次に、発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る光走査装置100の構成について図を参照しながら説明する。図7は、本発明の実施形態に係る光走査装置100の構成の一例を示す図である。表2は、各素子間の距離を示す。図7に示すように、光走査装置100は、光源101と、光源101から、左斜め下60度の方向に順次配列された、カップリングレンズ102、アパーチャ部材103、線像形成レンズ104、及びポリゴンミラー105と、このポリゴンミラー105の+X側に順次配置された走査レンズ106、防塵ガラス107を経て感光ドラム110に集光される。ここで、走査レンズ106の対称軸に平行な光が進む方向をX軸方向とする座標系を定義し、以下、この座標系に基づく説明を行う。また、ポリゴンミラーの回転によって走査されるY軸方向を主走査方向とし、それと直交するZ軸方向を副走査方向とする。
前記光源101は、発光点が30μm間隔で2つ配置される波長659nmのLDアレイである。発散角は、発光点を水平に並べた場合、横方向が19deg(半値全角)、縦方向が9deg(半値全角)である。発光点が水平な状態では、感光体像面上に対し、副走査方向にビームが並んでしまうため、所望のビームピッチになるよう光源を光軸まわりに回転調整する必要がある。そこで、書込密度を1200dpiにするために、感光体上でのビーム間隔が21.1μmになるように、光源を光軸周りに回転調整するような機構が設ける。
図14に示すように、発光点が主走査方向に2つ横並びの状態から、2つの発光点の間を中心として76.15deg回転して配置する。
カップリングレンズ102は、ガラス製(屈折率1.6935)の焦点距離が27mmのレンズであり、光源101からの光ビームを射出側の焦点位置で略平行光束にカップリングする。
アパーチャ部材103は、Y軸方向(主走査方向)の大きさが3.0mm、Z軸方向(副走査方向)の大きさが2.34mmの矩形状又は楕円形状の開口を有し、この開口中心がカップリングレンズ102の焦点位置近傍に位置するように配置されている。
光源101から出射された光束は、アパーチャ部材103に入射するが、このとき、アパーチャ部材103に入射する光束径(ビームの最大強度の1/e^2の強度と規定)は、主走査方向8.89mm,副走査方向16.47mmであり、副走査方向に長い楕円形状になっている。アパーチャの開口部以外の光は、アパーチャによって遮光され、開口径のビームが線像形成レンズ104に入射する。
線像形成レンズ104は、ガラス製(屈折率1.5168)で焦点距離が93.3mmのシリンドリカルレンズであり、アパーチャ部材103を通過した光ビームを、ポリゴンミラー105の反射面近傍で副走査方向に関して結像させる。
ポリゴンミラー105は、上面が半径16mmの円に内接する正六角形の部材である。このポリゴンミラー105の6つの側面には偏向面が形成され、図示しない回転機構により、Z軸に平行な軸回りに一定の角速度で回転している。これにより、ポリゴンミラー105に入射した光ビームはY軸方向に偏向(走査)される。
走査レンズ106は、中心(光軸上)の肉厚が21.05mmの樹脂(屈折率1.530)によるモールド走査レンズであり、これらの光学面形状は、式(1)、及び式(2)で示される関数で表される。ここで、Yは光軸位置を原点とする主走査方向の座標であり、Rmはレンズの曲率半径であり、a00、a01、a02、・・・は主走査形状の非球面係数であり、RS0は副走査方向の光軸上の曲率であり、b00、b01、b02、・・・は副走査形状の非球面係数である。また、各係数の値は表1に示される通りである。走査レンズの第一面の副走査方向は、レンズ高さによらず曲率一定としている。
図8(a)は、式(1)で示される、走査レンズ106の主走査方向曲率のレンズ高さごとの関数Cm(Y)を示しており、図8(a)に点線で示される曲線は入射面の光学面形状を示し、実線で示される曲線は出射面の光学面形状を示している。図8(b)は、式(2)で示される、走査レンズ16の主走査方向曲率のレンズ高さごとの関数Cs(Y)を示しており、図8(b)に点線で示される曲線は入射面の光学面形状を示し、実線で示される曲線は出射面の光学面形状を示している。図9に走査レンズの主走査面形状を示す。ここで、縦軸は光軸方向の座標X、横軸はレンズ高さを示し、光軸は、式(2)において、Y=0としたときの副走査方向において、中央の点を通る軸とする。
なお、図7に示される各素子間の光学的距離及び各素子の光軸方向の大きさは表2に示される通りであり、光走査装置100に含まれる。防塵ガラス107は屈折率1.530のガラス製である。
光学系全体での副走査方向の横倍率は−6.07倍、ポリゴンミラー105より被走査面側の光学系のみの副走査倍率は−1.63倍となっている。
光走査装置100では、被走査面上でのビームスポット径の目標値として、主走査方向で55μm、副走査方向で65μmに設定されている。また、書込み領域は、図7に示される点Oを中心として、主走査方向(Y軸方向)へ±110mmの範囲となっており、この範囲を走査するときのポリゴンミラー15の回転角は39.2度で、画角は78.4度となっている。なお、点Oは、図7において、ポリゴンミラー105の回転中心を通りX軸に平行な直線と感光ドラム110の被走査面が交わる点である。
