JP2010222828A - 胴縁 - Google Patents

胴縁 Download PDF

Info

Publication number
JP2010222828A
JP2010222828A JP2009070756A JP2009070756A JP2010222828A JP 2010222828 A JP2010222828 A JP 2010222828A JP 2009070756 A JP2009070756 A JP 2009070756A JP 2009070756 A JP2009070756 A JP 2009070756A JP 2010222828 A JP2010222828 A JP 2010222828A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
trunk edge
fiber
cracks
screw
edge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009070756A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Maeda
耕司 前田
Kimitaka Hosoya
公隆 細谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurabo Industries Ltd
Kurashiki Spinning Co Ltd
Original Assignee
Kurabo Industries Ltd
Kurashiki Spinning Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurabo Industries Ltd, Kurashiki Spinning Co Ltd filed Critical Kurabo Industries Ltd
Priority to JP2009070756A priority Critical patent/JP2010222828A/ja
Publication of JP2010222828A publication Critical patent/JP2010222828A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Finishing Walls (AREA)

Abstract

【課題】建築物の外壁材と内部構造体との間に設置されるセメント系成形体の胴縁を、ネジ等を用いて構造体に支持しようとする場合に、ひび又は割れが発生しにくくする。
【解決手段】セメント系の材料により胴縁31aを形成する際に、胴縁31aの長手方向の一方の端面から他方の端面に向かい、長手方向の側面に沿って中空孔71を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、建築物の内部構造体の側面と外壁材との間に設置される胴縁に関するものである。
建築物の側面を仕上げる外壁材は、内部構造体の側面に直接又は間接的に固定される。直接の場合は、内部構造体の柱又は壁面パネル等に固定されるが、間接的の場合は、内部構造体の側面の柱又は壁面パネル等に設けられた下地材に固定される。下地材としては、一般的に、外壁材を固定する間隔に対応する幅の間隔毎に胴縁が設置される。
胴縁は、一般的に、釘又はネジにより内部構造体の側面に支持される。胴縁は、内部構造体と外壁材との間に所定の間隔(空間)を設けつつ、外壁材の少なくとも一部の質量を支持する。胴縁の材料としては、加工と施工の容易さ等から、主に木材又は高分子の樹脂材料が用いられている。木材としては、通常の木材の他に、集成材、各種積層材等のエンジニアリングウッドを用いることができ、更に、樹脂等により複合化した木材が用いられる場合がある。(例えば、特許文献1参照)
胴縁は、構造体と外壁材との間に所定の空間を設けるために、一般的に断面が矩形の角柱形状で用いられる。そのため、胴縁により形成された空間は、胴縁により各々仕切られている。その仕切られた各空間相互の通気を可能にするために、木製の胴縁の両側面間を貫通する通気孔を形成する方法が公開されている。(例えば、特許文献2、3参照)
特開平10−331282号公報 特開2001−336230号公報 特開2002−21204号公報
近年になり、防火のために外壁材として不燃材料を使用することが増えており、胴縁に対しても不燃性の要望が増えている。しかしながら、胴縁に用いられて加工性と施工性に優れる木材又は樹脂材料は基本的に可燃性である。樹脂材料の場合には難燃剤等を含ませることで燃焼速度を遅くすることはできるが、燃えないようにできるわけではない。金属の胴縁は、不燃性であるが、熱伝導性が高いため外壁の熱を内部構造体に伝えやすくなって断熱性が低下してしまい、木材又は樹脂材料と比べて加工性と施工性で劣っている。
上記の断熱性、加工性及び施工性の低下を抑制しつつ、可燃性の問題を解決するために、本発明者らは、セメント系材料等の不燃性の材料を胴縁として成形することを検討したのであるが、セメント系成形体の胴縁は、釘又はネジを用いて構造体に支持しようとすると、ひび又は割れが発生しやすいという問題を有しており、特に、胴縁の端面近傍を、釘又はネジを用いて構造体に支持しようとする場合にひび又は割れが発生しやすいことが明らかとなった。
上記のセメント系成形体のひび又は割れを抑制するために、胴縁における、内部構造体に取付けた時の外側面と内側面となる面の間に、予め釘又はネジ用の貫通孔を設けておくことも考えられる。しかし、建築現場により構造体の下地状態や柱の間隔毎に釘又はネジを打てる位置は異なるため、あらゆる建築現場に対応させて、そのような外側面と内側面との間を貫通する孔を予め設けて成形することは困難である。
そこで本発明は、上記の課題を解決するために、胴縁を釘又はネジを用いて構造体に支持しようとする場合にひび又は割れが発生しにくいセメント系成形体の胴縁を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る胴縁は、建築物の外壁材と内部構造体との間に設置される胴縁であって、前記胴縁の長手方向の側面に沿った中空孔を有して、セメント系の材料により形成されることを特徴とする。
請求項1の本発明によれば、セメント系材料の胴縁を釘又はネジを用いて構造体に支持しようとする場合にひび又は割れを発生しにくくできる。
好ましくは、請求項2に係る本発明のように、中空孔は、少なくとも2個以上であるようにしてもよい。
本実施態様では、中空孔を複数にすることで、胴縁において、ひび又は割れの発生を抑制する効果が得られる領域が増加し、応力が逃げる空間も増加するので、ひび又は割れの発生自体も減少させることができる。
好ましくは、請求項3に係る本発明のように、中空孔は、胴縁における少なくとも長手方向の側面近傍に設けられるようにしてもよい。
