JP2010221952A - ステアリング装置 - Google Patents

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Takashi Tsunoda
貴志 角田
Zenichi Kawada
善一 川田
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Abstract

【課題】衝撃が作用した初期において樹脂製のピンの耐力を高くさせずに、吸収することができる衝撃エネルギーの総量を大きくできる衝撃吸収機能を備えたステアリング装置を提供する。
【解決手段】車体側固定部3に取り付けられるステアリングコラム1と、ステアリングコラム1に回転自在でかつ軸方向移動不能に取り付けられたステアリングシャフト2と、車体側固定部3とステアリングコラム1との間に介在するカプセル構造部7とを備えている。カプセル構造部7は、衝撃力が作用すると車体側固定部3に対してステアリングコラム1を相対移動させるために剪断破壊を段階的に開始する複数の第一ピン11a,11b及び第二ピン12a,12bを有している。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動車に搭載されるステアリング装置に関する。
走行している自動車が衝突事故を起こした際に、運転者がステアリングホイールにぶつかることがあるが、その際にステアリングホイールが運転者へ与える衝撃を緩和することのできるステアリング装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、このステアリング装置は、ステアリングシャフトの端部に取り付けられているステアリングホイールに運転者がぶつかって、ステアリングシャフトを支持しているステアリングコラムに衝撃力が作用すると、ステアリングコラムが車体側固定部から離脱するように構成されている。
このために、特許文献1に記載のステアリング装置では、ステアリングコラムが有するブラケットの取り付け座板の上下両側に、上側の可動片と下側の固定片とが取り付けられている。固定片は車体側固定部にボルトによって固定されているのに対し、可動片は、ステアリングコラム(取り付け座板)と一体移動可能となっている。さらに、可動片には被剪断部材が設けられていて(被剪断部材を樹脂製のピンとして説明する)、このピンは、固定片に設けられている孔に挿入した状態となっている。
図8(a)は、車体側固定部44に固定されている固定片43、及び、ステアリングコラム41の取り付け座板41aと一体移動可能となる可動片42の一部を示している説明図であり、ピン45の下部が、固定片43の孔46に挿入した状態を示している。
ステアリングシャフトに作用した軸方向の衝撃力がステアリングコラム41に伝わると、ステアリングコラム41(取り付け座板41a)と共に可動片42が移動しようとする。この際、図8(b)に示しているように、ピン45は固定片43の孔46内を移動不能となり、当該ピン45を剪断破壊する。これにより、作用した軸方向の衝撃力を吸収することが可能となる。この結果、ステアリングホイールに運転者がぶつかった際に、その反力として運転者に与える衝撃を緩和している。
特開2003−170837号公報(図6参照)
特許文献1に記載のステアリング装置の場合、図8(a)を参考として説明すると、可動片42にピン45が二本設けられていて、これらピン45は、衝撃吸収時に可動片42が移動する方向に直交する直線上に並んで設けられている。このため、二本のピン45は同時に剪断破壊される。
このように、複数のピン45を同時に剪断破壊するように構成することで、ピン45の剪断に対する耐力(剪断抵抗)を高めることができ、吸収可能となる衝撃を大きくすることができる。図6(b)は、ピン45が吸収することができる衝撃エネルギーを説明する説明図である。
ピン45の耐力Fが低いと衝撃を十分に吸収できず、ステアリングコラムにおいて軸方向の底付きが生じ、運転者に与える反力としての衝撃が大きくなってしまう。そこで、ピン45の総断面積を大きくしてピン45の耐力Fを高めることで、吸収することのできる衝撃エネルギーの総量を大きくすることが可能となる。しかし、ピン45の総断面積を大きくしすぎると(例えば、同時に破壊するピン45の数を増やすと)、衝撃が作用した初期においてピン45の耐力が高くなることから、その反力として衝突直後にステアリングホイールが運転者に与える衝撃も大きくなってしまう。