図10は、走査レンズ106の形状を示している。入射面のレンズ面の有効径は87.6mmで、出射面の有効径は93.0mmであり、それぞれ光軸から±43.8mm、±46.5mmと対称になっている。レンズ外形は111.0mmで、光軸から±55.5mmと対称形状である。入射面のみ、走査有効領域内のレンズ面形状、及び外形が光軸に対し、主走査、副走査とも対称な形状となっている。外形も含めて対称な形状とすることで、波面収差が小さくなるよう金型を反転して使用することができる。入射面が光軸に対して対称であることから、この図で示す光軸は外形形状の主走査方向の中心と一致する。
なお、レンズを通る光束は、図7における光軸に対し、+Y方向のレンズ面は41.4mm、−Y方向は39.8mmと、+Y方向の方が大きく、走査有効領域内のレンズ面を大きくする必要である。また金型を反転させてレンズを成型する可能性があるため、走査有効領域内のレンズ面は光軸に対し主走査方向、副走査方向共に対称になっている。一方、出射面は表1からわかるとおり非対称面である。本実施形態では出射面の走査有効範囲は光軸に対し対称になっているが、光が通る領域に合わせて有効範囲を設定し、有効範囲を光軸に対し非対称としても良い。
上記の構成における特徴づける主なものは以下の4つである。(1)アパーチャ部材に入射する光束は、主走査方向の幅が副走査方向の幅より小さい。(2)アパーチャ部材の開口部は、主走査方向の幅より副走査方向の幅より大きい。(3)走査レンズ1面は主走査/副走査方向共、走査有効領域内のレンズ面形状及び外形形状がレンズ光軸に対して対称である。(4)走査レンズの1面の走査有効領域内のレンズ面形状は、光軸に対し、主走査方向に非対称である。
上記の4つが同時に成り立つことにより、副走査方向のビームスポット径を小さくすることができる。以下で、その理由を示す。
まず、アパーチャ形状と発散角の影響について説明する。光源として半導体レーザを用いた場合、半導体レーザからの射出光束の光強度分布はだいたい「ガウシアン分布」に従っており、また、光束の発散角が半導体の接合面に水平な方向と直交する方向で互いに異なり、遠視野像は楕円形状となる。ガウシアン形の強度分布を有する半導体レーザを光源に用いた場合、被走査面(実体的には感光体表面)の光スポットの強度分布もだいたいガウシアン分布となる。
光源の発散角が主走査よりも副走査方向で大きく、縦長のビームがアパーチャに入射する場合、走査レンズの副走査の加工誤差によるビームスポット径ばらつきの影響が大きくなる。その理由を以下に示す。
図1(a)、(b)は、光源からの出射ビームをガウシアン分布としたときの、ビーム分布と、それに対応するアパーチャ、それに対応した感光体像面上でのビームプロファイルを示す。
図1(a)は、光源からの発散角が主走査方向に大きい場合のアパーチャ部材上での副走査方向についてのビームプロファイルを示す図である。この図は、縦軸がビームの強度を示しており、副走査方向についてのビームの強度分布を示している。このとき、図1(a)左上に示すように、ビームはアパーチャに対し横長に入射する。同様に、図1(b)は、光源からの発散角が副走査方向に長い場合のアパーチャ部材上での副走査方向についてのビームプロファイルを示す図である。このとき、図1(b)左上に示すように、ビームはアパーチャに対し光は縦長に入射する。
アパーチャを通過する光束径は、発散角によらずアパーチャ部材の開口径によって決まるが、感光体像面上でのアパーチャ部材に入射を通過する光束のビームプロファイルは飛散角により異なる。感光体像面上でのビームプロファイルを図2(a)、(b)に示す。図2(a)、(b)は、図1(a)、(b)の場合の感光体像面上でのビームプロファイルである。
図2(a)、(b)を比較すると、アパーチャ部材に対して縦長に入射する光束のほう、図2(b)の方が、サイドローブが大きくなってしまう。図2(a)よりも、図2(b)のように、多くの光をアパーチャ部材によって遮光するほうが、回折の影響によりサイドローブが大きくなりやすい。
アパーチャに対して縦長に光束が入射するだけでは、出力画像に大きな影響はないが、光学素子の形状誤差等の影響でもサイドローブが大きくなる。これらが合わさることで、図2(b)に示すように、サイドローブも含めた、見かけのビームスポット径が大きくなり、出力画像の劣化につながる。
次に、走査レンズの形状誤差について説明する。走査レンズは一般的にプラスチック成型によって作られる。その金型の作成方法を図3に示す。図3に示すように、金型は、各面ごとに主走査方向に切削して作成される。金型には高精度で走査レンズ面形状が切削されるが、切削器の振動や、切削時の環境変動により、レンズ面は、設計値の形状とは微小に異なる形状となる。設計値と実際の差分(形状誤差)は周期的な関数に近い形で現れる。また、金型の切削は図3に示すように主走査方向に沿って切削されるため、形状誤差の精度が、主走査方向と比較して副走査方向の方が悪くなってしまう。