本実施態様では、中空孔を胴縁の長手方向の側面近傍に設けることで、胴縁の長手方向の両側面近傍に釘又はネジを用いる場合でも、ひび又は割れの発生を抑制できる。
好ましくは、請求項4に係る本発明のように、中空孔は、胴縁における長手方向の断面における、胴縁の幅方向に、所定均等間隔毎に形成されるようにしてもよい。
本実施態様では、中空孔を胴縁の長手方向の断面における、胴縁の幅方向に均等間隔で設けることで、胴縁において、ひび又は割れの発生を抑制する効果が得られる領域を増加させることができ、ひび又は割れの発生自体も更に減少させることができる。
好ましくは、請求項5に係る本発明のように、中空孔は、胴縁における長手方向の一方側の端面から他方側の端面まで空間が間断なく接続されて貫通孔を形成するようにしてもよい。
本実施態様では、中空孔が長手方向の一方側の端面から他方側の端面まで連続されて貫通孔にすることで、中空孔の成形工程を単純にすることができ、本発明の胴縁の製造が容易になる。
好ましくは、請求項6に係る本発明のように、貫通孔は、セメント系材料を押出成形することにより得られる貫通孔であるようにしてもよい。
本実施態様では、貫通孔を押出成形により連続的に成形させることができ、本発明の胴縁の製造が容易になる。
好ましくは、請求項7に係る本発明のように、セメント系の材料には高分子樹脂の繊維状の材料が含まれ、その繊維材料は、セメント系の材料に含まれる高分子樹脂の繊維材料は、繊維長が3mm乃至100mmで、繊維径が5μm乃至200μmで、アスペクト比が100乃至1000であるポリエチレン繊維(PE)、ポリプロピレン繊維(PP)、又は、ポリビニルアルコール繊維(PVA)であり、硬化後の成形体における体積混入率が1%乃至10%であるようにしてもよい。
本実施態様では、セメント系材料に含まれる繊維材料を上記範囲のPE樹脂、PP樹脂又はPVA樹脂の何れかを含む高分子樹脂を繊維状にした材料にすることで、より高いエネルギー吸収能と高い靱性、大きい耐加重を得ることができ、繊維が応力に耐えきれないで抜けてしまうこと、繊維自体が破断すること、多重亀裂が発生しないこと、応力を支えることができないこと、セメントとの一体化を妨害して補強効果が得られなくなること等を避けることができる。
本発明によれば、断熱性、加工性及び施工性の低下を抑制できると共に不燃性であるセメント系成形体の胴縁を釘又はネジを用いて構造体に支持しようとする場合に、ひび又は割れが発生しにくく、特に、胴縁の長手方向の両側の端面近傍に釘又はネジを用いる場合に、ひび又は割れが発生しにくいセメント系成形体の胴縁を提供できる。さらに高い釘又はネジの保持効果を有するセメント系成形体の胴縁を提供できる。
建築物の内部構造体と外壁材との間に配置される胴縁の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。 本発明の第2の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。 本発明の第3の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。 本発明の第4の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。 本発明の第5の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。 本発明の第6の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。 本発明の第7の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。 本発明の第8の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。 本発明の第9の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。 本発明の第10の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。 本発明の第11の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。
以下、本発明の胴縁の実施の形態について、以下に図面を用いながら詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、建築物の内部構造体と外壁材との間に配置される胴縁の一例を示す図である。
図1における内部構造体1は、木造の在来(軸組)工法の柱又は間柱11の外側に、透湿防水シート(防水紙)21を隙間無く巻き付けてタッカー等により柱等に固定して構成される。又、木造の在来(軸組)工法では、通常は、柱又は間柱11の間に図示されないグラスウール/ロックウール等の断熱材が配置され、各柱の内側に構造用パネル、パーティクルボード、木材(合板)、又は、石膏ボード等の内壁及びその内側に壁紙(共に不図示)が施工される。透湿防水シート21の外側には、間柱11に沿って胴縁31が配置され、ネジ(又は釘)51で間柱11等に固定される。尚、内部構造体1は、胴縁31を用いて外壁材41との間に空間を発生させるものであれば、2×4又は2×6等の規格木材を用いた壁面パネルで耐圧荷重を受ける構造、木質系の柱の代わりに軽量鉄骨のC形鋼等を用いたプレハブ構造、等であってもよい。
胴縁31は、セメント系の材料で形成され、建築物の内部構造体1と外壁材41との間に配置され、通常は上下方向の通気性を良好にするために、間柱11等に沿って上下方向に設置される(通気縦胴縁)が、例えば、外壁材41を上下方向に施工する場合等には、横方向に設置する場合も有る。2×4工法等の壁面で荷重を支える工法では、胴縁31は、例えば、壁面を構成する縁取り材の上下部分に沿って設置される。プレハブ工法では、胴縁31は、例えば、内部の軽量鉄骨材(例えば、リップ溝形鋼:C形鋼)等の柱の上下部分に沿って設置される。
胴縁31は、通常のセメント系組成物用の型及び成形機により、水硬性組成物に水を配合したものから成形することができる。これは、後述する繊維補強した水硬性組成物の場合も同様である。押出成形された成形体はそのまま自然硬化させてもよいし、高温水蒸気中で促進硬化させてもよい。また、成形体物性に問題が生じない範囲で高温高圧のオートクレーブ中で促進硬化させてもよい。
本実施形態の胴縁31の厚み寸法は、略8mm乃至20mmの範囲であり、セメント系として後述する中空孔71のような中空部を設ける点では、略10mm乃至17mmの範囲であることが好ましい。胴縁31の幅寸法は、略30mm乃至200mmの範囲であり、胴縁31の長さ寸法は、略1000mm乃至4000mmの範囲である。
セメント系の材料は、例えば、水との化学反応で硬化する水硬性セメントを少なくとも含む材料である。水硬性セメントとしては、水との化学反応で硬化するものであれば特に限定されず、例えば、各種ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント、シリカセメント、マグネシアセメント、硫酸塩セメント等の全てが使用可能である。
