JP2010224324A - ディスプレイ用表面材、その製造方法、その表面材を用いたディスプレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】付着した指紋が目立たず、帯電防止性に優れ、ディスプレイ画像の視認性に優れたディスプレイ用表面材と、その製造方法と、その面材を備えたディスプレイとを提供する。
【解決手段】ディスプレイの表面に配置されて用いられるディスプレイ用表面材である。ポリオレフィン樹脂と金属酸化物とを含有する機能層が基材上に設けられている。ポリオレフィン樹脂100質量部に対して金属酸化物を200〜4500質量部含有する。ポリオレフィン樹脂が、不飽和カルボン酸またはその無水物と、オレフィン化合物と、側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物との3成分を含む共重合体であって、不飽和カルボン酸またはその無水物の含有率が0.01質量%以上5質量%未満であり、(オレフィン化合物)/(側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物)=75/25〜99/1(質量比)である。
【選択図】なし
【解決手段】ディスプレイの表面に配置されて用いられるディスプレイ用表面材である。ポリオレフィン樹脂と金属酸化物とを含有する機能層が基材上に設けられている。ポリオレフィン樹脂100質量部に対して金属酸化物を200〜4500質量部含有する。ポリオレフィン樹脂が、不飽和カルボン酸またはその無水物と、オレフィン化合物と、側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物との3成分を含む共重合体であって、不飽和カルボン酸またはその無水物の含有率が0.01質量%以上5質量%未満であり、(オレフィン化合物)/(側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物)=75/25〜99/1(質量比)である。
【選択図】なし
Description
本発明は、各種ディスプレイの表面に設けられるディスプレイ用表面材、その製造方法、その表面材を備えたディスプレイに関するものである。
近年、テレビ、携帯電話、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション、ATMなど、ディスプレイが備えられた設備や装置が身の回りにあふれている。そのディスプレイの操作は、ディスプレイ表面を指で触れることにより行われる。このため、ディスプレイ表面に指紋が付着して、画面の外観や視認性が損なわれるという問題がある。また、埃などがディスプレイ表面につくことも、外観不良や視認性の低下の原因となり、さらには指紋の存在を際立たせる原因となるため、問題となっている。
これらの対策として、フッ素やシリコーンなどの処理剤を用いて、ディスプレイ表面の表面エネルギーを下げ、撥水、溌油性を高くすることで指紋の付着を抑制する方法が提案されている(特許文献1)。一方で、表面に凹凸を形成し、指紋成分が濡れ広がるようにすることで、指紋を目立たなくする方法も提案されている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、指紋の付着を完全に防ぐのは困難であり、しかも、付着した指紋成分が凝集して微小液滴を形成し、光の乱反射を誘発することで、指紋が目立ってしまうという問題がある。特許文献2に記載の方法は、この問題を解決するためのものである。しかし特許文献2では、金属酸化物の添加について言及しているものの、溶剤系で分散可能なシリカについての検討しか行われておらず、しかも表面変性を行っているために粒子が大きくなったことで、ディスプレイ用表面材のヘイズが高くなり、このため画像の視認性に課題がある。また特許文献2では、埃の付着抑制(表面抵抗率)については述べられていない。
本発明は、これらの問題を鑑み、付着した指紋が目立たず、帯電防止性に優れ、ディスプレイ画像の良好な視認性を得ることができるディスプレイ用表面材およびその製造方法と、それを備えたディスプレイとを提供しようとするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定組成のポリオレフィン樹脂に、特定量の金属酸化物を配合してなる機能層を積層した材料は、ディスプレイ用表面基材として有効であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)ディスプレイの表面に配置されて用いられるディスプレイ用表面材であって、ポリオレフィン樹脂と金属酸化物とを含有する機能層が基材上に設けられており、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して金属酸化物を200〜4500質量部含有し、ポリオレフィン樹脂が、不飽和カルボン酸またはその無水物と、オレフィン化合物と、側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物との3成分を含む共重合体であって、不飽和カルボン酸またはその無水物の含有率が0.01質量%以上5質量%未満であり、(オレフィン化合物)/(側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物)=75/25〜99/1(質量比)であることを特徴とするディスプレイ用表面材。
(2) 不飽和カルボン酸またはその無水物と、オレフィン化合物と、側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物との3成分からなる共重合体にて構成され、不飽和カルボン酸またはその無水物の含有率が0.01質量%以上5質量%未満であり、(オレフィン化合物)/(側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物)=75/25〜99/1(質量比)であるポリオレフィン樹脂100質量部と、金属酸化物200〜4500質量部とを含有した水性分散体を基材上に塗工したのち乾燥する工程を含むことを特徴とするディスプレイ用表面材の製造方法。
(3) 表面に上記(1)のディスプレイ用表面材が配置されていることを特徴とするディスプレイ。
本発明のディスプレイ用表面材は、付着した指紋が目立たず、帯電防止性にも優れている。しかも透明性にも優れているので、視認性にも優れている。このため本発明のディスプレイ用表面材は、テレビ、携帯電話、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション、ATMなどディスプレイの表面保護に好適に用いることができる。
本発明のディスプレイ用表面材の製造方法によれば、本発明のディスプレイ用表面材を工業的に簡便に得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のディスプレイ用表面材は、基材上に機能層を設けたものである。
機能層は、ポリオレフィン樹脂と金属酸化物とを含有する。
本発明のディスプレイ用表面材は、基材上に機能層を設けたものである。
機能層は、ポリオレフィン樹脂と金属酸化物とを含有する。
機能層に含まれるポリオレフィン樹脂は、不飽和カルボン酸またはその無水物と、オレフィン化合物と、側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物との3成分を含む共重合体であって、不飽和カルボン酸またはその無水物の含有率が0.01質量%以上5質量%未満であり、(オレフィン化合物)/(側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物)=75/25〜99/1(質量比)である。
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂は、上記のように、不飽和カルボン酸またはその無水物を0.01質量%以上5質量%未満含有している必要がある。より好ましくは0.1質量%以上5質量%未満であり、さらに好ましくは0.5質量%以上5質量%未満であり、特に好ましくは1質量%以上4質量%未満である。不飽和カルボン酸またはその無水物の含有量が0.01質量%未満の場合は、基材との十分な密着性が得られないことがある。一方、不飽和カルボン酸またはその無水物の含有量が5質量%を超えた場合も、基材との十分な密着性が得られないことがあり、また、付着した指紋が目立つ場合がある。
