JP2010227240A - あぶらとり紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】填料無添加、柔らかい肌触り、汗や皮脂などの吸液性がよい及び低コスト製造が可能のすべてを満足するあぶらとり紙を提供する。
【解決手段】植物性繊維パルプを原料とする原紙からなるあぶらとり紙であって、植物性繊維パルプには竹パルプが含まれている。
【選択図】図1

Description

本発明は、顔の皮膚から皮脂等を除去する際に使用されるあぶらとり紙に関する。
人の顔面の頬,鼻,額等は汗や皮脂の分泌が多く、その部分では汗,皮脂等が浮き、化粧崩れを起こし易い。皮脂が浮いたまま化粧をすると、皮膚に化粧料が馴染まないため、顔面の皮脂分を取り除いてから化粧をするのが一般的である。この皮脂を取り除くために、古くから、あぶらとり紙が使用されている。
このあぶらとり紙の起源は、金箔の製造にあたって、金地金を叩き広げる際、地金をはさむために用いられてきた専用の和紙、箔打紙を転用したものであり、三椏,楮,雁皮に特殊な泥を混入して漉いた紙が使われている。このような箔打紙を原紙としたあぶらとり紙は、その製造に非常に手間がかかるために、生産量も限られており、価格も非常に高いものとなっている。そのうえ、もともとの用途として金箔打ちの合紙として泥等を卵白等で固めていることもあり、吸油性、肌触り等が充分でない。
一方、近年、あぶらとり紙は化粧時のみに使用するだけでなく、にきび予防、顔のテカリ防止などにも使用されており、利用者層も、女子大生、女子高生、更には男性までにも広がっていることから、安価に製造できるあぶらとり紙(以下「安価なあぶらとり紙」と言う)が市場に出回ってきている。この安価なあぶらとり紙には、主に、植物原料からなるマニラ麻(アバカ)、亜麻、黄麻、サイザル麻、ケナフ、雁皮、楮、三椏などの靭皮繊維又は木材パルプから選ばれた少なくとも一種以上を単独か又は混合して作られた原紙が使用されている。そして、この原紙に対し、箔打ち工程、スーパーカレンダー又は高圧プレス等の加工を施し紙の密度を向上させることにより、安価なあぶらとり紙が製造される。
近年、あぶらとり紙においては、皮脂の吸油性能を向上させるべく多くの添加剤を導入する開発および品質改良あるいは使用法の改良が行われている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載のあぶらとり紙においては、吸油性を向上させるために填料を添加するとともに、隣接する吸い取り領域への液体の拡散を抑制する拡散抑制剤を配置している。このようなあぶらとり紙においては、皮脂成分の一回あたりの紙層内への拡散を抑制し給油性能を向上させることができるが、拡散防止剤により表面が堅くなるという問題点を有している。
また、近年あぶらとり紙によく使用される麻類、木材パルプの単一パルプ又はその混合物を使用し、平滑度、紙密度をあげて肌への密着性を増加させ、吸油補助剤としてタルク等の填料を加えることで油吸収性を上げた製品もある(特許文献2、3参照)。確かに、この製品は吸油性には優れているが、原紙に使用されるパルプ麻、木材パルプなどには歩留まりの面からサイズ剤、填料定着剤等の製紙用薬剤が通常使用され、箔打ちや、スーパーカレンダー処理をした場合、表面がパリパリと固くなってしまうという問題点を有している。
上述した吸油性向上の技術をあぶらとり紙に施せば、確かに吸油性は向上する。しかしながら、填料を添加して皮脂を吸い取り易くしたり、歩留まり向上に大量に製紙用薬剤を使用して作ったようなあぶらとり紙では、表面がパリパリとしていて堅く、使用時において形成されるあぶらとり紙の折り目が肌に傷をつけるおそれがある。特に肌荒れや刺激に敏感な皮膚をもつユーザーにとっては使用上問題が生ずる可能性が高い。そのため、従来から、例えば、表面を柔らかくすべく表面にエンボス加工処理を施したり(特許文献4参照)、原紙に絹を入れて肌触りを向上させている(特許文献5参照)あぶらとり紙も存在する。