副走査方向の形状誤差について、図4(a)、(b)と図5(a)、(b)に示す。図4(a)、(b)は、レンズを副走査断面からみた形状で、実線は、設計値でのレンズ面形状であり、点線は、形状誤差を拡大して表したものである。図5(a)、(b)は走査レンズの副走査方向の位置に対する形状誤差を三角関数でフィッティングしてグラフで表したものである。それぞれ図4(a)、図5(a)は、走査レンズの光軸から、光源側の副走査断面であり、図4(b)、図5(b)は、走査レンズ光軸に対し反光源側の副走査断面について表したものである。
図4(a)、(b)と図5(a)、(b)はそれぞれ、入射面と出射面で形状誤差の位相がほぼ逆になっている。前述のように、走査レンズの金型は主走査方向に平行に切削を行うが、副走査の形状誤差は、光軸から主走査方向に離れるにつれ大きくなっていく傾向がある。また同じ面でも、光源側と反光源側で形状誤差の形状が逆になることがある。
図5(a)、(b)に示すように、形状誤差量の絶対値は100nm程度で、この程度の形状誤差量であれば、レンズ面の屈折力変わらないので、結像点は変わらない。しかしながら、形状誤差によって感光体像面上でのビームプロファイルは変わってくる。形状誤差による感光体像面上でのビームプロファイルを図6(a)に示す。
図6(a)は、図4(a)、(b)の形状のレンズを通過したビームの感光体像面上でのビームプロファイルを示したものである。このように、入射面と出射面の形状誤差の向きが逆であると、波面収差が劣化し、サイドローブが大きくなることで、感光体像面上での見かけのビームスポット径が大きくなってしまう。
このような状態の場合、走査レンズの一方のレンズ面および外形形状を、光軸に対し対称形状につくることで、対称面の型を、光軸を中心に回転させても走査レンズを成型することができる。
例えば、図4(a)、(b)と図5(a)、(b)の状態で、入射面の型を、光軸を中心に回転させて走査レンズを成型した場合の形状誤差を図4(c)、(d)と図5(c)、(d)に示す。走査レンズの断面の位置は、図4(a)と図5(a)は図4(c)と図5(c)に、図4(b)と図5(b)は図4(d)と図5(d)にそれぞれ対応している。
このように入射面の型を反転させることで、入射面と出射面の形状誤差の位相を合わせることができる。形状誤差の位相を合わせることで、形状誤差の量自体は変わらなくても、波面収差は抑えることができるため、図6(b)に示すように、図6(a)と比較してサイドローブの影響を小さくでき、全像高にわたって良好なビームスポット径を得ることができる。
入射面を反転した場合としない場合の像面上の副走査ビームスポット径のグラフを図16に示す。入射面と出射面の形状誤差の位相が異なると、前述のようにサイドローブが大きくなり、特に位相のズレの影響が大きい周辺像高では、極端なビームスポット径太りとして現れる。しかし、このような場合は型を反転することで、全像高に渡ってビームスポット径ばらつきを少なくすることができる。また、位相がずれているかどうかが不明な場合は、入射面を反転させた場合と、反転させない場合の2種類の走査レンズを作成し、それぞれのビームスポット径を計測し、より副走査ビームスポット系ばらつきが少ない組み合わせで走査レンズを作ればよい。
以上のように、形状誤差の位相が入射面と出射面で異なる場合は、本発明のように対称面の金型を光軸周りに反転させることで、形状誤差の位相を揃えることができ、ビームスポット径ばらつきが少ない光走査装置を提供することができる。
副走査形状は、式(2)より、円弧形状なので、円弧形状からの差分関数は、形状誤差の関数として表せる。図5は実施例1の走査レンズを成型により作成したときの、副走査の面形状を測定し、円弧形状からの差分関数をプロットしたものである。形状誤差は、幅200nm程度の周期的な関数に近似できる。図5(a)、(b)の状態で光走査装置の走査レンズとして使用すると、像面上のビームプロファイルは、図6(a)のようにサイドローブが大きくなってしまい、最大強度の1/e^2で規定するビームスポット径は、65μmの狙い値に対し、実測値は105μmと非常に大きくなってしまう。
一方、入射面の金型を光軸まわりに180°回転し成型することで、図5(c)、(d)のように位相を揃えることができる。この状態で光走査装置の走査レンズとして使用すると、サイドローブによるビームスポット径の増大はないため、実測値も狙い値の65μmと良好なビームスポット径を得ることができる。
以上をまとめると、図5(a)、(b)の場合、入射面の形状誤差の近似関数における、正の極大値は光源側で1つ、反光源側で2であり、負の極小値は光源側で2つ、反光源側で1つであり、出射面の形状誤差の近似関数における、正の極大値は光源側で2つ、反光源側で1であり、負の極小値は光源側で1つ、反光源側で2つであり、入射面と出射面で異なっている。入射面の金型を光軸周りに反転させて成型することで、図5(c)、(d)のように、入射面も正の極大値が光源側で2つ、反光源側で1つ、負の極小値が光源側で1つ、反光源側で2つとすることができ、ビームスポット径のばらつきを小さくすることができる。
マルチビーム時は、感光体上でのビームピッチを合わせる必要があるため、光源を光軸周りに調整をする。前述のように、光源出射ビームは、ビームスポット径の観点で言えば主走査方向に広い構成にした方が有利なため、1ビームでは任意の出射角を持つように光源を光軸周りに回転調整すればよい。しかし、複数の発光点を持つマルチビーム光源の場合は、感光体上での副走査方向のビームピッチを合わせる必要があるため、飛散角が副走査方向に広い構成になることもある。そうした場合は、走査レンズの1面を主走査/副走査ともに光軸に対し対称な形状にすることによって、副走査方向の形状誤差によるビームスポット径太りの影響を低減することができる。
