JP2010220649A - 睡眠装置及び睡眠維持方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な処理で対象者の睡眠深度を中間レベルに維持できる睡眠装置を提供する。
【解決手段】睡眠装置1は、睡眠状態にある対象者Mの睡眠深度を最大レベルよりも浅い中間レベルの睡眠深度S2に維持する睡眠装置であって、対象者Mの睡眠に影響を与える対象者情報を取得する取得部2と、取得部2で取得した対象者情報に基づいて、対象者Mの睡眠時間に対する睡眠深度の変化を示す予測モデルPMを予め設定された予測モデルPM1,PM2,…等の中から選択する選択部4と、選択部4で選択された予測モデルPMに基づいて、対象者Mの睡眠深度を中間レベルの睡眠深度S2に維持するための維持刺激を対象者Mに付与する刺激付与部6とを備える。これにより、簡易な処理で対象者Mの睡眠深度が中間レベルよりも深いレベルに落ち込むことを事前に検知できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、睡眠装置及び睡眠維持方法に関する。
従来、睡眠装置に関するものとして、車両の運転者が運転中に居眠りをしないように運転者の覚醒度が低下した場合、運転者へ睡眠を誘導する睡眠装置が知られている(例えば特許文献1)。この睡眠装置は、覚醒度が低下した場合に自然な睡眠リズムである覚醒リズムを利用した睡眠へと運転者を誘導して、運転者の眠気解消や疲労回復を行うものである。このような覚醒リズムは、ウルトラディアンリズムといわれる90分周期の覚醒リズムであり、レム睡眠とノンレム睡眠とが交互に繰り返されるものである。
特開平07−108847号公報 特開昭63−097174号公報 特開平09−225034号公報 特開2003−010230号公報 特開2007−075342号公報
このような睡眠装置では、自然な睡眠リズムを利用した睡眠へと対象者を誘導するが、対象者が目覚めた際に必ずしもすっきりしない場合があった。そこで、対象者をすっきり目覚めさせる睡眠方法について検討していくと、睡眠状態にある対象者の睡眠深度を最大レベルよりも浅い中間レベルの睡眠深度(例えば、国際的な指標である睡眠段階2)に維持しておき、そこから目覚めさせることで対象者をすっきりと目覚めさせられることがわかってきた。この睡眠方法を実現させるために対象者の睡眠深度を中間レベルに維持する技術として、例えば、対象者の脳波や心拍などの生理情報を検出し、その検出結果から対象者の実際の睡眠深度(実睡眠深度)を所定の間隔で判定し、判定された睡眠深度に基づいて適当な維持刺激を対象者に付与する技術が考えられる。
しかしながら、対象者によっては、例えば、眠気が普段よりも強いといったような体調変化により、睡眠状態に入ると、判定の間隔よりも短い間隔で急に睡眠深度が深くなるような睡眠リズムとなることがある。この場合、上述した維持技術を用いたとしても、対象者の睡眠深度が中間レベルよりも深いレベルに落ち込むことを検知できずに対象者の睡眠深度を中間レベルに維持できないおそれがあった。その一方、急に深くなるような睡眠深度の変化までをも確実に判定しようとすると、対象者の脳波や心拍などの生理情報をより詳細に検出して取得することが必要となり、睡眠深度の判定処理が複雑になってしまうといった問題もあった。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、簡易な処理で対象者の睡眠深度を中間レベルに維持できる睡眠装置及び睡眠維持方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明に係る睡眠装置は、睡眠状態にある対象者の睡眠深度を最大レベルよりも浅い中間レベルの睡眠深度に維持する睡眠装置であって、対象者の睡眠に影響を与える対象者情報を取得する取得手段と、取得手段で取得した対象者情報に基づいて、対象者の睡眠時間に対する睡眠深度の変化を示す予測モデルを予め設定された予測モデルの中から選択する選択手段と、選択手段で選択された予測モデルに基づいて、対象者の睡眠深度を中間レベルの睡眠深度に維持するための維持刺激を対象者に付与する刺激付与手段と、を備えることを特徴としている。
上記課題の解決のため、本発明に係る睡眠維持方法は、睡眠状態にある対象者の睡眠深度を最大レベルよりも浅い所定レベルの睡眠深度に維持する睡眠維持方法であって、対象者の睡眠に影響を与える対象者情報を取得する取得ステップと、取得ステップで取得した対象者情報に基づいて、対象者の睡眠時間に対する睡眠深度の変化を示す予測モデルを予め設定された予測モデルの中から選択する選択ステップと、選択ステップで選択された予測モデルに基づいて、対象者の睡眠深度を中間レベルの睡眠深度に維持するための維持刺激を対象者に付与する刺激付与ステップと、を含むことを特徴としている。