そこで、本発明は、衝撃が作用した初期において被剪断部材の耐力を高くさせずに、吸収することができる衝撃エネルギーの総量を大きくすることができる衝撃吸収機能を備えたステアリング装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための本発明のステアリング装置は、車体側固定部に取り付けられるステアリングコラムと、前記ステアリングコラムに回転自在でかつ軸方向移動不能に取り付けられたステアリングシャフトと、前記車体側固定部と前記ステアリングコラムとの間に介在する衝撃吸収部とを備え、前記衝撃吸収部は、前記ステアリングシャフトの軸方向の衝撃力が作用すると前記車体側固定部に対して前記ステアリングコラムを相対移動させるために剪断破壊を段階的に開始する複数の被剪断部材を有していることを特徴とする。
本発明によれば、ステアリングシャフトはステアリングコラムに軸方向移動不能に取り付けられているので、ステアリングシャフトに作用した衝撃力がステアリングコラムに伝達される。衝撃力がステアリングコラムに伝達されると、被剪断部材を剪断破壊することによって車体側固定部に対してステアリングコラムを相対移動させ、これにより衝撃力を吸収することができる。そして、ステアリングコラムが相対移動する際に、複数の被剪断部材の剪断破壊を段階的に開始するので、最初に剪断破壊されることになる被剪断部材の耐力を高くさせずに、すなわち、衝撃が作用した初期における被剪断部材の耐力を高くさせずに、吸収することができる衝撃エネルギーの総量を大きくすることが可能となる。
また、前記複数の被剪断部材は、最初に剪断破壊を開始する第一の被剪断部材と、前記第一の被剪断部材が剪断破壊を終えてから次の剪断破壊を開始する第二の被剪断部材とを含むのが好ましい。
この場合、最初に剪断破壊を開始する第一の被剪断部材の耐力を高くさせない。すなわち、第一の被剪断部材を剪断破壊している途中に第二の被剪断部材の剪断破壊を開始しないので、両被剪断部材の耐力が重なり合って初期における被剪断部材の耐力が高くなりすぎるのを防止することができる。
また、複数の被剪断部材の剪断破壊を段階的に開始させるために、前記衝撃吸収部は、前記車体側固定部に固定される固定部材と、前記ステアリングコラムと一体移動可能である可動部材とを有し、前記固定部材と前記可動部材との内の一方に、前記複数の被剪断部材として、前記相対移動方向に交差する方向に延びている第一ピンと第二ピンとが設けられ、前記固定部材と前記可動部材との内の他方に、前記第一ピンが挿入される第一孔と、前記第二ピンが挿入される第二孔とが設けられ、前記第二孔は、前記第一ピンが前記第一孔内で剪断破壊を開始しても前記第二ピンがまだ剪断破壊しない程度に前記相対移動方向に余裕がある長孔よりなる構成とすればよい。
この構成によれば、ステアリングコラムに衝撃力が伝わり、当該ステアリングコラムと共に可動部材が固定部材に対して移動しようとすることで、第一ピンが第一孔内で剪断破壊を開始しても、第二ピンがまだ剪断破壊しない程度に前記相対移動方向に余裕がある長孔よりなるので、当該第二ピンの剪断破壊は開始されない。そして、可動部材が固定部材に対してさらに相対移動方向に移動して、第二ピンが第二孔内を移動不能となると、第二ピンの剪断破壊が開始される。これにより、複数の被剪断部材としての第一ピン及び第二ピンの剪断破壊が段階的に開始する構成が得られる。
また、前記第二ピンの剪断面の総面積は、前記第一ピンの剪断面の総面積以下に設定されているのが好ましい。
先に第一ピンが剪断破壊されることで衝撃力の一部が吸収されるが、第二ピンの剪断面の総面積が大きいと、残りの衝撃力では当該第二ピンが剪断破壊されずに当該残りの衝撃力を吸収できなくなるおそれがある。しかし、前記構成によれば、これを防止することができる。
