JP2010218953A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】電力供給経路に設けられたダイオードの故障を検知する。
【解決手段】燃料電池2からトラクションモータ34に電力を供給する経路を接続または遮断するリレー35A,35Bと、上記経路のうちリレー35Aよりもトラクションモータ34側に設けられ、トラクションモータ34から燃料電池2への電流の流入を防止するダイオード36と、燃料電池2の電圧を検出する電圧センサVと、燃料電池システム1が起動されてからリレー35A,35Bによって上記経路が接続される前までの間に電圧センサVによって検出された第1の電圧が、上記経路が接続された直後に電圧センサVによって検出された第2の電圧よりも小さいか否かを判定し、第1の電圧が第2の電圧よりも小さいと判定した場合に、ダイオード36が短絡していると判定する制御部4と、を備える燃料電池システム1。
【選択図】図1
【解決手段】燃料電池2からトラクションモータ34に電力を供給する経路を接続または遮断するリレー35A,35Bと、上記経路のうちリレー35Aよりもトラクションモータ34側に設けられ、トラクションモータ34から燃料電池2への電流の流入を防止するダイオード36と、燃料電池2の電圧を検出する電圧センサVと、燃料電池システム1が起動されてからリレー35A,35Bによって上記経路が接続される前までの間に電圧センサVによって検出された第1の電圧が、上記経路が接続された直後に電圧センサVによって検出された第2の電圧よりも小さいか否かを判定し、第1の電圧が第2の電圧よりも小さいと判定した場合に、ダイオード36が短絡していると判定する制御部4と、を備える燃料電池システム1。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池システムに関する。
下記特許文献1には、燃料電池から駆動モータへの電力供給経路にリレーを設けた燃料電池システムが開示されている。この燃料電池システムでは、リレーをオフ状態にしてシステムを起動し、補機類の消費電力が安定してからリレーをオン状態にして燃料電池と駆動モータとを接続している。また、この燃料電池システムの電力供給経路には、駆動モータから燃料電池スタックへの電流の流入を防止するためのダイオードが設けられている。
ところで、電力供給経路に設けられたダイオードが短絡等により故障した場合には、駆動モータから燃料電池に電流が逆流し得るため、燃料電池に電流が流入して燃料電池のスタックが機能しなくなるおそれがある。
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、電力供給経路に設けられたダイオードの故障を検知可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る燃料電池システムは、複数の単セルが積層してなるセル積層体を有し、当該セル積層体に供給される酸化ガスと燃料ガスとの電気化学反応により電力を発生する燃料電池と、前記燃料電池から供給される電力を消費する電力消費装置と、前記燃料電池から前記電力消費装置に電力を供給する経路を接続または遮断するリレーと、前記経路のうち前記リレーよりも前記電力消費装置側に設けられ、前記電力消費装置から前記燃料電池への電流の流入を防止するダイオードと、前記セル積層体の電圧を検出する電圧検出部と、システムが起動されてから前記リレーによって前記経路が接続される前までの間に前記電圧検出部によって検出された第1の電圧が、前記リレーによって前記経路が接続された直後に前記電圧検出部によって検出された第2の電圧よりも小さいか否かを判定する電圧判定手段と、前記電圧判定手段によって前記第1の電圧が前記第2の電圧よりも小さいと判定された場合に、前記ダイオードが故障していると判定する故障判定手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、システム起動時に、燃料電池から電力消費装置に電力を供給する経路を接続する前の第1の電圧と接続後の第2の電圧とを検出し、接続後の第2の電圧が接続前の第1の電圧よりも上昇しているか否かを判定することができ、接続後の第2の電圧が接続前の第1の電圧よりも上昇している場合には、リレーよりも電力消費装置側に設けられているダイオードが故障していると判定することができる。
