JP2010220586A - 妊孕性診断方法、妊孕性診断キット、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、及び抗体 - Google Patents
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Abstract
【課題】精子における卵子への融合能に基づいた妊孕可能性の推定、及び不妊症の原因の同定を可能にする妊孕性診断方法、並びに該方法に用いられるポリヌクレオチド及び妊孕性診断キットの提供。
【解決手段】ヒトから採取された生体サンプルを用いて、前記ヒトにおけるALDOA遺伝子の欠損又は変異の有無を検出する検出工程を有することを特徴とする妊孕性診断方法、翻訳開始コドンのアデニンを第1位の塩基としたときに、ヒト野生型ALDOA遺伝子の塩基配列または当該遺伝子の翻訳領域の塩基配列からなるポリヌクレオチドにおいて、妊孕性と相関性の高い一塩基置換変異の変異部位を含む10〜100の連続した塩基配列からなるポリヌクレオチド、及びヒトの妊孕性を診断するためのキットであって、ヒトALDOA遺伝子の欠損又は変異の有無を検出するための試薬を含んでいる妊孕性診断キット。
【選択図】なし
【解決手段】ヒトから採取された生体サンプルを用いて、前記ヒトにおけるALDOA遺伝子の欠損又は変異の有無を検出する検出工程を有することを特徴とする妊孕性診断方法、翻訳開始コドンのアデニンを第1位の塩基としたときに、ヒト野生型ALDOA遺伝子の塩基配列または当該遺伝子の翻訳領域の塩基配列からなるポリヌクレオチドにおいて、妊孕性と相関性の高い一塩基置換変異の変異部位を含む10〜100の連続した塩基配列からなるポリヌクレオチド、及びヒトの妊孕性を診断するためのキットであって、ヒトALDOA遺伝子の欠損又は変異の有無を検出するための試薬を含んでいる妊孕性診断キット。
【選択図】なし
Description
本発明は、妊孕可能性の推定及び不妊症の原因の同定を可能にする技術に関するものである。具体的には、妊孕可能性と相関性のある遺伝子の欠損又は変異を検出し、妊孕可能性を診断する方法、並びに、該方法に用いることができるキット、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、及び抗体に関する。
近年、少子化の問題が頻繁に取り上げられ、この問題を解消するために様々な対策が模索されている。少子化の対策として、不妊症により子供を授からない夫婦を救済することが重要であることは言うまでもなく、有効な不妊治療法の開発が強く望まれている。
不妊症の原因は男女同率であるが、男性不妊症は精子形成メカニズムの複雑さから、その治療法も含めて未解明の部分が多く、ヒト精子数の減少や生殖力の低下など生殖にまつわる問題の多くは原因不明である。体外受精(IVF;In Vitro Fertilization)の技術発展により、精子の活動能が低い場合においても妊娠出産が可能となってきているものの、不妊の背後にある分子メカニズムの詳細は依然として明らかになっておらず、適切な治療法の選択が困難な場合や、十分な治療効果が得られない場合も多い。従って、より負担の少ない不妊治療のためには、不妊メカニズムの理解に立った遺伝子診断・生殖補助医療の開発が強く望まれている。
非特許文献1によると、マウスにおける雄性不妊の研究により、妊孕性に影響を与える多くの遺伝子の存在が明らかになっており、これらの遺伝子の変異がヒトにおいても男性不妊を引き起こす一因となっている可能性がある。
一方、精子形成過程の減数分裂後に起こる形態学的変化には、エネルギー代謝に利用される酵素において、精子細胞特異的な構造もしくは機能変化が認められるとされ、精子特異的なhexokinase(非特許文献2参照。)、phosphoglucose isomerase(非特許文献3参照。)、aldolase(非特許文献4参照。)、glyceraldehyde 3−phosphate dehydrogenase(非特許文献5参照。)、phosphoglycerate kinase(非特許文献6参照。)、phosphoglycerate mutase(非特許文献7参照。)、enolase(非特許文献8参照。)などが活性化される。非特許文献5では、glyceraldehyde 3−phosphate dehydrogenaseのノックアウトマウス(オス)が不妊となり、精子の運動不良が認められることから、これら精子特異的な解糖系の酵素機能における異常は不妊の原因となる可能性が示唆される。
一方、精子形成過程の減数分裂後に起こる形態学的変化には、エネルギー代謝に利用される酵素において、精子細胞特異的な構造もしくは機能変化が認められるとされ、精子特異的なhexokinase(非特許文献2参照。)、phosphoglucose isomerase(非特許文献3参照。)、aldolase(非特許文献4参照。)、glyceraldehyde 3−phosphate dehydrogenase(非特許文献5参照。)、phosphoglycerate kinase(非特許文献6参照。)、phosphoglycerate mutase(非特許文献7参照。)、enolase(非特許文献8参照。)などが活性化される。非特許文献5では、glyceraldehyde 3−phosphate dehydrogenaseのノックアウトマウス(オス)が不妊となり、精子の運動不良が認められることから、これら精子特異的な解糖系の酵素機能における異常は不妊の原因となる可能性が示唆される。
AldolaseのA isoform(ALDOA)は、精子においてlactate dehydrogenase A(LDHA)やglyceraldehyde 3−phosphate dehydrogense,spermatogenic(GAPDHS)などと共に精子の線維鞘に強固に結合し、精子運動に必要とされるATPの局所的な供給に関与している(非特許文献9参照。)。一方、ALDOA欠損は、遺伝性溶血性貧血と関連した常染色体劣性疾患の原因であることが知られている。例えば、ALDOAの(開始コドンに対応するメチオニン残基を−1位とした時の)128位のアスパラギン酸がグリシンに(非特許文献10参照。)、206位のグルタミン酸がリジンに(非特許文献11参照。)、303位のアルギニンのコドン終始コドンに(ナンセンス変異)、338位のシステインがチロシンに(非特許文献12参照。)、346位のグリシンがセリン(非特許文献13参照。)に、それぞれ変化する突然変異が報告されている。
マザック(Matzuk)、外1名、ネイチャー・セル・バイオロジー(Nature Cell Biology)、2002年、第4(Supp1)巻、S41〜S49。
モリ(Mori)、外4名、モレキュラー・リプロダクション・アンド・デベロップメント(Molecular reproduction and development)、1996年、第44巻第1号、第14〜22ページ。
ブール(Buehr)、外1名、ジャーナル・オブ・リプロダクション・アンド・ファーティリティ(Journal of reproduction and fertility)、1981年、第63巻第1号、第169〜173ページ。
ベムガンチ(Vemuganti)、外5名、デベロップメンタル・バイオロジー(Developmental biology)、2007年、第309巻第1号、第18〜31ページ。
ミキ(Miki)、外8名、プロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)、2004年、第101巻第47号、第16501〜16506ページ。
マッカレイ(McCarrey)、外6名、デベロップメンタル・ジェネティックス(Developmental genetics)、1996年、第19巻第4号、第321〜332ページ。
ブロセノ(Broceno)、外4名、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(European journal of biochemistry)、1995年、第227巻第3号、第629〜635ページ。
フォース(Force)、外4名、ジャーナル・オブ・アンドロロジー(Journal of andrology)、2004年、第25巻第5号、第824〜829ページ。
クリスファルシ(Krisfalusi)、外3名、バイオロジー・オブ・リプロダクション(Biology of reproduction)、2006年、第75巻第2号、第270〜278ページ。
キシ(Kishi)、外5名、プロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)、1987年、84巻第23号、第8623〜8627ページ。
クレンダー(Kreuder)、外9名、ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(New England journal of medicine)、1996年、第334巻第17号、第1100〜1104ページ。
ヤオ(Yao)、外6名、ブラッド(Blood)、2004年、第103巻第6号、第2401〜2403ページ。
エスポシオ(Esposito)、外8名、バイオケミカル・ジャーナル(Biochemical journal)、2004年、第380巻、第51〜56ページ。
男性不妊を診断するための有効な遺伝子診断方法は未だ十分に確立されていない。男性不妊の原因は生殖細胞自体の欠失から精子の受精不全まで多岐に渡る。従って、病態に応じた有効な治療法を確立するためには、様々な病態の原因を特定できる診断法が望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、精子運動におけるエネルギー供給に関わる酵素機能に基づいた妊孕可能性の推定、及び不妊症の原因の同定を可能にする妊孕性診断方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、精子運動におけるエネルギー供給に関わる酵素機能に基づいた妊孕可能性の推定、及び不妊症の原因の同定を可能にする妊孕性診断方法を提供することを目的とする。
これまでに、ALODAの機能障害に起因する精子の運動能低下やALDOA欠損と男性不妊症との関連は報告されていないが、ALDOA機能の低下が妊孕性の低下に関係する可能性は否定できない。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、精子に含まれるALDOAが機能的に低下すると精子運動におけるエネルギー供給が減少し、受精に至る確率が低下すると考えられることから、ヒトにおける精子中のALDOA分子が妊孕性に関連し、ALDOAタンパク質の変異は、男性不妊を引き起こす(或いは引き起こしやすい)と考え、ヒトALDOA遺伝子配列を解析し、ヒトALDOA遺伝子配列と男性不妊症の関連性を検討した結果、ヒトALDOA遺伝子に男性不妊症に関連した変異を見出し、本発明を完成させるに至った。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、精子に含まれるALDOAが機能的に低下すると精子運動におけるエネルギー供給が減少し、受精に至る確率が低下すると考えられることから、ヒトにおける精子中のALDOA分子が妊孕性に関連し、ALDOAタンパク質の変異は、男性不妊を引き起こす(或いは引き起こしやすい)と考え、ヒトALDOA遺伝子配列を解析し、ヒトALDOA遺伝子配列と男性不妊症の関連性を検討した結果、ヒトALDOA遺伝子に男性不妊症に関連した変異を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、ヒトから採取された生体サンプルを用いて、前記ヒトにおけるALDOA遺伝子の欠損又は変異の有無を検出する検出工程を有し、前記検出工程において、翻訳開始コドンのアデニンを第1位の塩基としたときに、ヒトALDOA遺伝子の転写領域の、第−29位の塩基、第11位の塩基、第50位の塩基、第57位の塩基、第69位の塩基、第91位の塩基、第213位の塩基、第230位の塩基、第257位の塩基、第262位の塩基、第307位の塩基、第358位の塩基、第1452位の塩基、第1464位の塩基、第1490位の塩基、第1498位の塩基、第1533位の塩基、第1548位の塩基、第1552位の塩基、第1599位の塩基、第1615位の塩基、第1648位の塩基、第1716位の塩基、第1738位の塩基、第1761位の塩基、第1774位の塩基、第1789位の塩基、第1813位の塩基、第1825位の塩基、第1876位の塩基、第1904位の塩基、第1914位の塩基、第1956位の塩基、第1960位の塩基、第1961位の塩基、第2003位の塩基、第2043位の塩基、第2099位の塩基、第2118位の塩基、第2149位の塩基、第2205位の塩基、第2241位の塩基、第2242位の塩基、第2253位の塩基、第2265位の塩基、第2270位の塩基、第2299位の塩基、第2334位の塩基、第2336位の塩基、第2383位の塩基、第2412位の塩基、第2455位の塩基、第2487位の塩基、第2507位の塩基、第2511位の塩基、第2514位の塩基、第2524位の塩基、第2569位の塩基、第2648位の塩基、第2684位の塩基、第2730位の塩基、第2732位の塩基、第2841位の塩基、及び第2902位の塩基からなる群より選択される1以上の塩基の変異の有無を検出することを特徴とする、妊孕性診断方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、ヒトALDOA遺伝子の塩基配列又は配列番号1で表される塩基配列において、ヒトALDOA遺伝子の転写領域の第262位の塩基が置換されており、この置換された塩基を含む10〜100の連続した塩基配列と、相同的又は相補的な塩基配列からなることを特徴とするポリヌクレオチドを提供することを目的とする。
また、本発明は、配列番号1で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドにおいて、第262位の塩基がチミンに置換された塩基配列からなることを特徴とするポリヌクレオチド、及び該ポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、ヒトの妊孕性を診断するためのキットであって、ヒトALDOA遺伝子の欠損又は変異の有無を検出するための試薬を含んでいることを特徴とする妊孕性診断キットを提供することを目的とする。