光源から出射した光束は、主走査断面内において、走査レンズの光軸に対して角度を持って偏向器の偏向面に入射している。偏向器を回転すると、回転中心から偏向面までの距離が変わるため、走査レンズによる像面湾曲や、リニアリティの補正は、光軸に対して主走査方向に非対称な補正を行う必要があり、主走査方向に非対称な形状の面を設けることが望ましい。非対称面は、主走査方向の有効径の大きい面に持たせたほうが、より高精度に補正することができるため有利である。また、走査範囲が異なるため、必要な有効領域も非対称になる。対称面を反転させる場合、サグの影響で、光束はレンズ光軸に対して主走査方向に必要な有効径は非対称になるため、有効径の小さい面を対称面にした方が外形の影響をうけにくいため有利である。ここで、サグは、ポリゴンミラーの回転による反射点移動に伴う光路長差を意味している。
副走査方向の像面湾曲を補正するには、主走査方向のレンズ位置によって副走査の曲率が変えることで、各像高での副走査曲率を最適に設定できるため、副走査像面湾曲を良好に補正できる。しかし、副走査曲率の変化がレンズ位置によって大きいと、曲率誤差がばらばらになってしまい、型を反転する効果がなくなってしまう可能性もある。そのため、対称面に関しては、主走査方向のレンズ位置によって副走査曲率が一定であることが望ましい。
走査レンズを2枚使用した構成の光走査装置200の構成について図11を参照しながら説明する。図11は、本発明の実施形態に係る光走査装置200の構成の一例を示す図である。表4に各素子間の距離を示す。図11に示されるように、光走査装置200は、光源101と、光源101から左斜め下60度の方向に順次配列された、カップリングレンズ102、アパーチャ部材201、線像形成レンズ104、及びポリゴンミラー105と、該ポリゴンミラー105の+X側に順次配置された走査レンズ第一走査レンズ202、第二走査レンズ203、防塵ガラス107を経て感光ドラム110に集光される。
前記光源101は、発光点が30μm間隔で2つ配置される波長659nmのLDアレイであり、発散角は、発光点を水平に並べた場合、横方向が19deg(半値全角)縦方向が9deg(半値全角)である。発光点が水平な状態では、感光体像面上に対し、副走査方向にビームが並んでしまうため、所望のビームピッチになるよう光源を光軸まわりに回転調整する必要がある。そこで、書込密度を1200dpiにするために、感光体上でのビーム間隔が21.1μmになるように、光源を光軸周りに回転調整するような機構が設ける。
発光点が主走査方向に2つ横並びの状態から、2つの発光点の間を中心として75.9deg回転して配置される。
カップリングレンズ102、線像形成レンズ104、ポリゴンミラー105、防塵ガラス107及び感光ドラム110は上記のものと同じである。
アパーチャ部材201は、Y軸方向(主走査方向)の大きさが3.34mm、Z軸方向(副走査方向)の大きさが2.90mmの矩形状又は楕円形状の開口を有し、この開口中心がカップリングレンズ11の焦点位置近傍に位置するように配置されている。光源101から出射された光束は、アパーチャ201に入射するが、このとき、アパーチャに入射する光束径(ビームの最大強度の1/e^2の強度と規定)は、主走査方向8.90mm、副走査方向16.41mmであり、副走査方向に長い楕円形状になっている。アパーチャの開口部以外の光は、アパーチャによって遮光され、開口径のビームが線像形成レンズ104に入射する。
第一走査レンズ202と第二走査レンズ203はそれぞれ、中心(光軸上)の肉厚が9.8mm、6.4mmの樹脂によるモールド走査レンズ(屈折率1.530)であり、これらの光学面形状は、式(1)、及び式(2)で示される関数で表される。ただし、Yは光軸位置を原点とする主走査方向の座標であり、Rmはレンズの曲率半径であり、a00、a01、a02、・・・は主走査形状の非球面係数であり、RS0は副走査方向の光軸上の曲率であり、b00、b01、b02・・・は副走査形状の非球面係数である。また、各係数の値は表3に示される通りである。 第二走査レンズ203の入射面は、光軸に対し対称な形状となっている。
図12(a)、(b)と図13(a)、(b)にそれぞれ、L1とL2の主走査曲率Cm(Y)と、副走査曲率Cs(Y)を表した。
なお、図11に示される各素子間の光学的距離及び各素子の光軸方向の大きさは表2に示される通りであり、光走査装置200に含まれる光学系全体の副走査方向の横倍率は−5.96倍、ポリゴンミラー105より被走査面側の光学系のみの副走査倍率は−1.48倍となっている。そして、光走査装置200では、被走査面上でのビームスポット径の狙いとして、主走査方向で45μm、副走査方向で50μmに設定されている。また、書込み領域は、図11に示される点Oを中心として、主走査方向(Y軸方向)へ±110mmの範囲となっており、この範囲を走査するときのポリゴンミラー105の回転角は39.6度で、画角は79.2度となっている。なお、点Oは、図11においてポリゴンミラー105の回転中心を通りX軸に平行な直線と感光ドラム110の被走査面が交わる点である。
