JP2010220520A - 畜肉フレーバー又は卵フレーバー様調味料の製造方法 - Google Patents

畜肉フレーバー又は卵フレーバー様調味料の製造方法 Download PDF

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博章 西内
Keiko Hondo
恵子 本道
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Abstract

【課題】畜肉フレーバー又は卵フレーバー様調味料の製造方法を提供すること。
【解決手段】γ―グルタミルシステインを乾燥酵母菌体あたり1%以上含有する酵母を原料として用い、該酵母の抽出物を用いることにより、品質に優れた畜肉フレーバー又は卵フレーバー様調味料、特にチキンフレーバー様調味料を生成することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、γ―グルタミルシステインを乾燥酵母あたり1%以上含有する酵母を原料として用い、該酵母の抽出分を用いることを特徴とする畜肉フレーバー又は卵フレーバー様調味料の製造方法に関する。
各種料理のベース素材として、畜肉エキス、魚介類エキス、野菜エキスなどの各種天然エキスが広く用いられている。これら、天然エキスは食品に複雑な味と幅を与える、「あつみ」及び「コク味」を与える、食品原料の味の不足を補うといった機能を有している。
これら天然エキスは、高価であるためグルタミン酸、核酸、有機酸などの低分子物質を主成分に、HVP(植物蛋白加水分解物)、HAP(動物蛋白加水分解物)等を加えた調味料で代替する検討が行われてきた。これら成分を組み合わせることにより、呈味はある程度再現可能であるものの、フレーバーを再現することは難しく、天然エキスが引き続き加工食品に使用されてきた。
しかしながら、平成13年に日本で初めてBSEが確認されて以降、ビーフエキスを配合した調味料の使用量が激減している。現状、この激減したビーフエキスの市場をチキンエキスなどのその他畜肉エキスで代替しているものの、近年発生例が報告されている鳥インフルエンザの状況を考慮すると、チキンエキスも安定供給に対するリスクが高まっている。また、鳥インフルエンザ発生時には、チキンエキスのみならず、卵の安定供給に関するリスクも生じると考えられる。卵はマヨネーズ等各種調味料の原料としても非常に多用されており、その代替物を検討することは非常に重要であると考えられる。この様な状況から、畜肉フレーバー又は卵フレーバー様調味料の製造方法、特にチキンフレーバー又は卵フレーバー様調味料にニーズがあると考えられる。
これまでに、畜肉フレーバー又は卵フレーバー様調味料として、いくつかの検討例が報告されている。例えば、糖とシステイン等を混合し、加熱することにより畜肉フレーバー様調味料が生成すると報告されている(特許文献1)。或いは、蛋白加水分解物とシステイン等を混合し、加熱することにより畜肉フレーバー様調味料が生成することも報告されている(特許文献2)。グルタチオン、システイン、グルタミルシステインなどの含硫化合物を一定量含有する酵母エキスに糖類や必要に応じてアミノ酸類を添加し、脂肪非存在下で加熱することにより、ローストミートフレーバー様調味料が生成することが報告されている(特許文献3)また、酸化型グルタチオンを用いることにより、食品に卵様風味を与えることができると報告されている(特許文献4)。
このように、グルタチオンやシステイン等の含硫化合物を糖類等と混合し、加熱することにより、畜肉フレーバー、特にローストフレーバー様調味料を生成する方法が様々報告されているが、いまだ、畜肉フレーバー又は卵フレーバーを再現するにはいたっておらず、品質向上の強い要望がある。
米国特許第2934437号 米国特許第3394015号 特開平4−66069号 特開2006−94809号
本発明は、畜肉フレーバー又は卵フレーバー様調味料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、γ―グルタミルシステインを乾燥酵母菌体あたり1%以上含有する酵母を原料として用い、該酵母の抽出物を用いることにより、品質に優れた畜肉フレーバー又は卵フレーバー様調味料、特にチキンフレーバー様調味料を生成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は以下のとおりである。
