JP2010218921A - 導光板 - Google Patents

導光板 Download PDF

Info

Publication number
JP2010218921A
JP2010218921A JP2009065229A JP2009065229A JP2010218921A JP 2010218921 A JP2010218921 A JP 2010218921A JP 2009065229 A JP2009065229 A JP 2009065229A JP 2009065229 A JP2009065229 A JP 2009065229A JP 2010218921 A JP2010218921 A JP 2010218921A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light guide
guide plate
prism
light
angle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009065229A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4575504B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Wakita
浩幸 脇田
Toru Seo
透 瀬尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Plastics Inc filed Critical Mitsubishi Plastics Inc
Priority to JP2009065229A priority Critical patent/JP4575504B2/ja
Publication of JP2010218921A publication Critical patent/JP2010218921A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4575504B2 publication Critical patent/JP4575504B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Light Guides In General And Applications Therefor (AREA)
  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)

Abstract

【課題】冬場の入射光を室内に導光可能であって、室内を覗き見ることを防止できる、新たな導光板を提供せんとする。
【解決手段】板面が垂直となるように建物の開口部近傍に設置され、太陽光を屋内側奥方に導く導光板であって、透明樹脂板2の一側に、三角形状の単位プリズムが幅方向に連続して並設されてなる構成を有するプリズム面3を備え、当該プリズム面3を構成する単位プリズム3aの頂部角度が60°より大きく100°未満である導光板を提案する。
【選択図】図4

