JP2010221579A - 液滴噴射ヘッド及び塗布体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】共通インク室内のインク滞留部をなくすことにより、インク変質を抑制して安定した吐出を維持することのできる液滴噴射ヘッドを提供する。
【解決手段】突起面に形成された底部を持つ共通インク室100が形成されたベース部材108と、前記底部の最下点に接続される連絡流路104が形成されたリストリクタプレート102と、連絡流路104に接続される個別インク室109が形成された液室プレート103aと、個別インク室109に連通するノズルを有するノズルプレート103bとを備える。
【選択図】図1
【解決手段】突起面に形成された底部を持つ共通インク室100が形成されたベース部材108と、前記底部の最下点に接続される連絡流路104が形成されたリストリクタプレート102と、連絡流路104に接続される個別インク室109が形成された液室プレート103aと、個別インク室109に連通するノズルを有するノズルプレート103bとを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、液滴を噴射する液滴噴射ヘッド及び塗布体の製造方法に関する。
液滴噴射装置は、画像情報の印刷のほか、液晶表示装置、有機EL(Electro Luminescence)表示装置、電子放出表示装置、プラズマ表示装置、電気泳動表示装置等の様々な平面型表示装置を製造する際に用いられている。この液滴噴射装置は、インク等の液体を複数のノズルから液滴として噴射する液滴噴射ヘッド(例えば、インクジェットヘッド)を備えており、その液滴噴射ヘッドにより基板等の塗布対象物に液滴を着弾させ、所定パターンのドット列を順次形成し、様々な塗布体を製造する。
液滴噴射ヘッドは、複数の圧電素子(例えば、ピエゾ素子)により、液体を収容する複数の液室の各々の容積を変化させ、それらの液室内の液体を各ノズルからそれぞれ噴射する。この液滴噴射ヘッドは、各液室及びメイン流路を有する液室プレート(中間プレート)と、それらの液室にそれぞれ連通する複数のノズルを有するノズルプレートとを備えている。各液室とメイン流路とは、それぞれリストリクタ等の制限流路により接続されている。この制限流路は、その開口面積が狭く形成されており、圧電素子の駆動を要因とするクロストークや液室からメイン流路への液体の逆流を制限する。
このように圧電素子を利用したダイレクトモードで動作する従来の液滴噴射ヘッドでは、図3に示すように、共通インク室100から個別インク室109への連絡流路104を共通インク室100の上部側に形成しているのが一般的であった(例えば、特許文献1参照)。また、共通インク室100の底部は水平面で構成されていた。
しかしながら、特許文献1に記載される従来の流路構造によると、共通インク室の底部がインク滞留部となり、この部分でインクの変質が進行してしまう。このようにインク滞留部で変質したインクは、パージなどのノズルクリーニング時に個別インク室に移動してしまうので、その後の吐出が不安定となり、塗布品質の低下を招くという問題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、共通インク室内のインク滞留部をなくすことにより、インク変質を抑制して安定した吐出を維持することのできる液滴噴射ヘッド及び塗布体の製造方法を提供することである。
本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、液滴噴射ヘッドにおいて、突起面に形成された底部を持つ共通液室が形成されたベース部材と、前記底部の最下点に接続される連絡流路が形成されたリストリクタプレートと、前記連絡流路に接続される個別液室が形成された液室プレートと、前記個別液室に連通するノズルを有するノズルプレートとを備えたことである。
本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、塗布体の製造方法において、前述の第1の特徴に係る液滴噴射ヘッドを用いて、塗布対象物に向けて液滴を噴射して塗布する工程を有することである。
本発明によれば、共通インク室内のインク滞留部がなくなるので、インク変質起因による吐出不良・塗布品質の低下を防ぐことができ、安定した高品質な生産が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施の形態における液滴噴射ヘッド(例えば、インクジェットヘッド)は、図1及び図2に示すように、ベース部材108とダイヤフラムプレート106とリストリクタプレート102と液室プレート103aとノズルプレート103bとを備えている。
ベース部材108は、例えばステンレス等の金属材料により形成されている。ベース部材108には、外部から供給されたインクを収容する共通インク室100が形成されている。共通インク室100は、突起面に形成された底部を持つ。ベース部材108には、圧電素子108aが挿入される挿入口108bが形成されている。挿入口108bは、例えば長方形状に形成されており、ベース部材108の表面の略中央に設けられている。
支持部材108cは、2列に並んだ複数の圧電素子108aを支持している。これらの圧電素子108aは、ベース部材108に形成された挿入口(図示せず)に挿入され、圧電素子108aの各先端はダイヤフラムプレート106に接着固定されている。圧電素子108aには、電圧印加用の配線が接続されている。圧電素子108aに電圧が印加されると、圧電素子108aの伸縮によりダイヤフラムプレート106が振動する。
ダイヤフラムプレート106は、例えば弾性材料により形成されている。ダイヤフラムプレート106は、圧電素子108aの伸縮により変形し、液室プレート103aの各個別インク室109の容積を各々増減させる。これにより、各個別インク室109内のインクが各オリフィス101から液滴として噴射される。ダイヤフラムプレート106には、共通インク室100と対向する位置に長穴106aが形成されている。
