JP2010226228A - 撮像装置及び撮像方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】間引きした全体画像及び部分画像の画質の低下を抑制できるようにする。
【解決手段】全体画像に係る画像信号、及び全体画像より高解像度の部分画像に係る画像信号を撮像素子から読み出し、全体画像に係る画像信号として読み出された画素加算された画素行の画像信号と画素加算がされない画素行の画像信号とを用いて全体画像を作成し、かつ読み出された部分画像に係る画像信号と全体画像に係る画像信号のうち画素加算がされない画素行の画像信号とを用いて部分画像を作成するようにして、全体画像におけるモアレ等の発生を低減し、かつ部分画像における画素行の欠落を防止し、全体画像及び部分画像の画質低下を抑制できるようにする。
【選択図】図4

Description

本発明は、撮像装置及び撮像方法に関し、特に全体画像とそれよりも高解像度の部分画像とを読み出し可能な撮像装置に好適なものである。
近年、CCDやCMOSセンサに代表される撮像素子の発達により、それを用いた撮像装置には小型化、軽量化、高機能化、安価化の要求が高まっている。上述の撮像素子を利用する産業用カメラや監視用カメラにおいても、小型化、軽量化、高機能化、安価化等が要求されている。
これらの撮像装置においては、全体画像中に注目領域(ROI:Region Of Interest)と呼ばれる領域が、複数個設定可能なものが存在する。この注目領域は撮像素子が出力可能な全体画像の領域の一部を切り出した領域であり、注目領域に対応する部分画像は、全体画像よりも高精細な画像である場合が多い。
全体画像中に注目領域を設定することで、前述した撮像素子は、より高速、高フレームレートな画像出力が可能となる。このような注目領域の設定は、産業用カメラや監視用カメラに用いて好適である。
そのような撮像装置には、例えば特許文献1にあるように、間引き走査による全体画像情報と全画素走査による高解像度部分画像情報とを同一フレームから読み出す撮像装置がある。また、例えば特許文献2にあるように、全体画像と部分画像を別フレームで読み出す撮像装置もある。また、例えば特許文献3には、複数の画素情報を加算あるいは平均化する画素加算することが記載されている。
特開2000−32318号公報 特開2005−86245号公報 特開2001−78081号公報
しかしながら、特許文献1が開示する撮像装置においては、撮像素子の全体画素から間引き作成することで、間引きした全体画像にモアレ等の偽信号が発生し、画質が低下するという問題があった。また、特許文献3が開示する撮像装置においては、全体画像のフレームと部分画像のフレームとでは各画素行の撮像タイミングが異なり、両方には使用できない(排他的である)。そのため、全体画像の影響で部分画像のある画素行が欠落し、部分画像の画質が低下するという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、間引きした全体画像及び部分画像の画質の低下を抑制できるようにすることを目的とする。
本発明に係る撮像装置は、撮像素子が出力可能な最高解像度より低解像度の全体画像に係る画像信号、及び当該全体画像より高解像度の部分画像に係る画像信号を前記撮像素子から読み出す読み出し手段と、前記読み出し手段により読み出された画像信号を用いて信号処理を行う処理手段とを備え、前記処理手段は、前記全体画像に係る画像信号として読み出された画素加算された画素行の画像信号と画素加算がされない画素行の画像信号とを用いて前記全体画像を作成することを特徴とする。
本発明に係る撮像装置は、撮像素子が出力可能な最高解像度より低解像度の全体画像に係る画像信号、及び当該全体画像より高解像度の部分画像に係る画像信号を前記撮像素子から読み出す読み出し手段と、前記読み出し手段により読み出された画像信号を用いて信号処理を行う処理手段とを備え、前記処理手段は、前記部分画像に係る画像信号と、前記全体画像に係る画像信号のうち画素加算がされない画素行の画像信号とを用いて前記部分画像を作成することを特徴とする。
本発明に係る撮像装置は、撮像素子が出力可能な最高解像度より低解像度の全体画像に係る画像信号、及び当該全体画像より高解像度の部分画像に係る画像信号を前記撮像素子から読み出す読み出し手段と、前記読み出し手段により読み出された画像信号を用いて前記全体画像及び前記部分画像を作成する処理手段とを備え、前記処理手段は、前記全体画像に係る画像信号として読み出された画素加算された画素行の画像信号と画素加算がされない画素行の画像信号とを用いて前記全体画像を作成し、前記部分画像に係る画像信号と前記全体画像に係る画像信号のうち前記画素加算がされない画素行の画像信号とを用いて前記部分画像を作成することを特徴とする。