Description

本発明は、窓部やフェンス部の採光材や面材として好適に利用することができる導光板に関する。
昼光を利用して室内を明るくするために、窓の開口面積を大きくすることが行われる。しかし、開口面積を大きくすると、建物の耐震強度の低下やコストの増大を招くため、闇雲に開口面積を大きくすることはできない。しかも、開口面積を大きくすれば、夏場の室内の温度上昇や、冬場の断熱効果の減少を招く恐れがあるばかりか、外部から室内を覗かれる可能性も高くなる。
このような夏場の室内の温度上昇や冬場の断熱効果の減少を抑制し、かつ外部から室内を覗かれる状況を防止するために、窓部にはブラインドやカーテンが設置されるが、ブラインドやカーテンによって太陽光線等の入射光が遮断され、室内が暗くなるという問題がある。
また、窓板に曇ガラスを使用して表面を光拡散面とすることも行われるが、曇ガラスの場合、太陽の光を拡散させるのみで、光を部屋の奥に導光することはできない。
そこで例えば特許文献1には、微小なプリズム加工を施したプリズムシートを窓板に被覆することで、太陽光を好ましい方向、特に室内の奥に光を導くことができ、さらには、覗き見防止性能を付与するという提案が為されている。
特開平11−280350
しかし、特許文献1の提案では、水平正面からの覗き見は防止することが可能であるが、視線の角度を高さ方向に例えば2°以上変えただけで室内を覗き見ることが可能となるため、覗き見防止の観点からはふさわしくない。
他方、窓板と交差する角度が小さ過ぎると、太陽高度が低い冬場の入射光を遮ることになり、相反する問題が生じることになる。
そこで本発明は、冬場の入射光を室内に導光することが可能であって、しかも、水平正面から視線の角度を多少変えても室内を覗き見ることを防止することができる、新たな導光板を提供せんとするものである。
かかる課題に鑑みて、本発明は、板面が垂直となるように建物の開口部近傍に設置され、太陽光を屋内側奥方に導く導光板であって、透明樹脂板の一側に、三角形状の単位プリズムが幅方向に連続して並設されてなる構成を有するプリズム面を備え、当該プリズム面を構成する単位プリズムの頂部角度が60°より大きく100°未満である導光板を提案するものである。
このような構成を備えた導光板であれば、低角度からの入射光線をほぼ水平に室内に導光できるため、例えば本発明の導光板を窓に沿って垂直に設置すれば、特に冬場において、室内への入射角度をより水平近くにして、室内の奥方まで導くことができる。よって、光を取り込んで室内全体の照度を高めることができる。しかも、室外側から導光板を介して室内を見た場合、多少の視線の角度を上下に変えても室内を覗き見ることができない。また、正面からは全反射を起こすことにより、例えば窓部に入射する夜間の車のヘッドライト等を反射することが可能であり、不快な思いをすることがない。
以上のように、本発明の導光板は、建物に略垂直に設置される採光面材として特に好適であるが、窓材やフェンスの面材、バルコニーの面材、その他の採光材などとしても好適に利用することができる。
本発明の導光板の一例を示した縦断面図である。 本発明の導光板における単位プリズムの一例を示した拡大断面図である。 本発明の導光板の一例を示した部分断面斜視図である。 本発明の一例に係る導光板の設置例とその場合の機能例を説明するための断面図である。 実施例において、自動変角度計を用いて、透過角度及び覗き見防止角度を測定した方法の説明図である。 実施例1のサンプルシートを設置した場合に、夏場の太陽光(入射角度78°)が入射した際の透過光の角度及び導光距離について分かり易く示した説明図である。 実施例2のサンプルシートを設置した場合に、冬場の太陽光(入射角度31°)が入射した際の透過光の角度及び導光距離について分かり易く示した説明図である。
次に、実施形態に基づいて本発明を説明する。但し、以下に説明する実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明の範囲が以下の実施形態に制限されるものではない。
<本導光板の構成>
本実施形態の導光板(「本導光板」という)1は、図1−図4に示すように、透明樹脂板2の一側、例えば屋内側にプリズム面3を備え、透明樹脂板2の少なくとも一側、例えば屋外側に光線吸収層4を備えた板体乃至シート体である。但し、光線吸収層4は必ずしも備えてなくてもよい。
(透明樹脂板2)
透明樹脂板2の材料については、特に制限はない。一般に外装建材として使用されている透明樹脂を使用することができる。例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂等の透明な樹脂材料を使用することができる。これらを1又は2種以上混合してもよい。これらの樹脂の中で、透明性、耐熱性、耐衝撃性などの点で、ポリカーボネート系樹脂が好ましい。
ポリカーボネート系樹脂とは、主鎖中に炭酸エステル結合を含む線状高分子であり、例えば種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとをホスゲン法により反応させたり、ジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとをエステル交換法で反応させたりして得ることができる重合体などである。具体的には、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂を挙げることができるが、これに限るものではない。