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂は、共重合体構成成分であるオレフィン化合物と側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物との合計を100質量%とした場合に、オレフィン化合物と側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物との質量比(オレフィン化合物)/(側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物)が、75/25〜99/1であることが必要である。この質量比は、78/22〜98/2であることが好ましく、80/20〜97/3であることがより好ましく、80/20〜96/4であることがさらに好ましく、80/20〜95/5であることが特に好ましい。側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物の含有量が1質量%未満では、後述する水性化が困難になる。一方、同化合物の含有量が25質量%を超えると、透明性が低下したり、付着した指紋が目立ったりする場合がある。
本発明でいう不飽和カルボン酸またはその無水物とは、分子内(モノマー単位内)に少なくとも1個のカルボキシル基または酸無水物基を有する化合物をいう。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。また不飽和カルボン酸は、ポリオレフィン樹脂中に共重合されていれば良い。その形態は限定されるものではなく、例えばランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。
本発明でいうオレフィン化合物としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のオレフィン類が挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。この中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のオレフィンがより好ましく、特にエチレンが好ましい。
本発明に用いられる、側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどの炭素数3〜30までのアルキルビニルエーテル類;ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルエステル類を塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコール;(メタ)アクリル酸アミド類などが挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。この中で、(メタ)アクリル酸エステル類がより好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、あるいは(メタ)アクリル酸エチルが特に好ましい。
アクリル酸エステル類は、後述する樹脂の水性化の際に、エステル結合のごく一部が加水分解してアクリル酸単位に変化することがあるが、その様な場合には、それを含めた不飽和カルボン酸単位の合計の含有量が請求項記載の範囲であればよい。
なお、不飽和カルボン酸またはその無水物も側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物であるが、ここでは、不飽和カルボン酸またはその無水物以外の化合物を、「側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物」と呼ぶことにする。
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂は、実質的にエチレン、アクリル酸メチル或いはアクリル酸エチル、無水マレイン酸からなる三元共重合体が最も好ましい。
不飽和カルボン酸またはその無水物が無水マレイン酸単位である場合は、この無水マレイン酸単位を含有するポリオレフィン樹脂中のマレイン酸単位は、乾燥状態では隣接カルボキシル基が脱水環化した無水マレイン酸構造を取りやすく、一方、後述する塩基性化合物を含有する水性媒体中では、その一部または全部が開環してマレイン酸、或いはその塩の構造を取りやすい。
ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート(MFR)は、190℃、21.2N(2160g)荷重において1〜1000g/10分であることが好ましく、1〜500g/10分であることがより好ましく、2〜300g/10分であることがさらに好ましく、2〜200g/10分であることが特に好ましい。1g/10分未満のものは、樹脂の製造が困難なうえ、後述する水性分散体とするのが困難である。1000g/10分以上のものは、基材との密着性が低下しやすい。
本発明に用いることができるポリオレフィン樹脂の商品名としては、アルケマ社製の無水マレイン酸ポリオレフィン樹脂である「ボンダインシリーズ」が挙げられる。具体的な商品名として、「LX−4110」、「HX−8210」、「HX−8290」、「TX−8030」などがある。
本発明のディスプレイ用表面材の機能層は、金属酸化物を含有する必要がある。金属酸化物の含有量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、200〜4500質量部であることが必要で、好ましくは400〜3000質量部、より好ましくは800〜2000質量部である。金属酸化物の割合が200質量部未満では、機能層の帯電防止性が不十分であったりする場合や、指紋視認性抑制効果が劣ったりする場合がある。一方、4500質量部を超えると、機能層と基材との密着性が低下したりする場合や、指紋視認性抑制効果が劣ったりする場合がある。
金属酸化物の粒子径は、数平均粒子径が50nm以下であることが好ましく、これが20nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることが特に好ましい。数平均粒子径が50nmを超える場合は、機能層の透明性が低下したり、基材への密着性が低下したりする場合がある。金属酸化物の数平均粒子径は、動的光散乱法によって測定することができる。
本発明で使用される金属酸化物は、導電性金属酸化物であることが好ましい。ここでいう導電性金属酸化物とは、電気伝導性を有する金属酸化物を意味する。具体例としては、酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ、インジウムドープ酸化スズ、酸化スズドープインジウム、アルミニウムドープ酸化スズ、タングステンドープ酸化スズ、酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズの複合体、酸化チタン−酸化スズの複合体などの酸化スズ系化合物や;アルミニウムドープ酸化亜鉛、アンチモンドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛などの酸化亜鉛系化合物や;フッ素ドープ酸化インジウム、カドミウムドープ酸化インジウムなどの酸化インジウム系化合物や;ニオブドープ酸化チタンなどの酸化チタン系化合物などが挙げられる。それらの溶媒和物や配位化合物も用いることができる。なかでも、透明性や導電性などの性能に優れ、かつその性能とコストとのバランスのとれた、酸化スズ、アルミドープ酸化亜鉛、アンチモンドープ酸化亜鉛、それらの溶媒和物や配位化合物が、好ましく用いられる。
上記の導電性金属酸化物の製造方法は特に限定されないが、たとえば、酸化スズの製造方法としては、金属スズやスズ化合物を加水分解または熱加水分解する方法や、スズイオンを含む酸性溶液をアルカリ加水分解する方法や、スズイオンを含む溶液をイオン交換膜やイオン交換樹脂によりイオン交換する方法など、何れの方法も用いることができる。
導電性金属酸化物は、市販のものを使用することもできる。例えば、酸化スズ水分散体としてはユニチカ社製「AS11T」を用いることができ、アンチモンドープ酸化亜鉛水分散体としては日産化学工業社製「セルナックス CX−Z330H−F2」などを用いることができる。