この睡眠装置及び睡眠維持方法では、対象者の実睡眠深度に基づいて維持刺激を付与するのではなくて、例えば対象者の眠気といった対象者情報に基づいて、予め設定された睡眠の予測モデルの中から、そのときの対象者個人の実際の睡眠リズムに近似すると予測される予測モデルを選択し、かかる予測モデルに基づいて、その対象者に維持刺激を付与するようにしている。このため、予測モデルを用いるといった簡易な処理であるにもかかわらず、対象者の睡眠深度が中間レベルよりも深いレベルに落ち込むことを事前に検知できる可能性を高めて、適当な維持刺激を対象者に付与し、対象者の睡眠深度を中間レベルに維持することが可能となる。なお、「対象者情報」としては、例えば、睡眠に入る直前の対象者の眠気度や疲労度や緊張度など対象者の体調を判定するための体調情報や、対象者の年齢や前日の睡眠時間などの一般的な情報がある。
また、刺激付与手段は、予測モデルにおける予測睡眠深度が中間レベルの睡眠深度よりも深い睡眠深度に到達する時刻よりも前の時刻に維持刺激を付与することが好ましい。一旦、深い睡眠深度に到達してしまうと刺激に対する対象者の感度が低下し、維持刺激のように比較的弱い刺激の付与で対象者の睡眠深度を中間レベルに戻すことが難しくなってしまう。しかしながら、深い睡眠深度に到達する前であれば、維持刺激の適切な付与で対象者の睡眠深度を中間レベルにより容易に維持することできる。
また、対象者の生理情報を検出する検出手段と、検出手段で検出された生理情報に基づいて対象者の実睡眠深度を判定する深度判定手段と、深度判定手段によって対象者の実睡眠深度が中間レベルと同等又は中間レベルよりも浅い所定の睡眠深度に到達したと判定された場合、予測モデルのうち所定の睡眠深度に至るまでの経過部分と所定の睡眠深度に至るまでの実睡眠深度の軌跡との差に基づいて予測モデルのうち経過部分以降の未経過部分を補正するか否かを判定する補正判定手段と、補正判定手段で予測モデルの未経過部分を補正すると判定した場合、上記差に応じて予測モデルの未経過部分を補正する予測補正手段と、を備え、刺激付与手段は、予測補正手段で補正された予測モデルに基づいて、対象者に維持刺激を付与することが好ましい。この場合、予測モデルを基本としつつも処理を複雑にしない範囲で実睡眠深度に基づいて予測モデルを補正することから、装置全体としては簡易な処理であるにもかかわらず予測モデルの精度を高めることができる。その結果、対象者の睡眠深度を中間レベルにより確実に維持することができる。
また、対象者を眠らせる睡眠予定時間を設定する睡眠時間設定手段を備え、刺激付与手段は、睡眠予定時間内において、選択手段で選択された予測モデル又は予測補正手段で補正された予測モデルに基づいて維持刺激を対象者に繰り返し付与することが好ましい。このように維持刺激を繰り返し付与することにより、睡眠予定時間内において、対象者の睡眠深度を中間レベルに確実に維持することができる。
本発明に係る睡眠装置及び睡眠維持方法によれば、簡易な処理で対象者の睡眠深度を中間レベルに維持できる。
本発明の好適な実施形態に係る睡眠装置の構成を示す図である。 図1に示した睡眠装置の予測モデルDBに格納される予測モデルの例を示す図である。 図1に示した睡眠装置による予測モデルの補正方法を模式的に示す図である。 図1に示した睡眠装置の動作を示すフローチャートである。 図1に示した睡眠装置の動作を示すフローチャートである。 年齢別の予測モデルを作成する際の頻度データを示す図である。 年齢別の予測モデルの一例である。 付与刺激の強さ増加を説明するための図である。 付与刺激の強さ増加の一例である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る睡眠装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
睡眠装置1は、例えば、自動車などの車両に装備されて、車両の運転者である対象者Mが運転中に眠気を感じて車両を駐車した後、対象者Mに一定時間の仮眠を提供するものである。睡眠装置1は、対象者Mの仮眠が開始されると、睡眠状態にある対象者Mの睡眠深度を最大レベルよりも浅い中間レベルの睡眠深度に維持し、一定時間経過後、対象者Mをその中間レベルの睡眠深度から一気に覚醒させて、対象者Mをすっきりと目覚めさせるようになっている。
睡眠深度とは、所定段階の睡眠の深さをレベルで示すものであり、本実施形態では、例えば、睡眠の浅いレベルから深いレベルに向かって、S1,S2,S3,S4の4段階に分けるようにしている(図2参照)。睡眠状態にある対象者Mの睡眠深度を、例えば、最大レベルの睡眠深度S4よりも浅い中間レベルの睡眠深度S2に維持すると、目覚めがすっきりする好適な仮眠を対象者Mに提供できる。
睡眠装置1は、図1に示すように、取得部2(取得手段)、予測モデルデータベース3(以下、「予測モデルDB」と記す)、選択部4(選択手段)、提示刺激データベース5(以下「提示刺激DB」と記す)、刺激付与部6(刺激付与手段)、睡眠時間設定部7(睡眠時間設定手段)、検出部8(検出手段)、深度判定部9(深度判定手段)、補正判定部10(補正判定手段)、及び予測補正部11(予測補正手段)を備えている。