ポリカーボネート系樹脂の分子量は特に制限するものではない。通常の押出成形によりシート成形可能な粘度平均分子量が1.5万〜3万程度のものが好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリレート、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
メタクリル系樹脂としては、メタクリル酸の各種エステルからなる重合体又は他の単量体との共重合体等が挙げられる。例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等の各種メタクリル酸エステルの単独重合体、及びこれらのメタクリル酸エステルと各種アクリル酸エステル、アクリル酸、スチレン、α−メチルスチレン等との共重合体等が挙げられる。
スチレン系樹脂としては、スチレン系単量体からなる重合体又はスチレン系単量体と共重合可能な単量体を用いた共重合体等が挙げられる。スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ベンゼン核の水素原子がハロゲン原子や炭素数1〜2のアルキル基で置換されたスチレン誘導体等があり、具体的には、スチレン、o−クロルスチレン、p−クロルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、t−ブチルスチレン等がある。また、共重合可能な単量体としては、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のアクリロニトリル系単量体や、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルブチル、(メタ)アクリル酸−β−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸や、これらの各種エステル類又は酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイミド等が挙げられる。
ポリ塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルの単独重合体、少量のコモノマーを共重合させた塩化ビニル系共重合体、グラフト共重合体等が挙げられる。これらと塩化ビニリデン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン等とのポリマーブレンドでもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィンの単独重合体又はα−オレフィンと他の共重合可能な単量体との共重合体等が挙げられる。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。このうち、密度が0.910〜0.935の低密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体、酢酸ビニル含量が30重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体が透明性及び耐候性に優れている。なかでも、酢酸ビニルの含量が5重量%〜30重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体は透明性、柔軟性及び耐候性が特に優れている。
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12、ナイロン−46等が挙げられる。
透明樹脂板2は、近赤外線を吸収する物質、例えばイオウ、硫黄系化合物、銅系化合物およびその他の近赤外線吸収物質のうちの一種又は2種以上を含有するものであってもよい。但し、含有しなくてもよい。
この際、イオウは、市販のイオウ粉末などを使用できる。例えば、鶴見化学(株)製(JIS2級相当品)のイオウ粉末などが挙げられる。
硫黄系化合物としては、硫化鉛、チオ尿素誘導体等が挙げられる。
銅系化合物としては、ステアリン酸銅 、硫化銅 、フタロシアニル銅等が挙げられる。
他の近赤外線吸収物質としては、六塩化タングステン、塩化スズ、クロム、コバルト錯塩、アントラキノン誘導体等が挙げられる。
このような近赤外線吸収物質の含有量は特に制限されるものではないが、透明樹脂100重量部に0.01〜6重量部を含有させるのが好ましい。含有量が0.01〜6重量部、好ましくは0.01〜2重量部、特に好ましくは0.01〜1重量部であれば、近赤外線領域の光線吸収性能に優れ、可視光線の透過率が高いものとなる。
また、透明樹脂板2は、本発明の効果を損なわない限度において、熱安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、蛍光増白剤、離型剤、アンチブロッキング剤(シリカ、架橋ポリスチレンビーズ等)、軟化材、帯電防止剤等の添加剤を含有していてもよい。
(プリズム面3)
プリズム面3は、図1−図4に示すように、透明樹脂板2の一側、例えば屋内側、すなわち導光板1に光線が入射する側とは反対側に設けられ、断面三角状で長尺な三角柱状の単位プリズム3aがその略垂直方向に連続して並設された構成を備えている。
単位プリズム3aは、その長さ方向と直交する断面にみて、二等辺三角形状を呈するのが好ましく、単位プリズム3aの頂部角度βが60°より大きく100°未満であることが重要である。
このような本導光板1を、図4に示すように、光線入射側とは反対側にプリズム面3を位置させ、且つ単位プリズム3aの長さ方向が略水平となるように、例えば板面が垂直となるように窓部の近傍に設置すれば、前記の如く単位プリズム3aの頂部角度βが60°より大きく100°未満であれば、低角度からの入射光線をほぼ水平に導くことができる。よって、冬場、太陽の角度が最も低くなった時(冬至)、部屋にほぼ水平に導光することができ、室内に光を取り込んで室内の照度を高めることができる。より具体的には、太陽の角度が最も低く冬至において、導光樹脂板に対して84°〜103°の光線を部屋の中に導光することができる。
