静電容量式のインクレベルセンサ345,346がそれぞれ設けられる。板状のインクレベルセンサ345は鉛直方向に関して比較的狭い範囲にてタンク本体341内のインクの液面の位置(図4中にて細い破線にて示す。脱泡機342において同様。)が連続的に検出可能とされ、棒状のインクレベルセンサ346は、鉛直方向に関してインクレベルセンサ345よりも広範囲にて脱泡機342におけるインクの液面の位置が連続的に検出可能とされる。インクレベルセンサ345,346の測定値は制御部4に出力される。
ポンプ54の断続的な駆動により脱泡機342内にインクが流入する際には、脱泡機342内の補助タンクの部位におけるインクの液面の位置が急激に上昇する。このとき、補助タンクの断面積が小さくされることにより、液面が大きく波打つことが防止され、インクレベルセンサ346により液面の位置がある程度の精度にて検出される。また、補助タンクからタンク本体341へと流入するインクの流量は既述の流量制限部(主としてメッシュ部材344)により制限されることにより、断面積が大きいタンク本体341内にてインクの液面が波打つことが抑制される。これにより、インクレベルセンサ345にて液面の位置が精度よく検出され、第1インクタンク34全体におけるインク量の変化が精度よく検出される。
図5は容積可変部6の断面図であり、容積可変部6の中心軸J1を含む断面を示している。容積可変部6は、支持板611上に設けられるモータ(例えば、サーボモータ)62、モータ62のシャフトに取り付けられる送りねじ機構63、送りねじ機構63の移動体が固定される円板部64、および、円板部64の周囲を囲む有底の円筒部65を備え、円筒部65は固定部612により支持板611に対して固定される。円板部64は、円筒部65の内周面に当接するリング状のシール部材641を有し、円筒部65の開口が円板部64により密閉される。円筒部65の底部には連結管66が設けられ、円板部64および円筒部65により囲まれる容積可変部6の内部空間とタンク本体341の内部空間とが連結管66を介して連続する(図4参照)。容積可変部6では、モータ62が駆動して円板部64が円筒部65の中心軸J1に沿って移動することにより、内部空間の体積(すなわち、容積)が変更可能とされる。実際には、モータ62の回転方向および回転角に基づいて、制御部4では、中心軸J1方向の円板部64の位置が特定可能とされる。
次に、印刷装置1におけるインクの循環に係る動作について図6を参照して説明する。図3の印刷装置1では、回収ライン53に設けられる図示省略のメインバルブ(流量調整バルブ531であってもよい。)を閉じた状態にて、圧力調整機構55により第2インクタンク51内が設定循環圧力に減圧されるとともに、補助圧力調整機構37により第1インクタンク34(すなわち、タンク本体341および脱泡機342)内が設定補助圧力に減圧され、その後、メインバルブを開放することにより、循環経路におけるインクの循環が開始される(ステップS11)。
ここで、インクの循環動作中は、第1インクタンク34から第2インクタンク51へとインクが連続的に流れており、第1インクタンク34(のタンク本体341)内にてインクの液面の位置が補充開始レベル以下となると、供給ライン52のポンプ54を駆動して第2インクタンク51から第1インクタンク34へのインクの補充が開始され、インクの液面の位置が補充停止レベルに到達すると、インクの補充が終了する。また、制御部4では、インクの循環動作に並行して、第1インクタンク34内のインク量の変化に合わせて、容積可変部6の容積を変更することにより、第1インクタンク34内の圧力を一定に保つ動作(すなわち、第1インクタンク34の圧力調整動作)が行われる(ステップS12)。
図7は、図4中の矢印A−Aの位置における第1インクタンク34の断面図であり、図7では、鉛直方向に垂直な第1インクタンク34の断面を示している。
ここで、図7に示す第1インクタンク34の断面において、メッシュ部材344から左側(タンク本体341とは反対側)の脱泡機342内の領域(すなわち、補助タンクに対応する領域であり、図7中にて符号K1を付す領域)の面積をR、メッシュ部材344からタンク本体341側の脱泡機342内の領域(すなわち、図7中にて符号K2を付す領域)の面積をR、タンク本体341内の面積をRとし、容積可変部6の円筒部65の鉛直方向に対して垂直な断面積をRとする。