また、本発明は、ヒトALDOA遺伝子の塩基配列又は配列番号1で表される塩基配列において、ヒトALDOA遺伝子の転写領域の第262位の塩基が置換されており、この置換された塩基を含む10〜100の連続した塩基配列と、相同的又は相補的な塩基配列からなることを特徴とするポリヌクレオチドを提供することを目的とする。
また、本発明は、配列番号1で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドにおいて、第262位の塩基がチミンに置換された塩基配列からなることを特徴とするポリヌクレオチド、及び該ポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチドを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、ヒトの妊孕性を診断するためのキットであって、ヒトALDOA遺伝子の欠損又は変異の有無を検出するための試薬を含んでいることを特徴とする妊孕性診断キットを提供することを目的とする。
本発明の妊孕性診断方法や妊孕性診断キットを用いることにより、ヒトの妊孕可能性の推定や、不妊症の原因の同定を、高精度かつ簡便に行うことができる。
本発明に係る妊孕性診断方法は、ヒトから採取された生体サンプルを用いて、前記ヒトにおけるALDOA遺伝子の欠損又は変異の有無を検出する検出工程を有することを特徴とする。ヒトALDOA遺伝子の欠損や特定の塩基の変異は、男性不妊との相関性が高い。したがって、被験者から生体サンプルを採取し、この生体サンプルを用いて被験者のALDOA遺伝子に欠損又は変異があるか否かを調べることにより、妊孕可能性の推定及び不妊症の原因の同定が可能になる。
配列番号1は、ジェンバンク(GenBank)にアクセッション番号NG_008010で登録されている野生型ALDOA遺伝子の転写領域を抽出したものである。このうち、301〜412番目の領域、496〜707番目の領域、1692〜1746番目の領域、1864〜2024番目の領域、2352〜2435番目の領域、2545〜2719番目の領域、2876〜3055番目の領域、及び3163〜3258番目の領域が翻訳領域である。配列番号1に示すように、野生型ヒトALDOA遺伝子は、1075bp及び8つのエクソンからなる翻訳領域を有している。また、配列番号2は、野生型ヒトALDOAタンパク質のアミノ酸配列を示すものである。
本願発明者らは、後述する実施例に示す調査の結果、男性不妊症患者からなる集団の中に、配列番号1に示すヒトALDOA遺伝子において塩基が置換している患者がいることを見出した。これらのうち、64個の塩基置換は、妊孕性が確認されている男性からなる集団では見られなかった。また、2個の塩基置換は、妊孕性が確認されている男性からも検出されたが、男性不妊症患者からなる集団のほうが、検出頻度が有意に高かった。
ヒトALDOA遺伝子に上記の置換変異が起こると、正常なタンパク質が発現しなくなったり、発現効率が低下するおそれがある。それゆえ、ヒトALDOA遺伝子の置換変異は、正常なALDOAタンパク質の翻訳量が低下することにより不妊症を引き起こす可能性が高いと推測される。
本発明において、変異とは、遺伝子の塩基配列において、塩基が欠失・置換・挿入されていることを意味する。本発明に係る妊孕性診断方法の検出工程において検出されるALDOA遺伝子の変異は、男性不妊との相関性が高い変異である。具体的には、以下に述べる64個の変異を検出することにより、検出工程に用いられた生体サンプルを採取されたヒトが、妊孕させやすいか否か、不妊症であると診断されている場合には、不妊症の原因がALDOA遺伝子の変異によるものであるか否かを判断することができる。なお、「ALDOA遺伝子の転写領域の第X位の塩基」とは、「翻訳開始コドンのアデニンを第1位の塩基としたときに、ヒトALDOA遺伝子の転写領域の第X位の塩基」を意味する。
男性不妊との相関性が高い変異として、ALDOA遺伝子の転写領域の第11位のアデニンがシトシンに置換している変異がある。この塩基置換によって、推定アミノ酸配列の第4位のグルタミンがプロリンにコードされるようになる。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第50位のシトシンがチミンに置換している変異がある。この塩基置換によって、推定アミノ酸配列の第17位のセリンがフェニルアラニンにコードされるようになる。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第91位のシトシンがアデニンに置換している変異がある。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第31位のロイシンがメチオニンにコードされるようになる。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第213位のシトシンがグアニンに置換している変異がある。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第44位のロイシンがバリンにコードされるようになる。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第262位のグアニンがチミンに置換している変異がある。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第60位のアルギニンがロイシンにコードされるようになる。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第307位のグアニンがアデニンに置換している変異がある。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第75位のグリシンがグルタミン酸にコードされるようになる。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第358位のグアニンがチミンに置換している変異がある。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第92位のアルギニンがロイシンにコードされるようになる。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1599位のアデニンがグアニンに置換している変異がある。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第139位のリジンがグルタミン酸にコードされるようになる。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1615位のアデニンがチミンに置換している変異がある。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第144位のアスパラギン酸がバリンにコードされるようになる。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1648位のグアニンがアデニンに置換している変異がある。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第115位のグリシンがグルタミン酸にコードされるようになる。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1716位のチミンがシトシンに置換している変異がある。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第178位のシステインがアルギニンにコードされるようになる。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2118位のシトシンがチミンに置換している変異がある。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第203位のグルタミンをコードするコドンが、終止コドンになる。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2270位のチミンがシトシンに置換している変異がある。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第217位のロイシンがプロリンにコードされるようになる。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2299位のアデニンがグアニンに置換している変異がある。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第227位のスレオニンがアラニンにコードされるようになる。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2336位のシトシンがチミンに置換している変異がある。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第239位のアラニンがバリンにコードされるようになる。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2383位のアデニンがシトシンに置換している変異がある。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第255位のスレオニンがプロリンにコードされるようになる。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2648位のシトシンがチミンに置換している変異がある。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第291位のプロリンがロイシンにコードされるようになる。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2684位のグアニンがアデニンに置換している変異がある。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第303位のグリシンがアスパラギン酸にコードされるようになる。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2730位のグアニンがチミンに置換している変異がある。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第318位のリジンがアスパラギンにコードされるようになる。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2732位のアデニンがグアニンに置換している変異がある。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第319位のグルタミン酸がグリシンにコードされるようになる。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第57位のシトシンがチミンに置換している変異がある。当該第138位の塩基は、推定アミノ酸配列の第19位のイソロイシンをコードするものであるが、この塩基置換によっては、コードされるアミノ酸は変化しない。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第69位のシトシンがチミンに置換している変異がある。当該第57位の塩基は、推定アミノ酸配列の第23位のイソロイシンをコードするものであるが、この塩基置換によっては、コードされるアミノ酸は変化しない。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第230位のシトシンがチミンに置換している変異がある。当該第230位の塩基は、推定アミノ酸配列の第49位のスレオニンをコードするものであるが、この塩基置換によっては、コードされるアミノ酸は変化しない。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第257位のシトシンがチミンに置換している変異がある。当該第257位の塩基は、推定アミノ酸配列の第58位のフェニルアラニンをコードするものであるが、この塩基置換によっては、コードされるアミノ酸は変化しない。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2099位のシトシンがチミンに置換している変異がある。当該第2099位の塩基は、推定アミノ酸配列の第196位のアスパラギン酸をコードするものであるが、この塩基置換によっては、コードされるアミノ酸は変化しない。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2253位のチミンがアデニンに置換している変異がある。当該第2253位の塩基は、推定アミノ酸配列の第211位のアラニンをコードするものであるが、この塩基置換によっては、コードされるアミノ酸は変化しない。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2265位のグアニンがアデニンに置換している変異がある。当該第2265位の塩基は、推定アミノ酸配列の第215位のリジンをコードするものであるが、この塩基置換によっては、コードされるアミノ酸は変化しない。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2334位のチミンがシトシンに置換している変異がある。当該第2334位の塩基は、推定アミノ酸配列の第238位のヒスチジンをコードするものであるが、この塩基置換によっては、コードされるアミノ酸は変化しない。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2412位のチミンがシトシンに置換している変異がある。当該第2412位の塩基は、推定アミノ酸配列の第264位のアラニンをコードするものであるが、この塩基置換によっては、コードされるアミノ酸は変化しない。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1490位のアデニンがグアニンに置換している変異がある。