また、複数の被剪断部材の剪断破壊を段階的に開始させるために、前記固定部材と前記可動部材との内の一方に、前記複数の被剪断部材として、前記相対移動方向に交差する方向に延びている第三ピンがさらに設けられ、前記固定部材と前記可動部材との内の他方に、前記第三ピンが挿入される第三孔がさらに設けられ、前記第三孔は、前記第二ピンが前記第二孔内で剪断破壊を開始しても前記第三ピンがまだ剪断破壊しない程度に前記相対移動方向に余裕がある長孔よりなる構成とするのが好ましい。
この場合、第一ピン、第二ピン及び第三ピンの剪断破壊が、三段階にわたって段階的に開始される構成が得られる。
本発明によれば、衝撃が作用した初期における被剪断部材の耐力を高くさせずに、吸収することができる衝撃エネルギーの総量を大きくすることが可能となる。このため、初期において反力としてステアリング装置側から運転者に与える衝撃を小さくしつつ、大きな総量の衝撃エネルギーを吸収することができる。
本発明のステアリング装置の実施の一形態を示す側面図である。 ブラケット及びその周辺部を示している平面図である。 カプセル構造部及び取り付け座板の平面図であり、(a)はリテーナ、(b)は取り付け座板、(c)はカプセル本体を示している。 カプセル構造部及び取り付け座板の分解側面図であり、(a)はリテーナ、(b)は取り付け座板、(c)はカプセル本体を示している。 カプセル構造部の機能を説明する説明図である。 ピンが吸収することのできる衝撃エネルギーを説明する説明図である。 他の実施形態であるステアリング装置のカプセル構造部の平面図であり、(a)はリテーナ、(b)は取り付け座板、(c)はカプセル本体を示している。 従来のステアリング装置の機能を説明する説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明のステアリング装置Sの側面図である。このステアリング装置Sは、ステアリングホイール8が端部に連結されるステアリングシャフト2と、このステアリングシャフト2を内部で回転自在に支持しているステアリングコラム1とを有している。ステアリングホイール8が回転操作されるとステアリングシャフト2が回転し、この回転力が図示しない中間シャフト及びラックピニオン式等のステアリングギヤ機構に伝達され、これにより車輪の転動方向を変えることができる。
なお、ステアリング装置Sは、ステアリングシャフト2の軸方向を車両前後方向に対して傾斜させて車体側固定部3に取り付けられるが、以下において、ステアリングシャフト2の軸方向を前後方向(X方向)とし、ステアリング装置Sに対して車体側固定部3側を上方向及びその反対を下方向とし、前後方向(X方向)及び上下方向(Z方向)に直交する方向を左右方向(Y方向)として説明する。
ステアリングコラム1は、ステアリングシャフト2を回転自在でかつ前後方向の移動を不能に取り付けている外側ケーシング4を有していて、ステアリングシャフト2に作用する前後方向(特に前方)の荷重を外側ケーシング4に伝達可能としている。なお、前方とは、図示していない中間シャフト側(図1では左側)であり、後方がステアリングホイール8側(図1では右側)である。
さらに、ステアリングコラム2は、外側ケーシング4の上部に固定されたブラケット5を有している。外側ケーシング4は、ブラケット5、固定用ボルト6及びカプセル構造部7を介して、車体側固定部3に取り付けられる。
図2はブラケット5及びその周辺部を示している平面図である。ブラケット5は、外側ケーシング4に固定されている本体部21と、この本体部21から左右側方へ伸びている取り付け座板22,22とを有している。取り付け座板22は平坦な板状であり、その後部に後方に開いた切り欠き部23(図3(b)参照)が形成されている。
図1と図2とにおいて、前記カプセル構造部7は、車体側固定部3とブラケット5との間に介在し、ステアリングシャフト2に前方へ向かう衝撃力が作用するとステアリングコラム1を車体側固定部3から前方に離脱させ、当該衝撃力を吸収することができる衝撃吸収部としての機能を備えている。
カプセル構造部(衝撃吸収部)7は、車体側固定部3に固定されるカプセル本体(固定部材)9と、ステアリングコラム1と一体移動可能であるリテーナ(可動部材)10とを有している。前記のとおり、ステアリングシャフト2に衝撃力が作用すると、ステアリングコラム1を車体側固定部3に対して前方へ移動させ離脱させるために、リテーナ10はステアリングコラム1と一体となって、カプセル本体9に対して前方へ相対移動する。