取得部2は、対象者Mの睡眠に影響を与える対象者情報を取得する部分である。取得部2は、車両の駐車が確認されると、対象者Mを特定する個人特定情報(例えば暗証番号)の入力操作を音声などによって対象者Mに促す。取得部2は、対象者Mによって個人特定情報のデータ入力がされると、その対象者Mが睡眠状態に入る直前の眠気度や疲労度や緊張度などの体調情報である対象者情報を取得する。
取得部2は、具体的には、音声対話やスイッチ操作等により、対象者Mの主観的な眠気度や疲労度や緊張度といった心理的な指標による体調情報を取得する。また、取得部2は、車両の駐車に至るまでの所定の時間内(例えば1時間以内)におけるステアリングやアクセルの操作量等に基づく車両状態量から、対象者Mの客観的な眠気度や疲労度などの行動指標による体調情報を取得する。取得される体調情報は、100分率のデータとして取得される。
取得部2は、対象者Mによって個人特定情報のデータ入力がされない場合、その対象者Mの年齢X、前日の睡眠時間X、及び起きている時間Xといった一般的な睡眠情報である対象者情報を取得する。取得部2は、具体的には、音声対話やスイッチ装置等により、年齢X、前日の睡眠時間X、及び起きている時間X等に関する質問に対する回答を対象者Mにデータ入力してもらうことで、これらの睡眠情報を取得する。取得部2は、取得した体調情報や睡眠情報といった対象者情報を選択部4に出力する。
予測モデルDB3は、個人特定情報で特定される対象者Mの睡眠時間に対する睡眠深度の変化を示す複数の予測モデルPM1,PM2,…(図2参照)を格納する部分である。予測モデルPM1,PM2,…とは、図2に示されるように、個人特定情報で特定される対象者Mの睡眠時間に対する睡眠深度の変化を示す睡眠リズムを予め複数測定したものであって、測定した際の対象者Mの眠気度や疲労度や緊張度に応じて、測定された睡眠リズムを分類分けしたものである。
このため、対象者Mの眠気度や疲労度や緊張度といった体調情報を取得して、取得した体調情報を分類分けされた複数の予測モデルPM1,PM2,・・・に照らし合わせることで、その時々の対象者Mの体調に合わせた睡眠リズムを事前に予測できる。この予測により、対象者Mが仮眠を開始してから睡眠深度S2よりも深い睡眠深度S3に至る時刻(例えば、図2のT1又はT2で示される時刻)を算出することが可能となる。なお、図2では、予測モデルPM1,PM2,…は、非線形曲線で示されているが、線形で示されるモデルであってもよい。
予測モデルDB3は、個人特定情報で特定されない対象者Mの睡眠時間に対する睡眠深度の変化を示す予測モデルPM10として、下記の式(1)による一般的な睡眠リズムも格納する。この予測モデルPM10は、式(1)に示されるように、年齢X、前日の睡眠時間X、及び起きている時間Xといった一般的な睡眠情報に対してそれぞれ重み付けを行って、対象者Mが仮眠を開始してから睡眠深度S2よりも深い睡眠深度S3に至る時刻T3を算出するものである。
T3=仮眠開始時刻+(W+W+W)…(1)
(W,W,Wは、重み係数)
予測モデルPM10は、後述する選択部4で年齢X、前日の睡眠時間X、及び起きている時間Xといった一般的な睡眠情報が入力されると、仮眠開始時刻及び覚醒Wで画定される点と式(1)で算出される時刻T3及び睡眠深度S3で画定される点を直線で結んだ予測モデル(図示せず)として表されることになる。
選択部4は、取得部2で取得した対象者情報に基づいて、対象者Mの睡眠時間に対する睡眠深度の変化を示す予測モデルPMを、予め設定されて予測モデルDB3に格納されている予測モデルPM1,PM2,…、又はPM10の中から選択する部分である。選択部4は、個人特定情報で対象者Mが特定される場合には、取得部2で取得した眠気度や疲労度や緊張度といった体調情報に基づいて、予測モデルPM1,PM2,…の中から、その時の対象者Mの体調に最も合致する予測モデルPMを1つ選択する。
選択部4は、その一方、個人特定情報で対象者Mが特定されない場合(個人特定情報は入力されたものの個人が特定されない場合を含む)には、取得部2で取得した年齢X、前日の睡眠時間X、及び起きている時間Xといった一般的な睡眠情報を式(1)に代入して、対象者Mの睡眠リズムと予測される予測モデルPM10を、予測モデルPMとして選択する。この場合、予測モデルDB3には、一般的な睡眠情報が式(1)に入力された予測モデルP10が一時的に格納される。このような一般的な予測モデルPM10を備えていることにより、個人特定情報で特定されない対象者Mに対しても予測モデルPMが選択される。選択部4は、選択された予測モデルPMを示す選択情報(例えば、どの予測モデルが選択されたかの情報)を刺激付与部5に出力する。