第一走査レンズ202の主走査方向の有効径は入射面が59.8mm、出射面が64.4mm、第二走査レンズ203の主走査方向の有効径は、入射面が94.2mm、出射面が97.2mmとなっている。第一走査レンズ202の主走査方向の有効径は、光軸に対し+Y側と−Y側で異なる(入射面+30.7mm、29.1mm、出射面+33.1mm、-31.3mm)。第2走査レンズ203では、入射面と出射面の主走査方向の有効径は、光軸に対し+Y側と−Y側でそれぞれ入射面±47.1mm、出射面±48.6mmとなっている。なお、第二走査レンズの入射面のみ、走査有効領域内のレンズ面形状及び外形が光軸に対し、主走査副走査とも対称な形状となっている。外形も含めて光軸に対し対称な形状とすることで、波面収差が小さくなるよう金型を反転して使用することができる。
このように、1枚目のレンズの副走査を負レンズとすることで、副走査横倍率を下げることができる。副走査横倍率を下げると、走査レンズ以前の部品ばらつきによるビームスポット径ばらつきを小さくすることができる。しかし、1枚目を負レンズにすると、2枚目の光束径が広がるため、2枚目の副走査の形状誤差の影響が大きくなる。そのため、L2に対称面を持たせて調整することができると、副走査の形状誤差の影響を低減できる。
上記の走査光学系は、第一走査レンズが両凹、第二走査レンズがポリゴン側に凹面を向けたメニスカス形状を持った構成になっており、走査光学系の副走査横倍率は−1.48倍である。この光学系の場合、ポリゴンミラーの内接円半径が部品ばらつきにより±0.05mm変動した場合、副走査方向の結像位置が±0.23mm変動する。
上記の走査光学系の比較として、第一走査レンズの副走査曲率半径が、入射面−400mm、出射面−63.77mm、第二走査レンズの副走査曲率半径が入射面87.74mm、出射面−31mmという2枚とも副走査に正のパワーを持つレンズとする。この走査光学系の副走査横倍率は−2.45倍になる。この光学系の場合、ポリゴンミラーの内接円半径が部品ばらつきにより±0.05mm変動した場合、副走査方向の結像位置が±0.72mm変動する。上記の走査光学系と比較して1つの部品ばらつきの影響が大きくなり、結像位置の変動も大きくなる。そのため、感光体像面上でのビームスポット径も大きくなってしまう。
このように、1枚目の走査レンズの副走査を負レンズにすると、偏向器前の部品ばらつき、取付ばらつきによるビームスポット径の変動を抑えることができる。しかし、負レンズにすると、第二走査レンズに入射する光束は広がるため、同じ形状誤差であっても、波面収差は光束径が大きいほうが劣化しやすいため、形状誤差によるビームスポット径への影響が大きくなる。
そのため、2枚目の入射面を対称面とすることで、形状誤差による波面収差の劣化が少なくなるようにレンズの型を反転させてレンズを成型できるため、ビームスポット径ばらつきの小さい光走査装置を得ることができる。
上記のようにすることで、加工誤差による影響を少なくでき、結果的にビームスポット径を小さくすることが出来る。そこで、上記のような光走査装置を画像形成装置に備えることで、より高画質な画像を出力できる画像形成装置を得られる。
図15は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す図である。画像形成装置300は、複写機、プリンタ、ファクシミリの機能を備えた複合機であり、フルカラーの画像形成を行うことができるようになっている。画像形成装置300は、プリンタ、ファクシミリとして用いられる場合には、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。
画像形成装置300は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをも記録用紙である転写シートとしてのシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。
画像形成装置300は、上下方向において中央位置を占める本体99と、本体99の上側に位置し原稿を読み取るスキャナとしての読取装置21と、読取装置21の上側に位置し原稿を積載され積載された原稿を読取装置21に向けて送り出すADFと呼ばれる自動原稿給紙装置22と、本体99の下側に位置し感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kと中間転写ベルト11との間に向けて搬送される記録媒体である転写媒体たる転写紙Sを積載した給紙テーブルとしてのシート給送装置23とを有している。