しかしながら、填料無添加、柔らかい肌触り、汗や皮脂などの吸液性がよい及び低コストで製造可能のすべてを満足するあぶらとり紙は未だ開発されていない。
特開平11−128106号公報
特開平11−137336号公報
特開平11−178636号公報
特開平10−33406号公報
特開2000−139755号公報
本発明は、填料無添加、柔らかい肌触り、汗や皮脂などの吸液性がよい及び低コスト製造可能のすべてを満足するあぶらとり紙を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、植物性繊維パルプを原料とする原紙からなるあぶらとり紙であって、植物性繊維パルプには竹パルプが含まれることを特徴とする。
竹パルプは、植物性繊維パルプ全量に対して20〜90質量%含まれるようにしてもよい。
竹パルプ以外の植物性繊維パルプは、楮パルプ、雁皮パルプ、三椏パルプ、木材パルプまたはマニラ麻のいずれか1種類または複数種類であってもよい。木材パルプの原料としては、針葉樹でも広葉樹でもどちらでもよい。
あぶらとり紙一枚あたりのJIS P8141に規定されるクレム吸水度が20mm以上であり、スクアランを使用した吸油度が10mm以上であってもよい。
箔打ち、打圧、カレンダー加工あるいはスーパーカレンダー加工のうちのいずれか1つあるいは複数の加工を原紙に対し行なうことにより製造されるようにしてもよい。
本発明によれば、植物性繊維パルプを原料とする原紙からなるあぶらとり紙において、植物性繊維パルプには竹パルプが含まれるように構成した。これにより、填料無添加、柔らかい肌触り、汗や皮脂などの吸液性がよい及び低コスト製造が可能のすべてを満足することができる。
竹の含有率を変えた本発明の試作品及び他社製品のあぶらとり紙の物性を比較した表。 図1の一部である密度・平滑度及び引張強さの物性を比較した表。 図2に示す密度を示す棒グラフ。 図2に示す平滑度を示す棒グラフ。 図1の一部である吸水度及び吸油度の物性を比較した表。 図5に示す吸水度を示す棒グラフ。 図5に示す吸油度を示す棒グラフ。 竹含有率を80%に固定し、紙密度を変えた場合の本発明の試作品と他社製品のあぶらとり紙における吸水度及び吸油度の物性を比較した表。 図8に示す吸水度及び吸油度を示す棒グラフ。
本発明を実施するための形態について以下に詳細に説明する。なお、以下に示す本発明のあぶらとり紙の実施例については、填料は使用していない。
本発明においては、植物性繊維パルプを原料とする原紙からなるあぶらとり紙であって、植物性繊維パルプには竹パルプが含まれることを特徴とする。竹パルプに用いる竹の種類は、マダケ属の孟宗竹、真ダケ、タイワンマダケ、ハチク、コウチク、クロチク、ホウライチク属のホウオウチク、シホウチク属のシホウチク、ササ属のメダケ、クマザサ等である。本発明においては、これらの竹を原料としてアルカリ蒸解法でパルプ化したものや、輸入竹パルプシートを用いることができる。ただし、最良の性能を有するためにはマダケ属の孟宗竹を15%〜25%のNaOHで2〜12時間120度で蒸煮したパルプが最適である。なお、これ以外の薬剤により竹のパルプ化を行ってもよい。要は、上述する竹から得られる竹パルプの含有量が20〜90%の範囲内であれば、皮膚表面に生じた汗、油分を適度に吸収できる性能を有し、皮膚表面の特に顔表面に使用した時に感じる肌触りが柔らかく、肌に感じるざらざら感の少ない特徴を有するあぶらとり紙を得ることができる。
また、竹パルプ以外の植物性繊維パルプの種類については、マニラ麻(アバカ)、亜麻、黄麻、サイザル麻、ケナフ、雁皮、楮、バナナ繊維、或は三椏からなる靱皮繊維又は木材パルプから選ばれた少なくとも一種をいい、一般的なパルプはすべて使用できるが、好ましくは、楮パルプ、雁皮パルプ、三椏パルプ、針葉樹パルプまたはマニラ麻のいずれか1種類または複数種類を混合するほうが、打ち紙にする時の強度を得ることができるため望ましい。
