JP2010222257A - アルガトロバン注射液製剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルコールを含む注射液が充填されたブチルゴム製の栓体で開口が封止されたポリプロピレン製容器が、脱酸素剤とともにガスバリア性包材に封入されてなり、該注射液にはアルガトロバンを1〜10mg/mL含有するアルガトロバン注射液製剤であって、前記ガスバリア性包材は遮光性を有するものであることが好ましく、さらに前記注射液は、プレフィルドシリンジに充填されたものであることが好ましい。
【選択図】なし
Description
一方、アルガトロバンは、選択的トロンビン剤としてフィブリン生成、血小板凝集及び血管収縮を抑制する化合物である。
アルガトロバン注射液製剤は当初1アンプル20mLのアンプル製剤であり、注射筒への薬液の移し替えの際の、アンプルカット時に発生する微細な破片の混入リスクや、薬液調製時の作業負担、細菌汚染のリスクなどが医療現場では問題となっていた。その後、従来製剤に対し溶解性を向上させ5mg/mLに高濃度化した2mLのアンプル製剤の製剤化が承認され、現在は高濃度製剤が市販されているものの、未だガラス片混入のリスクをはじめ、問題の解決には至っておらず、現場からの製剤改良の要望が強い。
本製剤の主成分であるアルガトロバンは、難水溶性薬剤であり、高濃度製剤は溶解補助剤として無水エタノール及び濃グリセリンを含有している(特許文献1)。無水エタノールのようなアルコール類は、水蒸気透過性のプラスチック製容器に充填して長期間保存すると、蒸散して製剤中の含量が上昇する問題が挙げられる。
即ち、上記課題は以下のものによって解決できる。
(2)前記ガスバリア性包材は遮光性を有するものである(1)に記載のアルガトロバン注射液製剤。
(3)前記注射液は、プレフィルドシリンジに充填されたものである(1)または(2)に記載のアルガトロバン注射液製剤。
本発明の栓体は、酸素透過性が低く、内容液の蒸散が著しくなく、耐蒸気滅菌性に優れた、ブチルゴムが用いられる。該栓体は、プラスチックバイアルの密栓あるいはプラスチックシリンジの栓等として用いられるが、シリンジ用ガスケットの形態であることが好ましい。シリンジ用ガスケットとしては該シリンジの内側に密接しシリンジ内部空間の後端開口側を密封するとともに、シリンジ内を容易に摺動可能であり、後端部にプランジャーが取り付け可能な形態が好ましい。
本発明では、上記した脱酸素剤と共に、アルコールを含むアルガトロバン注射液を充填したプラスチック製容器及びガスケットをガスバリア性包材で密封することで、長期にわたる保存においても蒸散による含量変化もない安定なアルガトロバン注射液製剤を可能としている。
(実施例1)
アルガトロバン0.5g、無水エタノール15.0g、濃グリセリン45.0gを溶解した後、アルガトロバン5mg/mL濃度の水溶液を得た(pH約6)。無菌ろ過後、2.5mL容量の容器(ガスケット:ブチルゴム、シリンジ:ポリプロピレン)に2mLずつ充填し、高圧蒸気滅菌をして、アルガトロバン注射液充填プレフィルドシリンジを製した。
ついで、該アルガトロバン注射液充填プレフィルドシリンジを脱酸素剤(商品名:エージレス、三菱瓦斯化学(株)製)と共にアルミ蒸着−ポリエチレンテレフタレートを有するガスバリア性及び遮光性ラミネート包材で密封包装し、このアルガトロバン注射液製剤を実施例1とした。
アルガトロバン0.5g、無水エタノール15.0g、濃グリセリン45.0gを溶解した後、アルガトロバン5mg/mL濃度の水溶液を得た(pH約6)。無菌ろ過後、2.5mL容量の容器(遮光ガラスアンプル)に2mLずつ充填し、高圧蒸気滅菌をして、アルガトロバン注射液充填アンプルを製し、これを比較例1とした。
(比較例2)
アルガトロバン0.5g、無水エタノール15.0g、濃グリセリン45.0gを溶解した後、アルガトロバン5mg/mL濃度の水溶液を得た(pH約6)。無菌ろ過後、2.5mL容量の容器(ガスケット:ブチルゴム、シリンジ:ポリプロピレン)に2mLずつ充填し、高圧蒸気滅菌をして、アルガトロバン注射液充填プレフィルドシリンジを製した。
該アルガトロバン注射液充填プレフィルドシリンジの無包装品を比較例2とした。
(比較例3)
容器材質をガスケット:エラストマー、シリンジ:ポリプロピレンにした以外は実施例1と同様にして製して包装したアルガトロバン注射液製剤を比較例3とした。
