JP2010227920A - ガス吸着素子形成体、ガス吸着素子の実装方法および真空用パッケージ - Google Patents

ガス吸着素子形成体、ガス吸着素子の実装方法および真空用パッケージ Download PDF

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Abstract

【課題】デバイスやパッケージへの悪影響を抑止するため、加熱せずに活性化されたゲッター表面を得る。
【解決手段】真空用パッケージ4において、内部を真空に排気して使用する容器本体4aと、容器本体4a内に配置され、ゲッター材料を含む金属体の破断面が露出して成るガス吸着素子3aと、を備えている。このガス吸着素子3aの破断面はゲッター材料を含む金属体を破断させて得られる。
【選択図】図2

Description

本発明は、加速度センサ、赤外線センサ、ジャイロセンサおよび水晶振動子のようなデバイスを真空封止するためのガス吸着用素子、この素子を形成するのに用いられるガス吸着素子形成体、実装方法およびガス吸着素子を実装した真空用パッケージに関するものである。
加速度センサ、赤外線センサ、ジャイロセンサおよび水晶振動子のようなデバイスが内部に封止されたパッケージにおいては、デバイスの特性を高めるため、パッケージ内部の内圧を小さくすることが求められている。この方法として、特許文献1に開示されているように、パッケージ内にゲッターを配設することが知られている。
ゲッターは、例えば、Ti,Zr,V,Feなどの金属やこれらの合金から構成されており、真空中で活性化と呼ばれる加熱処理を施すことにより、不活性ガスを除く多くのガスを吸着する作用を呈する。
大気中ではゲッターの表面は気体の吸着分子で覆われているため、それ以上の吸着反応は起こらない。しかし、ゲッターを真空中で加熱(例えば、400℃以上)することにより、吸着された気体がゲッター内部に拡散し、表面が活性化され、例えば、常温近傍でも吸着作用を呈するようになる。
このゲッターをパッケージ内に配設することにより、真空ポンプで完全には除去し切れなかった気体分子をゲッター材に吸着させ、パッケージ内の内圧をより小さくすることができる。
特開2003−4524号公報
活性化を行なうための加熱は、ニクロム線などのヒータによる通電加熱、パッケージ封止時の熱、電磁加熱などが用いられる。しかしながら、通電加熱のためのヒータを内蔵したゲッターはコストが高く、通電のための電極やヒータを配置するためのスペースが必要となり、小型化が難しいという問題があった。
また、例えば、赤外線センサチップ、窓材の反射コーティングなどは熱に弱いといった問題がある。活性化のために高温での加熱を行なうことは、このような熱に対して敏感なデバイスやパッケージにダメージを与えてしまい、特性不良を引き起こす恐れもあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、加熱を行なうことなく、活性化されたゲッター表面を得ることができるガス吸着用素子を形成するための形成体を提供することを目的とする。また、その他の目的としては、このガス吸着素子形成体を用いたガス吸着素子の実装方法、およびガス吸着素子を実装した真空用パッケージを提供することにある。
本発明のガス吸着素子形成体は、ゲッター材料を含むゲッター金属体と、前記ゲッター金属体を破断させて、新しい面を露出させる破断手段と、を備えている。
本発明のガス吸着素子の実装方法は、本発明に係るガス吸着素子形成体を容器本体内に配置する工程と、前記容器本体内を真空引きする工程と、前記破断手段を用いて、前記ゲッター金属体を破断する工程と、前記容器本体を気密封止する工程と、を含んでいる。
本発明のパッケージは、内部を真空に排気して使用する容器本体と、前記容器本体内に配置され、ゲッター材料を含む金属体の破断面が露出して成るガス吸着素子と、を備えている。
本発明のガス吸着素子形成体は、ゲッター材料を含むゲッター金属体において、破断手段を用いて、この金属体を破断させて、新しい面を露出させるようにしているので、加熱を行なうことなく、清浄な金属表面を得ることができる。言い換えれば、加熱せずに活性化されたゲッター表面を得ることができる。加熱が必要ないので、加熱に必要なヒータや電極などの構成が必要なく、ガス吸着素子やこれが搭載されるパッケージのローコスト化、小型化に寄与するものとなる。また、加熱に伴う、デバイスやパッケージへの悪影響を抑止できる。
