JP2010227444A - 化粧用パフおよび化粧用パフの製造方法 - Google Patents

化粧用パフおよび化粧用パフの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ロールから引き出したエアレイド不織布シートを用いて加工した後の厚さ(嵩)の差を減少させることができる技術を提供する。
【解決手段】工程S1では、ロール10から、パルプを含むエアレイド不織布100を引き出す。工程S2では、ロール10から引き出したエアレイド不織布100に、折り返し線に沿って穴(ミシン目)を形成する。ステップS3では、エアレイド不織布100の表面に、保湿剤と水を含む保湿液を塗布する。保湿液は、水を4〜59重量%の割合で含んでいる。ステップS4では、エアレイド不織布シート100を折り返し線の個所で折り返す。ステップS5では、折り返したエアレイド不織布シート100を、折り返し線から設定距離以上離れている箇所で接合する。ステップS6では、折り返し線に交差する方向に切断して、化粧用パフ110を完成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、化粧等に使用される化粧用パフおよび化粧用パフの製造方法に関する。
従来、不織布シートにより構成された化粧用パフとして、特許文献1や特許文献2に記載されているものが知られている。特許文献1に記載されている化粧用パフは、内層を形成するパルプ繊維と、外層を形成するレーヨン繊維やポリエチレンテレフタレート繊維を、ウォータージェットによって絡ませた(交絡させた)スパンレース不織布シートにより構成されている。また、特許文献2に記載されている化粧用パフは、パルプ繊維を含むエアレイド不織布シートにより構成されている。このエアレイド不織布シートの外層部は、レーヨン繊維によって形成されている。
特開2007−2703664号公報 特開2007−195614号公報
通常、不織布シートはローラに巻かれている。そして、ローラから不織布シートを引き出し、引き出した不織布シートを加工することによって化粧用パフが製造される。この場合、ローラの中心側に巻かれている不織布シートに印加される圧力が、ローラの外周側に巻かれている不織布シートに印加される圧力より大きい。
特許文献1に記載されている化粧用パフで用いられるスパンレース不織布シートは、ウォータージェットによって繊維を強固に絡ませているため、ローラの中心側に巻かれている不織布シートの厚さとローラの外周側に巻かれている不織布シートの厚さの差はあまりないが、厚さ(嵩)に限界がある。一方、特許文献2に記載されている化粧用パフで用いられている不織布シートは、厚さ(嵩)は大きいが、ローラの中心側に巻かれている不織布シートの厚さとローラの外周側に巻かれている不織布シートの厚さの差が大きい。このため、ローラの中心側から引き出した不織布シートの厚さを回復させるための厚さ(嵩高)回復装置を設ける必要がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、ローラから引き出したエアレイド不織布シートの厚さ(嵩)の差を減少させる技術を提供することを目的とする。
一つの発明は、化粧用パフに関する。本発明の化粧用パフは、好適には、化粧を行う時に、そのままであるいは化粧用の液体、粉体、ジェル、クリーム等を付着させた状態で顔面に押し当てて使用される。
本発明の化粧用パフは、パルプ繊維を含み、公知のエアレイド法によって製造されるエアレイド不織布を備えている。エアレイド不織布シートの表面には、保湿剤と水を含む保湿液が塗布される。保湿液は、水を4〜59重量%、好適には10〜50重量%含んでいる。保湿液は、エアレイド不織布シートの両面に塗布するのが好ましいが、一方の面にのみ塗布してもよい。「保湿剤」としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1.3−ブチレングリコール、流動パラフィン、スクアラン、ワセリン、オリーブ油、大豆油、サフラワー油、椿油、ホホバ油、アーモンド油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、ビタミンE、ジメチルシリコーン、シリコーン油、変成シリコーン、ソルビトール、ショ糖、グルコース、マルトース、マルチトース、ミツロウ、ヒアルロン酸、プラセンタエキス、アロエエキス、カミツレエキス、モモノハエキス、コラーゲン、ヘチマエキス、ヒノキチール等を用いることができる。
本発明では、ロールの中心側に巻かれていたエアレイド不織布は、保湿液に含まれている水をパルプが吸収することによって膨潤し、厚さが増大する(嵩が回復する)。一方、ロールの外周側に巻かれていたエアレイド不織布は、保湿液に含まれている水をパルプが吸収することで、厚さが同等若しくは若干減少する。これにより、ロールから引き出したエアレイド不織布は、大きな厚さ(嵩)を有しながら、厚さの差が減少される。したがって、容易に、化粧用パフの品質を高めることができる。また、保湿液によって、利用者の肌の水分を補うことができる。
エアレイド不織布としては、パルプ繊維と疎水性合成繊維を含むエアレイド不織布シートを用いるのが好ましい。「疎水性合成繊維」には、疎水性を有する各種の合成繊維が包含される。典型的には、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET)、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維(PP)、ポリエチレン繊維(PE)、ナイロン繊維等の中の1つまたは複数を疎水性合成繊維として用いることができる。
本形態では、エアレイド不織布シートに疎水性合成繊維が含まれているため、化粧用パフにおける所望の離水性を確保することができる。これにより、使用者のパッティング力に応じて化粧水の放出量を適正化することができる。
さらに、エアレイド不織布シートとしては、疎水性合成繊維を10〜50重量%の割合で含んでいるエアレイド不織布を用いるのが好ましい。
疎水性合成繊維を10〜50重量%含んでいるエアレイド不織布を用いることにより、特に、ウェット時加重後回復率、一括離水率及び分割離水率を高めることができる。「ウェット時加重後回復率」は、ウェット状態において、所定の力(「荷重」ともいう)を印加した時(加重時)の厚さと、当該所定の力の印加を解除した時の厚さによって算出され、ウェット時における厚さの回復度合いを示す。「一括離水率」は、ウェット状態において、所定の力を印加した場合に一度に離水される水分量(離水度合い)を示す。「分割離水率」は、ウェット状態において、所定の力を複数回に分けて印加した場合に離水(放水)される水分量(離水度合い)を示す。
また、エアレイド不織布としては、パルプ繊維の単位長さ当たりの繊維重量が0.2mg/m以上に設定されているエアレイド不織布を用いるのが好ましい。
単位長さ当たりの繊維重量が0.2mg/m以上に設定されているパルプ繊維は、平均ポアサイズ(空隙部分の径)が100μm以上で骨格構造が強い。これにより、ウェット時加重後回復率、一括離水率および分割離水率が高くなる。
また、エアレイド不織布シートとしては、少なくとも一方側の外層部がレーヨン繊維により形成されているエアレイド不織布シートを用いるのが好ましい。エアレイド不織布の外層部がレーヨン繊維によって形成されていることにより、化粧用パフ使用時の肌触りが滑らかになる。
他の発明は、ロールに巻かれている、パルプ繊維を含むエアレイド不織布を用いて化粧用パフを製造する化粧用パフの製造方法に関する。
本発明は、パルプ繊維を含むエアレイド不織布シートをロールから引き出す引出工程と、ロールから引き出したエアレイド不織布シートを加工して化粧用パフを製造する加工工程を備えている。そして、加工工程には、ロールから引き出したエアレイド不織布シートの表面に、保湿剤と水を含む保湿液を塗布する塗布工程が含まれている。塗布工程は、加工工程内の適宜の箇所に配置することができる。塗布工程では、エアレイド不織布シートの両面に保湿液を塗布するのが好ましいが、一方の面のみに塗布してもよい。エアレイド不織布シートの表面に保湿液を塗布する方法としては、公知の種々の塗布方法を用いることができる。「保湿剤」としては、前述した保湿剤を用いることができる。
本発明では、ロールから引き出した、パルプ繊維を含むエアレイド不織布シートの表面に、保湿剤と水を含む保湿液を塗布している。これにより、ロールの中心側に巻かれていたエアレイド不織布は、保湿液に含まれている水をパルプが吸収することによって膨潤し、厚さが増大する(嵩が回復する)。一方、ロールの外周側に巻かれていたエアレイド不織布は、保湿液に含まれている水をパルプが吸収することで、厚さが同等若しくは若干減少する。したがって、簡単な構成で、所望の厚さ(嵩)を有しながら、厚さの差が少ないエアレイド不織布を用いて化粧用パフを製造することができる。また、保湿液によって、利用者の肌の水分を補うことができる。