本発明に係る撮像方法は、撮像素子が出力可能な最高解像度より低解像度の全体画像に係る画像信号、及び当該全体画像より高解像度の部分画像に係る画像信号を前記撮像素子から読み出す読み出し工程と、前記読み出し工程で読み出された画像信号を用いて前記全体画像及び前記部分画像を作成する処理工程とを備え、前記処理工程では、前記全体画像に係る画像信号として読み出された画素加算された画素行の画像信号と画素加算がされない画素行の画像信号とを用いて前記全体画像を作成し、前記部分画像に係る画像信号と前記全体画像に係る画像信号のうち前記画素加算がされない画素行の画像信号とを用いて前記部分画像を作成することを特徴とする。
本発明によれば、全体画像に係る画像信号として読み出された画素加算された画素行の画像信号と、全体画像に係る画像信号として読み出された画素加算がされない画素行の画像信号を画素加算して得られた画像信号とにより全体画像を作成する。これにより、単一画素からの画像信号で全体画像を作成する場合と比較してモアレ等の発生を低減し、全体画像の画質低下を抑制することができる。
全体画像中に設定された注目領域の一例を示す図である。 本発明の実施形態における全体画像及び部分画像の出力を説明するための図である。 本発明の実施形態における画質低下抑制の原理を説明するための図である。 本発明の実施形態における撮像装置の構成例を示す図である。 第1の実施形態における撮像素子の構成例を示す図である。 第1の実施形態における撮像素子の画素部の構成例を示す図である。 第1の実施形態におけるCDS回路の構成例を示す図である。 本実施形態における画像信号の読み出しタイミングの一例を示す図である。 本実施形態における画像信号の読み出しタイミングの一例を示す図である。 第2の実施形態における撮像素子の構成例を示す図である。 第3の実施形態における撮像素子の構成例を示す図である。 第3の実施形態における撮像素子の画素部の構成例を示す図である。 第3の実施形態における画素部と各シフトレジスタとの結線関係の一例を示す図である。 第4の実施形態における光学系を模式的に示す図である。 第5の実施形態における処理を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の実施形態では、例えば図1に示すような全体画像21とそれよりも高精細な複数の部分画像22、23、24とを取得する場合には、全体画像21及び部分画像22、23、24を必要であるならば図2に示したように別々の撮像フレームで出力を行う。ここで、本実施形態において、全体画像21は撮像装置が有する撮像素子が出力可能な最高解像度よりも低解像度の画像(間引きした画像)であり、部分画像22、23、24は全体画像21よりも高解像度の画像である。図2に示した4枚の大きな四角形は、各々別のフレームを表している。
最初に、全体画像21が出力され、次いで3つの注目領域に対応する部分画像22、23、24の各々が、1枚ずつ別の撮像フレームで計3枚連続して出力される。図2において、ブロック矢印は各フレームの出力順を示している。このように注目領域に対応する部分画像の各々に1つの撮像フレームを割り当てることで、撮像素子の制御はとてもシンプルになり、その制御は容易となる。
次に、全体画像におけるモアレによる画質の低下を抑制する方法を、図3を参照して説明する。図3において、11は全体画像を出力する撮像素子の全画素領域であり、12a、12b、12cは、注目領域に対応する部分画像を出力する撮像素子の画素領域(注目領域)である。また、13(n)、14(n)は、全体画像を構成する画素行である(nは添え字であり、自然数)。
全体画像を構成する画素行のうち、注目領域12a、12b、12cが存在しない部分(画素行13(n))では、水平方向に画素加算された画像信号が、前記撮像素子から外部へと出力される。また、全体画像を構成する画素行のうち、注目領域12a、12b、12cが存在する部分(画素行14(n))では、画素加算されない画像信号が、前記撮像素子から外部へと出力される。画素加算されない画像信号は、画素加算された画像信号と比較して、より高精細な画像信号である。
本発明の実施形態では、単一画素からの信号ではなく、画素行13(n)の画素加算した画像信号と、画素行14(n)の画素加算されない画像信号を撮像素子外部の信号処理手段で画素加算して得られた画像信号とを使用して全体画像を作成する。これにより、前述したモアレ等の偽信号の発生を抑制し、間引きした全体画像の画質低下を抑制することができる。
また、画素行14(n)の画素加算されない画像信号は、注目領域12a、12b、12cに対応する部分画像の作成にも用いられる。各実施形態で詳述されるように、画素行の信号は、全体画像のフレームと部分画像のフレームとで各々排他的に出力されるために、そのままでは部分画像12a、12b、12cの画素行14(n)に相当する部分は欠落することになる。
そこで、本発明の実施形態では、全体画像11のフレームで読み出された画素加算を行わない画素行14(n)の画像信号を、注目領域12a、12b、12cに対応する部分画像を作成する際にも用いることにする。これにより、部分画像12にて画素行14(n)に相当する部分の欠落は無くなり、高精細、かつ高品質な部分画像を得ることができる。