当該第1490位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1761位のチミンがシトシンに置換している変異がある。当該第1761位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1825位のアデニンがチミンに置換している変異がある。当該第1825位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1904位のアデニンがグアニンに置換している変異がある。当該第1904位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1914位のチミンがグアニンに置換している変異がある。当該第1914位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1960位のチミンがシトシンに置換している変異がある。当該第1960位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1961位のシトシンがチミンに置換している変異がある。当該第1961位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2003位のグアニンがアデニンに置換している変異がある。当該第2003位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2043位のグアニンがチミンに置換している変異がある。当該第2043位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2205位のシトシンがチミンに置換している変異がある。当該第2205位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2242位のシトシンがチミンに置換している変異がある。当該第2242位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2511位のアデニンがグアニンに置換している変異がある。当該第2511位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2514位のアデニンがチミンに置換している変異がある。当該第2514位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2524位のアデニンがグアニンに置換している変異がある。当該第2524位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第−29位のグアニンがチミンに置換している変異がある。当該第−29位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1452位のアデニンがグアニンに置換している変異がある。当該第1452位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1464位のシトシンがチミンに置換している変異がある。当該第1464位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1498位のグアニンがアデニンに置換している変異がある。当該第1498位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1533位のアデニンがチミンに置換している変異がある。当該第1533位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1548位のシトシンがアデニンに置換している変異がある。当該第1548位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1552位のシトシンがアデニンに置換している変異がある。当該第1552位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1738位のチミンがシトシンに置換している変異がある。当該第1738位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1774位のグアニンがアデニンに置換している変異がある。当該第1774位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1789位のシトシンがアデニンに置換している変異がある。当該第1789位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1813位のチミンがアデニンに置換している変異がある。当該第1813位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1876位のグアニンがアデニンに置換している変異がある。当該第1876位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第1956位のアデニンがグアニンに置換している変異がある。当該第1956位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2149位のチミンがアデニンに置換している変異がある。当該第2149位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2241位のシトシンがチミンに置換している変異がある。当該第2241位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2455位のグアニンがアデニンに置換している変異がある。当該第2455位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2487位のグアニンがアデニンに置換している変異がある。当該第2487位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2507位のチミンがシトシンに置換している変異がある。当該第2507位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2569位のチミンがシトシンに置換している変異がある。当該第2569位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2841位のシトシンがグアニンに置換している変異がある。当該第2841位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
また、ALDOA遺伝子の転写領域の第2902位のグアニンがアデニンに置換している変異がある。当該第2902位の塩基は、非翻訳領域に存在する塩基である。
本発明に係る妊孕性診断方法においては、特に、ALDOA遺伝子の転写領域の、第11位の塩基、第50位の塩基、第69位の塩基、第91位の塩基、第213位の塩基、第230位の塩基、第262位の塩基、第307位の塩基、第358位の塩基、第1599位の塩基、第1615位の塩基、第1648位の塩基、第1716位の塩基、第2118位の塩基、第2270位の塩基、第2299位の塩基、第2336位の塩基、第2383位の塩基、第2648位の塩基、第2684位の塩基、第2730位の塩基、及び第2732位の塩基からなる群より選択される1以上の塩基の変異の有無を検出することが好ましく、第262位の塩基から選択される変異の有無を検出することがより好ましい。より妊孕性との相関性が高いためである。また、本発明に係る妊孕性診断方法においては、上記の変異のうち、1種類の変異を検出するものであってもよく、複数種類の変異を検出するものであってもよい。
本発明に係る妊孕性診断方法は、これらの一塩基変異を、妊孕性の遺伝子マーカーとして用いるものである。たとえば、これらの塩基の変異が検出されなかった場合、検出工程に用いられた生体サンプルが回収された被験者は、妊孕性に問題がない可能性が高いと推定できる。また、被験者が不妊症患者である場合は、不妊症の原因が、ALDOA遺伝子の機能欠損以外のものによる可能性が高いと判定できる。一方、変異が検出された場合は、その被験者は、妊孕可能性が低いと推定される。また、被験者が不妊症患者であれば、その原因がALDOA遺伝子の欠損又は変異により、ALDOA分子の機能欠損による可能性が高いと判定できる。したがって、そのような被験者に対して、たとえばTESE−ICSI(Testicular sperm extraction−Intracytoplasmic sperm injection;精巣生検−顕微授精)等の適切な処置を施すことにより、早期に疾患を治癒することができる。すなわち、本発明に係る妊孕性診断方法は、妊孕可能性の推定及び不妊症の原因の同定を目的とした診断方法ともいえるものであり、該方法により、不妊症の診断を行う上で重要な情報が提供されるため、被験者に対して、現存の治療法の中から適格な選択を提示することができる。このため、本発明に係る妊孕性診断方法等は、低妊孕性又は不妊症の診断において好ましく用いることができる。
本発明に係る妊孕性診断方法において用いられる生体サンプルは、ヒトから採取されたものであって、ALDOA遺伝子由来の核酸やタンパク質を含有することが期待できるサンプルであれば、特に限定されるものではなく、たとえば、血液、血清、血漿、頬の内側等の粘膜、精液、精巣生検によって被験者から採取した精巣内の組織(例えば精細管)、精子細胞、精漿等を挙げることができる。ここで、ALDOA遺伝子由来の核酸とは、ALDOA遺伝子のゲノムDNAや、該遺伝子の転写産物であるmRNA等を意味する。また、ALDOA遺伝子由来のタンパク質とは、ALDOA遺伝子から発現されるタンパク質であるALDOA分子やその分解物等を意味する。特に、ALDOA遺伝子由来のタンパク質を検出対象とする場合には、生体サンプルとして、精液、精巣生検によって被験者から採取した精巣内の組織(例えば精細管)、精子細胞、精漿等を用いることが好ましい。精漿は、たとえ精子細胞を含んでいなくても、精子細胞が破壊等されることにより放出された、精子細胞で発現するタンパク質を含んでいると考えられている。
なお、生体サンプルを適宜希釈等することによりそのまま検出工程に用いてもよく、該生体サンプルから予め抽出したゲノムDNA等のDNAを用いてもよい。また、該生体サンプルからmRNA等のRNAを抽出した後、逆転写反応により該RNAから合成したcDNAを検出工程に用いてもよい。
本発明に係る妊孕性診断方法の検出工程において、ヒトALDOA遺伝子の欠損又は変異を検出する方法としては特に限定されず、遺伝子の変異や多型の検出等において用いられる公知の各種手法、たとえば、サンガー法を基礎とする塩基配列決定法、インベーダー法、Taqmanプローブ法、SMMD法(Simultaneous Multiple Mutation Detection System)、PCR−RFLP(polymerase chain reaction−restriction fragment length polymorphism)法、MASA法、及び塩基伸長法、並びにそれらを改変した方法等を用いることができる。検出感度及び精度に優れているため、インベーダー法やTaqmanプローブ法等のように、変異部位を特異的に認識する塩基配列を有するプローブやプライマーを用いて検出する方法であることが好ましい。
ヒトALDOA遺伝子の欠損又は変異を検出するためのプローブやプライマーは、ヒトALDOA遺伝子及びその周辺の塩基配列に基づき、常法により設計し、合成することができる。なお、ヒトALDOA遺伝子及びその周辺の塩基配列は、たとえばNCBIヒトゲノムリソース(NCBI Human Genome Resources: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/genome/guide/human/)等の公知のデータベースから当業者であれば容易に入手することができる。
たとえば、ゲノムDNAを用いて、ALDOA遺伝子の転写領域の第262位の塩基の変異の有無を検出するためのプライマー等としては、配列番号3で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドにおいて、101番目の塩基がグアニンからチミンに置換されており、当該101番目の塩基を含む10〜100の連続した塩基配列と、相同的又は相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドを用いることができる。また、当該第262位の塩基において、変異が生じていない野生型であることを検出するためのプライマー等として、同じく配列番号3で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、101番目の塩基を含む10〜100の連続した塩基配列と、相同的又は相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドを用いることができる。なお、配列番号3で表される塩基配列は、ALDOA遺伝子の部分塩基配列であって、101番目の塩基が、ALDOA遺伝子の転写領域の第262位の塩基に相当する。
一方、mRNAやこれから逆転写反応により得られるcDNAを用いて、ALDOA遺伝子の転写領域の第262位の塩基の変異の有無を検出するためのプライマー等としては、配列番号3で表される塩基配列の34〜201番目の塩基からなるポリヌクレオチドにおいて、101番目の塩基がグアニンからチミンに置換されており、当該101番目の塩基を含む10〜100の連続した塩基配列と、相同的又は相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドを用いることができる。なお、配列番号3で表される塩基配列の34番目の塩基以降が、翻訳領域である。