図3はカプセル構造部7及び取り付け座板22の平面図であり、(a)はリテーナ10、(b)は取り付け座板22の一部、(c)はカプセル本体9を示している。図4はカプセル構造部7及び取り付け座板22の分解側面図であり、(a)はリテーナ10、(b)は取り付け座板22、(c)はカプセル本体9を示している。リテーナ10及びカプセル本体9は、取り付け座板22を上下挟んで取り付けられる。
リテーナ10は、板状であり平面視V字型の部分(板状部)15と、この板状部15の下面側に設けられた被剪断部材としての第一ピン11a,11b及び第二ピン12a,12bと、固定ピン16とを有している。第一ピン11a,11b及び第二ピン12a,12bは、カプセル本体9に対するリテーナ10の相対移動方向に交差する方向、つまり、前後方向に直交する方向(下方)に直線的に伸びている。第一ピン11a,11b及び第二ピン12a,12bは樹脂製であり、実施形態のリテーナ10は全体が樹脂製である。
二本の第一ピン11a,11bは共に同じ形状であり、それぞれは小径の下部13と下部13よりも大径の上部14とを有している。また、二本の第二ピン12a,12bは共に同じ形状であり、それぞれは小径の下部113と大径の上部114とを有している。なお、実施形態の第一ピン11a,11bと第二ピン12a,12bとは同じ形状である。
そして、取り付け座板22の上面22aにリテーナ10の下面10bが接触した状態で、リテーナ10は取り付けられる。この際、第一ピン11a,11b及び第二ピン12a,12bは、取り付け座板22に形成されている孔24a,24b及び孔25a,25bを貫通している(下方へ突き出る)。固定ピン16は、取り付け座板22に形成されている孔26に入り、その先端は孔26から貫通しない(下方へ突き出ない)長さに設定されている。この固定ピン16が孔26に嵌ることで、リテーナ10と取り付け座板22(ステアリング装置S)とは一体となって前方へ移動可能となる。
カプセル本体9は、下側となるベース部17と、このベース部17から上に突出している突起部18とを有していて、例えば樹脂製である。また、カプセル本体9には上下方向に貫通している貫通孔19が形成されていて、この貫通孔19は前記固定用ボルト6(図1参照)が挿通する孔である。そして、ベース部17の上面17aに取り付け座板22の下面22bが接触した状態で、カプセル本体9は取り付けられる。この際、突起部18が取り付け座板22の切り欠き部23に嵌合する。
さらに、ベース部17には、第一ピン11a,11bを挿入させる第一孔31a,31bと、第二ピン12a,12bを挿入させる第二孔32a,32bとが設けられている。第一孔31a,31bは、横断面が円形である第一ピン11a,11bの下部13(図4(a)参照)が密着嵌合する大きさに設定されている。
これに対して第二孔32a,32bは、前後方向(X方向)に長い長孔となっている。このため、第一孔31a,31bに第一ピン11a,11bが挿入している状態では(図5(a)参照)、第二ピン12a,12bの下部113が第二孔32a,32bに挿入している状態で、当該下部113と孔内面との間には当該下部113から前方へ広がっている空間(隙間)Hが形成されている。すなわち、第一ピン11a,11bと第一孔31a,31bとの間には締め代が設けられているが(又は前後方向の隙間がゼロであるが)、第二ピン12a,12bと第二孔32a,32bとの間には、前後方向の締め代が設けられていない。
第一ピン11a,11b及び第二ピン12a,12b、並びに、第一孔31a,31b及び第二孔32a,32bの配置について図3及び図4により説明する。第一ピン11a,11bは、左右方向(Y方向)の直線Y1a上に配置されている。第一孔31a,31bは、左右方向(Y方向)の直線Y1b上に配置されている。この配置により、後にも説明するがリテーナ10がカプセル本体9に対して前方へ相対移動すると、一方の第一ピン11aと他方の第一ピン11bとは同時に剪断破壊が開始される。
また、第二ピン12a,12bは、左右方向(Y方向)の直線Y2a上に配置されている。第二孔32a,32bは、左右方向(Y方向)の直線Y2b上に配置されている。第二孔32a,32bは、直線Y2bから前方へ長い長孔となっている。この配置により、後にも説明するがリテーナ10がカプセル本体9に対して前方へ相対移動すると、一方の第二ピン12aと他方の第二ピン12bとは、長孔である第二孔32a,32b内を移動した後に、同時に剪断破壊が開始される。
