JP2010220714A - 歯科用補綴物の製作装置および製作方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、歯科用補綴物の製作装置および製作方法に関するもので、歯科用補綴物を所望の形状に効率よく製作することを目的とするものである。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、先端が球形状の研削工具6と、前記研削工具6を制御する制御手段7と、前記制御手段7は、セラミック体4を荒削りする荒加工モード7aと、前記研削工具6の先端6aを所定の形状に維持するように研磨する研磨モード7bと、前記セラミック体4を仕上げ加工する精密加工モード7cを備え、前記研磨モード7bは、各人工歯間を接続している人工歯接続部、または歯科用補綴物と前記加工部材の未加工部を接続している支持部に研削工具6の先端6aを押しつけて研磨するものである。
【選択図】図2
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、先端が球形状の研削工具6と、前記研削工具6を制御する制御手段7と、前記制御手段7は、セラミック体4を荒削りする荒加工モード7aと、前記研削工具6の先端6aを所定の形状に維持するように研磨する研磨モード7bと、前記セラミック体4を仕上げ加工する精密加工モード7cを備え、前記研磨モード7bは、各人工歯間を接続している人工歯接続部、または歯科用補綴物と前記加工部材の未加工部を接続している支持部に研削工具6の先端6aを押しつけて研磨するものである。
【選択図】図2
Description
本発明は、歯科用補綴物の製作装置および製作方法に関するものである。
従来の歯科用補綴物の製作装置および製作方法は以下のようなものであった。
すなわち、柱状のセラミック体の先端部分に研削工具を押し当て、このセラミック体の長手方向に直交する方向に、前記研削工具を移動させ、これにより、歯科用補綴物を形成していた。つまり、研削工具によってセラミック体を加工して、歯科用補綴物を形成していたのである。
その後、この歯科用補綴物をセラミック体から個片へと分離し、その表面に表面層を形成することで、完成品としていた(例えば下記特許文献1)。
特開平7−138123号公報
上記従来例における課題は、所望の形状の歯科用補綴物を効率よく製作することが極めて困難であるということであった。
すなわち、上記のような研削工具によって歯科用補綴物を製作する場合において、特にセラミック体などの極めて硬度の高い材料を加工部材とする場合、歯科用補綴物を所望の形状に研削するにしたがって、研削工具も著しく磨耗する。
従って、このよう硬度の高い材料を加工する場合、磨耗が進んだ研削工具では所望の歯科用補綴物の形状を得ることができないので、一定の研削加工をした後、研削工具を交換しなければならず、工具交換に時間を費やしてしまうので歯科用補綴物を効率よく研削することができなかった。
そこで本発明は、歯科用補綴物を所望の形状に効率よく製作することを目的とするものである。
そして、この目的を達成するために本発明は、先端が球形状の研削工具と、前記研削工具を制御する制御手段と、前記制御手段は、加工部材を荒削りする荒加工モードと、前記研削工具の先端を所定の形状に維持するように研磨する研磨モードと、前記加工部材を仕上げ加工する精密加工モードを備え、前記研磨モードは、各人工歯間を接続している人工歯接続部、または歯科用補綴物と前記加工部材の未加工部を接続している支持部に研削工具の先端を押しつけて研磨するものである歯科用補綴物の製作装置とし、これにより初期の目的を達成するものである。
以上のように本発明は、先端が球形状の研削工具と、前記研削工具を制御する制御手段と、前記制御手段は、加工部材を荒削りする荒加工モードと、前記研削工具の先端を所定の形状に維持するように研磨する研磨モードと、前記加工部材を仕上げ加工する精密加工モードを備え、前記研磨モードは、各人工歯間を接続している人工歯接続部、または歯科用補綴物と前記加工部材の未加工部を接続している支持部に研削工具の先端を押しつけて研磨するものである歯科用補綴物の製作装置である。
すなわち、本発明においては、研削工具の先端を所定の形状に維持するように研磨する研磨モードを備え、この研磨モードは、各人工歯間を接続している人工歯接続部、または歯科用補綴物と加工部材の未加工部を接続している支持部に研削工具の先端を押しつけて研磨するものであるので、加工部材を研削加工するときに、研削工具が磨耗しても、その磨耗を研磨モードによって研磨して研削工具の先端を所定の形状に維持することができる。