これら全体画像と部分画像の作成方法は、各実施形態でより詳細、具体的に説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。
図4は、第1の実施形態におけるモノクロ撮像装置の構成例を示すブロック図である。
図4において、31はレンズ等の光学系であり、32は被写体から出射された光が光学系31を通して結像する撮像素子である。撮像素子32は、例えばCMOSセンサである。
33は撮像素子32から画像信号を読み出す読み出し手段と読み出した画像信号を用いて信号処理を行う処理手段としての信号処理回路部である。信号処理回路部33は、撮像素子32から読み出した画像信号を記憶するためのメモリが内蔵されている。信号処理回路部33での信号処理の結果、全体画像及び部分画像が作成され、記録・通信部34へと送られる。35は前述のように記録又は通信された画像を表示するための再生・表示部である。
36は撮像装置内の各機能部を統括的に制御するシステムコントロール回路部である。また、37は撮像素子32を駆動する制御信号等を生成するタイミング制御回路部である。タイミング制御回路部37は、撮像素子32の読み出しを実質的に制御するため、前述した読み出し手段の一部でもある。
例えば、注目領域の大きさ、位置、数量等は、システムコントロール回路部36によって指定される。また、注目領域に対応する部分画像を出力するためのタイミング信号や制御信号は、タイミング制御回路部37によって生成され撮像素子32に供給される。
図5は、本実施形態における撮像素子32の構成例を示すブロック図である。
141は撮像素子32が搭載された半導体チップであり、142はタイミング制御回路部37からの各種信号が入力される端子である。
143はセレクタである。セレクタ143は、タイミング制御回路部37からの信号に応じて、垂直シフトレジスタ144,145のいずれを使用するかを決定する。144は全体画像に係る画像信号を読み出すための8行毎のスキップ走査(間引き走査)が可能な垂直シフトレジスタであり、145は高精細な部分画像に係る画像信号を読み出すための1行毎に駆動される垂直シフトレジスタである。147は水平シフトレジスタである。これらシフトレジスタ144、145、147によって、画素部148の画素アドレスが指定される。148は、例えば水平2560画素、垂直1920画素、総画素数約500万画素の画素部である。
149はCDS回路である。CDS回路149は、列毎に設けられ各画素から出力されたアナログ信号を画像信号に変換する。CDS回路149によって変換された信号は、出力回路150を通って出力端子151から撮像素子外部へと出力される。
図6は、本実施形態における画素部148の画素構成の一例を示す図である。図6が示す構成の単位は、各画素行上の4画素である。
152はフォトダイオードであり、光電荷である電子を蓄積する。153は4個の転送MOSトランジスタである。各転送MOSトランジスタ153は、各画素に相当する各フォトダイオード152に蓄積された電荷を増幅アンプ157のゲート電極に転送する。154は転送MOSトランジスタ153を外部から駆動する4本の水平転送線である。水平転送線154は、独立して制御することが可能である。
155はリセットMOSトランジスタである。リセットMOSトランジスタ155は、増幅アンプ157のゲート電極及び4個のフォトダイオード152をリセット電位である正の電位に固定するためのものである。156はリセットMOSトランジスタ155を外部から駆動する水平リセット線である。
157は増幅アンプである。本実施形態における増幅アンプ157は、4個のフォトダイオード152が転送MOSトランジスタ153を介して接続された共通画素アンプと呼ぶ構成としている。増幅アンプ157は、4画素に相当するフォトダイオード152に蓄積された光電荷を時系列的に、又は同時に読み出して、各画素の光電荷に相当する電流を垂直信号線160に出力する。
158は各画素行を選択するための選択MOSトランジスタであり、159は選択MOSトランジスタ158を外部から駆動する水平選択線である。各水平選択線159を選択することにより、選択MOSトランジスタ158を介して各画素行における増幅アンプ157からの電流が垂直信号線160に選択的に流入する。160は垂直信号線であり、各画素に蓄積された光電荷に相当する電流を画素部148の外部へと導く。
図7は、本実施形態におけるCDS回路149の構成例を示す回路図である。
図7において、L1、L3、L5の各々は画素部148に連なる垂直信号線であり、C1、C3、C5の各々は対応する垂直信号線L1、L3、L5を介して供給される信号電荷を蓄積するミラー容量である。Amp1、Amp3、Amp5は信号電荷を増幅するためのアンプである。Ct1、Ct3、Ct5はアンプAmp1、Amp3、Amp5により増幅された信号電荷を蓄積するための蓄積容量である。