本発明のディスプレイ用表面材の機能層は、フッ素化合物、シリコーン化合物、ワックス類、界面活性剤の合計の含有量が、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して1質量部以下であることが好ましい。この量が少ないほど、機能層と基材との密着性が向上するとともに、指紋視認性が抑制される。そのため、この含有量は、0.5質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以下であることがより好ましく、0質量部すなわち含んでいないことが特に好ましい。
ここにいうフッ素化合物とは、フッ素原子を含む化合物を意味し、シリコーン化合物とは、有機基をもつケイ素と酸素が交互に結合してできた主鎖をもつ化合物を意味する。
ここにいうワックス類とは、数平均分子量が10,000以下の、植物ワックス、動物ワックス、鉱物ワックス、石油化学ワックス等を意味する。
ここにいうワックス類とは、数平均分子量が10,000以下の、植物ワックス、動物ワックス、鉱物ワックス、石油化学ワックス等を意味する。
ここにいう界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性(非イオン性)界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、反応性界面活性剤等が挙げられる。一般に乳化重合に用いられるもののほか、乳化剤類も含まれる。
ディスプレイ用表面材の基材としては、樹脂材料、ガラス材料等で形成されたものが挙げられる。基材の厚みは、特に限定されるものではないが、通常は10〜1000μmであればよく、10〜500μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましい。
基材に用いることができる樹脂材料としては、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ(メタ)アクリルロニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、トリアセテートセルロース(TAC)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリウレタン系樹脂、再生セルロース系樹脂、ジアセチルセルロース系樹脂、アセテートブチレートセルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン3元共重合系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノルボルネン系樹脂等が挙げられる。それらの中でも、汎用性及び用途実績等の観点から、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、トリアセテートセルロース(TAC)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が好ましい。樹脂材料は、延伸処理されていてもよい。樹脂材料は、公知の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤などを、含んでいてもよい。基材としての樹脂材料は、機能層と積層する場合の密着性を良くするために、その表面に、前処理として、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、薬品処理、溶剤処理等を施したものであってもよい。また、シリカ、アルミナ等が蒸着されていてもよい。基材には、バリア層、易接着層、帯電防止層、紫外線吸収層、接着層、離型層、反射防止層、ハードコート層、アンチグレア層などの他の層が積層されていてもよい。
ディスプレイ用表面材における機能層の厚みは、0.01〜2μmの範囲であることが好ましく、0.05〜1μmであることがより好ましく、0.1〜0.5μmであることが特に好ましい。0.01μm未満では十分な帯電防止性などが得られず、2μmを超える場合はヘイズが高くなる場合がある。
機能層表面の算術平均粗さは、20nm未満であることが好ましく、10nm未満であることがさらに好ましい。算術平均粗さが20nm以上になると、ヘイズが高くなる場合がある。
機能層表面の表面抵抗率は、109Ω/□以下であることが好ましく、108Ω/□以下であることがより好ましい。表面抵抗率が109Ω/□以上では、ディスプレイ上に埃が付着するのを抑制するのが困難になる場合がある。
本発明のディスプレイ用表面材のヘイズ値は、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましい。5%を超えると、画面の視認性が悪くなる場合がある。
本発明のディスプレイ用表面材は、ポリオレフィン樹脂と金属酸化物とが水性媒体中に分散されている水性分散体を、基材上に塗工したのち乾燥するという製造方法によって、工業的に簡便に得ることができる。
本発明において、水性媒体とは、水と両親媒性有機溶剤とを含むとともに水の含有量が2質量%以上である溶媒を意味し、水のみでもよい。両親媒性有機溶剤とは、20℃における水の溶解性が5質量%以上である有機溶剤をいう〔20℃における有機溶剤に対する水の溶解性については、例えば「溶剤ハンドブック」(講談社サイエンティフィク、1990年第10版)等の文献に記載されている〕。
水性媒体は、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール(以下「NPA」と略称する)、イソプロパノール(以下「IPA」と略称する)等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジメチル等のエステル類;そのほか、アンモニアを含む、ジエチルアミン、トリエチルアミン(以下「TEA」と略称する)、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン(以下「DMEA」と略称する)、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−ジエタノールアミン等の有機アミン化合物;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンなどのラクタム類等を挙げることができる。
ポリオレフィン樹脂と金属酸化物とを含む水性分散体を製造する方法は、各成分が水性媒体中に均一に混合される方法であれば、特に限定されない。たとえば、次のような方法が挙げられる。
(i)ポリオレフィン樹脂の水性分散体に、金属酸化物またはその水性分散液を添加して混合する方法。
(ii)ポリオレフィン樹脂と金属酸化物との混合物を水性分散化する方法。
上記(i)の方法の場合は、適宜混合すればよい。金属酸化物の水性分散液を用いる場合、その濃度は特に制限されるものではない。しかし、取り扱いやすさの点から、5〜10質量%であることが好ましい。上記(ii)の方法の場合は、ポリオレフィン樹脂を水性分散化する際に、金属酸化物を添加すればよい。
他の成分を添加する場合も、(i)または(ii)の製法における任意の段階でその添加を行うことができる。
例えば、水性分散体に架橋剤を混合して機能層の耐擦過性を上げることができる。架橋剤としては、自己架橋性を有する架橋剤、カルボキシル基と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物等を用いることができ、このうちイソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン基含有化合物等が好ましく、特に、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物が効果的である。これらの架橋剤は組み合わせて使用してもよい。耐擦過性や耐溶剤性などの各種性能を向上させるための好ましい架橋剤の添加量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して0.01〜100質量部、より好ましくは0.1〜60質量部である。
その他、表面材の機能が損なわれない範囲で、紫外線吸収剤、滑剤などを添加することもできる。
ポリオレフィン樹脂を上記のような水性媒体に分散化する方法は、特に限定されないが、例えば、国際公開WO02/055598号に記載されたものが挙げられる。
水性媒体中のポリオレフィン樹脂の分散粒子径は、他の成分との混合時の安定性および混合後の保存安定性の点から、数平均粒子径が1μm以下であることが好ましく、0.8μm以下であることがより好ましい。このような粒径は、WO02/055598号に記載の製法により達成可能である。ポリオレフィン樹脂の数平均粒子径は、前述の金属酸化物同様、動的光散乱法によって測定される。