その結果として、工具交換を必要としなくできるので、歯科用補綴物を所望の形状に効率よく製作することができるものである。
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
図1において1は人工歯で、この人工歯1は、本実施形態では先端側の第1の人工歯1aから最後端の人工歯1cに向けて製作されていくものとしている。そして、図1に示すように人工歯接続部であるコネクタ2によって隣り合う人工歯同士が、例えば先端側の第1の人工歯1aと第2の人工歯1bのように所定の剛性を確保できる状態で接続されている。
また、最後端の人工歯1cの端部は支持部であるスプルー3によって加工部材であるセラミック体4の未加工部4aと所定の剛性を確保できる状態で接続されている。
なお、本実施形態において使用されているセラミック体4は、特許第2945935号に記載された方法によって得られたセラミックス製の円柱形の材料を用いている。具体的には、酸化ジルコニウム65.9〜69.9重量%、酸化セリウム10.1〜11.1重量%、酸化アルミニウム19.5〜23.5重量%、酸化チタン0.01〜0.03重量%、および酸化マグネシウム0.04〜0.08重量%を含む原料配合物による整形加工体の緻密焼結体である。
図1に示す歯科用補綴物5は以下に示す製作装置および製作方法によって製作される。すなわち、セラミック製の柱状のセラミック体4を、研削工具で研削することで、製作したものである。
具体的には、図2に示すように本実施形態の歯科用補綴物の製作装置は、
研削工具6を用いて、材料保持機構8によって保持されたセラミックス製の補綴物材料であるセラミック体4を研削加工して歯科用補綴物を製作する装置である。そして、この製作装置は、図2に示すように、研削工具6と、制御手段7と、材料保持機構8と、スピンドル9と、補綴物材料回転機構10と、を備えている。
研削工具6を用いて、材料保持機構8によって保持されたセラミックス製の補綴物材料であるセラミック体4を研削加工して歯科用補綴物を製作する装置である。そして、この製作装置は、図2に示すように、研削工具6と、制御手段7と、材料保持機構8と、スピンドル9と、補綴物材料回転機構10と、を備えている。
スピンドル9は、研削工具6に対して、研削加工を行うために必要な回転駆動力を付与する。
材料保持機構8は、被加工物としてのセラミック体4を保持するための機構であって、研削工具6の回転軸に交差する方向に沿ってセラミックス体4を保持する。
そして、研削工具6は先端が球形状であって、ダイアモンド粒子を金属粉体で金属結合させたものであり、所定の体積密度で一様にダイアモンド粒子が分布している円柱状の工具である。そして、回転軸を中心に回転駆動されることで、研削部分に接触した材料を研削加工する。
ここで、ダイアモンド粒子の形状、大きさ、体積密度、分布の方向などは所望の加工精度や表面粗さに応じて適宜選定できることは言うまでもない。
そして、この研削工具6を回転可能に、かつセラミック体4に対して相対的に水平方向および上下方向に移動可能に制御する制御手段7を備えている。
この制御手段7は、セラミック体4を所定の仕上げ代を残して所望の形状に荒削りする荒加工モード7aと、研削工具6の球状の先端6aを所定の形状に維持するように研磨する研磨モード7bと、セラミック体4を荒加工モード7aによって荒削りした後、仕上げ代を研削して仕上げ加工する精密加工モード7cを備えている。
ここで、研磨モード7bは、図1に示す各人工歯1間を接続しているコネクタ2、または歯科用補綴物5とセラミック体4の未加工部4aを接続しているスプルー3の表面に研削工具の先端を押しつけて、研削工具6の先端6aを所定の形状に研磨するものである。
より詳細には、まず、荒加工モード7aにおいてセラミック体4を荒削りするときには、図3に示すように、例えばコネクタ2の中央部付近の位置において研削工具6の先端6aを研磨する。この場合、この段階でのコネクタ2の断面形状は円形断面とし、この円形断面の半径の大きさと、所望の研削工具6の球状の先端形状の半径の関係に応じて研削工具6の先端が移動する軌跡と速度を適宜決定して、研削工具6の先端6aとコネクタ2の円形断面部の表面とを相対的にコネクタ2の円周方向に往復移動させる。その結果、磨耗していた研削工具の先端は円形断面となっているコネクタ2の表面によって研磨され、所定の研削工具の先端形状に形直しされるのである。(第1の研磨モード)