外壁材41は、例えば、窯業系サイディング等の窯業系パネル、木質系パネル、軽量気泡コンクリートパネル等である。外壁材41は、胴縁31の長手方向に垂直に配置され、ネジ(又は釘)61で胴縁31に固定される。尚、外壁材41の重量が比較的大きい場合には、ネジ(又は釘)61は、胴縁31を貫通して間柱11まで届く長尺のものが用いられる。
図2は、本発明の第1の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。
胴縁31aは、その成形時に、長手方向の一方側の端面36から、対向する他方側の端面37に向けて、長手方向の側面に沿って両端間を貫通させて複数の中空孔71が形成される。
又、その複数の中空孔71は、胴縁の長手方向の断面における、胴縁の幅方向に所定の均等間隔L5毎に形成される。所定の均等間隔L5は、胴縁31aの材料、比重、厚み寸法L1により異なり、胴縁31aを釘又はネジ51を用いて内部構造体1に取付けた時に、釘又はネジ51による応力が中空孔71により逃げ、ひび又は割れを発生させない寸法に設定される。
このように本実施形態の胴縁31aでは、長手方向の側面に沿って両端間を貫通させて中空孔71を形成することで、胴縁31aを釘又はネジ51を用いて構造体1に支持しようとする場合に釘又はネジ51による応力が中空孔71により逃げて、ひび又は割れを発生させにくくできる。さらに中空孔71を複数にすることでは、応力が逃げる空間も増えるので、胴縁31aにおける釘又はネジ51による応力が中空孔71により逃げる領域も増加し、さらにひび又は割れを発生させにくくできる。
発明者の実験からは、セメント系の材料により形成された胴縁31aを釘又はネジ51を用いて内部構造体1に取付ける場合に、釘又はネジ51による応力でひび又は割れを発生させやすいのは、胴縁31aの長手方向の両側面(幅方向の端面)32及び33近傍である。そこで、中空孔71は、少なくともその胴縁31aにおける長手方向の両側面32及び33近傍に設けられる。
しかしながら、中空孔71をその両側面32及び33に極度に近づけた場合には、中空孔71と両側面32及び33との間のセメント系材料の厚み寸法L4が薄くなる。その場合、逆に、その両側面32及び33部分が釘又はネジ51を用いた際に割れやすくなる可能性がでてくる。又、セメント系材料の胴縁31aでは、厚み寸法L4を薄く製造することは困難であり、生産歩留まり等も悪化する。
発明者の実験によれば、厚み寸法L4が胴縁31aの厚み寸法L1(例えば12mm)の略2/3(例えば8mm)となるように、中空孔71を、胴縁31aの長手方向の両側面32及び33から離れた位置に押出成型により形成した。この場合には、生産歩留まりも悪化せず、釘又はネジ51により割れやすくなることなく、適切に釘又はネジ51による応力を逃がしてひび又は割れの発生を抑制することができた。つまり、胴縁31aの長手方向の両側面近傍の中空孔71は、胴縁31aの厚み寸法L1の略2/3の寸法L4だけ両側面32及び33から離れた位置に設けられることで、ひび又は割れの発生の抑制効果を得ることができる。
又、中空孔71が胴縁31aの表面や裏面に極度に近づいた場合にも、中空孔71とそれらの面との間のセメント系材料の厚み寸法が薄くなり、逆に釘又はネジ51を用いた際に割れやすくなる可能性がでてくる。つまり、図2に示したように中空孔71が胴縁31aの厚み寸法L1の中心に合わせて形成される断面が円形形状の中空孔である場合、中空孔71の直径寸法L2が胴縁31aの厚み寸法L1に近づきすぎると、釘又はネジ51を用いた際に逆に割れやすくなってしまう可能性がある。しかし、それを避けるために中空孔71の直径寸法L2を胴縁31aの厚み寸法L1に対して極端に小さくすると、今度は逆に釘又はネジ51による応力を逃がすことができなくなり、ひび又は割れの発生を抑制することができなくなる可能性が出てくる。
発明者の実験によれば、セメント系の材料で形成された胴縁31aで、釘又はネジ51を用いた際に割れやすくならずに、適切に釘又はネジ51による応力を逃がしてひび又は割れの発生を抑制することができる中空孔71の直径寸法(本実施形態の場合は特に、中空孔71における胴縁31aの厚み方向の寸法)L2は、胴縁31aの厚み寸法L1の略1/3であった。なお、この中空孔71は、胴縁31aの厚み方向の中心位置に設けられている場合である。例えば、胴縁31aの厚み寸法L1が12mmである場合には、中空孔71における胴縁31aの厚み方向の寸法L2が4mmの場合に、釘又はネジ51を用いた際に割れやすくならず、適切に釘又はネジ51による応力を逃がしてひび又は割れの発生を抑制することができた。又、この値は、薄い部分の成形を苦手とするセメント系材料であっても、胴縁31aに中空孔71を設けて成型可能な値である。
このように中空孔71における胴縁31aの厚み方向の寸法L2を胴縁の厚み寸法L1の略1/3にすることで、釘又はネジ51を用いた際に割れやすくならず、適切に釘又はネジ51による応力を逃がしてひび又は割れの発生を抑制することができ、さらに中空孔71を押出成形で形成することができる。尚、中空孔71における胴縁31aの長手方向の断面における、胴縁の幅方向の寸法L3は、厚み寸法L1の略1/3に規定する必要は無い。
上記のように、本実施形態の胴縁31aの材料は、その施工における釘又はネジ51を用いたビス打ち時のすぐれたビス保持性、すなわち釘又はネジの保持力を向上させる観点から、曲げ載荷試験のような応力に対し、好ましくは引張応力の作用に対しても、多重亀裂を生じて破壊する高い靱性を有する成形体が好ましい。
発明者の実験によれば、胴縁31aのセメント系材料に繊維状の材料を含ませた場合に、上記したような釘又はネジの保持性の向上効果が得られることができた。このため、本実施形態のセメント系の材料のマトリクスでは、例えば、水硬性セメントに繊維状の材料を含んでいる。この繊維補強水硬性組成物を成形して胴縁31aとする。尚、この材料のマトリクスには、後述するシリカ質原料、パルプ及び水溶性セルロースを含み、更に、減水剤等の混和剤、鉱物繊維及び軽量骨材等を含んでもよい。
セメント系材料に繊維状の材料が含まれる場合、胴縁31aに応力が印加されても直ちに脆弱破壊されることがなくなり多重亀裂を発生させる。その結果、初期亀裂発生後も強度が上昇することが可能であり、より高い釘又はネジの保持効果が得られることとなる。
セメント系材料に繊維状の材料が含まれない通常のセメント成形体では、曲げや引張応力が印加されてセメント成形体に最初に亀裂が入った段階で、その亀裂部に応力が集中して、そのまま破断に至る。すなわち、通常のセメント成形体では、エネルギー吸収能が低く、応力−歪曲線に応力が集中して脆性破壊を起こし、そのまま破断に至る。これに対してセメント系材料に繊維状の材料が含まれる場合、最初の亀裂が入った後も、最初の亀裂に続いて複数の亀裂が発生する現象が起こり、直ちには材料全体の破断に至らない。この複数の亀裂が発生する現象を多重亀裂と言う。多重亀裂が発生すると、応力が分散されるため、最初の亀裂発生後も増加する荷重に耐えて大きな歪みに至るまで破壊しないことから、より高い釘又はネジの保持効果が得られることとなる。