塗布工程では、水を4〜59重量%、好適には10〜50重量%の割合で含んでいる保湿液を塗布する。水の配合率が少なすぎると、ロールの中心側に巻かれていたエアレイド不織布の厚さ(嵩)の増加割合(回復割合)が小さくなる。一方、水の配合率が高すぎると、ロールの中心側に巻かれていたエアレイド不織布の厚さ(嵩)の増加割合(回復割合)は高くなるが、水が蒸発し易くなるため、柔らかさを維持することができなくなる。水をこのような配合率で含んでいる保湿液を用いることにより、柔らかさを保持しながら、ロールから引き出したエアレイド不織布の厚さの差を減少させることができる。
また、パルプ繊維の単位長さ当たりの繊維重量が0.2mg/m以上に設定されているエアレイド不織布を用いるのが好ましい。単位長さ当たりの繊維重量が0.2mg/m以上に設定されているパルプ繊維は、平均ポアサイズ(空隙部分の径)が100μm以上で骨格構造が強い。これにより、ウェット時の加重後回復率、一括離水率及び分割離水率が高くなる。
また、パルプ繊維と疎水性合成繊維を含んでいるエアレイド不織布シートを用いるのが好ましい。疎水性合成繊維としては、前述した疎水性合成繊維を用いることができる。好適には、疎水性合成繊維の配合率は、10〜50重量%に設定される。これにより、化粧用パフにおける所望の離水性を確保することができ、使用者のパッティング力に応じて化粧水の放出量を適正化することができる。
本発明を用いることにより、容易に、所望の厚さ(嵩)を有しながら、厚さの差が少ないエアレイド不織布を用いた化粧用パフを提供することができる。
本発明の化粧用パフの製造方法(製造装置)の一実施の形態の概略構成を示す図である。 本発明の化粧用パフの第1の実施の形態を構成するシートの平面図である。 図2のIII−III線断面である。 第1の実施の形態の化粧用パフの平面図である。 図3のV−V線断面図である。 第1の実施の形態の化粧用パフの使用形態を示す図である。 図6のVII−VII線断面図である。 第1の実施の形態の化粧用パフの使用形態を示す図である。 第1の実施の形態の化粧用パフの使用形態を示す図である。 第1の実施の形態の化粧用パフの使用形態を示す図である。 第2の実施の形態の化粧用パフを構成するシートの平面図である。 第2の実施の形態の化粧用パフを示す図である。 エアレイド不織布の実施例1〜3と比較例1〜7の測定結果を示す図である。 エアレイド不織布の実施例4〜10と比較例8、9の測定結果を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
先ず、本発明の化粧用パフの第1の実施の形態の化粧用パフ10を、図2〜図5を参照して説明する。本実施の形態の化粧用パフ10は、図2および図3に示されているシート120により構成されている。なお、シート120は、後述する、図1に示されているシート100と同じ構成である。
シート120としては、化粧水等をパッティングし、また、パックするのに好適なシートが用いられる。例えば、不織布やコットンにより形成され、所望の親水性(吸水性)と疎水性(離水性)を有するシートが用いられる。本実施の形態では、シート120は、内層シート120Aと、内層シート120Aの両側に配置されている外層シート120Bを有する3層構造の積層体として構成されている。内層シート120Aは、パルプ繊維とポリエチレンテレフタレート繊維(PET)を少なくとも含み、公知のエアレイド法によって製造されたエアレイド不織布シートにより構成される。パルプ繊維としては、例えば、針葉樹晒クラフトパルプ繊維(NBKP)が用いられる。なお、内層シート120Aは、パルプ繊維を少なくとも含むエアレイド不織布シートにより構成することもできる。また、外層シート120Bは、典型的には、レーヨン、コットン、シルク、パルプ等のうちの少なくとも1つの繊維を含み、公知の方法で製造された不織布シートによって構成される。外層シート120Bは、内層シート120Aと同じ繊維によって製造された不織布シートにより構成することもできる。
シート120の両側の表面(外層シート120Bの外側の面)には、保湿液120Xが塗布されている。保湿液120Xは、保湿剤と水を含んでいる。保湿液を塗布することにより、シート120は、保湿機能を有するとともに、柔軟性を有するようになる。また、後述するように、保湿液に含まれている水によって、ロール(図1参照)10から引き出したシートの厚さ(嵩)の差が減少する。
「保湿剤」としては、典型的には、グリセリンを用いることができるが、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1.3−ブチレングリコール、流動パラフィン、スクアラン、ワセリン、オリーブ油、大豆油、サフラワー油、椿油、ホホバ油、アーモンド油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、ビタミンE、ジメチルシリコーン、シリコーン油、変成シリコーン、ソルビトール、ショ糖、グルコース、マルトース、マルチトース、ミツロウ、ヒアルロン酸、プラセンタエキス、アロエエキス、カミツレエキス、モモノハエキス、コラーゲン、ヘチマエキス、ヒノキチール等の中の少なくとも1つを用いることもできる。更に、多価アルコールや界面活性剤などが助剤として加えられたものを用いることもできる。
本実施の形態では、内層シート120Aが本発明の「内層部」に対応し、外層シート120Bが本発明の「外層部」に対応し、内層シート120Aと外層シート120Bにより構成されシート120が本発明の「エアレイド不織布シート」に対応する。内層シート120Aを形成するパルプ繊維およびポリエチレンテレフタレート繊維が、それぞれ本発明の「パルプ繊維」および「疎水性合成繊維」に対応する。
本実施の形態で用いるシート120は、図2に示されているように、長さM1の縁部(短辺)120aおよび120cと、長さL1(L1>M1)の縁部(長辺)120bおよび120dを有する方形(例えば、60mm×140mmの方形)に形成されている。シート120は、縁部120bおよび120dを[L2:L3](L2>L3)で分割した点を結ぶ線120hに沿って折り返される(以下では、線120hを「折り返し線120h」という)。本実施の形態では、シート120は、折り返し線120hより一方側の部分である第1のシート部121と、折り返し線120hより他方側の部分である第2のシート部122を有している。すなわち、第1のシート部121は、長さL2の縁部(長辺)120b2および120d1と、長さM1(M1<L2)の縁部(短辺)120cと、長さM1の折り返し線120hを有する方形に形成されている。また、第2のシート部122は、長さL3の縁部120b1および120d2と、長さM1(M1<L3)の縁部120aと、折り返し線120hを有する方形に形成されている。
本実施の形態では、シート120を構成する第1のシート部121および第2のシート部122の一方が本発明の「第1のエアレイド不織布シート部」に対応し、他方が本発明の「第2のエアレイド不織布シート部」に対応する。
また、シート120には、折り返し線120hに沿って複数の穴120Hが形成されている。穴120Hとしては、典型的には、ミシン目加工装置によって形成されるミシン目が用いられる。この穴120Hによって、第1のシート部121と第2のシート部122は、折り返し線120hに沿って切り離すことができる。穴120Hの形状や間隔等は、適宜設定される。穴120Hが、本発明の「折り返し線に沿って形成された複数の穴」に対応する。
本実施の形態では、シート120が折り返し線120hの個所で折り返されることによって、第1のシート部121と第2のシート部122が重ねられる。ここで、第1のシート部121の縁部120cと折り返し線120hとの間の距離L2は、第2のシート部122の縁部120aと折り返し線120hとの間の距離L3より長い(L2>L3)。このため、図4、図5に示されているように、第1のシート部121と第2のシート部122が重ねられた状態では、第2のシート部122の縁部120aは、第1のシート部121の縁部120cより折り返し線120h側に、距離n1(=L2−L3)だけ離れた箇所に配置される。距離n1は、例えば、1〜3mmに設定される。なお、第1のシート部121の縁部120cは、「第1のシート部の、折り返し線と対向する側の縁部」であり、第2のシート部122の縁部120aは、「第2のシート部の、折り返し線と対向する側の縁部」である。また、第1のシート部121の縁部120b2と120d1は、「第1のシート部の、折り返し線の両端部から、折り返し線と交差する方向に延びている縁部」であり、第2のシート部122の縁部120b1と120d2は、「第2のシート部の、折り返し線の両端部から、折り返し線と交差する方向に延びている縁部」である。