本発明によれば、電力供給経路に設けられたダイオードの故障を検知することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る燃料電池システムの好適な実施形態について説明する。本実施形態では、本発明に係る燃料電池システムを、燃料電池車両(FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)の車載発電システムとして用いた場合について説明する。なお、燃料電池車両以外の各種移動体(ロボット、船舶、航空機等)にも本発明に係る燃料電池システムを適用することができる。また、本発明に係る燃料電池システムを、建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用発電システムに適用することもできる。
まず、図1を参照して、実施形態における燃料電池システムの構成について説明する。図1は、実施形態における燃料電池システムを模式的に示した構成図である。
同図に示すように、燃料電池システム1は、反応ガスである酸化ガスおよび燃料ガスの供給を受けて電気化学反応により電力を発生する燃料電池2と、システムの電力を充放電する電力系3と、システム全体を統括制御する制御部4とを有する。
燃料電池2は、例えば、高分子電解質型の燃料電池であり、多数の単セルを積層してなるスタック(セル積層体)を有する。各単セルは、イオン交換膜からなる電解質膜の一方の面にカソード極を有し、他方の面にアノード極を有し、さらにカソード極およびアノード極を両側から挟み込むように一対のセパレータを有する構造となっている。この場合、一方のセパレータの水素ガス流路に水素ガスが供給され、他方のセパレータの酸化ガス流路に酸化ガスが供給され、これらの反応ガスが化学反応することで電力が発生する。燃料電池2には、燃料電池2の出力電圧を検出する電圧センサV(電圧検出部)が設けられている。
電力系3は、DC/DCコンバータ31と、二次電池であるバッテリ32と、トラクションインバータ33と、トラクションモータ34(電力消費装置)と、図示しない各種の補機インバータとを有する。燃料電池2からトラクションモータ34に電力を供給する経路(電力供給経路)には、当該経路を接続または遮断するリレー35A,35Bと、トラクションモータ34側から燃料電池2への電流の流入を防止するダイオード36と、が設けられている。リレー35Aは、燃料電池2の正極側をトラクションモータ34側に接続するリレーであり、リレー35Bは、燃料電池2の負極側をトラクションモータ34側に接続するリレーである。ダイオード36は、上記電力供給経路のうちリレー35Aよりもトラクションモータ34側に設けられている。なお、ダイオード36を、上記電力供給経路のうちリレー35Bよりもトラクションモータ34側に設けることとしてもよい。
DC/DCコンバータ31は、直流の電圧変換器であり、バッテリ32から入力された直流電圧を調整してトラクションインバータ33側に出力する機能と、燃料電池2またはトラクションモータ34から入力された直流電圧を調整してバッテリ32に出力する機能と、を有する。
バッテリ32は、バッテリセルが積層されて一定の高電圧を端子電圧とし、図示しないバッテリコンピュータの制御によって余剰電力を充電したり補助的に電力を供給したりすることが可能になっている。トラクションインバータ33は、直流電流を三相交流に変換し、トラクションモータ34に供給する。トラクションモータ34は、例えば三相交流モータであり、燃料電池システム1が搭載される燃料電池車両の主動力源を構成する。補機インバータは、各モータの駆動を制御する電動機制御部であり、直流電流を三相交流に変換して各モータに供給する。
制御部4は、燃料電池車両に設けられた加速操作部材(例えば、アクセル)の操作量を検出し、加速要求値(例えばトラクションモータ34等の電力消費装置からの要求発電量)等の制御情報を受けて、システム内の各種機器の動作を制御する。なお、電力消費装置には、トラクションモータ34の他に、例えば、燃料電池2を作動させるために必要な補機装置(例えばコンプレッサや燃料ポンプのモータ等)、車両の走行に関与する各種装置(変速機、車輪制御装置、操舵装置および懸架装置等)で使用されるアクチュエータ、乗員空間の空調装置(エアコン)、照明およびオーディオ等が含まれる。
制御部4は、物理的には、例えば、CPUと、メモリと、入出力インターフェースとを有する。メモリには、例えば、CPUで処理される制御プログラムや制御データを記憶するROMと、主として制御処理のための各種作業領域として使用されるRAMとが含まれる。これらの要素は、互いにバスを介して接続されている。入出力インターフェースには、電圧センサV等の各種センサが接続されているとともに、電力消費装置等を駆動させるための各種ドライバが接続されている。