また、覗き見防止性について考慮すると、導光樹脂板の正面から±1°〜±34°の範囲で覗き見を防止することが可能である。
かかる観点から、単位プリズム3aの頂部角度βは70〜100°未満であるのがさらに好ましく、中でも70〜90°であるのが特に好ましい。
単位プリズム3aの頂部は、図3に示すように、丸みを帯びていてもよい。導光板1に入射する光線の角度を曲げる導光性の点からすると、頂部の曲率半径はできるだけ小さい方が好ましい。かかる観点から、頂部の曲率半径Rは0mmより大きく0.5mm以下であるのが好ましく、特に0.3mm以下、中でも特に0.2mm以下であるのがさらに好ましい。
また、隣接する単位プリズム3a、3a間の間隔(プリズムピッチ)Lは0.4mm〜15mmであるのが好ましい。プリズムピッチが0.4mm未満になると、プリズムを賦形するための金型のピッチが増加するのに伴い、金型の製作に微細な加工が必要となるため、加工が行い難くなる。また、頂部に丸みを持たせる場合には、曲部(R部)の割合が大きくなるため導光性能が低下する可能性もある。他方、プリズムピッチが14mmを超えると、単位プリズム3a、3a間の溝が深くなり、導光板の強度が低下する可能性がある。
かかる観点から、プリズムピッチLは、1.0mm〜10.0mmであるのが特に好ましく、中でも特に2.0mm〜8.0mmであるのがさらに好ましい。
単位プリズム3aの高さHは、単位プリズム3aの頂部角度βとプリズムピッチLによって決定されるものであるが、0.3mm〜10mmであるのが好ましく、特に1.0mm〜6.7mmであるのが好ましく、中でも特に1.3mm〜5.5mmであるのがより好ましい。
(光線吸収層4)
光線吸収層4は、紫外線吸収層或いは熱線吸収層、又はこれらの両方を備えた層として形成することができる。
紫外線吸収層としては、透明樹脂に紫外線吸収物質を混合して形成することができる。
この際、透明樹脂としては、透明樹脂板2の材料として挙げた透明樹脂を使用することができる。中でも、接着性や界面での光散乱などを考慮すると、透明樹脂板2と同じ樹脂を使用するのが好ましい。
紫外線吸収物質としては、紫外線吸収性能を有すれば特に制限はなく、例えばベンゾトリアゾールやトリアジンなどを好適に使用できる。但し、これらに限定するものではない。
他方、熱線吸収層としては、透明樹脂に熱線吸収物質、すなわち近赤外線吸収物質又は赤外線吸収物質を混合して形成することができる。
この際、透明樹脂としては、透明樹脂板2の材料として挙げた透明樹脂を使用することができる。中でも、接着性や界面での光散乱などを考慮すると、透明樹脂板2と同じ樹脂を使用するのが好ましい。
熱線吸収物質としては、近赤外線吸収性能乃至赤外線吸収性能を有すれば特に制限はなく、例えばイオウ、硫黄系化合物、銅系化合物およびその他の近赤外線吸収物質のうちの一種又は2種以上を含有するものであってもよい。
この際、イオウは、市販のイオウ粉末などを使用できる。例えば、鶴見化学(株)製(JIS2級相当品)のイオウ
粉末などが挙げられる。
硫黄系化合物としては、硫化鉛、チオ尿素誘導体等が挙げられる。
銅系化合物としては、ステアリン酸銅 、硫化銅 、フタロシアニル銅等が挙げられる。
他の近赤外線吸収物質としては、六塩化タングステン、塩化スズ、クロム、コバルト錯塩、アントラキノン誘導体等が挙げられる。
このような近赤外線吸収物質の含有量は特に制限されるものではないが、透明樹脂100重量部に0.01〜6重量部を含有させるのが好ましい。含有量が0.01〜6重量部、好ましくは0.01〜2重量部、特に好ましくは0.01〜1重量部であれば、近赤外線領域の光線吸収性能に優れ、可視光線の透過率が高いものとなる。
(層構成)
透明樹脂板2および光線吸収層4の各層の厚みは、表面硬度、成形性に問題が無ければ制限するものではなく、厚み比も同様である。一般的には、透明樹脂板2の厚み(h)は1.8mm〜10.0mm、特に2.0mm〜8.0mm、中でも特に2.4mm〜7.0mmであるのが好ましく、光線吸収層4の厚みは10μm〜100μm、特に20μm〜70μm、中でも特に20μm〜40μmであるのが好ましい。
なお、本導光板1は、上述のように透明樹脂板2および光線吸収層4を備えていれば、他の層を備えていてもよい。
また、シート体の一面側にプリズム面3を備えたプリズムシートを透明樹脂板2とは別体として形成し、このプリズムシートを透明樹脂板2に積層するようにしてもよい。
さらに、光を拡散するための拡散材を積層することも可能である。例えば、プリズム面3の少なくとも一側、好ましくは屋内側に拡散材を積層することで、プリズム面3によって水平に室内に導かれる光による眩しさを軽減することができる。
この際、拡散材としては、光を拡散する機能を有するシート体であれば特に限定するものではない。例えば障子、不織布又は曇ガラスなどを挙げることができる。
<製造方法>
透明樹脂板2と光線吸収層4の積層方法としては、予めプリズム面3を賦形してなる透明樹脂板2に、光線吸収層4を備えたシートを積層するようにしてもよいし、また、透明樹脂板2を構成する樹脂(「透明樹脂板構成樹脂」という)と光線吸収層4を構成する樹脂(「紫外線吸収層構成樹脂」という)とを共押出しして積層した後、プリズム面3を賦形するようにしてもよい。