(a)は、本発明の第1実施形態に係るガス吸着素子形成体を示す模式的な断面図であり、(b)は、かかるガス吸着素子形成体を実装した状態を示す模式的な断面図である。 本発明の第1実施形態に係るガス吸着素子を搭載したパッケージを示す模式的な断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の第1実施形態に係るガス吸着素子形成体およびガス吸着素子を金属粒子の焼結体から形成するプロセスを示す模式的な構造図である。 (a)は、本発明の第2実施形態に係るガス吸着素子形成体を示す模式的な断面図であり、(b)は、かかるガス吸着素子形成体を実装した状態を示す模式的な断面図である。 (a)は、本発明の第2実施形態の変形例に係るガス吸着素子形成体を示す模式的な断面図であり、(b)はかかるガス吸着素子形成体からガス吸着素子を形成する模式図、(c)は、かかるガス吸着素子を実装したパッケージを示す模式的な断面図である。
以下、本発明の実施形態の例について図面を用いて詳細に説明する。
ただし、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の一実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、本発明に係るガス吸着素子、ガス吸着素子形成体および真空用パッケージは、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備えていてもよい。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法および各部材の寸法比率などを忠実に表したものではない。
<第1実施形態>
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係るガス吸着素子形成体を示す模式的な断面図であり、(b)は、かかるガス吸着素子形成体を実装した状態を示す模式的な断面図である。また、図2は、本発明の第1実施形態に係るガス吸着素子を搭載したパッケージを示す模式的な断面図である。
本実施形態において、1は金属薄板からなる第1の部材,2は金属薄板からなる第2の部材、3はゲッター材料を含むゲッター金属体、3aはガス吸着素子、4はパッケージ、4aは容器本体として機能するパッケージ基体部、4bは蓋体、5は固定部、6は接続材、7はデバイス、8は封止材である。
図1(a)に本実施形態に係るガス吸着素子形成体を示す。第1の部材である金属薄板1と第2の部材である金属薄板2の間にゲッター金属体3が固着して挟まれた構造となっている。本実施形態では、第1および第2の部材の金属薄板1,2がゲッター金属体を破断させて新しい面を露出させるための破断手段として機能する。
具体的には、ゲッター金属体3のガス吸着効果は、金属薄板1および金属薄板2の少なくとも一方をゲッター金属体3から引き剥がすことにより、ゲッター金属体3を破断させて新しい破断面を露出させることにより発現する。これにより、ゲッター金属体3の汚染されていない(気体が吸着していない)新しい破断面が露出するので、ガス吸着素子形成体は、加熱をしなくてもガス吸着素子として機能するようになる。
なお、本明細書において、「ガス吸着素子形成体」とは、破断させる前の状態ではガス吸着素子としては機能しないが、上述したようにゲッター金属体を破断させることにより、ガス吸着する機能を発現させることが可能であるものを指す。
図1(b)は、図1(a)に示した本実施形態に係るガス吸着素子形成体をパッケージ基体部4aに実装した状態を示す。パッケージ基体部4aにはメタライズ層などからなる固定部5が設けられ、この固定部5に対して、金属薄板1がロウ材などの接続材6を介して固定されている。ここで図中の矢印で示すように、金属薄板2を引き剥がして、ゲッター金属体3を破断させることにより、ガス吸着素子形成体をガス吸着素子として機能させることが可能となる。
図2に本実施形態に係るガス吸着素子3aを搭載したパッケージ4により、真空用パッケージを構成した例を示す。パッケージ4には、赤外線センサなどのデバイス7とともに、ゲッター金属体3を破断して形成したガス吸着素子3aが搭載されている。なお、ゲッター金属体3の破断は、真空中で行なわれ、この後、パッケージ基体部4aの内部が真空に保たれた状態で、蓋体4bが封止材8により気密封止される。このようにして本発明に係る真空用パッケージを得ることができる。