尚、このような多重亀裂の性能は、胴縁31aの材料から長さ500mmの試験片を採取し、3点曲げ試験を、支点間距離が400mm、クロスヘッド速度を5mm/minの条件にて行い、応力−撓み曲線を得ることで確認することができる。
上記のような水硬性組成物に配合される繊維としては、好ましくはPE繊維、PP繊維又はPVA繊維であり、特に有効な強度発現の観点からPVA繊維が好ましい。これは、セメント系材料に含まれる繊維材料をPE繊維、PP繊維又はPVA繊維の何れかを含むようにすることで、それらの高い靱性等により、より高いエネルギー吸収能と高い靱性、大きい耐加重を得ることができたためと考えられる。又、水硬性組成物に配合される繊維としては、上記したPE繊維、PP繊維又はPVA繊維の他にも、アラミド繊維、アクリル樹脂、炭素繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル系繊維等が挙げられる。
PP繊維を胴縁31aのセメント系の材料に含まれる高分子樹脂の繊維材料として使用する場合は、繊維長が3〜15mm、好ましくは6〜12mm、繊維径が5〜40μm、好ましくは10〜30μm、アスペクト比が150〜1000、好ましくは200〜700であることが望ましい。尚、繊維の「アスペクト比」とは、繊維長を繊維断面の面積と同面積を有する相当円の直径で除した値である。
PE繊維を胴縁31aのセメント系の材料に含まれる高分子樹脂の繊維材料として使用する場合も、繊維長が3〜15mm、好ましくは6〜12mm、繊維径が5〜40μm、好ましくは10〜30μm、アスペクト比が150〜1000、好ましくは200〜700であることが望ましい。
PVA繊維を胴縁31aのセメント系の材料に含まれる高分子樹脂の繊維材料として使用する場合は、繊維長が3〜100mm、好ましくは3〜50mm、より好ましくは3〜15mm、繊維径が5〜200μm、好ましくは10〜100μm、アスペクト比が1100〜1000、好ましくは150〜400であることが望ましい。
上記繊維は、硬化後の成形体における体積混入率が1〜10%、好ましくは2〜7%となるように配合される。繊維の体積混入率がより小さいと亀裂が入ったときにそこに集中する応力を支えることができず、架橋作用を発揮できない。また体積混入率がより大きいと繊維同士の接触部分が増加してセメントとの一体化を妨害するため充分な補強効果が得られなくなる。
繊維の「体積混入率」とは、以下の方法によって測定された値を用いている。セメント硬化体を成形する際の型からの抜き方向に対して直角方向に裁断し、その裁断面を走査電子顕微鏡を用いて、加速電圧25kVで反射電子像を観察した。セメント硬化体中の繊維混入率Vfは、顕微鏡の視野にある観察面の繊維の断面積の合計を、電子顕微鏡の視野の面積で除した値として求めた。繊維混入率Vfは、試験片の断裁面中の異なる3つの視野について測定した値の平均値を採用した。尚、セメント硬化体を成形する際の型からの抜き方向というのは、後述する押出成形が可能な実施形態では、押出方向となる。
繊維長がより短い、繊維径がより大きい、又はアスペクト比がより小さい場合は、曲げ応力が付加された状態において、最初に亀裂が生じたときに、繊維が架橋しても応力を負担することができず、すぐに引き抜けてしまい、多重亀裂を発生する前に破壊してしまう。一方、繊維長がより長い、繊維径がより小さい、又はアスペクト比がより大きい場合は、曲げ応力が付加された状態において、繊維の引き抜けよりも先に、繊維自体が破断してしまうために多重亀裂が発生しない。
以上のように発明者の実験によれば、胴縁31aのセメント系の材料に含まれる繊維状の材料として、高分子樹脂を繊維状にした材料を用いた場合に、上記したような高い釘又はネジの保持効果を発生させることができた。特に、発明者の実験によれば、胴縁31aのセメント系の材料に含まれる繊維状の材料として、ポリエチレン系樹脂(PE)、ポリプロピレン系樹脂(PP)、又は、ポリビニルアルコール系樹脂(PVA)の何れかを含む高分子樹脂材料を用いた場合に、上記したような高い釘又はネジの保持効果を発生させることができた。
又、発明者の実験によれば、胴縁31aのセメント系の材料に含まれる高分子樹脂の繊維材料として、繊維長が3mm乃至100mmで、繊維径が5μm乃至200μmで、アスペクト比が100乃至1000であり、硬化後の成形体における体積混入率が1%乃至10%である場合に、上記したような高い釘又はネジの保持効果を発生させることができた。これは、セメント系材料に含まれる繊維材料を上記範囲にすることで、繊維が応力に耐えきれないで抜けてしまうこと、繊維自体が破断すること、多重亀裂が発生しないこと、応力を支えることができないこと、セメントとの一体化を妨害して補強効果が得られなくなること等の問題を避けることができ、上記範囲外では、それらの少なくとも何れかの問題が発生したためと考えられる。
シリカ質原料としては、珪石粉、高炉スラグ、珪砂、フライアッシュ、珪藻土、シリカヒューム、非晶質シリカ等を使用することができる。好ましくは、建築用役物の強度向上及び寸法安定性に寄与する点から、珪石粉、系砂である。これらのシリカ質原料として、好ましくは比表面積(JIS R 5201に記載の方法による)が3000〜15000cm/gのものを使用する。シリカ質原料は、水硬性セメント100重量部に対して40〜100重量部、好ましくは50〜80重量部の割合で配合される。
パルプは、綿パルプ又は木材パルプ等の天然パルプが好ましい。天然パルプであれば特に限定されず、バージンパルプのみならず古紙からの再生パルプでも使用可能である。また木材パルプの場合、木材の組織からリグニンを化学的に取り除いた化学パルプ、木材を機械的に処理した機械パルプの何れも使用できる。パルプは繊維長が0.05〜10mmの物が好ましい。パルプは水硬性セメント100重量部に対して1.0〜80重量部、好ましくは2.0〜30重量部の割合で配合される。1.0重量部より少ないと補強効果を発揮できず、また80重量部より多いと分散不良となる。
水溶性セルロースとしては、メチルセルロース、エチルセルロース等のアルキルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、カルボキシルメチルセルロース等を例示することができる。水溶性セルロースは、後述する水硬性組成物の各成分を混合・混練し、成形する際に混練物に粘性を付与し、成形性を向上させるものである。水溶性セルロースは、水硬性セメント100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは2〜7重量部の割合で配合される。0.1重量部より少ないと可塑性がなく成形できない。一方10重量部より多い場合にはこれ以上の硬化の向上は期待できず、コストの上昇を招くだけである。