(1)γ−グルタミルシステインを乾燥酵母菌体あたり1%以上含有する酵母を原料として用い、該酵母の抽出物を用いることを特徴とする蓄肉フレーバー又は卵フレーバー様調味料の製造法
(2)前記発明(1)記載の畜肉フレーバー様調味料が、チキンフレーバー様調味料であることを特徴とする調味料の製造法
(3)γ―グルタミルシステイン乾燥酵母菌体あたり1%以上含有する酵母を原料として用い、該酵母の抽出物を鳥由来の抽出物と混合することを特徴とするチキンフレーバー様調味料の製造法
(4)前記発明(1)ないし(3)記載の製造方法によって得られる調味料を添加することを特徴とする食品の製造法
本発明の効果として、畜肉フレーバー又は卵フレーバー様調味料、特にチキンフレーバー様調味料の製造法が提供される。このような調味料は、各種畜肉エキスや卵の代替素材として、或いはそれらエキスと組み合わせることでそれらフレーバーを増強することができる。
まず、本発明に用いる酵母について説明する。本発明に用いる酵母は、γ―グルタミルシステインを乾燥酵母菌体あたり1%以上含有する酵母であれば特に制限されない。好ましくはγ―グルタミルシステインを1.5%以上含有する酵母、より好ましくは2.0%以上含有する酵母、更に好ましくは3.0%以上含有する酵母の場合に効果が顕著となる。コスト面からは、γ−グルタミルシステインの乾燥酵母菌体あたりの含有量に上限はなく、含有率の高いもののほうが好ましい。なお現在、乾燥酵母菌体あたり4%程度のものが報告されている。また、酵母の種類はパン酵母、ビール酵母、ワイン酵母、清酒酵母、ウイスキー酵母、焼酎酵母、トルラ酵母などを使用することができる。或いは、サッカロマイセス・セレビシエなどのサッカロマイセス属、シゾサッカロマイセス・ポンベなどのシゾサッカロマイセス属、キャンディダ・ユティリスなどのキャンディダ属と例示することができる。γ―グルタミルシステインを1%以上含有することが報告され、各種知見を有するサッカロマイセス・セレビシエやキャンディダ・ユティリスを用いることが工業化の観点から好ましい。また、γ―グルタミルシステインからのシステインの生成効率の観点から、菌体中のグルタチオン含量が低下した酵母、好ましくは乾燥酵母菌体あたり0.5%以下、より好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは菌体の生育とのバランスからグルタチオンを微量しか含有していない菌株を用いることが好ましい。このような菌株として、例えば、387位グリシン残基がアスパラギン酸残基に変異したグルタチオン合成酵素を有するサッカロマイセス・セレビシエ、54位のプロリン残基がロイシン残基に変異したグルタチオン合成酵素を有するサッカロマイセス・セレビシエなどを例示することができる。
上記のようにして得られる種酵母を好適な条件で培養して得られた酵母培養物は、γ―グルタミルシステインを含有する酵母菌体を含有する。酵母培養物からの酵母内容物の抽出は公知の方法を用いることができる。培養物からそのまま酵母内容物を抽出することもできるが、酵母培養物からγ―グルタミルシステインを含有する酵母菌体を一旦分離し、この菌体から内容物を抽出することができることは言うまでもない。酵母内容物の抽出条件は、γ―グルタミルシステイン又はシステインを著しく分解しない限り、特に制限されない。自己消化法、酵素添加法、熱水抽出法など公知の方法を用いることができる。抽出物固形分あたりのγ―グルタミルシステイン含量が高くなる熱水抽出法を用いることが好ましい。酵母内容物の抽出後は、抽出残渣を除去し、必要に応じて各種加工を行えばよい。濃縮し、液体のまま使用してもよいし、ペースト状にしてもよい。或いは、スプレードライ法、凍結乾燥法、フリーズドライ法、真空乾燥法、ドラムドライヤー法、バキュームドラムドライヤー法などの各種方法で粉末状にしてもよい。粉末化に際しては各種賦形剤を添加してもよい。デキストリン、乳糖、塩、グルタミン酸ナトリウム、ゼラチン、グラニュー糖などを例示することができる。