原紙の製造方法は一般的な抄紙機で抄く方法をもちいることができ、例えば長網抄紙機等、丸網抄紙機、短網抄紙機、で抄いた紙であれば特に限定するものではない。手漉きであっても問題がない。
また、紙の坪量は、10−35g/m2の範囲であり、密度は、0.4−1.2g/cm3の範囲であることが好ましいが、とくに限定するものではない。
竹パルプは、植物性繊維パルプ全量に対して20〜90質量%含まれるようにすると好適である。竹パルプが20%未満であれば吸水性能は低下し、柔らかさは損なわれる、95%以上では紙力はどんどん弱くなり、打紙にするための強度が足りなくなってくる。たとえ打紙にした場合でも、繊維はミクロな単位で切れた状態になり毛細管現象で吸水、吸油を行うメカニズムを損なうため吸水、吸油性能は低下するからである。この配合を達成することで従来は両立できなかった汗吸収性と、油吸収性を高いバランスで達成することが出来た。
あぶらとり紙として肌への密着度の向上のために紙密度、平滑度を上げる手法として、一般的に、箔打ち、カレンダー等の方法が用いられ、本発明においてもこれらの手法を採用することができるが、好ましくは、箔打ち、打圧、カレンダー加工あるいはスーパーカレンダー加工のうちのいずれか1つあるいは複数の加工を原紙に対し行なうとよい。
ここで竹含有のあぶらとり紙の吸水、吸油性能が増加するメカニズムについて説明すると竹の繊維は、繊維幅(直径)40μm(0.8―40μm)と太く平均繊維長も約3mm(1.5−4.4mm)に達する繊維であり、直線状で細長く、中心に導管が通っており、ストローのような繊維形状を持つ。そのため、あぶらとり紙に含有させると、吸水、吸油性能が増加する。なお、他の楮パルプ、雁皮パルプは、それぞれ繊維幅(直径)10−30μm、繊維長は6−21mm、雁皮パルプは繊維幅(直径)10−30μm、繊維長は3−5mmであり、折れ曲がった構造でストローのような構造ではない。
本発明者らにおいては、最初、従来のあぶらとり紙において、和紙原料の配合を変更してみたが、肌触りはあまり改善できなかった。一方、本発明者らは、他に竹パルプの利用の研究をしており、1つの利用法として竹パルプを紙に使用する研究を行っていた。竹は生命力、繁殖力が強く、成長もはやく、なにより安価であることから、そのような研究を行っていたわけであるが、この研究の際、竹パルプ100%の紙を試作品として製造した。この100%竹パルプから出来た紙は、紙力が弱い一方柔らかい紙に仕上がるという性質を有していた。そこで、本発明者らは、紙力が強いことが特徴である和紙の楮、三椏、雁皮に竹パルプを配合することにより柔らかく、強靱な紙にすることを思いついたのである。
このようにして製造された竹パルプが含有された本発明のあぶらとり紙は、人肌の表面に生じた汗、油分を適度に吸収できる性能を有し、皮膚表面の特に顔表面に使用した時に感じる肌触りが柔らかく、肌に感じるざらざら感の少ないといった効果を奏する。
次に、本発明のあぶらとり紙について、図1〜図9を参照し、現在市販されているあぶらとり紙と比較しながらその物性について説明する。
図1は竹の含有率を変えた本発明の試作品及び他社製品のあぶらとり紙の物性を比較した表、図2は図1の一部である密度・平滑度及び引張強さの物性を比較した表、図3は図2に示す密度を示す棒グラフ、図4は図2に示す平滑度を示す棒グラフ、図5は図1の一部である吸水度及び吸油度の物性を比較した表、図6は図5に示す吸水度を示す棒グラフ。図7は図5に示す吸油度を示す棒グラフ、図8は竹含有率を80%に固定し、紙密度を変えた場合の本発明の試作品と他社製品のあぶらとり紙における吸水度及び吸油度の物性を比較した表、図9は図8に示す吸水度及び吸油度を示す棒グラフである。