また、精密加工モード7cにおいてセラミック体4を仕上げ加工するときには、例えばスプルー3の中央部付近の位置において研削工具6の先端6aを研磨する。この場合も上記第1の研磨モードと同様にこの段階ではスプルー3の断面形状は円形断面とし、この円形断面の半径の大きさと、所望の研削工具6の球状の先端形状の半径の関係に応じて研削工具6の先端6aが移動する軌跡と速度を適宜決定して、研削工具6の先端6aとスプルー3の円形断面部の表面とを相対的にスプルー3の円周方向に往復移動させる。その結果、磨耗していた研削工具6の先端6aは円形断面となっているスプルー3の表面によって研磨され、所定の研削工具6の先端形状に形直しされるのである。(第2の研磨モード)
このとき、荒削りは、仕上げ加工に比べて研削工具の磨耗が著しいので、セラミック体4を荒削りするときに行われる第1の研磨モードは、仕上げ加工において行われる第2の研磨モードに比べて、頻度を上げている。また、第2の研磨モードは、精密加工モード7cの途中に研削工具6の磨耗度合いに応じて適宜複数回行っても良い。
また、精密加工モード7cにおいてセラミック体4を仕上げ加工するときには、例えばスプルー3の中央部付近の位置において研削工具6の先端6aを研磨する。この場合も上記第1の研磨モードと同様にこの段階ではスプルー3の断面形状は円形断面とし、この円形断面の半径の大きさと、所望の研削工具6の球状の先端形状の半径の関係に応じて研削工具6の先端6aが移動する軌跡と速度を適宜決定して、研削工具6の先端6aとスプルー3の円形断面部の表面とを相対的にスプルー3の円周方向に往復移動させる。その結果、磨耗していた研削工具6の先端6aは円形断面となっているスプルー3の表面によって研磨され、所定の研削工具6の先端形状に形直しされるのである。(第2の研磨モード)
このとき、荒削りは、仕上げ加工に比べて研削工具の磨耗が著しいので、セラミック体4を荒削りするときに行われる第1の研磨モードは、仕上げ加工において行われる第2の研磨モードに比べて、頻度を上げている。また、第2の研磨モードは、精密加工モード7cの途中に研削工具6の磨耗度合いに応じて適宜複数回行っても良い。
また、精密加工モード7cにおいてセラミック体4を仕上げ加工した後には、例えばスプルー3の端部付近の位置において研削工具6の先端6aを研磨する。この場合は、スプルー3の端部付近の位置の断面形状を円形断面へと加工した後、上記第1の研磨モードと同様に、この円形断面の半径の大きさと、所望の研削工具6の球状の先端形状の半径の関係に応じて研削工具6の先端6aが移動する軌跡と速度を適宜決定して、研削工具6の先端6aとスプルー3の円形断面部の表面とを相対的にスプルー3の円周方向に往復移動させる。その結果、磨耗していた研削工具6の先端6aは円形断面となっているスプルー3の表面によって研磨され、所定の研削工具6の先端形状に形直しされるのである。(第3の研磨モード)
このとき、第3の研磨モードは、セラミック体4から削りだされた歯科補綴物5をセラミック体4の未加工部4aから分離するためにスプルー3を切り落とす役割も兼ね備えている。また、ここで形直しする研削工具6は荒加工モード7aおよび精密加工モード7cで使用した研削工具6のどちらでもよく、適宜、複数の研削工具6を交換して先端形状の形直しをしてもよい。
このとき、第3の研磨モードは、セラミック体4から削りだされた歯科補綴物5をセラミック体4の未加工部4aから分離するためにスプルー3を切り落とす役割も兼ね備えている。また、ここで形直しする研削工具6は荒加工モード7aおよび精密加工モード7cで使用した研削工具6のどちらでもよく、適宜、複数の研削工具6を交換して先端形状の形直しをしてもよい。
以下に本実施形態の製作方法について図4を用いて詳細に説明する。
まず、図4(a)に示すように、セラミック体4の先端の回転加工軸11の近傍である中部に、研削工具6を押しつけた状態で、このセラミック体4を回転させるとともに、研削工具6をこのセラミック体4の外周側(すなわち回転加工軸に直交する方向)へ、かつ後端方向(すなわち、図4(a)に示すA方向)へと順次移動させる。これにより、先端側の第1の人工歯1aの先端側ほぼ半分を荒削りする。
次に、図3を用いて詳細を上述したように、図4(b)に示すコネクタ2の位置で研削工具6を中部側へ、かつ円周方向に移動させて研削工具6の先端6aを所定の形状に研磨する。
次に、図4(c)に示すように、研削工具を外周側へ、かつ先端方向(すなわち、図4(c)に示すB方向)へと順次移動させ、まず、先端側の第1の人工歯1aを所定の仕上げ代を残して所望の形状に荒削りする。