MC1、MC3、MC5はミラー容量C1、C3、C5とアンプAmp1、Amp3、Amp5との接続点にリファレンス電位Vrを供給するMOSトランジスタである。MOSトランジスタMC1、MC3、MC5は、信号線φC1によって駆動される。
φhn(1)、φhn(3)、φTS1、φTS2、φAD1、φAD2はともに、対応する転送ゲートを制御する水平信号線である。
信号線φhn(1)は、蓄積容量Ct1に蓄積された電荷を信号出力線Soutに出力するためのものであり、同様に信号線φhn(3)は、蓄積容量Ct3に蓄積された電荷を信号出力線Soutに出力するためのものである。
また、信号線φTS2と信号線φAD1を用いれば、蓄積容量Ct1と蓄積容量Ct3とに蓄積された電荷を容量Ca1に転送することができる。これにより信号を加算することができ、この加算された蓄積電荷は、信号線φAD3と信号線φhn(a1)を用いることによって信号出力線Soutに出力することができる。
図8は、本実施形態における撮像素子32の動作タイミングの一例を示す図である。
図8において、54は各撮像フレーム(フレーム間の区切り、例えば各フレームの開始)を表すフレーム信号である。55は出力端子151から出力される全体画像出力フレームの出力信号であり、56は同じく3つの注目領域に対応する3枚の部分画像出力フレームの出力信号である。図8に示すように、本実施形態では、全体画像及び部分画像の各々に係る画像信号は、時系列的に別々の撮像フレームで出力される。なお、部分画像の枚数の設定は任意である。
本実施形態においては、図3を参照して説明したように撮像素子32からは、全体画像出力フレームの出力信号55として画素行13(n)の水平方向に画素加算した画像信号と画素行14(n)の画素加算されていない画像信号とが読み出される。ここで、全体画像の大きさは、320画素×240画素のQVGAであるとする。
画素行13(n)、14(n)における各画素の選択は、垂直シフトレジスタ144と水平シフトレジスタ147を用いて行う。
画素行13(n)に対応する画像信号は、画素部148において水平方向4画素分の光電荷が加算され、さらに、CDS回路149において隣接する奇数列(L1)と偶数列(L3)の2列に対応するアナログ信号が加算される。これにより、計8画素分の信号となって出力回路150から出力される。なお、画素部148における4画素加算は、転送MOSトランジスタ153を同時に4個導通することで行い、奇数列(L1)と偶数列(L3)の加算は、前述したように蓄積容量Ct1及びCt3に蓄積された電荷を同時に容量Ca1に転送することで行う。
一方、画素行14(n)に対応する画像信号は、画素部148においてもCDS回路149においても加算されずに、1画素分の信号そのままの形で出力回路150から出力される。撮像素子32から出力された画素行14(n)の加算されていない画像信号は、信号処理回路部33でデジタル化された後に、信号処理回路部33内のメモリに書き込まれる。
画素行14(n)の加算されていない画像信号は、画素行13(n)の画像信号と対応するように、信号処理回路部33によって水平方向に8画素分加算される。これにより、両者は同一の画像解像度と輝度レベルを有することとなる。そして、信号処理回路部33は、画素行13(n)の画像信号と、画素行14(n)の加算されていない画像信号を画素行13(n)の画像信号に対応するように整形して得られた信号とを用いて全体画像を作成する。
また、本実施形態においては、部分画像出力フレームの出力信号56として、撮像素子32から高精細の画像信号が読み出される。この高精細の画像信号は、例えば画素行14(n)の画像信号と同様な画素加算されていない画像信号である。ここで、部分画像の大きさは、全体画像と同様にQVGAであるとする。
各画素行における各画素の選択は、垂直シフトレジスタ145と水平シフトレジスタ147を用いて順次行う。但し、全体画像出力フレームで使用した行(画素行14(n))に関しては、そのまま併用して部分画像に用いることは不適切である。
その理由を、以下に図9を参照して簡単に説明する。
前述したように、全体画像出力フレームで出力される各画素行13(n)、14(n)の画像信号と、複数の部分画像出力フレームで出力されるその他の画素行の画像信号とでは、各々排他的に出力されている。
図9において、61は全体画像出力用の行タイミングを示しており、62は第1の注目領域に対応する部分画像出力用の行タイミングを示しており、63は第2の注目領域に対応する部分画像出力用の行タイミングを示している。行タイミング61、62、63の各々は、光電荷蓄積期間64、電荷転送期間65、及び水平ブランキング期間66を有する。
各部分画像出力用の行タイミング62、63は、図8に示したように全体画像出力フレームとは別のフレームで画像信号を出力するために、全体画像出力用の行タイミング61に対してずれたタイミングとなる。