長孔である第二孔32a,32bの長径(前後方向の孔寸法)は、第二ピン12a,12b(下部113)の直径よりも大きく設定されていて、さらに実施形態では、第一ピン11a,11bの直径(第一孔31a,31bに挿入状態となっている部分の直径:下部13の直径)の2倍以上の大きさで設定されている。
そして、カプセル構造部7の組み立て状態では、直線Y1aと直線Y1bとは上下方向(Z方向)の同一面上に存在し、直線Y2aと直線Y2bとは上下方向(Z方向)の同一面上に存在する。
図5はカプセル構造部7の機能を説明する説明図であり、第一ピン11a、第二ピン12a及びその周辺部の断面を示している。図5(a)はカプセル構造部7の組み立て状態を示している。なお、この図5(a)の状態は、ステアリング装置Sに衝撃力が作用していない通常状態であり、図5(b)及び図5(c)の状態が、衝撃力が作用した際の異常負荷状態である。
図5(a)の通常状態では、第一ピン11a,11bが第一孔31a,31bに挿入されていることにより、リテーナ10はカプセル本体9に対して相対移動不能であり、車体側固定部3に対して取り付け座板22(ステアリングコラム1)の前方(X方向)への相対移動が拘束されている。
しかし、図5(b)及び図5(c)の異常負荷状態では、ステアリング装置S(取り付け座板22)に前方への衝撃力が作用すると第一ピン11a(11b)、及び、これに続いて第二ピン12a(12b)を剪断破壊することにより、車体側固定部3及びカプセル本体9に対して、取り付け座板22(ステアリングコラム1)及びリテーナ10の一部(板上部15及び上部14,114)を前方に相対移動させることができる。
さらに本発明では、第一ピン11a,11b及び第二ピン12a,12bが前記のとおり配置され、第一孔31a,31b及び第二孔32a,32bが前記のとおり形成されていることから、図5(a)に示しているように、カプセル本体9に対して、取り付け座板22と共にリテーナ10が前方へ相対移動しようとすると、第一ピン11a(11b)が第一孔31a(31b)内を移動不能となることにより当該第一ピン11a(11b)の剪断破壊が開始される。そして、第二孔32a(32b)は、第一ピン11a(11b)が第一孔31a(31b)内で剪断破壊を開始しても、第二ピン12a(12b)がまだ剪断破壊しない程度に前方に長さの余裕がある長孔である。このため、第一ピン11a(11b)の剪断破壊が開始された際に、第二ピン12a(12b)は当該第二孔32a(32b)内をさらに移動可能となる空間H(余裕)が残っている。したがって、第一ピン11a(11b)の剪断破壊が開始されていても、第二ピン12a(12b)はまだ剪断破壊が開始されない。
そして、図5(b)に示しているように、前記衝撃力により、カプセル本体9に対して、取り付け座板22と共にリテーナ10が前方へさらに相対移動すると、第二ピン12a(12b)が第二孔32a(32b)内を移動不能となる。これにより、第二ピン12a(12b)の剪断破壊が開始される。なお、第一ピン11a(11b)は、下部13と上部14との境界面で剪断され、同様に、第二ピン12a(12b)は、下部113と上部114との境界面で剪断される。
このように、第一ピン11a(11b)と第二ピン12a(12b)とは、前後方向で異なる位置に分散して配置されていて、第一ピン11a(11b)が剪断破壊を開始するタイミングと、第二ピン12a(12b)が剪断破壊を開始するタイミングとがずれる。
以上の構成によれば、ステアリングシャフト2に作用した前方への衝撃力がステアリングコラム1に伝達されると、第一ピン11a,11b及び第二ピン12a,12bが順に剪断破壊されることによって、車体側固定部3に対してステアリングコラム1を前方に相対移動させ、これにより前記衝撃力を吸収することができる。そして、ステアリングコラム1が相対移動する際に、一列目の第一ピン11a,11bの剪断破壊と、二列目の第二ピン12a,12bの剪断破壊とが、二段階にわたって段階的に開始される。