第1のシート部121と第2のシート部122は、重ねられた状態で、第1のシート部121の縁部120c側と第2のシート部122の縁部120a側(折り返し線120hから離れた箇所)が接合される。この場合、折り返し線120hと接合部111によって、第1のシート部121と第2のシート部122の間に、両端が開口し、少なくとも1本の指が挿入可能な指挿入空間111X(図6、図7参照)が折り返し線120hに沿って形成されるように接合される。ここで、折り返し線120hと平行であって、接合部111を通る線のうち、折り返し線120hに最も近い線111aによって、指挿入空間111Xの間隔が決定される。本明細書では、指挿入空間111Xの中心線に平行(略平行を含む)であって、接合部111を通る線のうち、指挿入空間111Xの中心線に最も近い線を「接合線」という。本実施の形態では、図4に示されている線111aが「接合線」に対応する。なお、本実施の形態では、指挿入空間111Xの中心線は、折り返し線120hが延びている方向に平行(略平行を含む)である。以下では、線111aを「接合線111a」という。本実施の形態では、接合線111aと折り返し線120hとの間の距離L4が、設定距離以上となるように、第1のシート部121と第2のシート部122を接合する接合部111が形成されている。設定距離としては、例えば、接合線111aと折り返し線120hとの間に、第1のシート部121と第2のシート部122によって、人差し指または人差し指と中指が挿入可能な挿入空間111Xが形成される距離が用いられる。これにより、例えば、図6に示されているように、化粧用パフ110の指挿入空間111Xに人差し指と中指を挿入した状態でパッティングすることができる。
本実施の形態では、指挿入空間111Xの方向(指挿入空間111Xの中心線の方向)、すなわち、折り返し線120hの方向(折り返し線120hが延びている方向)が、本発明の「一方向」に対応する。また、指挿入空間111Xの方向と交差する(直交する)方向、すなわち、折り返し線120hの方向と交差する(直交する)方向が、本発明の「一方向と交差する方向」に対応する。折り返し線120hの方向は、例えば、折り返し線120hの両端を結ぶ線の方向である。
また、本実施の形態では、第1のシート部121と第2のシート部122は、剥離可能に接合されている。第1のシート部121と第2のシート部122を剥離可能に接合する方法としては、種々の接合方法を用いることができる。好適には、熱エンボス加工方法やホットメルト接着方法が用いられる。
熱エンボス加工方法は、熱を加えながらエンボス加工を行う方法である。例えば、第1のシート部121と第2のシート部122が重ねられた積層体の一方側の面の所定の部分(エンボス部分)に、熱が加えられるとともに、力が加えられ、積層体の他方側の面の所定の部分が押し上げられる。これにより、積層体の他方側に凸状の加工形状(文字や模様)が形成されるとともに、第1のシート部121と第2のシート部122がエンボス部分で熱圧着される。第1のシート部121と第2のシート部122を熱エンボス加工によって接合した場合、化粧水等が接合部に浸透し難くなるため、接合部111の接合力の低下を抑制することができる。なお、エンボス形状によって、化粧用パフの見栄えも向上する。エンボス形状は、接合部111の接合力や視覚効果等を考慮して適宜選択される。
ホットメルト接着方法は、高温で溶融し、温度が低下すると固まって接着するホットメルト接着剤を用いて接着する方法である。例えば、第1のシート部121と第2のシート部122の接合箇所に、溶融したホットメルト接着剤を塗布した後、冷まして第1のシート部121と第2のシート部122を接合する。ホットメルト接着方法を用いて第1のシート部121と第2のシート部122を剥離可能に接合する場合には、容易に剥離可能なホットメルト接着剤を用いる。
本実施の形態では、熱エンボス加工方法を用いて、剥離可能な接合部111を形成している。
なお、図4では、折り返し線120hの方向に沿って連続している接合部111を形成しているが、折り返し線120hの方向に沿って、互いに離れている複数の接合部を形成することもできる。本明細書では、「方向に沿って」という記載は、典型的には、「方向に平行(略平行を含む)である」ことを意味する。例えば、折り返し線120hの方向に平行な1つの列に沿って複数の接合部を形成する。あるいは、折り返し線120hの方向に平行な第1の列に沿った複数の第1の接合部と第2の列に沿った複数の第2の接合部を、第1の接合部と第2の接合部が折り返し線120hの方向に沿って交互に配置されるように形成する。このように、折り返し線に沿って、互いに離れた箇所に接合部を形成することにより、端側の接合部が剥がれても、当該端側の接合部に隣接する接合部が連動して剥がれるのを防止することができる。
接合部の形状、配設箇所や間隔等は、適宜設定される。
また、本実施の形態では、第1のシート部121と第2のシート部122は、第1のシート部121の縁部120cおよび第2のシート部122の縁部120aより折り返し線120h側に離れた箇所で接合されている。本実施の形態では、第2のシート部122の縁部120aが第1のシート部121の縁部120cより折り返し線120h側に配置されるため、第1のシート部121と第2のシート部122は、第2のシート部122の縁部120aより折り返し線120h側に離れた箇所で接合されている。すなわち、第1のシート部121と第2のシート部122を接合する接合部111が、第2のシート部122の縁部120aより折り返し線120h側に、距離n2以上離れた箇所に形成されている。距離n2としては、例えば、1〜3mmが設定される。
これにより、第1のシート部121の縁部120cおよび第2のシート部122の縁部120aと接合部111の間の部分が接合されていないため、第1のシート部121の縁部120c側の部分および第2のシート部122の縁部120a側の部分を指で容易に掴むことができる。したがって、第1のシート部121の縁部120c側の部分および第2のシート部122の縁部120a側の部分を引き離す方向に容易に引っ張ることができ、第1のシート部121および第2のシート部122を接合部111の箇所で容易に剥離することができる。
なお、本実施の形態では、第1のシート部121の縁部120cと第2のシート部122の縁部120aが、指挿入空間の方向と交差する方向にずれて配置されている。これにより、第1のシート部121の縁部120c側の部分および第2のシート部122の縁部120a側の部分を、より容易に指で掴むことができ、第1のシート部121と第2のシート部122を接合部111の箇所でより容易に剥離することができる。
次に、本実施の形態の化粧用パフ110の使用方法を説明する。本実施の形態の化粧用パフ110は、以下の使用形態1〜5で使用することができる、
[使用形態1]
図4、図5に示されているように、第1のシート部121と第2のシート部122が重ねられた状態で使用する。使用形態1は、好適には、パッティングを行う際に用いられる。使用形態1では、第1のシート部121と第2のシート部122が重ねられているため、十分な厚さ(嵩)を有している。これにより、効果的にパッティングを行うことができる。
[使用形態2]
図6、図7に示されているように、折り返し線120hと接合部111によって、第1のシート部121と第2のシート部122の間に形成されている指挿入空間111Xの開口(縁部120b2と120b1により形成される開口あるいは縁部120d1と120d2により形成される開口)から指(例えば、人差し指と中指)を挿入した状態で使用する。使用形態2は、好適には、パッティングを行う際に用いられる。なお、使用形態2では、第1のシート部121の外側の面あるいは第2のシート部122の外側の面の一方を用いてパッティングが行われる。使用形態2では、厚さ(嵩)は、使用形態1より小さい。しかしながら、第1のシート部121と第2のシート部122の間に形成される指挿入空間111Xに指を挿入することができるため、化粧用パフ110の取り扱いが容易となる。これにより、短時間でパッティングを行うことができる。さらに、指挿入空間111Xが両端部で開口しているため、指挿入空間111X内への指の挿入が容易である。
[使用形態3]
図8に示されているように、第1のシート部121と第2のシート部122を穴120Hに沿って(穴120Hが形成されている折り返し線120hに沿って)切り離し、第1のシート部121と第2のシート部122を接合線111の箇所で広げた状態で使用する。使用形態3は、第1のシート部121と第2のシート部122を広げた大きさとすることができるため、好適には、目元のパック等の長い箇所をパックする際に用いられる。なお、使用形態3では、接合部111の箇所を指で摘むことができる。このため、使用形態3で使用する際における化粧用パフ110の取り扱いが容易である。
[使用形態4]