リストリクタプレート102には、共通インク室100から個別インク室109に通じる連絡流路104が形成されている。連絡流路104の一方端は共通インク室100の底部の最下点に接続され、他方端は個別インク室109に接続される。共通インク室100の底部の最下点とは、共通インク室100内でインクが滞留しやすい部分を意味する。連絡流路104の開口面積は狭く形成されており、圧電素子108aの駆動を要因とするクロストークや個別インク室109から共通インク室100へのインクの逆流を制限する。リストリクタプレート102には、共通インク室100と対向する位置に長穴102aが形成されている。
液室プレート103aは、例えば金属やセラミック等の材料により形成されている。液室プレート103aには、連絡流路104から供給されるインクを収容する個別インク室109が形成されている。液室プレート103aは、ダイヤフラムプレート106側に三角柱状の突起部107を有する。この突起部107は、長穴106a及び102aに嵌め込まれて共通インク室100の底部となる。
ノズルプレート103bは、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術等の半導体の微細加工技術を用いて、例えばガラス等の材料により形成されている。ノズルプレート103bには、オリフィス101と個別インク室109とを連通する液体流路105が形成されている。液体流路105はノズルとして機能し、オリフィス101はノズル口として機能する。
次に、このような液滴噴射ヘッドの噴射動作について説明する。
電圧が圧電素子108aに印加されると(印加電圧オン)、圧電素子108aが縮み、ダイヤフラムプレート106を変形させて、個別インク室109の容積を増大させる。このとき、容積が増大した個別インク室109には、図1に矢印で示すように、共通インク室100の最下点から連絡流路104を経由してインクが補充される。その後、電圧が圧電素子108aに印加されなくなると(印加電圧オフ)、ダイヤフラムプレート106が元の形状に復帰し、個別インク室109の容積も元に戻る。このとき、個別インク室109内のインクが圧迫され、そのインクがオリフィス101から液滴として噴射される。
以上のように、本発明の実施の形態における液滴噴射ヘッドでは、共通インク室100の最下点に連絡流路104が位置しており、かつ共通インク室100の底部が突起面に形成されている。これにより、共通インク室100内のインク滞留部がなくなるので、インク変質起因による吐出不良・塗布品質の低下を防ぐことができ、安定した高品質な生産が可能となる。
なお、ここでは、三角柱状の突起部107を液室プレート103aに形成することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、共通インク室100の底部が突起面に形成されれば、他の構成であっても同様の効果を得ることができる。
また、ここでは、長穴102a及び106aの幅については特に言及しなかったが、これら長穴102a及び106aの幅は突起部107の幅以上であればよく、特に限定されるものではない。例えば、図2では、長穴102aの幅と長穴106aの幅とを同程度のサイズで描いているが、102aの幅よりも長穴106aの幅を広くすることも可能である。このようにすれば、共通インク室100から連絡流路104にインクがより流れやすくなるという効果がある。
100…共通インク室、101…オリフィス、102…リストリクタプレート、102a…長穴、103a…液室プレート、103b…ノズルプレート、104…連絡流路、105…液体流路、106…ダイヤフラムプレート、106a…長穴、107…突起部、108…ベース部材、108a…圧電素子、108b…挿入口、108c…支持部材、109…個別インク室。
Claims (3)
- 液体を噴射する液滴噴射ヘッドであって、
突起面に形成された底部を持つ共通液室が形成されたベース部材と、
前記底部の最下点に接続される連絡流路が形成されたリストリクタプレートと、
前記連絡流路に接続される個別液室が形成された液室プレートと、
前記個別液室に連通するノズルを有するノズルプレートと、
を備えたことを特徴とする液滴噴射ヘッド。 - 前記リストリクタプレートは、前記共通液室と対向する位置に長穴を有し、
前記液室プレートは、前記長穴に嵌め込まれて前記共通液室の底部となる突起部を有することを特徴とする請求項1記載の液滴噴射ヘッド。 - 請求項1又は2記載の液滴噴射ヘッドを用いて、塗布対象物に向けて液滴を噴射して塗布する工程を有することを特徴とする塗布体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009072433A JP2010221579A (ja) | 2009-03-24 | 2009-03-24 | 液滴噴射ヘッド及び塗布体の製造方法 |
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Family Applications (1)
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JP2009072433A Pending JP2010221579A (ja) | 2009-03-24 | 2009-03-24 | 液滴噴射ヘッド及び塗布体の製造方法 |
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2009
- 2009-03-24 JP JP2009072433A patent/JP2010221579A/ja active Pending
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