JP2010227206A - ミシンの玉布供給装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】玉布が載置される載置台3と、玉布を把持する把持機構4と、把持機構を移動させる接離機構5と、把持機構を駆動させる駆動機構6と、把持機構と一体に構成され、玉布を折り込むガイドとなる玉布定規9と、各機構の駆動制御を行う制御装置110と、を備えるミシンの玉布供給装置1において、駆動機構は、把持機構を下方に移動させる上下移動機構7と、把持機構を駆動させて玉布を身頃布上に載置した後、玉布定規の一端部が針元にくるように把持機構を移動させる水平移動機構8と、を備え、制御装置は、大押さえによる身頃布の縫製前の準備搬送に連動して玉布定規が大押さえと同じ速度で移動するように水平移動機構の駆動を制御する。
【選択図】図1
Description
ミシン本体には、縫い方向上流側に玉布供給装置が設けられている。玉布供給装置は、載置台に載置された玉布を掴み針によって把持し、玉布を把持した後に駆動源であるエアシリンダを駆動させて玉布を身頃布上まで直下に下降させ、セットする。玉布供給装置には、身頃布上に載置された玉布を所定幅に折り込む際のガイドとなる玉布定規が設けられている。ここで、玉布定規は、エアシリンダにより直下に下降させるため、玉布定規と針元との間には玉布が折り込まれない部分ができてしまう。そこで、ミシン本体には、バインダが設けられ、バインダは針元と玉布定規の端部との間の玉布を折り込むことができるように構成されている。すなわち、玉布定規とバインダが縫い方向に並ぶように配置されることにより、玉布を針元まで折り込んだ状態とすることができる(例えば、特許文献1参照。)。
他の玉布供給装置として、バインダを玉布定規と一体に形成し、玉布定規の一端が針元に来るように玉布供給装置を斜め下方に下降させることで、玉布を針元まで折り込んだ状態とすることができるものも開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
一方、特許文献2のような玉布供給装置においては、特許文献1のような問題は生じないものの、玉布供給装置を斜め下方に下降させるため、柔らかい素材の玉布を供給する際に、玉布の端部が下降中の風圧により斜め後方にめくれてしまう。そのため、めくれた状態の玉布が身頃布にセットされ、折り込まれることで縫製品質が低下するという問題があった。
玉布が載置される載置台(3)と、
前記載置台に載置された玉布を把持する把持機構(4)と、
ミシンフレーム(103)に設けられ、前記把持機構を前記載置台に対して対向する位置と把持した玉布の下面がミシンテーブル(101)上面に対して平行となる位置との間で移動させる接離機構(5)と、
前記把持機構で把持した玉布をミシンテーブルに載置された身頃布上に載置するように前記把持機構を駆動させる駆動機構(6)と、
前記把持機構と一体に構成され、前記駆動機構の駆動により玉布を身頃布上に載置した際に玉布を所定幅に折り込むガイドとなる玉布定規(9)と、
各機構の駆動制御を行う制御装置(110)と、を備えるミシンの玉布供給装置(1)において、
前記駆動機構は、前記把持機構が玉布を把持した状態で当該玉布の下面がミシンテーブル上面に対して平行となる位置にあるときに、前記把持機構を身頃布に向けて下方に移動させる上下移動機構(7)と、前記上下移動機構により前記把持機構を駆動させて玉布をミシンテーブルに載置された身頃布上に載置した後、前記玉布定規の一端部が針元にくるように前記把持機構を移動させる水平移動機構(8)と、を備え、
前記制御装置は、大押さえによる身頃布の縫製前の準備搬送に連動して前記玉布定規が前記大押さえと同じ速度で移動するように前記水平移動機構の駆動を制御することを特徴とする。
これにより、玉布定規がバインダの機能も兼ね備えているので、一つの機構で済み、コストの高騰を抑えることができる。また、大押さえによる搬送時に引っ掛かりやズレが生じないように玉布定規とバインダを一直線上に配置する必要もなくなり、組み付けの調整やメンテナンスを容易にすることができる。また、玉布定規は、上下移動機構と水平移動機構により針元まで移動するので、斜め下方に下降することにより生じる玉布のめくれの問題も生じず、縫製品質の低下を防止することができる。