その後、所望の人工歯数に応じて第2の人工歯1b以降の加工を、上述した人工歯1aを荒削りした手順と同様に荒削りしていき、最後端の人工歯1cを加工する場合は、研削工具6をセラミック体4の外周側へ、かつ後端方向へと順次移動させ、まず最後端の人工歯1cの先端側のほぼ半分を荒削りし、次に、上述したようにスプルー3の位置で研削工具6を中部側へ、かつ円周方向に移動させて研削工具6の先端6aを所定の形状に研磨する。
次に、この研削工具6を外周側へ、かつ先端方向へと順次移動させ、最後端の人工歯1cを所定の仕上げ代を残して所望の形状に荒削りする。ここまでで、第1の研磨モードを行いつつ荒削りが完了する。
このように所望の全ての人工歯で荒削りが完了した後、さらに、スプルー3の位置で研削工具6を中部側へ、かつ円周方向に移動させて仕上げ代を研削する研削工具6の先端6aを所定の形状に研磨する。
そして、その後、この研削工具6を歯科用補綴物の所望の形状に応じて径方向に、かつ先端部に向けて先端側の第1の人工歯1aまで順次移動させ、仕上げ代を研削工具6で研削して、仕上げ加工を行う。ここまでで、第2の研磨モードを行いつつ仕上げ加工が完了する。
そして、この仕上げ加工によって所望の歯科用補綴物の形状が完成した後、図1に示すセラミック体4の未加工部4aからスプルー3の端部で歯科用補綴物5を個片に分離する。
この際、スプルー3の端部の位置において、スプルー3の端部の断面形状を研削工具6で円形断面形状に研削した後、図3を用いて詳細を上述したように、スプルー3の端部の位置で研削工具6を中部側へ、かつ円周方向に移動させて研削工具6の先端6aを所定の形状に研磨する。この第3の研磨モードを行いつつスプルー3を切断することで、セラミック体4から削りだされた歯科補綴物5がセラミック体4の未加工部4aから分離される。
以上のように本実施形態の歯科用補綴物の製作装置および製作方法によれば、研削工具の先端を所定の形状に維持するように研磨する研磨モード(第1の研磨モード、第2の研磨モード、および第3の研磨モード)を備え、この研磨モードは、各人工歯間を接続しているコネクタ2、または歯科用補綴物5とセラミック体4の未加工部4aを接続しているスプルー3に研削工具の先端を押しつけて研磨するものであるので、セラミック体4を研削加工するときに、研削工具が磨耗しても、その磨耗を研磨モードによって研磨して研削工具の先端を所定の形状に維持することができる。
その結果として、工具交換を必要としなくできるので、歯科用補綴物を所望の形状に効率よく製作することができるのである。
ここで、本実施形態は複数の人工歯を有する歯科用補綴物を加工する場合として説明したがこれに限定されるものではない。
例えば、一本の人工歯のみを加工する場合においても同様に実施が可能であることは言うまでもない。
また、加工部材としてセラミック体を用いて説明したがこれに限定されるものではない。
材料の硬度などの物性に応じて研削工具の磨耗度合いが異なるが、それぞれの磨耗度合いに応じて適宜、研磨モードの頻度や位置などを選択しても同様の効果が得られる。
材料の硬度などの物性に応じて研削工具の磨耗度合いが異なるが、それぞれの磨耗度合いに応じて適宜、研磨モードの頻度や位置などを選択しても同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では、図3に研磨モード7bにおける研削工具6の先端が移動する軌跡の例を図示して説明しているが、この図示した軌跡に限定されるものではない。
例えば、図3ではコネクタ2の円周方向に4分の1の円周上で往復移動させる軌跡を示しているが、円周方向に2分の1の円周上で往復移動させる軌跡としても良い。また、研削工具6の中心軸が回転加工軸11を通る円周方向の位置、つまり、図3に示した縦軸とコネクタ2の外形との交点の位置の周辺を除いた軌跡としても良い。これにより、この位置でコネクタ2と接している研削工具6の先端6aの面は、回転している研削工具6の回転中心軸上に位置するため周速度が0に等しく、すなわち、研削工具6の先端6aの中で研削能力が最も小さい部分であり、先端6aの磨耗が非常に激しく磨耗量を制御し難いため、所望の形状に形直しする際は前述した部分を除いた軌跡にする方が形直しを効率良くできるという効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、第1の研磨モードは、コネクタ2の中央部付近の位置において実施する例を示したが、これに限定されるものではない。