以上のように、本実施形態に係るガス吸着素子3aは、加熱を行なうことなく、清浄な金属表面、すなわち活性化されたゲッター表面を得ることができる。したがって、加熱に必要なヒータや電極などの構成が必要なく、ガス吸着素子3a自体、これが搭載されるパッケージ4のローコスト化、小型化に寄与するものとなる。また、加熱に伴う、デバイス7やパッケージ4への悪影響を抑止できる。
以下、本実施形態にかかる構成要素を添付図面に基づき、詳細に説明する。
(ゲッター金属体)
ゲッター金属体3は、パッケージ内のガス吸着材として機能する。ゲッター金属体3は、Ba、Zr、Ti、Ta、V、Al、Fe、Ni、NbおよびMnのうち、少なくとも1種類の元素から選ばれた遷移金属を含む。金属単体に限らず、合金であってもよい。例えば、これらの金属間の合金または、これらの金属と、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Al、Y、Laおよび希土類の中から選ばれる1種以上の元素との間での合金、例えば2元合金Ti−V、Zr−V、Zr−FeおよびZr−Ni、3元合金Zr−Mn−FeもしくはZr−V−Feまたはさらなる成分との合金であっても構わない。
これらの金属は化学的に活性であり、新しい破断面を露出させてやることにより、気体の吸着作用を呈するようになる。この作用を利用して真空排気を行うことが可能である。
なお本実施形態において、ゲッター金属体3は、破断手段を構成する第1および第2の部材である金属薄板1,2に挟まれて固着した状態で設けられる。
金属薄板1,2に挟まれて設けられるゲッター金属体3としては、スパッタなどの薄膜形成法を用いて形成することもできるが、容易に厚みを変えたものを形成することができ、焼結温度などによって破断しやすさや破断面の状態を制御できることから、これらの金属や合金を含むゲッター材料の金属粒子を焼結させた焼結体により形成することが望ましい。なお、ゲッター金属体3を焼結体で構成した場合、容易に破断させるためには、気孔率を50%以下とすることが望ましい。また同じ理由から、厚みを100μm以下とすることが望ましい。さらに、破断させたときに、十分な表面積を有する破断面を得るためには、気孔率を10%以上とすることが望ましい。また同じ理由から、厚みを10μm以上とすることが望ましい。
図3(a)〜(c)に、本実施形態に係るガス吸着素子形成体およびガス吸着素子を金属粒子の焼結体から形成するプロセスの概念を示す。図3(a)では、金属薄板1,2にゲッター材料を含む金属粒子9を含むペーストが配置されている。そして、図3(b)では、金属粒子9が加熱されて、互いに金属結合を形成した焼結体となり、本発明のガス吸着素子形成体に係るゲッター金属体3が形成される。焼結体であるゲッター金属体3は、金属薄板1,2に固着した状態となっているが、適度な気孔率を有しており、所定の外力を加えることによって破壊可能な状態となっているので、図3(c)に示すように、金属薄板1,2を互いに引き剥がすことにより、ゲッター金属体3が、分断されて新たな破断面が形成され、本発明のガス吸着素子が形成される。
また、焼結体によりゲッター金属体3を形成する場合、ゲッター材料を含む金属粒子9が、200℃以下で焼結可能な超微粒子材料を用いることが望ましい。その理由としては、低温焼結が可能であり、破断手段を構成する第1および第2の部材(本実施形態では金属薄板1,2)に対して、ダメージを与えることを抑止できるからである。
なお、このような超微粒子材料の例としては、直径1nm〜1μm程度のTiの超微粒子が知られている。これらの超微粒子の金属粉末は、表面が極めて活性であり単体では大気中では容易に酸化してしまうため、通常は有機溶剤やバインダなどを含むペースト中に混練し、表面を有機溶剤などによりコーティングした状態で取り扱われる。
このような超微粒子の金属粉末を含有するペーストを適当な厚みで金属薄板1,2の間に塗布した後、十分に乾燥させる。これにより、金属の超微粒子表面の有機溶剤が飛散するとともに、150〜200℃の低温で金属の超微粒子同士が焼結し、相互に金属結合が形成される。
(破断手段)
本実施形態では、破断手段として、ゲッター金属体3に対して接合された、第1および第2の部材をそれぞれ、金属薄板1,2として構成した例を示している。これらの金属薄板1,2は、例えば、銅、ステンレス、ニクロムなどの周知の金属を用いることができる。また、これらの金属薄板1,2の厚みは、剥離のストレスに耐えるため、10μm以上とすることが望ましい。また、剥離作業を行なうためには適度の柔軟性が必要であるため、100μm以下とすることが望ましい。