提示刺激DB5は、睡眠状態にある対象者Mの睡眠深度を中間レベルの睡眠深度S2に維持するための各種の維持刺激情報や、睡眠状態にある対象者Mを覚醒させる覚醒刺激情報を格納する部分である。提示刺激DB5は、刺激付与部6からの維持刺激情報や覚醒刺激情報の提供要求に応じて、維持刺激情報や覚醒刺激情報を刺激付与部6に出力する。
刺激付与部6は、選択部4で選択された予測モデルPMに基づいて、対象者Mの睡眠深度を中間レベルの睡眠深度S2に維持するための維持刺激を対象者Mに付与する部分である。刺激付与部6は、対象者Mに対して物理的な刺激を付与する装置であり、例えば、対象者Mが知覚可能な所定の音圧の音(音楽含む)による聴覚刺激を付与するスピーカである。スピーカは、例えば座席のヘッドレスト部などに内蔵される。
刺激付与部6は、選択部4から予測モデルPMの選択情報が入力されると、予測モデルDBにアクセスして、選択情報で示される予測モデルPMの詳細な情報を取得する。そして、刺激付与部6は、予測モデルPMで示される対象者Mが睡眠深度S2よりも深い睡眠深度S3に到達する時刻の前の時刻に、提示刺激DB5に格納されている維持刺激情報に基づいて、所定の維持刺激を対象者Mに付与する。また、刺激付与部6は、後述する睡眠時間設定部7で設定された睡眠予定時間が終了すると、提示刺激DB5に格納されている覚醒刺激情報に基づいて、維持刺激よりも刺激強度が強い覚醒刺激を対象者Mに付与して、対象者Mを覚醒させる。
睡眠時間設定部7は、対象者Mを眠らせる睡眠予定時間を設定する部分である。設定される睡眠予定時間としては、対象者Mが直接、希望する睡眠時間を入力するようにしてもよいし、選択された予測モデルPMから対象者Mに合った睡眠時間を自動的に算出するようにしてもよい。なお、睡眠時間設定部7が設定する睡眠予定時間のうち、中間レベルの睡眠深度S2に維持される時間は、例えば、6〜9分程度である。
睡眠装置1は、睡眠時間設定部7で設定された睡眠予定時間内において、選択部4で選択された予測モデルPM、又は後述する検出部8〜予測補正部11等で補正された予測モデルPMに基づいて、維持刺激を対象者Mに繰り返し付与する。
検出部8は、対象者の心拍や脳波などの生理情報を検出する部分である。検出部8としては、例えば心拍数を計測するための心拍数計測センサがある。心拍数計測センサは、例えば座席シートの背もたれ部内に内蔵されて対象者Mの心拍数を計測する。検出部8は、車両が停止して対象者Mの仮眠が開始されると、各種の生理情報の検出を開始する。検出部8は、検出された各種の生理情報を深度判定部9に対して出力する。
深度判定部9は、検出部8で検出された生理情報に基づいて対象者Mの実睡眠深度を判定する部分である。深度判定部9は、取得した生理情報に基づいて、対象者Mの実睡眠深度が、中間レベルの睡眠深度S2よりも浅い睡眠深度S1、及び中間レベルの睡眠深度S2に到達したか否かをそれぞれ段階的に判定する。深度判定部9は、対象者Mの睡眠深度が睡眠深度S1に到達したといった第1到達情報や、睡眠深度S2に到達したといった第2到達情報を補正判定部10に出力する。
補正判定部10は、深度判定部9によって対象者Mの実睡眠深度が睡眠深度S1に到達したと判定された場合、予測モデルPMのうち睡眠深度S1に至るまでの経過部分PM11と睡眠深度S1に至るまでの実睡眠深度の軌跡R1との差に基づいて予測モデルPMのうち経過部分PM11以降の未経過部分PM12を補正するか否かを判定する部分である(図3参照)。また、補正判定部10は、深度判定部9によって対象者Mの実睡眠深度が睡眠深度S2に到達したと判定された場合、予測モデルPMのうち睡眠深度S2に至るまでの経過部分PM14と睡眠深度S2に至るまでの実睡眠深度の軌跡R2との差に基づいて予測モデルPMのうち経過部分PM14以降の未経過部分PM15を補正するか否かを判定する部分である。
ここで用いる予測モデルPMにおける経過部分とは、実睡眠深度が所定の睡眠深度に到達した際、予測モデルPMにおける、その所定の睡眠深度に至るまでの部分である。予測モデルPMにおける未経過部分とは、実睡眠深度が所定の睡眠深度に到達した際、予測モデルPMにおける、その所定の睡眠深度以降の部分である。
補正判定部10は、図3に示されるように、例えば、予測モデルPM1が選択された場合に、睡眠深度S1に到達したことを示す第1到達情報を深度判定部9から取得すると、選択された予測モデルPM1の経過部分PM11(点0〜点S)における傾きの平均と、実睡眠深度の軌跡R1(点0〜点S)における傾きとの差を算出し、算出された傾きの差を所定の閾値と比較する。補正判定部10は、算出された傾きの差が所定の閾値よりも小さければ、未経過部分PM12(点S以降)を補正しないと判定する。一方、補正判定部10は、算出された傾きの差が所定の閾値以上であれば、未経過部分PM12を補正すると判定する。