例えば、第1の研磨モードは、コネクタ2の範囲からコネクタ2の回転加工軸11に垂直な断面形状を内包する回転加工軸11を中心とした最小の内包円が得られる回転加工軸方向の位置を求め、その位置で第1の研磨モードを行ってもよい。これにより、第1の研磨モードをより長く、効率よく行えるという効果がある。
さらに、第1の研磨モードをより効率良く行うために、コネクタ2の形状の設計時に所定の剛性が得られる範囲内でコネクタ2の形状を鼓状にした歯科補綴物を設計してもよい。
より詳細には、鼓状形状のコネクタ2の凹部曲面の曲率は、荒加工モード7aの研削工具6の先端形状の半径以上に設計されることが好ましい。これにより、第1の研磨モードの際に、鼓状形状のコネクタ2の回転加工軸11に垂直な断面形状を内包する回転加工軸11を中心とした最小の内包円が得られる回転加工軸方向の位置において、荒加工モード7aの研削工具6が鼓状形状のコネクタ2の凹部曲面の最下端部まで入ることができるため、前記最小の内包円を最大限まで使って第1の研磨モードを実施することが可能となり、第1の研磨モードをより長く、効率よく行えるという効果がある。
さらに、研削工具6の工具軌跡を計算するために歯科用補綴物5の形状の設計データを未加工のセラミック体4の設計データ内に配置する際に、それぞれのコネクタ2の回転加工軸方向の範囲においてそれぞれのコネクタ2の回転加工軸11に垂直な断面形状を内包する回転加工軸11を中心とした内包円が最小になるような歯科用補綴物5の形状の設計データの配置位置を計算して決定し、そのデータを用いて研削工具6の工具軌跡を計算するようにしてもよい。これにより、歯科用補綴物5に存在する全てのコネクタ2の位置で第1の研磨モードをより長く、効率よく行えるという効果がある。
また、本実施の形態では、第3の研磨モードは、スプルー3の端部の位置において実施する例を示したが、これに限定されるものではない。
例えば、より詳細に、スプルー3とセラミック体4の未加工部4aの境界部分において、未加工部4aの端面の外形から研削工具6を中部側へ、かつ円周方向に移動させて研削工具6の先端6aを所定の形状に研磨しながら未加工部4aの端面を平坦に加工し、スプルー3と未加工部4aを切り離す方法をとっても良い。これにより、歯科用補綴物5を分離したセラミック体4の未加工部4aを使用して新たな歯科用補綴物5の加工を行う場合に、従来は別途準備が必要であった、使用する研削工具6の先端形状6aの形直しをする手順と未加工部4aの端面を平坦化する手順を省略することができるため、複数の歯科用補綴物5を連続して効率よく製作することが可能となる効果がある。
さらに、第3の研磨モードによってセラミック体4の未加工部4aから歯科用補綴物5を分離する際に、分離した歯科用補綴物5を受け取り分類して管理できる機構を図2に示す本実施形態の歯科用補綴物の製作装置に付加することが好ましい。これにより、人の手を介さずに、分離したそれぞれの歯科用補綴物5を顧客などからの注文の種類別に個別に管理することが可能となり、複数の種類の歯科用補綴物5を連続で大量に製作する場合に効率が向上するという効果がある。
以上のように本発明は、先端が球形状の研削工具と、前記研削工具を制御する制御手段と、前記制御手段は、加工部材を荒削りする荒加工モードと、前記研削工具の先端を所定の形状に維持するように研磨する研磨モードと、前記加工部材を仕上げ加工する精密加工モードを備え、前記研磨モードは、各人工歯間を接続している人工歯接続部、または歯科用補綴物と前記加工部材の未加工部を接続している支持部に研削工具の先端を押しつけて研磨するものである歯科用補綴物の製作装置である。
すなわち、本発明においては、研削工具の先端を所定の形状に維持するように研磨する研磨モードを備え、この研磨モードは、各人工歯間を接続している人工歯接続部、または歯科用補綴物と加工部材の未加工部を接続している支持部に研削工具の先端を押しつけて研磨するものであるので、加工部材を研削加工するときに、研削工具が磨耗しても、その磨耗を研磨モードによって研磨して研削工具の先端を所定の形状に維持することができる。
その結果として、工具交換を必要としなくできるので、歯科用補綴物を所望の形状に効率よく製作することができるものであるので、歯科用補綴物の製作に活用が大いに期待されるものである。
1 人工歯
1a 第1の人工歯
1b 第2の人工歯
1c 最後端の人工歯
2 コネクタ
3 スプルー
4 セラミック体
4a 未加工部
5 歯科用補綴物
6 研削工具
6a 先端
7 制御手段