また、インクの循環動作を開始する直前において、メインバルブを閉じた状態にて補助圧力調整機構37により第1インクタンク34内が設定補助圧力とされた際の脱泡機342内の領域K1におけるインクの液面の鉛直方向の位置をAとし、タンク本体341内におけるインクの液面の鉛直方向の位置をBとし、円筒部65内における円板部64の中心軸J1方向の位置をCとする。ただし、脱泡機342内の領域K1およびタンク本体341内では上方向を正としており、円筒部65内では連結管66から離れる方向を正としている。既述のように、インクの液面の位置A,Bは図4のインクレベルセンサ346,345によりそれぞれ検出可能であり、円板部64の位置Cもモータ62の直前の回転方向および回転角に基づいて特定可能である。なお、脱泡機342内の領域K2およびタンク本体341内におけるインクの液面の鉛直方向の位置は等しい。
制御部4では、インクの循環動作に並行して、インクレベルセンサ346により脱泡機342内の領域K1におけるインクの液面の位置がAとして検出され、インクレベルセンサ345によりタンク本体341内のインクの液面の位置がBとして検出される際に、円板部64の目標とされる位置(以下、「目標位置」という。)Cが数1により求められ、モータ62により円板部64を中心軸J1方向の目標位置Cへと移動する制御(インクレベルセンサ345,346の出力に基づくフィードバック制御)が行われる。なお、インクの循環中においても、脱泡機342内の領域K2およびタンク本体341内におけるインクの液面の鉛直方向の位置はほぼ等しくなる。
Figure 2010228129
ここで、数1における円板部64の目標位置Cは、脱泡機342内の気体の体積、タンク本体341内の気体の体積、および、容積可変部6の容積の和が一定となる値として求められることにより、第1インクタンク34内の圧力はほとんど変化しない。印刷装置1では、インクの循環動作中、インクレベルセンサ345,346によるインクの液面の位置の検出、および、数1にて求められる目標位置Cへの円板部64の移動が繰り返され、第1インクタンク34内が設定補助圧力にて一定に保たれる。なお、補助圧力調整機構37は第1インクタンク34内の圧力変化に対する応答が遅いため、インクの循環動作中は実質的にOFF状態と捉えられ、第1インクタンク34にてリーク等が生じて、容積可変部6による上記動作を行う場合でも緩やかな圧力変化が生じるときには、当該圧力変化が補助圧力調整機構37により抑制される。
実際には、印刷装置1では、インクの循環動作に並行して、図1に示す基材9を走査方向に移動するとともに吐出部3から基材9へのインクの吐出を制御することにより印刷が行われる。そして、印刷対象の全ての画像の印刷が完了した後、印刷装置1の全体の駆動を停止する際には、メインバルブが閉じられるとともに圧力調整機構55およびポンプ54が停止されて循環経路におけるインクの循環が停止される(ステップS13)。
ところで、容積可変部6が省略された比較例の印刷装置を想定した場合に、補助圧力調整機構37において、仮に大きなエアバッファを設けるとともに、補助圧力調整機構37と第1インクタンク34との間の圧力調整管372の直径や、エアフィルタ371のサイズを比較的大きくする(または、エアフィルタ371のメッシュを粗くする)場合には、第1インクタンク34内への断続的なインクの流入、および、第1インクタンク34からの連続的なインクの流出による第1インクタンク34内の圧力変動がある程度抑制され、ヘッド32の吐出口におけるインクの圧力がほぼ一定とされる。
しかしながら、実際の吐出部2には複数の色のインクをそれぞれ貯溜する複数の第1インクタンク34が設けられるため、吐出部2の小型化を図る際には、各第1インクタンク34に対して大きなエアバッファを設けることは困難である。また、小型の吐出部2では、圧力調整管372の直径やエアフィルタ371のサイズ、第1インクタンク34内の空気容積を小さくする必要があり、このような比較例の印刷装置では、第1インクタンク34内の圧力を一定に保つことができない。その結果、吐出口におけるインクのメニスカスの状態が変動して、吐出口に対する基材9上のインクの着弾位置等の飛翔特性が変動してしまう。
これに対し、図3の印刷装置1では、第1インクタンク34内のインクの液面上の空間に連続するとともに、容積が可変とされる容積可変部6が設けられ、第1インクタンク34内のインク量の変化に合わせて、容積可変部6の容積を変更することにより、第1インクタンク34内の圧力が一定に保たれる。これにより、小型の吐出部2を有する印刷装置1において、ヘッド32の吐出口におけるインクの圧力変動を抑制して、吐出口に対する基材9上のインクの着弾位置等の変動を抑制することが可能となり、高精度な印刷(すなわち、高品質な印刷物の作成)を安定して行うことが実現される。
また、印刷装置1では、容積可変部6の容積の変更により、ヘッド32の複数の吐出口内にインクのメニスカスが形成される状態が保たれる。これにより、吐出口からのインクの漏れを防止することができる。さらに、第1インクタンク34に設けられるインクレベルセンサ345,346の出力に基づいて容積可変部6の容積が変更されることにより、第1インクタンク34内の圧力を精度よく一定に保つことができる。