CPUは、ROMに記憶された制御プログラムに従って、入出力インターフェースを介して各種センサでの検出結果を受信し、RAM内の各種データ等を用いて処理することで、後述する起動時短絡判定処理等を実行する。また、CPUは、入出力インターフェースを介して各種ドライバに制御信号を出力することにより、燃料電池システム1全体を制御する。
制御部4(電圧判定手段)は、システムが起動されてから、OFF状態のリレー35A,35BがON状態に切り換えられるまでの間に、電圧センサVによって検出された第1のFC電圧(第1の電圧)が、リレー35A,35BがON状態に切り換えられた直後に電圧センサVによって検出された第2のFC電圧(第2の電圧)よりも小さいか否かを判定する。すなわち、制御部4(電圧判定手段)は、システム起動時に、リレー35A,35BがOFF状態からON状態に切り換えられる前後の電圧を電圧センサVからそれぞれ取得し、その大小関係を判定する。
制御部4(故障判定手段)は、第1のFC電圧が第2のFC電圧よりも小さいと判定した場合、すなわち、電力供給経路が接続された後の第2の電圧が、接続前の第1の電圧よりも上昇した場合に、ダイオード36が短絡(故障)していると判定する。これは、システム起動時にリレー35A,35BをONする前後で、燃料電池2の出力電圧が上昇することがあれば、その上昇は、燃料電池2の起電力によるものではなく、燃料電池2に電流が流入したことによるものであると考えられるためである。
ここで、本実施形態における燃料電池システム1では、システム起動時に以下のような始動シーケンスを実行する。まず、イグニッションキーがONされると、燃料電池2への燃料ガスの供給のみが開始される。これにより、燃料電池2を酸化ガス不足の状態にすることができ、燃料電池2が発電できない状態で燃料ガス漏れの検査を行うことが可能になる。
続いて、燃料ガス漏れの検査が終了した後に、燃料電池2に酸化ガスの供給を開始するとともに、リレー35A,35BをOFFからONに切り替えて、燃料電池2からトラクションモータ34に電力を供給する経路を接続する。これにより、酸化ガスの供給に応じて燃料電池2の出力電圧が上昇する。なお、燃料電池2の出力電圧は、予め定められた高電位回避電圧以下に制限される。高電位回避電圧としては、例えば、燃料電池2のスタックの触媒がイオン化して溶出するおそれがある高電位状態を回避することができる電圧を設定することができる。
続いて、燃料電池2の出力電圧が高電位回避電圧にまで上昇すると、燃料電池2の発電が許可され、始動シーケンスが終了する。なお、酸化ガスの供給が開始されても、実際に燃料電池2のスタック内に酸化ガスが供給されるまでにはタイムラグが生ずるため、酸化ガスが供給されてから燃料電池2の出力電圧が上昇を開始するまでには時間を要する。したがって、システム起動時にリレー35A,35BをONにする直前直後の燃料電池2の出力電圧は通常であれば変動しない(通常は出力電圧がそれぞれ0となる)。それゆえに、システム起動時にリレー35A,35BをONにする前後で、燃料電池2の出力電圧が上昇した場合には、燃料電池2に電流が流入したことにより上昇したと判定することができる。つまり、ダイオード36が短絡していると判定することができる。
次に、図2に示すフローチャートを参照して、実施形態における燃料電池システムで実行される起動時短絡判定処理の流れについて説明する。
最初に、制御部4が、イグニッションキーがONされたことを検知する(ステップS101)と、制御部4は、電圧センサVで検出された電圧を、第1のFC電圧として取得する(ステップS102)。
続いて、制御部4は、リレー35A,35BをONさせる(ステップS103)とともに、リレー35A,35BがONされてから最初に電圧センサVで検出された電圧を、第2のFC電圧として取得する(ステップS104)。
続いて、制御部4は、第1のFC電圧が第2のFC電圧よりも小さいか否かを判定する(ステップS105)。この判定がYESである場合(ステップS105;YES)に、制御部4は、ダイオード36が短絡していると判定し(ステップS106)、燃料電池システム1を停止させる停止制御を実行する(ステップS107)。
一方、上記ステップS105の判定で、第1のFC電圧が第2のFC電圧以上であると判定された場合(ステップS105;NO)に、制御部4は、ダイオード36が正常であると判定し(ステップS108)、燃料電池システム1の通常運転制御を実行する(ステップS109)。
上述してきたように、本実施形態における燃料電池システム1によれば、燃料電池システム1起動時に、燃料電池2からトラクションモータ34に電力を供給する経路を接続する前の第1の電圧と接続後の第2の電圧とをそれぞれ検出し、接続後の第2の電圧が接続前の第1の電圧よりも上昇しているか否かを判定することができる。そして、接続後の第2の電圧が接続前の第1の電圧よりも上昇している場合には、リレー35Aよりもトラクションモータ34側に設けられているダイオード36が短絡していると判定することができる。これにより、ダイオード36が短絡している場合には、燃料電池システム1を停止させることができるため、燃料電池の劣化を防止することが可能となる。