7a 荒加工モード
7b 研磨モード
7c 精密加工モード
8 材料保持機構
9 スピンドル
10 補綴物材料回転機構
11 回転加工軸
1a 第1の人工歯
1b 第2の人工歯
1c 最後端の人工歯
2 コネクタ
3 スプルー
4 セラミック体
4a 未加工部
5 歯科用補綴物
6 研削工具
6a 先端
7 制御手段
7a 荒加工モード
7b 研磨モード
7c 精密加工モード
8 材料保持機構
9 スピンドル
10 補綴物材料回転機構
11 回転加工軸
Claims (9)
- 先端が球形状の研削工具と、
前記研削工具を制御する制御手段と、
前記制御手段は、加工部材を荒削りする荒加工モードと、
前記研削工具の先端を所定の形状に維持するように研磨する研磨モードと、
前記加工部材を仕上げ加工する精密加工モードを備え、
前記研磨モードは、各人工歯間を接続している人工歯接続部、または歯科用補綴物と前記加工部材の未加工部を接続している支持部に研削工具の先端を押しつけて研磨するものである歯科用補綴物の製作装置。 - 前記研磨モードは、前記人工歯接続部に研削工具の先端を押しつけて前記荒加工モードの途中で前記研磨工具の先端を研磨する第1の研磨モードと、
前記支持部に研削工具の先端を押しつけて前記荒加工モードの後、もしくは前記精密加工モードの途中に前記研磨工具の先端を研磨する第2の研磨モードを備えている請求項1に記載の歯科用補綴物の製作装置。 - 前記研磨モードは、前記支持部に研削工具の先端を押しつけて前記仕上げ加工モードの後に前記研磨工具の先端を研磨する第3の研磨モードを備えている請求項1または請求項2に記載の歯科用補綴物の製作装置。
- 前記加工部材はセラミック体である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の歯科用補綴物の製作装置。
- 加工部材の先端の中部に、研削工具を押しつけた状態で、この加工部材を回転させるとともに、前記研削工具をこの加工部材の外周側へ、かつ後端方向へと順次移動させ、
次に、人工歯接続部の位置で研削工具を中部側へ、かつ円周方向に移動させて前記研削工具の先端を所定の形状に研磨し、
次に、この研削工具を外周側へ、かつ先端方向へと順次移動させ、まず、先端側の第1の人工歯を所定の仕上げ代を残して所望の形状に荒削りし、
その後、所望の人工歯数に応じて第2の人工歯以降の加工を前記の手順で同様に荒削りし、
最後端の人工歯は、前記研削工具をこの加工部材の外周側へ、かつ後端方向へと順次移動させ、
次に、支持部の位置で研削工具を中部側へ、かつ円周方向に移動させて前記研削工具の先端を所定の形状に研磨し、
次に、この研削工具を外周側へ、かつ先端方向へと順次移動させ、最後端の人工歯を所定の仕上げ代を残して所望の形状に荒削りし、
その後、前記仕上げ代を研削工具で研削して、所望の形状に仕上げ加工した後、前記加工部材から個片に分離する歯科用補綴物の製作方法。 - 所望の全ての人工歯で荒削りが完了した後、支持部の位置で研削工具を中部側へ、かつ円周方向に移動させて前記仕上げ代を研削する研削工具の先端を所定の形状に研磨した後、仕上げ加工を行う請求項5に記載の歯科用補綴物の製作方法。
- 所望の全ての人工歯で仕上げ加工が完了した後、支持部の位置で研削工具を中部側へ、かつ円周方向に移動させて前記研削工具の先端を所定の形状に研磨しながら前記支持部を切断し、前記加工部材から個片に分離する請求項5または請求項6に記載の歯科用補綴物の製作方法。
- 前記加工部材から個片に分離する際に、前記加工部材の未加工部と前記支持部の境界の位置で研削工具を中部側へ、かつ円周方向に移動させて前記何れかの研削工具の先端を所定の形状に研磨しながら前記支持部を切断かつ前記加工部材の未加工部の断面を平坦に仕上げる請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の歯科用補綴物の製作方法。
- 前記加工部材はセラミック体である請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の歯科用補綴物の製作方法。
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JP2009069480A JP2010220714A (ja) | 2009-03-23 | 2009-03-23 | 歯科用補綴物の製作装置および製作方法 |
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