図8は、印刷装置の他の例における第2インクタンク51の近傍を示す図である。図8の印刷装置では、容積可変部6が第2インクタンク51に設けられる。他の構成は、図3と同様であり、同符号を付している。
図8の印刷装置におけるインクの循環動作においても、図3の印刷装置1と同様に、ヘッド32の下流側に接続された第2インクタンク51内が圧力調整機構55により減圧されることにより、ヘッド32の上流側の近傍に接続された第1インクタンク34からヘッド32を経由して第2インクタンク51に至る回収流路をインクにて満たした状態で、回収流路を介して第1インクタンク34から第2インクタンク51へとインクが連続的に流れる。また、第2インクタンク51から、第1インクタンク34へとポンプ54によりインクが断続的に送られる。
印刷装置では、ポンプ54の駆動時における第2インクタンク51から第1インクタンク34へのインクの流量が、想定流出流量として実験により予め求められており、制御部4では、ポンプ54の駆動時の第2インクタンク51からのインクの流出流量を想定流出流量とし、ポンプ54の停止時のインクの流出流量を0として、インクの循環動作中の各時刻におけるインクの流出流量、および、インク流量測定部532にて取得される実際のインク流量(すなわち、第2インクタンク51へのインクの流入流量)に基づいて当該時刻における第2インクタンク51内のインク量(または、その変化量)が演算により求められる。そして、第2インクタンク51内のインク量の変化に合わせて、容積可変部6の容積が変更されることにより、第2インクタンク51内の圧力が一定に保たれる。
ところで、容積可変部6が省略された比較例の印刷装置を想定した場合に、第2インクタンク51内のインク量の変化により第2インクタンク51内の圧力が変化すると、第1インクタンク34からヘッド32を経由して第2インクタンク51に至る回収流路におけるインクの流量も変化し、これにより、第1インクタンク34からヘッド32までの圧力損失(例えば、数mbar)が変化して、吐出口におけるインクの圧力が変動する。その結果、吐出口におけるインクのメニスカスの状態が変動して、吐出口に対する基材9上のインクの着弾位置等が変動してしまう。また、印刷装置の小型化に伴って第2インクタンク51を小さくする場合、第2インクタンク51内の空気容積が減少するため、第2インクタンク51およびヘッド32における圧力変動の幅(極大値と極小値との差)が増大してしまう。
これに対し、図8の印刷装置では、第2インクタンク51内のインクの液面上の空間に連続するとともに、容積が可変とされる容積可変部6が設けられ、第2インクタンク51内のインク量の変化に合わせて、容積可変部6の容積を変更することにより、第2インクタンク51内の圧力が一定に保たれる。これにより、ヘッド32の吐出口におけるインクの圧力変動を抑制して、吐出口に対する基材9上のインクの着弾位置等の変動を抑制することが可能となる。
以上のように、図3の印刷装置1では、ヘッド32の上流側に接続されるとともに、ポンプ54によりインクが断続的に供給される第1インクタンク34に容積可変部6が設けられ(図4参照)、図8の印刷装置では、ヘッド32の下流側に接続されるとともに、ポンプ54によりインクが断続的に排出される第2インクタンク51に容積可変部6が設けられ、断続的に作動するポンプ54により生じるインクタンク内の急激な圧力変動が、容積可変部6の容積を変更することにより低減される。その結果、吐出口に対する基材9上のインクの着弾位置等の変動を抑制して、高精度な印刷を安定して行うことが実現される。もちろん、第1インクタンク34および第2インクタンク51の双方に容積可変部6が設けられてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
図3の印刷装置1において、図8の印刷装置と同様に、インクの循環動作中の各時刻における第1インクタンク34内のインク量が演算により求められ、第1インクタンク34内のインク量の変化に合わせて、容積可変部6の容積が変更されてもよい。また、図8の印刷装置において、インクレベルセンサ511の出力に基づいて、容積可変部6の容積が変更されてもよい。
容積可変部6の構成は、図5に示すもの以外であってもよく、例えば、底部に連結管66が接続されるとともに、側部が中心軸に沿って伸縮可能な蛇腹状とされる有蓋かつ有底の略円筒部材が設けられ、当該部材の蓋部の位置を中心軸に沿って移動することにより、容積が可変とされる容積可変部が用いられてもよい。