上記成分に加えて、必要に応じて鉱物繊維、軽量骨材等を加えてもよい。鉱物繊維としては、セピオライト、ワラストナイト、タルク、アタパルジャナイト、ロックウール等を例示することができる。鉱物繊維は水硬性セメント100重量部に対して0〜40重量部、好ましくは3〜25重量部の割合で配合される。鉱物繊維が40重量部より多いと強度が低下するので好ましくない。
軽量骨材としては、火山れき等の天然軽量骨材、焼成フライアッシュバルーン等の人口軽量骨材、真珠岩パーライト、黒曜石パーライト、バーミキュライト等の超軽量骨材、膨張スラグ等の副産物軽量骨材を使用できる。好ましくは、真珠岩パーライト、黒曜石パーライト、バーミキュライトである。
上記以外の添加剤としては、必要に応じて、マイカ、アルミナ、炭酸カルシウム等のシリカ以外の無機質材料、減水剤、界面活性剤、増粘剤、養生促進剤等を配合することもできる。
本実施形態の胴縁31aの材料は、水硬性組成物を構成する上記成分の混合物に水を加え、硬化することによって得られる。水硬性組成物に加える水の配合量は、一般に水硬性セメント100重量部に対して40〜90重量部が好適である。
尚、本実施形態の胴縁31aの材料は、その施工においては、胴縁31aの材料の重量も作業性に大きく影響する。胴縁31aの材料の強度及び作業性を考慮すれば、比重0.7〜1.4程度、好ましくは0.8〜1.2程度のものが好ましく、更に好ましくは、0.85〜1.0のものである。
以上の実験結果から、本実施形態の胴縁31aは、長さ寸法が3030mm、幅寸法が90mm、厚み寸法が12mmの長尺部材とした。繊維補強した水硬性組成物は、ポルトランドセメント100重量部、珪石粉60重量部、パーライト50重量部、パルプ5重量部、PVA繊維8.0重量部(アスペクト比:150,繊維長6mm)、水溶性セルロース6.0重量部に上記した好適な範囲(水硬性セメント100重量部に対して40〜90重量部)における所望量の水を投入したものである。これら材料を中空状に押出成形することにより得られた成形体は、比重1.2程度であり、多重亀裂を生じて破壊する性質を有するものであり、釘又はネジの保持力の高い成形体であった。
本実施形態では、複数の中空孔71を長手方向の一方側の端面36から対向する他方側の端面37に向けて、長手方向の側面に沿って両端間を貫通させて形成することで、胴縁31aを釘又はネジ51を用いて内部構造体1に取付ける場合に、釘又はネジ51による応力で胴縁31aにひび又は割れの発生を抑制する効果が得られ、ひび又は割れの発生を減少させることができる。
また、本実施形態によれば、不燃性であるセメント系の材料で成形することにより不燃性を確保しつつ金属製のような断熱性、加工性及び施工性の低下を抑制でき、その胴縁を釘又はネジを用いて構造体に支持しようとする場合に、ひび又は割れが発生しにくいセメント系成形体の胴縁を提供できる。特に、その胴縁の長手方向の両側面32及び33近傍に釘又はネジを用いる場合に、ひび又は割れが発生しにくいセメント系成形体の胴縁を提供できる。
また、本実施形態では、中空孔71は、通常のセメント系組成物用の押出成形機により中空状に押出成形することができるので、長手方向の両端間を貫通する中空孔71を有する胴縁31aを迅速で容易に製造することができる。押出成形機の場合、例えば、1軸又は2軸式のスクリュー式押出成形機から金型を通すことで押出成形することができる。その際に、押出成形体に含まれる気泡を極力少なくするために、真空式の押出成型機を用いることがより好ましい。
<第2実施形態>
上記した第1実施形態では、胴縁31aにおける長手方向の両側面32及び33に沿って長手方向の両端間を貫通する中空孔71を形成する場合について示したが、第2実施形態では、図3に示したように胴縁31bにおける長手方向の両側面32及び33に沿って長手方向の両端間が貫通していない中空孔72を形成する場合について説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と同じ構成については図中に同じ符号を付与することで重複する説明を省略し、相違する点について説明する。
図3は、本発明の第2の実施形態の胴縁31bの一部を固定用のネジ51と共に示した図である。
胴縁31bでは、その成形時に、一方側の端面36から、対向する他方側の端面37に向けて、長手方向の側面に沿って両端間を貫通させないで複数の中空孔72が形成される。つまり、本実施形態では、一方側の端面36と他方側の端面37の各々に形成された中空孔72は、各々行き止まりになっていて他方の側に貫通せず、各対向する中空孔72の間に中空部が形成されない非空間部分34が形成される。また、この場合の中空孔72は、対向する位置に設けられる必要性はないので、一方側の中空孔72は、他方側の2個の中空孔72を結んだ線の中間位置等に配置されていてもよい。
このように本実施形態では、中空孔72を胴縁31bの長手方向の両側面32及び33に沿って長手方向の両端間の中間部分に非空間部分34を設けて貫通していない中空孔72を形成することで、釘又はネジ51による応力で胴縁31bにひび又は割れの発生を抑制する効果が得られる胴縁を、押出成形による連続成形に限られず、他の製法又は連続成形と他の製法との組み合わせにより製造できるので、製造方法の自由度を増加させることができる。
<第3実施形態>
上記した第2実施形態では、胴縁31bにおける長手方向の長手方向の両端間の中間部分が貫通していない場合について示したが、第3実施形態では、図4に示したように胴縁31cにおける中空孔73が、長手方向の両端部分で閉じられて貫通していない場合について説明する。なお、以下の説明において、第2実施形態と同じ構成については図中に同じ符号を付与することで重複する説明を省略し、相違する点について説明する。
図4は、本発明の第3の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。
中空孔73は、胴縁31cにおける長手方向の一方側の端面36の近傍から他方側の端面37の近傍まで、空間的に接続されるが、その各端面36及び37は非空間部分35により閉じられて形成される。このように本実施形態では、中空孔73が各端面36及び37で閉じられることで、中空孔73への塵埃や水分の進入を防ぐことができる。
<<その他の実施形態>>
上記した第1〜第3の各実施形態では、胴縁31a〜31cに断面が略円形の中空孔71〜73を設ける場合について示したが、以下の実施形態では、図5〜図12に示したように中空孔が略円形以外の断面形状である場合について説明する。なお、以下の説明においても、第1〜3実施形態と同じ構成については図中に同じ符号を付与することで重複する説明を省略し、相違する点について説明する。
<第4実施形態>
図5は、本発明の第4の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。