また、補正判定部10は、睡眠深度S2に到達したことを示す第2到達情報を深度判定部9から取得した場合、例えば、後述する予測補正部11で補正された予測モデルPM13(点S以降)の経過部分PM14(点S〜S)における傾きの平均と実睡眠深度の軌跡R2(点S〜S)における傾きとの差を算出し、算出された傾きの差を所定の閾値と比較して、上記と同様に、未経過部分PM15(S以降)の補正の有無を判定する。補正判定部10は、補正の有無についての各判定情報を予測補正部11に出力する。
予測補正部11は、補正判定部10で予測モデルPMの未経過部分を補正すると判定した場合、上記傾きの差に応じて予測モデルの未経過部分を補正する部分である。予測補正部11は、睡眠深度S1において、例えば、経過部分PM11と軌跡R1との傾きの差が所定の閾値以上である場合には、算出された傾きの差に応じて、図3の矢印A1で示されるように、予測モデルPMのうち未経過部分PM12を予測モデルPM13に置き換える補正を行う。この補正により、使用される予測モデルPM13が、仮眠中の対象者Mの睡眠状態に近似される。
予測補正部11は、睡眠深度S2において、例えば、経過部分PM14と軌跡R2との傾きの差が所定の閾値以上である場合には、算出された傾きの差に応じて、図3の矢印A2で示されるように、予測モデルPMのうち未経過部分PM15を予測モデルPM16に置き換える補正を行う。この補正により、使用される予測モデルPM16が、仮眠中の対象者Mの睡眠状態に近似される。なお、予測モデルPM13が実睡眠深度の軌跡R2よりも早く睡眠深度S2に到達しているため、予測モデルPM15から予測モデルPM16への置き換えが点SからSで行われ、時間的なずれが生じてしまうが、この場合、予測モデルPM13の方が実睡眠深度よりも深いため、対象者Mが実際に深い眠りに落ち込むおそれは低減されている。
このように補正を行われた各予測モデルは、予測モデルDB3に格納される。刺激付与部6は、例えば、検出部8〜予測補正部11等で補正された予測モデルPMに基づいて、図3に示されるように、対象者Mの睡眠深度が睡眠深度S3に到達する時刻の直前の時刻t3に、対象者Mに維持刺激を付与する。睡眠装置1は、このような予測モデルPMの修正及び刺激の付与を、睡眠予定時間内において繰り返し行う。
次に、上述した睡眠装置1の動作について、図4及び図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。以下に示す一連の制御処理は、設定された睡眠予定時間内において睡眠装置1で繰り返し実行される。
まず、ステップS1に示すように、車両の停止が確認されると、取得部2によって、対象者Mを特定する個人特定情報の入力が対象者Mに対して促される(ステップS2)。ステップS2で対象者Mの個人特定情報が入力されて対象者Mが特定されると、ステップS3に進む。一方、ステップS2で対象者Mの個人特定情報が入力されなかったり、又は、個人特定情報が入力されたものの対象者Mが特定できなかったりした場合には、対象者Mの個人情報が未特定と設定されて(ステップS4)、ステップS3に進む。
続いて、ステップS3では、睡眠装置1で提供される仮眠時間である睡眠予定時間を、対象者Mの入力に基づいて睡眠時間設定部7が設定する。睡眠予定時間が設定されると、ステップS5に進み、ステップS2で対象者Mが特定された場合には、対象者Mが睡眠状態に入る直前の眠気度や疲労度や緊張度などの体調情報である対象者情報を取得部2が取得して、選択部4に入力する(ステップS5)。一方、ステップS2で対象者Mが特定されなかった場合には、対象者Mの年齢X、前日の睡眠時間X、及び起きている時間Xといった一般的な睡眠情報である対象者情報を取得部2が取得して、選択部4に入力する(ステップS5)。
続いて、ステップS5で対象者情報の取得及び入力が実行されると、予め設定されて予測モデルDB3に格納されている予測モデルPM1,PM2,…、又はPM10の中から、対象者情報に基づいて、対象者Mの睡眠時間に対する睡眠深度の変化を示す予測モデルPMを選択部4が選択する(ステップS6)。本実施形態では、例えば、予測モデルPM1が選択される。
ステップS6で予測モデルPM1が選択されると、睡眠装置1は、刺激付与部5により対象者Mに誘眠刺激を付与して仮眠の誘導を開始する(ステップS7)。仮眠が開始されると、検出部8は、対象者Mの各種生理情報を検出する(ステップS8)。ステップS8で各種生理情報が検出されると、検出された生理情報が深度判定部9に出力され、深度判定部9は、取得した生理情報に基づいて対象者Mの実睡眠深度を判定する(ステップS9)。この判定は、対象者Mの実睡眠深度が睡眠深度S1に到達したと深度判定部9によって判定されるまで繰り返し行われる(ステップS10)。
ステップS10において、対象者Mの実睡眠深度が睡眠深度S1に到達したと判定された場合、予測判定部10は、ステップS6で選択された予測モデルPM1の補正が必要か否かを判定する(ステップS11)。補正判定部10での判定は、例えば、選択された予測モデルPMが予測モデルPM1である場合、予測モデルPM1における経過部分S11の傾きの平均と実睡眠深度の軌跡R1の傾きとの差を所定の閾値と比較することで行われる。