<玉布供給装置の構成>
図1、図2に示すように、玉布供給装置1は、玉縁縫いミシン100に設けられている。玉縁縫いミシン100は、身頃布に対して玉布を縫着するとともにこれらの布地の送り方向に沿った直線状の切れ目とこの直線状の切れ目の両端部に略V字状の切れ目とを形成するミシンである。
玉縁縫いミシン100は、縫製の作業台となるミシンテーブル101と、図示しない一対の天秤と縫い針102を保持する針棒の動作を司る針棒機構(図示略)とを備え、ミシンテーブル101に配置されたミシン本体103と、身頃布及び玉布からなる布地の送りを行う大押さえ機構(図示略)と、ミシン本体103に支持され、各縫い針102の布送り方向下流側の各縫い針102の中間にセンターメスを昇降させて各布地に切れ目を形成する動メス機構(図示略)と、直線状の切れ目の両端となる位置に略V字状の切れ目を形成するコーナーメス機構(図示略)と、上記各部の制御を行う制御装置110(図3参照)と、を備えている。
土台部2は、ミシン本体103の頭部近傍において、上面及び正面にわたって設けられ、ミシン本体103に固定されている。
載置台3は、ミシン本体103の頭部から前方に飛び出すようにミシン本体103に設けられている。すなわち、載置台3は、縫い針102よりもミシン本体103の頭部側に位置するように配置されている。載置台3は、把持機構4の回転経路に沿って水平面に対して傾斜するように設けられている。
図1、図2に示すように、把持機構4は、土台部2に駆動機構6を介して設けられた基台部41と、基台部41に回転自在に連結されたシリンダ台42と、シリンダ台42に取り付けられたエアシリンダ71のロッドの先端に設けられ、ロッドの進退と共に移動する支持台44と、支持台44に設けられ、下面から出没することで玉布の把持及び解放を行う掴み針45と、を備えている。
基台部41は、駆動機構6を構成する水平移動機構8(後述する)に支持されており、水平方向に沿って移動自在とされている。
シリンダ台42は、その長手方向がミシン本体103の上下方向にほぼ沿うように配置されている。シリンダ台42は、その上端部において基台部41にピン等により回転自在に連結されている。
支持台44は、駆動機構6を構成する上下移動機構7(後述する)に支持されており、シリンダ台42及びエアシリンダ71の長手方向(ロッドの進退方向)に沿って移動自在とされている。
掴み針45は、支持台44に水平方向に移動自在とされた針保持部材に複数設けられている。針保持部材は、二つ設けられ、一方の針保持部材がエアシリンダ46のシリンダに連結され、他方の針保持部材がエアシリンダ46のロッドに連結されている。すなわち、二つの針保持部材は、互いに相反する方向に同時に移動するように配置されている。掴み針45は、各針保持部材において、斜め下方に延びるように設けられている。掴み針45は、一方に設けられた針と他方に設けられた針が左右逆方向に延びている。なお、これらの構成は周知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
図2に示すように、接離機構5は、シリンダ台42を振らせるエアシリンダ51と、エアシリンダ51を基台部41に固定するための固定部材52と、を備えている。
エアシリンダ51は、ロッドの進退方向が身頃布の送り方向に直交する方向、すなわち、ミシン本体103の長手方向に沿うように配置されている。エアシリンダ51のロッドは、シリンダ台42の長手方向のほぼ中央に連結されている。エアシリンダ51のロッドが伸びると、シリンダ台42は、基台部41との連結部を中心として回転し、把持機構4の掴み針45は、玉布が載置される載置台3に対向する位置に移動する。一方、エアシリンダ51のロッドが縮むと、シリンダ台42は、基台部41との連結部を中心として回転し、掴み針45は、当該掴み針45が把持した玉布がミシンテーブル101の上面に平行となる位置に移動する。