透明樹脂板構成樹脂と紫外線吸収層構成樹脂とを共押出する場合は、例えば、透明樹脂板構成樹脂を押出すメイン押出機と、紫外線吸収層構成樹脂を押出すサブ押出機(通常はメイン押出機より小型)とを使用するのが好ましい。
この際、透明樹脂板構成樹脂並びに紫外線吸収層構成樹脂の主成分樹脂としてポリカーボネート樹脂を使用する場合であれば、メイン押出機の温度条件は、通常250〜290℃、特に260〜280℃とするのが好ましく、サブ押出機の温度条件は、通常250〜290℃、特に260〜280℃とするのが好ましい。
樹脂中の異物を除去するために、押出機のTダイより上流側にポリマーフィルターを設置することが好ましい。
また、2種の溶融樹脂を共押出により積層する方法としては、フィードブロック方式、マルチマニホールド方式などの公知の方法を用いることができる。
フィードブロック方式の場合、フィードブロックで積層された溶融樹脂を、Tダイなどのシート成形ダイに導き、シート状に成形し後、表面を鏡面処理された成形ロール(ポリシングロール)に流入させてバンクを形成すると共に成形ロール通過中に鏡面仕上げと冷却を行い、積層体を形成することができる。
他方、マルチマニホールド方式の場合には、マルチマニホールドダイ内で積層された溶融樹脂を、上記同様にダイ内部でシート状に成形し後、成形ロールにて表面仕上げ及び冷却を行い、積層体を形成することができる。
ダイの温度としては、透明樹脂板構成樹脂並びに紫外線吸収層構成樹脂の主成分樹脂としてポリカーボネート樹脂を使用する場合であれば、通常230〜290℃、好ましくは250〜280℃であり、成形ロール温度としては、通常100〜190℃、好ましくは110〜180℃である。ロールは縦型ロールまたは、横型ロールを適宜使用することができる。
プリズム面3を賦形する方法としては、例えば、透明樹脂板2を押出成形する際に、或いは、透明樹脂板2と光線吸収層4の積層シートを共押出成形する際に、所定のプリズム面3を刻印できるように彫刻された金属ロールを、押し出された透明樹脂板2に押し当て冷却することによりプリズム面3を賦形することができる。
<用途>
本導光板1は、板面が垂直となるように建物の開口部近傍、例えば窓際に設置され、太陽光を屋内側奥方に導くことができる。この際、垂直とは、90°から前後±10°程度、好ましくは±5°程度傾いている場合も包含する。また、窓際とは、例えば窓の外側或いは内側、或いは窓に積層する場合を包含する。
よって、例えば建物の開口部に沿って或いはその屋外側に略垂直に立設状態に設置し、屋外側から屋内側に太陽光を導く導光板(採光材或いは面材)として使用することができる。
この際、光線入射側とは反対側にプリズム面3を位置させ、且つ単位プリズム3aの長さ方向が略水平方向と平行となるように配置すれば、冬場に、室内に光を取り込んで室内の照度を高めることができるように、本導光板1を透過する太陽光の出射角を制御することができる。特に冬場、太陽の角度が低くなると(冬至)、図4に示すように、部屋にほぼ水平に導くことができるから、室内に光を取り込んで室内の照度を高めることができる。
また、覗き見防止の観点からは、導光樹脂板の正面から±1°〜±34°の範囲で覗き見を防止することが可能である。
よって、本導光板1は、上記のように入射光線の角度を変えることができるから、例えば建物に略垂直に設置される採光面材、屋外に設置されるフェンス材の面材、窓際に設置される衝立の面材、バルコニーの面材、窓に貼着して使用する面材、その他の採光面材としても好適に利用することができる。
<用語の説明>
本明細書において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意であり、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意を包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であるのが好ましい」旨の意図も包含する。
以下、実施例に基づいて本発明について説明するが、これらの実施例に本発明が限定されるものではない。
<実施例1>
紫外線吸収層構成樹脂としての紫外線吸収剤含有ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製「パンライト5250ZS」)と、透明樹脂板構成樹脂としてのポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ノバレックス7027U」)を、それぞれ別々の押出機のホッパーに投入し、いずれも温度280℃で溶融し、次いで、マルチマニホールドダイを用いて共押出しした後、紫外線吸収層4のポリカーボネート樹脂の側を鏡面金属ロール側とし、反対面を、二等辺三角形、高さ508μmのプリズム形状に彫刻された金属ロールに接触させて、当該反対面にプリズム面3を付与して冷却固化して、プリズム面付き透明シート(サンプル)を得た。
プリズム面付き透明シートは、全厚さが2.5mm、紫外線吸収層/透明樹脂層の厚さ比が40/2460である2種2層構成であった。
また、形成されたプリズム面3は、断面二等辺三角形からなる三角柱状の単位プリズム3aがその幅方向に連続して並設されており、各単位プリズム3aは、頂部が丸みを帯びており、頂部角度β:80°、低角α、γ:50°、プリズムピッチL:1mm、単位プリズム3aの高さH:0.5mmであった。
<実施例2>
金属ロールに彫刻されたプリズム形状を変化させた以外は実施例1と同様にしてプリズム面付き透明シート(サンプル)を得た。