図9に示されているように、第1のシート部121と第2のシート部122を接合部111の箇所で剥離し、第1のシート部121と第2のシート部122を折り返し線120hの箇所で広げた状態で使用する。使用形態4は、第1のシート部121と第2のシート部122を広げた大きさとすることができるため、好適には、目元のパック等の長い箇所をパックする際に用いられる。なお、第1のシート部121と第2のシート部122を広げた場合の面積は、使用形態3より使用形態4の方が広い。このため、使用形態4で使用する際には、例えば、広いパック領域を得ることができる。使用形態4での使用を望む使用者のために、接合部111の箇所で第1のシート部121と第2のシート部122を剥離することを案内する指示部を設けてもよい。例えば、接合部111側に、目印や表示を設ける。
[使用形態5]
図10に示されているように、第1のシート部121と第2のシート部122を、穴120Hに沿って(穴120Hが形成されている折り返し線120hに沿って)切り離すとともに、接合部111の箇所で剥離し、第1のシート部121と第2のシート部122を分離した状態で使用する。使用形態5は、好適には、第1のシート部121と第2のシート部122を個別に用いたパック等に用いられる。
以上のように、本実施の形態の化粧用パフ110は、第1のシート部121と第2のシート部122が重ねられた状態(使用形態1)、指挿入空間111Xに指を挿入した状態(使用形態2)、第1のシート部121と第2のシート部122を広げた状態(使用形態3、使用形態4)、第1のシート部121と第2のシート部122を分離した状態(使用形態5)で使用することができる。これにより、使用性が向上する。
また、シート120を、穴120Hが形成された折り返し線120hに沿って折り返し、折り返し線120hから設定距離以上離れた箇所に剥離可能な接合部111を形成している。これにより、容易に製造することができる。
次に、本発明の化粧用パフの製造方法の実施の形態を、図1に示されている化粧用パフ製造装置を参照して説明する。図1に示されている化粧用パフの製造装置は、第1の実施の形態の化粧用パフ110を製造するものである。
本実施に形態の化粧用パフの製造方法(製造装置)は、工程S1〜S6(装置10〜60)により構成されている。ロール10には、シート100が巻かれている。シート100は、図1、図2に示されているシート120と同様に、内層シート120Aと外層シート120Bを有するエアレイド不織布シートである。
工程S1(引き出し工程)では、シート(エアレイド不織布シート)100が、ロール10から引き出される。
工程S2(穴加工工程)では、穴加工装置20によって、ロール10から引き出されたシート100に、折り返し線120hに沿って穴120Hが形成される。本実施の形態では、シート100の送り方向(矢印で示されている方向)に平行な折り返し線120hに沿ってミシン目120Hを加工するミシン目加工装置20が用いられている(図2参照)。
工程S3(塗布工程)では、塗布装置30によって、穴(ミシン目)120Hが形成されたシート100の両方の表面に、保湿剤と水を含む保湿液120Xが塗布される(図3参照)。
ステップS4(折り返し工程)では、折り返し装置40(図示省略)によって、保湿液120Xが塗布されたシート100が、折り返し線120hの個所で折り返され(折り畳まれ)、第1のシート部121と第2のシート部122が重ねられる(図4参照)。
工程S5(接合工程)では、接合装置50によって、重ねられた第1のシート部121と第2のシート部122に、折り返し線に平行(略平行を含む)に接合部111が形成される(図4、図5参照)。本実施の形態では、熱エンボス加工によって、剥離可能な接合部111が形成される。
工程S6(切断工程)では、接合部111によって第1のシート部121と第2のシート部122が接合されたシート100を所定の長さで切断し、化粧用パフ110を得る(図4、図5参照)。
本実施の形態では、工程S2、S4、S5、S6によって本願発明の「加工工程」が構成されている。塗布工程S3は、加工工程内の適宜の個所に配置することができる。
第1の実施の形態の化粧用パフ110では、1つのシート120によって構成したが、複数のシートによって構成することもできる。
第2の実施の形態の化粧用パフ210を、図11、図12を参照して説明する。本実施の形態の化粧用パフ210は、第1のシート221と第2のシート222により構成されている。第1のシート221、第2のシート222は、第1の実施の形態の化粧用パフ110で用いられているシート120と同様に、内層シート120Aと外層シート120Bを有するエアレイド不織布シートである。本実施の形態では、第1のシート221は、長さM1の縁部(短辺)221aおよび221cと、長さL2(L2>M1)の縁部(長辺)221bおよび221dを有する方形に形成されている。また、第2のシート222は、長さM1の縁部(短辺)222aおよび222cと、長さL3(L2>L3、L3>M1)の縁部(長辺)222bおよび222dを有する方形に形成されている。第1のシート221と第2のシート222の両側の表面には、保湿剤と水を含む保湿液222Xが塗布されている。保湿液222Xを塗布することにより、第1のシート221および第2のシート222は、保湿機能を有するとともに、柔軟性を有するようになる。また、後述するように、保湿液222Xに含まれている水によって、ロール(図1参照)10から引き出したシートの厚さ(嵩)の差が減少する。
本実施の形態では、第1のシート221が本発明の「第1のエアレイド不織布シート」あるいは「第1のエアレイド不織布シート部」に対応し、第2のシート222が本発明の「第2のエアレイド不織布シート」あるいは「第2のエアレイド不織布シート部」に対応し、第1のシート221と第2のシート222により構成されるシート210が本発明の「エアレイド不織布シート」に対応する。
第1のシート221と第2のシート222は、重ねられる。例えば、対応する、第1のシート221の縁部221aと第2のシート222の縁部222aが対峙する(対向する)ように重ねられる。ここで、第1のシート221の、縁部221aと交差する(直交する)縁部221bおよび221dの長さL2は、第2のシート222の、縁部222aに交差する(直交する)縁部222bおよび222dの長さL3より長い(L2>L3)。このため、第1のシート221と第2のシート222が、対応する縁部221aと222aが対峙する(対向する)ように重ねられると、図12に示されているように、第2のシート222の縁部222cは、第1のシート221の縁部221cより縁部222a(あるいは221a)側に、距離n1(=L2−L3)だけ離れた箇所に配置される。距離n1は、例えば、1〜3mmに設定される。第1のシート部221の縁部221cは、第1のシート部221の、縁部222aと対向する側の縁部である。また、第2のシート222の縁部222cは、第2のシート222の、縁部222aと対向する側の縁部である。
そして、第1のシート221と第2のシート222は、重ねられた状態で接合される。本実施の形態では、第1のシート221と第2のシート222の間に、両端が開口し、少なくとも1本の指が挿入可能な指挿入空間が形成されるように接合される。例えば、第1のシート221の縁部221a(あるいは第2のシート222の縁部222a)の方向に沿って、指挿入空間が形成されるように、縁部221a(あるいは縁部222a)の方向に交差する方向に離れた箇所で、第1のシート221と第2のシート222が接合される。本実施の形態では、第1のシート221の縁部221aおよび第2のシート222の縁部222a側に第1の接合部211が形成され、第1のシート221の縁部221c側(1つの縁部221aと対向する縁部側)および第2のシート222の縁部222c側(1つの縁部222aと対向する縁部側)に第2の接合部212が形成されている。
本実施の形態では、指挿入空間の中心線(対向する、第1のシート221の縁部221aあるいは第2のシート222の縁部222a)に平行(略平行を含む)であって、第1の接合部211を通る線のうち、指挿入空間の中心線に最も近い線、すなわち、縁部221aあるいは縁部222aから最も離れている(距離が最も長い)線211aを第1の接合線という。また、指挿入空間の中心線に平行(略平行を含む)であって、第2の接合部212を通る線のうち、指挿入空間の中心線に最も近い線、すなわち、縁部221aあるいは縁部222aに最も近い(距離が最も短い)線212aを第2の接合線という。本実施の形態では、第1の接合線211aと第2の接合線212a間の距離L4が設定距離以上となるように第1の接合部211と第2の接合部212が形成されている。設定距離としては、例えば、第1の接合部211と第2の接合部212によって、第1のシート221と第2のシート222の間に、人差し指または人差し指と中指が挿入可能な挿入空間が形成される距離が用いられる。これにより、例えば、化粧用パフ210の指挿入空間に人差し指と中指を挿入した状態でパッティングすることができる。