また、金属薄板とゲッター金属体3との間で良好な固着力を得るためには、酸処理などにより金属薄板の表面の酸化膜をあらかじめ除去しておくことや、表面の粗さをRmax0.1μm以上としておくことが効果的である。
破断手段を機能させるためには、ゲッター金属体3から、第1および第2の部材である、金属薄板1および金属薄板2のいずれかを引き剥がすようにすればよい。ゲッター金属体3の破断は真空中で行なわれる必要があるので、実際には、パッケージ4を真空装置内に保持し、外部から治具や専用機器などを用いて、金属薄板1,2のいずれかをゲッター金属体3から引き剥がすようにすればよい。
なお、第1および第2の部材は、金属薄板などの金属材料に限られるものではなく、セラミックなどの材料を用いてもよい。さらに、このガス吸着素子を加熱可能なデバイスの用途に用いる場合、これらの第1および第2の部材のうちのいずれかを通電加熱可能なヒータ材料を用いてもよい。例えば、金属薄板自体をニクロムなどの発熱抵抗体の材料を用いて構成してもよいし、第1および第2の部材に対して薄膜ヒータや厚膜ヒータなどの発熱抵抗体を形成したものを用いてもよい。このようなヒータ材料を用いることにより、ゲッター金属体3のガス吸着機能が低下したときに、活性化のための加熱処理を行ない、ガス吸着の機能を回復することが可能となる。
(パッケージ)
パッケージ4は、容器本体であるパッケージ基体部4aに対して、蓋体4bが気密に接合されて設けられる。パッケージ基体部4aは、内側が凹部となっており、この凹部内に、後述するデバイス7を配設するとともに、蓋体4bを用いて凹部を封止することにより、パッケージ4として用いることができる。
パッケージ基体部4aは、たとえば、酸化アルミニウム(Al)質焼結体、ムライト(3Al・2SiO)質焼結体、炭化珪素(SiC)質焼結体、窒化アルミニウム(AlN)質焼結体、窒化珪素(Si)質焼結体およびガラスセラミックスなどのセラミック材料、またはポリイミドなどの高耐熱の樹脂材料、またはSUS、Fe−Ni−Co合金、Fe−Ni合金などのFe系合金および無酸素銅、Al、Al合金などの金属材料のいずれかによって形成することができる。
また、パッケージ基体部4aは、パッケージ4の小型化、低背化を可能とするために、厚さを薄くするのが好ましいが、強度を維持すべく、械的強度である曲げ強度は200MPa以上とするのが好ましい。曲げ強度を200MPa以上とすることで、パッケージ基体部4aの機械的強度を好適に維持することができる。
また、パッケージ基体部4aの凹部内には、加速度センサ、赤外線センサ、ジャイロセンサおよび水晶振動子のような、真空中で特性を好適に発揮するデバイス7が配設される。
さらに、パッケージ基体部4aの凹部内には、上述したゲッター金属体3を破断した面が露出して構成されるガス吸着素子3aが設けられる。なお、ガス吸着素子3aによって、吸着されるパッケージ4内に存在する気体分子としては、パッケージ4の製造時および使用時において、パッケージ基体部4a、蓋体4b、封止材8などのパッケージ4を構成する部材から発生するガス、ならびに製造時に混入する、または表面吸着するN、O、CO、HOなどの気体が挙げられる。
パッケージ4を封止するにあたり、パッケージ基体部4aと蓋体4bとの接合は、従来周知の接合方法を用いることができる。すなわち、はんだや金属ロウ材などで接合する方法や、シームウェルド、エレクトロンビームやレーザーなどの方法である。封止材8としては、Au,Ag,Zn,Snおよびこれらの合金を主成分とするものを用いることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。主に第1実施形態と異なる点について説明を行ない、第1実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図4(a)は、本発明の第2実施形態に係るガス吸着素子形成体を示す模式的な断面図であり、(b)は、かかるガス吸着素子形成体を実装した状態を示す模式的な断面図である。
第2実施形態において、上述した第1実施形態と異なる点としては、破断手段を構成する第1の部材にシリコン基板11を用い、第2の部材に金属薄板12を用いた点にある。ゲッター金属体13は、上述したようにゲッター材料を含む金属粒子が焼結されてなるものを用いることが望ましい。具体的には、シリコン基板11の所定位置にこの金属粒子を含むペーストを適当な厚みで塗布した後、金属薄板12を付着させた状態で焼結させ、ゲッター金属体13の焼結体を形成する。これにより、第2実施形態に係るガス吸着素子形成体を形成することができる。