形成されたプリズム面3は、断面二等辺三角形からなる三角柱状の単位プリズム3aがその幅方向に連続して並設されており、各単位プリズム3aは、頂部が丸みを帯びており、頂部角度β:90°、低角α、γ:45°、プリズムピッチL:1mm、単位プリズム3aの高さH:0.5mmであった。
<実施例3>
金属ロールに彫刻されたプリズム形状を変化させた以外は実施例1と同様にしてプリズム面付き透明シート(サンプル)を得た。
形成されたプリズム面3は、断面二等辺三角形からなる三角柱状の単位プリズム3aがその幅方向に連続して並設されており、各単位プリズム3aは、頂部が丸みを帯びており、頂部角度β:70°、低角α、γ:55°、プリズムピッチL:0.4mm、単位プリズム3aの高さH:0.5mmであった。
<比較例1>
金属ロールに彫刻されたプリズム形状を変化させた以外は実施例1と同様にしてプリズム面付き透明シート(サンプル)を得た。
形成されたプリズム面3は、断面二等辺三角形からなる三角柱状の単位プリズム3aがその幅方向に連続して並設されており、各単位プリズム3aは、頂部が丸みを帯びており、頂部角度β:100°、低角α、γ:40°、プリズムピッチL:0.6mm、単位プリズム3aの高さH:0.5mmであった。
<比較例2>
金属ロールに彫刻されたプリズム形状を変化させた以外は実施例1と同様にしてプリズム面付き透明シート(サンプル)を得た。
形成されたプリズム面3は、断面二等辺三角形からなる三角柱状の単位プリズム3aがその幅方向に連続して並設されており、各単位プリズム3aは、頂部が丸みを帯びており、頂部角度β:60°、低角α、γ:60°、プリズムピッチL:0.3mm、単位プリズム3aの高さH:0.5mmであった。
<比較例3>
上記実施例1において、プリズム形状を付与しないシート(サンプル)を作製した。
すなわち、紫外線吸収層構成樹脂としての紫外線吸収剤含有ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製「パンライト5250ZS」)と、透明樹脂板構成樹脂としてのポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ノバレックス7027U」)を、それぞれ別々の押出機のホッパーにそれぞれ投入し、いずれも温度280℃で溶融し、次いで、マルチマニホールドダイを用いて共押出した後、2つの鏡面金属ロール間に通して冷却固化してシートを得た。
<光学性能測定試験>
上記実施例および比較例で得られたシート(サンプル)について、自動変角度計CR−200(村上色彩技術研究所)を使用し、冬の南中高度(入射角度31°)と夏の南中高度(入射角度78°)を想定し、各入射角度での透過角度、導光距離及び覗き見防止角度を次のようにして測定した。
なお、自動変角度計CR−200は、図5に示すように、光源が固定され、サンプルシート(プリズム板)及び受光機が稼動できるようになっている。
(1)透過角度及び導光距離の測定
実施例及び比較例で得られたプリズム面付き透明シート(サンプル、以下「サンプルシート」という)のプリズム側が受光機側になるように配置し、サンプルシートに対する入射角度(図5の角度X)が31°又は78°になるように設定した。
次に、受光機を回動させてピーク値が出る角度(図5の角度Z)を測定した。このピーク値が出る角度Zを透過角度とした。
他方、導光距離については、フェンス高さ1mと仮定し、前記の如く測定された透過角度に基づき導光距離を算出した(図6及び図7参照)。
(2)覗き見防止角度の測定
覗き見防止角度の測定は、光源に対して、サンプルシートを垂直に配置し、0°〜90°まで1°毎に回動させて固定した。受光機は、サンプルシートに対して0〜180°まで回動させて測定を実施した。その際、入射光に対して透過光が50%以上のピーク値が現れない角度を覗き見防止角度とした。
例えば覗き見防止角度が±17°の場合であれば、サンプルシートが0〜17°回動している間、透過光の50%に至るピーク値が測定されなかったことを示している。
<照度測定試験>
建物の壁面から屋外側に1m離れた位置に、窓ガラス(横960mm×縦1855mm、サッシ:横1000mm×2010mm、引き違いサッシ全体の幅:2055mm)の下面の高さと、サンプルシート(横910mm×縦1120mm)の下面の高さが同じとなり、且つプリズム面が室内側を向くように、実施例1及び比較例3で得られたサンプルシートを設置した。そして、2009年1月8日12:00(測定地点南中高度32.3°)の時点で、サンプルシートの入射側の照度、サンプルシートの透過側の照度、さらには、室内において、窓から0m、1m、2m、3m奥方に入った位置の床面から高さ0m及び1mでの照度を、照度計(ミノルタT−10)を用いて測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2010218921
Figure 2010218921
表1の結果から、実施例2と3においては、冬場に透過角度を89°から103°で部屋の中に導光することができ、比較例3と比較すると部屋の奥の照度を大きくすることが確認できる。また、覗き見防止角度は、±9°〜±25となり、覗き見の防止性能から十分であるといえる。しかしながら比較例1については、覗き見防止角度が±1°以下であり、覗き見防止性能が十分ではない。比較例2については、冬場において透過角度が大きくなりすぎ、十分な光量が得られなかった。
表2の結果から、比較例3では、部屋の1m〜2mまでは照度が高いのが確認できるが、実施例1では部屋の3mまで照度が高いのが確認できる。これにより、覗き見防止性能を確保しながら部屋の奥に光を導光していることが確認できた。
1 導光板
2 透明樹脂板
3 プリズム面
3a 単位プリズム
4 紫外線吸収層