本実施の形態では、指挿入空間の中心線の方向、すなわち、第1のシート221の1つの縁部221aあるいは第2のシート222の縁部222aの方向が、本発明の「一方向」に対応する。また、指挿入空間の中心線と交差する(直交する)方向、すなわち、縁部221aあるいは縁部222aの方向と交差する(直交する)方向が、本発明の「一方向と交差する方向」に対応する。縁部221a(縁部222a)の方向は、例えば、縁部221a(222a)の両端を結ぶ線の方向である。
また、第1のシート221と第2のシート222は、剥離可能に接合されている。第1のシート221と第2のシート222を剥離可能に接合する方法としては、例えば、前述した熱エンボス加工方法やホットメルト接着方法を用いることができる。本実施の形態では、熱エンボス加工方法を用いている。
第1のシート221と第2のシート222を、剥離可能な第1の接合部211および第2の接合部212によって接合することにより、第1のシート221と第2のシート222を第1の接合部211の個所と第2の接合部212の一方の個所あるいは両方の箇所で剥離することができる。
第1の接合部211および第2の接合部222は、第2の実施の形態のように、1つの列に沿って連続して形成してもよいし、1つの列に沿って設定距離離れた個所に形成してもよいし、平行(略平衡を含む)な第1の列に沿った複数の接合部と第2の列に沿った複数の接合部が、列の方向に沿って交互に配置されるように形成してもよい。これにより、化粧用パフの使用中に、端側の接合部が剥離した場合に、第1のシート212と第2のシート222が剥がれるのを防止することができる。
また、本実施の形態では、第1の接合部211(一方の接合部)は、第1のシート221の縁部221aおよび第2のシート222の縁部222aの近傍に形成されている。一方、第2の接合部212(他方の接合部)は、第1のシート221の縁部221cおよび第2のシート222の縁部222cより、第1のシート221の縁部221a(あるいは第2のシート222の縁部222a)側に離れた箇所に形成されている。ここで、本実施の形態では、第2のシート222の縁部222cは、第1のシート221の縁部221cより縁部212a(あるいは222a)側に配置されている。このため、第2の接合部212は、第2のシート222の縁部222cより縁部212a(あるいは222a)側に、距離n2離れた箇所に形成されている。すなわち、第1のシート221の縁部221aおよび第2のシート222の縁部222a(指挿入空間の中心線に交差する方向の一方側の方向の縁部)と第1の接合線211(一方の接合線)との間の距離が、第1のシート221の縁部221cおよび第2のシート222の縁部222c(指挿入空間の中心線に交差する方向の他方側の方向の縁部)と第2の接合線212(他方の接合線)との間の距離より短くなるように、第1の接合部211および第2の接合部212が形成されている。距離n2は、例えば、1〜3mmに設定される。
本実施の形態では、第1のシート221の縁部221cおよび第2のシート222の縁部222cと第2の接合部212の間が接合されていないため、第1のシート221の縁部221c側の部分および第2のシート222の縁部222c側の部分を指で容易に掴むことができる。これにより、第1のシート221の縁部221c側の部分および第2のシート222の縁部222c側の部分を引っ張って、第1のシート221と第2のシート222を第2の接合部212の箇所を剥離させることができる。
また、本実施の形態では、第1の接合部211が、第1のシート221の縁部221aおよび第2のシート222の縁部222aの近傍に形成されている。このため、第1のシート221と第2のシート222を第2の接合部212の箇所で剥離し、第1の接合線211aの箇所で広げた場合、第1のシート221と第2のシート222の総面積に近い面積を得ることができる。
なお、第1のシート221と第2のシート222を第2の接合部212の箇所から優先的に剥離させる場合には、第1の接合部211として、第2の接合部212の接合力より高い接合力を有する接合部を形成するのが好ましい。また、例えば、第2の接合部212側に目印や表示等の指示部を設け、接合部212の箇所から第1のシート221と第2のシート222を剥離するように案内するのが好ましい。
また、本実施の形態では、第2のシート222の縁部222cが、第1のシート221の縁部221cより第2のシート222の縁部222aあるいは第1のシート221の縁部221a側(指挿入空間の中心線側)に離れた箇所に配置されている。これにより、第1のシート221の縁部221c側の部分および第2のシート222の縁部221c側の部分を指で掴む操作がより容易である。
本実施の形態の化粧用パフ210は、以下の使用形態を選択することができる。
[使用形態1]
第1のシート221と第2のシート222が重ねられた状態で使用する。
[使用形態2]
第1の接合部211と第2の接合部212の間に、第1のシート221と第2のシート222により形成される指挿入空間の開口から指(例えば、人差し指と中指)を挿入した状態で使用する。
[使用形態3]
第1のシート221と第2のシート222を第2の接合部212の箇所で剥離し、第1のシート221と第2のシート222を第1の接合線211aの箇所で広げた状態で使用する。
なお、第1のシート221と第2のシート222を第1の接合部211および第2の接合部212の箇所で剥離可能である場合には、第1の接合部211として第2の接合部212より接合力が大きい接合部を用いるのが好ましい。また、例えば、第2の接合部212側に目印や切れ目等の指示部を設け、第2の接合部212の箇所で第1のシート221と第2のシート222を剥離するように案内するのが好ましい。
[使用形態4]
第1のシート221と第2のシート222を第1の接合部211の箇所で剥離し、第1のシート221と第2のシート222を第2の接合線212aの箇所で広げた状態で使用する。
[使用形態5]
第1のシート221と第2のシート222を第1の接合部211および第2の接合部212の箇所で剥離し、第1のシート221と第2のシート222を分離した状態で使用する。
第2の実施の形態の化粧用パフ210を製造する場合には、図1に示されている化粧用パフの製造方法(製造装置)の穴加工工程S2が省略され、折り返し工程S4が、保湿液が塗布された第1のシート221と第2のシート222を重ねる重ね工程に変更される。
本発明の効果を定量的に確認するために、以下の実施例1〜3と比較例1〜7について、性能評価を行った。この性能評価では、ロールの中心側に巻かれていた不織布シートとロールの外周側に巻かれていた不織布シートそれぞれについて、ロールから引き出した時点のシートの厚さ(嵩)と、ロールから引き出し、加工してから1日経過した時点の厚さ(嵩)を測定した。なお、実施例1〜3および比較例1〜4では、ロールから引き出した不織布シートの表面に加湿液を塗布し、加湿液を塗布した不織布シートを加工した(塗布後加工)。また、比較例5〜7では、不織布シートの表面に加湿液を塗布し、加湿液を塗布した不織布シートをロールに巻き付け、ロールから引き出した不織布シートを加工した(塗布後巻取)。測定結果は、図13に示されている。
図13において、「中心側(加工前)の厚さ」は、ローラの中心側に巻かれていた不織布シートをローラから引き出した時点における不織布シートの厚さ(加工される前の不織布シートの厚さ)を示している(以下、単に「巻き芯厚さ(加工前)」という)。「外周側(加工前)の厚さ」は、ローラの外周側に巻かれていた不織布シートをローラから引き出した時点における不織布シートの厚さ(加工される前の厚さ)を示している(以下、単に「巻き外厚さ(加工前)」という)。「中心側(加工後)の厚さ」は、ローラの中心側に巻かれていたシートをローラから引き出し、引き出した不織布シートを加工してから1日経過した時点における不織布シートの厚さ(加工した後の厚さ)を示している(以下、単に「巻き芯厚さ(加工後)」という)。また、「外周側(加工後)の厚さ」は、ローラの外周側に巻かれていた不織布シートをローラから引き出し、引き出した不織布シートを加工してから1日経過した時点における不織布シートの厚さを示している(以下、単に「巻き外厚さ(加工後)」という)。
厚さ(嵩)は、小型測圧器(大栄科学精器製作所製、型式;CR−10A)を用い、プレッサーフート(1cm(φ5mm))にて、圧力(20gf/cm)を印加して測定した。
(実施例1)
実施例1では、針葉樹晒クラフトパルプ繊維(NBKP)(パルプ繊維長:2.58mm、パルプ繊維重量:0.20mg/m)により構成され、エアレイド法によって製造されたエアレイド不織布シート(目付:およそ60g/m)を用いた。そして、このエアレイド不織布シートをローラに巻き付け、ローラから引き出したエアレイド不織布シートの両方の表面に、保湿液(グリセリン:水=90重量%:10重量%)を、シート重量に対して20重量%塗布し、その後加工した。