ステップS11で予測モデルPM1の補正が必要と判定された場合には、予測補正部11は、予測モデルPM1における経過部分S11の傾きの平均と実睡眠深度の軌跡R1の傾きとの差に応じて、予測モデルの未経過部分PM12を補正する(ステップS12)。ステップS12における予測モデルPM1の補正処理としては、例えば、図3に示されるように、予測モデルPM1の未経過部分PM12を、図示矢印A1で示すように、新たな予測モデルPM13に置き換える処理である。一方、ステップS11で予測モデルPM1の補正が不要と判定された場合には、予測モデルPM1における未経過部分PM12の補正を行うことなく、ステップS13に進む。
ステップS13では、ステップS8と同様に、対象者Mの各種生理情報を検出部8が再び検出する。ステップS13で各種生理情報が検出されると、検出された生理情報が深度判定部9に出力され、深度判定部9は、対象者Mの実睡眠深度を判定する(ステップS14)。この判定は、対象者Mの実睡眠深度が睡眠深度S2に到達したと深度判定部9によって判定されるまで繰り返し行わる(ステップS15)。
ステップS15において、対象者Mの実睡眠深度が睡眠深度S2に到達したと判定された場合、補正判定部10は、ステップS6で選択された予測モデルPM又はステップS12で補正された予測モデルPMの補正が必要か否かを判定する(ステップS16)。補正判定部10での判定は、ステップS11での判定と同様に、経過部分の傾き平均と実睡眠深度の軌跡の傾きとの差を所定の閾値と比較することにより行われる。
ステップS16で予測モデルPMの補正が必要と判定された場合には、ステップS17に進み、例えば、ステップS12で予測モデルPM1の未経過部分PM12が新たな予測モデルPM13に置き換えられる補正がされた場合には、図3に示されるように、予測モデルPM13の未経過部分PM14を、図示矢印A2で示すように、更に新たな予測モデルPM16に置き換えて、ステップS18に進む。一方、ステップS16で予測モデルPMの補正が不要と判定された場合には、予測モデルPMにおける未経過部分の補正を行うことなく、ステップS18に進む。
ステップS18では、まず、選択された予測モデルPM又は補正された予測モデルPMに基づいて、対象者Mの睡眠深度が睡眠深度S2よりも深い睡眠深度S3に到達する時刻を算出する。そして、刺激付与部5は、睡眠深度S3に到達する時刻の前の時刻(例えば、図3では時刻t3)に、提示刺激DB5に格納されている維持刺激情報に基づいて所定の維持刺激を対象者Mに付与する。この維持刺激の付与により対象者Mの睡眠深度が睡眠段階S3に到達せずに睡眠段階S2側に戻り(図3の実睡眠深度の軌跡R4(点S〜点S)参照)、睡眠段階S2の近辺に維持されるようになる。
ステップS18で維持刺激を対象者Mに付与した後、設定した睡眠時間が経過するまでステップS13〜S18までを繰り返し(ステップS19)、維持刺激部5により対象者Mに維持刺激を繰り返し付与する。このように繰り返す場合、例えば、直前に使用した予測モデルPM(例えば、予測モデル13)を用いてもよい。その後、ステップS19で睡眠予定時間が経過したと判定された場合、ステップS20に進み、提示刺激DB5に格納されている覚醒刺激情報に基づいて、刺激付与部5は、維持刺激よりも刺激強度が強い覚醒刺激を対象者Mに付与する(ステップS20)。この覚醒刺激の付与により、対象者Mは覚醒し、睡眠装置1による仮眠が終了する。
このように、本実施形態に係る睡眠装置1では、対象者Mの実睡眠深度に基づいて維持刺激を付与するのではなくて、例えば対象者Mの眠気度といった対象者情報に基づいて、予め設定された睡眠の予測モデルPM1,PM2,…又はPM10の中から、そのときの対象者M個人の実際の睡眠リズムに近似すると予測される予測モデルPMを選択し、かかる予測モデルPMに基づいて、その対象者Mに維持刺激を付与するようにしている。このため、予測モデルPMを用いるといった簡易な処理であるにもかかわらず、対象者Mの睡眠深度が中間レベルS2よりも深いS3レベルに落ち込むことを事前に検知できる可能性を高めて、適当な維持刺激を対象者Mに付与し、対象者Mの睡眠深度を中間レベルS2に維持することが可能となる。
また、本実施形態に係る睡眠装置1では、刺激付与部5は、予測モデルにおける予測睡眠深度が中間レベルの睡眠深度よりも深い睡眠深度に到達する時刻よりも前の時刻に維持刺激を付与している。一旦、深い睡眠深度に到達してしまうと刺激に対する対象者Mの感度が低下し、維持刺激のように比較的弱い刺激の付与で対象者の睡眠深度を中間レベルに戻すことが難しくなってしまう。しかしながら、深い睡眠深度に到達する前であれば、維持刺激の適切な付与で対象者Mの睡眠深度を中間レベルにより容易に維持することできる。