Claims (10)

  1. 板面が垂直となるように建物の開口部近傍に設置され、太陽光を屋内側奥方に導く導光板であって、
    透明樹脂板の一側に、三角形状の単位プリズムが幅方向に連続して並設されてなる構成を有するプリズム面を備え、当該プリズム面を構成する単位プリズムの頂部角度が60°より大きく100°未満である導光板。
  2. プリズム面を構成する単位プリズムの頂部角度が70〜90°である請求項1に記載の導光板。
  3. プリズム面を構成する単位プリズムの頂部は丸みを帯び、且つ頂部の曲率半径が0mmより大きく0.5mm以下である請求項1又は2に記載の導光板。
  4. 隣接する単位プリズム間の頂点間隔が0.4mm〜15mmである請求項1〜3の何れかに記載の導光板。
  5. 透明樹脂板の少なくとも一側に紫外線吸収層を備えた請求項1〜4の何れかに記載の導光板。
  6. 拡散材を備えた請求項1〜5の何れかに記載の導光板。
  7. 拡散材が、障子、不織布又は曇ガラスである請求項6に記載の導光板。
  8. 屋外に設置されるフェンス材の面材として使用することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の導光板。
  9. 窓に貼着する面材として使用することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の導光板。
  10. 窓際に設置される衝立の面材として使用することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の導光板。