(実施例2)
実施例2では、針葉樹晒クラフトパルプ繊維(NBKP)(パルプ繊維長:2.58mm、パルプ繊維重量:0.20mg/m)によって構成され、エアレイド法によって製造されたエアレイド不織布シート(目付:およそ60g/m)を用いた。そして、このエアレイド不織布シートをローラに巻き付け、ローラから引き出したエアレイド不織布シートの両方の表面に、保湿液(グリセリン:水=70重量%:30重量%)を、シート重量に対して20重量%塗布し、その後加工した。
(実施例3)
実施例3では、針葉樹晒クラフトパルプ繊維(NBKP)(パルプ繊維長:2.58mm、パルプ繊維重量:0.20mg/m)によって構成され、エアレイド法によって製造されたエアレイド不織布シート(目付:およそ60g/m)を用いた。そして、このエアレイド不織布シートをローラに巻き付け、ローラから引き出したエアレイド不織布シートの両方の表面に、保湿液(グリセリン:水=50重量%:50重量%)を、シート重量に対して20重量%塗布し、その後加工した。
(比較例1)
比較例1では、針葉樹晒クラフトパルプ繊維(NBKP)(パルプ繊維長:2.58mm、パルプ繊維重量:0.20mg/m)によって構成され、エアレイド法によって製造されたエアレイド不織布シート(目付:およそ60g/m)を用いた。そして、このエアレイド不織布シートをローラに巻き付け、ローラから引き出したエアレイド不織布シートの両方の表面に、保湿液(グリセリン:水=100重量%:0重量%)を、シート重量に対して20重量%塗布し、その後加工した。
(比較例2)
比較例2では、針葉樹晒クラフトパルプ繊維(NBKP)(パルプ繊維長:2.58mm、パルプ繊維重量:0.20mg/m)によって構成され、エアレイド法によって製造されたエアレイド不織布シート(目付:およそ60g/m)を用いた。そして、このエアレイド不織布シートをローラに巻き付け、ローラから引き出したエアレイド不織布シートの両方の表面に、保湿液(グリセリン:水=97重量%:3重量%)を、シート重量に対して20重量%塗布し、その後加工した。
(比較例3)
比較例3では、針葉樹晒クラフトパルプ繊維(NBKP)(パルプ繊維長:2.58mm、パルプ繊維重量:0.20mg/m)によって構成され、エアレイド法によって製造されたエアレイド不織布シート(目付:およそ60g/m)を用いた。そして、このエアレイド不織布シートをローラに巻き付け、ローラから引き出したエアレイド不織布シートの両方の表面に、保湿液(グリセリン:水=40重量%:60重量%)を、シート重量に対して20重量%塗布し、その後加工した。
(比較例4)
比較例4では、針葉樹晒クラフトパルプ繊維(NBKP)(パルプ繊維長:2.58mm、パルプ繊維重量:0.20mg/m)によって構成され、エアレイド法によって製造されたエアレイド不織布シート(目付:およそ60g/m)を用いた。そして、このエアレイド不織布シートをローラに巻き付け、ローラから引き出したエアレイド不織布シートの両方の表面に、保湿液(グリセリン:水=0重量%:100重量%)を、シート重量に対して20重量%塗布し、その後加工した。
(比較例5)
比較例5では、針葉樹晒クラフトパルプ繊維(NBKP)(パルプ繊維長:2.58mm、パルプ繊維重量:0.20mg/m)によって構成され、エアレイド法によって製造されたエアレイド不織布シート(目付:およそ60g/m)を用いた。そして、このエアレイド不織布シートの両方の表面に、保湿液(グリセリン:水=70重量%:30重量%)を、シート重量に対して20重量%塗布した後ローラに巻き付け、ローラから引き出したエアレイド不織布を、そのまま加工した。
(比較例6)
比較例6では、内層部を形成する針葉樹晒クラフトパルプ繊維(NBKP)と、外層部を形成するレーヨン繊維によって構成され、ウォータージェット法により製造されたスパンレース不織布シート(目付:およそ60g/m)を用いた。そして、このスパンレース不織布シートの両方の表面に、保湿液(グリセリン:水=70重量%:30重量%)を、シート重量に対して20重量%塗布した後、ローラに巻き付け、ローラから引き出したスパンレース不織布シートを、そのまま加工した。
(比較例7)
比較例7では、熱融着繊維(ESC)により構成され、エアスルー法によって製造されたエアスルー不織布シート(目付:およそ40g/m)を用いた。そして、このエアスルー不織布シートの両方の表面に、保湿液(グリセリン:水=70重量%:30重量%)を、シート重量に対して20重量%塗布した後、ローラに巻き付け、ローラから引き出したエアスルー不織布シートを、そのまま加工した。
図13に示されている実施例1〜3と比較例1〜7の測定結果から、以下のように評価される。
不織布シートの表面に保湿液を塗布した後にローラに巻き付け、ローラから引き出し不織布シートを加工する場合には(塗布後巻取)、比較例5のエアレイド不織布シート、比較例7のエアスルー不織布シートのいずれを使用しても、「巻き芯厚さ(加工後)」が「巻き外厚さ(加工後)」の80%以下(差が20%以上)である。さらに、比較例6のスパンレース不織布シートを使用した場合には、「巻き外厚さ(加工後)」および「巻き芯厚さ(加工後)」が共に小さい。
また、ローラから引き出したエアレイド不織布シートの表面に保湿液を塗布した後、保湿液が塗布されたエアレイド不織布シートを加工する場合でも、比較例1のように、(グリセリン:水=100重量%:0重量%)の配合率を有する保湿液を使用すると、「巻き外厚さ(加工後)」と「巻き芯厚さ(加工後)」の差が大きい(20%以上)。一方、比較例4のように、(グリセリン:水=0重量%:100重量%)の配合率を有する保湿液を使用すると、「巻き外厚さ(加工後)」と「巻き芯厚さ(加工後)」の差は小さい(20%以下)。しかしながら、保湿液に含まれている水が多いため、水が自然乾燥すると、柔らかさを維持することができない。図13に示されている測定結果から、(グリセリン:水=100重量%:0重量%)(比較例1)〜(グリセリン:水=97重量%:3重量%)(比較例2)の範囲の配合率を有する保湿液、すなわち、水の配合率が(0重量%〜3重量%)である保湿液を使用した場合には、「巻き外厚さ(加工後)」と「巻き芯厚さ(加工後)」の差が大きい(20%以上)。また、(グリセリン:水=40重量%:60重量%)(比較例3)〜(グリセリン:水=0重量%:100重量%)(比較例4)の範囲の配合率を有する保湿液を使用した場合には、「巻き外厚さ(加工後)」と「巻き芯厚さ(加工後)」の差は小さい(20%以下)が、水が自然乾燥した後の柔らかさを維持することができない。なお、(グリセリン:水=90重量%:10重量%)〜(グリセリン:水=50重量%:50重量%)(実施例1、2、3)の範囲の配合率を有する保湿液、すなわち、水の配合率が(10重量%〜50重量%)の範囲である保湿液を使用した場合には、巻き外厚さ(加工後)」と「巻き芯厚さ(加工後)」の差が安定して小さい。
したがって、ロールから引き出したエアレイド不織布シートの面の塗布する保湿液としては、(グリセリン:水=96重量%:4重量%)〜(グリセリン:水=41重量%:59重量%)、好適には、(グリセリン:水=90重量%:10重量%)〜(グリセリン:水=50重量%:50重量%)の範囲の配合率を有する保湿液、すなわち、水の配合率が(4重量%〜59重量%)、好適には、(10重量%〜50重量%)の範囲の保湿液を使用することにより、柔らかさを維持させながら、「巻き外厚さ(加工後)」と「巻き芯厚さ(加工後)」の差を減少させることができる。
以上は、「巻き外厚さ(加工後)」と「巻き芯厚さ(加工後)」の差、すなわち、ロールから引き出した不織布シートの厚さの差を減少させることに注目したが、化粧水等を含浸した(保水した)状態で使用者の肌をパッティングする際における離水性能も化粧用パフの重要な機能である。
そこで、化粧用パフの離水性能を定量的に確認するために、実施例4〜10と比較例8、9について、ウェット時加重後回復率、一括離水率、分割離水率(化粧水等の放出量)を測定した。
なお、「ウェット時加重後回復率」は、ウェット状態の評価片に所定の力を印加した後、所定の力の印加を解除した場合における、評価片の厚さの回復度合いを示す。「分割離水率」は、ウェット状態の評価片に所定の力を複数回に分けて印加した場合における、評価片から離水(放水)される水分量(離水度合い)を示す。「一括離水率」は、ウェット状態の評価片に所定の力を印加した場合における、評価片から一度に離水される水分量(離水度合い)を示す。
(実施例4)
実施例4では、針葉樹晒クラフトパルプ繊維(NBKP)(パルプ繊維長:2.58mm、パルプ繊維重量:0.20mg/m)を含む内層シート(目付:およそ60g/m)と、レーヨン繊維(1.7dt×29mm)を含む外層シートにより構成され、パルプ繊維とレーヨン繊維の混合比率(重量%)が[93:7]であるエアレイド不織布シートを用いた。また、バインダー(典型的には、スチレン・ブタジエンゴム)が、12.5重量%の混合比率で含まれている。そして、このエアレイド不織布シートを実施例4の評価片とした。