このように、上述する各変異の有無を検出するためのプライマー等としては、翻訳開始コドンのアデニンを第1位の塩基としたときに、ヒト野生型ALDOA遺伝子の転写領域の塩基配列(配列番号1で表される塩基配列)において、当該変異部位を含む10〜100の連続した塩基配列と、相同的又は相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドを、それぞれ用いることができる。これらのポリヌクレオチドの長さとしては、10〜70塩基長であることが好ましく、10〜50塩基長であることがより好ましく、10〜30塩基長であることがさらに好ましい。なお、変異の有無の検出精度が改善されるため、該ポリヌクレオチド中、当該変異部位の塩基と対合し得る塩基の位置は特に限定されるものではないが、3’末端から1〜5塩基以内にあることが好ましく、3’末端にあることがより好ましい。
なお、ヒトの妊孕性を診断するためのキットであって、ヒトALDOA遺伝子の欠損又は変異の有無を検出するための試薬を含んでいる妊孕性診断キットを用いることにより、本発明に係る妊孕性診断方法をより簡便に行うことができる。本発明に係る妊孕性診断キットとしては、翻訳開始コドンのアデニンを第1位の塩基としたときに、ヒトALDOA遺伝子の転写領域の、第−29位の塩基、第11位の塩基、第50位の塩基、第57位の塩基、第69位の塩基、第91位の塩基、第213位の塩基、第230位の塩基、第257位の塩基、第262位の塩基、第307位の塩基、第358位の塩基、第1452位の塩基、第1464位の塩基、第1490位の塩基、第1498位の塩基、第1533位の塩基、第1548位の塩基、第1552位の塩基、第1599位の塩基、第1615位の塩基、第1648位の塩基、第1716位の塩基、第1738位の塩基、第1761位の塩基、第1774位の塩基、第1789位の塩基、第1813位の塩基、第1825位の塩基、第1876位の塩基、第1904位の塩基、第1914位の塩基、第1956位の塩基、第1960位の塩基、第1961位の塩基、第2003位の塩基、第2043位の塩基、第2099位の塩基、第2118位の塩基、第2149位の塩基、第2205位の塩基、第2241位の塩基、第2242位の塩基、第2253位の塩基、第2265位の塩基、第2270位の塩基、第2299位の塩基、第2334位の塩基、第2336位の塩基、第2383位の塩基、第2412位の塩基、第2455位の塩基、第2487位の塩基、第2507位の塩基、第2511位の塩基、第2514位の塩基、第2524位の塩基、第2569位の塩基、第2648位の塩基、第2684位の塩基、第2730位の塩基、第2732位の塩基、第2841位の塩基、及び第2902位の塩基からなる群より選択される1以上の塩基の変異を検出するための試薬を含んでいることが好ましく、第11位の塩基、第50位の塩基、第69位の塩基、第91位の塩基、第213位の塩基、第230位の塩基、第262位の塩基、第307位の塩基、第358位の塩基、第1599位の塩基、第1615位の塩基、第1648位の塩基、第1716位の塩基、第2118位の塩基、第2270位の塩基、第2299位の塩基、第2336位の塩基、第2383位の塩基、第2648位の塩基、第2684位の塩基、第2730位の塩基、及び第2732位の塩基からなる群より選択される1以上の塩基の変異を検出するための試薬を含んでいることがより好ましく、第262位の塩基の変異を検出するための試薬を含んでいることがさらに好ましい。また、これらの変異のうちの、1種類の変異を検出するための試薬を含むキットであってもよく、複数種類の変異を検出するための試薬を含むキットであってもよい。
これらの塩基の変異を検出するための試薬としては、たとえば、当該塩基を含む核酸領域をPCR等により増幅させるためのプライマーの組と、得られた増幅産物の塩基配列を決定するための塩基配列決定試薬とを含んでいてもよい。該塩基配列決定試薬としては、たとえば、上述したヒト野生型ALDOA遺伝子の塩基配列又はその翻訳領域の塩基配列において、当該変異部位を含む10〜100の連続した塩基配列と、相同的又は相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドを、予め蛍光色素等により標識したハイブリダイゼーションプローブ等が挙げられる。その他、ヒトALDOA遺伝子の欠損又は変異を検出する方法がPCR−RFLP法である場合には、該RFLP法において用いられる制限酵素であってもよい。
また、本発明に係る妊孕性診断方法及び妊孕性診断キットは、ヒトALDOA遺伝子の機能欠損を引き起こす変異の有無を検出するものであれば、その態様は特に限定されるものではない。たとえば、上記妊孕性診断方法及び妊孕性診断キットは、被験者のヒトALDOA遺伝子に、該遺伝子の機能欠損を引き起こす変異が含まれていることを検出するものであってもよく、被験者のヒトALDOA遺伝子に、該遺伝子の機能欠損を引き起こす変異が含まれていないことを検出するものであってもよい。
より具体的には、一実施形態において、本発明に係る妊孕性診断方法及び妊孕性診断キットは、ヒトALDOA遺伝子内の領域のうち、上記の各変異部位(以下、「変異検出部位」という)の塩基を含む領域の塩基配列を決定することにより、上記の置換変異の有無を検出するものであってもよい。塩基配列の決定には、サンガー法やこれを応用した公知の各種手法を用いることができる。
この場合、妊孕性診断キットには、ヒトALDOA遺伝子の欠損又は変異の有無を検出するための試薬として、ヒトALDOA遺伝子の上記の変異検出部位を含む領域を増幅させるために、変異検出部位を挟むようにして設計されたプライマーの組が含まれることが好ましい。このプライマーの組には、より詳細には、ヒトALDOA遺伝子の変異検出部位よりも上流の塩基配列の一部または全部を有するプライマーと、ヒトALDOA遺伝子の変異検出部位よりも下流の塩基配列の一部又は全部と相補的な塩基配列を有するプライマーとが含まれる。
被験者から採取された生体サンプルに含まれるゲノムDNAを鋳型として上記のプライマーの組を用いてPCRを行うことにより、ヒトALDOA遺伝子の変異検出部位の塩基を含む領域がDNAフラグメントとして増幅され、さらに、上記のプライマーの組の一方又は両方のプライマーを用いて塩基配列の決定を行うことにより、置換変異の有無を確実かつ簡便に検出することができる。塩基配列の決定は、たとえば、ABI−PRISM 310 Genetic Analyzer(Applied Biosystems Inc.)等を取扱説明書に従って使用することにより、簡単に実施することができる。
また、DNAフラグメントの増幅のためのPCRに用いられるプライマーとは別のプライマーを、塩基配列の決定に用いられるプライマーとして用いてもよい。すなわち、妊孕性診断キットには、ヒトALDOA遺伝子の欠損又は変異の有無を検出するための試薬として、DNAフラグメントの増幅のためのプライマーの組と、塩基配列の決定に用いられるプライマーとを含んでいてもよい。
上記のDNAフラグメントの増幅のためのプライマーの組は、互いのプライマーによって挟まれる領域の長さが5kb以下であることが好ましく、3kb以下であることがより好ましく、2kb以下であることがさらに好ましく、1.5kb以下であることが特に好ましい。互いのプライマーによって挟まれる領域の長さを短くすることによって、上記の変異検出部位の塩基を含む領域の増幅を効果的に行うことができる。
また、塩基配列の決定に用いられるプライマーは、上記の変異検出部位の塩基から2kb以内の位置に設定されることが好ましく、1.5kb以内の位置に設定されることが好ましく、1.0kb以内の位置に設定されることがより好ましく、0.7kb以内の位置に設定されることが特に好ましい。上記の構成により、塩基配列の決定を正確に行うことができる。
さらに、塩基配列の決定に用いるプライマーは、上記の変異検出部位の塩基から20bp以上離れた位置に設定されることが好ましく、30bp以上離れた位置に設定されることがより好ましく、40bp以上離れた位置に設定されることがさらに好ましく、50bp以上離れた位置に設定されることが特に好ましい。また、上記プライマーの組は、ヒトALDOA遺伝子の変異検出部位の塩基を含む20bp以上の領域を増幅させるものであることが好ましい。プライマーの近傍は、塩基配列の決定結果が不正確になる傾向にあるが、上記の構成により、塩基配列の決定を正確に行うことができる。
なお、それぞれのプライマーは、ALDOA遺伝子又はその周辺と同一の塩基配列、或いは相補的な塩基配列を少なくとも10塩基以上有することが好ましく、15塩基以上有することがより好ましく、18塩基以上有することがさらに好ましく、20塩基以上有することが特に好ましい。ALDOA遺伝子又はその周辺と同一の(或いは相補的な)塩基配列の長さを長くすることにより、ALDOA遺伝子の各変異部位のうちの少なくとも一方を含む目的の領域のみを確実に増幅させることができる。
上記のプライマーの組としては、たとえば、配列番号4で表される塩基配列からなるプライマーと配列番号5で表される塩基配列からなるプライマーとからなる組、配列番号6で表される塩基配列からなるプライマーと配列番号9で表される塩基配列からなるプライマーとからなる組、または配列番号10で表される塩基配列からなるプライマーと配列番号11で表される塩基配列からなるプライマーとからなる組を用いることができるが、本発明に用いることのできるプライマーの塩基配列がこの配列に限定されないことはいうまでもない。ヒトALDOA遺伝子の塩基配列及びその周辺の塩基配列は、当業者であれば上述したヒトゲノムリソースやジェンバンク(GenBank)から容易に入手することができるので、入手した塩基配列を基に、Oligo(登録商標、National Bioscience Inc.)又はGENETYX(ソフトウェア開発)等を用いてプライマーを設計することができる。
各プライマーは、たとえばホスホロアミダイト法等の公知の方法によって合成することができ、たとえばApplied Biosystems Inc.の392型シンセサイザー等を取扱説明書に従って使用することによって簡単に合成することができる。
各プライマーは、たとえばホスホロアミダイト法等の公知の方法によって合成することができ、たとえばApplied Biosystems Inc.の392型シンセサイザー等を取扱説明書に従って使用することによって簡単に合成することができる。
なお、上記の各プライマーには、蛍光標識が付されていてもよい。プライマーに蛍光標識が付されている場合、ダイプライマー法によって、放射性同位元素を用いることなく増幅領域の塩基配列を決定することができる。
一方、各プライマーに蛍光標識が付されていない場合、ダイターミネータ法によって塩基配列を決定することができる。この場合、上記妊孕性診断キットには、上記のプライマーの組に加えて、A、T、G、Cの各単量体からなるデオキシリボ核酸、蛍光標識されA、T、G、Cの各単量体からなるジデオキシリボ核酸(所謂ダイターミネータ)、及びポリメラーゼ等がさらに含まれていてもよい。
一方、各プライマーに蛍光標識が付されていない場合、ダイターミネータ法によって塩基配列を決定することができる。この場合、上記妊孕性診断キットには、上記のプライマーの組に加えて、A、T、G、Cの各単量体からなるデオキシリボ核酸、蛍光標識されA、T、G、Cの各単量体からなるジデオキシリボ核酸(所謂ダイターミネータ)、及びポリメラーゼ等がさらに含まれていてもよい。
一実施形態において、本発明に係る妊孕性診断方法及び妊孕性診断キットは、ヒトALDOA遺伝子の上記の変異検出部位における塩基の置換変異の有無を、インベーダー法によって検出するものであってもよい。インベーダー法の詳細については、Lyamichevらによる論文(Lyamichev V et al., Nat biotechnol. 17, 292, 1999)に記載されており、本明細書ではこれを援用する。
図1は、インベーダー法の原理を説明する模式図である。インベーダー法では、非蛍光標識プローブのインベーダーオリゴ2及びアレルオリゴ3と、蛍光標識プローブのフレットプローブ5とが用いられる。
インベーダープローブ2は、ターゲット遺伝子1と相補的な塩基配列を有し、かつ、3’末端の塩基がターゲット遺伝子1の変異(又は一塩基多型)検出部位1aと対応するように設計される(いずれの塩基とも相補的な塩基ではない)。一方、アレルオリゴ3は、ターゲット遺伝子1とは無関係な塩基配列であるフラップ3bと、ターゲット遺伝子1と相補的な塩基配列を有し、かつ、5’末端の塩基がターゲット遺伝子1の変異(又は一塩基多型)検出部位1aに相補するように設計されたヌクレオチド3aとが連結したものである。ここで、フラップ3bは、ヌクレオチド3aの5’末端側に連結されている。
このように設計されたインベーダープローブ2とアレルオリゴ3をターゲット遺伝子1とハイブリダイゼーションさせると、ターゲット遺伝子1に対してアレルオリゴ3とインベーダープローブ2が重なり合った構造をとりながらハイブリダイズし、変異検出部位1aにおいてインベーダープローブ2がアレルオリゴ3の下に1塩基のみ侵入する。すると、フラップエンドヌクレアーゼ(「クリアベース(cleavase)」ともいう)4がこの侵入構造を認識し、アレルオリゴ3を重なった塩基の3’側で切断する。その結果、フラップ3bと変異検出部位とが連結したフラップ遊離体3cが生成される。
フレットプローブ5は、5’末端側が自身とハイブリダイゼーションでき、かつ、3’末端側がフラップ3bとハイブリダイゼーションできるヌクレオチド5aと、蛍光色素5bと、クエンチャー(発光抑制体)5cとからなる。ここで、ヌクレオチド5aは、 3’末端がフラップ遊離体3cと相補的な塩基配列となっている。また、蛍光色素5bは、ヌクレオチド5aの5’末端に結合している。ただし、フレットプローブ5においては、クエンチャー5cにより蛍光色素5bの蛍光が抑制されている。
このようなフレットプローブ5に対してフラップ遊離体3cがハイブリダイゼーションすると、フラップ遊離体3cの変異検出部位について、再び3進入構造が形成される。その結果、上述のフラップエンドヌクレアーゼ4がこの侵入構造を再び認識し、フレットプローブ5の5’末端部分が切断される。その結果、フレットプローブ5の5’末端に結合していた蛍光色素5bが遊離し、蛍光が生じる。
インベーダープローブ2は、ターゲット遺伝子1と相補的な塩基配列を有し、かつ、3’末端の塩基がターゲット遺伝子1の変異(又は一塩基多型)検出部位1aと対応するように設計される(いずれの塩基とも相補的な塩基ではない)。一方、アレルオリゴ3は、ターゲット遺伝子1とは無関係な塩基配列であるフラップ3bと、ターゲット遺伝子1と相補的な塩基配列を有し、かつ、5’末端の塩基がターゲット遺伝子1の変異(又は一塩基多型)検出部位1aに相補するように設計されたヌクレオチド3aとが連結したものである。ここで、フラップ3bは、ヌクレオチド3aの5’末端側に連結されている。