このようにして得られるγ―グルタミルシステインを乾燥酵母菌体当たり1%以上含有する酵母を原料として用い、該酵母の抽出物を各種食品や調味料に添加することにより、食品や調味料に畜肉フレーバー又は卵フレーバー様風味、特にチキンフレーバー様風味を加えることができる。食品や調味料は、本件発明の機能が発現される限り特に制限されない。食品や調味料の例として、調味料、スープ、レトルト食品、菓子など様々なものがある。スープとしては、チキンスープ、コンソメスープなどに代表される洋風スープ、サンラータンなどに代表される中華スープ、味噌汁などに代表される和風汁物が挙げられる。レトルト食品としては、シチュー、ハンバーグ、肉そぼろなどを例示することができる。調味料としては、かつおだし、中華だし、洋風だし、和風だし、固形コンソメ、液体コンソメ、顆粒風味調味料等のだし類、ドレッシング類、カレールウ、ハヤシルウ、シチューの素等のルウ類、中華あわせ調味料、から揚げ用味付け調味料などの調味料ミックスなどを例示することができる。また、各種畜肉エキス、特にチキンエキスの一部又は全部を代替する用途に使用できることは言うまでもなく、その際には各種エキスのエンハンス効果をも有することも言うまでもない。
次に、畜肉フレーバー様風味、特にチキンフレーバー様風味について説明する。前述したように、BSE問題の発生以降ビーフフレーバーを与えるビーフエキスの市場が激減しており、その一部はチキンエキスによって代替されている。このように、ビーフフレーバーとチキンフレーバーの風味は一部重なるところがあり、まとめて畜肉フレーバーと分類しえる。本発明でいう畜肉フレーバーとはビーフフレーバーやチキンフレーバー等に共通の部位を有する風味も意味する。更に、本発明を用いれば食品に畜肉フレーバーの中でも特にチキンフレーバー様の風味を与えることができ、本発明でいうチキンフレーバー様の風味とは共通の畜肉フレーバーにチキンフレーバー特有の風味を有する風味を意味する。
また、卵フレーバーとチキンフレーバーの関係についても説明する。例えば、市販の食用卵は鶏が産む無精卵であることからも理解できるように、チキンフレーバーと卵フレーバーは近い関係にある。事実、チキンエキスフレーバーや卵フレーバーにも含硫化合物が多いことが知られている。本発明においても、添加濃度や他の食品素材との組合せにおいて、チキンフレーバー様風味をより強く感じたり、卵風味をより強く感じることがある。一例として、これら2種類の風味は、次のようにして区別することもできる。通常は、本発明を用いることによりチキンフレーバー様風味を感じるが、後述する実施例に記載するホットケーキの系のように、香料を過度に加えることにより強い風味がある際には、チキンフレーバー様風味の一部がマスクされ、卵様フレーバー風味と感じることもある。
本発明の、γ―グルタミルシステインを乾燥酵母菌体あたり1%以上含有する酵母を原料として用いた該酵母の抽出物の食品や調味料への添加量は、畜肉フレーバー様又は卵フレーバー様風味、特にチキンフレーバー様風味を感じる範囲において特に制限されない。例えば、具体的には、本発明の固形分含量比として、食品や調味料の固形分に対し、0.01%〜10%とすることができる。好ましくは、0.01%〜5%、より好ましくは0.1〜5%、更に好ましくは0.4%〜4%と例示することができる。また、チキンフレーバー様風味のエンハンス効果を期待して、鳥由来の抽出成分、例えばチキンエキスなどが使用されている食品や調味料に用いる場合は、鳥由来の抽出成分の固形分に対し、0.1〜50%、好ましくは0.1〜15%、より好ましくは0.5〜15%、更に好ましくは1〜10%と例示することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。なお、本発明は以下実施例になんら限定されるものではない。
(実施例1 γ―グルタミルシステインを乾燥酵母菌体あたり1%以上含有する酵母を原料として用いた、該酵母の抽出物の調製)
γ―グルタミルシステインを乾燥酵母菌体あたり1%以上含有する酵母として、特開2008−61525に記載のAJ14800株及びAJ14892株を用いた。AJ14800株及びAJ14892株を各々前述の特許公報実施例3及び実施例4の方法と同様に、培養した。具体的には、AJ14800株は、YPD培地50ml(500ml容坂口フラスコ)に各々の菌株を1エーゼ植菌し、30℃、120rpmで振とう培養することによりプレシード培養を行った。次に、プレシード培養物5mlをYPD培地500ml(2Lバッフル付三角フラスコ)に植菌し、30℃、120rpmで48時間振とう培養することによりシード培養を行った。シード培養物200mlをメイン培地に植菌し、ミニジャー(容量5Lジャーに液量2L)を用いて以下の表1の条件で培養を行った。