駆動機構6は、把持機構4が玉布を把持した状態で当該玉布の下面がミシンテーブル101の上面に対して平行となる位置にあるときに、把持機構4を身頃布に向けて下方に移動させる上下移動機構7と、上下移動機構7により把持機構4を駆動させて玉布をミシンテーブル101に載置された身頃布上に載置した後、玉布定規9の一端部が針元にくるように把持機構4を移動させる水平移動機構8と、を備えている。
エアシリンダ71のロッドの先端には、支持部44が取り付けられている。支持部44は、ガイドレール72に移動自在に嵌め込まれている。
ガイドレール72は、把持機構4により把持された玉布が身頃布に載置できる位置と身頃布から十分に離間した高さまで退避できる位置との間で移動できるよう、十分な長さに形成されている。
基台部41におけるガイドレール86に対向する面には、基台部41をガイドレール86に移動自在に嵌め込むための係合部材87が設けられており、この係合部材87がガイドレール86上を移動することができる。基台部41はバンド85を介してベルト84に連結されているため、ステッピングモータ81が駆動してベルト84が駆動すると、そのベルト84と共に基台部41も移動することができる。
主動車82と従動車83との間隔は、基台部41が最も針元側に接近した際に、玉布定規9の端部が針元に位置するように設定されている。
玉布定規9は、支持部44に設けられている。玉布定規9は、布の送り方向(図1の左右方向)に沿って延びるように形成されている。玉布定規9は、上下移動機構7及び水平移動機構8により、把持機構4と共に上下方向及び水平方向(ミシンテーブル101の上面方向)に移動することができる。玉布定規9は、水平移動機構8により移動した際に一端が針元に位置するような長さに形成されている。
玉布は身頃布の上側に重ねてセットされると、上方から玉布定規9が載置され、玉布の幅方向の両端部を折り返して立ち上げ、さらに、玉布の幅方向両端部をそれぞれ折り返すようにして大押さえにより保持する。このように、玉布定規9に玉布を巻き付けるようにセットした状態で、玉布及び身頃布を送りつつ、玉布定規9の両側で二本の縫い針102により縫製を行うと共にセンターメス(図示略)の上下動により直線状の切れ目を形成する。
図3に示すように、玉布供給装置1は、玉縁縫いミシン100に設けられている制御装置110により駆動が制御される。
制御装置110には、駆動制御の対象となる主軸モータ111、押さえモータ112、メスモータ113が接続されている。
制御装置110には、水平移動機構8の駆動源となるステッピングモータ81が接続されている。
制御装置110には、上下移動機構7の駆動源となるエアシリンダ71の電磁弁71vが接続されている。
制御装置110には、把持機構4の駆動源となるエアシリンダ46の電磁弁46vが接続されている。
制御装置110には、接離機構5の駆動源となるエアシリンダ51の電磁弁51vが接続されている。
制御装置110には、玉縁縫いを行う際の操作部となるペダル111が接続されている。ペダル111は、複数段に踏み込みが可能とされ、その踏み込み量によりそれぞれ行われる操作が異なる。
ROM122には、大押さえによる身頃布の縫製前の準備搬送に連動して玉布定規9が大押さえと同じ速度で移動するように水平移動機構8のステッピングモータ81の駆動を制御するプログラムが記憶されている。
図4に示すように、玉縁縫いを行う際には、作業者が載置台3に玉布をセットする(ステップS1)。次いで、作業者は、ミシンテーブル101上に身頃布をセットする(ステップS2)。玉布及び身頃布のセット後、制御装置110がペダル111の一段目の踏み込みを検出すると(ステップS3:YES)、制御装置110は、大押さえを前進させる(ステップS4)。
大押さえの前進後、制御装置110がペダル111の二段目の踏み込みを検出すると(ステップS5:YES)、制御装置110は、大押さえを下降させて身頃布を押さえる(ステップS6)。
次いで、制御装置110は、エアシリンダ51を駆動させて、掴み針45が載置台3上の玉布に対向する位置まで把持機構4を移動させ、続いて制御装置110はエアシリンダ46を駆動させることにより、掴み針45で玉布を保持する(ステップS7)。