水性分散体の固形分含有率は、積層条件、目的とする厚さにより適宜選択でき、特に限定されるものではない。しかし、水性分散体の粘性を適度に保ち、かつ良好な機能層を形成させるためには、固形分含有率は1〜60質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。
水性分散体を基材に塗工する方法としては、公知の方法、例えばグラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等を挙げることができる。これらの方法により水性分散体を基材の表面に均一に塗工し、必要に応じて室温付近でセッティングした後、乾燥処理又は乾燥のための加熱処理に供することにより、均一な機能層を基材に密着させて形成することができる。
本発明のディスプレイ用表面材の裏面には、粘着剤層が積層されていてもよい。これは、ディスプレイ用表面材をディスプレイの表面に貼着するためのものである。係る粘着剤層を形成する粘着剤としては、例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられる。なかでも、透明性の点ではアクリル系粘着剤が好ましく、再剥離性の点ではシリコーン系粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤の主成分である粘着性重合体としては、炭素数が1〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、官能基含有不飽和単量体との共重合体が好ましい。炭素数が1〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル等が挙げられる。官能基含有不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等が挙げられる。ゴム系粘着剤の主成分である粘着性重合体としては、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−イソプレン系ブロック共重合体、天然ゴム等が好ましい。粘着剤層の厚さは、5〜100μmであることが好ましい。
ディスプレイ用表面材は、手が触れてその表面が指紋により汚される可能性のあるディスプレイ本体の最表面に備えられることが効果的である。このようなディスプレイ本体としては、具体的には、展示用ディスプレイに用いられるショウケース、ショウウィンドウ等に用いられるガラスケースやプラスチックケースが挙げられる。また、パーソナルコンピュータ、ワープロ、テレビ、携帯電話、携帯端末、ゲーム機、自動現金引出し預け入れ装置、現金自動支払機、自動販売機、ナビゲーション装置、セキュリティーシステム端末等の画像を表示するディスプレイとしてのタッチパネルの表面(CRT、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、電子ペーパーなどに用いられるトナー系ディスプレイ等々)が挙げられる。
例えば、ディスプレイとしてのタッチパネルの場合、上記のような各種ディスプレイに組み込まれた一体型の場合や、各種ディスプレイ装置の表示面上に配置されるセパレート型がある。タッチパネルの方式としては公知の方式が何れも採用可能であり、特に限定されない。具体的には、例えば超音波方式、抵抗膜方式、静電容量方式、電気歪み方式、磁気歪み方式、赤外線方式、電磁誘導方式などの方式が挙げられる。
以下に実施例によって本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらによって限定されるものではない。
以下の実施例における各種物性値の測定方法は、下記の通りとした。
以下の実施例における各種物性値の測定方法は、下記の通りとした。
(1)ポリオレフィン樹脂の構成
バリアン社製の分析装置(GEMINI2000/300、300MHz)を用いて、1H−NMR分析により求めた。オルトジクロロベンゼン(d4)を溶媒とし、120℃で測定した。
バリアン社製の分析装置(GEMINI2000/300、300MHz)を用いて、1H−NMR分析により求めた。オルトジクロロベンゼン(d4)を溶媒とし、120℃で測定した。
(2)オレフィン樹脂中の不飽和カルボン酸単位の含有量
JIS K5407に準じて測定し、その値にもとづき不飽和カルボン酸の含有量(グラフト率)を次式から求めた。
JIS K5407に準じて測定し、その値にもとづき不飽和カルボン酸の含有量(グラフト率)を次式から求めた。
含有量(質量%)
=(グラフトした不飽和カルボン酸の質量)/(原料ポリオレフィン樹脂の質量)
×100
=(グラフトした不飽和カルボン酸の質量)/(原料ポリオレフィン樹脂の質量)
×100
(3)ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート(MFR)
JIS K6730に記載の方法(190℃、21.2N(2160g)荷重)で測定した。
JIS K6730に記載の方法(190℃、21.2N(2160g)荷重)で測定した。
(4)水性分散体の有機溶剤含有率
島津製作所社製、ガスクロマトグラフGC−8A[FID検出器使用、キャリアーガス:窒素、カラム充填物質(ジーエルサイエンス社製):PEG−HT(5%)−Uniport HP(60/80メッシュ)、カラムサイズ:直径3mm×3m、試料投入温度(インジェクション温度):150℃、カラム温度:60℃、内部標準物質:n-ブタノール]を用い、水性分散体または水性分散体を水で希釈したものを直接装置内に投入して、有機溶剤の含有率を求めた。検出限界は0.01質量%であった。
島津製作所社製、ガスクロマトグラフGC−8A[FID検出器使用、キャリアーガス:窒素、カラム充填物質(ジーエルサイエンス社製):PEG−HT(5%)−Uniport HP(60/80メッシュ)、カラムサイズ:直径3mm×3m、試料投入温度(インジェクション温度):150℃、カラム温度:60℃、内部標準物質:n-ブタノール]を用い、水性分散体または水性分散体を水で希釈したものを直接装置内に投入して、有機溶剤の含有率を求めた。検出限界は0.01質量%であった。
(5)水性分散体の固形分濃度
水性分散体を適量秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱して、固形分濃度を求めた。
水性分散体を適量秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱して、固形分濃度を求めた。
(6)ポリオレフィン樹脂粒子および金属酸化物の数平均粒子径
日機装社製、マイクロトラック粒度分布計 UPA150(MODEL No.9340、動的光散乱法)を用いて、数平均粒子径を求めた。粒子径算出に用いる樹脂の屈折率は1.50とし、酸化スズの屈折率は2.00とし、シリカの屈折率は1.48とした。
日機装社製、マイクロトラック粒度分布計 UPA150(MODEL No.9340、動的光散乱法)を用いて、数平均粒子径を求めた。粒子径算出に用いる樹脂の屈折率は1.50とし、酸化スズの屈折率は2.00とし、シリカの屈折率は1.48とした。
(7)機能層の厚み
接触式膜厚計を用いて測定した。詳細には、水性分散体を基材にコーティングし乾燥して機能層を積層したディスプレイ用表面材の全体の厚さから、基材の厚さを減じて、求めた。
接触式膜厚計を用いて測定した。詳細には、水性分散体を基材にコーティングし乾燥して機能層を積層したディスプレイ用表面材の全体の厚さから、基材の厚さを減じて、求めた。
(8)指紋視認性
基材と、この基材の表面の一部分に形成した機能層とに跨るように指紋を付着させ、基材側に付着した指紋との比較により、機能層の指紋視認性について、目視により下記の4段階で官能評価を行った。
基材と、この基材の表面の一部分に形成した機能層とに跨るように指紋を付着させ、基材側に付着した指紋との比較により、機能層の指紋視認性について、目視により下記の4段階で官能評価を行った。
4:指紋が全く見えない
3:僅かに指紋が見える
2:基材より薄いが指紋が見える
1:基材と同程度に指紋が見える
3:僅かに指紋が見える
2:基材より薄いが指紋が見える
1:基材と同程度に指紋が見える
(9)表面粗さ(Ra)
キーエンス社製、カラー3Dレーザー顕微鏡、VK−9700を使用し、JIS B0601−2001に基づいてRaを測定した。なお、機能層表面の算術平均粗さを測定するため、基材としてのフィルムに滑材が含まれている部分は避けて測定した。