中空孔74は、胴縁31dにおける長手方向の一方側の端面36から他方側の端面37まで、断面が略正方形で貫通させて形成される。このように、中空孔74の断面形状が略正方形であっても、本発明の胴縁31dを釘又はネジ51を用いて内部構造体1に取付ける場合に、釘又はネジ51による応力で胴縁31dにひび又は割れの発生を抑制する効果を得ることができ、ひび又は割れの発生を減少させることができる。
<第5実施形態>
図6は、本発明の第5の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。
中空孔75は、胴縁31eにおける長手方向の一方側の端面36から他方側の端面37まで、断面が略長方形で貫通させて形成される。このように、中空孔75の断面形状が略長方形であっても、本発明の胴縁31eを釘又はネジ51を用いて内部構造体1に取付ける場合に、釘又はネジ51による応力で胴縁31eにひび又は割れの発生を抑制する効果を得ることができ、ひび又は割れの発生を減少させることができる。
<第6実施形態>
図7は、本発明の第6の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。
中空孔76は、例えば、円形断面の中空孔を形成する際に、その円形断面の一部が胴縁31fにおける長手方向の両側面32及び33よりも外側になる場合のように、その中空孔の断面が、半月形状や一端が切り落とされた円の形状になっており、更に、両側面32及び33の長手方向の一方側の端面36から他方側の端面37まで連続するスリット状の開口が形成された中空孔である。なお、両側面の中空孔76以外の中空孔71は、第1実施形態の中空孔71と同様である。このように、中空孔76が両側面32及び33にスリットが形成された凹溝状で断面が一端が欠けた円形形状の空洞部であっても、本発明の胴縁31fを釘又はネジ51を用いて内部構造体1に取付ける場合に、釘又はネジ51による応力で胴縁31fにひび又は割れの発生を抑制する効果を得ることができ、ひび又は割れの発生を減少させることができる。
<第7実施形態>
図8は、本発明の第7の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。
中空孔77は、第6の実施形態における中空孔76の一端が切り落とされた円形断面形状に代えて、断面が矩形の形状で、胴縁31gにおける両側面32及び33の長手方向の一方側の端面36から他方側の端面37まで連続するスリット状の開口が形成された中空孔である。なお、両側面の中空孔77以外の中空孔74は、第4実施形態の中空孔74と同様である。このように、中空孔77が両側面32及び33にスリットが形成された凹溝状で断面が一端が欠けた矩形形状の空洞部であっても、本発明の胴縁31gを釘又はネジ51を用いて内部構造体1に取付ける場合に、釘又はネジ51による応力で胴縁31gにひび又は割れの発生を抑制する効果を得ることができ、ひび又は割れの発生を減少させることができる。
<第8実施形態>
図9は、本発明の第8の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。
中空孔78は、胴縁31hにおける長手方向の一方側の端面36から他方側の端面37まで、断面が略だるま形(二連の円形)で貫通させて形成される。このように、中空孔78の断面形状が略だるま形であっても、本発明の胴縁31hを釘又はネジ51を用いて内部構造体1に取付ける場合に、釘又はネジ51による応力で胴縁31hにひび又は割れの発生を抑制する効果を得ることができ、ひび又は割れの発生を減少させることができる。
<第9実施形態>
図10は、本発明の第9の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。
中空孔79は、胴縁31iにおける長手方向の一方側の端面36から他方側の端面37まで、断面が略三角形で貫通させて形成される。各三角形の形成される向きは、例えば、1個置きに上下方向を入れ替えて交互に向きが逆方向になるように形成してもよい。このように、中空孔79の断面形状が略三角形であっても、本発明の胴縁31iを釘又はネジ51を用いて内部構造体1に取付ける場合に、釘又はネジ51による応力で胴縁31iにひび又は割れの発生を抑制する効果を得ることができ、ひび又は割れの発生を減少させることができる。
<第10実施形態>
図11は、本発明の第10の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。
中空孔80は、胴縁31jにおける長手方向の一方側の端面36から他方側の端面37まで、断面が略楕円形で貫通させて形成される。本実施形態における楕円形の扁平方向は、胴縁31jの長手方向の断面の幅方向に沿う方向である。このように、中空孔80の断面形状が胴縁31jの長手方向の断面の幅方向に沿って扁平する略楕円形であっても、本発明の胴縁31jを釘又はネジ51を用いて内部構造体1に取付ける場合に、釘又はネジ51による応力で胴縁31jにひび又は割れの発生を抑制する効果を得ることができ、ひび又は割れの発生を減少させることができる。
<第11実施形態>
図12は、本発明の第11の実施形態の胴縁の一部を固定用のネジと共に示した図である。
中空孔81は、胴縁31kにおける長手方向の一方側の端面36から他方側の端面37まで、断面が略楕円形で貫通させて形成される。本実施形態における楕円形の扁平方向は、胴縁31kの長手方向の断面の幅方向に垂直な方向である。このように、中空孔81の断面形状が胴縁31kの長手方向の断面の幅方向に垂直方向に扁平する略楕円形であっても、本発明の胴縁31kを釘又はネジ51を用いて内部構造体1に取付ける場合に、釘又はネジ51による応力で胴縁31kにひび又は割れの発生を抑制する効果を得ることができ、ひび又は割れの発生を減少させることができる。
上記各実施形態では、胴縁を木質系在来工法の間柱等に沿ってネジ(又は釘)で固定する場合について説明してきたが、本発明の胴縁はこれに限らず、例えば、プレハブ工法のC形鋼等の軽量鉄骨材にネジで固定する場合にも用いることができる。又、本発明の胴縁は、その他の工法でも、例えば、打ち壁と外壁の間に通気層を確保する場合等に用いることができる。さらに、本発明の胴縁は、上下(縦)方向に配置されて通気層を確保する通気胴縁に限らず、横方向に設置される胴縁にも用いることができる。
1 内部構造体、
11 間柱11、
21 透湿防水シート(防水紙)、
31、31a〜31k 胴縁、
32、33 (胴縁の)側面、
34、35 (胴縁の)非空間部分、
36、37 胴縁の長手方向の両端面、
41 外壁材、
51、61 ネジ(又は釘)、
71〜81 中空孔、
91 スペーサー、
L1 胴縁の厚み寸法、
L2 胴縁内の中空孔における厚み方向寸法、
L3 胴縁内の中空孔における長手方向の断面の幅方向寸法、
L4 胴縁の長手方向の側面から中空孔までの寸法(厚み寸法L1の略2/3の寸法)、
L5 複数の中空孔間の均等間隔寸法。