図9に示されるように、各行タイミング61、62、63では蓄積期間のタイミングが異なるので、同一の画素行を全体画像及び部分画像で併用することはできない。すると、注目領域に対応する部分画像(図3に示した例では、部分画像12a、12b、12c)の各々においては、画素行14(n)に相当する行が欠落することとなり、部分画像の画質を著しく劣化させる。
そこで、本実施形態では、全体画像出力フレームの出力信号55として出力され、信号処理回路部33内のメモリに記憶された画素行14(n)の加算されていない画像信号を参照し、部分画像の構成に用いるようにする。また、信号処理回路部33は、必要であれば輝度レベルの調整等を行う。そして、信号処理回路部33は、画素行14(n)を参照して得られた画像信号と、画素行14(n)を除いた注目領域内のその他の画素行の画像信号とを用いて部分画像を作成する。
勿論、信号処理回路部33は、引用する画素加算されていない画素行14(n)の画像信号と部分画像のその他の画素行の画像信号との解像度が、同一になるように所定の処理を行う。本実施形態において、両者の解像度は、例えば撮像素子32が出力可能な最高解像度(提供可能な最高の解像度)である。
第1の実施形態によれば、画素行13(n)の画素加算した画像信号と、画素行14(n)の画素加算されない画像信号を信号処理回路部33で画素加算して得られた画像信号とを用いて全体画像を作成する。これにより、モアレ等の発生を低減し、間引きした全体画像の画質低下を抑制することができる。
また、部分画像出力フレームで出力された画素行14(n)を除いた注目領域内のその他の画素行の画像信号と、全体画像出力フレームで出力された画素行14(n)の画素加算されていない画像信号とを用いて部分画像を作成する。これにより、部分画像において画素行が欠落することはなく、高精細かつ高品質な部分画像を得ることができる。
したがって、全体画像及び部分画像を別のフレームで出力を行っても、良好な間引きした全体画像及び部分画像を同時に得ることができる。
なお、本実施形態において、画素部148で水平加算する画素数及びCDS回路149で水平加算する画素数は、任意に設定することができる。例えば、画素部148における水平加算数を2、CDS回路149における水平加算数を4としても、前述したような8画素の加算を実現することができ、これらの数の組み合わせは任意である。また、加算を行う画素数も8画素に限定されるものではなく、1よりも充分大きな任意の数とすることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態における撮像装置の全体構成は、第1の実施形態における撮像装置と同様であるので説明は省略する。第2の実施形態における撮像装置は、第1の実施形態における撮像装置とは撮像素子32の内部構成が異なる。
図10は、第2の実施形態における撮像素子32の構成例を示すブロック図である。
41は撮像素子32が搭載された半導体チップであり、42はタイミング制御回路部37からの各種信号が入力される端子である。
43はセレクタである。セレクタ43は、タイミング制御回路部37からの信号に応じて、垂直シフトレジスタ44,45のいずれを使用するかを決定する。44は全体画像に係る画像信号を読み出すための8行毎のスキップ走査(間引き走査)が可能な垂直シフトレジスタであり、45は高精細な部分画像に係る画像信号を読み出すための1行毎に駆動される垂直シフトレジスタである。47は水平シフトレジスタである。これらシフトレジスタ44、45、47によって、画素部48の画素アドレスが指定される。48は、例えば水平2560画素、垂直1920画素、総画素数約500万画素の画素部である。
49はADC回路である。ADC回路49は、列毎に設けられ各画素から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。ADC回路49によって変換されたデジタル信号は、加算回路を内蔵する出力回路50を通って出力端子51から撮像素子外部へと出力される。
なお、第2の実施形態における撮像装置での全体画像及び部分画像の作成に係る処理は第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
ここで、本実施形態においては、画素部48で水平加算する画素数は、第1の実施形態と同様に例えば4である。また、AD変換された後に奇数列と偶数列との加算が出力回路50により行われ、奇数列のデジタル出力値をD1とし偶数列のデジタル出力値をD2とすると、出力回路50からは8画素分の画素加算後の画像信号として値(D1+D2)が出力される。なお、出力回路50から出力される8画素分の出力値は、単純な加算値ではなく平均値(D1+D2)/2であっても良い。また、仮にADC回路の解像度を12ビットとすると、出力値は最大階調数、例えば212−1=4095を越えない値に丸められる。