このように設計されたインベーダープローブ2とアレルオリゴ3をターゲット遺伝子1とハイブリダイゼーションさせると、ターゲット遺伝子1に対してアレルオリゴ3とインベーダープローブ2が重なり合った構造をとりながらハイブリダイズし、変異検出部位1aにおいてインベーダープローブ2がアレルオリゴ3の下に1塩基のみ侵入する。すると、フラップエンドヌクレアーゼ(「クリアベース(cleavase)」ともいう)4がこの侵入構造を認識し、アレルオリゴ3を重なった塩基の3’側で切断する。その結果、フラップ3bと変異検出部位とが連結したフラップ遊離体3cが生成される。
フレットプローブ5は、5’末端側が自身とハイブリダイゼーションでき、かつ、3’末端側がフラップ3bとハイブリダイゼーションできるヌクレオチド5aと、蛍光色素5bと、クエンチャー(発光抑制体)5cとからなる。ここで、ヌクレオチド5aは、 3’末端がフラップ遊離体3cと相補的な塩基配列となっている。また、蛍光色素5bは、ヌクレオチド5aの5’末端に結合している。ただし、フレットプローブ5においては、クエンチャー5cにより蛍光色素5bの蛍光が抑制されている。
このようなフレットプローブ5に対してフラップ遊離体3cがハイブリダイゼーションすると、フラップ遊離体3cの変異検出部位について、再び3進入構造が形成される。その結果、上述のフラップエンドヌクレアーゼ4がこの侵入構造を再び認識し、フレットプローブ5の5’末端部分が切断される。その結果、フレットプローブ5の5’末端に結合していた蛍光色素5bが遊離し、蛍光が生じる。
従って、本発明に係る妊孕性診断方法及び妊孕性診断キットは、ヒトALDOA遺伝子の欠損又は変異の有無をインベーダー法により検出するものであってもよい。この場合、妊孕性診断キットには、ヒトALDOA遺伝子の欠損又は変異の有無を検出するための試薬として、インベーダープローブ2、アレルオリゴ3及びフレットプローブ5等が含まれることが好ましい。
置換変異が有る場合に蛍光が生じるようにする場合には、インベーダープローブ2は、ヒトALDOA遺伝子と相補的な塩基配列を有し、かつ、3’末端の塩基が変異型ALDOA遺伝子の各変異型塩基と対応するように設計される(但し、相補的でない)。また、アレルオリゴ3のヌクレオチド3aは、ヒトALDOA遺伝子と相補的な塩基配列を有し、かつ、5’末端の塩基が変異型ALDOA遺伝子の上記の変異型塩基と相補するように設計される。そして、フレットプローブ5は、上記インベーダープローブ2及び上記アレルオリゴ3が変異型ALDOA遺伝子とハイブリダイズしてインベーダープローブ2による侵入構造が形成された場合にフラップエンドヌクレアーゼ4によって切断されるフラップ遊離体3cを検出できるように設計される。
上記の構成により、被験者のALDOA遺伝子において上記の塩基が変異型置換している場合は、ターゲット遺伝子にハイブリダイズしたヌクレオチド3aの5’末端にインベーダープローブ2の3’末端が侵入することにより、ヌクレオチド3cが切り出されて蛍光が生じる。一方、被験者のALDOA遺伝子が野生型である場合は、インベーダープローブ2の末端部分による侵入構造が形成されないのでヌクレオチド3cが切り出されないため蛍光が生じない。
上記の構成により、被験者のALDOA遺伝子において上記の塩基が変異型置換している場合は、ターゲット遺伝子にハイブリダイズしたヌクレオチド3aの5’末端にインベーダープローブ2の3’末端が侵入することにより、ヌクレオチド3cが切り出されて蛍光が生じる。一方、被験者のALDOA遺伝子が野生型である場合は、インベーダープローブ2の末端部分による侵入構造が形成されないのでヌクレオチド3cが切り出されないため蛍光が生じない。
また、上記の例では、被験者の有するALDOA遺伝子が置換変異型の場合に蛍光が生じる構成としたが、本発明はこれに限定されず、被験者の有するALDOA遺伝子が野生型の場合に蛍光が生じ、置換変異型の場合に蛍光が抑制される構成としてもよく、或いは野生型と変異型で異なった蛍光色素を使用するなど様々に改変することができる。
なお、上記の各方法において、ALDOA遺伝子のセンス鎖(コドンをコードする側の鎖)を調べることによって置換変異の有無を判定する構成について詳細に説明したが、アンチセンス鎖を調べることによっても同様に判定することができるのはいうまでもない。
なお、上記の各方法において、ALDOA遺伝子のセンス鎖(コドンをコードする側の鎖)を調べることによって置換変異の有無を判定する構成について詳細に説明したが、アンチセンス鎖を調べることによっても同様に判定することができるのはいうまでもない。
本発明に係る妊孕性診断方法及び妊孕性診断キットは、ヒトALDOA遺伝子の機能欠損を引き起こす変異の有無をタンパク質レベルで検出するものであってもよい。すなわち、本発明に係る検出方法及び妊孕性診断キットは、ヒトにおいて、正常なヒトALDOAタンパク質が発現しているか否かを判定するものであってもよく、異常なヒトALDOAタンパク質が発現しているか否かを判定するものであってもよい。ここで、正常タンパク質とは、ヒト野生型ALDOAポリペプチドであり、配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチドを意味する。一方、異常タンパク質とは、たとえば、ヒト野生型ALDOA遺伝子の翻訳領域の塩基配列からなるポリヌクレオチドにおいて、一塩基置換変異等の変異が生じているポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列であって、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドとは異なるポリペプチドを意味する。具体的には、配列番号2で表されるアミノ酸配列において、60番目のアルギニンがロイシンに置換されているアミノ酸配列からなるポリペプチド等が挙げられる。
なお、生体サンプル中に含まれているヒトALDOAタンパク質が正常タンパク質か異常タンパク質かを検出する方法としては、特に限定されるものではないが、たとえば、ヒトALDOAタンパク質の正常タンパク質と異常タンパク質のいずれか一方のみを認識する抗体を用いることにより、生体サンプル中に含まれているヒトALDOAタンパク質が正常タンパク質か異常タンパク質かを検出することができる。また、本発明に係る妊孕性診断キットに含まれるヒトALDOA遺伝子の欠損又は変異の有無を検出するための試薬として、ヒトALDOAの異常タンパク質と結合し、かつ、正常タンパク質と結合しないことを特徴とする抗体を用いてもよい。なお、このような抗体は、ヒトALDOAの異常タンパク質を抗原として、常法により作製したポリクローナル抗体やモノクローナル抗体の中から、ヒトALDOAの正常タンパク質と交差しないものを選択することにより、作製することができる。
このような抗体は、具体的には、上述した各変異のうち、アミノ酸の置換変異の発現タンパク質であるヒト変異型ALDOAポリペプチド又は変異部分を含むそのフラグメントを抗原として、実験動物を免疫処置することにより製造することができる(たとえば、Chow, M. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82: 910-914;Francis, M. J. et al., J. Gen. Virol. 66: 2347-2354 (1985)を参照のこと。)
一般的には、動物は遊離ペプチドによって免疫化することができる。ただし、遊離ペプチドを高分子キャリア(たとえば、ヒーホールリンペットヘモシアニン(KLH)または破傷風トキシド)にカップリングすることによって効率的に免疫化できるようになる場合もある。たとえば、システインを含有するペプチドは、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)のようなリンカーによってキャリアにカップリングすることができる。一方、他のペプチドは、グルタルアルデヒドのようなより一般的な連結剤を使用してキャリアにカップリングすることができる。
ウサギ、ラット及びマウスのような動物は、遊離ペプチドまたはキャリア−カップリングペプチドと、Freundのアジュバントとを含むエマルジョンを腹腔内及び/または皮内に注射することにより免疫化することができる。ELISAにより検出できる程度に有用な力価の抗ペプチド抗体を得るためには、約2週間の間隔で追加免疫注射を行うことが望ましい。
そして、免疫化された動物から血液を採取し、血清からIgG画分を抽出することにより抗体を得ることができる。また、抗体を公知の技術によって精製することにより、抗体の力価が向上する。
本発明に係る抗体は、上述したヒト変異型ALDOAポリペプチドに結合する一方で、ヒト野生型ALDOAポリペプチドには結合しないものである。それゆえ、上記の手順によって得られた抗体のうち、ヒト野生型ALDOAタンパク質と結合しないものを選出することによって、本発明に係る抗体を得ることができる。上記の選出を容易にするためには、動物に注射する抗原ペプチドとして、ヒト変異型ALDOAポリペプチドの変異部分とその周辺のアミノ酸配列からなる10残基程度のオリゴペプチドを選択することが望ましい。
一般的には、動物は遊離ペプチドによって免疫化することができる。ただし、遊離ペプチドを高分子キャリア(たとえば、ヒーホールリンペットヘモシアニン(KLH)または破傷風トキシド)にカップリングすることによって効率的に免疫化できるようになる場合もある。たとえば、システインを含有するペプチドは、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)のようなリンカーによってキャリアにカップリングすることができる。一方、他のペプチドは、グルタルアルデヒドのようなより一般的な連結剤を使用してキャリアにカップリングすることができる。
ウサギ、ラット及びマウスのような動物は、遊離ペプチドまたはキャリア−カップリングペプチドと、Freundのアジュバントとを含むエマルジョンを腹腔内及び/または皮内に注射することにより免疫化することができる。ELISAにより検出できる程度に有用な力価の抗ペプチド抗体を得るためには、約2週間の間隔で追加免疫注射を行うことが望ましい。
そして、免疫化された動物から血液を採取し、血清からIgG画分を抽出することにより抗体を得ることができる。また、抗体を公知の技術によって精製することにより、抗体の力価が向上する。
本発明に係る抗体は、上述したヒト変異型ALDOAポリペプチドに結合する一方で、ヒト野生型ALDOAポリペプチドには結合しないものである。それゆえ、上記の手順によって得られた抗体のうち、ヒト野生型ALDOAタンパク質と結合しないものを選出することによって、本発明に係る抗体を得ることができる。上記の選出を容易にするためには、動物に注射する抗原ペプチドとして、ヒト変異型ALDOAポリペプチドの変異部分とその周辺のアミノ酸配列からなる10残基程度のオリゴペプチドを選択することが望ましい。
このように、一実施形態において、本発明に係る妊孕性診断方法及び妊孕性診断キットは、上述した各変異のうち、第11位の塩基、第50位の塩基、第91位の塩基、第213位の塩基、第262位の塩基、第307位の塩基、第358位の塩基、第1599位の塩基、第1615位の塩基、第1648位の塩基、第1716位の塩基、第2118位の塩基、第2270位の塩基、第2299位の塩基、第2336位の塩基、第2383位の塩基、第2648位の塩基、第2684位の塩基、第2730位の塩基、及び第2732位の塩基の塩基からなる群の少なくとも一の塩基置換を含むヒト変異型ALDOA遺伝子によってコードされるヒト変異型ALDOAタンパク質と結合し、かつ、ヒト野生型ALDOAタンパク質と結合しない抗体を用いて、ヒトから採取された生体サンプル中にヒト変異型ALDOAタンパク質が発現しているかを判定するものであってもよい。
上記抗体を用いてヒト変異型ALDOAタンパク質が発現しているか否かを調べ、被験者においてヒト変異型ALDOAタンパク質が発現されていると判定された場合は、ヒトALDOA遺伝子に上述した置換変異が生じていることが強く示唆され、同時に、その被験者は、妊孕可能性が低い、あるいは不妊症の可能性が高いと推定することができる。また、被験者が不妊症の場合は、不妊症の原因がヒトALDOA遺伝子の異常に起因していると推定することができる。
上記抗体を用いてヒト変異型ALDOAタンパク質が発現しているか否かを調べ、被験者においてヒト変異型ALDOAタンパク質が発現されていると判定された場合は、ヒトALDOA遺伝子に上述した置換変異が生じていることが強く示唆され、同時に、その被験者は、妊孕可能性が低い、あるいは不妊症の可能性が高いと推定することができる。また、被験者が不妊症の場合は、不妊症の原因がヒトALDOA遺伝子の異常に起因していると推定することができる。
また、他の実施形態において、本発明に係る検出方法及び妊孕性診断キットは、ヒトにおいて正常なヒトALDOAタンパク質が発現しているか否かを判定するものであってもよく、正常なヒトALDOAタンパク質の発現量の多寡を判定するものであってもよい。
より具体的には、本発明に係る妊孕性診断方法の検出工程が、ヒト野生型ALDOAタンパク質と結合し、かつ、異常ヒトALDOAタンパク質と結合しないことを特徴とする抗体を用いることにより、生体サンプル中にヒト野生型ALDOAタンパク質が存在しているか否かを検出するものであってもよい。また、本発明に係る妊孕性診断キットに含まれるヒトALDOA遺伝子の欠損又は変異の有無を検出するための試薬として、ヒト野生型ALDOAタンパク質と結合し、かつ、異常タンパク質と結合しないことを特徴とする抗体(抗ALDOA抗体)を用いてもよい。
抗ALDOA抗体を用いてヒトALDOAタンパク質の発現の有無や発現量を調べ、被験者においてヒトALDOAタンパク質が発現していないと判定された場合や、ヒトALDOAタンパク質の発現量が遺伝子変異が生じていない被験者よりも少ないと判定された場合には、ヒトALDOA遺伝子が欠失または変異していることが示唆され、同時に、その被験者は、妊孕可能性が低い、あるいは不妊症の可能性が高いと推定することができる。また、被験者が不妊症の場合には、不妊症の原因が正常なヒトALDOAタンパク質が発現していないことによるものと推定することができる。