また、本実施形態に係る睡眠装置1は、対象者Mの生理情報を検出する検出部8と、検出部8で検出された生理情報に基づいて対象者Mの実睡眠深度が中間レベルS2と同等又は中間レベルS2よりも浅い睡眠深度S1に到達したか否かを判定する深度判定部9と、深度判定部9によって対象者Mの実睡眠深度が睡眠深度S1又はS2に到達したと判定された場合、予測モデルのうち睡眠深度S1又はS2に至るまでの経過部分と睡眠深度S1又はS2に至るまでの実睡眠深度の軌跡R1,R2との差に基づいて予測モデルのうち経過部分以降の未経過部分を補正するか否かを判定する補正判定部10と、補正判定部10で予測モデルの未経過部分を補正すると判定した場合、上記差に応じて予測モデルの未経過部分を補正する予測補正部11と、を備え、刺激付与部5は、予測補正部5で補正された予測モデルに基づいて、対象者Mに維持刺激を付与するようになっている。この場合、予測モデルを基本としつつも処理を複雑にしない範囲で実睡眠深度に基づいて予測モデルPMを補正することから、装置全体としては簡易な処理であるにもかかわらず予測モデルPMの精度を高めることができる。その結果、対象者Mの睡眠深度を中間レベルS2により確実に維持することができる。
また、本実施形態に係る睡眠装置1は、対象者Mを眠らせる睡眠予定時間を設定する睡眠時間設定部7を備え、刺激付与部5は、睡眠予定時間内において、選択部4で選択された予測モデルPM又は予測補正部11で補正された予測モデルPMに基づいて維持刺激を対象者Mに繰り返し付与するようになっている。このように維持刺激を繰り返し付与することにより、睡眠予定時間内において、対象者Mの睡眠深度を中間レベルS2に確実に維持することができる。
上述した実施形態は、本発明に係る睡眠装置1の一例を示すものである。本発明に係る睡眠装置1は、このようなものに限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しないものであれば、実施形態に係る各装置を変形し、又は車両以外のものに適用したものであってもよい。例えば、上記実施形態では、検出部8で検出された心拍や脳波に基づいて、深度判定部9が対象者Mの睡眠深度を判定しているが、検出部8が皮膚電位水準の低下や眼球運動(緩徐眼球運動)の開始を検出して深度判定部9が睡眠深度S1と判定したり、検出部8が眼球運動(緩徐眼球運動)の停止や呼吸量の低下や呼吸様式の腹式から胸式への変化を検出して深度判定部9が睡眠深度S2と判定するようにしてもよい。さらに、血圧や体温などを用いて睡眠深度を判定してもよい。
また、上記実施形態では、個人特定情報として、暗証番号を用いているが、暗証番号に代えて、指紋認証や免許証の情報などを用いるようにしてもよい。また、対象者情報としては、上述した眠気度や年齢等に対し、前日の睡眠中における中途覚醒回数や安心度などのパラメータを含めるようにしてもよい。さらに、対象者情報を事前に入力する場合には、携帯電話などによって外部から睡眠装置1に入力するようにしてもよい。また、上記実施形態では、所定の音圧の音といった聴覚的な刺激を刺激付与部5で付与しているが、睡眠状態にある対象者Mが知覚可能な刺激であれば、光、振動、温熱、冷風、匂い、マッサージやツボなどの刺激でもよい。
また、上記実施形態では、対象者Mの個人情報が特定されない場合、式(1)に基づいた算出により、予測モデルPMを選択していたが、睡眠時間に対する睡眠深度S3に到達するまでの睡眠深度の変化(傾き)を、図6に示されるように、年代毎(10代〜70代まで)の頻度データとして取得し、この傾きに基づいた予測モデルPMを予測モデルDB3に格納するようにしてもよい。この場合、例えば、60代、70代用のモデル1としては、60代のデータにおける頻度が一番高い傾きと70代のデータにおける頻度が一番高い傾きとの中間部分での傾きから予測モデルPMを選択する。また、40代、50代用のモデル2としても、同様に、中間部分での傾きから予測モデルPMを選択し、10代、20代、30代用のモデル3としても、中間部分での傾きから予測モデルPMを選択する。このように選択される予測モデルPMは、例えば、図7に示されるように、縦軸に覚醒Wから睡眠深度S1までの時間をとり、横軸に睡眠深度S1から睡眠深度S2までの時間をとったような可変式のモデルとしてもよい。この場合、この可変式のグラフに応じて、予測補正部11は、予測モデルPMを適宜、補正できる。
また、上記実施形態では、予測モデルPMが補正された場合でも、補正されない場合と同様の強さの維持刺激を付与してきたが、例えば、図8に示されるように、実睡眠深度による軌跡R5の傾きと予測モデルPM20の傾きの平均値の差に応じて、付与する維持刺激の強さを強くしたりしてもよい。例えば、予測モデルPM20における睡眠深度よりも実睡眠深度のほうが深いために予測モデルPM20を補正するような場合、対象者Mの眠気等が強く、通常の維持刺激では対象者Mが知覚できず、維持刺激の強さがそのままでは、対象者Mの睡眠深度を中間レベルS2に維持できないおそれがある。しかし、図9に示されるように、予測モデルPMと実睡眠深度の軌跡R5の傾きの差に基づいて維持刺激の強さを強くすると、対象者Mが維持刺激を知覚でき、対象者Mの睡眠深度を中間レベルS2により確実に維持することができる。このような維持刺激の強さデータは、提示刺激DB5に格納される。