Claims (7)

  1. 建築物の外壁材と内部構造体との間に設置される胴縁であって、
    セメント系成形体からなり、前記胴縁の長手方向の側面に沿った中空孔を有する
    ことを特徴とする胴縁。
  2. 前記中空孔は、少なくとも2個以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の胴縁。
  3. 前記中空孔は、前記胴縁における少なくとも長手方向の側面近傍に設けられる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の胴縁。
  4. 前記中空孔は、前記胴縁における長手方向の断面における、胴縁の幅方向に、所定均等間隔毎に形成される
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の胴縁。
  5. 前記中空孔は、前記胴縁における長手方向の一方側の端面から他方側の端面まで空間が間断なく接続されて貫通孔を形成する
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の胴縁。
  6. 前期貫通孔は、セメント系材料を押出成形することにより得られる貫通孔である
    ことを特徴とする請求項5に記載の胴縁。
  7. 前記セメント系の材料には高分子樹脂の繊維状の材料が含まれ、該繊維材料は、繊維長が3mm乃至100mmで、繊維径が5μm乃至200μmで、アスペクト比が100乃至1000であるポリエチレン繊維(PE)、ポリプロピレン繊維(PP)、又は、ポリビニルアルコール繊維(PVA)であり、硬化後の成形体における体積混入率が1%乃至10%である
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の胴縁。
JP2009070756A 2009-03-23 2009-03-23 胴縁 Pending JP2010222828A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009070756A JP2010222828A (ja) 2009-03-23 2009-03-23 胴縁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009070756A JP2010222828A (ja) 2009-03-23 2009-03-23 胴縁

