JP2010221952A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車体側固定部3に取り付けられるステアリングコラム1と、ステアリングコラム1に回転自在でかつ軸方向移動不能に取り付けられたステアリングシャフト2と、車体側固定部3とステアリングコラム1との間に介在するカプセル構造部7とを備えている。カプセル構造部7は、衝撃力が作用すると車体側固定部3に対してステアリングコラム1を相対移動させるために剪断破壊を段階的に開始する複数の第一ピン11a,11b及び第二ピン12a,12bを有している。
【選択図】 図3
Description
図8(a)は、車体側固定部44に固定されている固定片43、及び、ステアリングコラム41の取り付け座板41aと一体移動可能となる可動片42の一部を示している説明図であり、ピン45の下部が、固定片43の孔46に挿入した状態を示している。
このように、複数のピン45を同時に剪断破壊するように構成することで、ピン45の剪断に対する耐力(剪断抵抗)を高めることができ、吸収可能となる衝撃を大きくすることができる。図6(b)は、ピン45が吸収することができる衝撃エネルギーを説明する説明図である。
この場合、最初に剪断破壊を開始する第一の被剪断部材の耐力を高くさせない。すなわち、第一の被剪断部材を剪断破壊している途中に第二の被剪断部材の剪断破壊を開始しないので、両被剪断部材の耐力が重なり合って初期における被剪断部材の耐力が高くなりすぎるのを防止することができる。
この構成によれば、ステアリングコラムに衝撃力が伝わり、当該ステアリングコラムと共に可動部材が固定部材に対して移動しようとすることで、第一ピンが第一孔内で剪断破壊を開始しても、第二ピンがまだ剪断破壊しない程度に前記相対移動方向に余裕がある長孔よりなるので、当該第二ピンの剪断破壊は開始されない。そして、可動部材が固定部材に対してさらに相対移動方向に移動して、第二ピンが第二孔内を移動不能となると、第二ピンの剪断破壊が開始される。これにより、複数の被剪断部材としての第一ピン及び第二ピンの剪断破壊が段階的に開始する構成が得られる。
先に第一ピンが剪断破壊されることで衝撃力の一部が吸収されるが、第二ピンの剪断面の総面積が大きいと、残りの衝撃力では当該第二ピンが剪断破壊されずに当該残りの衝撃力を吸収できなくなるおそれがある。しかし、前記構成によれば、これを防止することができる。
この場合、第一ピン、第二ピン及び第三ピンの剪断破壊が、三段階にわたって段階的に開始される構成が得られる。
図1は本発明のステアリング装置Sの側面図である。このステアリング装置Sは、ステアリングホイール8が端部に連結されるステアリングシャフト2と、このステアリングシャフト2を内部で回転自在に支持しているステアリングコラム1とを有している。ステアリングホイール8が回転操作されるとステアリングシャフト2が回転し、この回転力が図示しない中間シャフト及びラックピニオン式等のステアリングギヤ機構に伝達され、これにより車輪の転動方向を変えることができる。
図2はブラケット5及びその周辺部を示している平面図である。ブラケット5は、外側ケーシング4に固定されている本体部21と、この本体部21から左右側方へ伸びている取り付け座板22,22とを有している。取り付け座板22は平坦な板状であり、その後部に後方に開いた切り欠き部23(図3(b)参照)が形成されている。
カプセル構造部(衝撃吸収部)7は、車体側固定部3に固定されるカプセル本体(固定部材)9と、ステアリングコラム1と一体移動可能であるリテーナ(可動部材)10とを有している。前記のとおり、ステアリングシャフト2に衝撃力が作用すると、ステアリングコラム1を車体側固定部3に対して前方へ移動させ離脱させるために、リテーナ10はステアリングコラム1と一体となって、カプセル本体9に対して前方へ相対移動する。
二本の第一ピン11a,11bは共に同じ形状であり、それぞれは小径の下部13と下部13よりも大径の上部14とを有している。また、二本の第二ピン12a,12bは共に同じ形状であり、それぞれは小径の下部113と大径の上部114とを有している。なお、実施形態の第一ピン11a,11bと第二ピン12a,12bとは同じ形状である。
これに対して第二孔32a,32bは、前後方向(X方向)に長い長孔となっている。このため、第一孔31a,31bに第一ピン11a,11bが挿入している状態では(図5(a)参照)、第二ピン12a,12bの下部113が第二孔32a,32bに挿入している状態で、当該下部113と孔内面との間には当該下部113から前方へ広がっている空間(隙間)Hが形成されている。すなわち、第一ピン11a,11bと第一孔31a,31bとの間には締め代が設けられているが(又は前後方向の隙間がゼロであるが)、第二ピン12a,12bと第二孔32a,32bとの間には、前後方向の締め代が設けられていない。
長孔である第二孔32a,32bの長径(前後方向の孔寸法)は、第二ピン12a,12b(下部113)の直径よりも大きく設定されていて、さらに実施形態では、第一ピン11a,11bの直径(第一孔31a,31bに挿入状態となっている部分の直径:下部13の直径)の2倍以上の大きさで設定されている。
そして、カプセル構造部7の組み立て状態では、直線Y1aと直線Y1bとは上下方向(Z方向)の同一面上に存在し、直線Y2aと直線Y2bとは上下方向(Z方向)の同一面上に存在する。