第2の実施形態によれば、前述した第1の実施形態と同様の効果が得られ、全体画像及び部分画像を別のフレームで出力を行っても、良好な間引きした全体画像及び部分画像を同時に得ることができる。さらに、第2の実施形態では、撮像素子32において、列毎にCDS回路に替えてADC回路49を設けることにより、さらに高速な画像出力が可能になる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態における撮像装置の全体構成は、第1の実施形態における撮像装置と同様であるので説明は省略する。ただし、第3の実施形態における撮像装置は、撮像素子32としてカラー型撮像素子を用いている。
図11は、第3の実施形態における撮像素子32の構成例を示すブロック図である。
71は撮像素子32が搭載された半導体チップであり、72はタイミング制御回路部37からの各種信号が入力される端子である。
73a、73bはセレクタである。セレクタ73aは、タイミング制御回路部37からの信号に応じて、垂直シフトレジスタ74、75のいずれを使用するかを決定する。また、セレクタ73bは、タイミング制御回路部37からの信号に応じて、水平シフトレジスタ76、77のいずれを使用するかを決定する。
74は全体画像に係る画像信号を読み出すための8行毎のスキップ走査(間引き走査)が可能な垂直シフトレジスタであり、75は高精細な部分画像に係る画像信号を読み出すための1行毎に駆動される垂直シフトレジスタである。76は全体画像の水平加算行を読み出すための水平シフトレジスタであり、77は一度に2列を同時駆動可能な水平シフトレジスタである。これらシフトレジスタ74〜77によって、画素部78の画素アドレスが指定される。
79はADC回路である。ADC回路79は、画素部78から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。ADC回路79によって変換されたデジタル信号は、出力回路80を通って出力端子81から撮像素子外部へと出力される。
図12は、本実施形態における画素部78の構成例を示す図である。図12には、画素部78内の一部領域(上下2段8画素の領域)を示している。
画素部78には、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の画素がベイヤー配列で配置されている。図12において、上段はR,G行を示しており、下段はG,B行を示している。これらの行は、転送選択線84、85、水平リセット線86、水平選択線87とそれに接続する垂直シフトレジスタ74、75によって駆動される。
水平シフトレジスタ76、77が駆動する各垂直信号線88、89には、図示したような結線がなされている。なお、下段の画素でも同様の結線がなされているが、図では省略している。ここで、各垂直信号線88、89には、同色の画素が計2個接続されている。したがって、例えば水平シフトレジスタ76は、垂直信号線88、89を通して計2画素の信号を合計したもの(水平加算量)を読み出す。
図13に、画素部78と全体画像に係る画像信号を読み出すための垂直シフトレジスタ74及び水平シフトレジスタ76との結線関係を示す。図中のハッチングが施された画素が垂直シフトレジスタ74及び水平シフトレジスタ76により信号が読み出される画素である。
垂直シフトレジスタ74は、例えば1行目(R、G行)と9行目(R、G行)、4行目(G、B行)と不図示の12行目(G、B行)というように、8行ピッチで画素の信号を読み出す。また、水平シフトレジスタ76は、例えば(1列+3列の加算)列目のR列と(9列+11列の加算)のR列、(2列+4列の加算)列目のG列と不図示の(10列+12列の加算)列目のG列というように、8列ピッチで画素の信号を読み出す。なお、垂直信号線88、89には、転送選択線84、85の制御により、単位画素信号と画素加算信号の両方の出力が可能である。
本実施形態において、全体画像の出力は、以下のようにして行われる。
水平方向に画素加算した画像信号を読み出す画素行13(n)の選択は、垂直シフトレジスタ74と水平シフトレジスタ76を用いて行う。また、画素加算されていない画像信号を読み出す画素行14(n)の選択は、垂直シフトレジスタ74と水平シフトレジスタ77を用いて行う。
画素行13(n)については、各列から出力されたアナログ画像信号が水平方向に2画素加算され垂直信号線に出力される。垂直信号線に出力された画像信号は、ADC回路79によってデジタル信号にAD変換され、出力回路80を通って出力端子81から撮像素子外部へと出力される。また、画素行14(n)については、各画素のアナログ画像信号は画素部78では加算されずにADC回路79を通過し、同様にして出力される。
出力された画像信号は、撮像素子32に接続する信号処理回路部33及び公知の画像処理によってビットプレーンに合成される。このようにして、全体画像の作成に係る処理が行われる。