キーエンス社製、カラー3Dレーザー顕微鏡、VK−9700を使用し、JIS B0601−2001に基づいてRaを測定した。なお、機能層表面の算術平均粗さを測定するため、基材としてのフィルムに滑材が含まれている部分は避けて測定した。
(10)ディスプレイ画像視認性評価
表面材をディスプレイ上に装着し、ディスプレイ画像の視認性について、目視により下記の3段階にて官能評価を行った。
表面材をディスプレイ上に装着し、ディスプレイ画像の視認性について、目視により下記の3段階にて官能評価を行った。
3:鮮明で良好な視認性が得られる
2:僅かに鮮明さは欠けるが視認性はある
1:視認性に欠ける
2:僅かに鮮明さは欠けるが視認性はある
1:視認性に欠ける
(11)ヘイズ
JIS K7361−1に基づいて、濁度計(日本電色工業社製、NDH2000)を用いて、ディスプレイ用表面材のヘイズ測定を行った。ただし、その評価値は、基材として用いたフィルムのヘイズ3.6%を含んでいるものであった。
JIS K7361−1に基づいて、濁度計(日本電色工業社製、NDH2000)を用いて、ディスプレイ用表面材のヘイズ測定を行った。ただし、その評価値は、基材として用いたフィルムのヘイズ3.6%を含んでいるものであった。
(12)帯電防止性能
JIS K6911に基づいて、アドバンテスト社製 デジタル超高抵抗/微小電流計、R8340を用いて、ディスプレイ用表面材の機能層表面の表面抵抗値を、温度23℃、湿度65%雰囲気下で測定した。
JIS K6911に基づいて、アドバンテスト社製 デジタル超高抵抗/微小電流計、R8340を用いて、ディスプレイ用表面材の機能層表面の表面抵抗値を、温度23℃、湿度65%雰囲気下で測定した。
〔水性分散体E−1〕
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの「ボンダイン LX−4110」(アルケマ社製、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、MFR:5g/10分)、90.0gのIPA(和光純薬社製)、3.0gのTEA(和光純薬社製)、147.0gの蒸留水を、上記のガラス容器内に仕込んだ。そして、撹拌翼の回転速度を300rpmとし、系内温度を140〜145℃に保って、60分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま撹拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した。さらに、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧ろ過(空気圧0.2MPa)した。これによって、乳白色の均一な酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を得た。
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの「ボンダイン LX−4110」(アルケマ社製、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、MFR:5g/10分)、90.0gのIPA(和光純薬社製)、3.0gのTEA(和光純薬社製)、147.0gの蒸留水を、上記のガラス容器内に仕込んだ。そして、撹拌翼の回転速度を300rpmとし、系内温度を140〜145℃に保って、60分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま撹拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した。さらに、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧ろ過(空気圧0.2MPa)した。これによって、乳白色の均一な酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を得た。
〔水性分散体E−2〕
ポリオレフィン樹脂として「ボンダイン HX−8210」(アルケマ社製、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、MFR:200g/10分)を用い、水性分散体E−1の製造の際と同様の操作を行って、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−2を得た。
ポリオレフィン樹脂として「ボンダイン HX−8210」(アルケマ社製、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、MFR:200g/10分)を用い、水性分散体E−1の製造の際と同様の操作を行って、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−2を得た。
〔水性分散体E−3〕
ポリオレフィン樹脂として「ボンダイン HX−8290」(アルケマ社製、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、MFR:65g/10分)を用い、水性分散体E−1の製造の際と同様の操作を行って、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−3を得た。
ポリオレフィン樹脂として「ボンダイン HX−8290」(アルケマ社製、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、MFR:65g/10分)を用い、水性分散体E−1の製造の際と同様の操作を行って、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−3を得た。
〔水性分散体E−4〕
ポリオレフィン樹脂として「ボンダイン TX−8030」(アルケマ社製、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、MFR:3g/10分)を用い、水性分散体E−1の製造の際と同様の操作を行って、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−4を得た。
ポリオレフィン樹脂として「ボンダイン TX−8030」(アルケマ社製、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、MFR:3g/10分)を用い、水性分散体E−1の製造の際と同様の操作を行って、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−4を得た。
〔水性分散体E−5〕
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの「プリマコール5980I」(ダウケミカル社製、アクリル酸変性ポリオレフィン樹脂)、16.8gのTEA、223.2gの蒸留水を上記のガラス容器内に仕込んだ。そして、撹拌翼の回転速度を300rpmとし、系内温度を140〜145℃に保って、30分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま撹拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した。さらに、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧ろ過(空気圧0.2MPa)して、微白濁の酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−5を得た。この際、フィルター上に樹脂は殆ど残っていなかった。
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの「プリマコール5980I」(ダウケミカル社製、アクリル酸変性ポリオレフィン樹脂)、16.8gのTEA、223.2gの蒸留水を上記のガラス容器内に仕込んだ。そして、撹拌翼の回転速度を300rpmとし、系内温度を140〜145℃に保って、30分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま撹拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した。さらに、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧ろ過(空気圧0.2MPa)して、微白濁の酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−5を得た。この際、フィルター上に樹脂は殆ど残っていなかった。