また、上記実施形態では、予測モデルPMを補正する際、経過部分と軌跡との傾きの差に基づいて補正するようにしているが、選択部4により、式(1)を用いた予測モデルPM10が選択された場合にあっては、次の式(2)を用いて補正するようにしてもよい。
T3=仮眠開始時刻+(W+W+W+W+W)…(2)
(W,W,W3,,W5,は、重み係数。Xは、仮眠開始から実睡眠深度S1までの時間、Xは、実睡眠深度S1から実睡眠深度S2までの時間)
また、上記実施形態では、睡眠の深度を示すレベルとして睡眠深度という用語を用いたが、国際的な指標である睡眠段階という用語を用いて睡眠の深度を表わすようにしてもよい。
また、上記実施形態では、本発明に係る睡眠装置を車両に適用させた実施形態について説明したが、本発明に係る睡眠装置を車両以外のベッドや安楽イスなどに適用させて、通常の仕事におけるリフレッシュ用途に用いたり、警察や消防といった長時間の仮眠がとれない仕事における仮眠用途に用いたりしてもよい。
1…睡眠装置、2…取得部、3…予測モデルDB、4…選択部、5…提示刺激DB、6…刺激付与部、7…睡眠時間設定部、8…検出部、9…深度判定部、10…補正判定部、11…予測補正部、PM,PM1,PM2,PM13,PM16…予測モデル、PM11,PM14…経過部分、PM12,PM15…未経過部分、S1,S2,S3,S4…睡眠深度。

Claims (5)

  1. 睡眠状態にある対象者の睡眠深度を最大レベルよりも浅い中間レベルの睡眠深度に維持する睡眠装置であって、
    前記対象者の睡眠に影響を与える対象者情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段で取得した前記対象者情報に基づいて、前記対象者の睡眠時間に対する睡眠深度の変化を示す予測モデルを予め設定された予測モデルの中から選択する選択手段と、
    前記選択手段で選択された前記予測モデルに基づいて、前記対象者の睡眠深度を前記中間レベルの睡眠深度に維持するための維持刺激を前記対象者に付与する刺激付与手段と、
    を備えることを特徴とする睡眠装置。
  2. 前記刺激付与手段は、前記予測モデルにおける予測睡眠深度が前記中間レベルの睡眠深度よりも深い睡眠深度に到達する時刻よりも前の時刻に前記維持刺激を付与することを特徴とする請求項1記載の睡眠装置。
  3. 前記対象者の生理情報を検出する検出手段と、
    前記検出手段で検出された前記生理情報に基づいて前記対象者の実睡眠深度を判定する深度判定手段と、
    前記深度判定手段によって前記対象者の実睡眠深度が前記中間レベルと同等又は前記中間レベルよりも浅い所定の睡眠深度に到達したと判定された場合、前記予測モデルのうち前記所定の睡眠深度に至るまでの経過部分と前記所定の睡眠深度に至るまでの前記実睡眠深度の軌跡との差に基づいて前記予測モデルのうち前記経過部分以降の未経過部分を補正するか否かを判定する補正判定手段と、
    前記補正判定手段で前記予測モデルの前記未経過部分を補正すると判定した場合、前記差に応じて前記予測モデルの前記未経過部分を補正する予測補正手段と、を備え、
    前記刺激付与手段は、前記予測補正手段で補正された前記予測モデルに基づいて、前記対象者に前記維持刺激を付与することを特徴とする請求項1又は2に記載の睡眠装置。
  4. 前記対象者を眠らせる睡眠予定時間を設定する睡眠時間設定手段を備え、
    前記刺激付与手段は、前記睡眠予定時間内において、前記選択手段で選択された予測モデル又は前記予測補正手段で補正された前記予測モデルに基づいて前記維持刺激を前記対象者に繰り返し付与することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の睡眠装置。
  5. 睡眠状態にある対象者の睡眠深度を最大レベルよりも浅い所定レベルの睡眠深度に維持する睡眠維持方法であって、
    前記対象者の睡眠に影響を与える対象者情報を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップで取得した前記対象者情報に基づいて、前記対象者の睡眠時間に対する睡眠深度の変化を示す予測モデルを予め設定された予測モデルの中から選択する選択ステップと、
    前記選択ステップで選択された前記予測モデルに基づいて、前記対象者の睡眠深度を前記中間レベルの睡眠深度に維持するための維持刺激を前記対象者に付与する刺激付与ステップと、
    を含むことを特徴とする睡眠維持方法。
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