また、本実施形態における部分画像の出力においては、各行の選択は、垂直シフトレジスタ75と水平シフトレジスタ77を用いて行う。これにより、撮像素子32が出力可能な最高解像度を有する部分画像が撮像素子32から出力される。なお、部分画像の作成に係る信号処理は、第1の実施形態と同様であるのでその説明は省略する。
第3の実施形態によれば、カラー型撮像素子を用いた撮像装置においても、前述した第1の実施形態と同様の効果が得られ、良好な間引きした全体画像及び部分画像を同時に得ることができる。
なお、本実施形態において、水平加算する画素数は2画素に限定されず、大きめの任意の数でよく、例えば8画素等であってもよい。また、水平加算する画素数を増加する方法としては、本実施形態で説明した方法に限られず他の方法であってもよく、例えば第2の実施形態で述べたように出力回路80で加算又は平均化を行う方法も適用可能である。その場合には、余分に垂直信号線の本数が必要になるが、ADC回路79は動作速度が充分に高速であるので、それによる撮像装置の動作速度の低下や、フレームレートの低下は僅かである。
水平加算する画素数が多くなるのに伴って、それだけ感度が向上し、全体画像の蓄積時間を短縮可能することができ、全体画像のフレームレートを向上させることができる。また、各色によって、水平加算する画素数を変えても良く、例えば感度の低い青色画素では8画素、その他の画素では4画素を加算すれば、色再現性の良い画像を得ることができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態における撮像装置の全体構成は、第1の実施形態における撮像装置と同様であるので説明は省略する。第4の実施形態においては、光学系31及び撮像素子32が、図14に示すように構成される。
図14は、第4の実施形態における光学系31を模式的に示す図である。
第4の実施形態における撮像装置は三板式カメラであり、ダイクロイックプリズム91上に3つの撮像素子92〜94が搭載されている。本実施形態では、各色毎に第1の実施形態におけるモノクロ撮像装置と同様の処理が行われる。これにより、良好なカラー全体画像、及びカラー部分画像を得ることができる。
なお、本実施形態における色分解は三色に限られるものではなく、ダイクロイックプリズムの光学設計を変更することで、容易に四色以上の多色撮像装置にも対応することができる。例えば、第四の色に赤外光領域を割り当てることで監視カメラ等に用いられるデイライトカメラをも作成可能であり、高照度な昼間ではカラーカメラとして用い、低照度な夜間ではモノクロカメラとして用いることもできる。この場合には、2台のカメラを使い分ける必要が無いため、コスト性にも優れている。
第4の実施形態によれば、撮像装置の利用範囲が大幅に向上し、例えば監視カメラとして用いることができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
第5の実施形態における撮像装置の全体構成は、第1の実施形態における撮像装置と同様であるので、その説明は省略する。また、第5の実施形態における撮像素子32は、図10に示した第2の実施形態における撮像素子と同様に構成される。撮像素子32において、垂直シフトレジスタ44は4本ピッチで画素行を駆動し、垂直シフトレジスタ45は1行毎に画素行を駆動し、水平シフトレジスタ47は、垂直信号線160の全本を駆動する。また、第5の実施形態における撮像素子32内の画素部は、水平4画素共通アンプ型であり、図6に示したように構成される。
本実施形態における撮像素子32の動作タイミングは、図8に示した第1の実施形態での動作タイミングと同様であり、1つの全体画像及び3つの部分画像の各々に係る画像信号が、時系列的に別々の撮像フレームで出力される。なお、部分画像の枚数の設定は任意である。
以下、図15を参照して第5の実施形態における処理を説明する。
全体画像出力フレームの出力信号55として、注目領域(部分画像)が存在しない画素行133(n)及び注目領域(部分画像)が存在する画素行134(n)の画像信号が、垂直シフトレジスタ44と水平シフトレジスタ47を用いて出力される。
画素行133(n)については、垂直信号線160から水平方向に4画素加算された画像信号が出力される。
それに対して、画素行134(n)については、注目領域(部分画像)が存在しない部分135において、画素行133(n)と同様に垂直信号線160から水平方向に4画素加算された画像信号が出力される。一方、画素行134(n)の注目領域(部分画像)が存在する部分136においては、垂直信号線160からは水平加算された信号ではなく、各画素4個の画像信号が時系列的に出力される。
また、部分画像出力フレームの出力信号56としては、画素行137の画像信号が、垂直シフトレジスタ45と水平シフトレジスタ47とを用いて出力される。ここで、画素行137の画像信号は、水平シフトレジスタ47のスタートパルスを工夫すること等により、注目領域に相当する部分だけ出力される。
そして、読み出された画像信号が信号処理回路部33で前述のように合成され、全体画像及び部分画像が作成される。