(ポリオレフィン樹脂P−1)
プロピレン−ブテン−エチレン三元共重合体(ヒュルスジャパン社製、ベストプラスト708、プロピレン/ブテン/エチレン=64.8/23.9/11.3質量%)280gを、4つ口フラスコ中において窒素雰囲気下で加熱溶融させた後、系内温度を170℃に保って撹拌しながら、不飽和カルボン酸としての無水マレイン酸32.0gと、ラジカル発生剤としてのジクミルパーオキサイド6.0gとをそれぞれ1時間かけて加え、その後1時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥して、ポリオレフィン樹脂P−1を得た。
プロピレン−ブテン−エチレン三元共重合体(ヒュルスジャパン社製、ベストプラスト708、プロピレン/ブテン/エチレン=64.8/23.9/11.3質量%)280gを、4つ口フラスコ中において窒素雰囲気下で加熱溶融させた後、系内温度を170℃に保って撹拌しながら、不飽和カルボン酸としての無水マレイン酸32.0gと、ラジカル発生剤としてのジクミルパーオキサイド6.0gとをそれぞれ1時間かけて加え、その後1時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥して、ポリオレフィン樹脂P−1を得た。
〔水性分散体E−6〕
水性分散体E−1の製造の際と比べて、ポリオレフィン樹脂として「P−1」を用い、IPAの代わりにNPAを用い、3.0gのTEAの代わりに6.9gのDMEA(和光純薬社製)を用いた。それ以外は水性分散体E−1の製造の際と同様の操作を行って、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−6を得た。
水性分散体E−1の製造の際と比べて、ポリオレフィン樹脂として「P−1」を用い、IPAの代わりにNPAを用い、3.0gのTEAの代わりに6.9gのDMEA(和光純薬社製)を用いた。それ以外は水性分散体E−1の製造の際と同様の操作を行って、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−6を得た。
〔水性分散体E−7〕
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの「ボンダイン AX−8390」(アルケマ社製、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、MFR:7g/10分)、150.0gのNPA(和光純薬社製)、5.4gのDMEA(和光純薬社製)、84.6gの蒸留水をガラス容器内に仕込んだ。そして、撹拌翼の回転速度を300rpmとし、系内温度を140〜145℃に保って、60分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま撹拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した。さらに、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧ろ過(空気圧0.2MPa)した。これによって、乳白色の均一な酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−7を得た。
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの「ボンダイン AX−8390」(アルケマ社製、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、MFR:7g/10分)、150.0gのNPA(和光純薬社製)、5.4gのDMEA(和光純薬社製)、84.6gの蒸留水をガラス容器内に仕込んだ。そして、撹拌翼の回転速度を300rpmとし、系内温度を140〜145℃に保って、60分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま撹拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した。さらに、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧ろ過(空気圧0.2MPa)した。これによって、乳白色の均一な酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−7を得た。
酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1〜E−5、E−7の製造に使用したポリオレフィン樹脂の組成を表1に示す。ポリオレフィン樹脂P−1の特性を表2に示す。得られた酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1〜E−7の組成を表3に示す。
表1に示すように、水性分散体E−1に用いたポリオレフィン樹脂「ボンダインLX−4110」と、水性分散体E−2に用いた酸変性ポリオレフィン樹脂「ボンダインHX−8210」と、水性分散体E−3に用いたポリオレフィン樹脂「ボンダインHX−8290」と、水性分散体E−4に用いたポリオレフィン樹脂「TX−8030」とは、いずれも本発明に適合するものであった。これに対し、水性分散体E−5に用いた酸変性ポリオレフィン樹脂「プリマコール5980I」は、酸変性成分が10質量%を超えており、本発明に適合しないものであった。また水性分散体E−7に用いたポリオレフィン樹脂「ボンダインAX−8390」は、オレフィン化合物と側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物との合計を100質量%としたときに、側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物の含有量が25質量%を超えており、本発明に適合しないものであった。さらに表2に示すように、水性分散体E−6に用いたポリオレフィン樹脂「P−1」は、側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物を含んでおらず、本発明に適合しないものであった。
実施例1
酸化スズゾル(ユニチカ社製、AS11T、固形分濃度:11.5質量%、数平均粒子径:9.8nm)に、得られる水性分散体の20質量%になるようにIPAを加え、撹拌することで、透明な水性分散体を得た。これに、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズが800質量部となるように添加し、撹拌することによって、ポリオレフィン樹脂と酸化スズとを含有した水性分散体を得た。その固形分濃度は10.0質量%であった。得られた水性分散体を、基材としての二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム(ユニチカ社製、エンブレットPET−12、厚さ:12μm)のコロナ処理面にマイヤーバーを用いてコートした後、120℃で30秒間乾燥させて、基材としてのフィルム上に厚さ0.1μmの機能層を形成させることで、ディスプレイ用表面材を得た。
酸化スズゾル(ユニチカ社製、AS11T、固形分濃度:11.5質量%、数平均粒子径:9.8nm)に、得られる水性分散体の20質量%になるようにIPAを加え、撹拌することで、透明な水性分散体を得た。これに、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズが800質量部となるように添加し、撹拌することによって、ポリオレフィン樹脂と酸化スズとを含有した水性分散体を得た。その固形分濃度は10.0質量%であった。得られた水性分散体を、基材としての二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム(ユニチカ社製、エンブレットPET−12、厚さ:12μm)のコロナ処理面にマイヤーバーを用いてコートした後、120℃で30秒間乾燥させて、基材としてのフィルム上に厚さ0.1μmの機能層を形成させることで、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例2