なお、上述した実施形態における制御部4は、第1のFC電圧が第2のFC電圧よりも小さいときにダイオード36が短絡していると判定しているが、ダイオード36の短絡を判定する際の要件は、これに限定されない。例えば、第2のFC電圧から第1のFC電圧を減じた値が所定の閾値以上である場合に、ダイオード36が短絡していると判定することができる。これは、第2のFC電圧を検出するタイミングや、電圧の検出誤差等によっては、ダイオード36が正常に機能している場合であっても、第2のFC電圧が第1のFC電圧よりも大きくなることがあり得るためである。したがって、ダイオード36が正常である場合にリレーをONする前後で生じ得る電圧の上昇値を予め実験等により求めておき、その結果を考慮して閾値を設定し、第2のFC電圧と第1のFC電圧との間の電圧差が閾値以上である場合に、ダイオード36が短絡していると判定することで、ダイオード36の短絡をより確実に判定することが可能となる。
また、上述した実施形態では、第1のFC電圧および第2のFC電圧として電圧センサVの検出値を用いているが、これに限定されない。例えば、燃料電池2のセルごとに電圧センサを設け、その電圧センサの総計を第1のFC電圧および第2のFC電圧として用いることとしてもよい。
1…燃料電池システム、2…燃料電池、3…電力系、4…制御部、31…コンバータ、32…バッテリ、33…トラクションインバータ、34…トラクションモータ、35A,35B…リレー、36…ダイオード、V…電圧センサ。
Claims (1)
- 複数の単セルが積層してなるセル積層体を有し、当該セル積層体に供給される酸化ガスと燃料ガスとの電気化学反応により電力を発生する燃料電池と、
前記燃料電池から供給される電力を消費する電力消費装置と、
前記燃料電池から前記電力消費装置に電力を供給する経路を接続または遮断するリレーと、
前記経路のうち前記リレーよりも前記電力消費装置側に設けられ、前記電力消費装置から前記燃料電池への電流の流入を防止するダイオードと、
前記セル積層体の電圧を検出する電圧検出部と、
システムが起動されてから前記リレーによって前記経路が接続される前までの間に前記電圧検出部によって検出された第1の電圧が、前記リレーによって前記経路が接続された直後に前記電圧検出部によって検出された第2の電圧よりも小さいか否かを判定する電圧判定手段と、
前記電圧判定手段によって前記第1の電圧が前記第2の電圧よりも小さいと判定された場合に、前記ダイオードが故障していると判定する故障判定手段と、
を備えることを特徴とする燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009066296A JP2010218953A (ja) | 2009-03-18 | 2009-03-18 | 燃料電池システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009066296A JP2010218953A (ja) | 2009-03-18 | 2009-03-18 | 燃料電池システム |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105743140A (zh) * | 2014-12-08 | 2016-07-06 | 上海航天有线电厂有限公司 | 一种直流输出开关电路 |
JP2018098874A (ja) * | 2016-12-12 | 2018-06-21 | トヨタ自動車株式会社 | 駆動システムおよび車両 |
US10573909B2 (en) | 2016-10-26 | 2020-02-25 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Fuel cell system |
-
2009
- 2009-03-18 JP JP2009066296A patent/JP2010218953A/ja active Pending
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CN105743140A (zh) * | 2014-12-08 | 2016-07-06 | 上海航天有线电厂有限公司 | 一种直流输出开关电路 |
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