図5(a)の通常状態では、第一ピン11a,11bが第一孔31a,31bに挿入されていることにより、リテーナ10はカプセル本体9に対して相対移動不能であり、車体側固定部3に対して取り付け座板22(ステアリングコラム1)の前方(X方向)への相対移動が拘束されている。
このように、第一ピン11a(11b)と第二ピン12a(12b)とは、前後方向で異なる位置に分散して配置されていて、第一ピン11a(11b)が剪断破壊を開始するタイミングと、第二ピン12a(12b)が剪断破壊を開始するタイミングとがずれる。
なお、衝撃が作用した初期においてピンの耐力が高くなると、その反力として衝突直後にステアリングホイール8から運転者に与えられる衝撃も大きくなってしまう。しかし、本発明の前記構成によれば、これを防止することができる。
そして、吸収することができる衝撃エネルギーの総量を大きくすることによって、ステアリング装置におけるコラプスストロークの短縮が可能となり、ステアリングコラム2(ステアリング装置S)を短く構成することができる。
この構成によれば、先に第一ピン11a(11b)が剪断破壊されることで衝撃力の一部が吸収されるが、第二ピン12a(12b)の剪断面の総面積A2が大きいと、残りの衝撃力では当該第二ピン12a(12b)が剪断破壊されずに当該残りの衝撃力を吸収できなくなるおそれがある。しかし、前記構成によれば、これを防止することができる。
このために、図7の場合、リテーナ10には、前記実施形態と同様の第一ピン51a,51b及び第二ピン52a,52bの他に、第三ピン53a,53bが設けられている。そして、取り付け座板22には、第三ピン53a,53bを貫通させる孔27a,27bが形成されていて、さらに、カプセル本体9には、第三ピン53a,53bが挿入される第三孔63a,63bがさらに設けられている。
すなわち、第三孔63a,63bは、第二ピン52a,52bが第二孔62a,62b内で剪断破壊を開始しても第三ピン53a,53bがまだ剪断破壊しない程度に前方に余裕がある長孔よりなる。
この実施形態によれば、衝撃が作用した初期における一列目の第一ピン51a,51b、さらには、二列目の第二ピン52a,52bの耐力を高くさせずに、吸収することができる衝撃エネルギーの総量をさらに大きくすることが可能となる。
Claims (5)
- 車体側固定部に取り付けられるステアリングコラムと、
前記ステアリングコラムに回転自在でかつ軸方向移動不能に取り付けられたステアリングシャフトと、
前記車体側固定部と前記ステアリングコラムとの間に介在する衝撃吸収部と、を備え、
前記衝撃吸収部は、
前記ステアリングシャフトの軸方向の衝撃力が作用すると前記車体側固定部に対して前記ステアリングコラムを相対移動させるために剪断破壊を段階的に開始する複数の被剪断部材を有していることを特徴とするステアリング装置。 - 前記複数の被剪断部材は、最初に剪断破壊を開始する第一の被剪断部材と、前記第一の被剪断部材が剪断破壊を終えてから次の剪断破壊を開始する第二の被剪断部材とを含む請求項1に記載のステアリング装置。
- 前記衝撃吸収部は、
前記車体側固定部に固定される固定部材と、
前記ステアリングコラムと一体移動可能である可動部材と、を有し、
前記固定部材と前記可動部材との内の一方に、前記複数の被剪断部材として、前記相対移動方向に交差する方向に延びている第一ピンと第二ピンとが設けられ、
前記固定部材と前記可動部材との内の他方に、前記第一ピンが挿入される第一孔と、前記第二ピンが挿入される第二孔とが設けられ、
前記第二孔は、前記第一ピンが前記第一孔内で剪断破壊を開始しても前記第二ピンがまだ剪断破壊しない程度に前記相対移動方向に余裕がある長孔よりなる請求項1又は2に記載のステアリング装置。 - 前記第二ピンの剪断面の総面積は、前記第一ピンの剪断面の総面積以下に設定されている請求項3に記載のステアリング装置。
- 前記固定部材と前記可動部材との内の一方に、前記複数の被剪断部材として、前記相対移動方向に交差する方向に延びている第三ピンがさらに設けられ、
前記固定部材と前記可動部材との内の他方に、前記第三ピンが挿入される第三孔がさらに設けられ、
前記第三孔は、前記第二ピンが前記第二孔内で剪断破壊を開始しても前記第三ピンがまだ剪断破壊しない程度に前記相対移動方向に余裕がある長孔よりなる請求項3に記載のステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009074003A JP2010221952A (ja) | 2009-03-25 | 2009-03-25 | ステアリング装置 |
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JP2009074003A Pending JP2010221952A (ja) | 2009-03-25 | 2009-03-25 | ステアリング装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014240220A (ja) * | 2013-06-11 | 2014-12-25 | 株式会社ジェイテクト | ステアリング装置 |
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