(実施例5)
実施例5は、針葉樹晒クラフトパルプ繊維(NBKP)(パルプ繊維長:2.58mm、パルプ繊維重量:0.20mg/m)およびポリエチレンテレフタレート繊維(2.2dt×5mm)を含む内層シート(目付:およそ60g/m)と、レーヨン繊維(1.7dt×29mm)を含む外層シートにより構成され、パルプ繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維およびレーヨン繊維の混合比率(重量%)が[93:10:7]であるエアレイド不織布シートを用いた。また、実施例4と同様のバインダーが、混合比率12.5重量%で含まれている。そして、このエアレイド不織布シートを実施例5の評価片とした。
(実施例6)
実施例6は、針葉樹晒クラフトパルプ繊維(NBKP)(パルプ繊維長:2.58mm、パルプ繊維重量:0.20mg/m)およびポリエチレンテレフタレート繊維(2.2dt×5mm)を含む内層シート(目付:およそ60g/m)と、レーヨン繊維(1.7dt×29mm)を含む外層シートにより構成され、パルプ繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維およびレーヨン繊維の混合比率(重量%)が[73:20:7]であるエアレイド不織布シートを用いた。また、実施例4と同様のバインダーが、混合比率12.5重量%で含まれている。そして、このエアレイド不織布シートを実施例6の評価片とした。
(実施例7)
実施例7は、針葉樹晒クラフトパルプ繊維(NBKP)(パルプ繊維長:2.58mm、パルプ繊維重量:0.20mg/m)およびポリエチレンテレフタレート繊維(2.2dt×5mm)を含む内層シート(目付:およそ60g/m)と、レーヨン繊維(1.7dt×29mm)を含む外層シートにより構成され、パルプ繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維およびレーヨン繊維の混合比率(重量%)が[63:30:7]であるエアレイド不織布シートを用いた。また、実施例4と同様のバインダーが、混合比率12.5重量%で含まれている。そして、このエアレイド不織布シートを実施例7の評価片とした。
(実施例8)
実施例8は、針葉樹晒クラフトパルプ繊維(NBKP)(パルプ繊維長:2.58mm、パルプ繊維重量:0.20mg/m)およびポリエチレンテレフタレート繊維(2.2dt×5mm)を含む内層シート(目付:およそ60g/m)と、レーヨン繊維(1.7dt×29mm)を含む外層シートにより構成され、パルプ繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維およびレーヨン繊維の混合比率(重量%)が[63:30:7]であるエアレイド不織布シートを用いた。また、実施例4と同様のバインダーが、混合比率7.5重量%で含まれている。そして、このエアレイド不織布シートを実施例8の評価片とした。
(実施例9)
実施例9は、針葉樹晒クラフトパルプ繊維(NBKP)(パルプ繊維長:2.58mm、パルプ繊維重量:0.20mg/m)およびポリエチレンテレフタレート繊維(2.2dt×5mm)を含む内層シート(目付:およそ60g/m)と、レーヨン繊維(1.7dt×29mm)を含む外層シートにより構成され、パルプ繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維およびレーヨン繊維の混合比率(重量%)が[63:30:7]であるエアレイド不織布シートを用いた。また、実施例4と同様のバインダーが、混合比率15.0重量%で含まれている。そして、このエアレイド不織布シートを実施例9の評価片とした。
(実施例10)
実施例10は、針葉樹晒クラフトパルプ繊維(NBKP)(パルプ繊維長:2.77mm、パルプ繊維重量:0.24mg/m)およびポリエチレンテレフタレート繊維(2.2dt×5mm)を含む内層シート(目付:およそ60g/m)と、レーヨン繊維(1.7dt×29mm)を含む外層シートにより構成され、パルプ繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維およびレーヨン繊維の混合比率(重量%)が[63:30:7]であるエアレイド不織布シート10を用いた。また、実施例1と同様のバインダーが、混合比率12.5重量%で含まれている。そして、このエアレイド不織布シートを実施例10の評価片とした。
(比較例8)
比較例8は、繊維径が相対的に細い針葉樹晒クラフトパルプ繊維(NBKP)(パルプ繊維長:2.42mm、パルプ繊維重量:0.17mg/m)を含む内層シート(目付:およそ60g/m)により構成されるエアレイド不織布シートを用いた。また、実施例4と同様のバインダーが、混合比率を10.0重量%で含まれている。そして、このエアレイド不織布シートを比較例6の評価片とした。
(比較例9)
比較例9は、繊維径が相対的に細い針葉樹晒クラフトパルプ繊維(NBKP)(パルプ繊維長:2.42mm、パルプ繊維重量:0.17mg/m)を含む内層シート(目付:およそ60g/m)と、レーヨン繊維(1.7dt×29mm)を含む外層シートにより構成され、パルプ繊維とレーヨン繊維の混合比率(重量%)が[93:7]であるエアレイド不織布シートを用いた。また、実施例4と同様のバインダーが、混合比率を12.5重量%で含まれている。そして、このエアレイド不織布シートを比較例7の評価片とした。
ウェット時加重後回復率、分割離水率、一括離水率は、以下の方法で測定した。
(ウェット時加重後回復率)
小型測厚器(大栄科学精器製作所製、型式:CR−10A)を用いて、寸法が[50mm×50mm]のウェット状態(2mlの試験液が含浸されている状態)の各評価片に対して、プレッサーフート(1cm(φ11.28mm))により第1の圧力(1.96kPa(20gf/cm))及び第2の圧力(3.92kPa(40gf/cm))を印加し、厚さを測定した。そして、第1の圧力印加時における厚さの測定値をDa、第2の圧力印加時における厚さの測定値をDb、再度第1の圧力を印加した時の厚さの測定値をDcとし、式[(Dc−Db)/Db×100]を用いてウェット時加重後回復率(%)を算出した。
(分割離水率)
寸法が[50mm×50mm]のウェット状態(2mlの試験液が含浸されている状態)の各評価片に、寸法が[50mm×50mm]のろ紙を重ね合わせた後、所定圧力[34.6kgf/cm]を3段階に分けて印加した。そして、それぞれの圧力印加後に、各評価片からろ紙に離水した水分量を算出した。
具体的には、第1のステップでは、試験液の重量Wdと、ろ紙10枚の重量Weを予め測定し、ウェット状態の各評価片の上に、このろ紙10枚(重量We)を重ねた。次に、このろ紙の上から所定圧力[34.6kgf/cm]を5秒間印加した後、ろ紙10枚の重量Wfを測定した。そして、式[(Wf−We)/Wd×100]を用いて1回目の離水率(%)を算出した。
第1のステップに続く第2のステップでは、新たなろ紙10枚の重量Wgを測定するとともに、このろ紙10枚(重量Wg)を第1のステップで得た各評価片の上に重ねた。次に、このろ紙の上から所定圧力[34.6kgf/cm]を5秒間印加した後、ろ紙10枚の重量Whを測定した。そして、式[(Wh−Wg)/Wd×100]を用いて2回目の離水率(%)を算出した。
第2のステップに続く第3のステップでは、新たなろ紙10枚の重量Wiを測定するとともに、このろ紙10枚(重量Wi)を第2のステップで得た各評価片の上に重ねた。次に、このろ紙の上から所定圧力[34.6kgf/cm]を5秒間印加した後、ろ紙10枚の重量Wjを測定した。そして、式[(Wj−Wi)/Wd×100]を用いて3回目の離水率(%)を算出した。
(一括離水率)
寸法が50×50mmのウェット状態(2mlの試験液が含浸されている状態)の各評価片に、寸法が50×50mmのろ紙を重ねた後、所定圧力(17.5kgf/cm)を印加する。そして、各評価片からろ紙に離水した水分量を算出した。具体的には、試験液の重量Waと、ろ紙10枚の重量Wbを予め測定し、ウェット状態の各評価片の上に、このろ紙10枚(重量Wb)を重ねた。次に、ろ紙の上から前記所定圧力(17.5kgf/cm)を15秒間印加した後、ろ紙10枚の重量Wcを測定した。そして、[(Wc−Wb)/Wa×100]で示される式によって一括離水率(%)を算出した。
実施例4〜10および比較例8、9の測定結果は、図14に示されている。図14に示されている測定結果から、以下のように評価される。
(ウェット時加重後回復率の評価結果)