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010222828A true JP2010222828A (ja) 2010-10-07

Family

ID=43040311

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009070756A Pending JP2010222828A (ja) 2009-03-23 2009-03-23 胴縁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010222828A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3372742A1 (de) * 2017-03-08 2018-09-12 Zudi, Mariam Baukonstruktion mit brandschutzfunktion für aussenwände sowie system und verfahren zur herstellung einer derartigen baukonstruktion

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11293900A (ja) * 1998-04-07 1999-10-26 Okura Ind Co Ltd 床 材
JP2001073528A (ja) * 1999-06-29 2001-03-21 Chuo Shokai:Kk 外装ボードの目地構造及びボード受具
JP2004114597A (ja) * 2002-09-27 2004-04-15 Kurabo Ind Ltd セメント系軽量押出成形体
JP2006305776A (ja) * 2005-04-26 2006-11-09 Panahome Corp セメント系成形体の製造方法
JP2007092290A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Nozawa Corp 外断熱用パネルの取付構造
JP2008057138A (ja) * 2006-08-29 2008-03-13 Mitsubishi Material Kenzai Corp 壁パネル取付装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11293900A (ja) * 1998-04-07 1999-10-26 Okura Ind Co Ltd 床 材
JP2001073528A (ja) * 1999-06-29 2001-03-21 Chuo Shokai:Kk 外装ボードの目地構造及びボード受具
JP2004114597A (ja) * 2002-09-27 2004-04-15 Kurabo Ind Ltd セメント系軽量押出成形体
JP2006305776A (ja) * 2005-04-26 2006-11-09 Panahome Corp セメント系成形体の製造方法
JP2007092290A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Nozawa Corp 外断熱用パネルの取付構造
JP2008057138A (ja) * 2006-08-29 2008-03-13 Mitsubishi Material Kenzai Corp 壁パネル取付装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3372742A1 (de) * 2017-03-08 2018-09-12 Zudi, Mariam Baukonstruktion mit brandschutzfunktion für aussenwände sowie system und verfahren zur herstellung einer derartigen baukonstruktion

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101187320B1 (ko) 탄소원 첨가제를 포함하는 건축외장재용 노출 콘크리트 패널 및 이의 제조방법
JP2009203106A (ja) コンクリート躯体の曲げ補強用の高靱性ポリマーセメント、およびこの高靱性ポリマーセメントを用いたコンクリート躯体の曲げ補強工法
CN107500646A (zh) 一种超轻质超高延性混凝土及其制备方法
WO2019214187A1 (zh) 一种提高多叶砖砌体墙抗震性能的trc的加固方法
JP2006321664A (ja) 繊維補強された軽量セメント系硬化体
KR101304548B1 (ko) 고인성 무시멘트 알칼리 활성 모르터 복합체 및 상기 모르터 복합체로 제조된 모르터 제품
JP4817304B2 (ja) 繊維補強モルタル又は繊維補強コンクリート、及びそれを用いてなる法枠の施工方法
KR100659457B1 (ko) 영구거푸집 및 내화패널 겸용의 고강도 고인성 패널을사용한 고강도콘크리트 부재의 내화공법
KR100941932B1 (ko) 리바운더 제로형 콘크리트 구조물 보수보강재 조성물과 이를 열화방지 코팅제와 함께 이용한 보수보강공법
CN206655345U (zh) 一种高延性混凝土组合抗震墙
KR20160144554A (ko) 유·무기 복합섬유를 이용한 고인성 복합 섬유보강 콘크리트의 제조방법 및 이에 의해 제조된 방폭 섬유보강 콘크리트
JP2010222828A (ja) 胴縁
JP4763313B2 (ja) 鉄筋コンクリート構造物の防食方法
JPH01160882A (ja) 無機質系断熱材
KR20090047044A (ko) 강관 피복형 내화성 콘크리트 부재 및 그의 구축방법
DE102020001238A1 (de) Ultrahochfester Hochbaubeton
JP4451590B2 (ja) 建物用役物
JP2004156242A (ja) トンネル補強工法
KR20130075334A (ko) 비정질 강섬유 시멘트 복합체 및 이를 이용한 콘크리트
CN212317293U (zh) 一种格构装配式一体化墙板
KR100873515B1 (ko) 고인성 콘크리트 거푸집을 이용한 구조물 시공방법
JP3902097B2 (ja) 型枠用接合部材
KR102620560B1 (ko) 내화패널 제조방법 및 이에 의해 제조된 내화패널
JP2010007371A (ja) 鼻隠し材及び軒先構造
CN109653387B (zh) 一种脱硫灰基地聚物保温板及其制备方法和一种装配式一体化保温墙及其制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130319

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130515

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130924

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140527