以下に本発明の実施例を挙げて更に説明するが、特に断らない限り%は全て質量%を示す。
図1に示すように、本発明の実施例として、竹パルプ以外の植物性繊維パルプを楮とし、竹の含有率を90、80、60、50、40、20%と変えたあぶらとり紙を製造した。なお、図においては、竹パルプ含有率に「打紙」との文言を付加した形式で表記している。このようにして製造された本発明のあぶらとり紙と、他社製品であるあぶらとり紙との間で、あぶらとり紙の物性、具体的には、紙密度、平滑度、吸水度及び吸油度を比較した。比較他社製品は、A社のものはマニラ麻に填料を10%添加したあぶらとり紙、B社のものは天然パルプ100%のあぶらとり紙、C社のものはガンピ100%のあぶらとり紙、D社のものは木材パルプ100%のあぶらとり紙である。なお、比較に用いた他社製品のあぶらとり紙中の繊維組成はJISP8120繊維組成試験方法およびTAPPI標準法T401繊維組成測定法に準拠して繊維組成を決定した。また、これらの繊維組成試験法を使用すれば、竹パルプ、楮パルプ、雁皮パルプ、三椏パルプ、木材パルプまたはマニラ麻等の植物性繊維パルプは容易に判別できる。
この図1には、大きく、打紙及び他社あぶらとり紙の物性が示されており、竹パルプ100%(手漉きにより製造)及び竹パルプの含有率を90,80,60,50,40,20%とし対応して楮をそれぞれ10,20,40,50,60,80%含有させたものが示されている。なお、図1において、[5]、[10]、[3]、22(図中、[5]、[10]、[3]は、丸数字で記載)の数字は因州和紙メーカーで製造したサンプル番号であり、他の図においても同様である。
竹パルプ100、90、20%含有するあぶらとり紙は手漉きにより製造されており、その打紙条件は、機械打ち(ベルトハンマー)、100枚重ねである。一方、竹パルプ80、60、50、40%含有するあぶらとり紙の打紙条件は、機械打ち(ベルトハンマー)、100枚重ねである。
引張強さの測定条件は、JISP8113紙引張特性試験準拠であり、密度の測定条件は、JISP8118密度試験準拠であり、平滑度の測定条件は、JISP8119ベック平滑度試験機による平滑度試験準拠であり、吸水度の測定条件は、JISP8141紙の吸水度試験方法準拠であり、吸油度の測定条件は、JISP8141紙の吸水度試験方法準拠、水の代わりにスクアランに変更した試験である。
次いで、各物性について比較検討を行なう。
まず、図2及び図3を参照して紙密度の比較検討を行なう。紙密度は、ある程度高くないと顔への密着が悪くなるので、数値的には0.4〜1.2くらいが好適である。ただし、紙密度が高いと紙がパリパリするし、肌触りは低下する。密度,平滑度は、肌に適度に密着できるくらいがよくあまり高すぎると肌触りが悪くなるので好ましくない。
次に、図2及び図4を参照して平滑度の比較検討を行なう。平滑度は、紙密度が高いと高くなる傾向がある。なお、平滑度に関しては、高すぎるとパリパリ感が出るが、一方、あまり低すぎてもザラザラ感が出てしまうが、この本発明の試作品を使用したところ特にザラザラ感を感じることもなく使用感は良好であった。
あぶらとり紙の実用性を考え、引張強さの測定も行なった。引張強さが強ければ破れにくくなるが、その一方、あまり強すぎても硬く感じるので、最低限、打紙にするときに破れず、かつ、皮脂や汗などを吸い取ったときに破れない程度の強度があればよい。なお、竹パルプの含有率を高くすればするほど、後述するように吸水度及び吸油度が高くなることから、竹パルプ100%のあぶらとり紙も試作品として製造し引張強さを測定したが、この場合は引張強さが弱く、引っ張るとちぎれてしまった。