実施例1に比べ、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズが200質量部となるように添加した。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例1に比べ、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズが200質量部となるように添加した。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例3
実施例1に比べ、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズが1600質量部となるように添加した。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例1に比べ、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズが1600質量部となるように添加した。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例4
実施例1に比べ、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズが2400質量部となるように添加した。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例1に比べ、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズが2400質量部となるように添加した。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例5
実施例1に比べ、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズが3200質量部となるように添加した。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例1に比べ、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズが3200質量部となるように添加した。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例6
実施例1に比べ、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズが4500質量部となるように添加した。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例1に比べ、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズが4500質量部となるように添加した。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例7〜9
実施例1で用いたポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の代わりに、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−2(実施例7)、E−3(実施例8)、E−4(実施例9)をそれぞれ用いた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例1で用いたポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の代わりに、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−2(実施例7)、E−3(実施例8)、E−4(実施例9)をそれぞれ用いた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例10
実施例1で用いた酸化スズゾルの代わりに、シリカゾル(日産化学社製、スノーテックスC、固形分濃度:20質量%、数平均粒子径:49nm)を用いた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例1で用いた酸化スズゾルの代わりに、シリカゾル(日産化学社製、スノーテックスC、固形分濃度:20質量%、数平均粒子径:49nm)を用いた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例11
実施例3に比べ、架橋剤(日本触媒社製、WS−500、オキサゾリン基含有ポリマー、固形分濃度:40質量%)を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して架橋剤が100質量部になるよう追加添加した。それ以外は実施例3と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例3に比べ、架橋剤(日本触媒社製、WS−500、オキサゾリン基含有ポリマー、固形分濃度:40質量%)を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して架橋剤が100質量部になるよう追加添加した。それ以外は実施例3と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例1〜11で得られた各ディスプレイ用表面材についての評価結果を、表4に示す。
比較例1
ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を、基材としての二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム(ユニチカ社製、エンブレットPET−12、厚さ:12μm)のコロナ処理面にマイヤーバーを用いてコートした後、120℃で30秒間乾燥させて、同フィルム上に厚さ0.1μmの層を形成させることで、ディスプレイ用表面材を得た。
ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を、基材としての二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム(ユニチカ社製、エンブレットPET−12、厚さ:12μm)のコロナ処理面にマイヤーバーを用いてコートした後、120℃で30秒間乾燥させて、同フィルム上に厚さ0.1μmの層を形成させることで、ディスプレイ用表面材を得た。
比較例2
実施例1に比べ、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズが100質量部となるように添加した。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例1に比べ、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズが100質量部となるように添加した。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
比較例3
実施例1に比べ、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズが4800質量部となるように添加した。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例1に比べ、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズが4800質量部となるように添加した。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
比較例4
実施例1で用いたポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の代わりに、ポリエステル樹脂水性分散体(ユニチカ社製、エリーテルKT−8803、固形分濃度:30質量%、数平均粒子径:70nm)を用いた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例1で用いたポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の代わりに、ポリエステル樹脂水性分散体(ユニチカ社製、エリーテルKT−8803、固形分濃度:30質量%、数平均粒子径:70nm)を用いた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
比較例5