画像形成装置300は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な複数の像担持体としての潜像担持体である円筒状の光導電性感光体たる感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kを並設したタンデム構造を採用したタンデム構造、言い換えるとタンデム方式すなわちタンデム型の画像形成装置である。感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kは、同一径であり、画像形成装置300の本体99の内部のほぼ中央部に配設された無端ベルトである中間転写ベルトとしての転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に、等間隔で並んでいる。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kは、A1方向の上流側からこの順で並設されている。各感光体ドラム感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像を形成するための、画像形成部としての作像部たる画像ステーション60Y、60M、60C、60Kに備えられている。
転写ベルト11は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kに対峙しながら矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kに形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、転写紙Sに一括転写されるようになっている。
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kに形成されたトナー像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kのそれぞれに対向する位置に配設された転写チャージャとしての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12Kによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kと転写ベルト11と対向位置である転写位置にて行われる。
転写ベルト11は、その全層をゴム剤等の弾性部材を用いて構成した弾性ベルトである。転写ベルト11は、単層の弾性ベルトであっても良いし、その一部を弾性部材とした弾性ベルトであっても良いし、従来から用いられている、フッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等を用いても良く、非弾性ベルトであっても良い。
画像形成装置300は、4つの画像ステーション60Y、60M、60C、60Kと、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kの下方に対向して配設され、転写ベルト11を備えた中間転写装置であるベルトユニットとしての転写ベルトユニット10と、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11に当接し、転写ベルト11への当接位置において転写ベルト11と同方向に回転する転写部材としての紙転写ベルトである転写装置たる2次転写ローラ5とを有している。
画像形成装置300はまた、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11上をクリーニングする中間転写クリーニングブレードを備えた中間転写ベルトクリーニング装置としての図示しないクリーニング装置と、画像ステーション60Y、60M、60C、60Kの上方に対向して配設された書き込み手段である光書き込み装置としての書込装置たる光走査装置8とを有している。
画像形成装置300はまた、シート給送装置23から搬送されてきた記録紙Sを、画像ステーション60Y、60M、60C、60Kによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、転写ベルト11と2次転写ローラ5の間の転写部に向けて繰り出すレジストローラ対13と、転写紙Sの先端がレジストローラ対13に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
画像形成装置300はまた、トナー像を転写され矢印C1方向に搬送されることで進入してきた転写紙Sに同トナー像を定着させるためのローラ定着方式の定着ユニットとしての定着装置6と、定着装置6を経た転写紙Sを本体99の外部に排出する排紙ローラ7と、本体99の上部に配設され排紙ローラ7により本体99の外部に排出された転写紙Sを積載する排紙部としての排紙トレイ17とを有している。
画像形成装置300は、また、図示しないCPU、メモリ等を備え、光走査装置8の駆動制御など、画像形成装置300の各構成を統括しその動作全般を制御する制御手段40と、画像形成装置300にネットワーク42を通じて接続されるパーソナルコンピュータ等の上位装置等との双方向通信を制御する通信制御装置41と、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを充填された図示しないトナーボトルとを有している。
画像形成装置300は、排紙トレイ17が本体99の上方でかつ読取装置21の下側に位置した胴内排紙型の画像形成装置である。排紙トレイ17上に積載された転写紙Sは、図15において左方に対応するD1方向下流側に取り出されるようになっている。