より具体的には、本発明に係る妊孕性診断方法の検出工程が、ヒト野生型ALDOAタンパク質と結合し、かつ、異常ヒトALDOAタンパク質と結合しないことを特徴とする抗体を用いることにより、生体サンプル中にヒト野生型ALDOAタンパク質が存在しているか否かを検出するものであってもよい。また、本発明に係る妊孕性診断キットに含まれるヒトALDOA遺伝子の欠損又は変異の有無を検出するための試薬として、ヒト野生型ALDOAタンパク質と結合し、かつ、異常タンパク質と結合しないことを特徴とする抗体(抗ALDOA抗体)を用いてもよい。
抗ALDOA抗体を用いてヒトALDOAタンパク質の発現の有無や発現量を調べ、被験者においてヒトALDOAタンパク質が発現していないと判定された場合や、ヒトALDOAタンパク質の発現量が遺伝子変異が生じていない被験者よりも少ないと判定された場合には、ヒトALDOA遺伝子が欠失または変異していることが示唆され、同時に、その被験者は、妊孕可能性が低い、あるいは不妊症の可能性が高いと推定することができる。また、被験者が不妊症の場合には、不妊症の原因が正常なヒトALDOAタンパク質が発現していないことによるものと推定することができる。
抗体を用いて、生体サンプル中のヒト野生型ALDOAタンパク質またはヒト変異型ALDOAタンパク質を検出する手法は、特に限定されず、公知のいずれの手法を用いてもよい。たとえば、ウェスタンブロッティング、ELISA(Enzyme−linked Immunosorbent Assay)等が挙げられる。
妊孕性診断キットがウェスタンブロッティングまたはELISAを利用する妊孕性診断方法に好適なキットである場合、妊孕性診断キットには、ヒトALDOA遺伝子の欠損又は変異の有無を検出するための試薬として、抗ヒト野生型ALDOAタンパク質抗体又は抗ヒト変異型ALDOA抗体に加えて、発色反応に必要なペルオキシダーゼ等の特異的酵素で標識した抗グロブリン抗体が含まれていてもよい。
妊孕性診断キットがウェスタンブロッティングまたはELISAを利用する妊孕性診断方法に好適なキットである場合、妊孕性診断キットには、ヒトALDOA遺伝子の欠損又は変異の有無を検出するための試薬として、抗ヒト野生型ALDOAタンパク質抗体又は抗ヒト変異型ALDOA抗体に加えて、発色反応に必要なペルオキシダーゼ等の特異的酵素で標識した抗グロブリン抗体が含まれていてもよい。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
[実施例1]
本実施例においては、ヒトALDOA遺伝子配列を解析し、ヒトALDOA遺伝子に男性不妊症に関連した変異の検出を行った。
[解析対象者]
非閉塞性不妊症の日本人男性被験者(N=760)を、精子形成の欠損の程度に基づいてサブグループに分割した。これらの不妊症被験者のうち、13%は非閉塞性無精子症であり、31%は重症精子過少症(<5×106細胞/mL)であり、33%が運動無力症であり、残り23%が形態的に異常のないものであった。遺伝的要因を調べたところ、これらの被験者は何れも原発性特発性不妊症であった(Birmingham A et al. Fertil Steril 2004; 9: 2313-2317)。コントロール群(N=325)は産婦人科医院にいる妊婦のもとに生まれた子供の父親であり、妊孕性が確認された男性とした。全ての提供者からは、サンプルがゲノムDNA解析に使用される旨のインフォームドコンセントを取得した(大阪大学病院泌尿器科)。
本実施例においては、ヒトALDOA遺伝子配列を解析し、ヒトALDOA遺伝子に男性不妊症に関連した変異の検出を行った。
[解析対象者]
非閉塞性不妊症の日本人男性被験者(N=760)を、精子形成の欠損の程度に基づいてサブグループに分割した。これらの不妊症被験者のうち、13%は非閉塞性無精子症であり、31%は重症精子過少症(<5×106細胞/mL)であり、33%が運動無力症であり、残り23%が形態的に異常のないものであった。遺伝的要因を調べたところ、これらの被験者は何れも原発性特発性不妊症であった(Birmingham A et al. Fertil Steril 2004; 9: 2313-2317)。コントロール群(N=325)は産婦人科医院にいる妊婦のもとに生まれた子供の父親であり、妊孕性が確認された男性とした。全ての提供者からは、サンプルがゲノムDNA解析に使用される旨のインフォームドコンセントを取得した(大阪大学病院泌尿器科)。
[変異スクリーニング]
以下の各工程では、特に断りがない限り、常法又はキットに添付されている取扱説明書に従って各処理を行った。
ゲノムDNAは、プロテアーゼ処理とフェノール抽出により血液サンプル又は精液サンプルから単離し調製した(Sambrook J et al., Isolation of DNA from Mammalian Cells. New York: Cold Spring Harbor Press. 1989: pp. 9.16-9.21)。血液由来ゲノムDNAはGenomiPhi(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)を用いて増幅したDNAを使用した。
ALDOA遺伝子のタンパク質をコードする翻訳領域を含むDNAを、表1に示したプライマーF及びプライマーRを用いて、表2に示したPCR反応条件に従って増幅した。
以下の各工程では、特に断りがない限り、常法又はキットに添付されている取扱説明書に従って各処理を行った。
ゲノムDNAは、プロテアーゼ処理とフェノール抽出により血液サンプル又は精液サンプルから単離し調製した(Sambrook J et al., Isolation of DNA from Mammalian Cells. New York: Cold Spring Harbor Press. 1989: pp. 9.16-9.21)。血液由来ゲノムDNAはGenomiPhi(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)を用いて増幅したDNAを使用した。
ALDOA遺伝子のタンパク質をコードする翻訳領域を含むDNAを、表1に示したプライマーF及びプライマーRを用いて、表2に示したPCR反応条件に従って増幅した。
得られたPCR増幅フラグメントを、AMPure(Agencourt Bioscience社製)にて精製した。この精製されたPCR増幅フラグメントを鋳型とし、それぞれのアンプリコンを増幅した際に使用したプライマーを用いて、シーケンシング反応を行った。具体的には、BigDye(登録商標)Terminator V3.1 Cycle Sequencing Kit(アプライドバイオシステムズ社製)を用いて行い、BigDye Xterminator(アプライドバイオシステムズ社製)にて精製した反応産物をABI−PRISM 3730xl Genetic Analyzer(アプライドバイオシステムズ社製)によって解析した。両方向の決定結果を比較し、塩基配列を決定した。
[シークエンス解析結果]
不妊症被験者及び妊孕性確認被験者のそれぞれについて、各プライマーFとR(F3とR6、F4とR5、F2とR3)で増幅されるアンプリコンの塩基配列を解析したところ、表3〜5に示すように、置換変異が合計79個検出された。
このうち、アミノ酸の変化を伴う置換変異は23個であり、このうちの20個は妊孕性確認被験者からは全く検出されなかった。この妊孕性確認被験者からは検出されなかった20個の置換変異うち、5個はホモ接合型であった。
一方、アミノ酸の変化を伴わない10個の塩基置換のうち、7個は妊孕性確認被験者には置換変異は全く検出されず、2個は妊孕者にも1人ずつ見出されたが不妊症被験者ではいずれも9人と比較的多かった。
さらに、塩基配列が決定できたエクソンに隣接する非翻訳領域の一部にも46個の置換変異が検出され、このうち35個は妊孕性確認被験者で置換変異が全く検出されなかった。この妊孕性確認被験者からは検出されなかった35個の置換変異うち、14個はホモ接合型であった。
以下、アミノ酸置換を伴う20個の置換変異(妊孕性被検者には検出されない)と、アミノ酸置換を伴わない9個の置換変異(2つで妊孕性被検者にも検出)、非翻訳領域に検出された14個のホモ接合型の置換変異(1つはヘテロ接合型も含む)、及び21個のヘテロ接合型の置換変異について、それぞれ説明する。
なお、以下、「第X番目の塩基」とは、配列番号1の塩基配列(ALDOA遺伝子の転写領域の部分領域)において、301番目のアデニンを第1位の塩基としたときの第X位の塩基を意味する。配列番号1の塩基配列の301番目のアデニンが、ALDOA遺伝子の翻訳開始コドンのアデニンに相当する。
不妊症被験者及び妊孕性確認被験者のそれぞれについて、各プライマーFとR(F3とR6、F4とR5、F2とR3)で増幅されるアンプリコンの塩基配列を解析したところ、表3〜5に示すように、置換変異が合計79個検出された。
このうち、アミノ酸の変化を伴う置換変異は23個であり、このうちの20個は妊孕性確認被験者からは全く検出されなかった。この妊孕性確認被験者からは検出されなかった20個の置換変異うち、5個はホモ接合型であった。
一方、アミノ酸の変化を伴わない10個の塩基置換のうち、7個は妊孕性確認被験者には置換変異は全く検出されず、2個は妊孕者にも1人ずつ見出されたが不妊症被験者ではいずれも9人と比較的多かった。
さらに、塩基配列が決定できたエクソンに隣接する非翻訳領域の一部にも46個の置換変異が検出され、このうち35個は妊孕性確認被験者で置換変異が全く検出されなかった。この妊孕性確認被験者からは検出されなかった35個の置換変異うち、14個はホモ接合型であった。
以下、アミノ酸置換を伴う20個の置換変異(妊孕性被検者には検出されない)と、アミノ酸置換を伴わない9個の置換変異(2つで妊孕性被検者にも検出)、非翻訳領域に検出された14個のホモ接合型の置換変異(1つはヘテロ接合型も含む)、及び21個のヘテロ接合型の置換変異について、それぞれ説明する。
なお、以下、「第X番目の塩基」とは、配列番号1の塩基配列(ALDOA遺伝子の転写領域の部分領域)において、301番目のアデニンを第1位の塩基としたときの第X位の塩基を意味する。配列番号1の塩基配列の301番目のアデニンが、ALDOA遺伝子の翻訳開始コドンのアデニンに相当する。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第11位のアデニンが片方のアレルにおいてシトシンに置換している被験者が、不妊症被験者748人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第4位のグルタミンがプロリンにコードされるようになる。この置換変異は、妊孕性確認被験者276人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第50位のシトシンが片方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者746人の中に2人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第17位のセリンがフェニルアラニンにコードされるようになる。この置換変異は、妊孕性確認被験者289人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第91位のシトシンが片方のアレルにおいてアデニンに置換している被験者が、不妊症被験者759人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第31位のロイシンがメチオニンにコードされるようになる。この置換変異は、妊孕性確認被験者293人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第213位のシトシンが片方のアレルにおいてグアニンに置換している被験者が、不妊症被験者752人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第44位のロイシンがバリンにコードされるようになる。この置換変異は、妊孕性確認被験者272人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第262位のグアニンが片方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者422人の中に36人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第60位のアルギニンがロイシンにコードされるようになる。この置換変異は、妊孕性確認被験者258人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第307位のグアニンが片方のアレルにおいてアデニンに置換している被験者が、不妊症被験者392人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第75位のグリシンがグルタミン酸にコードされるようになる。この置換変異は、妊孕性確認被験者240人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第358位のグアニンが片方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者133人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第92位のアルギニンがロイシンにコードされるようになる。この置換変異は、妊孕性確認被験者47人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第1599位のアデニンが片方のアレルにおいてグアニンに置換している被験者が、不妊症被験者706人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第139位のリジンがグルタミン酸にコードされるようになる。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第1615位のアデニンが片方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者706人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第144位のアスパラギン酸がバリンにコードされるようになる。