次いで、制御装置110は、エアシリンダ71を駆動させ、把持機構4及び玉布定規9を身頃布に向けて下降させる(ステップS10:図5参照)。ここで、制御装置110は、把持機構4により把持されている玉布が身頃布に到達する直前にエアシリンダ46を駆動させ、掴み針45による玉布の把持を解放する。
次いで、制御装置110は、折り込み板(図示しない)を作動させ、玉布定規9に沿って玉布を折り込む(ステップS11)。
次いで、制御装置110は、ROM122に記憶された縫製プログラムに従って各部の駆動を制御し、玉縁縫いを行う(ステップS14)。
次いで、制御装置110は、エアシリンダ71を駆動させて、玉布定規9を上昇させる(ステップS17)。
次いで、制御装置110は、次の玉縁縫いを行うため、エアシリンダ51を駆動させて掴み針45が載置台3に対向する位置に来るように把持機構4を回転させる(ステップS18)。
以上の処理をもって、玉縁縫いを行うことができる。
以上のように、ミシンの玉布供給装置1によれば、把持機構4の掴み針45により玉布を把持した後は、接離機構5のエアシリンダ51の駆動により、玉布の下面がミシンテーブル101の上面に対して平行となる位置に把持機構4を移動させる。そして、上下移動機構7のエアシリンダ71により、把持機構4を身頃布に向けて下方に移動させ、水平移動機構8のステッピングモータ81により、上下移動機構7のエアシリンダ71により把持機構4を駆動させて玉布をミシンテーブル101に載置された身頃布上に載置した後、玉布定規9の一端部が針元にくるように把持機構4を移動させる。このとき、制御装置110は、大押さえによる身頃布の縫製前の準備搬送に連動して玉布定規9が大押さえと同じ速度で移動するようにステッピングモータ81の駆動を制御する。
これにより、玉布定規9がバインダの機能も兼ね備えているので、一つの機構で済み、コストの高騰を抑えることができる。また、大押さえによる搬送時に引っ掛かりやズレが生じないように玉布定規とバインダを一直線上に配置する必要もなくなり、組み付けの調整やメンテナンスを容易にすることができる。また、玉布定規9は、上下移動機構7と水平移動機構8により針元まで移動するので、斜め下方に下降することにより生じる玉布のめくれの問題も生じず、縫製品質の低下を防止することができる。
また、水平移動機構の駆動源は、ステッピングモータとベルトに限らず、エアシリンダを用いて構成してもよく、他にも、ラックギヤとピニオンギヤとピニオンギヤを回転させるモータを用いて構成してもよい。
3 載置台
4 把持機構
5 接離機構
6 駆動機構
7 上下移動機構
8 水平移動機構
9 玉布定規
100 玉縁縫いミシン
101 ミシンテーブル
102 縫い針
103 ミシン本体(ミシンフレーム)
110 制御装置
Claims (1)
- 玉布が載置される載置台と、
前記載置台に載置された玉布を把持する把持機構と、
ミシンフレームに設けられ、前記把持機構を前記載置台に対して対向する位置と把持した玉布の下面がミシンテーブル上面に対して平行となる位置との間で移動させる接離機構と、
前記把持機構で把持した玉布をミシンテーブルに載置された身頃布上に載置するように前記把持機構を駆動させる駆動機構と、
前記把持機構と一体に構成され、前記駆動機構の駆動により玉布を身頃布上に載置した際に玉布を所定幅に折り込むガイドとなる玉布定規と、
各機構の駆動制御を行う制御装置と、を備えるミシンの玉布供給装置において、
前記駆動機構は、前記把持機構が玉布を把持した状態で当該玉布の下面がミシンテーブル上面に対して平行となる位置にあるときに、前記把持機構を身頃布に向けて下方に移動させる上下移動機構と、前記上下移動機構により前記把持機構を駆動させて玉布をミシンテーブルに載置された身頃布上に載置した後、前記玉布定規の一端部が針元にくるように前記把持機構を移動させる水平移動機構と、を備え、
前記制御装置は、大押さえによる身頃布の縫製前の準備搬送に連動して前記玉布定規が前記大押さえと同じ速度で移動するように前記水平移動機構の駆動を制御することを特徴とするミシンの玉布供給装置。
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