このように剪断破壊が段階的に開始されるため、図6(a)に示しているように、最初に剪断破壊されることになる一列目の第一ピン11a,11bの剪断に対する耐力(剪断抵抗)を高くさせずに、すなわち、衝撃が作用した初期における一列目の第一ピン11a,11bの耐力を高くさせず、カプセル構造部7において衝撃を吸収することができる範囲(X方向の範囲)を拡大することによって、吸収することができる衝撃エネルギーの総量を大きくすることが可能となる。このため、初期において反力としてステアリング装置S側から運転者に与える衝撃を小さくしつつ、大きな総量の衝撃エネルギーを吸収することができる。
なお、衝撃が作用した初期においてピンの耐力が高くなると、その反力として衝突直後にステアリングホイール8から運転者に与えられる衝撃も大きくなってしまう。しかし、本発明の前記構成によれば、これを防止することができる。
そして、吸収することができる衝撃エネルギーの総量を大きくすることによって、ステアリング装置におけるコラプスストロークの短縮が可能となり、ステアリングコラム2(ステアリング装置S)を短く構成することができる。
また、この実施形態では、長孔からなる第二孔32a,32bの長径(前後方向の孔寸法)は、第一ピン11a(11b)の下部13の直径の2倍の大きさで設定されているので、最初に剪断破壊を開始する第一ピン11a(11b)が完全に剪断された状態となってから、第二ピン12a(12b)が第二孔32a(32b)内を移動不能となり、これにより当該第二ピン12a(12b)の剪断破壊を開始する(図5(b)(c)参照)。このように剪断破壊を生じさせることで、最初に剪断破壊が開始される第一ピン11a(11b)が剪断破壊されている途中に、後に剪断破壊が開始される第二ピン12a(12b)の剪断破壊が開始されないので、第一ピン11a(11b)の耐力と、第二ピン12a(12b)の耐力とが重なり合って、衝突直後の衝撃に抗する耐力が高くなりすぎるのを防止することができる。
また、この実施形態では、第二ピン12a,12bの剪断面の総面積A2を、第一ピン11a,11bの剪断面の総面積A1と同じとしているが、総面積A2は総面積A1以下に設定するのが好ましい(A2≦A1)。なお、第二ピン12a(12b)の剪断面は、下部113と上部114との境界面であり、その面積は下部113の断面積と同じである。また、第一ピン11a(11b)の剪断面は、下部13と上部14との境界面であり、その面積は下部13の断面積と同じである。
この構成によれば、先に第一ピン11a(11b)が剪断破壊されることで衝撃力の一部が吸収されるが、第二ピン12a(12b)の剪断面の総面積A2が大きいと、残りの衝撃力では当該第二ピン12a(12b)が剪断破壊されずに当該残りの衝撃力を吸収できなくなるおそれがある。しかし、前記構成によれば、これを防止することができる。
本発明のステアリング装置の他の実施形態を図7により説明する。図7に示している実施形態では、カプセル構造部7が前記実施形態(図3)と異なる。図7のカプセル構造部7によれば、一列目の第一ピン51a,51bの剪断破壊と、二列目の第二ピン52a,52bの剪断破壊と、三列目の第三ピン53a,53bの剪断破壊とが、三段階にわたって段階的に開始される。
このために、図7の場合、リテーナ10には、前記実施形態と同様の第一ピン51a,51b及び第二ピン52a,52bの他に、第三ピン53a,53bが設けられている。そして、取り付け座板22には、第三ピン53a,53bを貫通させる孔27a,27bが形成されていて、さらに、カプセル本体9には、第三ピン53a,53bが挿入される第三孔63a,63bがさらに設けられている。
第二孔62a,62bは前記実施形態と同様に長孔であり、さらに、第三孔63a,63bも前後方向に長い長孔として形成されている。そして、衝撃時に、カプセル本体9に対してリテーナ10が前方へ相対移動しようとし第二ピン52a,52bが第二孔62a,62b内を移動不能となることにより当該第二ピン52a,52bの剪断破壊が開始される際に、第三ピン53a,53bは第三孔63a,63b内をさらに移動可能となる。
すなわち、第三孔63a,63bは、第二ピン52a,52bが第二孔62a,62b内で剪断破壊を開始しても第三ピン53a,53bがまだ剪断破壊しない程度に前方に余裕がある長孔よりなる。