その後は、シリコン基板11をパッケージ基体部14aの凹部内に配置し、図中に示したように、金属薄板12をゲッター金属体13から引き剥がすことにより、ゲッター金属体13を破断させれば、本実施形態に係るガス吸着素子を形成することができる。
本実施形態によれば、シリコン基板11の任意の位置にガス吸着素子を設けることができるので、パッケージ内におけるレイアウトの自由度が高まり、小型化にも寄与するものとなる。また、効果的な位置にガス吸着素子を配置することが可能となる。例えば、シリコン基板11にあらかじめ、例えばMEMSのデバイス(不図示)を作り込んでおき、そのすぐ近傍にガス吸着素子を設けることにより、デバイスの近傍の高真空度を保つことができる。これにより、高真空で用いられるデバイスの特性をより確実に発揮させることができる。
さらに、シリコン基板上にあらかじめデバイスを作り込んでおいた後にゲッター金属体13を作製する場合、第1実施形態で説明した、200℃以下で焼結可能な超微粒子材料を用いてゲッター金属体13を構成することが望ましい。ゲッター金属体13を作製するための温度が低いため、デバイスに対して与えるダメージを抑止できるという理由による。
<第2実施形態の変形例>
次に、図5を用いて、第2実施形態の変形例について説明する。上述の第2実施形態の説明では、第1の部材であるシリコン基板をパッケージ内に配置していたが、ここで説明する変形例では、第1の部材(例えば、シリコン基板)をパッケージの蓋体として利用する点が異なっている。
図5(a)は、本発明の第2実施形態の変形例に係るガス吸着素子形成体を示す模式的な断面図であり、図5(b)はかかるガス吸着素子形成体からガス吸着素子を形成する模式図、図5(c)は、かかるガス吸着素子を実装したパッケージを示す模式的な断面図である。
本変形例が第2実施形態と異なる点は、図5(c)に示すように、この第1の部材であるシリコン基板21がパッケージの蓋体24bとなるように、ゲッター金属体23を破断して得られたガス吸着素子23aの側が蓋体24bの内側として、封止材28を介してパッケージ基体部24aに対して搭載した点にある。パッケージ基体部24aには所定のデバイス27を搭載可能である。この構成によれば、破断手段を構成する第1の部材が蓋体24bと兼用されることにより、ガス吸着素子23aも蓋体24bの側に設けられるので、パッケージの小型化に寄与する。
また、シリコンは、赤外線を透過しやすい材質であるから、これを蓋体24bとして用いた場合、気密封止用の蓋体として機能するだけではなく、赤外線用の窓材としても機能するものとなる。したがって、パッケージ24の内部に配置するデバイス27として、赤外線センサチップをパッケージ内に封止して、好適に用いることができる。
本実施形態の例では、破断手段を構成する第1の部材の例として、赤外線に対する透過性が優れた材質である、シリコンを用いた例で説明したが、その他、ゲルマニウム、硫化亜鉛、フッ化マグネシウムなども赤外線の透過性が良好な材料であり、破断手段を構成する第1の部材として用いることができる。ただし、真空用パッケージの気密封止用の蓋体24bとしては、高い真空度を保つためシリコンを用いることが望ましい。
なお、シリコン材料を赤外線用の窓材として用いる場合、窓材の表面に赤外線反射防止コーティング膜や、透過する赤外線の波長に選択性をもたせるための帯域フィルタ膜が形成されて用いられる。これらの膜や赤外線センサチップは熱に対して影響を受けやすいため、従来型のゲッターを用いる場合、表面を活性化するための加熱によって、ダメージを与えてしまう恐れがあった。本実施形態のガス吸着素子では、加熱を行なうことなく、活性化されたゲッター表面を得ることができるから、加熱に伴う悪影響を抑止できる。
以上説明した構成、方法により本発明を実現することができる。なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良が可能である。
例えば、上述の第1実施形態における説明では、ガス吸着素子形成体であるゲッター金属体3をパッケージ基体部4aの凹部内に配置した後に、真空引きする例で説明したが、これに限るものではなく、真空引きした後に、ゲッター金属体3をパッケージ基体部4aの凹部内に配置し、その後、ゲッター金属体3を破断するようにしてもよい。破断後、パッケージ基体部4aを気密封止するまでの間に、ガス吸着素子3aの露出した破断面が気体に触れないようにすればよい。