図3の第1インクタンク34では、補助圧力調整機構37により第1インクタンク34内の圧力が大気圧よりも低くされ、ヘッド32の吐出口内にインクのメニスカスが形成されるが、第1インクタンク34とヘッド32との間のインク導入管351の形状や長さ、あるいは、ヘッド32の構造によっては、第1インクタンク34とヘッド32の吐出口との間の圧力損失が比較的大きくなることがあり、この場合に、第1インクタンク34内が大気圧よりも高い設定補助圧力とされることにより、ヘッド32の吐出口内にインクのメニスカスが形成されてもよい。
また、図3の印刷装置では、1つのヘッドユニット33がインク循環機構5に接続されるが、同様の構造の複数のヘッドユニット33がインク循環機構5に接続されてもよい。この場合、好ましくは供給ライン52の第2インクタンク51とは反対側が複数の分岐供給ラインに分岐して複数のヘッドユニット33の第1インクタンク34にそれぞれ接続され、回収ライン53の第2インクタンク51とは反対側が複数の分岐回収ラインに分岐して複数のヘッドユニット33のマニホールド本体36にそれぞれ接続され、1つの補助圧力調整機構37からの圧力調整管が分岐して複数のヘッドユニット33の第1インクタンク34に接続される。この場合、複数のヘッドユニット33を走査方向に並べることにより、幅方向の記録解像度を増大することが可能となり、幅方向に並べることにより、幅の大きな基材9上の広範囲に画像を印刷することが可能となる。
このように、複数のヘッドユニット33の多数のヘッド32が第2インクタンク51に接続される場合、第2インクタンク51内へのインクの流入流量、および、第2インクタンク51からのインクの流出流量も多くなるが、図8の例と同様にして、第2インクタンク51に設けられる容積可変部6を制御することにより、第2インクタンク51内の圧力変動を低減することができ、第2インクタンク51内の圧力変動に起因するヘッド32の吐出口におけるインクの圧力変動を抑制して、印刷の際に、吐出口に対する基材9上のインクの着弾位置等の変動が生じることを抑制することができる。
また、図9に示すように、ヘッド32から第2インクタンク51へとインクを戻さない(すなわち、インクを循環させない)印刷装置にて、容積可変部6を用いる上記手法が採用されてもよい。例えば、図9の印刷装置において、ヘッド32におけるインクの消費、および、外部(例えば、第2インクタンク51)からの断続的なインクの供給による、第1インクタンク34内のインク量の変化に合わせて、容積可変部6の容積を変更することにより、第1インクタンク34内の圧力が一定に保たれ、ヘッド32の吐出口におけるインクの圧力変動(メニスカス圧の変動)が抑制される。
図1の印刷装置1(いわゆる、ロールtoロール方式の印刷装置)では、基材9を走査方向に移動する搬送部27により、複数の吐出口の配列方向に交差する走査方向に基材9が吐出部3に対して一定速度にて移動するが、印刷装置1における印刷動作によっては、吐出部3を走査方向に移動する機構が設けられてもよい。また、図10に示す印刷装置1a(枚葉式の印刷装置)のように、矩形の基材9を保持するステージ21、および、ステージ21を走査方向(図10中のY方向)に移動するステージ移動機構22が設けられてもよい。このように、基材9を吐出部3に対して相対的に走査方向に移動する走査機構は様々な構成にて実現可能である。なお、図10の印刷装置1aでは、基台20上に設けられる位置検出モジュール23により、基台20に対するステージ21の位置が検出可能となっている。
基材9が吐出部3の下方を一回通過するのみで基材9への画像の印刷が完了するワンパス方式の印刷装置1,1aでは、多数のヘッド32がインクタンクに接続されるため、インクタンク内のインク量の変化が大きくなる。したがって、インクタンク内のインク量の変化に合わせて容積可変部6の容積を変更することにより、インクタンク内の圧力を一定に保つ上記手法は、ワンパス方式の印刷装置に特に適しているといえる。もちろん、走査方向に垂直な幅方向に関してヘッド32が配列される幅が基材9の幅よりも小さくされ、吐出部3の基材9に対する走査方向への移動、および、幅方向への間欠移動を複数回繰り返すことにより、基材9の全体への印刷を行う印刷装置にて上記手法が用いられてもよい。
印刷装置1,1aにおける印刷媒体は、シート状の基材9以外に、プラスチックにて形成される板状の部材や印刷用紙等であってもよい。
1,1a 印刷装置
4 制御部
6 容積可変部
9 基材
32 ヘッド
34 第1インクタンク
51 第2インクタンク
53 回収ライン
54 ポンプ
55 圧力調整機構
321 吐出口
341 タンク本体
342 脱泡機
343 連結管
344 メッシュ部材
345,346,511 インクレベルセンサ

Claims (9)

  1. インクジェット方式の印刷装置であって、
    所定の配列方向に配列された複数の吐出口から、前記配列方向に交差する方向に前記複数の吐出口に対して相対的に移動する印刷媒体に向けてインクの微小液滴を吐出するヘッドと、