実施例1で用いたポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の代わりに、アクリル樹脂水性分散体(楠本化成社製、NeoCryl A−655、固形分濃度:45質量%、数平均粒子径:118nm)を用いた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例1で用いたポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の代わりに、アクリル樹脂水性分散体(楠本化成社製、NeoCryl A−655、固形分濃度:45質量%、数平均粒子径:118nm)を用いた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
比較例6
実施例1で用いたポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の代わりに、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−5を用いた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例1で用いたポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の代わりに、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−5を用いた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
比較例7
実施例1で用いたポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の代わりに、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−6を用いた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例1で用いたポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の代わりに、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−6を用いた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
比較例8
実施例1で用いたポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の代わりに、ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製、VC−10)の9質量%水溶液を用いた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例1で用いたポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の代わりに、ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製、VC−10)の9質量%水溶液を用いた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
比較例9
実施例1で用いたポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の代わりに、ポリオレフィン水性分散体E−7を用いた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例1で用いたポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の代わりに、ポリオレフィン水性分散体E−7を用いた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
参考例
実施例1に比べ、水性分散体に、ワックスエマルション(ユニチカ社製、CAW−30M、ワックス成分:キャンデリラワックス、固形分濃度:30質量%)を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対してワックスが10質量部になるよう追加添加した。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
実施例1に比べ、水性分散体に、ワックスエマルション(ユニチカ社製、CAW−30M、ワックス成分:キャンデリラワックス、固形分濃度:30質量%)を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対してワックスが10質量部になるよう追加添加した。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、ディスプレイ用表面材を得た。
比較例1〜9および参考例で得られた各ディスプレイ用表面材についての評価結果を、表5に示す。
一方、ポリオレフィン樹脂のみを基材フィルムに積層した場合は、指紋視認性抑制効果に劣り、帯電防止性が得られなかった(比較例1)。ポリオレフィン樹脂と金属酸化物との比率が本発明外の組成にある場合は、指紋視認性抑制効果に劣った(比較例2、3)。本発明外の樹脂を用いた場合も、指紋視認性抑制効果に劣った(比較例4〜9)。ワックスを添加したことで、指紋視認性抑制効果が低下した(参考例)。
Claims (9)
- ディスプレイの表面に配置されて用いられるディスプレイ用表面材であって、ポリオレフィン樹脂と金属酸化物とを含有する機能層が基材上に設けられており、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して金属酸化物を200〜4500質量部含有し、ポリオレフィン樹脂が、不飽和カルボン酸またはその無水物と、オレフィン化合物と、側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物との3成分を含む共重合体であって、不飽和カルボン酸またはその無水物の含有率が0.01質量%以上5質量%未満であり、(オレフィン化合物)/(側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物)=75/25〜99/1(質量比)であることを特徴とするディスプレイ用表面材。
- 表面の算術平均粗さが20nm未満であることを特徴とする請求項1記載のディスプレイ用表面材。
- 金属酸化物が導電性を有するものであることを特徴とする請求項1または2記載のディスプレイ用表面材。
- フッ素化合物、シリコーン化合物、ワックス類、界面活性剤が機能層に含まれないか、または機能層に含まれるフッ素化合物、シリコーン化合物、ワックス類、界面活性剤の合計含有量がポリオレフィン樹脂に対して0質量%を超えかつ1質量%未満であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載のディスプレイ用表面材。
- 表面抵抗率が109Ω/□以下であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載のディスプレイ用表面材。
- ヘイズが5%以下であることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項記載のディスプレイ用表面材。
- 金属酸化物が酸化スズであることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項記載のディスプレイ用表面材。
- 不飽和カルボン酸またはその無水物と、オレフィン化合物と、側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物との3成分からなる共重合体にて構成され、不飽和カルボン酸またはその無水物の含有率が0.01質量%以上5質量%未満であり、(オレフィン化合物)/(側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和化合物)=75/25〜99/1(質量比)であるポリオレフィン樹脂100質量部と、金属酸化物200〜4500質量部とを含有した水性分散体を基材上に塗工したのち乾燥する工程を含むことを特徴とするディスプレイ用表面材の製造方法。
- 表面に請求項1記載のディスプレイ用表面材が配置されていることを特徴とするディスプレイ。
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