Figure 2010220520
A区、B区、C区は各々別々にオートクレーブ殺菌(120℃20分)後、混合した。また、Yeast Extractは総窒素量が0.23g/dlになるように添加した。培養温度は30℃、通気量は1/1VVM、攪拌数は800rpmで培養を行った。糖フィード液として、46.7%(W/V)のグルコース液を用い、培養ブロスのpHが6.0になったらフィードを開始した。培養途中のpHは、糖フィード開始後、アンモニアガスを用いてpH6.0に制御した。糖フィード後3時間毎に培養液の吸光度(OD660nm)を測定し、0.2μg-グルコース/乾燥菌体重量(DCW)g/hrとなるようにグルコースを添加した。換算式としてDCW=0.22×OD660nmを使用した。AJ14892株は、AJ14800株と同様にして培養し、糖フィード条件のみ以下のように変更した。糖フィード液として60%グルコース溶液を用い、ブロスのpHが6.0になったときに糖フィードを開始した。糖フィード流量は、糖フィード開始0.5時間後までは20μl/min、5.9時間後までは75μl/min、それ以降は135μl/minに設定した。このようにして、酵母ブロスを調製した(この時のγ―グルタミルシステイン含量は、AJ14800株で約2%、AJ14892株で約4%であった。)。培養ブロスを各々遠心分離し、酵母菌体と培地成分を分離した。この遠心分離では、酵母菌体に付着母液として培地成分が含まれている。そこで、付着母液として菌体に付着している培地成分を除去する目的で、洗浄水を酵母菌体に添加し、懸濁した。この懸濁液を更に遠心分離し、培地成分(軽液)と酵母菌体(重液)に分離した。この操作を軽液のBrixが0.6になるまで繰り返した。次に、酵母菌体を約10g-DCW(乾燥酵母菌体重量)/dlの濃度になるように懸濁し、スターラーで攪拌しながら(酵母が沈殿しないレベルの攪拌速度)16℃で4時間保持した。その後、遠心分離により酵母菌体を回収した。この酵母菌体を約12g-DCW/dlの濃度になるように水に懸濁した。この酵母懸濁液を70℃で10分間加熱することにより酵母菌体より内容物を抽出した。遠心分離により、酵母菌体残渣と内容物を分離した。このようにして、γ−グルタミルシステインを含有する内容物を調製した。本内容物を120mmHgの減圧下で温度を50℃に制御して濃縮、約10時間後に固形分濃度約30%まで濃縮した。更に、塩酸を添加してpHを4.5に調製した濃縮液を90℃で約1時間保持し、γ―グルタミルシステインを乾燥酵母菌体当たり1%以上含有する酵母を原料として用いた該酵母の抽出物を各々調製した。AJ14892株由来の抽出物を抽出物A、AJ14800株由来の抽出物を抽出物Bとした。抽出物Aの固形分濃度は約35%、システイン含量は固形分あたり約4%であり、抽出物Bの固形分濃度は約35%、システイン含量は固形分あたり約2%であった。
(実施例2 抽出物Aの添加効果の検証:卵焼き系)
生卵Mサイズ30個、醤油1ml、みりん1mlを均一に混合し、約1500gの卵焼きのもとを調製し、各々150gずつに取り分けた(この時の、固形分濃度は23.6g/100gであった。)。この150gの卵焼きのもとに、抽出物Aを0.1%(150mg)〜2.5%(3.75g)の範囲で、各種濃度で添加し、半生になるようにフライパンでふんわりと焼き上げた。卵焼きのチキンフレーバー様風味を、専門のパネラー(10名)で採点法にて評価した。コントロールには、抽出物Aを添加しないで焼き上げた卵焼きを用いた。また評点は以下に従って採点した。
5点:非常に強いチキンフレーバー様風味を感じ、かつ官能的にも非常に好ましい
4点:強いチキンフレーバー様風味を感じ、かつ官能的にも非常に好ましい
3点:チキンフレーバー様風味を感じ、かつ官能的にも好ましい
2点:弱くチキンフレーバー様風味を感じ、コントロールよりは強く感じる。あるいは、チキンフレーバー様風味を感じるが、官能的に違和感を感じる
1点:チキンフレーバー様風味をあまり感じないが、コントロールよりは強く感じる
0点:無添加区(コントロール)
その時の平均評点の結果を表2に示す。
Figure 2010220520