    前記ヘッドの上流側または下流側に接続されてインクを貯溜するとともに前記インクの液面上の空間が密閉状態とされるインクタンクと、
    前記ヘッドの前記上流側に接続された前記インクタンクにインクを断続的に供給する、または、前記ヘッドの前記下流側に接続された前記インクタンクからインクを断続的に排出するポンプと、
    前記インクタンク内の前記液面上の前記空間に連続するとともに、容積が可変とされる容積可変部と、
    前記インクタンク内のインク量の変化に合わせて、前記容積可変部の前記容積を変更することにより、前記インクタンク内の圧力を一定に保つ制御部と、
    を備えることを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記インクタンクが前記ヘッドの上流側の近傍に接続され、
    前記ヘッドの下流側に他のインクタンクがさらに接続され、
    前記ポンプが、前記他のインクタンクから前記インクタンクへとインクを送ることを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記他のインクタンク内を減圧する減圧機構をさらに備え、
    前記減圧機構が前記他のインクタンク内を減圧することにより、前記インクタンクから前記ヘッドを経由して前記他のインクタンクに至る回収流路をインクにて満たした状態で前記回収流路を介して前記インクタンクから前記他のインクタンクへとインクが連続的に流れることを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項2または3に記載の印刷装置であって、
    前記容積可変部の前記容積の変更により、前記複数の吐出口内にインクのメニスカスが形成される状態が保たれることを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項2ないし4のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記インクタンク内のインクの液面の位置を検出するインクレベルセンサをさらに備え、
    前記制御部が、前記インクレベルセンサの出力に基づいて、前記容積可変部の前記容積を変更することを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項5に記載の印刷装置であって、
    前記インクタンクが、
    タンク本体と、
    鉛直方向に対して垂直な断面積が前記タンク本体よりも十分に小さい補助タンクと、
    前記補助タンクと前記タンク本体との間に設けられ、前記補助タンク内に流入するインクを、前記補助タンクへの流入流量よりも小さい流量にて前記タンク本体へと流出させる流量制限部と、
    を備え、
    前記タンク本体内のインクの液面上の空間と、前記補助タンク内のインクの液面上の空間とが連続しており、
    前記インクレベルセンサが、前記タンク本体および前記補助タンク内のインクの液面の位置をそれぞれ検出する2つのインクレベルセンサであることを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記インクタンクが前記ヘッドの下流側に接続され、
    前記ヘッドの上流側の近傍に他のインクタンクがさらに接続され、
    前記ポンプが、前記インクタンクから前記他のインクタンクへとインクを送ることを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項7に記載の印刷装置であって、
    前記インクタンク内を減圧する減圧機構をさらに備え、
    前記減圧機構が前記インクタンク内を減圧することにより、前記他のインクタンクから前記ヘッドを経由して前記インクタンクに至る回収流路をインクにて満たした状態で前記回収流路を介して前記他のインクタンクから前記インクタンクへとインクが連続的に流れることを特徴とする印刷装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記ヘッドと同様のもう1つのヘッドをさらに備え、
    前記ヘッドおよび前記もう1つのヘッドが並列して前記インクタンクに接続されることを特徴とする印刷装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015182387A1 (ja) * 2014-05-29 2015-12-03 コニカミノルタ株式会社 インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置

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