この置換変異は、妊孕性確認被験者324人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第1648位のグアニンが両方のアレルにおいてアデニンに置換している被験者が、不妊症被験者702人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第115位のグリシンがグルタミン酸にコードされるようになる。この置換変異は、妊孕性確認被験者311人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第1716位のチミンが両方のアレルにおいてシトシンに置換している被験者が、不妊症被験者649人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第178位のシステインがアルギニンにコードされるようになる。この置換変異は、妊孕性確認被験者284人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第2118位のシトシンが片方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者698人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第203位のグルタミンをコードするコドンが、終止コドンになる。この置換変異は、妊孕性確認被験者299人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第2270位のチミンが片方のアレルにおいてシトシンに置換している被験者が、不妊症被験者709人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第217位のロイシンがプロリンにコードされるようになる。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第2299位のアデニンが両方のアレルにおいてグアニンに置換している被験者が、不妊症被験者709人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第227位のスレオニンがアラニンにコードされるようになる。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第2336位のシトシンが片方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者709人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第239位のアラニンがバリンにコードされるようになる。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第2383位のアデニンが片方のアレルにおいてシトシンに置換している被験者が、不妊症被験者707人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第255位のスレオニンがプロリンにコードされるようになる。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第2648位のシトシンが片方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者701人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第291位のプロリンがロイシンにコードされるようになる。この置換変異は、妊孕性確認被験者324人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第2684位のグアニンが両方のアレルにおいてアデニンに置換している被験者が、不妊症被験者680人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第303位のグリシンがアスパラギン酸にコードされるようになる。この置換変異は、妊孕性確認被験者317人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第2730位のグアニンが片方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者601人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第318位のリジンがアスパラギンにコードされるようになる。この置換変異は、妊孕性確認被験者261人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第2732位のアデニンが両方のアレルにおいてグアニンに置換している被験者が、不妊症被験者600人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第319位のグルタミン酸がグリシンにコードされるようになる。この置換変異は、妊孕性確認被験者261人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第57位のシトシンが片方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者754人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第19位のイソロイシンは変化しない。この置換変異は、妊孕性確認被験者293人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第69位のシトシンが片方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者745人の中に9人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第23位のイソロイシンは変化しない。この置換変異は、妊孕性確認被験者290人中に1人見出された。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第230位のシトシンが片方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者730人の中に9人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第49位のスレオニンは変化しない。この置換変異は、妊孕性確認被験者271人中に1人見出された。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第257位のシトシンが片方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者670人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第58位のフェニルアラニンは変化しない。この置換変異は、妊孕性確認被験者261人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第2099位のシトシンが片方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者680人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第196位のアスパラギン酸は変化しない。この置換変異は、妊孕性確認被験者292人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第2253位のチミンが片方のアレルにおいてアデニンに置換している被験者が、不妊症被験者709人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第211位のアラニンは変化しない。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第2265位のグアニンが片方のアレルにおいてアデニンに置換している被験者が、不妊症被験者709人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第215位のリジンは変化しない。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第2334位のチミンが片方のアレルにおいてシトシンに置換している被験者が、不妊症被験者709人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第238位のヒスチジンは変化しない。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の翻訳領域にある第2412位のチミンが片方のアレルにおいてシトシンに置換している被験者が、不妊症被験者703人の中に1人見出された。この塩基置換によって推定アミノ酸配列の第264位のアラニンは変化しない。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第1490位のアデニンが両方のアレルにおいてグアニンに置換している被験者が、不妊症被験者705人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第1761位のチミンが両方のアレルにおいてシトシンに置換している被験者が、不妊症被験者606人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者278人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第1825位のアデニンが両方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者617人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者279人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第1904位のアデニンが両方のアレルにおいてグアニンに置換している被験者が、不妊症被験者622人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者279人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第1914位のチミンが両方のアレルにおいてグアニンに置換している被験者が、不妊症被験者622人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者279人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第1960位のチミンが両方のアレルにおいてシトシンに置換している被験者が、不妊症被験者623人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者277人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第1961位のシトシンが両方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者623人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者277人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第2003位のグアニンが両方のアレルにおいてアデニンに置換している被験者が、不妊症被験者624人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者275人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第2043位のグアニンが両方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者623人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者274人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第2205位のシトシンが両方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者706人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第2242位のシトシンが片方のアレル、若しくは両方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者709人の中に1人ずつ見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第2511位のアデニンが両方のアレルにおいてグアニンに置換している被験者が、不妊症被験者703人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第2514位のアデニンが両方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者703人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第2524位のアデニンが両方のアレルにおいてグアニンに置換している被験者が、不妊症被験者703人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第−29位のグアニンが片方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者732人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者261人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第1452位のアデニンが片方のアレルにおいてグアニンに置換している被験者が、不妊症被験者700人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