実施例4〜10の各試験片のウェット時加重後回復率は、いずれも7%以上であり、比較例8、9のウェット時加重後回復率は、いずれも7%未満である。すなわち、実施例4〜10は、比較例8、9に比べて、ウェット時加重後回復性能が優れていることが確認された。これにより、例えば、化粧水を含浸させた化粧用パフを使用してパッティングを行う場合に、化粧水の十分な放出量を確保することができる。また、化粧水の放出性が良いため、化粧水を無駄にせず経済的である。
(一括離水率の評価結果)
実施例4〜10の一括離水率は、いずれも75%以上であり、比較例8、9の一括離水率は、いずれも75%未満である。すなわち、実施例4〜10は、比較例8、9に比べて、一括離水性能が優れていることが確認された。これにより、例えば、化粧水を含浸させた化粧パフを使用してパッティングを行う場合に、軽い力でパッティングを行っても化粧水の十分な放出量を確保することができる。言い換えれば、肌に負担をかけるような強い力でパッティングを行う必要がない。
(分割離水率の評価結果)
実施例4〜10の(1回目+2回目)離水率は、いずれも85%以上であり、(1回目+2回目+3回目)離水率は、いずれも90%以上である。また、比較例8、9は、(1回目+2回目)離水率が、85%未満であり、(1回目+2回目+3回目)離水率が、90%未満である。すなわち、実施例4〜10は、比較例8、9に比べて、分割での離水性能が優れていることが確認された。これにより、例えば化粧水を含浸させた化粧パフを使用して複数回にわけてパッティングを行う場合に、化粧水の放出量が確保された状態を継続することが可能となる。パッティングを複数回にわけて行い化粧水を重ねつけすることで、肌水分量を増加させることができる。
以上のように、実施例4〜10に相当するエアレイド不織布シートを使用することによって、化粧水を含浸させた化粧用パフを使用者の肌にパッティングする際に、パッティング力に応じて化粧水の放出量を適正化することができる。
具体的には、実施例4〜10に相当するエアレイド不織布シートは、いずれも、単位長さ当たりの繊維重量が0.20mg/m以上であるパルプ繊維を含んでいる。このようなパルプ繊維は、平均ポアサイズ(繊維間の空隙部分の径)が100μm以上であり、骨格構造が強いため、ウェット時加重後回復率、一括離水率および分割離水率を高めることができる。これにより、繊維と繊維との間の空間部分に保水している化粧水を徐々に外層部に吐き出すことができる。
また、実施例5〜9に相当するエアレイド不織布シートは、いずれも、ポリエチレンテレフタレート繊維を10〜50重量%の割合で含んでいる。これにより、ウェット時加重後回復率、一括離水率および分割離水率を更に高めることができる。したがって、繊維と繊維との間の空間部分に保水している化粧水を徐々に外層部に吐き出す効果を更に高めることができる。
また、実施例4〜10に相当するエアレイド不織布シートは、レーヨン繊維を含む外層部を有している。これにより、化粧用パフ使用時の肌触りが滑らかになる。なお、外層部のうちのいずれか一方の外層部をレーヨン繊維によって構成することもできる。
なお、エアレイド不織布シートには、バインダーが含まれる。バインダーとしては、典型的には、スチレン・ブタジエンゴムが用いられる。また、エアレイド不織布シートに含まれるバインダーの混合比率は、5〜15重量パーセントに設定するのが好ましい。バインダーの混合比率が5重量パーセントを下回ると、ウェット時加重後回復率が低くなり、また、1回目の離水量が多くなる。一方、バインダーの混合比率が15重量パーセントを上回ると、素材が硬くなり、化粧用パフに適さないものとなる。
また、エアレイド不織布シートは、疎水性合成繊維であるポリエチレンテレフタレート繊維が含まれているのが好ましい。ポリエチレンテレフタレート繊維の含有比率は、10〜50重量パーセントに設定するのが好ましい。ポリエチレンテレフタレート繊維の含有比率が50重量パーセントを上回ると、吸水した化粧水の殆どが1回目のパッティングで放出される。さらに、ポリエチレンテレフタレート繊維の量が増えることで、コストが高くなる。なお、他の疎水性合成繊維を、ポリエチレンテレフタレート繊維に代えて用いてもよいし、あるいは、ポリエチレンテレフタレート繊維に加えることもできる。他の疎水性合成繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維(PP)、ポリエチレン繊維(PE)、ナイロン繊維を用いることができる。
本発明は、実施の形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
実施の形態で説明した各構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択した複数の構成を組み合わせることもできる。
保湿液をエアレイド不織布シートの両側の表面に塗布したが、エアレイド不織布シートの少なくとも一方側の表面に塗布されていればよい。
外層部を内層部の両側に設けたが、外層部は、内層部の少なくとも一方側に設けられていればよい。さらには、外層部は省略することもできる。
異なる形状を有する第1のシート部121と第2のシート部122(あるいは、第1のシート221と第2のシート222)を用いたが、同じ形状を有する第1のシート部と第2のシート部(あるいは、第1のシートと第2のシート)を用いることもできる。さらに、第1のシート部と第2のシート部(あるいは、第1のシートと第2のシート)の形状は方形に限定されない。
化粧用パフの構成は、実施の形態で説明した構成に限定されない。
化粧用パフを製造する方法は、実施の形態で説明した方法に限定されない。
10 ロール
20 穴加工装置(ミシン目加工装置)
30 塗布装置
40 折り返し装置
50 接合装置
60 切断装置
110、210 化粧用パフ
111 接合部
111a、211a、212a 接合線
100、120 シート
120A 内層シート(内層部)
120B 外層シート(外層部)
120X、120Y、221X、221Y、222X、222Y 保湿液
111X 指挿入空間
120a〜120d、120b1、120b2、120d1、120d2、221a〜221d、222a〜222d 縁部
120h 折り返し線
120H 穴(ミシン目)
121 第1のシート部
122 第2のシート部
211 第1の接合部
211a 第1の接合線
212 第2の接合部
212a 第2の接合線
221 第1のシート(第1のシート部)
222 第2のシート(第2のシート部)

Claims (9)

  1. 化粧用パフであって、
    パルプ繊維を含むエアレイド不織布シートを備え、
    前記エアレイド不織布シートの表面には、保湿剤と水を含む保湿液が塗布されており、前記保湿液は、水を4〜59重量%の割合で含んでいることを特徴とする化粧用パフ。
  2. 請求項1に記載の化粧用パフであって、
    前記エアレイド不織布シートは、パルプ繊維と疎水性合成繊維を含んでいることを特徴とする化粧用パフ。
  3. 請求項2に記載の化粧用パフであって、
    前記エアレイド不織布シートは、疎水性合成繊維を10〜50重量%の割合で含んでいることを特徴とする化粧用パフ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の化粧用パフであって、
    前記エアレイド不織布シートは、パルプ繊維の単位長さ当たりの繊維重量が0.2mg/m以上に設定されていることを特徴とする化粧用パフ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の化粧用パフであって、前記エアレイド不織布シートは、少なくとも一方側の外層部がレーヨン繊維により形成されていることを特徴とする化粧パフ。
  6. 化粧用パフの製造方法であって、
    パルプ繊維を含むエアレイド不織布シートをロールから引き出す引出工程と、
    前記ロールから引き出したエアレイド不織布シートを加工して化粧用パフを製造する加工工程を備え、
    前記加工工程には、前記エアレイド不織布シートの表面に、保湿剤と水を含む保湿液を塗布する塗布工程が含まれていることを特徴とする化粧用パフの製造方法。
  7. 請求項6に記載の化粧用パフの製造方法であって、
    前記塗布工程では、水を4〜59重量%の割合で含んでいる保湿液を塗布することを特徴とする化粧用パフの製造方法。
  8. 請求項6または7に記載の化粧用パフの製造方法であって、
    前記エアレイド不織布シートは、パルプ繊維の単位長さ当たりの繊維重量が0.2mg/m以上に設定されていることを特徴とする化粧用パフ。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の化粧用パフの製造方法であって、
    前記エアレイド不織布シートは、パルプ繊維と疎水性合成繊維を含んでいることを特徴とする化粧用パフ。
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