表2に示すように、いずれの濃度範囲でもコントロールよりも強いチキンフレーバー様風味を感じたが、添加濃度1.0%近辺で最も好ましく感じた。
(実施例3 抽出物Aの添加効果の検証:肉野菜炒めの系)
まず、肉野菜炒めの食材として、以下のものを用意した。豚バラ肉450gを4cmの長さに切り、6等分した。もやし300gはざるにいれ水洗いし、水を切った後6等分した。キャベツ600gは、4cm四方の大きさにきり6等分した。赤ピーマン6個は、各々縦半分に切った後ヘタと種を取り除き、1.5cm幅に斜め切りし、6等分した。玉葱(小)1.5個を各々横半分に切った後、縦に1.5cm幅にきり、6等分した。
フライパンにサラダ油を小さじ1いれ、強火で熱し、豚肉を入れて炒めた。豚肉の色が変わったら、玉葱・もやしを加えて炒めあわせた。玉葱がしんなりとしたら、赤ピーマン、キャベツを加えてさっと炒めた。全体に油が回ったら、抽出物Aを加えて、混ぜ、酒をこさじ2加えた。塩(瀬戸のほんじお、味の素(株)製)60mg、こしょうを少々加えて手早く混ぜ合わせた。なお、1等分の食材の重量は約250gであり、その固形分濃度は23.2g/100gであった。1等分の食材に対し、抽出物Aを各々0.01〜2.5%の範囲で添加した。この時の畜肉フレーバー様風味を専門のパネラー(10名)で採点法にて評価した。コントロールには、抽出物Aを添加しないで炒めた肉野菜炒めを用いた。また評点は以下に従って採点した。
5点:非常に強い畜肉フレーバー様風味を感じ、かつ官能的にも非常に好ましい
4点:強い畜肉フレーバー様風味を感じ、かつ官能的にも非常に好ましい
3点:畜肉フレーバー様風味を感じ、かつ官能的にも好ましい
2点:弱く畜肉フレーバー様風味を感じ、コントロールよりは強く感じる。あるいは、畜肉フレーバー様風味を感じるが、官能的に違和感を感じる
1点:畜肉フレーバー様風味をあまり感じないが、コントロールよりは強く感じる
0点:無添加区(コントロール)
その時の平均評点の結果を表3に示す。
Figure 2010220520
表3に示すように、いずれの濃度範囲でもコントロールよりも強い畜肉フレーバー様風味を感じたが、添加濃度0.5%近辺が最も好ましい濃度であると考えられた。
(実施例4 抽出物Aの添加効果の検証:ホットケーキの系)
ホットケーキプレミックス(森永乳業(株)製)300g、生卵Mサイズ2個(約100g)、牛乳200gを混合し、100gずつに取り分けた(この時の固形分濃度は56g/100gであった)。この混合物100gに対し、抽出物Aを各々0.1〜1.0%の範囲で添加し、混合後、フライパンで焼き上げた。この時の卵フレーバー様風味を専門のパネラー(10名)で採点法にて評価した。コントロールには、抽出物Aを添加しないで焼き上げたホットケーキを用いた。また評点は以下に従って採点した。
5点:非常に強い卵フレーバー様風味を感じ、かつ官能的にも非常に好ましい
4点:強い卵フレーバー様風味を感じ、かつ官能的にも非常に好ましい
3点:卵フレーバー様風味を感じ、かつ官能的にも好ましい
2点:弱く卵フレーバー様風味を感じ、コントロールよりは強く感じる。あるいは、卵フレーバー様風味を感じるが、官能的に違和感を感じる
1点:卵フレーバー様風味をあまり感じないが、コントロールよりは強く感じる。
0点:無添加区(コントロール)
その時の平均評点の結果を表4に示す。
Figure 2010220520
表4に示すように、いずれの条件でも卵フレーバー様風味(特に、卵の黄身フレーバー様風味)を感じたが、0.5%の添加濃度のときが最も好ましかった。
(実施例5 抽出物Aの添加効果の検証:ガラスープの系)
市販ガラスープの素1.5g(固形分濃度は、98.5g/100g)に対し、抽出物Aを0.1%(1.5mg)〜2.5%(37.5mg)になるように各々添加し、各々100gのお湯に溶解させた。この時のチキンフレーバー様風味を、専門のパネラー(10名)で採点法にて評価した。コントロールには、抽出物Aを添加しないで調製したガラスープを用いた。また評点は以下に従って採点した。
5点:非常に強いチキンフレーバー様風味を感じ、かつ官能的にも非常に好ましい
4点:強いチキンフレーバー様風味を感じ、かつ官能的にも非常に好ましい
3点:チキンフレーバー様風味を感じ、かつ官能的にも好ましい