第5の実施形態によれば、前述した第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、必要な部分だけ画像情報を出力することで出力情報量が減り、高速化や高フレームレート化が実現できる。なお、前述したように、画像信号の水平加算に係る処理は必ずしも画素部48で行う必要はなく、出力回路50で水平加算に係る処理を行うようにしても良い。
なお、前記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
31 光学系
32 撮像素子
33 信号処理回路部
34 記録・通信部
35 再生・表示部
36 システムコントロール回路部
37 タイミング制御回路部
43、73a、73b、143 セレクタ
44、45、74、75、144、145 垂直シフトレジスタ
47、76、77、147 水平シフトレジスタ
48、78、148 画素部
49、79 ADC回路
50、80、150 出力回路
149 CDS回路

Claims (9)

  1. 撮像素子が出力可能な最高解像度より低解像度の全体画像に係る画像信号、及び当該全体画像より高解像度の部分画像に係る画像信号を前記撮像素子から読み出す読み出し手段と、
    前記読み出し手段により読み出された画像信号を用いて信号処理を行う処理手段とを備え、
    前記処理手段は、前記全体画像に係る画像信号として読み出された画素加算された画素行の画像信号と画素加算がされない画素行の画像信号とを用いて前記全体画像を作成することを特徴とする撮像装置。
  2. 撮像素子が出力可能な最高解像度より低解像度の全体画像に係る画像信号、及び当該全体画像より高解像度の部分画像に係る画像信号を前記撮像素子から読み出す読み出し手段と、
    前記読み出し手段により読み出された画像信号を用いて信号処理を行う処理手段とを備え、
    前記処理手段は、前記部分画像に係る画像信号と、前記全体画像に係る画像信号のうち画素加算がされない画素行の画像信号とを用いて前記部分画像を作成することを特徴とする撮像装置。
  3. 前記全体画像に係る画像信号と前記部分画像に係る画像信号は、異なる撮像フレームで時系列に読み出されることを特徴とする請求項1又は2記載の撮像装置。
  4. 前記全体画像に係る画像信号の画素加算がされない画像信号が読み出される画素行は、前記全体画像及び前記部分画像にともに含まれる画素行であることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  5. 前記処理手段は、前記全体画像に係る画像信号の前記画素加算された画素行の画像信号と前記画素加算がされない画素行の画像信号とを同一の解像度の画像信号に変換することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  6. 撮像素子が出力可能な最高解像度より低解像度の全体画像に係る画像信号、及び当該全体画像より高解像度の部分画像に係る画像信号を前記撮像素子から読み出す読み出し手段と、
    前記読み出し手段により読み出された画像信号を用いて前記全体画像及び前記部分画像を作成する処理手段とを備え、
    前記処理手段は、前記全体画像に係る画像信号として読み出された画素加算された画素行の画像信号と画素加算がされない画素行の画像信号とを用いて前記全体画像を作成し、前記部分画像に係る画像信号と前記全体画像に係る画像信号のうち前記画素加算がされない画素行の画像信号とを用いて前記部分画像を作成することを特徴とする撮像装置。
  7. 前記処理手段は、前記読み出し手段により読み出された前記全体画像に係る画像信号のうちの前記画素加算がされない画素行の画像信号を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
  8. 前記処理手段は、前記全体画像に係る画像信号の前記画素加算がされない画素行の画像信号を、前記画素加算された画素行の画像信号と同一の解像度に変換して前記全体画像を作成することを特徴とする請求項6又は7記載の撮像装置。
  9. 撮像素子が出力可能な最高解像度より低解像度の全体画像に係る画像信号、及び当該全体画像より高解像度の部分画像に係る画像信号を前記撮像素子から読み出す読み出し工程と、
    前記読み出し工程で読み出された画像信号を用いて前記全体画像及び前記部分画像を作成する処理工程とを備え、
    前記処理工程では、前記全体画像に係る画像信号として読み出された画素加算された画素行の画像信号と画素加算がされない画素行の画像信号とを用いて前記全体画像を作成し、前記部分画像に係る画像信号と前記全体画像に係る画像信号のうち前記画素加算がされない画素行の画像信号とを用いて前記部分画像を作成することを特徴とする撮像方法。
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