転写ベルトユニット10は、転写ベルト11の他に、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12Kと、中間転写ベルト11を巻き掛けられた、駆動ローラ72、2次転写対向ローラとしての転写入口ローラ73および従動ローラであるテンションローラ74とを有している。駆動ローラ72は、図示しない駆動源としてのモータの駆動により回転駆動され、これによって、転写ベルト11がA1方向に回転駆動される。
定着装置6は、熱源を内部に有する定着ローラ62と、定着ローラ62に圧接された加圧ローラ63とを有しており、トナー像を担持した転写紙Sを定着ローラ62と加圧ローラ63との圧接部である定着部に通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を転写紙Sの表面に定着するようになっている。
光走査装置8は、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kの表面によって構成された被走査面をそれぞれ走査して露光し、静電潜像を形成するための、画像信号に基づくレーザビームとしてのレーザ光であるビームLY、LM、LC、LKを発するものである。ビームLY、LM、LC、LKは、形成すべき画像に対応した電子情報が光情報に変換されたものであり、光走査装置8は、かかる光情報を感光体ドラム20Y、20M、20C、20K上に潜像として固定するものである。
光走査装置8は、本体99に対し着脱自在となっており、離脱時には、画像ステーション60Y、60M、60C、60Kにそれぞれ備えられた後述するプロセスカートリッジをそれぞれ独立で本体99から上方に取り出せるようになっている
シート給送装置23は、転写紙Sを積載した給紙トレイ15と、給紙トレイ15上に積載された転写紙Sを送り出す給紙コロ16とを有している。
読取装置21は、本体99の上方に位置し、画像形成装置300のD1方向上流側端部に配設された軸24により本体99に回動自在に一体化され本体99に対して開閉可能となっている。
読取装置21は、D1方向下流側端部に、読取装置21を本体99に対して開くときに把持するための把持部25を有している。読取装置21は、軸24を中心に回動自在であって、把持部25を把持して上方に回動させることで本体99に対して開く。本体99に対する読取装置21の開放角度はほぼ90度であり、本体99内部へのアクセス、読取装置21を閉じる作業等が容易となっている。
読取装置21は、原稿を載置するコンタクトガラス21a、コンタクトガラス21aに載置された原稿に光を照射する図示しない光源及び光源から原稿に照射され反射された光を反射する図示しない第1の反射体を備え図15における左右方向に走行する第1走行体21b、第1走行体21bの反射体によって反射された光を反射する図示しない第2の反射体を備えた第2走行体21c、第2走行体21cからの光を結像するための結像レンズ21d、結像レンズ21dを経た光を受け原稿の内容を読み取る読み取りセンサ21e等を備えている。
自動原稿給紙装置22は、読取装置21の上方に位置し、画像形成装置300のD1方向上流側端部に配設された軸26により読取装置21に回動自在に一体化され読取装置21に対して開閉可能に備えられている。
自動原稿給紙装置22は、D1方向下流側端部に、自動原稿給紙装置22を読取装置21に対して開くときに把持するための把持部27を有している。自動原稿給紙装置22は、軸26を中心に回動自在であって、把持部27を把持して上方に回動させることで読取装置21に対して開き、コンタクトガラス21aを露出させる。
自動原稿給紙装置22は原稿を載置する原稿台22aと、原稿台22aに載置された原稿を給送する、図示しないモータ等を備えた駆動部とを有している。画像形成装置300を用いて複写を行うときには、原稿を自動原稿給送装置22の原稿台22aにセットするか、自動原稿給送装置22を上方に向けて回動して手動でコンタクトガラス21a上に原稿を載置してから自動原稿給送装置22を閉じて原稿をコンタクトガラス21aに押圧する。読取装置21に対する自動原稿給紙装置22の開放角度はほぼ90度であり、コンタクトガラス21a上に原稿を載置する作業、コンタクトガラス21aのメンテナンス作業等が容易となっている。
図15を参照して、画像ステーション60Y、60M、60C、60Kについて、そのうちの一つの、感光体ドラム20Yを備えた画像ステーション60Yの構成を代表して構成を説明する。なお、他の画像ステーションの構成に関しても実質的に同一であるので、以下の説明においては、便宜上、画像ステーション60Yの構成に付した符号に対応する符号を、他の画像ステーションの構成に付し、また詳細な説明については適宜省略することとし、符号の末尾にY、M、C、Kが付されたものはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成を行うための構成であることを示すこととする。
感光体ドラム20Yを備えた画像ステーション60Yは、感光体ドラム20Yの周囲に、図中時計方向であるその回転方向B1に沿って、1次転写ローラ12Yと、感光体ドラム20Yをクリーニングするためのクリーニング手段としてのクリーニング装置70Yと、感光体ドラム20Yを高圧に帯電するための帯電手段である帯電装置としての帯電チャージャたる帯電装置30Yと、感光体ドラム20Yを現像するための現像手段としての現像器である現像装置50Yとを有している。現像装置50Yは、感光体ドラム20Yに対向する位置に配設された現像ローラ51Yを有している。