者323人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第1464位のシトシンが片方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者700人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者323人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第1498位のグアニンが片方のアレルにおいてアデニンに置換している被験者が、不妊症被験者705人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第1533位のアデニンが片方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者705人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第1548位のシトシンが片方のアレルにおいてアデニンに置換している被験者が、不妊症被験者706人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第1552位のシトシンが片方のアレルにおいてアデニンに置換している被験者が、不妊症被験者706人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第1738位のチミンが片方のアレルにおいてシトシンに置換している被験者が、不妊症被験者624人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者280人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第1774位のグアニンが片方のアレルにおいてアデニンに置換している被験者が、不妊症被験者606人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者280人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第1789位のシトシンが片方のアレルにおいてアデニンに置換している被験者が、不妊症被験者611人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者280人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第1813位のチミンが片方のアレルにおいてアデニンに置換している被験者が、不妊症被験者611人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者280人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第1876位のグアニンが片方のアレルにおいてアデニンに置換している被験者が、不妊症被験者620人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者279人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第1956位のアデニンが片方のアレルにおいてグアニンに置換している被験者が、不妊症被験者623人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者278人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第2149位のチミンが片方のアレルにおいてアデニンに置換している被験者が、不妊症被験者706人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者323人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第2241位のシトシンが片方のアレルにおいてチミンに置換している被験者が、不妊症被験者709人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第2455位のグアニンが片方のアレルにおいてアデニンに置換している被験者が、不妊症被験者699人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者322人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第2487位のグアニンが片方のアレルにおいてアデニンに置換している被験者が、不妊症被験者703人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第2507位のチミンが片方のアレルにおいてシトシンに置換している被験者が、不妊症被験者703人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第2569位のチミンが片方のアレルにおいてシトシンに置換している被験者が、不妊症被験者703人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者325人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第2841位のシトシンが片方のアレルにおいてグアニンに置換している被験者が、不妊症被験者496人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者207人には見出されなかった。
ALDOA遺伝子の非翻訳領域にある第2902位のグアニンが片方のアレルにおいてアデニンに置換している被験者が、不妊症被験者524人の中に1人見出された。この置換変異は、妊孕性確認被験者209人には見出されなかった。
これらの置換変異の中でも、特に、第262位の塩基の置換変異の出現率が高く、男性不妊症との相関性が高かった。
上記の置換変異が見出された被験者は、正常なALDOAのタンパク質の翻訳量が低減したことにより、ALDOAタンパク質の働きが不十分になって不妊症になったものと推測された。なお、妊孕性確認被験者では全く検出されなかったアミノ酸置換を伴わない置換変異(第−29位の塩基、第57位の塩基、第257位の塩基、第1452位の塩基、第1464位の塩基、第1490位の塩基、第1498位の塩基、第1533位の塩基、第1548位の塩基、第1552位の塩基、第1738位の塩基、第1761位の塩基、第1774位の塩基、第1789位の塩基、第1813位の塩基、第1825位の塩基、第1876位の塩基、第1904位の塩基、第1914位の塩基、第1956位の塩基、第1960位の塩基、第1961位の塩基、第2003位の塩基、第2043位の塩基、第2099位の塩基、第2144位の塩基、第2205位の塩基、第2241位の塩基、第2242位の塩基、第2253位の塩基、第2265位の塩基、第2334位の塩基、第2412位の塩基、第2455位の塩基、第2487位の塩基、第2507位の塩基、第2511位の塩基、第2514位の塩基、第2524位の塩基、第2569位の塩基、第2841位の塩基、及び第2902位の塩基の置換変異)は、転写産物の安定性や翻訳効率に影響を与えるか、或いは他の変異とリンクした変異である可能性がある。
本研究により、上記の置換変異以外にも一塩基多型がALDOA遺伝子内に見出されたが、これらの一塩基多型は、そのパターンが不妊症被験者と妊孕性確認被験者との間で有意な相違を見せず、特に妊孕性に影響を与えるものとは認められなかった。
本発明に係る妊孕性診断方法等を用いることにより、ヒトの妊孕可能性の推定や、不妊症の原因の同定を行うことができ、妊症の現象解明や治療法の確立並びに不妊症の診断に有用なツールが提供されるので、製薬分野や医療分野において本発明を好適に利用することができる。
1…ターゲット遺伝子、1a…変異(又は一塩基多型)検出部位、2…インベーダーオリゴ、3…アレルオリゴ、3a…ヌクレオチド、3b…フラップ、3c…フラップ遊離体、4…フラップエンドヌクレアーゼ、5…フレットプローブ、5a…ヌクレオチド、5b…蛍光色素、5c…クエンチャー(発光抑制体)。
Claims (11)
- ヒトから採取された生体サンプルを用いて、前記ヒトにおけるALDOA遺伝子の欠損又は変異の有無を検出する検出工程を有し、
前記検出工程において、翻訳開始コドンのアデニンを第1位の塩基としたときに、ヒトALDOA遺伝子の翻訳領域の、第−29位の塩基、第11位の塩基、第50位の塩基、第57位の塩基、第69位の塩基、第91位の塩基、第213位の塩基、第230位の塩基、第257位の塩基、第262位の塩基、第307位の塩基、第358位の塩基、第1452位の塩基、第1464位の塩基、第1490位の塩基、第1498位の塩基、第1533位の塩基、第1548位の塩基、第1552位の塩基、第1599位の塩基、第1615位の塩基、第1648位の塩基、第1716位の塩基、第1738位の塩基、第1761位の塩基、第1774位の塩基、第1789位の塩基、第1813位の塩基、第1825位の塩基、第1876位の塩基、第1904位の塩基、第1914位の塩基、第1956位の塩基、第1960位の塩基、第1961位の塩基、第2003位の塩基、第2043位の塩基、第2099位の塩基、第2118位の塩基、第2149位の塩基、第2205位の塩基、第2241位の塩基、第2242位の塩基、第2253位の塩基、第2265位の塩基、第2270位の塩基、第2299位の塩基、第2334位の塩基、第2336位の塩基、第2383位の塩基、第2412位の塩基、第2455位の塩基、第2487位の塩基、第2507位の塩基、第2511位の塩基、第2514位の塩基、第2524位の塩基、第2569位の塩基、第2648位の塩基、第2684位の塩基、第2730位の塩基、第2732位の塩基、第2841位の塩基、及び第2902位の塩基からなる群より選択される1以上の塩基の変異の有無を検出することを特徴とする、妊孕性診断方法。 - 前記検出工程において、翻訳開始コドンのアデニンを第1位の塩基としたときに、ヒトALDOA遺伝子の翻訳領域の、第11位の塩基、第50位の塩基、第69位の塩基、第91位の塩基、第213位の塩基、第230位の塩基、第262位の塩基、第307位の塩基、第358位の塩基、第1599位の塩基、第1615位の塩基、第1648位の塩基、第1716位の塩基、第2118位の塩基、第2270位の塩基、第2299位の塩基、第2336位の塩基、第2383位の塩基、第2648位の塩基、第2684位の塩基、第2730位の塩基、及び第2732位の塩基からなる群より選択される1以上の変異の有無を検出することを特徴とする請求項1記載の妊孕性診断方法。
- 前記検出工程において、翻訳開始コドンのアデニンを第1位の塩基としたときに、ヒトALDOA遺伝子の翻訳領域の第262位の塩基の変異の有無を検出することを特徴とする請求項1記載の妊孕性診断方法。
- 下記の(a)又は(b)の塩基配列からなることを特徴とするポリヌクレオチド。
(a)配列番号3で表される塩基配列において、101番目の塩基がグアニンからチミンに置換されており、当該101番目の塩基を含む10〜100の連続した塩基配列。
(b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列。 - 配列番号1で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドにおいて、第262位の塩基がチミンに置換された塩基配列からなることを特徴とするポリヌクレオチド。
- 請求項5に記載のポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチド。
- 請求項5に記載のポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドと結合し、かつ、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドと結合しないことを特徴とする抗体。
- ヒトから採取された生体サンプルを用いて、前記ヒトにおいて発現しているALDOAポリペプチドの変異の有無を、請求項7に記載の抗体によって検出する検出工程を有することを特徴とする、妊孕性診断方法。
- ヒトの妊孕性を診断するためのキットであって、ヒトALDOA遺伝子の欠損又は変異の有無を検出するための試薬を含んでいることを特徴とする妊孕性診断キット。
- 翻訳開始コドンのアデニンを第1位の塩基としたときに、ヒトALDOA遺伝子の翻訳領域の第−29位の塩基、第11位の塩基、第50位の塩基、第57位の塩基、第69位の塩基、第91位の塩基、第213位の塩基、第230位の塩基、第257位の塩基、第262位の塩基、第307位の塩基、第358位の塩基、第1452位の塩基、第1464位の塩基、第1490位の塩基、第1498位の塩基、第1533位の塩基、第1548位の塩基、第1552位の塩基、第1599位の塩基、第1615位の塩基、第1648位の塩基、第1716位の塩基、第1738位の塩基、第1761位の塩基、第1774位の塩基、第1789位の塩基、第1813位の塩基、第1825位の塩基、第1876位の塩基、第1904位の塩基、第1914位の塩基、第1956位の塩基、第1960位の塩基、第1961位の塩基、第2003位の塩基、第2043位の塩基、第2099位の塩基、第2118位の塩基、第2149位の塩基、第2205位の塩基、第2241位の塩基、第2242位の塩基、第2253位の塩基、第2265位の塩基、第2270位の塩基、第2299位の塩基、第2334位の塩基、第2336位の塩基、第2383位の塩基、第2412位の塩基、第2455位の塩基、第2487位の塩基、第2507位の塩基、第2511位の塩基、第2514位の塩基、第2524位の塩基、第2569位の塩基、第2648位の塩基、第2684位の塩基、第2730位の塩基、第2732位の塩基、第2841位の塩基、及び第2902位の塩基からなる群より選択される1以上の塩基の変異の有無を検出することを特徴とする請求項9記載の妊孕性診断キット。
- 前記試薬が、抗ALDOA抗体であることを特徴とする請求項10記載の妊孕性診断キット。
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