図5、図6及び図7を参照して吸水度及び吸油度の比較検討を行なう。なお、図6及び図7においては、代表して竹パルプ含有率40,50,60,80%のものを示している。吸水度は、竹パルプ含有率が40、50、60、80%と増加させた場合、吸水度は上昇する傾向にある(竹パルプ含有率40%のものは50%のものより高くなっているがバラツキの範囲内である)。他社製品は、5分、10分のいずれも20mm未満であり吸水度は低い。吸水度がこのように低いのは、大量生産をするために紙力を上げるべく表面に歩留向上剤等の製紙用薬剤が添加されていると考えられるため、これらの薬剤が吸水の邪魔をし、いずれも吸水度が低くなっていると予想できる。
他方、吸油度は、計測時間が10分の場合には、竹パルプを含有する本発明のあぶらとり紙は10mm以上の値を示している。5分の場合でも竹パルプ含有率が40%、20%を除いて10mm以上の値を示しており、吸油は早いうちに進行していることがわかる。この実験結果から分かるとおり、吸水度も吸油度もともに高いのは竹パルプを含有した本発明のあぶらとり紙だけである。なお、吸水度に関しては、本発明のあぶらとり紙は、竹含有率がいずれの場合も、他社製品の2倍以上の数値を示しており、これより、本発明のあぶらとり紙は、汗をよく吸い取るあぶらとり紙であることも分かる。
竹パルプ含有率が90%のものは80%のものよりも吸水度が高い傾向があるが、100%含有のものは、紙の強度が弱く繊維が切れてボロボロになっているため、吸水、吸油が上がらない。そして、100%含有のものは引っ張るとすぐちぎれてしまう。一方、20%含有のものは、吸液性能がだんだん悪くなっている。また、吸油度も竹パルプの含有量が増加すれば高くなり、低下すれば低くなる傾向がある。数値的には示していないが、竹パルプの含有量が多くなればなるほど肌ざわり、柔らかさが増す傾向があった。
次に、本発明者らは、竹パルプの含有量を80%に固定し、紙密度を変化させてみて吸水度及び吸油度の比較を行った。その実験結果を図8及び図9に示す。紙密度が0.5、0.6、0.7と上がるに従って吸水度が高くなる傾向がある。同様に、吸油度についても紙密度が上がるに従って高くなる傾向がある。これは、紙密度が上がると毛細管現象で吸液する能力が向上するためである。
以上のように、竹パルプを含有する本発明のあぶらとり紙においては、他社製造のあぶらとり紙よりも格段に吸油度が高く、そのうえ吸水度も高い。また、紙密度も好適な値を示すことから肌ざわりも良好であり、しかも、日本に多く群生する竹を原料とすることから原料にかかる費用も安くでき、その結果製造コストも安くなるといった効果を奏する。
なお、本発明の他の実施例としては、例えば、楮,雁皮,三椏などの植物性繊維パルプと竹パルプを積層し打紙にした形態も考えられる。

Claims (5)

  1. 植物性繊維パルプを原料とする原紙からなるあぶらとり紙であって、植物性繊維パルプには竹パルプが含まれることを特徴とするあぶらとり紙。
  2. 竹パルプは、植物性繊維パルプ全量に対して20〜90質量%含まれることを特徴とする請求項1に記載のあぶらとり紙。
  3. 竹パルプ以外の植物性繊維パルプは、楮パルプ、雁皮パルプ、三椏パルプ、木材パルプまたはマニラ麻のいずれか1種類または複数種類であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のあぶらとり紙。
  4. あぶらとり紙一枚あたりのJIS P8141に規定されるクレム吸水度が20mm以上であり、スクアランを使用した吸油度が10mm以上であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のあぶらとり紙。
  5. 箔打ち、打圧、カレンダー加工あるいはスーパーカレンダー加工のうちのいずれか1つあるいは複数の加工を原紙に対し行なうことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のあぶらとり紙。
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