感光体ドラム20Yと、クリーニング装置70Yと、帯電装置30Yと、現像装置50Yとは一体化されており、プロセスカートリッジを構成している。プロセスカートリッジは本体99に対して着脱自在となっている。このようにプロセスカートリッジ化することは、交換部品として取り扱うことができるため、メンテナンス性が著しく向上し、大変好ましい。
以上のような構成により、感光体ドラム20Yは、B1方向への回転に伴い、帯電装置30Yにより表面を一様に帯電され、光走査装置8からのビームLYの露光走査によりイエロー色に対応した静電潜像を形成される。この静電潜像の形成は、ビームLYが、紙面垂直方向である主走査方向に走査するとともに、感光体ドラム20YのB1方向への回転により、感光体ドラム20Yの円周方向である副走査方向へも走査することによって行われる。
このようにして形成された静電潜像には、現像装置50Yにより供給される帯電したイエロー色のトナーが付着し、イエロー色に現像されて顕像化され、現像により得られたイエロー色の可視画像たるトナー像は、1次転写ローラ12YによりA1方向に移動する転写ベルト11に1次転写され、転写後に残留したトナー等の異物はクリーニング装置70Yにより掻き取り除去され備蓄されて、感光体ドラム20Yは、帯電装置30Yによる次の帯電に供される。
他の感光体ドラム20C、20M、20Kにおいても同様に各色のトナー像が形成等され、形成された各色のトナー像は、1次転写ローラ12C、12M、12Kにより、A1方向に移動する転写ベルト11上の同じ位置に順次1次転写される。なお、後述のようにして、各色のトナー像はトナー濃度が良好であり、濃度ムラがなくゴースト画像が防止ないし抑制されている。
転写ベルト11上に重ね合わされたトナー像は、転写ベルト11のA1方向の回転に伴い、2次転写ローラ5との対向位置である2次転写部である転写部まで移動し、この転写部において転写紙Sに2次転写される。
転写ベルト11と2次転写ローラ5との間に搬送されてきた転写紙Sは、シート給送装置23から繰り出され、レジストローラ対13によって、センサによる検出信号に基づいて、転写ベルト11上のトナー像の先端部が2次転写ローラ5に対向するタイミングで送り出されたものである。
転写紙Sは、すべての色のトナー像を一括転写され、担持すると、C1方向に搬送されて定着装置6に進入し、定着ローラ62と加圧ローラ63との間の定着部を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を定着され、この定着処理により、転写紙S上に合成カラー画像たるカラー画像が形成される。このカラー画像は、各色のトナー像のトナー濃度が良好であること等により、高品質となっている。
定着装置6を通過した定着済みの転写紙Sは、排紙ローラ7を経て、排紙トレイ17上にスタックされる。一方、2次転写を終えた転写ベルト11は、クリーニング装置によってクリーニングされ、次の1次転写に備える。
画像形成装置300は、高速の画像形成を行うため、光走査装置8による感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kの表面への潜像の書き込みが高速で行なわれるようになっている。そのため、光走査装置8は、回転多面鏡を複数設けた構造が採用されており、また回転多面鏡の回転高速化がなされるなどの、以下述べる技術が採用されている。
かかる光走査装置8について以下詳述する。なお、光走査装置8の書込み速度の高速化に応じて、感光体ドラム20Y、20M、20C、20K、転写ベルト11の回転速度、転写紙Sの搬送速度なども高速化されている。
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。
また、本発明における光走査装置は、前記第1の面は、前記第2の面に比べ主走査方向の走査領域内のレンズ面有効径が小さくしても良い。
また、本発明における光走査装置は、前記走査レンズは、前記第1の面において、副走査方向の曲率が主走査方向に一定であるようにしても良い。
また、本発明における光走査装置は、直線状に並んだ複数の前記光束の発光点の配列を備え、前記直線状に並んだ複数の前記光束の発光点の中心を軸に回転可能であるようにしても良い。
また、本発明における光走査装置は、前記走査レンズは、前記第一の面において、主走査レンズ高さxでの副走査の形状の円弧形状からの形状誤差を示す関数Fとし、前記第二の面において、前記第一の面の前記主走査レンズ高さxに入射光束が前記第二の面から出射される主走査レンズ高さx'での副走査の形状の円弧形状からの形状誤差を示す関数Gとしたとき、前記関数Fの極小値の個数と前記関数Gの極小値の個数が同じであるようにしても良い。
また、本発明における光走査装置は、前記走査レンズは、前記光束が先に入射する第1の走査レンズと、前記光束が後に入射する第2の走査レンズと、の二つのレンズであり、前記第1の走査レンズは、副走査方向に負パワーを持つレンズであり、前記第2の走査レンズは、前記光束の入射する面が主走査方向及び副走査方向共に対称であるようにしても良い。