2点:弱くチキンフレーバー様風味を感じ、コントロールよりは強く感じる。あるいは、チキンフレーバー様風味を感じるが、官能的に違和感を感じる
1点:チキンフレーバー様風味をあまり感じないが、コントロールよりは強く感じる
0点:無添加区(コントロール)
その時の平均評点の結果を表5に示す。
Figure 2010220520
表5に示すように、いずれの濃度範囲でもコントロールよりも強いチキンフレーバー様風味を感じたが、添加濃度0.5〜1.0%近辺が最も好ましい濃度であると考えられた。
(実施例6 抽出物Bの添加効果の検証:卵焼きの系)
抽出物Bの添加効果を、実施例2と同様に卵焼きの系で検証した。まず、実施例2と同様にして、卵焼きのもと150gを準備した。この150gの卵焼きのもとに、抽出物Bを1.0%(1.5g)添加し、半生になるようにフライパンでふんわりと焼き上げた。卵焼きのチキンフレーバー様風味を、専門のパネラー(10名)で採点法にて評価した。コントロールには、抽出物Bを添加しないで焼き上げた卵焼きを用いた。また評点は実施例2と同じ基準で行った。その結果、平均評点は、4.2点であり、添加物Aと同様にチキンフレーバー様風味を感じるとの結果であった。
(実施例7 抽出物Aと他の素材との添加効果の比較:卵焼きの系)
抽出物Aの添加効果を、他の素材と比較した。実施例2と同様にして、卵焼きのもとを150gずつ準備した。この卵焼きのもとに、抽出物Aを1.5g(1%添加)、又はシステインを21mg(抽出物Aとほぼ同等のシステイン量となる)、又はグルタチオンを54mg(イオウ元素量でシステイン21mgとほぼ同等量となる)、又は市販汎用酵母エキス(「YEAST PASTE 73」、バイオスプリンガー社製)を530mg(抽出物Aとほぼ同等の固形分量となる)、又はグルタチオンを含有する酵母エキス(「スーパー酵母エキス」、味の素(株)製)を530mg(抽出物Aとほぼ同等の固形分量となる)、それぞれ添加し、実施例2と同様に半生になるようにふんわりと焼き上げた。これら5種類の卵焼きのチキンフレーバー様風味について、専門のパネラー(6名)による評価を行い、チキンフレーバー様風味が強いものから順位をつけ、順位法により総合評点をつけた。即ち、1位5点、2位4点、3位3点、4位2点、5位1点とし、6名のパネルの点数の合計を総合評点とした。結果を表6に示す。
Figure 2010220520
表6から明らかなように、抽出物Aのチキンフレーバー様風味がもっとも強かった。またTukey-KramerのHSD検定により総合評点の最も高い本発明品である抽出物Aと総合評点で2位のシステインの評点には有意水準5%で有意差が認められた。
(実施例8 抽出物Aと他の素材との添加効果の比較:ホットケーキの系)
抽出物Aの添加効果を酸化型グルタチオン(GSSG)と比較した。実施例4と同様にして、ホットケーキ用のミックスを100gずつ準備し、この100gに対し、抽出物Aを0.5g(0.5%添加)、又は酸化型グルタチオンを18mg(イオウ元素換算で、抽出物A中のシステインとほぼ同等量となる)添加し、混合後、フライパンで焼き上げた。この時の卵フレーバー様風味を専門のパネラー(12名)で2点嗜好法にて評価した。
その結果、12名中10名が抽出物Aを添加したホットケーキの卵フレーバー様風味が強いと評価した(有意水準5%で有意差あり。統計的官能検査法(佐藤信著、日科技連出版社、1985年初版、ISDN4−8171−9011−6)のp315記載「数表2 2点嗜好法の検定のための表」より)。
本発明によれば、畜肉フレーバー又は卵フレーバー様調味料を提供することができる。

Claims (4)

  1. γ−グルタミルシステインを乾燥酵母菌体あたり1%以上含有する酵母を原料として用い、該酵母の抽出物を用いることを特徴とする蓄肉フレーバー又は卵フレーバー様調味料の製造法
  2. 請求項1記載の畜肉フレーバー様調味料が、チキンフレーバー様調味料であることを特徴とする調味料の製造法
  3. γ―グルタミルシステインを乾燥酵母菌体あたり1%以上含有する酵母を原料として用い、該酵母の抽出物を鳥由来の抽出物と混合することを特徴とするチキンフレーバー様調味料の製造法
  4. 請求項1〜3記載の製造方法によって得られる調味料を添加することを特徴とする食品の製造法
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