JP2009065229A 2009-03-17 2009-03-17 導光板 Active JP4575504B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009065229A JP4575504B2 (ja) 2009-03-17 2009-03-17 導光板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009065229A JP4575504B2 (ja) 2009-03-17 2009-03-17 導光板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010218921A true JP2010218921A (ja) 2010-09-30
JP4575504B2 JP4575504B2 (ja) 2010-11-04

Family

ID=42977522

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009065229A Active JP4575504B2 (ja) 2009-03-17 2009-03-17 導光板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4575504B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102011083112A1 (de) 2010-09-29 2012-04-26 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Bremsvorrichtung

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11280350A (ja) * 1998-03-31 1999-10-12 Sanyo Electric Co Ltd プリズム面を有する窓
JP2003157707A (ja) * 2001-11-20 2003-05-30 Nippon Tokushu Kogaku Jushi Kk 採光用光学素子及び採光装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11280350A (ja) * 1998-03-31 1999-10-12 Sanyo Electric Co Ltd プリズム面を有する窓
JP2003157707A (ja) * 2001-11-20 2003-05-30 Nippon Tokushu Kogaku Jushi Kk 採光用光学素子及び採光装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102011083112A1 (de) 2010-09-29 2012-04-26 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Bremsvorrichtung

Also Published As

Publication number Publication date
JP4575504B2 (ja) 2010-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6875499B1 (en) Light diffusing composites
JP5266082B2 (ja) 導光板
NZ530544A (en) Plastics article with low thermal conductivity, high light transmittance and absorption in the near infrared region
TWI601989B (zh) 導光體、導光體的製造方法、光閘以及面光源裝置
JP4575504B2 (ja) 導光板
JP6715584B2 (ja) 採光フィルム
JP5399792B2 (ja) 導光板
JP4537478B2 (ja) 導光板
US10119667B1 (en) Light-redirecting optical daylighting system
JP4246602B2 (ja) 光拡散板
JP5514616B2 (ja) 導光板
JP6153159B2 (ja) ポリカーボネート積層体、及び、屋根材
MX2007008853A (es) Panel permeable uv translucido que muestra propiedades para el reflejo de rayos infrarrojos.
JP2006289938A (ja) 光拡散性ポリカーボネート樹脂積層体およびその製造方法
JP6549088B2 (ja) 建材パネル、その製造方法および応用
KR102203684B1 (ko) 복합시트
JP4094164B2 (ja) ポリカーボネート樹脂製波板
KR100967133B1 (ko) 조명등용 눈부심방지판
KR20200085981A (ko) 열차단 및 흡음 복합 필름
JP2017211442A (ja) 光拡散部材および光拡散システム
JP2015116805A (ja) ポリカーボネート積層体、及び、屋根材
JP5405898B2 (ja) 屋根材及び簡易屋根
TW201908129A (zh) 層合鑲嵌玻璃、發光單元及製造層合鑲嵌玻璃之方法
JP3944663B2 (ja) 熱線遮蔽板
JPH0752335A (ja) 熱線遮蔽材

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100720

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100819

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4575504

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130827

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350