容器材質をガスケット:エラストマー、シリンジ:環状オレフィンコポリマー(COC)にした以外は実施例1と同様にして製して包装したアルガトロバン注射液製剤を比較例4とした。
(比較例5)
容器材質をガスケット:ブチルゴム、シリンジ:環状オレフィンコポリマー(COC)にした以外は実施例1と同様にして製して包装したアルガトロバン注射液製剤を比較例5とした。
(比較例6)
容器材質をガスケット:エラストマー、シリンジ:環状オレフィンポリマー(COP)にした以外は実施例1と同様にして製して包装したアルガトロバン注射液製剤を比較例6とした。
(比較例7)
容器材質をガスケット:ブチルゴム、シリンジ:環状オレフィンポリマー(COP)にした以外は実施例1と同様にして製して包装したアルガトロバン注射液製剤を比較例7とした。
実施例1、比較例1及び2で得られた各アルガトロバン注射液製剤を60℃にて保存し、試験開始時、1週間経過後及び3週間経過後の各時点での不純物の総量(アルガトロバンに対する不純物の比率)を求めた(表中の値はn=3の平均値、単位は%)。
(測定法)
本品4mLを量り、移動相を加えて10mLとし、試料溶液とした。この液5mLを正確に量り、移動相を加えて正確に50mLとした。この液5mLを正確に量り、移動相を加えて正確に100mLとし、標準溶液とした。試料溶液及び標準溶液50μLにつき、次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行った。それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定し、標準溶液のアルガトロバンのピーク面積の200倍に対する、試料溶液の個々のピーク面積の割合を求め、総量として合算した。
検出条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:259nm)
カラム:内径4.6mm、長さ25cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:45℃付近の一定温度
移動相:薄めた酢酸(100)(1→400)にアンモニア試液を加えてpHを5.0に調整する。この液550mLにメタノール450mLを加える。
流量:アルガトロバンの2つのピークのうち、先に溶出するピークの保持時間 が約50分になるように調整する。
実施例1、比較例3〜7で得られた各アルガトロバン注射液製剤を60℃及び40℃75%RHにて保存し、試験開始時に対する60℃3週間及び40℃75%RH6箇月経過後の蒸散量を評価した。その結果を表2に示した(表中の値はn=10の平均値、単位は%)。
表2より、ガスケットにブチルゴムを用いた容器に充填されたアルガトロバン注射液製剤は、保存中の蒸散を抑えることが示された。
実施例1、比較例3〜7で得られた各アルガトロバン注射液製剤を60℃にて保存し、試験開始時及び3週間経過後の摺動抵抗値をオートグラフ(機種名 EZ−Test、会社名 島津製作所)により測定した。具体的には、シリンジの先端およびプランジャーの後端をオートグラフの測定対象物固定部に固定し、筒先に18G注射針を装着してプランジャーを500mm/minの速度で30mm降下させたときの初期摺動抵抗値及び常用摺動抵抗値を計測したところ、表3に示すような結果となった(表中の値はn=10の平均値、単位はN)。
表3より、シリンジにポリプロピレンを選択することで、60℃3週間保存後のアルガトロバン注射液製剤の上記摺動抵抗測定試験において、初期摺動抵抗値が10N以下であり、保存時にシリンジとガスケットの貼り付きを起こすことがなく、使用時に滑らかな初動が可能であることが示された。
Claims (3)
- アルコールを含む注射液が充填されたブチルゴム製の栓体で開口が封止されたポリプロピレン製容器が、脱酸素剤とともにガスバリア性包材に封入されてなり、該注射液にはアルガトロバンを1〜10mg/mL含有するアルガトロバン注射液製剤。
- 前記ガスバリア性包材は遮光性を有するものである請求項1に記載のアルガトロバン注射液製剤。
- 前記注射液は、プレフィルドシリンジに充填されたものである請求項1または2に記載のアルガトロバン注射液製剤。
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