この実施形態によれば、衝撃が作用した初期における一列目の第一ピン51a,51b、さらには、二列目の第二ピン52a,52bの耐力を高くさせずに、吸収することができる衝撃エネルギーの総量をさらに大きくすることが可能となる。
前記各実施形態によれば、被剪断部材としての樹脂製のピンの数(各列に配置するピンの数)及び各ピンの横断面積を変更することで、各段におけるピンの剪断に対する耐力(剪断抵抗)を調整することができる。また、ピンの列数を追加して4列以上としてもよく、これにより、カプセル構造部7において衝撃を吸収することができる範囲(X方向の範囲)をさらに拡大することができる。
また、本発明のステアリング装置は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであっても良い。前記実施形態では、リテーナ(可動部材)10に、複数の被剪断部材として樹脂製のピンが設けられ、カプセル本体(固定部材)9に、これらピンが挿入される孔が設けられている場合を説明したが、反対に、取り付け座板22の下に配置する部材(カプセル本体(固定部材)9)にピンが設けられ、取り付け座板22の上に配置される部材(リテーナ(可動部材)10)に孔、長孔が設けられていてもよい。
1:ステアリングコラム、 2:ステアリングシャフト、 3: 車体側固定部、 7:カプセル構造部(衝撃吸収部)、 9: カプセル本体(固定部材)、 10:リテーナ(可動部材)、 11a,11b,51a,51b:第一ピン(被剪断部材)、 12a,12b,52a,52b:第二ピン(被剪断部材)、 53a,53b:第三ピン(被剪断部材)、 31a,31b,61a,61b:第一孔、 32a,32b,62a,62b:第二孔、 63a,63b:第三孔、 A1:第一ピンの剪断面の総面積、 A2:第二ピンの剪断面の総面積

Claims (5)

  1. 車体側固定部に取り付けられるステアリングコラムと、
    前記ステアリングコラムに回転自在でかつ軸方向移動不能に取り付けられたステアリングシャフトと、
    前記車体側固定部と前記ステアリングコラムとの間に介在する衝撃吸収部と、を備え、
    前記衝撃吸収部は、
    前記ステアリングシャフトの軸方向の衝撃力が作用すると前記車体側固定部に対して前記ステアリングコラムを相対移動させるために剪断破壊を段階的に開始する複数の被剪断部材を有していることを特徴とするステアリング装置。
  2. 前記複数の被剪断部材は、最初に剪断破壊を開始する第一の被剪断部材と、前記第一の被剪断部材が剪断破壊を終えてから次の剪断破壊を開始する第二の被剪断部材とを含む請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 前記衝撃吸収部は、
    前記車体側固定部に固定される固定部材と、
    前記ステアリングコラムと一体移動可能である可動部材と、を有し、
    前記固定部材と前記可動部材との内の一方に、前記複数の被剪断部材として、前記相対移動方向に交差する方向に延びている第一ピンと第二ピンとが設けられ、
    前記固定部材と前記可動部材との内の他方に、前記第一ピンが挿入される第一孔と、前記第二ピンが挿入される第二孔とが設けられ、
    前記第二孔は、前記第一ピンが前記第一孔内で剪断破壊を開始しても前記第二ピンがまだ剪断破壊しない程度に前記相対移動方向に余裕がある長孔よりなる請求項1又は2に記載のステアリング装置。
  4. 前記第二ピンの剪断面の総面積は、前記第一ピンの剪断面の総面積以下に設定されている請求項3に記載のステアリング装置。
  5. 前記固定部材と前記可動部材との内の一方に、前記複数の被剪断部材として、前記相対移動方向に交差する方向に延びている第三ピンがさらに設けられ、
    前記固定部材と前記可動部材との内の他方に、前記第三ピンが挿入される第三孔がさらに設けられ、
    前記第三孔は、前記第二ピンが前記第二孔内で剪断破壊を開始しても前記第三ピンがまだ剪断破壊しない程度に前記相対移動方向に余裕がある長孔よりなる請求項3に記載のステアリング装置。
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