さらに、上述の第2実施形態における説明では、第1の部材としてシリコン基板を用いた例によって説明したが、これに限るものではなく、別の材料によって構成された基板を用いても構わない。さらに、第1の部材として基板や金属薄板などを用いず、パッケージ基体部4aに直接、ゲッター金属体13を設けるようにしてもよい。この場合、パッケージ基体部4aが破断手段である第1の部材として機能することとなる。
また、上述の第2実施形態における説明では、パッケージ基体部4aとして、凹部を有するものを用い、この凹部内にデバイスや本発明に係るガス吸着素子を配置する例について説明したが、これに限るものではなく、デバイスをパッケージの蓋体の側に設けても構わない。
1・・・・・金属薄板(第1実施形態における第1の部材)
2・・・・・金属薄板(第1実施形態における第2の部材)
3・・・・・ゲッター金属体
3a・・・・・ガス吸着素子
4・・・・・パッケージ
4a・・・・・パッケージ基体部(容器本体)
4b・・・・・蓋体
5・・・・・固定部
6・・・・・接続材
7・・・・・デバイス
8・・・・・封止材
9・・・・・金属粒子
11・・・・・シリコン基板(第2実施形態における第1の部材)
12・・・・・金属薄板(第2実施形態における第2の部材)
13・・・・・ゲッター金属体
21・・・・・シリコン基板(第2実施形態の変形例における第1の部材)
22・・・・・金属薄板(第2実施形態の変形例における第2の部材)
23・・・・・ゲッター金属体
23a・・・・・ガス吸着素子
24・・・・・パッケージ
24a・・・・・パッケージ基体部(容器本体)
24b・・・・・蓋体
27・・・・・デバイス(赤外線センサ)
28・・・・・封止材

Claims (11)

  1. ゲッター材料を含むゲッター金属体と、
    前記ゲッター金属体を破断させて、新しい面を露出させる破断手段と、を備えた、ガス吸着素子形成体。
  2. 前記ゲッター金属体が、ゲッター材料を含む金属粒子を焼結させた焼結体である、請求項1に記載のガス吸着素子形成体。
  3. 前記ゲッター材料を含む金属粒子が、200℃以下で焼結可能な超微粒子材料である、請求項2に記載のガス吸着素子形成体。
  4. 前記ゲッター材料が、Ba、Zr、Ti、Ta、V、Al、Fe、Ni、NbおよびMnのうち、少なくとも1種類の元素から選ばれた遷移金属を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガス吸着素子形成体。
  5. 前記破断手段は、前記ゲッター金属体と接合された第1の部材と第2の部材とを含み、前記第1の部材および前記第2の部材のうち、少なくとも一方を前記ゲッター金属体から引き剥がすことによって、前記ゲッター金属体を破断させるようにした、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のガス吸着素子形成体。
  6. 前記第1の部材および前記第2の部材のうち、少なくとも一方が金属薄板である、請求項5に記載のガス吸着素子形成体。
  7. 前記第1の部材が、真空用パッケージの蓋体として用いられる材質で構成されており、
    前記第2の部材が、前記ゲッター金属体から引き剥がされる、請求項5または6に記載のガス吸着素子形成体。
  8. 前記第1の部材が、赤外線を透過する材質で構成されている、請求項7に記載のガス吸着素子形成体。
  9. 前記第1の部材および前記第2の部材のいずれか一方が、通電加熱可能なヒータ材料である、請求項5または6に記載のガス吸着素子形成体。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のガス吸着素子形成体を容器本体内に配置する工程と、
    前記容器本体内を真空引きする工程と、
    前記破断手段を用いて、前記ゲッター金属体を破断する工程と、
    前記容器本体を気密封止する工程と、を含む、ガス吸着素子の実装方法。
  11. 内部を真空に排気して使用する容器本体と、前記容器本体を気密封止する蓋体と、を備えたパッケージと、
    前記容器本体内に配置されたデバイスと、
    前記容器本体内に配置され、ゲッター材料を含む金属体の破断面が露出して成るガス吸着素子と、を備えた、真空用パッケージ。
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